JP2004115572A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【化1】
(R1は一価飽和炭化水素基、xは10以上の整数、Yは0又はアルキレン基、nは0又は1。)
で示されるオルガノポリシロキサン、
(B)式(3)及び/又は(4)
【化2】
(Rは一価炭化水素基、R2は一価飽和炭化水素基、R3は一価脂肪族不飽和炭化水素基、kは0以上、mは10以上の整数で、0.2≦m/k+m≦1、b、cは0以上の整数で、b+c≧1。)
で示されるオルガノポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物、その部分加水分解物又はこれらの混合物、
(D)シランカップリング剤
を含有してなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【効果】本発明によれば、非汚染性に優れたシリコーンゴムが得られる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用シーリング材、コーティング材等の建築用ゴム部材に好適に使用される非汚染性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種建造物におけるコンクリート、サッシなどのジョイント部、ガラス回りなどは、現在、合成ゴムなどのシーリング材で充填施工する方法が一般的であり、このシーリング材としては、シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリル系、SBR系、ブチル系など、各種のものが知られているが、接着性、耐熱耐候性、耐久性という面からは縮合硬化型のシリコーン系シーリング材が広く使用されている。
【0003】
しかし、従来より外壁目地に使用されているシリコーン系のシーリング材には、目地周辺に汚れが広がるという問題が発生している。この現象は建物の立地条件(外部環境、方位)、目地設計(形状、接着体)等に大きく依存し、一般に建物周辺の大気汚染度、降雨の流れ具合、降雨後の乾燥度と著しく相関があることが判明している。この対策として、落とし目地や孫目地等の降雨が直接目地に触れないような目地への設計変更、硬化後のシーラント表面に塗布剤による障壁を作り、汚染を防止する方法等があるが、前者は設計仕様の変更を伴うため、建物の意匠上の問題が残り、後者は塗布という工程の増加が総合工賃のアップにつながるため、一般的なものとはなっていない。
【0004】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒活性を有する粒子が分散、含有された硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物によりシーリング材、コーティング材などの建築用ゴム部材を製造した場合、これに紫外線が照射されることで表面が改質されて親水化され、非汚染性が付与されることを先に提案している(特許文献1参照)。この方法によって、従来のシリコーンシーラントに比して非汚染性は大幅に改良されたものの、更なる非汚染性の向上が求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−227779号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、非汚染性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるオルガノポリシロキサン、下記一般式(3)及び/又は(4)で示されるオルガノポリシロキサン、ケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解物、及び必要によりシランカップリング剤を配合した室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、シーリング材、コーティング材などの建築用ゴム部材として使用した場合に、従来のものに比べて格段に汚染性が改善され、しかもシール性及び耐光性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、
(A)下記一般式(1):
【化5】
(式中、R1は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、xは10以上の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン及び/又は下記一般式(2):
【化6】
(式中、R1、xは上記の通りであり、Yは酸素原子又は炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、nは独立に0又は1である。)
で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)下記一般式(3):
【化7】
(式中、Rは炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、R3は炭素原子数2〜6の置換もしくは非置換の一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、kは0以上の整数、mは10以上の整数で、0.2≦m/k+m≦1である。)
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン及び/又は下記一般式(4):
【化8】
(式中、R、R2、R3、k、mは上記の通りであり、b、cはそれぞれ0以上の整数であるが、b+c≧1である。)
で示される分岐状オルガノポリシロキサン 10〜50重量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物、その部分加水分解物又はこれらの混合物 0.1〜30重量部、
(D)シランカップリング剤 0〜10重量部
を含有してなることを特徴とする非汚染性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0010】
[(A)成分]
本発明における(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるものである。
【0011】
【化9】
(ここで、R1は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、Yは酸素原子又は炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、xは10以上の整数であり、nは独立に0又は1である。)
【0012】
上記式(1)、(2)中、R1は炭素原子数1〜10、特に1〜6の置換又は非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;及びこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。一般式(1)、(2)中の複数のR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0013】
また、Yは酸素原子又は炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、メチレン基が好ましい。
【0014】
xは10以上、好ましくは100〜2,000の整数であり、特にこれらのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が、25〜1,000,000cStの範囲となる数が好ましく、より好ましくは500〜500,000cStの範囲となる数である。また、nは独立に0又は1である。
【0015】
[(B)成分]
本発明における(B)成分のオルガノポリシロキサンは、下記一般式(3)で示される直鎖状オルガノポリシロキサン及び/又は一般式(4)で示される分岐状オルガノポリシロキサンである。
【0016】
【化10】
(ここで、Rは炭素原子数1〜10の一価の炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、R3は炭素原子数2〜6の置換もしくは非置換の一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、kは0以上の整数、mは10以上の整数で、0.2≦m/k+m≦1である。また、b、cはそれぞれ0以上の整数であるが、b+c≧1である。)
【0017】
上記式(3)、(4)中、Rは炭素原子数1〜10、特に1〜6の一価の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基が好ましい。
【0018】
R2は炭素原子数1〜10、特に1〜6の置換又は非置換の脂肪族不飽和結合を有さない一価の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;及びこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子などで置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等であり、メチル基が好ましい。R3は炭素原子数2〜6、特に2〜5の置換もしくは非置換の一価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、例えばビニル基、アリル基等のアルケニル基であり、特にビニル基が好ましい。また、一般式(3)、(4)中の複数のR2、R3は、それぞれ同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0019】
また、kは0以上、好ましくは0〜2,000の整数、mは10以上、好ましくは10〜3,000の整数であり、k+mは10〜3,000であることが好ましく、特にこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が5〜1,000,000cStの範囲となる数であることが好ましく、より好ましくは25〜20,000cStの範囲となる数である。また、k+mに対するmの比〔m/k+m〕は0.2〜1であり、とりわけ0.4〜1であることが好ましい。
【0020】
上記式(4)の分岐状オルガノポリシロキサンは、SiR2 2Oで示される単位をk個、
【化11】
で示される単位をb個、
【化12】
で示される単位をc個、SiR2R3Oで示される単位をm個有するものである。
ここで、k、mは上記の通りである。b、cはそれぞれ0以上の整数で、特にbは0〜100、cは0〜200であり、また、b+cは1以上、好ましくは1〜300、特に1〜50である。
【0021】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して10〜50重量部、より好ましくは15〜35重量部の範囲である。10重量部未満では硬化物の非汚染性が十分でなく、50重量部を超えると得られる硬化物の強度が低下してしまう。
【0022】
[(C)成分]
本発明における(C)成分は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解物である。
【0023】
シラン化合物としては、下記一般式で表されるものが好ましい。
R4 aSiR5 4−a
(式中、R4は一価炭化水素基であり、R5は加水分解性基である。aは0,1又は2であり、好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。)
【0024】
ここで、シラン化合物及びその部分加水分解物が有する加水分解性基R5としては、加水分解可能な基であれば特に制限されないが、ケトオキシム基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基が好ましい。
また、加水分解性基以外のケイ素原子に結合した残余の基R4は、炭素数1〜10の一価炭化水素基であれば特に限定されるものではないが、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基などが例示される。
【0025】
(C)成分の具体例としては、テトラキス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランなどのケトオキシムシラン及び、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシラン及び、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどのアセトキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシランなどのイソプロペノキシシラン、並びにこれらのシランの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0026】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲、好ましくは1〜15重量部の範囲で使用される。0.1重量部未満では十分な架橋が得られず、目的とするゴム弾性を有する組成物が得難く、30重量部を超えると得られる硬化物の機械特性が低下する。
【0027】
[(D)成分]
(D)成分のシランカップリング剤は、本発明の組成物において接着性付与成分としての作用を有する成分である。シランカップリング剤としては、公知のものが好適に使用され、ビニルシランカップリング剤、(メタ)アクリルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤等が例示され、具体的には、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキプロピルメチルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
【0028】
このシランカップリング剤の配合量は、(A)成分100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用される。充填剤及び被着体によりシランカップリング剤を使用しなくても接着するときは使用しなくてもよく、使用する場合、10重量部を超えると価格的に不利となる。
【0029】
[その他の成分]
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記成分以外に補強等の目的で1種以上の充填剤を用いることが好ましい。このような充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、これらのシリカ表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、透明樹脂ビーズ、透明樹脂バルーン、酸化鉄、煙霧状金属酸化物、湿式シリカ、石英粉末、カーボンブラック、タルク、ゼオライト及びベントナイト等の補強剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維などの繊維質充填剤、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等の塩基性充填剤、酸化チタンなどの光触媒活性を有する充填剤等が例示される。これらの充填剤のうち、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト等が好ましく、特に表面を疎水化処理した煙霧質シリカ、炭酸カルシウムが好ましい。
【0030】
上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択すればよいが、(A)成分のオルガノポリシロキサン成分100重量部に対して1〜500重量部、特に5〜100重量部であることが好ましい。
【0031】
また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物には、非汚染性を損なわない範囲において、上記成分以外に一般に知られている添加剤、可塑剤、縮合触媒などの種々の化合物を添加することは任意である。例えば、添加剤としては、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性のシリコーンオイル、イソパラフィンが挙げられ、必要に応じて防かび剤、抗菌剤なども添加される。触媒としては、有機錫エステル化合物、有機錫キレート化合物、アルコキシチタン化合物、チタンキレート化合物、グアニジル基を有するケイ素化合物などが挙げられる。また、ポリエチレングリコール又はその誘導体からなるチクソトロピー性付与剤、ベンガラ及び酸化セリウムなどの耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、トリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位及び/又はモノオルガノシロキシ単位よりなる網状ポリシロキサンなどの液状補強剤などを必要に応じてその所定量を添加することができる。
【0032】
また、非汚染性向上の目的で、従来から使用されている光硬化性物質(例えばアクリル基等の不飽和基含有オリゴマー及びポリマーなど)、光崩壊性物質(例えば桐油、亜麻仁油など)等を本発明の目的を損なわない範囲で更に添加してもよい。
【0033】
[オルガノポリシロキサン組成物]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記成分の所定量をニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、品川ミキサー等の混練り機で混合することにより、得ることができる。
【0034】
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、建築用ゴム部材として使用することが好適であり、特にシーリング材、コーティング材、ガスケットなどに好適に使用される。
【0035】
上記室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、室温で放置することにより硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、非汚染性に優れたシリコーンゴムが得られ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工等として使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性にも優れるものである。
【0037】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃での測定値を示したものである。
【0038】
[合成例1]
ポリマーAの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,752g、蒸留水1.8g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。これを80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して粘度70,000mPa・s、不揮発分99.8%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリジメチルシロキサン、屈折率1.402)を2,400g得た。
【0039】
[合成例2]
ポリマーBの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,752g、ヘキサメチルジシロキサン29.0g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。これを80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して粘度450mPa・s、不揮発分97.3%の無色透明液体(両末端メチル基封鎖ポリジメチルシロキサン、屈折率1.402)を2,350g得た。
【0040】
[合成例3]
ポリマーCの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,732g、ヘキサメチルジシロキサン29.4g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。これを80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して粘度750mPa・s、不揮発分95.8%の無色透明液体(両末端メチル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、屈折率1.438)を2,350g得た。
【0041】
[合成例4]
ポリマーDの製造
合成例3の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン688g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,776gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度400mPa・s、不揮発分96.6%の無色透明液体(両末端メチル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、屈折率1.413)を2,250g得た。
【0042】
[合成例5]
ポリマーEの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積2リットルの三つ口フラスコに、ポリマーAを1,000g、テトラメトキシシランを76g仕込み、120℃で24時間反応させた。反応後、減圧加熱によりメタノールと過剰のテトラメトキシシランを留去して粘度75,000mPa・s、不揮発分99.9%の無色透明液体(両末端トリメトキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン)を975g得た。
【0043】
[実施例1]
ポリマーAを100重量部と、ポリマーCを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR972)10重量部を均一に混合し、これにビニルトリメチルエチルケトオキシムシラン6重量部、ジブチルスズジオクトエート0.05重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0044】
[実施例2]
実施例1において、ポリマーCの代わりにポリマーDを用いた以外は、実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0045】
[実施例3]
実施例1において、ポリマーCの添加量を10重量部とした以外は、実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0046】
[実施例4]
実施例1において、ポリマーCの添加量を40重量部とした以外は、実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0047】
[比較例1]
実施例1において、ポリマーCの代わりにポリマーBを用いた以外は、実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0048】
[比較例2]
ポリマーAを100重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR972)10重量部を均一に混合し、これにビニルトリメチルエチルケトオキシムシラン6重量部、ジブチルスズジオクトエート0.05重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0049】
[比較例3]
実施例1において、ポリマーCの添加量を5重量部とした以外は、実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0050】
これらの実施例、比較例の組成物を2mm厚のシート状に成形し、23±2℃、50±5%RHの雰囲気で7日間硬化してそのゴム物性(硬さ、伸び、引張強さ)をJIS−K6249に準じて測定した。同時に25×100×5mm厚のガラス板を用いて接着厚み1mm、接着面積2.5cm2の剪断接着試験体を作製し、上記と同様の硬化条件にて硬化させて剪断接着力、凝集破壊率を測定した。また、これらの混合物を白ガラス板上に30×30×2mm厚に塗布し、室温下に放置してゴム弾性体とし、これを2年間屋外暴露し、目視にて汚染性を評価した。これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
○:汚染なし、△:やや汚染あり、×:汚染あり
【0052】
[実施例5]
ポリマーAを100重量部と、ポリマーCを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにメチルトリアセトキシシラン5重量部、ジオクチルスズジラウレート0.05重量部、イソパラフィン(ハイドロシールG400H)10重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0053】
[比較例4]
実施例5において、ポリマーCを添加しない以外は、実施例5と同様の手法で組成物を調製した。
【0054】
[比較例5]
実施例5において、ポリマーCの代わりにポリマーBを用いた以外は、実施例5と同様の手法で組成物を調製した。
【0055】
[実施例6]
ポリマーAを100重量部と、ポリマーCを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにメチルトリメトキシシラン6重量部、ジイソプロピルチタンビスアセチルアセトネート2.5重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0056】
[実施例7]
ポリマーAを100重量部と、ポリマーCを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにビニルトリイソプロペノキシシラン6重量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン0.7重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0057】
[実施例8]
ポリマーEを100重量部と、ポリマーCを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにメチルトリメトキシシラン3重量部、ジイソプロピルチタンビスアセチルアセトネート2.5重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0058】
[比較例6]
実施例8において、ポリマーCを添加しない以外は、実施例8と同様の手法で組成物を調製した。
【0059】
[比較例7]
実施例8において、ポリマーCの代わりにポリマーBを用いた以外は、実施例8と同様の手法で組成物を調製した。
【0060】
[実施例9]
ポリマーAを100重量部と、ポリマーFを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにメチルトリメトキシシラン6重量部、ジイソプロピルチタンビスアセチルアセトネート2.5重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
[実施例10]
ポリマーEを100重量部と、ポリマーFを22重量部と、表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR974)10重量部を均一に混合し、これにメチルトリメトキシシラン3重量部、ジイソプロピルチタンビスアセチルアセトネート2.5重量部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0061】
これらの実施例、比較例の組成物を2mm厚のシート状に成形し、23±2℃、50±5%RHの雰囲気で7日間硬化してそのゴム物性(硬さ、伸び、引張強さ)をJIS−K6249に準じて測定した。同時に25×100×5mm厚のガラス板を用いて接着厚み1mm、接着面積2.5cm2の剪断接着試験体を作製し、上記と同様の硬化条件にて硬化させて剪断接着力、凝集破壊率を測定した。また、これらの混合物を白ガラス板上に30×30×2mm厚に塗布し、室温下に放置してゴム弾性体とし、これを2年間屋外暴露した。これらの結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
○:汚染なし、×:汚染あり
Claims (5)
- (A)下記一般式(1):
で示されるオルガノポリシロキサン及び/又は下記一般式(2):
で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)下記一般式(3):
で示される直鎖状オルガノポリシロキサン及び/又は下記一般式(4):
で示される分岐状オルガノポリシロキサン 10〜50重量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有するシラン化合物、その部分加水分解物又はこれらの混合物 0.1〜30重量部、
(D)シランカップリング剤 0〜10重量部
を含有してなることを特徴とする非汚染性に優れた硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 前記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で示されるオルガノポリシロキサンのR1、R2がメチル基、R3がビニル基であることを特徴とする請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、充填剤として、炭酸カルシウム又は表面を疎水化処理したシリカを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 建築ゴム部材用である請求項1,2又は3に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- シーリング材又はコーティング材用であることを特徴とする請求項4記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
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