JP2004117292A - 硬さ試験機及び硬さ試験方法 - Google Patents
硬さ試験機及び硬さ試験方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004117292A JP2004117292A JP2002283963A JP2002283963A JP2004117292A JP 2004117292 A JP2004117292 A JP 2004117292A JP 2002283963 A JP2002283963 A JP 2002283963A JP 2002283963 A JP2002283963 A JP 2002283963A JP 2004117292 A JP2004117292 A JP 2004117292A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- hardness
- indenter
- stage
- anvil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
Abstract
【課題】アンビルの微小な突出量調整作業を省略し、カエリのある試料をより容易に且つスムーズにアンビル上に搬送する。
【解決手段】圧痕の大きさや深さを計測することで試料Sの硬さを測定する硬さ試験機10は、試料Sを載置する試料台1と、試料台1に載置された試料Sに圧痕を形成する圧子2と、試料Sに圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、試料Sを下面から支持する試料支持部3と、を備えている。試料台1に、当該試料台1を上下方向に移動させる移動手段4を設け、移動手段4を、試料Sを試料支持部3の上方に搬送する際には、試料Sと試料支持部3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上方に移動させ、圧子2で試料Sに圧痕を形成する際には、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下方に移動させるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】圧痕の大きさや深さを計測することで試料Sの硬さを測定する硬さ試験機10は、試料Sを載置する試料台1と、試料台1に載置された試料Sに圧痕を形成する圧子2と、試料Sに圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、試料Sを下面から支持する試料支持部3と、を備えている。試料台1に、当該試料台1を上下方向に移動させる移動手段4を設け、移動手段4を、試料Sを試料支持部3の上方に搬送する際には、試料Sと試料支持部3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上方に移動させ、圧子2で試料Sに圧痕を形成する際には、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下方に移動させるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬さ試験機及び硬さ試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧子により試料表面に荷重を負荷して圧痕を形成させることに基づいて、試料の材料特性を評価する試験機として硬さ試験機が知られている。
硬さ試験機の一例として、アンビルの基軸と連動して上下動する左右一対の支え台で試料を支持するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
硬さ試験において、試料は堅牢な台(以下、アンビルという)上に載せられるが、正確な値を得るには、試料はアンビルに密着している状態が好ましい。しかし、図6に示すように、例えば、試料Sが鋼板等をパンチで打ち抜いたものの場合、打ち抜いた後には、試料Sの外周部分に一様にカエリKが形成されるため、試料Sはアンビル3aに密着した状態とはならない。そこで、図7に示すように、カエリKの高さを見込んで試料Sを載置する試料台1aの上面よりもやや高い位置にアンビル3aを設けるとともに、アンビル3aの側縁にテーパtを形成して試料Sがスムーズにアンビル3a上に搬送されるような工夫が施されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−253513号公報 (第2頁及び第3頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、試料Sの大きさやカエリKの高さは様々であるため、試料Sをスムーズにアンビル3a上に搬送するためのアンビル3aの微小な突出量の調整が困難であった。また、試料Sをスムーズにアンビル3a上に搬送するために、アンビル3aの側縁のテーパtを大きく形成することが望ましいが、試料Sが小さくなるとアンビル3aも小さくする必要があるので、十分なテーパtを形成できない場合があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、アンビルの微小な突出量調整を必要とせず、カエリのある試料をより容易に且つスムーズにアンビル上に搬送できる硬さ試験機及び硬さ試験方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図5に示すように、試料Sを載置する試料台1と、前記試料Sに圧痕を形成する圧子2と、前記試料Sに前記圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、前記試料台1から突出して前記試料Sを下面から支持する試料支持部3と、を備え、前記圧痕の大きさや深さを計測することで前記試料Sの硬さを測定する硬さ試験機10であって、前記試料台1に、当該試料台1を上下方向に移動させる移動手段4を設け、前記移動手段4を、前記試料Sを前記試料支持部3の上方に搬送する際には、前記試料Sと前記試料支持部3の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を上方に移動させ、前記圧子2で前記試料Sに圧痕を形成する際には、前記試料Sと前記試料台1の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を下方に移動させるように構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、試料台に、当該試料台を上下方向に移動させる移動手段を設け、移動手段を、試料を試料支持部の上方に搬送する際には、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させるように構成したので、試料が試料支持部を乗り越えることがなくなり、試料支持部の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、移動手段を圧子で試料に圧痕を形成する際には、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させるように構成したので、試料にカエリが形成されていてもカエリの高さに合わせた試料支持部の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリのある試料をより容易に且つスムーズに試料支持部上に搬送することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば、図4及び図5に示すように、請求項1に記載の硬さ試験機10において、前記圧子2を、前記試料Sの計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、圧子を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料を180度回転させることで同じ試料の新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料で多くの試験を行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば、図2及び図3に示すように、請求項1又は2に記載の硬さ試験機10を用いた硬さ試験方法であって、前記試料Sと前記試料支持部3の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を上方に移動させて、前記試料Sを前記試料支持部3の上方に搬送し、前記試料Sと前記試料台1の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を下方に移動させて、前記圧子2で前記試料Sに圧痕を形成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させて、試料を試料支持部の上方に搬送するので、試料支持部が試料の搬送を妨害することがなくなり、試料を試料支持部上にスムーズに搬送できる。
また、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させて、圧子で試料に圧痕を形成するので、試料のカエリを除去していなくても、試料を試料支持部に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態における硬さ試験機及び硬さ試験方法について詳細に説明する。
図1〜図5に示すように、硬さ試験機10は、試料Sを載置する試料台1、試料Sに圧痕を形成する圧子2、試料Sに圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、試料台1から突出して試料Sを下面から支持する試料支持部としてのアンビル3、試料台1を試料Sの上下方向に移動させる移動手段としてのシリンダ装置4、試料台1上に搬送された試料Sをアンビル3の上方に搬送する搬送アーム5等を備えている。
【0013】
試料台1は、図1、図4、図5に示すように、試料ストッカ(図示しない)等から搬送されてきた試料Sが載置される場所であり、平面視略矩形状に形成されている。この試料台1は、試料台1の高さ位置調整を行う角ねじ7に固定された基礎台6上に設けられ、基礎台6に設けられたシリンダ装置4に連結されている。
また、試料台1の上面には、試料Sの搬送方向に沿って二本のガイドレール13が設けられている。このガイドレール13は、試料Sの搬送方向に直交する方向(以下、試料Sの幅方向という)の長さより少し広い間隔をあけて設けられている。
【0014】
圧子2は、試料Sに圧痕を形成する公知のものであり、搬送される試料Sの中心から試料Sの幅方向に少しずれた位置に設けられている。
【0015】
アンビル3は、図2、図3に示すように、試料台1と角ねじ7との間に挟まれるように設けられ、二本のガイドレール13に挟まれた試料台1上の穴部14にその一部がはめ込まれている。また、アンビル3の下端部は、角ねじ7に連結されている。
【0016】
シリンダ装置4は、図2、図3に示すように、試料台1と基礎台6とを連結し、伸縮することによって試料台1を上下方向に移動させる駆動源となるものである。このシリンダ装置4が最も伸びたときには、図2に示すように、アンビル3の上面が試料台1の上面よりも下方に位置するように試料台1が上昇し、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となる。また、シリンダ装置4が最も縮んだときには、図3に示すように、アンビル3の上面が試料台1の上面から突出するように試料台1が下降し、試料Sとアンビル3とが密着して、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となる。
【0017】
搬送アーム5は、図1、図4、図5に示すように、試料台1の一端部に待機しており、試料Sが試料台1に載置されると、例えば、送りねじ機構によって試料Sの搬送方向に沿って試料Sを搬送し、試料Sの硬さ試験後は、試料台1の他端部へ移動して試験後の試料Sを試料台1から排出するものである。なお、搬送アーム5は、送りねじ機構によるものに限らず、ベルト機構やチェーン機構でもよい。
【0018】
次に、上述の硬さ試験機10を用いた硬さ試験方法について説明する。
硬さ試験機10の近傍に設けられた試料ストッカ(図示しない)から試料搬送装置(図示しない)が試料Sを取り出して搬送して、硬さ試験機10の試料台1の一端部に載置する。
次いで、図2に示すように、シリンダ装置4を駆動させて、アンビル3の上面が試料台1の上面より低くなるように、試料台1を上昇させる。
次いで、搬送アーム5が試料Sを押しながら試料台1の他端部に向けて移動し、試料Sをアンビル3上まで搬送する。
次いで、図3に示すように、シリンダ装置4を駆動させて、試料SのカエリKが試料台1から離間する位置まで試料台1を下降させる。
次いで、圧子2を下降させて試料Sに圧痕を形成し、その圧痕の大きさや深さを計測して硬さ試験を行う。
なお、この硬さ試験において、試料Sの計測点が多ければ、図5に示すように、試料Sを180度回転させて試験を行えばよい。
【0019】
本実施の形態の硬さ試験機10及び硬さ試験方法によれば、試料台1を上下方向に移動させるシリンダ装置4を設け、試料Sをアンビル3の上方に搬送する際には、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上昇させるので、試料Sがアンビル3を乗り越えることがなくなり、アンビル3の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、圧子2で試料Sに圧痕を形成する際には、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下降させることで、試料SにカエリKが形成されていてもカエリKの高さに合わせたアンビル3の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリKのある試料Sをより容易に且つスムーズにアンビル3上に搬送することができる。
【0020】
また、圧子2を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料Sを180度回転させることで同じ試料Sの新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料Sで多くの試験を行うことができる。
【0021】
さらに、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上方に移動させて、試料Sをアンビル3の上方に搬送するので、アンビル3が試料Sの搬送を妨害することがなくなり、試料Sをアンビル3の上方にスムーズに搬送できる。
また、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下方に移動させて、圧子2で試料Sに圧痕を形成するので、試料SのカエリKを除去していなくても、試料Sをアンビル3に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【0022】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、試料台1を上下に移動させる移動手段は、シリンダ装置4に限らず、歯車機構やベルト機構等を用いたものでもよい。また、圧子2を試料Sの搬送方向に直交する方向の長さの中央から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたが、試験を行う回数が少なければ、試料Sの幅方向の試料中央位置と一致させるように圧子2を配置してもよい。また、本発明の硬さ試験機10及び硬さ試験方法は、カエリKを有する試料Sに限らないことは勿論である。
その他、本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で自由に変更、改良が可能である。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、試料台に、当該試料台を上下方向に移動させる移動手段を設け、移動手段は、試料を試料支持部の上方に搬送する際には、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させるので、試料が試料支持部を乗り越えることがなくなり、試料支持部の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、圧子で試料に圧痕を形成する際には、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させるように構成したので、試料にカエリが形成されていてもカエリの高さに合わせた試料支持部の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリのある試料をより容易に且つスムーズに試料支持部上に搬送することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、圧子を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料を180度回転させることで同じ試料の新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料で多くの試験を行うことができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させて、試料を試料支持部の上方に搬送するので、試料支持部が試料の搬送を妨害することがなくなり、試料を試料支持部上にスムーズに搬送できる。
また、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させて、圧子で試料に圧痕を形成するので、試料のカエリを除去していなくても、試料を試料支持部に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における硬さ試験機の斜視図である。
【図2】上記実施の形態における試料を搬送する際の試料台の位置を示すA−A断面図である。
【図3】上記実施の形態における硬さ試験を行う際の試料台の位置を示すA−A断面図である。
【図4】上記実施の形態における試料の計測面における圧痕の形成位置を示した硬さ試験機の平面図である。
【図5】上記実施の形態における試料の計測面における圧痕の形成位置を示した硬さ試験機の平面図である。
【図6】従来技術における試料にカエリがある際のアンビル上の試料の状態を示す模式図である。
【図7】従来技術における硬さ試験機の側断面図及びカエリの拡大図である。
【符号の説明】
1 試料台
2 圧子
3 アンビル(試料支持部)
4 シリンダ装置(移動手段)
10 硬さ試験機
S 試料
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬さ試験機及び硬さ試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧子により試料表面に荷重を負荷して圧痕を形成させることに基づいて、試料の材料特性を評価する試験機として硬さ試験機が知られている。
硬さ試験機の一例として、アンビルの基軸と連動して上下動する左右一対の支え台で試料を支持するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
硬さ試験において、試料は堅牢な台(以下、アンビルという)上に載せられるが、正確な値を得るには、試料はアンビルに密着している状態が好ましい。しかし、図6に示すように、例えば、試料Sが鋼板等をパンチで打ち抜いたものの場合、打ち抜いた後には、試料Sの外周部分に一様にカエリKが形成されるため、試料Sはアンビル3aに密着した状態とはならない。そこで、図7に示すように、カエリKの高さを見込んで試料Sを載置する試料台1aの上面よりもやや高い位置にアンビル3aを設けるとともに、アンビル3aの側縁にテーパtを形成して試料Sがスムーズにアンビル3a上に搬送されるような工夫が施されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−253513号公報 (第2頁及び第3頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、試料Sの大きさやカエリKの高さは様々であるため、試料Sをスムーズにアンビル3a上に搬送するためのアンビル3aの微小な突出量の調整が困難であった。また、試料Sをスムーズにアンビル3a上に搬送するために、アンビル3aの側縁のテーパtを大きく形成することが望ましいが、試料Sが小さくなるとアンビル3aも小さくする必要があるので、十分なテーパtを形成できない場合があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、アンビルの微小な突出量調整を必要とせず、カエリのある試料をより容易に且つスムーズにアンビル上に搬送できる硬さ試験機及び硬さ試験方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図5に示すように、試料Sを載置する試料台1と、前記試料Sに圧痕を形成する圧子2と、前記試料Sに前記圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、前記試料台1から突出して前記試料Sを下面から支持する試料支持部3と、を備え、前記圧痕の大きさや深さを計測することで前記試料Sの硬さを測定する硬さ試験機10であって、前記試料台1に、当該試料台1を上下方向に移動させる移動手段4を設け、前記移動手段4を、前記試料Sを前記試料支持部3の上方に搬送する際には、前記試料Sと前記試料支持部3の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を上方に移動させ、前記圧子2で前記試料Sに圧痕を形成する際には、前記試料Sと前記試料台1の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を下方に移動させるように構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、試料台に、当該試料台を上下方向に移動させる移動手段を設け、移動手段を、試料を試料支持部の上方に搬送する際には、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させるように構成したので、試料が試料支持部を乗り越えることがなくなり、試料支持部の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、移動手段を圧子で試料に圧痕を形成する際には、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させるように構成したので、試料にカエリが形成されていてもカエリの高さに合わせた試料支持部の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリのある試料をより容易に且つスムーズに試料支持部上に搬送することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば、図4及び図5に示すように、請求項1に記載の硬さ試験機10において、前記圧子2を、前記試料Sの計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、圧子を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料を180度回転させることで同じ試料の新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料で多くの試験を行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば、図2及び図3に示すように、請求項1又は2に記載の硬さ試験機10を用いた硬さ試験方法であって、前記試料Sと前記試料支持部3の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を上方に移動させて、前記試料Sを前記試料支持部3の上方に搬送し、前記試料Sと前記試料台1の上面とが離間した状態となるように前記試料台1を下方に移動させて、前記圧子2で前記試料Sに圧痕を形成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させて、試料を試料支持部の上方に搬送するので、試料支持部が試料の搬送を妨害することがなくなり、試料を試料支持部上にスムーズに搬送できる。
また、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させて、圧子で試料に圧痕を形成するので、試料のカエリを除去していなくても、試料を試料支持部に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態における硬さ試験機及び硬さ試験方法について詳細に説明する。
図1〜図5に示すように、硬さ試験機10は、試料Sを載置する試料台1、試料Sに圧痕を形成する圧子2、試料Sに圧子2を押し当てて圧痕を形成する際に、試料台1から突出して試料Sを下面から支持する試料支持部としてのアンビル3、試料台1を試料Sの上下方向に移動させる移動手段としてのシリンダ装置4、試料台1上に搬送された試料Sをアンビル3の上方に搬送する搬送アーム5等を備えている。
【0013】
試料台1は、図1、図4、図5に示すように、試料ストッカ(図示しない)等から搬送されてきた試料Sが載置される場所であり、平面視略矩形状に形成されている。この試料台1は、試料台1の高さ位置調整を行う角ねじ7に固定された基礎台6上に設けられ、基礎台6に設けられたシリンダ装置4に連結されている。
また、試料台1の上面には、試料Sの搬送方向に沿って二本のガイドレール13が設けられている。このガイドレール13は、試料Sの搬送方向に直交する方向(以下、試料Sの幅方向という)の長さより少し広い間隔をあけて設けられている。
【0014】
圧子2は、試料Sに圧痕を形成する公知のものであり、搬送される試料Sの中心から試料Sの幅方向に少しずれた位置に設けられている。
【0015】
アンビル3は、図2、図3に示すように、試料台1と角ねじ7との間に挟まれるように設けられ、二本のガイドレール13に挟まれた試料台1上の穴部14にその一部がはめ込まれている。また、アンビル3の下端部は、角ねじ7に連結されている。
【0016】
シリンダ装置4は、図2、図3に示すように、試料台1と基礎台6とを連結し、伸縮することによって試料台1を上下方向に移動させる駆動源となるものである。このシリンダ装置4が最も伸びたときには、図2に示すように、アンビル3の上面が試料台1の上面よりも下方に位置するように試料台1が上昇し、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となる。また、シリンダ装置4が最も縮んだときには、図3に示すように、アンビル3の上面が試料台1の上面から突出するように試料台1が下降し、試料Sとアンビル3とが密着して、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となる。
【0017】
搬送アーム5は、図1、図4、図5に示すように、試料台1の一端部に待機しており、試料Sが試料台1に載置されると、例えば、送りねじ機構によって試料Sの搬送方向に沿って試料Sを搬送し、試料Sの硬さ試験後は、試料台1の他端部へ移動して試験後の試料Sを試料台1から排出するものである。なお、搬送アーム5は、送りねじ機構によるものに限らず、ベルト機構やチェーン機構でもよい。
【0018】
次に、上述の硬さ試験機10を用いた硬さ試験方法について説明する。
硬さ試験機10の近傍に設けられた試料ストッカ(図示しない)から試料搬送装置(図示しない)が試料Sを取り出して搬送して、硬さ試験機10の試料台1の一端部に載置する。
次いで、図2に示すように、シリンダ装置4を駆動させて、アンビル3の上面が試料台1の上面より低くなるように、試料台1を上昇させる。
次いで、搬送アーム5が試料Sを押しながら試料台1の他端部に向けて移動し、試料Sをアンビル3上まで搬送する。
次いで、図3に示すように、シリンダ装置4を駆動させて、試料SのカエリKが試料台1から離間する位置まで試料台1を下降させる。
次いで、圧子2を下降させて試料Sに圧痕を形成し、その圧痕の大きさや深さを計測して硬さ試験を行う。
なお、この硬さ試験において、試料Sの計測点が多ければ、図5に示すように、試料Sを180度回転させて試験を行えばよい。
【0019】
本実施の形態の硬さ試験機10及び硬さ試験方法によれば、試料台1を上下方向に移動させるシリンダ装置4を設け、試料Sをアンビル3の上方に搬送する際には、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上昇させるので、試料Sがアンビル3を乗り越えることがなくなり、アンビル3の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、圧子2で試料Sに圧痕を形成する際には、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下降させることで、試料SにカエリKが形成されていてもカエリKの高さに合わせたアンビル3の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリKのある試料Sをより容易に且つスムーズにアンビル3上に搬送することができる。
【0020】
また、圧子2を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料Sを180度回転させることで同じ試料Sの新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料Sで多くの試験を行うことができる。
【0021】
さらに、試料Sとアンビル3の上面とが離間した状態となるように試料台1を上方に移動させて、試料Sをアンビル3の上方に搬送するので、アンビル3が試料Sの搬送を妨害することがなくなり、試料Sをアンビル3の上方にスムーズに搬送できる。
また、試料Sと試料台1の上面とが離間した状態となるように試料台1を下方に移動させて、圧子2で試料Sに圧痕を形成するので、試料SのカエリKを除去していなくても、試料Sをアンビル3に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【0022】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、試料台1を上下に移動させる移動手段は、シリンダ装置4に限らず、歯車機構やベルト機構等を用いたものでもよい。また、圧子2を試料Sの搬送方向に直交する方向の長さの中央から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたが、試験を行う回数が少なければ、試料Sの幅方向の試料中央位置と一致させるように圧子2を配置してもよい。また、本発明の硬さ試験機10及び硬さ試験方法は、カエリKを有する試料Sに限らないことは勿論である。
その他、本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で自由に変更、改良が可能である。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、試料台に、当該試料台を上下方向に移動させる移動手段を設け、移動手段は、試料を試料支持部の上方に搬送する際には、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させるので、試料が試料支持部を乗り越えることがなくなり、試料支持部の側縁にテーパを形成する必要がなくなる。
また、圧子で試料に圧痕を形成する際には、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させるように構成したので、試料にカエリが形成されていてもカエリの高さに合わせた試料支持部の微小な突出量調整作業を省くことができる。
よって、カエリのある試料をより容易に且つスムーズに試料支持部上に搬送することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、圧子を、計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたので、試料を180度回転させることで同じ試料の新たな部分で試験を行うことができることとなって、一つの試料で多くの試験を行うことができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、試料と試料支持部の上面とが離間した状態となるように試料台を上方に移動させて、試料を試料支持部の上方に搬送するので、試料支持部が試料の搬送を妨害することがなくなり、試料を試料支持部上にスムーズに搬送できる。
また、試料と試料台の上面とが離間した状態となるように試料台を下方に移動させて、圧子で試料に圧痕を形成するので、試料のカエリを除去していなくても、試料を試料支持部に密着させて試験を行うことができることとなって、より正確な硬さ試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における硬さ試験機の斜視図である。
【図2】上記実施の形態における試料を搬送する際の試料台の位置を示すA−A断面図である。
【図3】上記実施の形態における硬さ試験を行う際の試料台の位置を示すA−A断面図である。
【図4】上記実施の形態における試料の計測面における圧痕の形成位置を示した硬さ試験機の平面図である。
【図5】上記実施の形態における試料の計測面における圧痕の形成位置を示した硬さ試験機の平面図である。
【図6】従来技術における試料にカエリがある際のアンビル上の試料の状態を示す模式図である。
【図7】従来技術における硬さ試験機の側断面図及びカエリの拡大図である。
【符号の説明】
1 試料台
2 圧子
3 アンビル(試料支持部)
4 シリンダ装置(移動手段)
10 硬さ試験機
S 試料
Claims (3)
- 試料を載置する試料台と、
前記試料に圧痕を形成する圧子と、
前記試料に前記圧子を押し当てて圧痕を形成する際に、前記試料台から突出して前記試料を下面から支持する試料支持部と、
を備え、
前記圧痕の大きさや深さを計測することで前記試料の硬さを測定する硬さ試験機であって、
前記試料台に、当該試料台を上下方向に移動させる移動手段を設け、
前記移動手段を、
前記試料を前記試料支持部の上方に搬送する際には、前記試料と前記試料支持部の上面とが離間した状態となるように前記試料台を上方に移動させ、
前記圧子で前記試料に圧痕を形成する際には、前記試料と前記試料台の上面とが離間した状態となるように前記試料台を下方に移動させるように構成したことを特徴とする硬さ試験機。 - 請求項1に記載の硬さ試験機において、
前記圧子を、前記試料の計測面における搬送方向に直交する方向の試料中央位置から所定距離ずらした位置に圧痕を形成するように設けたことを特徴とする硬さ試験機。 - 請求項1又は2に記載の硬さ試験機を用いた硬さ試験方法であって、
前記試料と前記試料支持部の上面とが離間した状態となるように前記試料台を上方に移動させて、前記試料を前記試料支持部の上方に搬送し、
前記試料と前記試料台の上面とが離間した状態となるように前記試料台を下方に移動させて、前記圧子で前記試料に圧痕を形成することを特徴とする硬さ試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283963A JP2004117292A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 硬さ試験機及び硬さ試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283963A JP2004117292A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 硬さ試験機及び硬さ試験方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004117292A true JP2004117292A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283963A Pending JP2004117292A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 硬さ試験機及び硬さ試験方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004117292A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104266905A (zh) * | 2014-10-11 | 2015-01-07 | 江苏交科工程检测技术有限公司 | 一种混凝土抗压强度检测装置 |
CN117990538A (zh) * | 2024-03-19 | 2024-05-07 | 天津威尔德新材料科技有限公司 | 一种硬度检测系统及硬度检测方法 |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283963A patent/JP2004117292A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104266905A (zh) * | 2014-10-11 | 2015-01-07 | 江苏交科工程检测技术有限公司 | 一种混凝土抗压强度检测装置 |
CN117990538A (zh) * | 2024-03-19 | 2024-05-07 | 天津威尔德新材料科技有限公司 | 一种硬度检测系统及硬度检测方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN2746401Y (zh) | 电参数检查设备 | |
ATE341834T1 (de) | Verfahren und vorrichtung zum testen von halbleiterwafern | |
US20100011979A1 (en) | Device for inscribing identification plates | |
ATE441937T1 (de) | Belichtungsgerät und bauelemente- herstellungsverfahren | |
JPH045837A (ja) | 半導体フレームの搬送装置および搬送方法 | |
JP2004117292A (ja) | 硬さ試験機及び硬さ試験方法 | |
EP2605011A2 (en) | Test piece transfer apparatus | |
JP2018069536A (ja) | スクライブ装置およびスクライブ方法 | |
JP2003089098A (ja) | カス取り装置 | |
EP3557966A1 (en) | Substrate transfer device | |
JP3758491B2 (ja) | 実装基板の下受け装置における下受けピン取り付け方法 | |
JPH0545489B2 (ja) | ||
JP4734228B2 (ja) | 圧延設備の圧延製品のための検査システム | |
KR102032348B1 (ko) | 웨이퍼 프로버의 웨이퍼 푸셔 장치 및 그 제어 방법 | |
JP4338286B2 (ja) | トランスファー型切削加工機 | |
JP3664589B2 (ja) | 基板搬送装置および基板搬送方法 | |
CN114878579B (zh) | 一种易碎镂空蚀刻件双面检测设备及检测方法 | |
JPH05264423A (ja) | 曲げ強度試験片供給装置 | |
JP4180466B2 (ja) | ワーク搬送装置 | |
JP3884739B2 (ja) | 刷版加工装置 | |
JP2810454B2 (ja) | 基板支持装置 | |
TWI621203B (zh) | 電子元件定位載具及其推撐設備 | |
JPH01153225A (ja) | 自動焼きばめ装置 | |
JP6834548B2 (ja) | 支持構造、検査装置 | |
JPS5919438Y2 (ja) | 電子部品のリ−ド線切断装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050304 |