JP2005285923A - 電磁波シールド成形品 - Google Patents

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孝介 志保
Hideaki Tanisugi
英昭 谷杉
Koji Hasegawa
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Abstract

【課題】電磁波シールド性だけでなく、成形性、接着安定性および外観に優れた電磁波シールド成形品を安価に提供する。
【解決手段】導電性繊維を含む成形品の表面に、該成形品の全表面積の10%以下の部分に導電部材が設けられている電磁波シールド成形品であって、前記導電部材が成形品の表面に一体接合されてなることを特徴とする電磁波シールド成形品である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、パソコンやAV機器、携帯電話などの各種電気または電子機器用成形品に用いられる電磁波シールド成形品に関する。
現在、パソコン、AV機器、携帯電話、玩具用品などの電気・電子機器用部品には、加工性、軽量性に優れる繊維強化プラスチックが頻繁に使用されている。
要求される力学特性、軽量性、導電性が特に高い場合には、強化繊維として炭素繊維を含有する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が好ましく使用される。優れた導電性を有するCFRPは、成形品にメッキなどの導電性表面処理を施すことなく電磁波シールド性が得られるため、とりわけ好ましく使用されてきた。
しかしながら、パソコン、携帯電話、携帯情報端末などの電子機器の急速な普及、およびその携帯化、多機能化の促進により、別の電子機器からの電磁波障害や別の電子機器への電磁波障害が問題化し、その筐体や内部部品には電磁波シールド性が以前にも増して強く要求されるようになった。とりわけ、上記用途では軽量化が重視されるために筐体や内部部品の薄肉化が進み、より高い電磁波シールド性が要求されるようになってきている。
そこで、繊維強化プラスチック(FRP)に金属などの導電性物質を接合し、FRP成形品の電磁波シールド性をより高める試みがなされている。例えば、従来、合成樹脂成形体の表面にメッキなどの手段で金属層を形成する方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、メッキ工程はコストアップの要因となるほか、排水汚染などの環境負荷にも問題がある。
また、FRP主層に熱圧着や導電性接着剤による接着などの工程で導電部材を接着する方法が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、これら別工程での接着はコストアップの要因となるだけでなく、接着力が弱くバラツキがあること、導電部材の部分はFRP主層の表面より導電部材の厚み分だけ凸になり、他部品との干渉やはがれの要因となることなどの問題がある。さらに、熱圧着による接着では、与えられた熱により成形品表面の光沢が変わり外観に悪影響を及ぼすという問題や、導電部材の圧着部の反対面が熱と圧力により凸になる(膨らむ)という問題があった。
特開平6−29684号公報 特開平9−323372号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、電磁波シールド性だけでなく、成形性、接着安定性および外観に優れた電磁波シールド成形品を安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、導電性繊維を含む成形品の形成と同時に導電部材が成形品の表面に一体接合される電磁波シールド成形品とすれば、本発明の上記課題を達成できることを見出した。
本発明は、上記目的を達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)導電性繊維を含む成形品(I)の表面に、成形品(I)の全表面積の10%以下の部分に導電部材(II)が設けられている電磁波シールド成形品であって、導電部材(II)が成形品(I)の表面に一体接合されてなることを特徴とする電磁波シールド成形品(III)。
(2)成形品(I)と導電部材(II)間の、JIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さが1.0kN/m以上であることを特徴とする前記(1)に記載の電磁波シールド成形品。
(3)成形品(I)の表面からの導電部材(II)の最大突起量が、導電部材(II)の厚みの50%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の電磁波シールド成形品。
(4)電磁波シールド成形品(III)の、導電部材(II)を含む断面において、導電部材(II)の厚みが成形品(I)の厚みの10%以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
(5)導電性繊維が連続繊維であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
(6)導電性繊維が炭素繊維であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
(7)成形品(I)がホットプレスにより形成されることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電磁波シールド成形品を用いてなることを特徴とする電気または電子機器用成形品。
本発明によれば、導電性繊維を含む成形品と導電部材の接着強度に優れ、接合後の導電部材の突起による他部品との干渉が起こりにくく、さらには導電部材の接合後も外観が良好な電磁波シールド成形品を得ることができる。
以下、本発明の実施形態の例を、その一実施例にかかる図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる電磁波シールド成形品の斜視図である。
図1において、電磁波シールド成形品を構成する導電部材(II)は、成形品の導電率を高めて電磁波を減衰する役割を果たしたり、グラウンドを構成して静電気対策の役割を果たしたりする。このような導電部材(II)が、成形品(I)の形成と同時に成形品(I)に一体接合され、電磁波シールド成形品(III)を構成する。
導電部材(II)は、一般的には金属製部材であるが、少なくとも一部が金属からなる部材、ある部材の表面に金属板や金属箔を設けた部材、あるいは、導電性炭素部材など、体積抵抗率2.0×10-3Ω・cm以下のものであれば特に問題はない。体積抵抗率の測定方法は、JIS H 0505(金属材料)およびJIS K 7194(非金属材料)に従う。金属部材には、アルミニウム、銅、ステンレスなどの導電性に優れた金属が使用可能である。
導電部材(II)は成形品(I)の形成と同時に成形品(I)の表面にはまり込む形で一体接合される。導電部材(II)の占める面積が成形品(I)の全表面積の10%を超えた場合、成形の際に基材への圧力のかかり方や熱伝導が不均一になる等、成形性が悪化し、結果として剛性や強度等の成形品(I)の成形品特性に悪影響を及ぼすだけでなく、成形品(I)の表面への導電部材(II)の接合性が悪化する。したがって、導電部材(II)の占める面積は成形品(I)の全表面積の10%以下である必要がある。このような導電部材(II)を成形品(I)の形成と同時に成形品(I)の表面に一体接合させた場合、従来の導電性接着剤を使用して接着させた場合より強力に接合され、成形品(I)と導電部材(II)のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さが1.0kN/m以上となる。
他部品との干渉や、一体接合後の製品組み立て等の工程における接触起因のはがれを避けるため、成形品(I)の表面からの導電部材(II)の最大突起量は、導電部材(II)の厚みの50%以下であることが好ましい。
上記最大突起量の測定は、株式会社小坂研究所製表面粗さ測定器「サーフコーダ SE−2300」を用いて成形品(I)と導電部材(II)の界面付近の任意の10点の表面形状波形を出力し、波形から段差の大きさを測定することにより行う。
また、導電部材(II)接合部反対面の成形品表面が一体接合時の圧力により凸になり、外観が悪化することを防ぐためには、導電部材(II)が厚み一定の板状で、かつ成形品(I)の厚みに比べて薄いことが望ましい。成形品(III)の、導電部材(II)を含む断面において、導電部材(II)の厚みが成形品(I)の厚みの10%以下であることが好ましい。
成形品(III)における、導電部材(II)と成形品(I)の厚みの比は、ダイヤモンドカッター等を使用し、成形品(III)を導電部材(II)を含む断面で切断してCCDカメラ等で断面観察し、任意の10点で測定する。導電部材(II)が銅箔等の金属である場合、一体接合時の導電部材(II)の肉厚変化は無視できるので、一体接合前の導電部材(II)の厚みと一体接合後の成形品(III)の厚みによって一体接合後の厚みの比を判断できる。
電磁波シールド成形品(III)を構成する成形品(I)は、連続した導電性繊維で強化された樹脂組成物(A)であると、より優れた剛性・導電性を得ることができるが、その剛性あるいは導電性の要求値によっては、分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物(B)であっても良い。
成形品(I)が連続した導電性繊維で強化された樹脂組成物からなる成形品(A)である場合の強化形態は、成形品の少なくとも一方向に、10mm以上の連続した繊維が配列されている状態であって、必ずしも成形品全体にわたって連続した繊維である必要はなく、途中で分断されていても特に問題はない。具体的な導電性繊維の形態としては、フィラメント、クロス、UDクロス、UD、ブレイド、マルチフィラメントや紡績糸をドラムワインドなどで一方向にひきそろえた形態の強化材などの形態が例示できるが、プロセス面の観点から、クロス、UDが好適に使用される。また、これらの強化形態は単独で使用しても、2種以上の強化形態を併用してもよい。
成形品(A)に使用される導電性繊維は、アルミニウムなどの金属繊維、炭素繊維のように単独で導電性を示す繊維であることが好ましいが、ガラス繊維、アラミド繊維などの繊維に導電体を被覆した繊維など、体積抵抗率2.0×10-3Ω・cm以下のものであれば特に問題はない。2種類以上の繊維を併用してもよいが、軽量、薄肉で良好な機械的性質、導電性を得るためには少なくともその一部が炭素繊維であることが好ましい。
成形品(A)に使用される樹脂成分としては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらも使用することができるが、熱硬化性樹脂である場合、成形品の剛性、強度に優れ、熱可塑性樹脂である場合、成形品の衝撃強度、リサイクル性に優れる。
かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミドなどや、これらの共重合体、変性体、および、2種類以上ブレンドした樹脂などを使用することができる。更に、耐衝撃性向上のために、上記樹脂にエラストマーもしくはゴム成分を添加した樹脂も使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートや液晶ポリエステルなどのポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンやポリブチレンなどのポリオレフィンの他、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリスチレン、スチレン・アクリルニトリル共重合体、アクリルニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、アクリレート・スチレン・アクリルニトリル共重合体、ポリメチレンメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどを使用することができる。また、これらの共重合体、変成体および2種類以上のブレンドした樹脂も使用することができる。また、さらに耐衝撃性向上のために、上記樹脂にエラストマーもしくはゴム成分を添加した樹脂も使用することができる。
成形品(A)を構成する樹脂組成物における、連続した導電性繊維の割合は、成形性、力学特性と電磁波シールド性の観点から25〜95重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましい。
成形品(I)が分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物からなる成形品(B)である場合に使用される強化繊維は、体積抵抗率2.0×10-3Ω・cm以下のものであれば特に問題はなく、成形品(A)に使用される導電性繊維に例示した繊維を使用することができる。使用される熱可塑性樹脂も、その種類は特に限定されず、成形品(A)に使用する熱可塑性樹脂に例示した樹脂を使用することができる。
分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物は、かかる熱可塑性樹脂に強化繊維が均一に分散しており、成形性、強度、軽量性とのバランスの観点から、その好ましい組成としては、熱可塑性樹脂25〜95重量%、さらに好ましくは35〜85重量%、炭素繊維5〜75重量%、さらに好ましくは15〜65重量%である。
さらに分散している強化繊維の繊維長についても特に制限はないが、強化繊維の強度を効率よく発現させるには、繊維長は長い方が好ましい。成形性とのバランスの観点から、数平均繊維長100〜1000μmの範囲内が好適に用いられる。
ここで、数平均繊維長の測定方法は、分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物から分散している強化繊維のみを、無作為に400本抽出し、その長さを1μm単位まで光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡にて測定してその平均長さを算出することにより行う。強化繊維の抽出方法としては、分散した強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物の一部を切り出し、樹脂成分を溶解させる溶媒によりこれを十分溶解させた後、濾過などの操作により強化繊維と分離することができる。ただし、成形品を切り出す位置については、ウェルド周辺、ゲート周辺、リブ部、ヒンジ部および成形品端部は避けるものとする。
さらに、分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂には、要求される特性に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で他の充填材や添加剤を含有しても良い。例えば、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、カップリング剤などが挙げられる。
導電性付与剤としては、例えばカーボンブラック、アモルファスカーボン粉末、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、ピッチマイクロビーズ、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが例示でき、これらは電磁波シールド性をより高める目的で好ましく使用される。
分散した導電性強化繊維で強化された熱可塑性樹脂組成物における、熱可塑性樹脂への強化繊維の分散については、その方法は特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂と強化繊維を溶融混練する方法で製造できる。
ここで、成形品(A)の製造方法としては、特に限定されるものはなく、ハンドレイアップ成形、スプレーアップ成形、真空バック成形、加圧成形、オートクレーブ成形、プレス成形、トランスファー成形などの熱硬化樹脂を使用した方法、およびプレス成形、スタンピング成形などの熱可塑性樹脂を使用した方法などが挙げられる。とりわけ、プロセス性、力学特性の観点から真空バック成形、プレス成形、トランスファー成形などが好適に用いられる。
また、成形品(B)の製造方法としては、特に限定されるものはなく、射出成形、押出成形およびプレス成形などの方法が挙げられ、とりわけ射出成形は生産性が高く工業的に好適であり、かつリブ、ヒンジ、ボスを有する複雑な形状の成形品を容易に量産できることから好適に用いられる。
さらに、かかる成形品(A)と成形品(B)とを一体化させて成形品(I)とすることもできる。成形品(A)と成形品(B)を一体化させる手順としては、特に限定されるものではなく、成形品(A)を予め成形しておき成形品(B)の成形と同時に両者を一体化させる工法(i)、成形品(B)を予め成形しておき成形品(A)の成形と同時に両者を一体化させる工法(ii)、予め成形品(A)と成形品(B)を別個に成形し、両者を一体化させる工法(iii)などの方法を用いることができる。また、一体化の具体的形式としては、接着、融着、溶着、嵌合、嵌め込みなどを採ることができる。
成形品(A)と成形品(B)とを一体化させて成形品(I)を構成する場合、導電部材(II)は少なくとも成形品(A)と成形品(B)のいずれかに接合されればよく、成形品(A)と成形品(B)の両方にわたっていてもよい。
電磁波シールド成形品の形状には特に制限はなく、曲面、リブ、ヒンジ、ボス、中空部を有していてもよい。また、成形品にはメッキ、塗装、蒸着、インサート、スタンピング、レーザー照射などにより表面加飾の処理が施されていてもよい。
かかる電磁波シールド成形品の用途としては、例えば、パソコン、AV機器、携帯電話、玩具用品などの電気または電子機器用部品が挙げられる。とりわけ、本発明の電磁波シールド成形品はその優れた電磁波シールド性を生かして、薄肉で広い投影面積を必要とするノート型パソコンや携帯情報端末などの筐体として好適である。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前、後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術範囲に包含される。
実施例1
成形品(I)を構成する基材として東レ株式会社製炭素繊維UDプリプレグ(P6052F−15。炭素繊維量67重量%)を炭素繊維の繊維方向が(45°/−45°/90°/90°/−45°/45°)となる構成にて6枚積層し、その最外層上に導電部材(II)を構成する基材として長さ200mm×幅25mm、厚み10μmの銅箔1枚を所定の位置に載せた。なお、この場合の導電部材(II)の面積は成形品(I)の全表面積の5.2%であった。該プリプレグを、圧力を適宜調整しながら120℃で30分間加熱し硬化させて厚み0.75mmの成形品とし、得られた成形品を所定の形状に加工して電磁波シールド成形品(III)を得た。得られた成形品について、成形品からの銅箔の突起量を測定したところ、突起量は2.5μmであり、成形品表面の銅箔と反対面の外観は良好であった。
成形品(I)と銅箔のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さを測定するため、上記成形品とは別途、次の手順で試験片を作成した。成形品(I)を構成する基材として東レ株式会社製炭素繊維UDプリプレグ(P6052F−15。炭素繊維量67重量%)を炭素繊維の繊維方向が(45°/−45°/90°/90°/−45°/45°)となる構成にて6枚積層し、その最外層上に導電部材(II)を構成する基材として長さ200mm×幅25mm、厚み10μmの銅箔1枚を所定の位置に載せた。その際、プリプレグと銅箔の間に東レ・デュポン株式会社製ポリイミドフィルム(カプトン200V、厚み50μm)を挿入し、成形品(I)と銅箔の接着面の大きさが長さ150mm×幅25mmとなるようにした。該基材を、圧力を適宜調整しながら120℃で30分間加熱して硬化させて厚み0.75mmの成形品とし、ポリイミドフィルムを取り除いた後、さらに加工して長さ200mm×幅25mm、厚み0.75mmの成形品(I)と長さ200mm×幅25mm、厚み10μmの銅箔が長さ150mm×幅25mmの面積で接合された試験片を得た。このようにして得られた試験片のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さは1.6kN/mであった。はく離接着強さのバラツキを検証するため、合計50枚について同様の方法ではく離接着強さを測定したところ、50枚のはく離接着強さは平均値1.7kN/m、標準偏差0.05kN/mの分布を示し、1.0kN/m未満のものは1枚も発見されなかった。
実施例2
実施例1とは異なる態様の実施例として、成形品(A)と成形品(B)とを一体化させて成形品(I)を構成する電磁波シールド成形品を作成した。すなわち、実施例1と同様の方法で成形・加工して得た成形品(A)を筐体形状射出成形用金型内の天面を形成する部位にセットし、成形品(B)を構成する基材として東レ株式会社製長繊維炭素繊維強化ペレット(TLP1146S。炭素繊維含有率20重量%)を使用して型締め力350tfの射出成形機による射出成形を行い、筐体形状をした電磁波シールド成形品(III)を得た。なお、この場合の導電部材(II)の面積は成形品(I)の全表面積の4.8%であった。得られた成形品について、成形品からの銅箔の突起量を測定したところ、突起量は2.5μmであり、成形品表面の銅箔と反対面の外観は良好であった。
成形品(I)と銅箔のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さを測定するため、上記成形品とは別途、実施例1の方法に従って試験片を作成したところ、はく離接着強さは1.6kN/mであった。はく離接着強さのバラツキを検証するため、合計50枚について同様の方法ではく離接着強さを測定したところ、50枚のはく離接着強さは平均値1.7kN/m、標準偏差0.05kN/mの分布を示し、1.0kN/m未満のものは1枚も発見されなかった。
比較例1
成形品(I)を構成する基材として東レ株式会社製UDプリプレグ(P6052F−15。炭素繊維量67重量%)を炭素繊維の繊維方向が(45°/−45°/90°/90°/−45°/45°)となる構成にて6枚積層し、圧力を適宜調整しながら120℃で30分間加熱して硬化させ、厚み0.75mmの成形品を得た。得られた成形品を所定の形状に加工した後、成形品(I)との一体接合ではなく、株式会社スリーボンド製導電性接着剤(3301F)を使用して実施例1と同様の銅箔1枚を導電部材(II)を構成する基材として所定の位置に貼り付け、電磁波シールド成形品(III)を得た。なお、この場合の導電部材(II)の面積は成形品(I)の全表面積の5.2%であった。得られた成形品について、成形品(I)からの銅箔の突起量を測定したところ、突起量は30.0μm(導電部材(II)の厚みの300%)であった。
成形品(I)と銅箔のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さを測定するため、上記成形品とは別途、次の手順で試験片を作成した。成形品(I)を構成する基材として東レ株式会社製炭素繊維UDプリプレグ(P6052F−15。炭素繊維量67重量%)を炭素繊維の繊維方向が(45°/−45°/90°/90°/−45°/45°)となる構成にて6枚積層し、圧力を適宜調整しながら120℃で30分間加熱して硬化させ、厚み0.75mmの成形品を得た。得られた成形品を長さ200mm×幅25mmの大きさに加工した後、上記の導電性接着剤を使用して実施例1と同様の銅箔1枚を導電部材(II)を構成する基材として所定の位置に貼り付け、長さ200mm×幅25mm、厚み0.75mmの成形品(I)と長さ200mm×幅25mm、厚み10μmの銅箔が長さ150mm×幅25mmの面積で接合された試験片を得た。このようにして得られた試験片のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さは0.9kN/m(1.0kN/m未満)であった。はく離接着強さのバラツキを検証するため、合計50枚について同様の方法ではく離接着強さを測定したところ、50枚のはく離接着強さは平均値1.2kN/m、標準偏差0.2kN/mの分布を示し、大きなバラツキを示した。
比較例2
導電部材として長さ200mm×幅25mm、厚み100μmの銅箔1枚を使用し、銅箔の厚み以外は実施例1と同様の方法で厚み0.75mmの電磁波シールド成形品(III)を得た(導電部材(II)の厚みは成形品(I)の厚みの15.4%)。実施例1と同様、この場合の導電部材(II)の面積は成形品(I)の全表面積の5.2%であったが、成形品表面の銅箔と反対面に銅箔厚み起因の盛り上がりが確認され、外観の良好な電磁波シールド成形品(III)は得られなかった。
成形品(I)と銅箔のJIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さを測定するため、上記成形品とは別途、実施例1の方法に従って試験片を作成したところ、はく離接着強さは1.6kN/mであった。はく離接着強さのバラツキを検証するため、合計50枚について同様の方法ではく離接着強さを測定したところ、50枚のはく離接着強さは平均値1.7kN/m、標準偏差0.05kN/mの分布を示し、1.0kN/m未満のものは1枚も発見されなかった。
以上のように本比較例の成形品は請求項1〜3の発明の効果は達成しているものの請求項4の発明の効果は達成できなかった。
本発明によれば、導電性繊維を含む成形品と導電部材の接着強度に優れ、接合後の導電部材の突起による他部品との干渉が起こりにくく、さらには導電部材の接合後も外観が良好な電磁波シールド成形品を得られ、パソコン、AV機器、携帯電話、玩具用品などの電気・電子機器用成形品に広く利用することができるが、その応用範囲は、これらに限られるものではなく、エアコン、照明機器、機構部品、自動車や航空機の電装部材などにも利用することができる。
本発明の一実施例にかかる電磁波シールド成形品の斜視図である。
符号の説明
(I) 導電性繊維を含む成形品
(II) 導電部材
(III)電磁波シールド成形品

Claims (8)

  1. 導電性繊維を含む成形品(I)の表面に、成形品(I)の全表面積の10%以下の部分に導電部材(II)が設けられている電磁波シールド成形品であって、導電部材(II)が成形品(I)の表面に一体接合されてなることを特徴とする電磁波シールド成形品(III)。
  2. 成形品(I)と導電部材(II)間の、JIS K 6854−2で定義されるはく離接着強さが1.0kN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド成形品。
  3. 成形品(I)の表面からの導電部材(II)の最大突起量が、導電部材(II)の厚みの50%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールド成形品。
  4. 電磁波シールド成形品(III)の導電部材(II)を含む断面において、導電部材(II)の厚みが成形品(I)の厚みの10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
  5. 導電性繊維が連続繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
  6. 導電性繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
  7. 成形品(I)がホットプレスにより形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電磁波シールド成形品。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電磁波シールド成形品を用いてなることを特徴とする電気または電子機器用成形品。
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