JPH05264423A - 曲げ強度試験片供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的少ない搬送スペースで試験片を効率よ
く供給可能にするとともに、破壊後の試験片の回収を容
易にした曲げ強度試験片供給装置を提供する。 【構成】 曲げ強度試験片供給装置１０は、水平方向も
しくは水平方向に対し所定角度傾斜しかつ同軸上に配置
された固定治具１６および可動治具１７に支点１６ａ、
１６ｂおよび１７ａ、１７ｂが設けられる。試験片１５
を摺動可能に支持する支持アーム２４は、移動アーム２
６により垂直方向もしくは垂直方向に対し所定角度傾斜
した方向に搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セラミック等の材料の
曲げ強さを求める曲げ強度試験片供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、３点曲げ試験、４点曲げ試験等
の曲げ試験に用いられる曲げ試験装置は、２個の支点を
有する治具の上に円柱または角柱状の試験片をセット
し、この試験片に対し前記２個の支点間の位置に鉛直方
向に荷重を加えることにより、試験片破壊時の荷重等を
測定する。このような曲げ試験は、一般に手作業で試験
片のセットが行われている。

【０００３】そこで、曲げ強度試験片供給装置として
は、水平面上の円周方向または直線方向に治具および試
験片を搬送し、鉛直方向荷重作用軸の軸線上の所定位置
に試験片を配置するものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
曲げ強度試験片供給装置によると、荷重の作用方向が鉛
直方向の負荷により試験片が破壊する場合、治具の周囲
に破片が飛散するため、破片の回収が困難になる。ま
た、他の試験片の破片と混合する恐れがある。さらに、
試験片毎に個々に異なる治具にセットするため、試験の
準備作業が煩雑になるとともに、連続して試験可能な試
験片の個数が治具の個数に制限されるという問題があ
る。

【０００５】さらに、複数の試験片を治具にセットする
場合、試験片および治具が水平方向に配置されるため、
試験片を供給するために必要な搬送スペースが大にな
り、曲げ強度試験片供給装置が大型化しやすいという問
題がある。本発明は、このような問題点を解決するため
になされたもので、比較的小さい搬送スペースで試験片
を効率よく供給可能にし、かつ破壊後の試験片の回収を
容易にした曲げ強度試験片供給装置を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による曲げ強度試験片供給装置は、水平方向、
もしくは水平方向に所定角度傾斜し、同軸上に配置され
た、試験片を支持するための第１の支点と前記第１の支
点と反対側から前記試験片を押圧、荷重負荷するための
第２の支点との間に前記試験片を上方、または下方より
供給することを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の曲げ強度試験片供給装置によると、試
験片を供給する場合、支持手段に試験片を載置すると、
移動手段により試験片が垂直方向に搬送され、第１の支
点と第２の支点との間に配置される。このとき、第１の
支点および第２の支点が水平方向、もしくは、水平方向
に所定角度傾斜して配置されるため、破壊後の試験片
は、重力によって鉛直下方向に落下する。しかも破片
は、固定治具または可動治具を固定する壁体に案内され
て周囲への飛散が抑えられるため、他の試験片と混ざる
ことなく容易に回収される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の第１実施例による曲げ強度試験片供給装
置を図１〜図３に示す。図２に示すように、曲げ試験に
用いられる曲げ強度試験片供給装置１０は、ロードフレ
ーム内の所定の高さの位置に固定軸１３および可動軸１
４が同軸上に水平に設けられる。例えばセラミックから
なる角柱状の試験片１５は、固定軸１３および可動軸１
４の先端に取付けられた固定治具１６および可動治具１
７の間に配置される。ロードフレーム内をクロスヘッド
が図２に示す矢印ａ方向に移動すると、ロードセル、可
動軸１４および可動治具１７が軸方向に移動し、試験片
１５に荷重が加えられる。ロードフレームの外部に設け
られる制御装置は、試験片１５に付加される荷重を調節
するとともに、ロードセルにより検出される荷重信号を
演算処理する。

【０００９】固定治具１６および可動治具１７の互いに
対向する面には、図１および図３に示すように、鉛直方
向に延びる支点１６ａ、１６ｂおよび支点１７ａ、１７
ｂが形成される。支点１６ａと１６ｂとの間隔は、支点
１７ａと１７ｂとの間隔よりも大きくなるように設定さ
れている。試験片１５は、図３に示すように、一対の支
持アーム２４によって水平に支持される。支持アーム２
４は、金属等からなり、一定の長さに設定される。図１
に示すように、支持アーム２４の先端は、Ｌ字状に折り
曲げられ、この折曲部２４ａが試験片１５の落下を防止
する。また、支持アーム２４上を試験片１５が摺動可能
になっている。

【００１０】図２に示すように、支持アーム２４を垂直
方向に搬送する移動装置２５は、固定軸１３の下方に設
けられる。移動装置２５は、垂直方向に延びる一対の移
動アーム２６を有し、レール２７に移動アーム２６が摺
動自在に取付けられる。移動アーム２６の間隔Ｌ₃ は、
図３に示す試験片１５の長さＬ₁ よりも小さく、固定軸
１３の幅Ｌ₂ よりも大きく設定される。移動アーム２６
の側面には、水平方向に延びる支持アーム２４が垂直方
向に等間隔に固定されている。移動装置２５の駆動時、
等速度で間欠的に移動する移動アーム２６は、最下段の
支持アーム２４が固定軸１３よりも高い位置になるまで
上昇し、最上段の支持アーム２４が固定軸１３より低い
位置になるまで下降する。

【００１１】試験片１５の破片は、固定治具１６の下方
の試験片回収装置２９により回収される。試験時、ま
ず、移動アーム２６を最上位置に移動し、各段の支持ア
ーム２４に試験片を水平に載置する。次いで、最下段の
支持アーム２４が支点１６ａ、１６ｂと１７ａ、１７ｂ
との間になる位置に移動アーム２６を垂直方向に下降さ
せた後、可動軸１４を水平方向に移動して試験片１５に
荷重を付加する。このとき、荷重の増大により試験片が
破壊すると、試験片の破片は、支持アーム２４上でバラ
ンスを失い収集箱２９内に落下する。次いで、再び移動
アーム２６を下降させ、低い位置の試験片１５から順に
同様に荷重を付加する。最上段の試験片１５の荷重付加
の解除後、移動アーム２６を再び最上位置に移動し、同
様の操作を繰返す。

【００１２】前記第１実施例の曲げ強度試験片供給装置
によると、固定治具１６および移動治具１７に支点１６
ａ、１６ｂおよび支点１７ａ、１７ｂが配置されている
ため、試験片１５の供給時、試験片毎に治具にセットす
る必要はなく、支持アーム２４に試験片１５を載置する
だけでよい。このため、連続して試験可能な試験片１５
の個数が治具の数に制限されることなく、複数の試験片
１５を効率よく試験することができる。また、破壊後の
試験片１５は、重力により落下して収集箱２９内に回収
されるため、試験時の固定治具１６、移動治具１７等の
掃除作業が省略される。試験片１５毎に破片が回収され
るため、他の試験片１５と混合することがない。さら
に、試験片１５が垂直方向に搬送されるため、比較的大
きな場所を取らずに複数の試験片１５を自動的に供給す
ることができる。

【００１３】本発明の第２実施例を図４に示す。第２実
施例による曲げ強度試験片供給装置３０は、支持アーム
をベルト駆動により一方向に回転移動するようにしたも
のである。移動装置３１は、固定軸１３の上方および下
方に従動プーリ３２および駆動プーリ３３を配置し、こ
れらの従動プーリ３２および駆動プーリ３３の軸方向両
端部に一対のベルト３４が巻き掛けられる。ベルト３４
には、試験片１５を支持する支持アーム２４が等間隔に
平行に固定される。移動装置３１を駆動すると、ベルト
３４は、図４矢印ｂ方向に移動し、支点１６ａ、１６ｂ
と支点１７ａ、１７ｂとの間に試験片１５を垂直方向に
搬送する。試験片１５は、従動プーリ３２とほぼ同じ高
さの位置から支持アーム２４上に載置される。

【００１４】前期第２実施例の曲げ強度試験片供給装置
３０によると、一定の時間間隔で効率よく連続的に試験
片１５を供給することができる。このため、大量の試験
片１５に迅速に荷重を付加することができ、試験時間を
大幅に短縮することができる。本発明の第３実施例を図
５に示す。

【００１５】第３実施例による曲げ強度試験片供給装置
４０は、試験片１５の長さ方向のズレを防止するため、
支持アーム２４の幅方向外側の壁面に補助板４１を設け
たものである。補助板４１の間隔は、試験片１５の長さ
より僅かに大きく設定される。曲げ強度試験片供給装置
４０によると、試験片１５の長さ方向のズレが補助板４
１により防止されるとともに、試験前に試験片１５が落
下することがない。また支持アーム２４に試験片１５を
載置するときの位置決めが容易になる。

【００１６】前記第１実施例および第２実施例では、試
験片１５を垂直方向に搬送したが、本発明としては、試
験片を垂直方向から角度をつけて搬送したり曲線的に搬
送してもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の曲げ強度
試験片供給装置によれば試験片の供給作業および回収作
業を簡略化することができるため、大量の試験片を効率
よく試験することができ、曲げ試験の自動化を容易に図
ることができるという効果がある。また、試験片の搬送
距離を比較的短くすることができるため、試験片供給装
置を小型化することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例による曲げ強度試験片供給
装置を示す部分模式図である。

【図２】本発明の第１実施例による曲げ強度試験片供給
装置を示す模式図である。

【図３】図１に示す矢印ａ方向矢視図である。

【図４】本発明の第２実施例による曲げ強度試験片供給
装置を示す模式図である。

【図５】本発明の第３実施例による曲げ強度試験片供給
装置を示す部分斜視図である。

【符号の説明】

１０ 曲げ強度試験片供給装置 １５ 試験片 １６ 固定治具 １６ａ、１６ｂ 支点（第１の支点） １７ａ、１７ｂ 支点（第２の支点） １７ 可動治具 ２４ 支持アーム（支持手段） ２６ 移動アーム（移動手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平方向もしくは水平方向に対し所定角
   度傾斜した方向に配置される固定治具および可動治具
   と、 前記固定治具および前記可動治具に設けられ、前記固定
   治具および前記可動治具の間に配置される試験片に荷重
   を加える第１の支点および第２の支点と、 前記試験片を摺動可能に載置する支持手段と、 前記支持手段に載置される前記試験片を垂直方向もしく
   は垂直方向に対し所定角度傾斜した方向に移動する移動
   手段と、 前記第１の支点と前記第２の支点とで前記試験片に作用
   する荷重を付加または解除するために前記可動治具を移
   動する駆動手段とを備えたことを特徴とする曲げ強度試
   験片供給装置。