JP2004109771A - 光学フィルムの製造方法とハードコート層付き光学フィルム - Google Patents

光学フィルムの製造方法とハードコート層付き光学フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】薄く大サイズの樹脂フィルム支持体で作製した場合においても、安定に搬送可能なハードコート層付き光学フィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、支持体のハードコート層の裏面側に少なくとも2層のバックコート層を設け、少なくとも1層目のバックコート層がハードコート層を塗設する前に設けられ、さらにハードコート層塗設後に1層以上のバックコート層が塗設されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学フィルムの製造方法とそれにより作製したハードコート層付き光学フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレーやプラズマディスプレー等のディスプレー(画面表示装置)では、表面反射防止膜や熱線吸収膜等の光学薄膜を表面に付与することが多い。特にテレビのような大画面では、直接、物が接触することがあり、傷が付きやすい。
【0003】
そこで、通常は傷つき防止のためにハードコート層を支持体上に形成し、その上に光学薄膜が形成されたハードコート層付き光学フィルムが用いられる。
【0004】
このような構成のフィルムは、液晶モニター、液晶テレビ、プラズマディスプレー等の表面保護フィルムとして使用されている。
【0005】
表面保護フィルムとしては、特に最近、大画面化により1000mm以上、更には1330mm以上の幅広フィルムが必要となってきている。また、携帯電話やノートパソコン用として支持体厚みが60μm程度の薄い支持体が使用されるようになってきた。そのため、支持体は樹脂フィルムが使用され、その上に塗布方式により活性線硬化型樹脂によりハードコート層を形成することが行われている。又、ディスプレイ上への外光や蛍光等のうつり込みを防止するために、フィラーを混入した防眩層を塗布することもある。
【0006】
しかしながら、ハードコート層を樹脂製支持体に塗布した際、塗布膜の収縮によりカールすることが知られており、ハードコート層もしくは防眩層を設けた支持体の反対側にカール防止層を設けることが行われている。
【0007】
例えば、下記特許文献1、2及び3に記載されている如く、アンチカール層(兼ブロッキング防止層)としてのバックコート層を形成する技術が開発されている。
【0008】
バックコート層を塗布する場合、活性線硬化樹脂層を塗布乾燥し、硬化後にバックコート層を塗布する方法や、バックコート層を塗布乾燥後に活性線硬化型樹脂を塗布・硬化する方法等が行われている。
【0009】
しかしながら、上記の如く、ディスプレーの大型化や薄層化要求のため支持体幅や厚みも変化し、それに伴いカールの問題が生産工程でも問題となってきた。ハードコート層、防眩層を形成した後の光学フィルムは、カールが強く、カール防止層を塗布するまでの間にカールによる折れこみが発生し、破断したり、搬送不良によるしわ発生が起こり収率ダウン等が起きている。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−183528号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−64422号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2001−83327号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薄く大サイズの樹脂フィルム支持体で作製した場合においても、安定に搬送可能なハードコート層付き光学フィルムとその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成のいずれかを採ることにより達成されることがわかった。
【0015】
〔1〕 ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、支持体のハードコート層の裏面側に少なくとも2層のバックコート層を設け、少なくとも1層目のバックコート層がハードコート層を塗設する前に設けられ、さらにハードコート層塗設後に1層以上のバックコート層が塗設されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0016】
〔2〕 前記1層目のバックコート層の塗布液には溶媒と樹脂とフィラーを含有させ、ハードコート層塗設後に塗設されるバックコート層の塗布液は、主に溶媒であることを特徴とする〔1〕記載の光学フィルムの製造方法。
【0017】
〔3〕 ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、ハードコート層の塗布幅を支持体幅より狭くし、支持体のハードコート層の裏面側にバックコート層を設け、ハードコート層より広い塗布幅とすることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0018】
〔4〕 ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、ハードコート層の塗布端部が薄くなるよう塗布し、支持体のハードコート層の裏面側にバックコート層を設けることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0019】
〔5〕 ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、支持体の裏面側にバックコート層を塗布し、ハードコート層及び光学薄膜層を塗布する際、塗布する毎にバックコート層を塗布し、ハードコート層の厚みが4μm以上であり、支持体膜厚が80μm以下であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【0020】
〔6〕 ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成したハードコート層付き光学フィルムにおいて、支持体のハードコート層の裏面側に少なくとも2層のバックコート層を設け、少なくとも1層目のバックコート層がハードコート層を塗設する前に設けられ、さらにハードコート層塗設後に1層以上のバックコート層が塗設されていることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
【0021】
〔7〕 〔3〕に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、ハードコート層を支持体幅より、15mm以上狭く塗布したことを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
【0022】
〔8〕 〔4〕に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、ハードコート層の膜厚を薄くした範囲が端部より10mm以上あることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
【0023】
〔9〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、支持体膜厚が80μm以下であり、ハードコート層の膜厚が4μm以上であることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
【0024】
〔10〕 カール度が30以下であることを特徴とする〔7〕、〔8〕又は〔9〕記載のハードコート層付き光学フィルム。
【0025】
本発明において、ハードコート層は塗布にて形成され、一般的には活性光線照射(より広い意味では活性電磁波照射)により硬化され、表面硬度を確保するよう設計される。しかし、硬化時ハードコート層の収縮が起こり、カールが発生することが知られており、その対策としてバックコート層(アンチカール層)を支持体のハードコート層と反対面に塗布することが提案されている。
【0026】
前記したとおり広幅化・支持体の薄膜化といった最近の技術動向等により、光学フィルムにカールが発生しやすくなってきており、ハードコート層付き光学フィルムを取扱う工程において大きな問題となっている。
【0027】
特にハードコート塗設後、支持体端部のカールが問題となり、工程中でフィルムが破断してしまうようなトラブルすら発生している。
【0028】
本発明はその対策を提供するものである。本発明において、主に溶媒を含有するとは、仕上がったフィルムのバックコート層は主に1回目の塗布で形成されたものであることを意味し、別の表現をとるとすれば、塗布条件が同じなら、2層目のバックコート層の塗布液の固形分濃度が1層目のバックコート層の塗布液よりも低いことを意味する。
【0029】
また、ハードコート層膜厚は、本発明では4μm以上が好ましいが、より好ましくは5μm以上である。
【0030】
別の観点から、ハードコート層はベース幅より15mm以上狭く塗布することが好ましい。このようにすれば、特に支持体幅が1000mm以上、支持体の膜厚が80μm以下であるとき、より効果が顕著に表れる。
【0031】
さらに、バックコート層(BC層ということあり)を複数回に分割塗布し、ハードコート層を塗布・乾燥・硬化後のカールが折れこみが起こらない程度に逆カールをあたえ、ハードコート層を塗布硬化後、バックコート層を塗布し、最終的にカールのない状態とするのも本発明の好ましい態様である。
【0032】
ハードコート層形成終了時(BC層塗布を含め)に、BC層側にカールさせておくことで、ハードコート層上への薄膜塗布乾燥時のカール抑制ができる。本発明のごとく分割塗布とすることで、カールの制御がより楽に行える。
【0033】
支持体の破断については、特に端部のカールが問題となる。上記〔1〕の構成だけでなく、〔3〕の如くハードコート層の塗布幅を支持体より狭くし、支持体端部のカールを実質的にハードコート層の反対側へ与えるようBC層の塗布幅をハードコート層より広くすることで、支持体端部のカールを抑制できる。
【0034】
カールはハードコート層の厚みと関係が強く、薄いほどカールは弱いことが知られている。〔4〕の如くハードコート層の端部の膜厚を中央部の膜厚より薄くすることによっても、端部のカールを抑制することができる。更に、ある範囲で端部に向け薄くなるよう傾斜を持った膜厚とすることにより、より端部のカールを小さくできる。
【0035】
さらにハードコート層を分割塗布することも有効である。BC層とハードコート層を交互に塗布するようにすることで、それぞれの工程でのカールを殆どゼロにすることができる。
【0036】
光学薄膜層の形成は、各種の塗布法によってもよく、真空蒸着法、真空CVD法、スパッター法、大気圧プラズマ法等を使用することによっても形成が可能である。
【0037】
ハードコート層は、実際には活性線硬化樹脂層であり、紫外線、電子線、放射線等により硬化する樹脂を塗布し、塗布後もしくは塗布乾燥後、活性線を照射し架橋硬化する。又、活性線硬化樹脂溶剤に例えばシリカ粒子をフィラーとして均一分散した液を塗布乾燥後、活性線を照射硬化し、防眩層が形成される。
【0038】
又、ハードコート層あるいは防眩層は、活性光線照射により硬化するが、反応は実際には必ずしも完結していない。そのため、光学薄膜層をその表面に塗布し乾燥する際、乾燥での加熱や、硬化のための活性光線照射により、未完結の反応が進むため、更にカールが発生し、折れこみ等の同様の問題が発生する。このため、光学薄膜を塗布するごとに、BC層を塗布することで、上層形成時のカール発生を防止できる。
【0039】
尚、光学フィルムは、カール度が30以下であることが好ましく、本発明の態様によるハードコート層付き光学フィルムの製造方法は、この範囲に入るものを作製するのに適している。上記カール度とは、光学フィルムを幅手方向35mm、長手方向1mmに切り取って試料とし、25℃、55%RH環境下に3日間放置した後、JIS−K7619−1988のA法に準じて測定した値である。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の構成につきさらに詳細に説明する。
【0041】
〔作製工程〕
従来、例えば図1に示す如き工程により、活性線硬化樹脂層とバックコート層の塗布・乾燥が行われていた。
【0042】
図1において、ロール状に巻かれた支持体1を巻きだし、まず支持体表面に塗布機Aにより活性線硬化樹脂層液を塗布する。これをドライヤー4により乾燥させた後活性線照射器5により、例えば紫外線を照射して完全に硬化させる。
【0043】
次に、支持体1の裏面に塗布機Bによりバックコート層液が塗布されドライヤー8にて乾燥された後、ロール状に巻き取られる。
【0044】
これに対し本発明における一態様においては、例えば図2の如く、支持体のハードコート層液(活性線硬化樹脂層液)塗布面の裏面に塗布機B1によりバックコート層を塗布し、ドライヤー8にて乾燥した後、支持体表面に塗布機Aによりハードコート層液が塗布され、ドライヤー4にて乾燥され、さらに支持体1の裏面に塗布機B2により再びバックコート層液が塗布されドライヤー9にて乾燥される。その後、なお未硬化の活性線硬化樹脂層を硬化させるため、ハードコート層に活性線照射器5により活性線が照射される。
【0045】
また、本発明の別の態様においては、支持体の幅よりハードコート層の塗布幅を狭くする。この場合においては、塗布乾燥工程については、図1に示すものと同一であってもよいが、ハードコート層の塗布幅を支持体幅より狭くするように制御できねばならない。この場合、支持体端より15mm以上狭くするのが好ましく、上限は特にないが50mm以上にすれば光学フィルムとしての実効幅が減少するので好ましくない。
【0046】
本発明のまた別の態様としては、ハードコート層の膜厚を塗布幅の端部において薄くする。この場合、膜厚の薄い部分は端部より10mm以上あることが望ましい。この場合も、上限は特にないが、50mmを超えると光学フィルムとして使用できる幅が減少するので好ましくない。
【0047】
さらに、光学薄膜層を含めて支持体のハードコート層側に塗布がなされるごとに、その裏面にバックコート層を塗布することにより、塗布中を含めいずれの時点でも、ほとんどカールのない光学フィルムを作製することが出来る。
【0048】
本発明の光学フィルムを作製するに際して、塗布法については特に限定はない。ロール塗布、グラビアロール塗布、ワイヤーバー塗布、ブレード塗布、ダイ塗布、スライドホッパー塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等いずれも用いることが出来る。
【0049】
無論、工程順や各機器の配置によっては各塗布を行った直後に乾燥を必ず行う必要はないが、支持体両面の塗布層が未乾燥状態のとき搬送しなければならないので支持体支持・搬送に特別な工夫を要する場合もある。
【0050】
両層塗布面は、乾燥が進むまで他の部材に接触させないことが必要であり、表面の乾燥終了までは、ロールに接触させないが、このためにはエアーによるフローティング搬送が好ましい。その後ロールにより支持搬送が行われる。フローティング搬送もバックコート層塗布直後は、エアー量を少なくし、乾燥の進行につれ、エアー量を強くしたり、ノズルとの距離を接近させるようにしたほうが好ましい。
【0051】
表面が乾燥し、接触しても問題ない状態でロールに接触させる。しかし、それでも残留溶剤が多い状態では、テフロン(R)ライニングのような非粘着性を有するロール等を用いることが好ましい。
【0052】
また、上記工程を経た後もなおバックコート層中の残留溶剤量が多く、後乾燥を行う必要がある場合もある。
【0053】
〔支持体〕
本発明で光学フィルムの支持体として用いられる樹脂フィルムは特に限定はされないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。
【0054】
本発明には、セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)等のセルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム(PCフィルム)、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム及びポリスルホン系フィルムが透明性、機械的性質、光学的異方性がない点など好ましく、特にセルロースエステルフィルム(TACフィルム)及びPCフィルムが、それらの中でも、製膜性が容易で加工性に優れているため好ましく用いられ、特にTACフィルムを使用するのが好ましい。
【0055】
次に、TACフィルムの製膜法について述べる。
TACフィルムは一般的に、TACフレーク原料及び可塑剤をメチレンクロライドに溶解して粘稠液とし、これに可塑剤を溶解してドープとなし、エクストルーダーダイスから、エンドレスに回転するステンレス等の金属ベルト(バンドともいう)もしくは金属ロール上に流延して、乾燥させ、生乾きの状態でベルトもしくはロールから剥離し、ロール等の搬送装置により、両面から乾燥させて巻き取り、製造される。PCフィルムについてもTACフィルムと同様に製膜することが出来る。
【0056】
上記可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが好ましく用いられる。リン酸エステルとしては、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的なものである。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、エチルフタリルエチルグリコレート等が用いられる。クエン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が用いられる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。リン酸エステル系可塑剤(TPP、TCP、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート)、フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DEHP)が好ましく用いられる。このほか、ポリ酢酸ビニル共重合体、脂肪族直鎖状ポリエステル、メチルメタクリレート系共重合物などの重量平均分子量1000〜100000の高分子化合物を高分子可塑剤として添加することができる。
【0057】
この中でもトリフェニルフォスフェート(TPP)、エチルフタリルエチルグリコレートが特に好ましく用いられる。可塑剤の添加量はフィルム中に通常2〜15質量%添加され、より好ましくは4〜15質量%になるよう添加することが望ましい。
【0058】
また、PCフィルムにも上記可塑剤を添加することができる。
さらに本発明に有用な支持体であるTAC又はPCフィルム中に、紫外線吸収剤を含有させることによって、耐光性に優れた偏光板用保護フィルムを得ることが出来る。本発明に有用な紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体(UV−1)、ベンゾフェノン誘導体(UV−2)、ベンゾトリアゾール誘導体(UV−3)、アクリロニトリル誘導体(UV−4)、安息香酸誘導体(UV−5)又は有機金属錯塩(UV−6)等があり、それぞれ(UV−1)としては、サリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチル酸等を、(UV−2)としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、(UV−3)としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、(UV−4)としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−α−シアノ−β−(p−メトキシフェニル)アクリレート等を、(UV−5)としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、(UV−6)としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができる。
【0059】
又、すべり性を改善するために、これら支持体透明フィルムを製造する際のドープ中に、シリカ等の微粒子(平均粒径0.005〜0.2μm)を0.01〜0.5質量%添加することもできる。例えば日本アエロジル社製アエロジル200V、アエロジルR972Vなどを添加することができる。すべり性は鋼球での測定で、動摩擦係数0.4以下好ましくは0.2以下であることが望まれる。
【0060】
〔活性線硬化型樹脂とそれを用いた樹脂層〕
本発明の光学フィルムは活性線硬化樹脂層を有するが、この(クリア)ハードコート加工のために活性線硬化型樹脂が用いられる例について説明する。
【0061】
活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化型樹脂としては紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などが代表的なものとして挙げられる。紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0062】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号公報参照)。
【0063】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号公報参照)。
【0064】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号公報参照)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0065】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる光反応開始剤又光増感剤は該組成物の2.5〜6質量%であることが特に好ましい。2.5%未満では樹脂フィルムから溶出する可塑剤及び/又は紫外線吸収剤によって硬化阻害を受け、耐擦傷性が低下し、逆に6質量%を超えると相対的に紫外線硬化型樹脂成分が減るため逆に耐擦傷性が低下したり、塗布性が悪化するなどのため塗膜の面品質を悪くすることがある。
【0066】
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメチルジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
【0067】
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズ KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B、(以上、旭電化工業社製)あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業社製)、あるいはセイカビーム PHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料社製)、あるいはサンラッド H−601(三洋化成工業社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用することもできる。
【0068】
活性線硬化樹脂層の塗布組成物は固形分濃度は10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
【0069】
活性線硬化型樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、特に限定なく使用出来る。例えば、紫外線を発生する光源であれば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることも出来る。
【0070】
活性線硬化樹脂層を塗設する際の溶媒として前述の樹脂層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、あるいは混合されて利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
【0071】
紫外線硬化型樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、前記した公知の方法を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15μmである。塗布速度は好ましくは10〜60m/minで行われる。
【0072】
紫外線硬化型樹脂組成物は塗布後、速やかに乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化型樹脂の硬化効率、作業効率とから1秒〜2分がより好ましい。こうして得た硬化皮膜層に、液晶表示装置パネルの表面に防眩性を与えるために、また他の物質との対密着性を防ぎ、対擦り傷性等を高めるために無機あるいは有機の微粒子を加えることもできる。例えば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることができ、また有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げることができ、紫外線硬化型樹脂組成物に加えることが出来る。これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜10μmであり、紫外線硬化型樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部となるように配合することが望ましい。防眩効果を付与するには、平均粒径0.1〜1μm、樹脂組成物100質量部に対して1〜15質量部が好適である。
【0073】
また硬化された層の耐熱性を高めるために、酸化防止剤を光硬化反応を抑制しないようなものを選んで用いることが出来る。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることが出来る。具体的には、例えば、4,4′−チオビス(6−t−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ−オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルホスフェート等を挙げることが出来る。
【0074】
〔バックコート層〕
カールによる不都合を解消し、かつ偏光板用保護フィルム等としての機能を損なわないようにするため、活性線硬化樹脂層を塗設した反対側にアンチカール層(バックコート層)を設ける。すなわち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせるものである。なお、バックコート層は好ましくはブロッキング層を兼ねて塗設され、その場合、塗布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるための無機微粒子及び/又は有機微粒子(フィラー又はフィラー粒子)を含有させることができるが、これについては後述する。
【0075】
アンチカール機能の付与は、具体的には偏光板用保護フィルムとして用いる樹脂フィルム支持体を溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒の混合物の他、さらに溶解させない溶媒を含む場合もあり、これらを樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。
【0076】
カール防止機能を強めたい場合は、用いる溶媒組成を溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的である。この混合比率は好ましくは(溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9で用いられる。
【0077】
このような混合組成物に含まれる、樹脂フィルム支持体を溶解又は膨潤させる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどがある。溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノールなどがある。
【0078】
これらの塗布組成物を塗布機を用いて樹脂フィルム(支持体)の表面にウェット膜厚1〜100μmに塗布するのが好ましいが、特に5〜50μmであると良い。上記溶媒に樹脂を溶解してもよい。
【0079】
本発明のバックコート層、特にハードコート層を塗布するに先駆けてバックコート層を塗布する場合には、そのバックコート層塗布液中にフィラー粒子を含有させるのが好ましい。フィラー粒子の平均粒子径は100nm以下の細かいものが好ましい。
【0080】
フィラー粒子の平均粒子径の測定法としては、含有層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、多数個の任意の粒子の粒子径を求めてその単純平均値(個数平均)として求める方法がある。個々の粒子径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。又は別法として、フィラー粒子を適当な分散媒に分散させ、レーザ回折散乱式粒度分布測定によって平均粒子径を求めることもできる。フィラー粒子の形状は真球形である必要はなく、針状でも板状でもよい。平均粒子径は体積から球換算で求められる。
【0081】
ここでいうフィラー粒子は1次粒子でも2次粒子でもよく、乾燥被膜中に観察される最高次粒子の平均粒子径とする。
【0082】
フィラー粒子の材質は無機フィラー粒子でも有機フィラー粒子でもあるいは有機無機複合フィラー粒子であっても良い。
【0083】
無機フィラー粒子の例としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0084】
好ましい無機フィラー粒子はシリカ、またはアルミナである。中でも好ましいのは気相法シリカ、沈殿法シリカ、擬ベーマイト構造を持つアルミナである。
【0085】
有機フィラー粒子の例としては、いわゆるプラスチックピグメントやワックス粒子などが挙げられる。その材質としてはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、SBR、NBR、ポリテトラフルオロエチレン、クロロプレン、タンパク質、多糖類、ロジンエステル、セラック樹脂等、従来公知のものであり、この中のガラス転移温度が室温より高いものである。特に好ましい有機フィラー粒子の材質は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、その他(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体である。変成や共重合によって2種以上の単量体からなる樹脂も好ましく用いられる。樹脂に対して特定の修飾基を付加したものや脱離基を除いたものでもよい。さらには、樹脂に限定されず、ステアリン酸金属塩などを含むいわゆるワックス素材も有機フィラー粒子の材質として用いて良い。
【0086】
2種以上の材質を混合して有機フィラー粒子を形成してもよく、更には2種類以上の有機フィラー微粒子を混合して用いてもよい。
【0087】
本発明の有機フィラー粒子のガラス転移温度(Tg)は70〜150℃であることが好ましい。これ以下の場合は加熱による有機フィラー粒子の融着を生じやすい。
【0088】
【実施例】
次に、実施例を示し本発明の構成と効果を具体的に説明するが、本発明の構成がこれらに限定されるわけではない。
【0089】
(1)支持体
下記の如くして作製した透明なセルローストリアセテートフィルム(膜厚80μm、幅1330mm)を用いた。
【0090】
〈樹脂フィルムの作製〉
(ドープ組成物)
セルローストリアセテート(平均酸化度61.0%)   100質量部
トリフェニルフォスフェート                8質量部
2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−
6−(t−ブチル)フェノール                1質量部
2−〔(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4,6−ジ−t−ペンチ
ルフェノール                        1質量部
メチレンクロライド                  430質量部
メタノール                       90質量部
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。
【0091】
次にこのドープ組成物を濾過し、冷却して33℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させ膜厚80μmのフィルムを得た。
【0092】
ステンレスバンドに接している面をb面とし、もう一方の面をa面とする。
なお、ハードコート層形成にはb面を用いた。
【0093】
(2)ハードコート層液の組成
下記のものを混合溶解して用いた。
【0094】
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体      60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体      20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上のもの 20質量部
ジエトキシベンゾフェノン光反応開始剤            4質量部
シリコーン系界面活性剤                   1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル          75質量部
メチルエチルケトン                    75質量部
(3)バックコート層液の組成
下記のものを混合溶解して用いた。
【0095】
アセトン                        32質量部
酢酸エチル                       50質量部
イソプロピルアルコール                  4質量部
ジアセチルセルロース                 0.5質量部
超微粒子シリカ 2%アセトン分散液          0.1質量部
(アエロジル200;日本アエロジル社製)
(4)光学フィルムの作製装置
基本的工程には、図1及び2に示す如く、活性線硬化樹脂層の塗布機A、活性線照射器5、ドライヤー(乾燥機)4、8および9を配置し、バックコート層液を塗布機B、B1、B2により塗布して光学フィルムを作製した。なお、塗布機はいずれもスライドホッパー型のものを用いた。
【0096】
紫外線照射条件(高圧水銀ランプ)
160mJ/cmを照射した。
【0097】
ドライヤー乾燥条件
80℃にて搬送速度30m/minにて行った。
【0098】
(5)反射防止層
活性線硬化樹脂層の上に下記の反射防止層(光学薄膜層)を塗布した。
【0099】
《中屈折率層の作製》
前記ハードコート層の上に、下記中屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を、130mJ/cm照射して硬化させ、中屈折率層を作製した。
【0100】
Figure 2004109771
なお、この中屈折率層の中屈折率層の厚さは77nmで、屈折率は1.70であった。
【0101】
《高屈折率層の作製》
前記中屈折率層の上に、下記高屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を130mJ/cm照射して硬化させ、高屈折率層を作製した。
【0102】
Figure 2004109771
なお、この高屈折率層の高屈折率層の厚さは68nmで、屈折率は1.91であった。
【0103】
前記高屈折率層の上に、下記低屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を130mJ/cm照射して硬化させ、更に120℃で5分間熱硬化させ、低屈折率層を有する反射防止層を作製した。
【0104】
〈低屈折率層組成物〉
下記テトラエトキシシラン加水分解物A         103質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン
(信越化学社製 KBM503)             1質量部
直鎖ジメチルシリコーン−EOブロックコポリマー
(日本ユニカー社製 FZ−2207)        0.1質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル        270質量部
イソプロピルアルコール                270質量部
(テトラエトキシシラン加水分解物Aの調製)
テトラエトキシシラン25gとエタノール222gを混合し、これにクエン酸一水和物の1.5質量%水溶液54gを添加した後に、室温にて3時間撹拌して調製した。
【0105】
なお、この反射防止層の低屈折率層の厚さは93nmで、屈折率は1.44であった。
【0106】
(6)層の構成
上記の支持体を用いて、下記の如き工程にて各層構成の試料を作製した。
【0107】
試料1(比較例1)
図1に示す工程を用い、ハードコート層(7μm)を塗布し乾燥した後、紫外線を照射し、次の工程で、バックコート層(BC層)を30g/m(wet)で塗布し乾燥した。
【0108】
試料2(実施例1)
図2に示す工程を用い、BC層を15g/m(wet)で塗布乾燥した後、ハードコート層(7μm)を塗布乾燥し、BC層を15g/m(wet)塗布し乾燥した後、紫外線を照射した。
【0109】
試料3(実施例2)
図2に示す工程を用い、BC層を20g/m(wet)で塗布し乾燥後、ハードコート層(7μm)を塗布乾燥し、BC層を10g/m(wet)塗布し乾燥した後、紫外線を照射した。
【0110】
試料4(実施例3)
図1に示す工程を用い、ハードコート層(7μm)を支持体端部より20mm内側まで塗布して乾燥させて紫外線照射し、その後、BC層を30g/m(wet)塗布し乾燥した。
【0111】
試料5(実施例4)
図1に示す工程を用い、ハードコート層の塗布端部より30mmまでの範囲を膜厚7μmから3μmとし塗布して乾燥させて紫外線照射し、上記同様にBC層を30g/m(wet)塗布し乾燥した。
【0112】
試料6(実施例5)
図1に示す工程を用い、ハードコート層の塗布端部より30mmまでの範囲を膜厚7μmから1μmに減少させ塗布し紫外線硬化させ、上記同様にBC層を30g/m(wet)塗布し乾燥した。
【0113】
試料7(比較例2)
試料2のハードコート層上に反射防止層を塗布により形成した。
【0114】
試料8(実施例6)
試料2のハードコート層上に反射防止層を塗布により形成した。
【0115】
試料9(実施例7)
試料2のハードコート層上に反射防止層を形成し、3層構成の1層形成ごとにBC層を塗布乾燥した。
【0116】
(7)特性評価
工程安定性
◎ :全く問題なし
○ :搬送に障害ほとんどなし
○△:一応搬送は行える
△ :カールにより搬送に問題を起こす
× :カールひどく搬送出来ず、または搬送途中フィルムが破断する
なお、「○△」が使用可能下限である。
【0117】
フィルムの状態
各試料の仕上がり途中及び仕上がり後の状態を観察した。
【0118】
又、図3に上記のごとくして作製した光学フィルム試料4、5、6のハードコート層端部の形状を模式的に描いた断面図を示した。図3中、7はハードコート層である。また、図4にて光学フィルムの幅方向の説明をし(活性線照射器5通過直後の模式図、10は搬送ローラ)、図4に説明する如き光学フィルムの幅方向のカールの状態を、図5、6に模式的断面図で示した。
【0119】
【表1】
Figure 2004109771
【0120】
表1から明らかな如く、本発明外の比較例1及び2はカールがひどく、フィルムの搬送性に問題がある。一方、本発明内の実施例1〜7はカールが少なく、フィルム搬送性に問題がないことがわかる。
【0121】
なお、上記の評価は、支持体をポリカーボネートフィルム(膜厚60μm、幅1330mm)に変更して実施しても同様な結果が得られた。
【0122】
【発明の効果】
本発明により、薄く大サイズの樹脂フィルム支持体で作製した場合においても、安定に搬送可能なハードコート層付き光学フィルムとその製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の活性線硬化樹脂層とバックコート層の塗布・乾燥の工程を示す図。
【図2】本発明の活性線硬化樹脂層とバックコート層の塗布・乾燥の工程を示す図。
【図3】光学フィルム試料4、5、6のハードコート層端部の形状の断面図。
【図4】光学フィルムの幅方向カールを説明する模式図。
【図5】光学フィルムの幅方向のカールの状態を模式的に描いた断面図。
【図6】光学フィルムの幅方向のカールの状態を模式的に描いた断面図。
【符号の説明】
1 支持体
4、8、9 ドライヤー
5 活性線照射器
7 ハードコート層
10 搬送ローラ
A、B、B1、B2 塗布機

Claims (10)

  1. ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、支持体のハードコート層の裏面側に少なくとも2層のバックコート層を設け、少なくとも1層目のバックコート層がハードコート層を塗設する前に設けられ、さらにハードコート層塗設後に1層以上のバックコート層が塗設されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記1層目のバックコート層の塗布液には溶媒と樹脂とフィラーを含有させ、ハードコート層塗設後に塗設されるバックコート層の塗布液は、主に溶媒であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。
  3. ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、ハードコート層の塗布幅を支持体幅より狭くし、支持体のハードコート層の裏面側にバックコート層を設け、ハードコート層より広い塗布幅とすることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  4. ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、ハードコート層の塗布端部が薄くなるよう塗布し、支持体のハードコート層の裏面側にバックコート層を設けることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  5. ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成する光学フィルムの製造方法において、支持体の裏面側にバックコート層を塗布し、ハードコート層及び光学薄膜層を塗布する際、塗布する毎にバックコート層を塗布し、ハードコート層の厚みが4μm以上であり、支持体膜厚が80μm以下であることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. ハードコート層を支持体上に形成し、ハードコート層の上に、1層以上の光学薄膜層を形成したハードコート層付き光学フィルムにおいて、支持体のハードコート層の裏面側に少なくとも2層のバックコート層を設け、少なくとも1層目のバックコート層がハードコート層を塗設する前に設けられ、さらにハードコート層塗設後に1層以上のバックコート層が塗設されていることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
  7. 請求項3に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、ハードコート層を支持体幅より、15mm以上狭く塗布したことを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
  8. 請求項4に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、ハードコート層の膜厚を薄くした範囲が端部より10mm以上あることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法により製造され、支持体膜厚が80μm以下であり、ハードコート層の膜厚が4μm以上であることを特徴とするハードコート層付き光学フィルム。
  10. カール度が30以下であることを特徴とする請求項7、8又は9記載のハードコート層付き光学フィルム。
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KR101327952B1 (ko) 2012-11-28 2013-11-13 현대다이모스(주) 차량용 리어 시트백 프레임의 조립장치
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