JP2004116153A - エキスパンションジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記建設物相互間の多方向変位に円滑に追従できるようにし、閉塞状態を良好に維持する。
【解決手段】本発明は所定間隔離間して近接する建設物（建造物２，３）間に配設される板状のエキスパンションジョイント８に於て、前記エキスパンションジョイント８の両側部を前記建設物（建造物２，３）に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部９を形成し、該湾曲部９によって前記建設物（建造物２，３）相互間の多方向変位に追従自在に構成したエキスパンションジョイントを提供する。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明は所定間隔離間して近接する建設物（建造物２，３）間に配設される板状のエキスパンションジョイント８に於て、前記エキスパンションジョイント８の両側部を前記建設物（建造物２，３）に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部９を形成し、該湾曲部９によって前記建設物（建造物２，３）相互間の多方向変位に追従自在に構成したエキスパンションジョイントを提供する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エキスパンションジョイントに関するものであり、特に、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記建設物相互間の多方向変位に追従可能にしたエキスパンションジョイントに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の此種エキスパンションジョイントを図２及び図３に従って説明する。図２に於て、１，１は所定間隔離間し近接して建造された建造物２の外壁面２ａと建造物３の外壁面３ａ間に配設され、該建造物２と建造物３間の隙間を塞ぐためのエキスパンションジョイントであり、該エキスパンションジョイント１はステンレス鋼板で形成され、例えば、図に示す如く、前記建造物２の外壁面２ａと前記建造物３の角部の外壁面３ａとが直交する如く近接する場合は、平面視Ｌ型形状に折曲される等、近接する建造物に合わせて適宜形状に形成される。
【０００３】
そして、図３に示す如く、前記エキスパンションジョイント１の一側部は前記建造物２の外壁面２ａにアンカー４，４…によって固着され、一方、前記建造物３の外壁面３ａに可撓性の合成樹脂又はゴム等から成る板状の緩衝材５がアンカー６，６…によって固着されており、前記エキスパンションジョイント１の他側部が該緩衝材５に当接して摺動自在に配設されている。尚、図に於て７は前記建造物３内に配設されたＨ型鋼である。
【０００４】
而して、前記建造物２と建造物３が地震等で揺動して、該建造物２と建造物３とが相互に接近又は離反方向に変位すると、前記エキスパンションジョイント１の前記他側部は前記緩衝材５の表面上を摺動し、該建造物２と建造物３間の隙間の閉塞状態を維持する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のエキスパンションジョイント１，１は、該エキスパンションジョイント１，１が配設される近接する建造物２，３が地震等で揺動して、該建造物２，３が相互に接近又は離反方向に変位すると、該エキスパンションジョイント１，１の一側部が緩衝材５の表面上を摺動し、該一側部が該緩衝材５と離間することがなく、閉塞状態を維持することができる。
【０００６】
然しながら、前記エキスパンションジョイント１，１は前記建造物２，３が相互に接近、離反方向となる水平方向一方向の変位（図３に於て建造物２と建造物３が上下方向に変位）に対応できるが、水平方向他方向の変位（図３に於て建造物２と建造物３が左右方向に変位）が発生すると、該変位に対応できず、該エキスパンションジョイントの前記一側部が前記建造物から離間して隙間が生じ、前記閉塞状態が維持できなくなる虞があり、或いは、該エキスパンションジョイントが変形や破損等を起こす虞があった。
【０００７】
そこで、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記建設物相互間の多方向変位に円滑に追従できるようにし、閉塞状態を良好に維持するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記エキスパンションジョイントの両側部を前記建設物に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部を形成し、該湾曲部によって前記建設物相互間の多方向変位に追従自在に構成したエキスパンションジョイントを提供するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図１に従って詳述する。尚、説明の都合上、従来例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【００１０】
図１に於いて、８は可撓性のステンレス鋼板で形成されたエキスパンションジョイントであり、該エキスパンションジョイント８は、側部８ａ，８ａが図に於て左方向に突設する如く平面視鍵形状に形成され、更に、該側部８ａ，８ａに挟まれた中央部が図に於て右方向に突設する如く、半円形状に湾曲した可撓性の湾曲部９が形成されている。尚、該湾曲部９は前記エキスパンションジョイント８本体と一体に同材料で形成されるが、該湾曲部９を該エキスパンションジョイント８本体と異なる材料で形成することも可能である。
【００１１】
そして、建造物２の外壁面２ａには平面視Ｌ字型の金物１０の一側部がアンカー１１，１１…止めされ、前記エキスパンションジョイント８の一側部８ａが該金物１０の他側部にボルト１２，１２…止めされている。一方、該エキスパンションジョイント８の他側部８ａが建造物３の角部の外壁面３ａにアンカー１３，１３…止めされている。
【００１２】
而して、前記建造物２と建造物３が地震等で揺動して、該建造物２と建造物３とが相互に接近又は離反方向に変位すると、前記エキスパンションジョイント８の前記湾曲部９が撓むことにより、前記建造物２と建造物３との相互の接近又は離反方向の変位に追従し、該建造物２と建造物３間の隙間の閉塞状態を維持する。
【００１３】
更に、前記エキスパンションジョイント８は、前記湾曲部９が水平方向多方向に撓むことが可能であるため、前記建造物２と建造物３との相互の接近又は離反方向である水平方向一方向に限らず、水平方向他方向の変位も円滑に追従することができ、閉塞状態が良好に維持され、従来例のエキスパンションジョイントの変形や破損の発生の虞もない。
【００１４】
尚、前述の説明に於て、前記エキスパンションジョイント８は近接する建造物２，３間に適用したが、これに限定されることなく、例えば、建屋とその基礎との間に適用する等、多様な建設物間への適用が可能である。
【００１５】
又、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【００１６】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項１記載の発明は所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記エキスパンションジョイントの両側部を前記建設物に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部を形成し、該湾曲部によって前記建設物相互の多方向変位に追従自在に構成したので、前記エキスパンションジョイントは前記湾曲部によって前記建設物相互間の接近又は離反方向となる一方向に限らず、多方向の変位に円滑に追従して閉塞状態を良好に維持することができ、且つ、変形や破損の発生の虞もない等、正に著大なる効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示し、エキスパンションジョイントの平面縦断面図。
【図２】従来例を示し、建造物間にエキスパンションジョイントが施工された状態を示す斜視図。
【図３】従来例を示し、エキスパンションジョイントの平面縦断面図。
【符号の説明】
１ エキスパンションジョイント
９ 湾曲部
【発明の属する技術分野】
この発明は、エキスパンションジョイントに関するものであり、特に、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記建設物相互間の多方向変位に追従可能にしたエキスパンションジョイントに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の此種エキスパンションジョイントを図２及び図３に従って説明する。図２に於て、１，１は所定間隔離間し近接して建造された建造物２の外壁面２ａと建造物３の外壁面３ａ間に配設され、該建造物２と建造物３間の隙間を塞ぐためのエキスパンションジョイントであり、該エキスパンションジョイント１はステンレス鋼板で形成され、例えば、図に示す如く、前記建造物２の外壁面２ａと前記建造物３の角部の外壁面３ａとが直交する如く近接する場合は、平面視Ｌ型形状に折曲される等、近接する建造物に合わせて適宜形状に形成される。
【０００３】
そして、図３に示す如く、前記エキスパンションジョイント１の一側部は前記建造物２の外壁面２ａにアンカー４，４…によって固着され、一方、前記建造物３の外壁面３ａに可撓性の合成樹脂又はゴム等から成る板状の緩衝材５がアンカー６，６…によって固着されており、前記エキスパンションジョイント１の他側部が該緩衝材５に当接して摺動自在に配設されている。尚、図に於て７は前記建造物３内に配設されたＨ型鋼である。
【０００４】
而して、前記建造物２と建造物３が地震等で揺動して、該建造物２と建造物３とが相互に接近又は離反方向に変位すると、前記エキスパンションジョイント１の前記他側部は前記緩衝材５の表面上を摺動し、該建造物２と建造物３間の隙間の閉塞状態を維持する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のエキスパンションジョイント１，１は、該エキスパンションジョイント１，１が配設される近接する建造物２，３が地震等で揺動して、該建造物２，３が相互に接近又は離反方向に変位すると、該エキスパンションジョイント１，１の一側部が緩衝材５の表面上を摺動し、該一側部が該緩衝材５と離間することがなく、閉塞状態を維持することができる。
【０００６】
然しながら、前記エキスパンションジョイント１，１は前記建造物２，３が相互に接近、離反方向となる水平方向一方向の変位（図３に於て建造物２と建造物３が上下方向に変位）に対応できるが、水平方向他方向の変位（図３に於て建造物２と建造物３が左右方向に変位）が発生すると、該変位に対応できず、該エキスパンションジョイントの前記一側部が前記建造物から離間して隙間が生じ、前記閉塞状態が維持できなくなる虞があり、或いは、該エキスパンションジョイントが変形や破損等を起こす虞があった。
【０００７】
そこで、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記建設物相互間の多方向変位に円滑に追従できるようにし、閉塞状態を良好に維持するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記エキスパンションジョイントの両側部を前記建設物に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部を形成し、該湾曲部によって前記建設物相互間の多方向変位に追従自在に構成したエキスパンションジョイントを提供するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図１に従って詳述する。尚、説明の都合上、従来例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【００１０】
図１に於いて、８は可撓性のステンレス鋼板で形成されたエキスパンションジョイントであり、該エキスパンションジョイント８は、側部８ａ，８ａが図に於て左方向に突設する如く平面視鍵形状に形成され、更に、該側部８ａ，８ａに挟まれた中央部が図に於て右方向に突設する如く、半円形状に湾曲した可撓性の湾曲部９が形成されている。尚、該湾曲部９は前記エキスパンションジョイント８本体と一体に同材料で形成されるが、該湾曲部９を該エキスパンションジョイント８本体と異なる材料で形成することも可能である。
【００１１】
そして、建造物２の外壁面２ａには平面視Ｌ字型の金物１０の一側部がアンカー１１，１１…止めされ、前記エキスパンションジョイント８の一側部８ａが該金物１０の他側部にボルト１２，１２…止めされている。一方、該エキスパンションジョイント８の他側部８ａが建造物３の角部の外壁面３ａにアンカー１３，１３…止めされている。
【００１２】
而して、前記建造物２と建造物３が地震等で揺動して、該建造物２と建造物３とが相互に接近又は離反方向に変位すると、前記エキスパンションジョイント８の前記湾曲部９が撓むことにより、前記建造物２と建造物３との相互の接近又は離反方向の変位に追従し、該建造物２と建造物３間の隙間の閉塞状態を維持する。
【００１３】
更に、前記エキスパンションジョイント８は、前記湾曲部９が水平方向多方向に撓むことが可能であるため、前記建造物２と建造物３との相互の接近又は離反方向である水平方向一方向に限らず、水平方向他方向の変位も円滑に追従することができ、閉塞状態が良好に維持され、従来例のエキスパンションジョイントの変形や破損の発生の虞もない。
【００１４】
尚、前述の説明に於て、前記エキスパンションジョイント８は近接する建造物２，３間に適用したが、これに限定されることなく、例えば、建屋とその基礎との間に適用する等、多様な建設物間への適用が可能である。
【００１５】
又、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【００１６】
【発明の効果】
本発明は上記一実施の形態に詳述したように、請求項１記載の発明は所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記エキスパンションジョイントの両側部を前記建設物に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部を形成し、該湾曲部によって前記建設物相互の多方向変位に追従自在に構成したので、前記エキスパンションジョイントは前記湾曲部によって前記建設物相互間の接近又は離反方向となる一方向に限らず、多方向の変位に円滑に追従して閉塞状態を良好に維持することができ、且つ、変形や破損の発生の虞もない等、正に著大なる効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示し、エキスパンションジョイントの平面縦断面図。
【図２】従来例を示し、建造物間にエキスパンションジョイントが施工された状態を示す斜視図。
【図３】従来例を示し、エキスパンションジョイントの平面縦断面図。
【符号の説明】
１ エキスパンションジョイント
９ 湾曲部
Claims (1)
- 所定間隔離間して近接する建設物間に配設される板状のエキスパンションジョイントに於て、前記エキスパンションジョイントの両側部を前記建設物に夫々固着すると共に、該両側部間に可撓性の湾曲部を形成し、該湾曲部によって前記建設物相互間の多方向変位に追従自在に構成したことを特徴とするエキスパンションジョイント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002281570A JP2004116153A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | エキスパンションジョイント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002281570A JP2004116153A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | エキスパンションジョイント |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004116153A true JP2004116153A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32275989
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002281570A Pending JP2004116153A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | エキスパンションジョイント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004116153A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013249711A (ja) * | 2012-06-04 | 2013-12-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 建屋の基礎構造 |
| JP2015124019A (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-06 | 株式会社日立製作所 | 乗客コンベア |
| JP2018053569A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 三協立山株式会社 | 独立構造体 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281570A patent/JP2004116153A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013249711A (ja) * | 2012-06-04 | 2013-12-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 建屋の基礎構造 |
| JP2015124019A (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-06 | 株式会社日立製作所 | 乗客コンベア |
| JP2018053569A (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 三協立山株式会社 | 独立構造体 |
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