JP2004115720A - ポリエステル系フィルム - Google Patents

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今井 一元
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Abstract

【課題】セロハンや紙の有する特性のうち、特にDH性に注目し、これらの特性を有し、さらにポリエステルフィルムの優れた特性である耐熱性、防湿性、透明性、保香性等を合わせて有する紙代替として使用可能なポリエステル系フィルムを得ること。
【解決手段】少なくとも、ポリエチレンテレフタレート30〜70重量%;35℃以上のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル20〜70重量%;および34℃以下のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル1〜30重量%からなるポリエステル95〜30重量%と、該ポリエステルに実質的に非相溶な樹脂5〜30重量%からなる樹脂よりなる層を有することを特徴とするポリエステル系フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデッドホールド性を有するポリエステル系フィルムに関する。更に詳しくは、ポリエステル延伸フィルムの優れた特性である耐熱性、保香性、耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好なデッドホールド性を具備した本、地図或いは包装用フィルムとして有用な、紙の代替となりうるポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、デッドホールド性(以下DH性と表記する)の優れたフィルムとしては、セロハンが知られている。セロハンは、その優れた透明性と易切断性、DH性等の特性により各種包装材料、粘着テープ用として重用されている。しかし、一方ではセロハンは吸湿性を有するため特性が季節により変動し一定の品質のものを常に供給することは困難であった。
【0003】
また、ポリエチレンテレフタレートをベースフィルムとした包装用袋は、延伸されたポリエチレンテレフタレートフタレートフィルムの強靱性、耐熱性、耐水性、透明性などの優れた特性の良さを買われて用いられているが、これらの優れた特性を有する反面、切断しにくく、包装用袋の口を引き裂き難い欠点や、粘着テープが切りにくい欠点、及びDH性が劣るためにひねり包装用に用いることができない等の欠点があった。
【0004】
上記欠点を解決する方法として、応力−ひずみ曲線において降伏点を有し、かつ該共重合物の未延伸フィルムの平均屈折率をN、二軸延伸フィルムの平均屈折率をNとしたとき、0.003≦N−N≦0.021を満足することを特徴とする易折り曲げポリエステルフィルム(特許文献1参照)やポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に、ポリエステル樹脂層(A)の融点よりも10℃以上高い融点を有し、かつ全厚みに対し5%以上、60%以下の厚みのポリエステル樹脂層(B)を積層した未延伸積層フィルムを少なくとも一軸延伸後にポリエステル樹脂層(A)の融点より10℃低い温度以上、かつポリエステル樹脂層(B)の融点未満の温度で熱処理することを特徴とする引き裂き性とひねり性の良好なポリエステルフィルムの製造方法(特許文献2参照)などが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
第2505474号
【特許文献2】
特開平5−104618号
【0006】
しかしながら、上記従来技術において応力−ひずみ曲線において降伏点を有し、かつ該共重合物の未延伸フィルムの平均屈折率をN、二軸延伸フィルムの平均屈折率をNとしたとき、0.003≦N−N≦0.021とする方法ではひねり性は良好となっても印刷や蒸着等の加工を行った時に熱による収縮によってシワの発生や幅方向のフィルムの寸法変化が発生した。またポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に、ポリエステル樹脂層(A)の融点よりも10℃以上高い融点を有し、かつ全厚みに対し5%以上、60%以下の厚みのポリエステル樹脂層(B)を積層した未延伸積層フィルムを少なくとも一軸延伸後にポリエステル樹脂層(A)の融点より10℃低い温度以上、かつポリエステル樹脂層(B)の融点未満の温度で熱処理する方法では、融点の高いポリエステル樹脂層の影響で十分なひねり性が得られないことがあった。
【0007】
更に、合成樹脂を主原料とした紙代替物である白色フィルムは、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度に優れており、近年、これらの長所を活かした用途展開が進められている。白色フィルムの主原料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が用いられているが、この中でもポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステルは、耐熱性が高い点、剛性が高い点で優れており、広範囲に於いて用いられている。
【0008】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを主原料とする白色フィルムは、紙やセロハンが有するようなDH性を有しておらず、折り曲げても元に戻ってしまい、紙代替として、折り曲げて使用する包装資材等への使用は困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明はセロハンや紙の有する特性のうち、特にDH性に注目し、これらの特性を有し、さらにポリエステルフィルムの優れた特性である耐熱性、防湿性、透明性、保香性等を合わせて有する紙代替として使用可能なポリエステル系フィルムを得ることを目的として研究し、これを達成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも、ポリエチレンテレフタレート30〜70重量%;35℃以上のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル20〜70重量%;および34℃以下のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル1〜30重量%からなるポリエステル95〜30重量%と、該ポリエステルに実質的に非相溶な樹脂5〜30重量%からなる樹脂よりなる層を有することを特徴とすることにより上記目的が達成される。
【0011】
この場合において、全光線透過率が50%以下であることが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記組成物に含有されるポリエチレンテレフタレートの量は、好ましくは30〜70重量%であり、さらに好ましくは40〜60重量%である。30重量%を下まわると、得られたフィルムの耐熱性が低下する。逆に、70重量%を越えると、DH性が不良となる。なお、上記ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、好ましくは0.55〜1.3dl/gであり、さらに好ましくは0.63〜1.2dl/gである。
【0013】
上記組成物に含有されるガラス転移温度が35℃以上のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの量は、好ましくは20〜70重量%であり、さらに好ましくは30〜50重量%である。20重量%を下まわると、DH性が不良になる。逆に、70重量%越えると、得られたフィルムの耐熱性が低下する。なお、上記ポリエステルおよび共重合ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.50〜1.3dl/gであり、さらに好ましくは0.60〜1.2dl/gである。
【0014】
本発明に用いられるガラス転移温度が35℃以上のポリエステルおよび共重合ポリエステルとしては、以下のようなものが挙げられる。まず、ポリエステルは、ガラス転移温度が35℃以上であればどのようなものでもよい。共重合ポリエステルは、例えばテレフタル酸およびエチレングリコールを主成分とし、他の酸成分および/または他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステルである。他の酸成分としては、脂肪族の二塩基酸(例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸)や芳香族の二塩基酸(例えば、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、5−第3ブチルイソフタル酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4、5−ジカルボン酸)が用いられる。グリコール成分としては、脂肪族ジオール(例えば、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール)または芳香族ジオール(例えば、キシリレングリコール、ビス(4−β−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン誘導体)が用いられる。
【0015】
上記組成物に含有されるガラス転移温度が34℃以下のポリエステルおよび/または共重合ポリエステルの量は、好ましくは1〜30重量%であり、さらに好ましくは3〜20重量%である。30重量%を越えると、DH性が不良になる。なお、上記ポリエステルおよび共重合ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.50〜1.3dl/gであり、さらに好ましくは0.60〜1.2dl/gである。
【0016】
本発明に用いられるガラス転移温度が34℃以下のポリエステルおよび共重合ポリエステルとしては、以下のようなものが挙げられる。まず、ポリエステルは、ガラス転移温度が34℃以下であればどのようなものでもよい。共重合ポリエステルは、例えばテレフタル酸および/またはイソフタル酸とエチレングリコールとを主成分とし、他の酸成分および/または他のグリコール成分を共重合成分として含有するポリエステルである。他の酸成分としては、脂肪族の二塩基酸(例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、イソフタル酸)などが用いられる。他のグリコール成分としては、脂肪族ジオール(例えば、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール)などが用いられる。あるいはこれらのポリエステルとポリエーテル(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)とのブロック共重合体が用いられ得る。
【0017】
本発明に於いて、適度な光線透過率を得るためには、例えば、内部に微細な空洞を含有させることが好ましい。例えば発泡剤等を混合して押し出しても良いが、好ましい方法としては、ポリエステル樹脂中に、ポリエステルに非相溶な樹脂を混合し、少なくとも一軸方向に延伸することにより空洞を得ることである。このようにして空洞を含有するフィルムは通常のポリエステルフィルムに対して見掛けの比重が小さくなる。本発明に於いては、見掛けの比重が1.3g/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは1.2g/cm以下である。見掛けの比重が1.3g/cmを超える領域では、空洞の量が不足し、DH性が悪化するばかりでなく、紙の代替として使用した場合に紙の風合いや筆記性を悪化させる。
【0018】
この見掛け比重はフィルム内部に含有する空洞量を表しており、空洞を含有しない場合、おおよそ1.4g/cm程度となる。本発明ではフィルム内部に空洞を含有させることにより、フィルムを折り曲げた際の反発力が低下し、優れたDH性が得られると考えられる。
【0019】
本発明に用いられる、ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂は、ポリエステル樹脂に非相溶なものであれば特に限定されるものではない。具体的にはポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。これらのうち、特にポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、更に好ましくはポリスチレン樹脂である。
【0020】
ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン等のホモポリマーの他、その他の成分をグラフト或いはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
【0021】
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が好ましい。
【0022】
本発明において、ポリエステル樹脂に非相溶な樹脂の添加量は5〜30重量%であり、更に好ましくは8〜25重量%である。添加量が5重量%未満の場合、必要とする隠蔽性が得られないだけでなく、DH性が悪化する。また、添加量が30重量%を超えると製膜性が悪化したり、耐熱性が低下したり、またはフィルム強度が低下する。
【0023】
前記ポリエステル類及び非相溶な樹脂を混合してなる重合体混合物の調整にあたっては、例えば、各樹脂のチップを混合し、押し出し機内で溶融混練して押し出しても良い。或いは、予め混練機によって各樹脂を混練したものを更に押し出し機より溶融押し出ししても良い。また、ポリエステル樹脂の重合工程に於いてポリスチレン系樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを用いても構わない。
【0024】
上記樹脂組成物中には、必要に応じて隠蔽性や描画性、あるいは白度を向上させる為に無機粒子を含有することができる。そのための無機粒子としては、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニュウム、カオリン、タルク等が挙げられ、特に二酸化チタンは本発明に於いて全光線透過率を低下させ、白度を上昇させるのに於いて好ましい。
【0025】
上記組成物中には、上述の成分の他に、必要に応じてその他各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線防止剤、着色剤(例えば、染料)などが用いられる。
【0026】
本発明に於いて、全光線透過率は50%以下であり、更に好ましくは30%以下である。全光線透過率が50%より多いと紙代替としての隠蔽性に劣り実用上支障が出る。或いは白度改善及び隠蔽性改善の為に白色インキ等での全面印刷が必要となりコストアップとなる。
【0027】
本発明においてポリエステル系フィルムの150℃における熱収縮率の最大値は5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることが更に好ましい。150℃における熱収縮率が5.0%より大きいとフィルムに印刷や蒸着層を形成する等の後加工時にシワ発生や平面性の乱れが発生することがあり好ましくない。
【0028】
本発明に用い得るポリエステル基材フィルムは、公知のフィルム製膜法によって形成し得る。フィルム製膜法としては、未延伸フィルムを縦方向又は横方向に延伸する一軸延伸法やインフレーション法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法などの二軸延伸法を行い、次いで熱固定処理する方法が用い得る。例えば、逐次二軸延伸法としては、縦延伸及び横延伸または横延伸及び縦延伸を順に行う方法のほか、横−縦−縦延伸法、縦−横−縦延伸法、縦−縦−横延伸法などの延伸方法を採用することができる。また、同時二軸延伸法としては、従来の同時二軸延伸法でもよいが、リニアモーター方式により駆動される新規の同時二軸延伸法が好ましい。なお、多段階に分けて同時二軸延伸してもよい。また、熱収縮率をさらに低減するために、必要に応じて、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施してもよい。
【0029】
好ましくは、上記延伸は、次のような工程で行われる。例えば、まず、それを構成する重合体組成物が有するガラス転移温度(Tg)以上、融点以下の温度、例えばTg+30℃程度の温度で予熱を行う。ここで、重合体組成物が有するガラス転移温度とは、各ポリエステル成分のガラス転移温度を、その含有率で重みを付けて平均した値を意味する。延伸倍率としては一軸延伸の場合は少なくとも1.5倍以上、好ましくは3〜5倍であり、二軸延伸の場合は延伸面積で2〜30倍、好ましくは9〜16倍であり、二軸延伸することが、フィルムの強度、耐熱性の点から好ましい。
【0030】
【作用】
所定の比率に配合されたポリエステルを延伸および熱処理する事により、本発明の目的とするデッドホールド性及び隠蔽性が得られ、紙の代替として有用である。
【0031】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。実施例および比較例における評価の方法については(a)〜(d)の方法で行った。
【0032】
(a)全光線透過率
日本電飾工業(株)社製NDH−2000Tを用い、JIS−K7136に準じて測定した。
【0033】
(b)デッドホールド性
10cm□のサンプルを切り出し、長手方向に折り目が付かないように半折し、500g/cmの圧力で1秒間プレスした後、同様に幅方向にプレスして4つ折りサンプルを作成した。当該サンプルを立てた状態で、2回目に半折した所の開いた角度を測定した。
ちなみに、該測定方法による紙のデッドホールド性は33度、セロハンは54度、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは80度であった。
○:40度未満
△:40度以上60度未満
×:60度以上
【0034】
(c)熱収縮率
フィルムの長手方向に、幅10mm、長さ250mmのサンプルを切り出し、200mm間隔で印をつけ、5gの一定張力で間隔Aを測る。続いて、150℃の雰囲気中のオーブンに無荷重で30分間放置した。オーブンから取り出し室温まで冷却後に、5gの一定張力で間隔Bを求め、以下の式により熱収縮率を求めた。測定はフィルムの幅方向を等間隔に5ヶ所からサンプルを切り出し測定した。
熱収縮率=(A−B)/A×100(%)
【0035】
(d)見掛け比重
フィルムを40cm□に切り出し、長手方向、幅方向にそれぞれ4等分した16ヶ所の厚みを測定し、平均値t(μm)を求める。得られたフィルム厚みと、当該サンプルの電子天秤を用いて秤量して得た重量w(g)より下記により求めた。
見掛け比重(g/cm)=w/(1600×t)×10000
【0036】
(実施例1)
ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル成分として、酸成分としてテレフタル酸100mol%、グリコール成分としてエチレングリコール70mol%およびネオペンチルグリコール30mol%、を用いて共重合ポリエステルAを調製した。得られた共重合ポリエステルAのガラス転移温度は69℃であり、固有粘度は0.67dl/gであった。
【0037】
次いで、ガラス転移温度が34℃以下のポリエステル成分として、酸成分としてテレフタル酸70mol%およびセバチン酸30mol%、グリコール成分としてエチレングリコール45mol%およびネオペンチルグリコール55mol%、を用いて共重合ポリエステルBを調製した。得られた共重合ポリエステルBのガラス転移温度は7℃であり、固有粘度は0.70dl/gであった。
【0038】
また、ポリエステル樹脂に非相溶に樹脂としては、結晶性ポリスチレン(日本ポリスチレン社製G797N)を用いた。
【0039】
このようにして得られた共重合ポリエステルAおよびBをポリエステル成分として用いて、次のように調製した。ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.67dl/g)を40重量%、ガラス転移温度が35℃以上のポリエステル成分として共重合ポリエステルAを30重量%、およびガラス転移温度が34℃以下のポリエステル成分として共重合ポリエステルBを5重量%、結晶性ポリスチレンを20重量%、酸化チタンを5重量%の割合で混合し、ポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物を 290℃で溶融押出しし、30℃の冷却ドラムで急冷して未延伸フィルムを得た。
【0040】
該未延伸フィルムをまず金属ロールを用い95℃に予熱し、縦方向に3.5倍延伸した。次いでテンターにおいてフィルムを100℃に予熱し、横方向に100℃から110℃に昇温しながら4.0倍に延伸し、200℃で幅方向に3%の弛緩処理を行い、30μmのフィルムを得た。物性値は表1に示す。
【0041】
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレートの添加量を30重量%、共重合ポリエステルBを5重量%とした以外は実施例1と同様にして厚さ30μmのフィルムを得た。物性値を表1に示す。
【0042】
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレートを60重量%、共重合ポリエステルAを15重量%、結晶性ポリスチレンを20重量%、酸化チタンを5重量%の割合で混合した以外は実施例1と同様にして、厚さ30μmのフィルムを得た。物性値を表1に示す。
【0043】
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレートを20重量%、ポリスチレンを40重量%とした以外は実施例1と同様にして製膜したところ、吐出、及び延伸工程が不安定となり、製膜できなかった。
【0044】
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレートを5重量%、共重合ポリエステルBを40重量%とした以外は実施例1と同様にして厚さ30μmのフィルムを得た。物性値を表1に示す。
【0045】
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレートを52重量%、共重合ポリエステルBを8重量%とした以外は実施例1と同様にして厚さ30μmのフィルムを得た。物性値を表1に示す。
【0046】
(比較例4)
ポリエチレンテレフタレートを60重量%、ポリスチレンを0重量%とした以外は実施例1と同様にして、厚さ30μmのフィルムを得た。物性値を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 2004115720
【0048】
【発明の効果】以上の如く、DH性と隠蔽性の良好なポリエステルフィルムが得られ、包装用、あるいは紙代替として有効なことがわかる。

Claims (6)

  1. 少なくとも、ポリエチレンテレフタレート30〜70重量%;35℃以上のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル20〜70重量%;および34℃以下のガラス転移温度を有するポリエステルおよび/または共重合ポリエステル1〜30重量%からなるポリエステル樹脂組成物95〜30重量%と、該ポリエステルに実質的に非相溶な樹脂5〜30重量%からなる樹脂よりなる層を有することを特徴とするポリエステル系フィルム。
  2. 請求項1に記載のポリエステル系フィルムであって、全光線透過率(T2)が50%以下であることを特徴とするポリエステル系フィルム。
  3. 請求項1に記載のポリエステル系フィルムであって、該フィルムがフィルム内に空洞を含有し、見掛け比重が1.3g/cm以下であることを特徴とするポリエステル系フィルム。
  4. 請求項1に記載のポリエステル系フィルムであって、酸化チタン微粒子が5〜20重量%含有することを特徴とするデッドホールド性を有するポリエステル系フィルム。
  5. 請求項1に記載のポリエステル系フィルムであって、ポリエステルフィルムの150℃での長手方向の熱収縮率が5.0%以下であることを特徴とするポリエステル系フィルム。
  6. 請求項1に記載のポリエステル系フィルムであって、ポリエステルに実質的に非相溶な樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とするポリエステル系フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160375A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 東洋紡株式会社 印刷製品

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