JP2004115961A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合材料 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂複合材料 Download PDF

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Yasumochi Hamada
濱田 泰以
Eiji Fujioka
藤岡 英治
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

【課  題】衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の提供。
【解決手段】高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されていることを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料は、成形され、例えば電気部品、電子部品、建築資材、車両部品、日常雑貨、スポーツ用品、医療器具部品、航空機部品等として利用されている。
【0003】
繊維強化複合材料は、通常は成形品中の繊維が一方向に配向されているため、強度に優れているが、さらなる強度の改善並びに製造方法の改善を求めて種々提案がなされている(特許文献1、特許文献2)。そして、耐衝撃性等の強度、界面特性すなわち繊維と樹脂との親和性又は接着性、リサイクル性に優れた新規複合材料の出現が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
米国再交付特許第32,772号公報
【特許文献2】
特表第2002−518201号公報(第7〜14頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、高強度有機繊維と熱可塑性樹脂とが加熱圧縮によって一体化されている高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れていることを見出した。上記複合材料が繊維束状であることが好ましく、フィルム状であることが好ましいことを知見した。上記複合材料が高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されたものであることが好ましく、高強度有機繊維を含む繊維製品と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮して製造されたものであることが好ましいことを見出した。
【0007】
また、本発明者らは、上記複合材料が繊維束状の場合は、その引張弾性率が20〜80GPaであり、引張強度が300〜1000MPaであり、曲げ弾性率が5〜50GPaであり、曲げ強度が50〜800MPaであり、含浸率が10〜100%であることが好ましく、また、上記複合材料がフィルム状である場合は、その応力が20〜50MPaであり、歪が5〜20%であることが好ましいことを知見した。上記高強度有機繊維として、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維又はヘテロ環芳香族繊維が好ましく、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましいことを見出した。上記熱可塑性樹脂がナイロン樹脂であることが好ましいことを知見した。
【0008】
さらに、本発明者らは、本発明によれば、衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を製造できることを見出した。芯糸が高強度有機繊維からなり組糸が熱可塑性樹脂繊維からなる組紐が衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れていることを知見した。
本発明者らは、かかる種々の知見を得た後、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1) 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されていることを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料、
(2) 繊維束状であることを特徴とする(1)記載の複合材料、
(3) 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮して製造されていることを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料、
(4) フィルム状であることを特徴とする(3)記載の複合材料、
に関する。
【0010】
また、本発明は、
(5) 引張弾性率が20〜80GPaであり、引張強度が300〜1000MPaであり、曲げ弾性率が5〜50GPaであり、曲げ強度が50〜800MPaであり、含浸率が10〜100%であることを特徴とする(1)記載の複合材料、
(6) 応力が20〜50MPaであり、歪が5〜20%であることを特徴とする(3)記載の複合材料、
(7) 高強度有機繊維が全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維又はヘテロ環芳香族繊維であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の複合材料、
(8) 高強度有機繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の複合材料、
に関する。
【0011】
また、本発明は、
(9) 熱可塑性樹脂がナイロン樹脂であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の複合材料、
(10) 熱可塑性フィルムがナイロン樹脂フィルムであることを特徴とする(3)又は(4)に記載の複合材料、
(11) 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮するか、または高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮することを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の製造方法、
(12) 芯糸が高強度有機繊維からなり組糸が熱可塑性樹脂繊維からなる組紐、
(13) (1)又は(3)記載の高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料からなる成形品、
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、高強度有機繊維と熱可塑性樹脂とが加熱圧縮によって一体化されている高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料である。「高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料」は、高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されている高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料又は高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮して製造されている高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料であれば、どのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。固体、半固体又は粘性体等であってよいし、どのような状態であってもよい。本発明においては、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が固体であることが好ましく、その形態はどのようなものであってもよく繊維束状又はフィルム状であることがより好ましい。
【0013】
本発明においては、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が繊維束状である場合、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が引張弾性率約10〜90%の範囲内であり、引張強度約100〜5000MPaの範囲内であり、曲げ弾性率約1〜100GPaの範囲内であり、曲げ強度約10〜1000MPaの範囲内であり、含浸率約1〜100%の範囲内であることが好ましく、引張弾性率約20〜80%の範囲内であり、引張強度約300〜1000MPaの範囲内であり、曲げ弾性率約5〜50GPaの範囲内であり、曲げ強度約50〜800MPaの範囲内であり、含浸率約10〜100%の範囲内であることがより好ましい。上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料がフィルム状である場合、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が応力約10〜100MPaの範囲内であり、歪約1〜50%の範囲内であることが好ましく、応力約20〜50MPaの範囲内であり、歪約5〜20%の範囲内であることがより好ましい。「引張弾性率」、「引張強度」、「曲げ弾性率」及び「曲げ強度」は、下記実施例を参照にして求められる。「含浸率」は、熱可塑性樹脂の全使用量に対して、高強度有機熱可塑性樹脂複合材料に含まれている熱可塑性樹脂の質量割合である。「応力」及び「歪」は、下記実施例を参照にして求められる。以下、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の各構成要件について説明する。
【0014】
本発明で用いられる高強度有機繊維は、特に限定されないが、強度が約8g/D以上である有機繊維が好ましく、強度が約15g/D〜50g/Dの範囲内である有機繊維がより好ましい。「強度」は、JIS L 1013:1999 化学繊維フィラメント糸試験方法8.5.1に従って測定することにより求められる。「有機繊維」は、少なくとも炭素原子を1個有する繊維であればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。「繊維」は、細長い形状を有しているものであればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。
【0015】
本発明で用いられる高強度有機繊維として、例えば全芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維又はヘテロ環芳香族繊維等が挙げられる。以下、上記した繊維について、より具体的に説明する。
【0016】
上記全芳香族ポリアミド繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族基を少なくとも一個有する繊維であって、アミド結合を少なくとも一個有する繊維であればどのようなものでもよく、全芳香族ポリアミド繊維と称される公知のものであってよい。上記において、置換されていてもよい二価の芳香族基とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよい二価の芳香族基を意味し、かかる「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、チオール基、スルホ基、スルフィノ基、メルカプト基、ホスホノ基、例えば直鎖状又は分岐状のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基又はエイコシル基等)、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロギシメチル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基又は1−ヒドロキシ−イソブチル基等)、ハロゲノアルキル基(例えばクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル又は6,6,6−トリフルオロヘキシル等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル等)、アルケニル基(例えばビニル、クロチル、2−ペンテニル又は3−ヘキセニル等)、シクロアルケニル基(例えば2−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、2−シクロペンテニルメチル又は2−シクロヘキセニルメチル等)、アルキニル基(例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ペンチニル又は3−ヘキシニル等)、オキソ基、チオキソ基、アミジノ基、イミノ基、アルキレンジオキシ基(例えばメチレンジオキシ又はエチレンジオキシ等)、例えばフェニル、ビフェニル等の単環式あるいは縮合環式炭化水素基、例えば1−アダマンチル基、2−ノルボルナニル等の架橋環式炭化水素基などの炭化水素基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ又はヘキシルオキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ又はヘキシルチオ等)、カルボキシル基、アルカノイル基(例えばホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル又はイソブチリル等)、アルカノイルオキシ基(例えばホルミルオキシ;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ又はイソブチリルオキシ等のアルキル−カルボニルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル又はブトキシカルボニル等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル等)、チオカルバモイル基、アルキルスルフィニル基(例えばメチルスルフィニル又はエチルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル又はブチルスルホニル等)、スルファモイル基、モノ−アルキルスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル又はエチルスルファモイル等)、ジ−アルキルスルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル又はジエチルスルファモイル等)、アリールスルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル又はナフチルスルファモイル等)、アリール基(例えばフェニル又はナフチル等)、アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ又はナフチルオキシ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ又はナフチルチオ等)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル又はナフチルスルフィニル等)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル又はナフチルスルホニル等)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル又はナフトイル等)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイルオキシ又はナフトイルオキシ等)、ハロゲン化されていてもよいアルキルカルボニルアミノ基(例えばアセチルアミノ又はトリフルオロアセチルアミノ等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば式−CONR(式中、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基もしくは置換基を有していてもよい複素環基を示すか、またはRとRは隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表される基)、置換基を有していてもよいアミノ基(例えばアミノ、アルキルアミノ、テトラヒドロピロール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロール又はイミダゾール等)、置換基を有していてもよいウレイド基(例えば、式−NHCONR(式中、RおよびRは前記と同意義を示す)で表される基等)、置換基を有していてもよいカルボキサミド基(例えば式−NRCOR(式中、RおよびRは前記と同意義を示す)で表される基)、置換基を有していてもよいスルホナミド基(例えば式−NRSO(式中、RおよびRは前記と同意義を示す。)で表される基等)、置換基を有していてもよい水酸基もしくはメルカプト基、置換基を有していてもよい複素環基(例えば環系を構成する原子(環原子)として、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1〜3種を少なくとも1個含む芳香族複素環基(例えばピリジル、フリル、チアゾリル等)、又は飽和あるいは不飽和の脂肪族複素環基等)、又はこれら置換基を化学的に許容される限り置換させた置換基等が挙げられる。また、かかる「二価の芳香族基」としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基等が挙げられる。
【0017】
また、全芳香族ポリアミド繊維は、別名アラミド繊維とも呼ばれており、パラ系アラミド繊維またはメタ系アラミド繊維に大別でき、どちらも本発明において好ましく用いられる。本発明において用いられるパラ系アラミド繊維は、例えば上記置換されていてもよい二価の芳香族基が置換されていてもよいp−フェニレン基である上記全芳香族ポリアミド繊維であればどのようなものでもよく、パラ系アラミド繊維と称される公知のものであってよい。上記した置換されていてもよいp−フェニレン基とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよいp−フェニレン基を意味し、かかる「置換基」は、前記と同意義である。また、上記パラ系アラミド繊維として、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン株式会社、東レ・デュポン株式会社製、商品名KEVLAR(デュポン株式会社登録商標))、又はパラフェニレンテレフタルアミドと3,4’−オキシジフェニルテレフタルアミドとの共重合体繊維(帝人株式会社製、商品名テクノーラ(帝人株式会社登録商標))等の市販品を用いることができる。本発明において用いられるメタ系アラミド繊維は、例えば分子鎖における上記置換されていてもよいベンゼン環の結合がメタ位での結合である上記した芳香族ポリアミド繊維であればどのようなものでもよく、メタ系アラミド繊維と称される公知のものであってよい。上記メタ系アラミド繊維として、例えば、ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン株式会社製、商品名NOMEX(デュポン株式会社登録商標))等の市販品を用いることができる。本発明においては、上記したアラミド繊維を、公知の方法又はそれに準ずる方法で製造して用いてもよい。
【0018】
上記全芳香族ポリエステル繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族基を少なくとも一個有する繊維であって、エステル結合を少なくとも一個有する繊維であればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。上記した「置換されていてもよい二価の芳香族基」は前記と同意義である。また、上記全芳香族ポリエステル繊維は、全芳香族ポリエステル繊維と称される公知の繊維であってよく、例えば、パラヒドロキシ安息香酸の自己縮合ポリマー、テレフタル酸とハイドロキノンからなるポリエステル、または、パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなるポリエステル繊維等であってよい。本発明において、このような全芳香族ポリエステル繊維を、公知の方法またはそれに準ずる方法で製造して用いることができる。また、本発明において、上記全芳香族ポリエステル繊維として、例えば商品名ベクトラン(クラレ株式会社製)等の市販品を用いることもできる。
【0019】
上記ヘテロ環芳香族繊維は、通常置換されていてもよい二価の芳香族複素環基を少なくとも一個有する繊維であればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。上記において、「置換されていてもよい二価の芳香族複素環基」とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していてもよい二価の芳香族複素環基を意味し、かかる「置換基」は、前記と同意義である。また、かかる「二価の芳香族複素環基」としては、例えば環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び弗素原子等から選ばれる同一又は異なるヘテロ原子1ないし4種を少なくとも1個有する芳香族複素環基等が挙げられる。二価の芳香族複素環基における芳香族複素環としては、例えば芳香族単環式複素環(例えばフラン、チオフェン、ピロリン、オキサゾリン、イソオキサゾリン、チアゾリン、イソチアゾリン、イミダゾリン、ピラゾリン、1,2,3−オキサジアゾリン、1,2,4−オキサジアゾリン、1,3,4−オキサジアゾリン、フラザニン、1,2,3−チアジアゾリン、1,2,4−チアジアゾリン、1,3,4−チアジアゾリン、1,2,3−トリアゾリン、1,2,4−トリアゾリン、テトラゾリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン又はトリアジン等)、又は芳香族縮合複素環(例えばベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ〔b〕チオフェン、インドリン、イソインドリン、1H−インダゾリン、ベンズインダゾリン、ベンゾオキサゾリン、1,2−ベンゾイソオキサゾリン、ベンゾチアゾリン、ベンゾピラジン、1,2−ベンゾイソチアゾリン、1H−ベンゾトリアゾリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、ブテリジン、カルバゾリン、α−カルボリン、β−カルボリン、γ−カルボリン、アクリジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、フェノキサチン、チアントレン、フェナトレン、フェナトロリン、インドリジン、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジン、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジン、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジン等)などが挙げられる。また、ヘテロ環芳香族繊維と称される公知のものであってよく、例えばポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(以下PBO繊維ともいう)又はポリベンズイミダゾール繊維等であってよい。また、上記ヘテロ環芳香族繊維は、公知の方法又はそれに準ずる方法で製造され得る。また、本発明において、上記ヘテロ環芳香族繊維として、例えば市販のPBO繊維(東洋紡績株式会社製の製品名ザイロン)等を用いることができる。
【0020】
上記高強度有機繊維は、最終製品の用途、要求性能、繊維の製造コスト又は製品の加工コスト等に応じて、適宜選択される。本発明においては、上記高強度有機繊維を組み合わせた混合繊維等を用いることができる。また、本発明においては、上記KEVLAR(デュポン株式会社登録商標)あるいはTwaron(帝人・トワロン株式会社製 登録商標)の商品名で知られる、パラ系ホモポリマーからなるアラミド繊維を上記高強度有機繊維として用いることが好ましい。
【0021】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、加熱によって硬化しない樹脂であればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂や、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリスルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン(PK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂、フェノール(ノボラック型など)樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー、またはこれらの共重合体樹脂又は変性体樹脂等が挙げられる。本発明においては、上記熱可塑性樹脂がポリアミド(PA)樹脂であることが好ましく、ナイロン樹脂であることがより好ましい。
【0022】
本発明で使用される熱可塑性樹脂繊維は、上記熱可塑性樹脂から製造される繊維であってよい。本発明で使用される熱可塑性フィルムとしては、上記熱可塑性樹脂から製造されるフィルムが挙げられる。これらの繊維又はフィルムは上記熱可塑性樹脂を原料にして公知方法に従って製造されうる。
【0023】
本発明の高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料は、高強度繊維と熱可塑性樹脂とを加熱圧縮して一体化させることにより製造される。
【0024】
上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の製造方法は、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が製造できればどのような方法であってよく、本発明において、特に限定されない。本発明では、上記高強度有機繊維と上記熱可塑性樹脂とを加熱下に圧縮することによって一体化させる。加熱圧縮における加熱方法としては、例えばヒーター等の公知の方法等を適宜用いることが挙げられる。本発明においては、加熱温度条件が約30℃〜400℃の範囲内であることが好ましく、約100℃〜300℃の範囲内であることがより好ましい。また、加圧方法としては、例えば空圧又は油圧等の公知の方法等を適宜用いることが挙げられる。本発明においては、加圧圧力条件が約0.1〜100MPaの範囲内であることが好ましく、約1〜10MPaの範囲内であることがより好ましい。また、本発明においては、上記加熱圧縮時間が約1秒間〜10時間であることが好ましく、約1分間〜100分間であることがより好ましい。本発明においては、加熱圧縮する際の上記高強度有機繊維の形状等は特に限定されず、上記高強度有機繊維からなる繊維製品であってもよい。また、加熱圧縮する際の上記熱可塑性樹脂の形状等は特に限定されず、フィルム状であってよく、繊維状であってもよい。
【0025】
上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料は(A)高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されるか、(B)高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮して製造される。
【0026】
以下、(A)方法について説明する。
「組紐」は、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐であればどのようなものでもよい。上記「熱可塑性樹脂繊維」は、上記熱可塑性樹脂からなる繊維であればどのようなものでもよい。本発明においては、上記熱可塑性樹脂繊維を例えば湿式紡糸、乾式紡糸又は溶融紡糸等の公知の方法に従って製造することができる。
上記組紐の好ましい製造方法としては、例えば上記高強度有機繊維を芯糸として、その芯糸の周りを複数本の延伸可能な熱可塑性樹脂繊維で製紐するという方法等が挙げられる。上記組紐としては、例えば4本組物、8本組物、12本組物又は16本組物等が挙げられる。本発明においては、製紐方法として、公知の組紐機を用いることが好ましい。例えば4本組物は、4本の糸条を準備し、右側又は左側の糸を交互に真中に配置させて組み上げられる。
また、本発明においては、上記組紐がマイクロブレイデッドヤーン構造を少なくとも一部に有していることが好ましい。「マイクロブレイデッドヤーン構造」は、例えば、図1に示すように高強度有機繊維が一方向に挿入されており、その外側に熱可塑性樹脂繊維が組糸として組まれた構造等である。
【0027】
上記「加熱圧縮する工程」における加熱については、例えばヒーター等の公知の方法等を適宜用いることが挙げられる。本発明においては、加熱温度条件が約30℃〜400℃の範囲内であることが好ましく、約100℃〜350℃の範囲内であることがより好ましく、約250℃〜350℃の範囲内であることが最も好ましい。また、加圧については、例えば空圧又は油圧等の公知の方法等を適宜用いることが挙げられる。本発明においては、加圧圧力条件が約0.1〜100MPaの範囲内であることが好ましく、約1〜10MPaの範囲内であることがより好ましい。また、本発明においては、上記加熱圧縮時間が約1秒間〜10時間であることが好ましく、約1分間〜100分間であることがより好ましい。本発明においては、上記加熱圧縮工程後に例えば冷却又は乾燥等により熱可塑性樹脂を硬化させることが好ましい。上記冷却は、特に限定されず、例えば水、氷、氷水、ドライアイス、液体窒素又は放冷等の公知の手段であってよい。上記乾燥は、特に限定されず、例えばドライヤー等の公知の手段であってよい。本発明においては、上記冷却時に加圧することが好ましい。加圧圧力条件が約0〜10MPaの範囲内であることが好ましく、約0.01〜1MPaの範囲内であることがより好ましい。このような製造方法によって、本発明の上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料は通常繊維束状の形状で得られる。
【0028】
以下、(B)方法について説明する。
上記のように製造された組紐とさらに上記熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮することによっても本発明の複合材料は製造される。
【0029】
上記フィルムは、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムであればどのようなものでもよく、本発明において、特に限定されない。上記熱可塑性樹脂が一部でも含まれているフィルムであってもよいし、単層であってよく、多層であってもよい。延伸されたフィルム、一軸配向フィルム又は二軸配向フィルムであってよいし、未延伸、未配向フィルムであってもよい。上記熱可塑性樹脂をフィルムに成形する方法としては、例えばフラットダイ法、リングダイ法、インフレーション法又は多層成形法等の公知の方法であってよい。
【0030】
上記「加熱圧縮する工程」は、前記と同様にして実施することができる。従って加熱温度条件は、前記と同様でよいが約200℃〜300℃であることが最も好ましい。加圧圧力条件も前記と同様でよいが約0.5〜2MPaであることが最も好ましい。上記加熱圧縮時間は上記と同様でよい。この場合における冷却は、上記と同様でよいが、室温(−5℃〜40℃)での放冷であることが好ましい。
【0031】
本発明では、さらに上記高強度有機繊維又は上記熱可塑性樹脂に本発明の目的を損なわない限り、種々の添加剤や改質剤等を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステル又はワックス等の有機滑剤などが挙げられ、かかる添加剤は通常添加される程度含まれていてよい。また、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナもしくはジルコニア等の無機粒子またはアクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を含有していてもよい。さらに、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子を含有していてもよいし、界面活性剤を含有していてもよい。また、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料に上記と同様にして所望により種々の充填剤を配合し、望ましい特性を付与することもできるが、そのような充填剤の例としては、黒鉛、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミニウム、銀、銅、鉛または各種金属酸化物等が挙げられる。
【0032】
本発明における成形品は、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料からなる成形品であれば、特に限定されない。例えば、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を種々の形状に成形した成形品等が挙げられる。かかる成形品を成形する方法としては、例えば上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を切断する方法等が挙げられる。「上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を切断する方法」は、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を所望の形状に切断して成形品を取得しさえすればよく、公知の方法などを適宜用いてよい。本発明においては、上記複合体を切断する方法として、例えば、所望の大きさになるように、カッター等の切断機などを用いて切断すること等が好ましい。このように上記複合体を切断すれば所望の形状の成形品を得ることができる。所望の成形品の形状は、特に限定されず、どのような形態をとっていてもよい。すなわち係る成形品の形状は、平面状でも、曲げ状でもよく、特に限定されない。曲げ状としては、例えばコの字型、L字型、U字型、螺旋状、または、三角形、四角形、五角形あるいは六角形等の多角形等が挙げられる。しかし、これらに限られるものではなく、所望によりさまざまな形状に曲げたものを使用することが可能である。
【0033】
上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料が主としてゾル状又はゲル状である場合には、例えば物品に上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を付着(例えば含浸、スプレー又は塗布等)させ、ついで上記熱可塑性樹脂を硬化させることにより成形品を得ることができる。上記した物品とは、通常形を有するものであればどのようなものでもよく、公知のものであってよい。例えば市場で流通している種々の製品又はその部品等が挙げられる。
【0034】
また、本発明の高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を上記した公知の方法等を適宜用いて加工等することにより、様々な用途に用いることができる。本発明においては、上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を、耐衝撃性が求められる用途の全てに用いることができ、前記求められる用途以外であったとしても用いることができる。上記用途の例としては、例えば、タービン・ホイールのようなガスタービンの部品、バーナの部品、ノズル又はその部品、熱ガスパイプ、テスト・ゾンデ、ゾンデの被覆管、宇宙船又は航空機のエンジン部材、ミサイルの部品、熱交換器の部品、自動車、貨物船又は工業用車等の部材、テレビ、携帯型音楽再生機、ラジオ、ステレオ、CDプレーヤー、ビデオ又はパソコン等の家電製品の部材、又は各種建築資材等に用いることができる。なお、本発明の複合材料は、高強度有機繊維と熱可塑性樹脂からなり前者と後者の融点の差が大きいので使用済みの複合材料を加熱し、熱可塑性樹脂を溶融し去ることが容易であり、残った高強度繊維を便宜に再利用することができる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
高強度有機繊維として、アラミド繊維束(ケブラー29(R)、1500デニール、東レ・デュポン株式会社製)を用いた。また、熱可塑性樹脂として、ポリアミド66樹脂繊維束(750tex、東レ株式会社)を用いた。アラミド繊維束を芯材として、その外側にポリアミド66樹脂繊維束を16打の管状の組紐機でもって組んでいき、芯糸がアラミド繊維からなり組糸がポリアミド66樹脂繊維からなる直径約1mmの組紐を得た。
得られた繊維束状の高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を金枠に一方向に巻きつけ、金型を用いて圧縮成型機により加熱圧縮させることで、高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料を得た。加熱圧縮条件は、圧力4MPa、温度290℃及び加熱圧縮時間それぞれ5、10、20、40分である。加熱圧縮後、上記で得られた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料をそれぞれ金型にある程度の圧力を与えながら氷水で冷却した。
【0036】
(実施例2)
実施例1で得られた高強度熱可塑性樹脂複合材料を繊維軸方向が長手方向になるように長さ180mm、幅20mm及び厚さ1.1〜1.3mmの短冊形状に切り出し、これを引張試験片とした。引張弾性率、引張強度、曲げ弾性率及び曲げ強度は、インストロン万能試験機を用い、変位速度1.00mm/min、スパン間距離80mm及び常温下の条件により求められた。結果を図3、図4及び図5に示す。また、樹脂含浸率を測定して、図2に示す結果を得た。
【0037】
図4に示されるように、樹脂含浸していないアラミド繊維の引張弾性率は、熱処理時間に関係なくほぼ一定であり、アラミド繊維の引張強度は熱処理時間が増すにしたがい、傾きが低下しながら減少している。しかし、図3に示される樹脂含浸率が約70〜90%における高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の強度低下に起因していると考えられる。通常樹脂含浸すると強度低下が起こるが、本発明の複合材料は、樹脂含浸による強度低下はほとんど見られない。また、図3に示されるように本発明の複合材料の引張弾性率は、樹脂含浸率が上がるほど上がっている。さらに、図5に示されるように本発明の複合材料の曲げ弾性率及び曲げ強度は、樹脂含浸率が上がるほど上がっている。
【0038】
【発明の効果】
本発明によって、衝撃特性、界面特性及びリサイクル性に優れた高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロブレイデッドヤーン構造を示す。
【図2】上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料における樹脂含浸率と成形時間の関係を示す。
【図3】上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料における引張弾性率及び引張強度と樹脂含浸率の関係を示す。
【図4】アラミド繊維の引張弾性率及び引張強度と熱処理時間の関係を示す。
【図5】上記高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料における曲げ弾性率及び曲げ強度と樹脂含浸率の関係を示す。
【符号の説明】
1  高強度有機繊維
2  熱可塑性樹脂

Claims (13)

  1. 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮して製造されていることを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料。
  2. 繊維束状であることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
  3. 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮して製造されていることを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料。
  4. フィルム状であることを特徴とする請求項3記載の複合材料。
  5. 引張弾性率が20〜80GPaであり、引張強度が300〜1000MPaであり、曲げ弾性率が5〜50GPaであり、曲げ強度が50〜800MPaであり、含浸率が10〜100%であることを特徴とする請求項1記載の複合材料。
  6. 応力が20〜50MPaであり、歪が5〜20%であることを特徴とする請求項3記載の複合材料。
  7. 高強度有機繊維が全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維又はヘテロ環芳香族繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料。
  8. 高強度有機繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料。
  9. 熱可塑性樹脂がナイロン樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複合材料。
  10. 熱可塑性フィルムがナイロン樹脂フィルムであることを特徴とする請求項3又は4に記載の複合材料。
  11. 高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐を加熱圧縮するか、または高強度有機繊維を芯糸とし熱可塑性樹脂繊維を組糸とする組紐と熱可塑性フィルムとを重ね加熱圧縮することを特徴とする高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料の製造方法。
  12. 芯糸が高強度有機繊維からなり組糸が熱可塑性樹脂繊維からなる組紐。
  13. 請求項1又は3記載の高強度有機繊維熱可塑性樹脂複合材料からなる成形品。
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