JP2004115030A - ホッパ装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】ホッパ装置は、本体10に着脱可能に取り付けられたホッパ11と、ホッパ11の開口に自由状態で開閉可能に取り付けられたシャッタ12と、本体10に設けられたモータ26と、本体10に設けられてモータ26に操作される第1操作部材17と、第1操作部材17に移動可能に設けられてシャッタ12に連結された操作軸21と、第1操作部材17と操作軸21の間に介装されてモータ26から第1操作部材17に伝達された駆動力をシャッタ12に伝達するばね25とを有する。シャッタ12には閉止方向に付勢するばねがないので、駆動力の小さいモータ26でシャッタ12を開放でき、ばね25はシャッタ12を閉時にのみ付勢するので調整不要でホッパ11の開口を確実に閉止できる。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャッタを閉止した状態で被計量物を集合させ、該シャッタの開放によりこれを落下供給することができるホッパ装置に関する。本発明のホッパ装置は、例えば自動計量装置に設けられて細かい被計量物の集合・計量に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−94195号公報
【0004】
図9及び図10は、上記特許文献1に掲載された自動計量装置のホッパの構造と、そのゲート(シャッタ)の開閉動作を示す図である。ホッパ本体100は上下が開口した四角形筒状で、対向する一対の側壁の下方は逆三角形状に下方へ突出している。このホッパ本体100は、図示しない計量機本体に着脱自在とされており、計量機本体にはアクチュエータによって所定角度回動される作動レバー101が固定されている。このホッパ本体100を計量機本体に取り付けると、ホッパ本体100のゲートの開閉機構に前記作動レバー101が係合して該ゲートを開閉することができるように構成されている。
【0005】
ホッパ本体100の逆三角形状の側壁の左右両側には、それぞれ軸102a、102bによって回動自在に第1、第2のゲート103a、103bが取付けられており、ホッパ本体100の下方開口を開閉することができる。
【0006】
ホッパ本体100の側壁側には、第1、第2のゲート103a、103bの動きを防げないようにその外側において、それぞれ被計量物の横飛出し防止のために、下側が三角形状に広がった遮蔽板104a、104bが設けられている。一方の遮蔽板104aの外面側の下方左右には、L字状の作動板105a、105bがその中間部においてそれぞれ軸106a、106bによって回動自在に取付けられている。
【0007】
第1、第2のゲート103a、103bには補強枠体107a、107bが固定されており、この補強枠体107a、107bには、それぞれ軸108a、108bにおいてリンク109a、109bの上端部が回動自在に取付けられている。該リンク109a、109bの下端部と、前記L字状の作動板105a、105bの上端部とは、軸110a、110bによって回動自在に連結されている。
【0008】
遮蔽板104aと軸110a,110b間には、引張ばね111a、111bが取付けられている。この引張ばね111aの付勢力のために、図9に示すように、第1、第2のゲート103a、103bは軸102a、102bを中心にそれぞれ反時計回り、時計回り方向に付勢され、図9に示すように互いに当接してホッパ本体100の下方開口部を閉じた状態に保持する。
【0009】
ホッパ本体100を計量機本体に掛けると、前記作動レバー101は、図9に示すように第1、第2のゲート103a、103bが閉じた状態において、左右2つのL字状の作動板105a、105bの各ローラ112a、112bの間に位置する。従って、作動レバー101が左右に回動すると、左右のローラ112a、112bに接触する。
【0010】
この状態で作動レバー101を反時計回りに回動させると、図10に示すように作動レバー101によって右側の作動板105bのローラ112bは上方へ押し上げられる。このため、右側の作動板105bは、引張バネ111bの付勢力に抗して軸106bを中心として時計回りに回動する。この結果、右側の第2のゲート103bは引張バネ111bの付勢力に抗して軸102bを中心として反時計回りに回動し、ホッパ本体100の開口を開く。このとき、左側の第1のゲート103aは、引張バネ111aの付勢力によって閉じたままになっている。
【0011】
逆に、作動レバー101が時計回りに回動すると、同様の作用により、左側の第1のゲート103aは引張バネ111aの付勢力に抗して軸102aを中心として時間回りに回動し、ホッパ本体100の開口を開く。
【0012】
なお、この自動計量装置のホッパにおいては、図示しない連動部材を右側の作動板105bに取付け、その先端を左側の作動板105aの先端のローラ112aに滑動自在に係合させる構成とすることができ、かかる構成とした場合には、左右の作動板105a,105bを連動させることができる。かかる構成では、作動レバー101を反時計回りに回動すると、右側の作動板105bと左側の作動板105aが共に回動し、これによって左側の第1のゲート103aと右側の第2のゲート103bは、それぞれ引張バネ111a,111bの付勢力に抗して同時に外向きに回動し、ホッパ本体100の開口を開く。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記自動計量装置におけるホッパの構造では、確実な閉止状態を得るために、前述したようにホッパの開口を開閉するゲート103a,103b (シャッター)を引張ばね111a,111b等の付勢手段で常時ホッパの開口を閉止する方向に付勢していた。従って、作動レバー101によってゲート103a,103bに外力が加わらない場合には、ゲート103a,103bは引張ばね111a,111bの力によってホッパ本体100の開口を閉止しており、ホッパ本体100の開口を開放する場合には、作動レバー101が引張ばね111a,111bの付勢力に抗してゲート103a,103bを回動していた。
【0014】
従って、ゲート103a,103bを開閉する作動レバー101は、引張ばね111a,111bの付勢力を上回る駆動力のアクチュエータ (駆動源)で回動させる必要があり、ホッパのゲート103a,103bを開閉するために、そのような駆動力の大きなアクチュエータを設けることは、自動計量装置の製作コストを上昇させる一因となっていた。
【0015】
また、自動計量装置の能力を上げるためには、シャッタの開閉スピードを上げる必要がある。従来の方法では、強力な引張ばねを使用しなければならず、そのためには非常に駆動力の大きなアクチュエータが必要となる。また、シャッタを閉止する際のシャッタスピードの増加に伴い、シャッタとホッパ本体との接触音が増大し、装置全体の騒音が問題となっていた。
【0016】
また、ホッパのゲート103a,103bを引張ばね111a,111bで常時閉方向に付勢する構成では、ゲート103a,103bが閉止する速度は引張ばね111a,111bの付勢力に依存することとなるので、長期間の使用により引張ばね111a,111bの機能が劣化して付勢力が低下した場合には、ゲート103a,103bが閉止されるタイミングが当初の設定からずれてしまうことがあった。このような場合には、被計量物を集合させ、計量し、落下させるホッパ装置を備えた自動計量装置の一連の動作において不都合が生じることがあった。
【0017】
また、前記ホッパは自動計量装置に対して着脱可能の構造であり、ホッパの本体側に対する着脱を何度も繰り返した場合には着脱構造の損耗等により取り付け位置に若干の変化が生じる場合があり、さらに本体側の駆動機構(作動レバー101)とホッパ側のゲート開閉機構(作動板105a,105b、ローラ112a,112b等)との係合にはある程度のあそびがある。従って、ホッパを本体に取り付けた場合に、この取り付け状態が常に一定の状態になるとは限らない。
【0018】
このため、ゲート103a,103bを閉止方向に付勢する前記引張ばね111a,111bを設けないものとすると、ホッパを本体に取り付けてゲート103a,103bと本体側の開閉機構を係合させ、ゲート103a,103bが閉止となるように開閉機構を作動させた場合であっても、ホッパ本体100の開口が確実に閉止した状態にならずに隙間が生じて被計量物がこぼれてしまう場合があった。従って、ゲート103a,103bを閉止方向に付勢する前記引張ばね111a,111bを設けないとすれば、ホッパ側のゲート開閉機構がゲート103a,103bを閉止した時に、ゲート103a,103bがホッパ本体100の開口を確実に閉止した状態となるように、時宜に応じてゲート103a,103bの隙間調整を行う必要が生じてしまう。
【0019】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本体に対して着脱可能なホッパの開口を開閉するシャッタを、本体に設けた開閉機構で開閉するホッパ装置において、シャッタと開口の隙間調整が不要でシャッタの確実な閉止状態を得ることができるとともに、シャッタの開閉音が小さく使用環境が比較的静穏でありながらシャッタ開閉に大きな駆動力を必要としなくても高速のシャッタスピードを実現できるホッパ装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されたホッパ装置は、本体10と、本体10に着脱可能に取り付けられ、上部と下部が開口し上部側からの物品を一時的に収容するホッパ11と、前記ホッパ11の下部開口に自由状態で開口可能に取り付けられたシャッタ12と、前記本体10に設けられた駆動源26と、前記駆動源26と前記シャッタ12の間に配置され、前記駆動源26の駆動力を前記シャッタ12に伝達する弾性部材25,40を含み、前記駆動源26の駆動力により前記シャッタ12を開閉する操作部材17,21,35,36とを有している。
【0021】
請求項2に記載されたホッパ装置は、請求項1記載のホッパ装置において、前記操作部材が、前記本体10に設けられた前記駆動源26により操作される第1の操作部材17と、該第1の操作部材17に対して移動可能に設けられるとともに前記シャッタ12に連結された第2の操作部材21とを備え、前記弾性部材25が前記第1の操作部材17と前記第2の操作部材21の間に介装されていることを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載されたホッパ装置は、請求項1記載のホッパ装置において、前記操作部材が、前記本体10に設けられた前記駆動源26により操作される第1の操作部材35と、該第1の操作部材35に連結されるとともに前記シャッタ12に対して移動可能に設けられた第2の操作部材36とを備え、前記弾性部材40が前記第2の操作部材36と前記シャッタ12の間に介装されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載されたホッパ装置は、請求項2又は3に記載のホッパ装置において、前記駆動源26が、回転軸と、前記回転軸に設けられて旋回する駆動子30とを有しており、前記第1の操作部材17,35が、該第1の操作部材17,35の移動方向と交差する方向に延設されて前記駆動子30に係合した従動子18を有している。そして、前記駆動源26の回転軸が回転することにより前記駆動子30が旋回し、これに連動して前記従動子18が前記第1の操作部材17,35の移動方向に沿って移動することにより、前記第1の操作部材17,35が前記移動方向に沿って移動し、前記シャッタ12が開閉されるものである。
【0024】
請求項5に記載されたホッパ装置は、請求項4に記載のホッパ装置において、前記シャッタ12が前記ホッパ11の開口を閉止した状態において、前記弾性部材25,40による弾性力が前記シャッタ12に作用しており、前記シャッタ12が前記ホッパ11の開口を開放した状態において、前記弾性部材25,40による弾性力が前記シャッタ12に作用していないことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の第1の例を図1〜図6を参照して説明する。
図1は本例に係る組合せ計量装置の正面図である。
本例の組合せ計量装置1は、タンク2と、その下方に配設される供給トラフ3と、供給トラフ3の下方に配設されるストックホッパ4と、ストックホッパ4の下方に配設される計量ホッパ5と、計量ホッパ5の下方に配設されるメモリホッパ6と、メモリホッパ6の下方に配設される集合シュート7と、これらの各構成部材が組み付けられる基体となる箱型の装置本体10を有している。このうち、供給トラフ3、ストックホッパ4、計量ホッパ5及びメモリホッパ6は、縦方向に並んだ所謂チャンネル8を構成している。また、ストックホッパ4、計量ホッパ5及びメモリホッパ6は、本体10に対して着脱可能とされている。
【0026】
タンク2は、略長方形状の開口部を上下方向に連通する四角形の筒状をなしている。タンク2の下側の開口部は、後述の各供給トラフ3の後端部3a上に位置する。タンク2は、上部の開口部から被計量物が投入され、この被計量物を貯留する。
【0027】
供給トラフ3は、振動することで被計量物(図示しない)を下流(図1の中央から左側及び右側)に送り、上流側の後端部3aを背合わせに配置している。供給トラフ3は、下流側の先端部3bを外方に向けた一対の組み合わせが、複数対、図1の奥行方向に沿って互いに平行に複数対並べられている。従って、各供給トラフごとにストックホッパ4、計量ホッパ5及びメモリホッパ6により構成されたチャンネル8も、図1において左右一対として図中奥行き方向複数組が並んでいる。
【0028】
図2は、図1に示した本例に係る組合せ計量装置の部分拡大図であって、本体10に取り付けられた計量ホッパ5と、本体10内に設けられて計量ホッパ5に連結された計量ホッパ5のシャッタの開閉機構を示している。図3(a)は、シャッタの開閉機構の平面図、同図(b)は左側面図を示している。なお、この開閉機構は、本体10内に設けられた後述する駆動源により駆動操作されるが、該駆動源は表示の煩雑さを避けるべく図2には示さず、図4及び図5を参照して後に説明する。なお、ストックホッパ4、メモリホッパ6の開閉機構の構造も計量ホッパ5のシャッタの開閉機構と同じである。
【0029】
さて、図2に示すように、前記計量ホッパ5は、上下両面が開放された略箱形のホッパ11を基体としている。ホッパ11の下面の開口は斜めであり、本体10に向いている。この開口にはシャッタ12が取り付けられている。シャッタ12は、開口を覆う板部13と、板部の両縁に設けられた支持部14を有している。支持部14は取付軸15を介してホッパ11の側面に回動可能に取り付けられており、取付軸15を中心としてシャッタ12が回動することによって、ホッパ11の開口が開閉される。支持部14には係合部としてころ16が設けられており、本体10に設けられたシャッタ12の開閉機構がころ16に着脱可能に係合する。
【0030】
図2及び図3に示すように、本体10に設けられたシャッタ12の開閉機構は第1の操作部材17を備えている。第1の操作部材17は、本体10に設けられた後述する駆動源で駆動される。まず第1の操作部材17は、前記駆動源により操作される従動子として略箱形のガイド体18を有しており、さらにこのガイド体18を貫通してガイド体18に固設された管体19を有している。ガイド体18には管体19の長手方向と直交する方向を長手方向とする長孔20が設けられており、後述する駆動源が該長孔20を介してガイド体18を駆動する。
【0031】
図2及び図3に示すように、本体10に設けられたシャッタ12の開閉機構は第2の操作部材として操作軸21を有している。操作軸21は、前記第1の操作部材17の管体19に挿入されており、同軸方向に摺動することができる。操作軸21の先端には係合部材としてのフック22が設けられ、前記シャッタ12のころ16に着脱可能に係合することができる。管体19の周面の一部には長手方向に切り欠きが設けられ、操作軸21の周面に取り付けられたストッパ軸23が該切り欠きを挿通している。さらに、前記ガイド体18には操作軸21の軸方向を長手方向とする長孔状のスライド孔24が形成されており、前記ストッパ軸23が挿通している。
【0032】
図2に示すように、本体10に設けられたシャッタ12の開閉機構は、第1の操作部材17と第2の操作部材である操作軸21との間に弾性部材としてのばね25を有している。ばね25は、後述する駆動源から前記第1の操作部材17(ガイド体18と管体19)に伝達された駆動力を、前記第2の操作部材(操作軸21)を介してシャッタ12に伝達することができる。
【0033】
図2に示すように、ホッパ11を本体10に取り付け、本体10側の操作軸21のフック22をホッパのころ16に係合させ、ホッパ11のシャッタ12を閉止状態とした場合において、シャッタ12はばね25の付勢力を受けてホッパ11の開口を確実に閉止した状態にある。すなわち、図3(a)に示すように、ストッパ軸23はガイド体18のスライド孔24の端部に係合しておらず、かつ前記ばね25は撓んでいるので、該ばね25の弾性力が操作軸21を介してシャッタ12を閉止方向に押し込んでいる状態にある。
【0034】
図4及び図5は、前述したシャッタ12の開閉機構を駆動する駆動機構を示す図であり、図2及び図3(a)にそれぞれ対応する図である。ここで、図2に表示されたガイド体18の紙面の手前側に駆動機構が存在するので、ガイド体18等と駆動機構の関係を明示するために、図4では図2と反対側の面を示す図 (背面図)を表示した。また、図5は図4における平面図を示す。
【0035】
図4及び図5に示すように、この開閉機構は、本体10に取り付けられた駆動源としてのモータ26を備えている。このモータ26は回転検出手段によってその回転量乃至回転方向の基準位置を検出することができる。すなわち、モータ26の回転軸にはスリット板27が設けられており、スリット板27の周縁の一部にはスリット28が形成されている。そして、スリット板27を挟んで投光素子と受光素子からなるセンサー29が対向して配置されている。従って、モータ26が回転してスリット28がセンサー29を通過すると、センサー29がスリット28の通過を検知することができる。
【0036】
前記モータ26の回転軸には、該回転軸について旋回可能にベアリング30が取り付けられている。ベアリング30は、それ自体が回転可能であり、前記ガイド体18の長孔20に係合している。このベアリング30はガイド体18にモータ26の駆動力を伝達して駆動するための駆動子である。そして、前記開閉機構の管体19は、モータ26とともに本体10側に固設された一対の案内板31,31の案内孔を摺動可能に挿通しており、ガイド体18は、これら一対の案内板31,31の間に渡設された案内棒32に摺動可能に挿通されている。従って、モータ26を駆動してベアリング30が旋回すれば、ベアリング30が長孔20において係合しているガイド体18はベアリング30の旋回に従動し、該ガイド体18及びこれに固定された管体19は管体19の軸方向に沿って所定範囲内で直動することができる。
【0037】
次に、以上のような構成とされた計量ホッパ5におけるシャッタ12の開閉動作等について説明する。
前述したように、本例の組合せ計量装置では計量ホッパ5は本体10に対して着脱可能であり、洗浄等のためにホッパ11を本体10から外すことができる。図2に示すように、外したホッパ11を再び本体10に取り付け、本体10側の操作軸21のフック22をホッパ11のころ16に係合させ、ホッパ11のシャッタ12を閉止状態とする。このとき、シャッタ12は操作軸21に押されてホッパ11の開口を確実に閉止している。操作軸21は、ストッパ軸23がガイド体18のスライド孔24の端部に係合していないので移動し得る状態にあり、撓んだばね25に押されている。すなわち、ばね25の弾性力が操作軸21を介してシャッタ12を閉止している。
【0038】
ホッパ11のシャッタ12は、上記閉止状態から次のような動作で開口する。まず、図4において、モータ26が作動し、ベアリング30が実線で示す位置から鎖線で示す位置まで旋回する。ガイド体18はこれに連動し、案内棒32に沿って同図中右方に摺動する。ガイド体18と共に管体19と操作軸21が実線で示す位置から鎖線で示す図中右方の位置まで移動する。操作軸21の先端のフック22はシャッタ12のころ16に係合しているので、シャッタ12は取付軸15を中心として旋回し、これによってホッパ11の開口が開放される。
【0039】
ホッパ11を開放するために操作軸21がシャッタ12を引いている間、操作軸21はばね25に押されてストッパ軸23がガイド体18のスライド孔24の端部に係合した状態にある。また、本例のシャッタ12はホッパ11に対して特に閉方向に付勢される構造ではなく、自由に抵抗なく回動し得る状態にある。従って、モータ26による駆動力が相対的に小さいものでも、操作軸21でシャッタ12を引いて旋回させ、ホッパ11の開口を開放することができる。仮に、シャッタ12が確実な閉止状態を得るためにばね等で閉止方向に付勢されていると、モータ26はこれに抗してシャッタ12を開方向に旋回させる必要があるため、相当の駆動力を有している必要があるが、本例によれば上述の通り相対的に小さな駆動力のモータ26で済む。
【0040】
ホッパ11のシャッタ12は、上記開放状態から次のような動作で閉止される。
まず、図4において、モータ26が作動し、ベアリング30が鎖線で示す位置から実線で示す位置まで旋回する。開放時と逆の動作により、ガイド体18と管体19と操作軸21が鎖線で示す位置から実線で示す図中左方の位置まで移動する。これによってホッパ11の開口が開放される。
【0041】
上述したように、本例ではシャッタ12には閉止方向に作用する付勢手段は設けられていない。従って、ホッパ11を閉止するために操作軸21がシャッタ12を押している間、すなわちシャッタ12が閉止動作している間、シャッタ12にはモータ26による力だけが加わる。よって、シャッタ12の閉止動作の速度はモータ26の回転速度だけで決まる。仮に、シャッタ12が確実な閉止状態を得るためにばね等で閉止方向に付勢されていると、モータ26の駆動によらずに該ばねの付勢力でシャッタ12が閉じることとなり、使用によりばね特性が変化するとシャッタ12の閉止のタイミングも変化してしまう不都合がある。しかし、本例ではモータ26の動作でシャッタ12を閉止するのでそのような不都合は生じない。
【0042】
また、シャッタ12がホッパ11の開口に突き当たってから操作軸21がさらに閉方向に押し込まれるので、図2に示すように、シャッタ12の閉止時にはストッパ軸23はガイド体18のスライド孔24の端部に係合しておらず、かつ前記ばね25は撓んでいる。従って、該ばね25の弾性力は操作軸21を介してシャッタ12に対して閉止方向に働いている。
【0043】
図6は本例における駆動機構と開閉機構の動作の模式図であり、同図(a)はシャッタ12の開放状態、同図(b)はシャッタ12の閉止状態を示す。ここで、上述した閉止動作において、開閉機構のばね25の付勢力がシャッタ12に加わり始めるのは同図(b)の直前の状態からであるが、この時期におけるモータ26の所定回転角度に対する操作軸21の閉方向の移動量は、これ以外のシャッタ12の開放動作の時期に比べて大きくなる。すなわち、本例のリンク機構によれば、シャッタ12の閉止直前から閉止時にかけては、それ以外の開放時に比べ、同じモータ26の回転に対して操作軸21の移動量が多くなる。ここでモータ26のトルクは一定であるから、シャッタ12を確実に閉止すべき時に、操作軸21の移動範囲の中で相対的に最も大きな力が発揮されることとなる。そして、この力はシャッタ12の閉止時には前述したようにばね25を介してシャッタ12に働く。従って、本例の機構によれば、シャッタ12の閉止に必要な力を必要な時期にばね25を介してシャッタ12に作用させることができるので、不必要にトルクの大きなモータを採用する必要がなく、必要十分な出力の最適なモータ26を選択・採用することができる。
【0044】
また、図6(b)に示すシャッタ12の閉止状態では、モータ26は停止してトルクはシャッタ12に加わっていない状態にある。また、モータ26の回転軸、ベアリング30、操作軸21、ころ16が一直線上に並んだ状態にあるため、弾性変形したばね25の反力でこれらの機構が動いてシャッタ12が開いてしまうこともなく、シャッタ12はばね25の力で確実に閉止された状態を保持することができる。
【0045】
以上説明したように、シャッタ12をばね25を介して直接駆動しているため、高速でシャッタ12を開閉させる動作において、シャッタ12がホッパ11に接触する少し手前までは高速に動作させ、接触する際には低速にして音を押えることができる。また、ばね25を強くする必要がないため、駆動力の小さいモータ26でシャッタ12を開放でき、装置の小型化及び低価格を実現できる。さらに開閉機構に設けたばね25の付勢力によってシャッタ12を閉時にのみ付勢することとしたので、着脱自在のホッパ11の場合において各部品の着脱構造に高精度を要求しなくとも調整不要でホッパ11の開口を確実に閉止できる。
【0046】
本発明の実施の形態の第2の例を図7及び図8を参照して説明する。
図7は本例の組合せ計量装置における計量ホッパの正面図であり、図8は図7の一部を拡大した図であって、本体側の一部の機構を一点鎖線で示したものである。
本例の構成のうち、本体10と、本体10に着脱可能に取り付けられたホッパ11と、ホッパ11に自由状態で(ばね等の付勢手段を介さずに)開閉可能に取り付けられたシャッタ12と、本体10側の駆動源 (モータ)については、第1の例と実質的に同一なので説明を省略する。
【0047】
図8に示す第1の操作部材35は略長手形状のアーム部材であり、本体10に設けられた図示しない駆動源に基端側を連動連結され、図中左右方向に往復移動することができる。そして、第1の操作部材35の先端側は、シャッタ12に対して移動可能に設けられた第2の操作部材36に係合している。この第2の操作部材36は、円板状でスリットが形成された係合具37と、該係合具37に凹周面で接するばね押え具38からなり、第1の操作部材17の先端にある係合突起35aが係合具37のスリット37aに係合している。係合具37とばね押え具38はシャッタ12に取り付けられたケース39の内部に収納されており、該ケース39の内面とばね押え具38の間には弾性部材としてのばね40が設けられている。本体の駆動源から第1の操作部材17を介して第2の操作部材36に伝達された駆動力は、このばね40によってシャッタ12に伝達される。なお、前記ケース39は長孔41に挿通された止め具42でシャッタ12に取り付けられているのでシャッタ12に対する取り付け位置及び向きを調整できる。また、第2の操作部材36は、独立した部材である係合具37とばね押え具38から構成されているが、これらが一体となった単一の部品であってもよい。
【0048】
本例によれば、シャッタ12が開から閉となる時は、閉止位置からばね40が利き始め、さらに第1及び第2の操作部材35,36がばね40を圧縮することにより、撓んだばね40の弾性力でシャッタ12がホッパ11の開口を確実に閉止する。シャッタ12が閉から開となる時は、シャッタ12にはシャッタ12を閉止方向に付勢する手段が設けられていないので、本体10側に設けた小型のモータの動力で円滑にシャッタ12を開放することができる。本例によっても、着脱自在のホッパの場合において各部品の着脱構造が高精度でなくとも、調整不要でホッパの開口を確実に閉止できる。
【0049】
以上説明した第1及び第2の実施の形態では、ホッパ11の下面の開口は斜めであり、本体10に向いており、本体10側に設けられた開閉機構が操作部材をホッパ11側に突き出したときにシャッタ12が閉じ、操作部材を本体10側に引いたときにシャッタ12が開いた。しかしながら、ホッパ11の下面の開口が斜めで、当該開口が本体10とは反対側に向いている(すなわち外向き)場合もありうる。かかる場合には、本体10側に設けられた開閉機構が操作部材をホッパ11側に突き出したときにシャッタ12が開き、操作部材を本体10側に引いたときにシャッタ12が閉じることとなり、また図2で示す開閉機構においては、ばね25がガイド体18の右側内側面(ホッパ11に近い側の内側面)とストッパ軸23との間に介装されることとなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、ホッパが本体側に対して着脱可能であり、ホッパのシャッタに閉止方向の付勢手段が設けられていないホッパ装置において、本体側に駆動源を設け、これとシャッタの間に操作部材及び弾性部材を設けてシャッタの開閉を行なうように構成したので、次のような効果を得ることができる。
【0051】
▲1▼高速でシャッタを開閉しながら低騒音を実現できる。
【0052】
▲2▼シャッタの開閉に大きな駆動力が不要であるために駆動源が小型で済み、装置を小型にできる。また、製造コストが安価になる。
【0053】
▲3▼各部品の着脱構造に高精度を要求しなくともホッパ取り付け時のシャッタの隙間調整が不要である。
【0054】
▲4▼シャッタの確実な閉止状態を得ることができる。
【0055】
▲5▼シャッタの開閉動作が円滑で安定している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る組合せ計量装置の正面図である。
【図2】第1実施形態における組合せ計量装置の計量ホッパの正面図である。
【図3】(a)は第1実施形態の組合せ計量装置に設けられた計量ホッパの操作部材の平面図であり、(b)は同左側面である。
【図4】第1実施形態の組合せ計量装置に設けられた計量ホッパの操作部材及び駆動源の背面図である。
【図5】図4を正面図と考えた場合の平面図である。
【図6】第1実施形態の組合せ計量装置に設けられた計量ホッパの操作部材及び駆動源の動作を示す模式図であり、(a)はシャッタの開放時、(b)はシャッタの開放時を示す図である。
【図7】第2実施形態の組合せ計量装置の計量ホッパの正面図である。
【図8】第2実施形態の組合せ計量装置の計量ホッパにおける操作部材等の詳細を示す正面図である。
【図9】従来のホッパ装置の構造例を示す正面図であり、ゲートの閉止状態を示す図である。
【図10】従来のホッパ装置の構造例を示す正面図であり、一方のゲートの開放状態を示す図である。
【符号の説明】
1…組合わせ計量装置
10…装置本体 (本体)
12…シャッタ
17,35…第1の操作部材
18…従動子としてのガイド体
21,36…第2の操作部材
25,40…弾性部材としてのばね
26…駆動源としてのモータ
30…駆動子としてのベアリング
Claims (5)
- 本体(10)と、
本体に着脱可能に取り付けられ、上部と下部が開口し上部側からの物品を一時的に収容するホッパ(11)と、
前記ホッパの下部開口に自由状態で開口可能に取り付けられたシャッタ(12)と、
前記本体に設けられた駆動源(26)と、
前記駆動源と前記シャッタの間に配置され、前記駆動源の駆動力を前記シャッタに伝達する弾性部材(25,40)を含み、前記駆動源の駆動力により前記シャッタを開閉する操作部材(17,21,35,36)とを有するホッパ装置。 - 前記操作部材は、
前記本体に設けられた前記駆動源により操作される第1の操作部材(17)と、
該第1の操作部材に対して移動可能に設けられるとともに前記シャッタに連結された第2の操作部材(21)とを備え、
前記弾性部材(25)が前記第1の操作部材と前記第2の操作部材の間に介装されていることを特徴とする請求項1記載のホッパ装置。 - 前記操作部材は、
前記本体に設けられた前記駆動源により操作される第1の操作部材(35)と、
該第1の操作部材に連結されるとともに前記シャッタに対して移動可能に設けられた第2の操作部材(36)とを備え、
前記弾性部材(40)が前記第2の操作部材と前記シャッタの間に介装されていることを特徴とする請求項1記載のホッパ装置。 - 前記駆動源(26)が、回転軸と、前記回転軸に設けられて旋回する駆動子(30)とを有しており、
前記第1の操作部材(17,35)が、該第1の操作部材の移動方向と交差する方向に延設されて前記駆動子に係合した従動子(18)を有しており、
前記駆動源の回転軸が回転することにより前記駆動子が旋回し、これに連動して前記従動子が前記第1の操作部材の移動方向に沿って移動することにより、前記第1の操作部材が前記移動方向に沿って移動し、前記シャッタが開閉される請求項2又は3に記載のホッパ装置。 - 前記シャッタ(12)が前記ホッパ(11)の開口を閉止した状態において、前記弾性部材(25,40)による弾性力が前記シャッタに作用しており、前記シャッタが前記ホッパの開口を開放した状態において、前記弾性部材による弾性力が前記シャッタに作用していないことを特徴とする請求項4に記載のホッパ装置。
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