JP2008200600A - 塗布方法、光学用フィルム及び反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】支持体上に塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布し、乾燥して得られる塗布層の塗布方法において、塗布開始時の塗布先頭で発生する塗布故障を無くし、生産効率が高い塗布方法を提供すること。
【解決手段】支持体の上に、塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布し、乾燥して得られる塗布層の塗布方法において、塗布開始時における前記塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍の量にする塗布方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯状の支持体の上に、塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布し、乾燥して得られる光学フィルム、反射防止フィルム及び塗布方法に関する。
従来より連続走行する帯状の支持体(以下、支持体ともいう)に塗布液を塗布する方法として次の二通りの塗布方法が知られている。一つは、あらかじめ必要な塗布液膜形成量よりも余剰な塗布液を支持体上に吐出させ、その後なんらかの掻き取り手段で余剰分を取り除く後計量型塗布方式である、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法等が挙げられる。
他の一つは、必要な塗布液膜を形成する量だけ塗布液を吐出させて支持体上に塗布液を塗布する前計量型塗布方式である、エクストルージョン型コータを用いたエクストルージョン塗布法、スライド型コータを用いたスライド塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
一般的には、前計量方式では装置構成等は複雑であるが高精度な塗布液膜が得られ、後計量方式では装置構成等は簡便で加工速度は高速であるが前者に比較して塗布液膜の精度は落ちる。又、前計量型塗布方式と後計量型塗布方式とを塗布液の消費量という観点で比較した場合には当然ながら前計量方式の方が少なく、生産効率上有利である。
こうした前計量方式の塗布方式における塗布装置とは、被塗布物上に均一に塗布液膜を形成するため塗布液を供給するいわゆる塗布ヘッドを指す。こうした塗布方法は塗布ヘッドのスリットより塗布液を吐出させリップと呼ばれる部分と連続走行する被塗布物表面との間隙にビード(液だまり)を形成させつつ塗布する方法である。また、塗布ヘッドは2つ以上のブロックを組み合わせ、塗布液を供給する供給口と、供給された塗布液を幅方向に一旦溜めるためのマニホールドと、マニホールドから塗布液を均一に吐出するためのスリットを有しており、ブロックの組み合わせ数により単層から多層塗布が可能となる塗布方法である。
これら高精度な塗布液膜が得られ、生産効率上有利である前計量型塗布方式のスロット型(エクストルージョン型とも言う)塗布方式を使用した塗布物の一例として、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に使用されている反射防止機能、防眩機能、帯電防止機能等の付与された高機能の光学用フィルムが挙げられる。
このようなビードを介して塗布が行われる塗布方式においては、塗布安定のためにビードの安定性が非常に大きく影響するため、ビードが形成されている上流側に減圧室を設け、ビードの上流側と下流側に圧力差をつけ、ビードを上流側に引っ張ることにより、ビードの安定性を高めることが知られている。このほかに、リップと支持体との間隙の設定、温度、塗布速度等の塗布環境条件、粘度、表面張力等の塗布液物性および塗布膜厚が影響する。
例えば、高粘度の揮発性溶媒含有塗布液を使用して塗布を行う場合は、塗布液物性が大きく影響し、さらに塗布速度が早くなったり、膜厚が薄くなると、ビードの安定が難しくなる。ビードが不安定であると筋故障、尾引き故障、液切れ等の塗布故障が発生することが知られている。又、最近では乾燥工程における乾燥風による乾燥ムラ対策の面からも塗布液の高粘度化が進められている傾向にあり、高粘度の塗布液を使用し、スライド型コータによる塗布時のビードを安定させる検討が多くなされてきた。
例えば、塗布開始時である塗布の先頭は定常減圧度より高い減圧度で塗布を開始し、次に定常減圧度に切り換える際、段階的に定常減圧度に切り換えることでビードの安定化を図る方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開昭62−121451号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ビード圧(ビードを形成するのに必要とするビード部の塗布液内部の圧力)が高く、減圧度を変更した場合、ビード形成部の塗布液内部の圧力の変化が遅いため、ビード部の安定までに時間が必要となる。特に帯状支持体につなぎ目がある場合、通常つなぎ目は表裏をテープで留めるため、塗布ヘッドを退避する必要がある。そのため、つなぎ目が来るたびに次の塗布開始時に減圧度を変更しなければならず、生産効率を悪くする原因となっている。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、その目的は、支持体上に塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布し、乾燥して得られる塗布層の塗布方法において、塗布開始時の塗布先頭で発生する塗布故障を無くし、生産効率が高い塗布方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.
連続走行する帯状の支持体の上に、塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布する塗布方法において、
塗布開始時における前記塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とすることを特徴とする塗布方法。
2.
前記塗布ヘッドの前記支持体の走行方向に対して上流側に減圧状態に保持する減圧室を有し、
前記塗布開始時における前記減圧室の気圧を塗布定常時の気圧の0.2〜0.4倍とすることを特徴とする1に記載の塗布方法。
3.
前記塗布開始時における前記支持体と前記塗布ヘッドとの間隔を50μm以上であり、塗布定常時の間隔の0.9倍以下とすることを特徴とする1又は2に記載の塗布方法。
4.
前記支持体は、つなぎ目を有する支持体であり、
前記つなぎ目が前記塗布ヘッドの上流側に来たときに前記塗布ヘッドを退避させ、前記つなぎ目が前記塗布ヘッドを通過後に前記塗布ヘッドにより塗布を開始する塗布方法であって、
前記塗布開始時は前記つなぎ目が塗布部を通過した後であることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の塗布方法。
5.
1乃至4の何れか1項に記載の塗布方法により得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とする光学用フィルム。
6.
1乃至4の何れか1項に記載の塗布方法により得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とする反射防止フィルム。
支持体の上に、塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布し、乾燥して得られる塗布層の塗布方法において、塗布開始時における前記塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍の量にすることにより、ビードが安定して形成されるので、塗布先頭で発生する塗布故障を無くし、生産効率が高い塗布方法を提供することが出来、安定生産が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は塗布物を生産する塗布方法を説明するための生産装置の模式図である。
図中、1は生産装置を示す。生産装置1を用いた塗布方法は、被塗布物の供給工程2と、塗布工程3と、乾燥工程4と、冷却工程5と、回収工程6とを有している。供給工程2は、帯状支持体である被塗布物201が巻き芯に巻かれたロール状被塗布物202を繰り出す繰り出し装置(不図示)を有している。
塗布工程3は、供給工程2から連続搬送されてくる被塗布物201を保持するバックアップロール301と、バックアップロール301で保持された連続搬送されてくる被塗布物201に塗布液を塗布する塗布ヘッド302と、塗布時に塗布ヘッド302からの塗布液と被塗布物201との間に形成されるビードを安定化するために塗布ヘッド302の上流側に設けられた減圧室303とを有する塗布装置304を有している。
塗布ヘッド302から吐出する塗布液の流量は、不図示のポンプにより調整可能となっている。塗布ヘッド302から吐出する塗布液の流量は、予め調整した塗布ヘッド302の条件で連続塗布したときに、安定して所定の膜厚の塗布層を形成できる量に決めておく。この時の量を塗布定常時の流量とする。
しかし、塗布定常時の流量で塗布を開始すると、塗布開始時に被塗布物201に塗布液が付着しにくいという問題が生じる。そこで、従来は、塗布開始時に人の手でフィルム片などを塗布ヘッド302と被塗布物201との間に挿入し、塗布液が被塗布物201につきやすくしてやる必要があった。
そこで、被塗布物201に塗布を始める塗布開始時の流量を、塗布液が被塗布物201に均一に付着し、所定の膜厚に塗布される塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍とする。このように塗布開始時の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍とすることにより、従来より問題となっている塗布開始時の塗布故障を低減することができる。これは流量を増すことで被塗布物201と塗布ヘッド302との間で形成されるビードが、短時間に被塗布物201の幅方向全域に渡り確実に形成されるためである。1.2倍以下では、塗布開始時の塗布故障が起こりやすく、1.5倍以上では、塗布ヘッド302の先端部に塗布液があふれた状態となり、不均一な塗布膜厚が形成され、塗布故障となる。このようにすることで人の手で行う必要が無くなり、異物の混入なども無く、更に生産性の高い塗布方法を提供できる。塗布液が被塗布物201に安定して付着するようになった後は、塗布液の吐出量を塗布定常時の流量に戻す。
また、減圧室303は減圧度を調整することが可能となっている。減圧室303は減圧ブロワ(不図示)に接続されており内部が減圧状態になる。減圧室303は空気漏れがない状態になっており、かつ、バックアップロールとの間隙も狭く調整されている。減圧室303の詳細は図2で説明する。
被塗布物201への塗布開始時に、塗布液の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍とし、塗布開始時における減圧室303の気圧を塗布定常時の気圧の0.2〜0.4倍とすることでより短時間で安定したビードを形成することができ、より生産効率が向上する。これは、塗布液の流量を増した状態で減圧度を上げることで、塗付液のビードが減圧室303側に広がりやすくなり、より短時間で安定した塗布が可能となる。0.4倍を越えると減圧の効果が少なく、0.2倍未満では減圧により塗布液が減圧室303に流入してしまう。塗布液が被塗布物201に安定して付着するようになった後は、減圧室303の減圧度を塗布定常時の減圧度に戻す。
また、塗布ヘッド302は、待機位置Aと塗布開始時の位置Bと塗布定常時の位置Cに移動可能に台座305に配設されている。塗布ヘッド302は幅方向に一定の塗布液を供給するためスリット302f(図2を参照)の間隙、塗布ヘッド302のリップ面302h(302h′)(図2を参照)と被塗布物201とのクリアランス(間隙)が幅方向で一定になるように調整されている。
塗布開始時の位置Bは、塗布定常時の位置Cよりも被塗布物201との間隔が狭く、50μm以上塗布定常時の間隔の0.9倍以下が良い。前記範囲外ではビードの形成が行われにくくなる。
被塗布物201への塗布開始時に、塗布液の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍とし、塗布ヘッド302を塗布開始時の位置Bにすることで、より短時間で安定したビードを形成することができ、より生産効率が向上する。
更に、被塗布物201への塗布開始時に、塗布液の流量を塗布定常時の流量よりも1.2〜1.5倍とし、塗布開始時における減圧室303の気圧を塗布定常時の気圧の0.2〜0.4倍とし、塗布ヘッド302を塗布開始時の位置Bにすることで、更に短時間で安定したビードを形成することができ、より生産効率が向上する。塗布液が被塗布物201に安定して付着するようになった後は、塗布ヘッド302の位置を塗布定常時の位置Cに移動し、被塗布物201上に所定の膜厚の塗布層を得ることができる。
また、被塗布物201がつなぎ目のある帯状支持体であるときは、つなぎ目が塗布ヘッド302の塗布部上流側に来たときに塗布ヘッド302の位置を待機位置Aに退避させ、つなぎ目が通過した後、上記で説明したように塗布開始時の塗布状態(流量、減圧室の気圧、位置)にして塗布を開始し、ビードが安定して形成された後、塗布定常時の塗布状態(流量、減圧室の気圧、位置)にして塗布する。このような塗布方法を用いることにより、つなぎ目が塗布位置に来ても、塗布装置を止めたり、人手によってビードを形成したりする必要が無く、塗布故障の無い、安定した塗布膜を効率的に製造することができる。
使用する塗布液の粘度は、塗布性、工程適性等を考慮し、20mPa・s以下が好ましい。粘度は、東機産業(株)製B型粘度計を使用し、25℃で測定した値を示す。待機位置Aから塗布位置B、Cへの移動及び塗布位置Cから待機位置Aへの移動は台座305を図示していない移動手段、例えばエアシリンダー等の駆動力で移動することで行われる。
乾燥工程4は、塗布工程3で被塗布物201の上に塗布された湿潤塗膜を乾燥する乾燥装置401を有している。402は乾燥用気体の導入口を示し、403は排出口を示す。乾燥風の温度及び風量は塗膜の種類及び被塗布物201の種類により適宜決めることが可能となっている。尚、乾燥装置401の最後に塗膜の硬化装置(不図示)を配設しても構わない。
冷却工程5は、乾燥工程4で乾燥された塗膜を有する被塗布物201を、温度が高い状態で巻き取った時に冷却に伴い発生する塗膜を有する被塗布物201の縮み等に伴う故障を防止するための温度を下げる冷却装置501を有している。502は冷却風の入り口を示し、503は冷却風の出口を示す。冷却風の温度及び風量は塗膜の種類及び被塗布物201の種類により適宜決めることが可能となっている。乾燥工程4と冷却工程5との間に塗膜中の溶媒量を調整するための調整工程(不図示)を設けても構わない。
回収工程6は、塗膜が形成された被塗布物201(塗布物)を巻き取る巻き取り装置(不図示)を有している。601は巻き芯に巻き取られ回収されたロール状の塗布物を示す。a〜dは塗膜を有する被塗布物201を搬送する搬送ロールを示す。
図2は図1のXで示される部分の拡大概略図である。図2(a)は図1のXで示される部分の拡大概略斜視図である。図2(b)は図2(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
塗布ヘッド302は2つのブロック302aとブロック302bとを有しており、ボルト302cなどで締結することで組み立てられている。302dは塗布ヘッド302の幅方向に設けられたマニホールドと呼ばれる塗布液を一旦溜めるための部分であり、ここには供給管302eから不図示のポンプにより調整された流量の塗布液が送り込まれる。マニホールド302dで塗布幅方向に溜められた塗布液はスリット302fを通り塗布幅方向に均一な厚みとなり、スリット302fの先端の塗布液流出部302gまで送られる。
302hは塗布ヘッド302の先端のブロック302a側のリップ面を示し、302h′は塗布ヘッド302の先端のブロック302b側のリップ面を示す。リップ面302hと、リップ面302h′とはバックアップロール301(図1を参照)に保持された被塗布物201(図1を参照)と対向する部分であり、このリップ面302hと、リップ面302h′と被塗布物201(図1を参照)との間に塗布液はビード(液だまり)を形成して塗布が行われる。
減圧室303は、塗布ヘッド302の塗布液吐出部302gの幅よりも減圧状態に出来る幅が広くなっている。減圧室303は、底面303aの4辺から立ち上げた側壁303b〜303eを有する箱形構造を有しており、上面はバックアップロールの曲率に合わせた開口部となっている。側壁303c、側壁303dは塗布幅手方向からの空気流入を防ぐために設けられている。又、側壁303bは被塗布物走行方向上流側からの空気流入を防ぐために設けられている。側壁303b、側壁303c及び側壁303dの高さによりバックアップロールとの間隙が自由に調節可能になっている。303fは減圧室303を被塗布物の移動方向と直交する塗布幅手方向で分割する分割壁を示す。分割壁303fにより減圧室303は第1減圧室303Aと第2減圧室303Bとに2室に分割された状態となっている。分割壁303fは幅方向で任意の位置に移動可能となっている。分割壁303fの位置は実験的に決められ、その位置は塗布液吐出部の幅内でも塗布液吐出部の幅外でも構わない。
303gは第1減圧室303Aを減圧にする減圧吸引管を示し、減圧ブロワ(不図示)に繋がっている。第1減圧室303Aと減圧ブロワ(不図示)との間に弁(不図示)を設けてある。第1減圧室303Aの減圧度は減圧ブロワの出力を変更するか、弁の開度により調整することが可能となっている。又、減圧度測定機(不図示)が第1減圧室303Aの減圧度を測定するように設けられている。303iは第1減圧室303Aに溜まる塗布液の排液管を示す。
303hは第2減圧室303Bを減圧にする減圧吸引管を示し、減圧ブロワ(不図示)に繋がっている。第2減圧室303Bと減圧ブロワ(不図示)との間に弁(不図示)を設けてある。第2減圧室303Bの減圧度は減圧ブロワの出力を変更するか、弁の開度により調整することが可能となっている。又、減圧度測定機(不図示)が第2減圧室303Bの減圧度を測定するように設けられている。303jは第2減圧室303Bに溜まる塗布液の排液管を示す。
第1減圧室303Aと第2減圧室303Bとは個々に減圧度を調整することが可能となっている。
302iは塗布ヘッド302の塗布幅方向両端部には液漏れ防止のために設けられたサイドプレートを示す。サイドプレート302iは必要に応じて設けることが可能である。
塗布ヘッド302は架台306の下側に取り付けられた2本の支持部材307を介して台座305の上に固定されている。他の符号は図1と同義である。
図3は図1のYで示される部分の拡大概略図である。
図中、Wは塗布ヘッドの塗布液流出部302gと、被塗布物201との間隔を示す。8は塗布ヘッド302の塗布液流出口302gから吐出された塗布液と被塗布物201との間に形成されるビードを示す。ビード8を安定化するために減圧室303を高減圧化することで被塗布物201の搬送方向に引っ張られる塗布液と重力で鉛直方向に引っ張られる塗布液のバランスを取ることが可能となりビード8の安定化が可能となる。
図4は図1〜図3に示す塗布装置を使用した塗布物の生産方法のフロー図である。
ステップ1では、設計されたスリット間隙、リップ面及び被塗布物201の移動方向と直交する塗布幅手方向で2つに分割された減圧室303を有する塗布ヘッドが組み立てられ、台座に載置される。
ステップ2では、塗布する塗布液の性質にあわせて、塗布液の吐出流量、減圧室303の減圧度(気圧)、塗布ヘッド302の位置について、塗布開始時の条件と塗布定常時の条件をそれぞれ決定する。
ステップ3では、塗布ヘッドを待機位置Aに移動する。
ステップ4では、塗布開始時の条件としての塗布液の吐出流量、減圧室303の減圧度、塗布ヘッド302の位置Bを設定する。
ステップ5では、塗布を開始する。
ステップ6では、塗布開始から所定の時間経過後、塗布定常時の条件としての塗布液の吐出流量、減圧室303の減圧度、塗布ヘッド302の位置Cを設定する。
ステップ7では、必要な長さの塗布を行う。
ステップ8では、塗布終了し、塗布液の供給を止め、架台305を待機位置Aに移動し塗布ヘッド302の清掃が行われる。
ステップ9では、製品が回収される。尚、製品は回収された塗布物に対して、膜厚測定機の膜厚測定結果に基づき定められた品質目標の膜厚分布に入る位置が確認され、その品質基準を満たすところから製品となる。
ステップ1〜ステップ9により塗布を行うことで、異物故障の無い、生産効率の高い、膜厚分布が均一な塗布物を生産するすることが可能となっている。
本発明の塗布方法により作製される塗布物としては特に限定はなく、例えば一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料、感熱材料、熱現像感光材料、フォトレジスト、LCDや有機EL等に代表される電機光学パネルのデバイス用に使用する光学材料が挙げられる。これらの中でも、特に高性能が要求されるLCDや有機EL等に代表される電機光学パネルのデバイス用に使用する機能層を有する光学材料である光学用フィルム、反射防止フィルムを製造するのに使用することが好ましい。
本発明に係る被塗布物に使用する材料としては特に限定はなく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム(アートン(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げられる。これらのフィルムは、溶融押し出し法で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。製造する製品に合わせ適宜選択することが可能である。
これらの材料の中で光学材料としては、セルロースエステルが透明性、耐熱性及び液晶とのマッチング性に優れ、固有複屈折率が低く、光弾性係数が小さいので特に好適に用いられる。
例えば、市販品としてはコニカミノルタ製TACフィルム、KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4UE、KC8UE、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UX−RHA−N等が好ましく用いられる。
本発明に係るセルロースエステルは、脂肪酸アシル基、置換若しくは無置換の芳香族アシル基の中から少なくとも何れかの構造を含む、単独又は混合酸エステルである。芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環である時、ベンゼン環の置換基の例としてハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アラルキル基、ニトロ、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基及びアリールオキシスルホニル基、−S−R、−NH−CO−OR、−PH−R、−P(−R)2、−PH−O−R、−P(−R)(−O−R)、−P(−O−R)2、−PH(=O)−R−P(=O)(−R)2、−PH(=O)−O−R、−P(=O)(−R)(−O−R)、−P(=O)(−O−R)2、−O−PH(=O)−R、−O−P(=O)(−R)2−O−PH(=O)−O−R、−O−P(=O)(−R)(−O−R)、−O−P(=O)(−O−R)2、−NH−PH(=O)−R、−NH−P(=O)(−R)(−O−R)、−NH−P(=O)(−O−R)2、−SiH2−R、−SiH(−R)2、−Si(−R)3、−O−SiH2−R、−O−SiH(−R)2及び−O−Si(−R)3が含まれる。上記Rは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基である。置換基の数は、1個〜五個であることが好ましく、1個〜4個であることがより好ましく、1個〜3個であることが更に好ましく、1個又は2個であることが最も好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基及びウレイド基が好ましく、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基及びカルボンアミド基がより好ましく、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が更に好ましく、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基が最も好ましい。
上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。上記アルキル基は、環状構造或いは分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル及び2−エチルヘキシルが含まれる。上記アルコキシ基は、環状構造或いは分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルコキシ基は、更に別のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メトキシ−2−エトキシエトキシ、ブチルオキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシが含まれる。
上記アリール基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。アリール基の例には、フェニル及びナフチルが含まれる。上記アリールオキシ基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。アリールオキシ基の例には、フェノキシ及びナフトキシが含まれる。上記アシル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。アシル基の例には、ホルミル、アセチル及びベンゾイルが含まれる。上記カルボンアミド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルボンアミド基の例には、アセトアミド及びベンズアミドが含まれる。上記スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及びp−トルエンスルホンアミドが含まれる。上記ウレイド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。ウレイド基の例には、(無置換)ウレイドが含まれる。
上記アラルキル基の炭素原子数は、7〜20であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチル及びナフチルメチルが含まれる。上記アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルが含まれる。上記アリールオキシカルボニル基の炭素原子数は、7〜20であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニルが含まれる。上記アラルキルオキシカルボニル基の炭素原子数は、8〜20であることが好ましく、8〜12であることが更に好ましい。アラルキルオキシカルボニル基の例には、ベンジルオキシカルボニルが含まれる。上記カルバモイル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルバモイル基の例には、(無置換)カルバモイル及びN−メチルカルバモイルが含まれる。上記スルファモイル基の炭素原子数は、20以下であることが好ましく、12以下であることが更に好ましい。スルファモイル基の例には、(無置換)スルファモイル及びN−メチルスルファモイルが含まれる。上記アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アシルオキシ基の例には、アセトキシ及びベンゾイルオキシが含まれる。
上記アルケニル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル及びイソプロペニルが含まれる。上記アルキニル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルキニル基の例には、チエニルが含まれる。上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アルキルオキシスルホニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アルキルスルホニルオキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。
本発明に係るセルロースエステルにおいて、セルロースの水酸基部分の水素原子が脂肪族アシル基との脂肪酸エステルである時、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20で、具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本発明において前記脂肪族アシル基とは、更に置換基を有するものも包含する意味であり、置換基としては上述の芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環である時、ベンゼン環の置換基として例示したものが挙げられる。
又、上記セルロースエステルのエステル化された置換基が芳香環である時、芳香族環に置換する置換基Xの数は0又は1〜5個であり、好ましくは1〜3個で、特に好ましいのは1又は2個である。更に芳香族環に置換する置換基の数が2個以上の時、互いに同じでも異なっていてもよいが、又、互いに連結して縮合多環化合物(例えば、ナフタレン、インデン、インダン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、クロメン、クロマン、フタラジン、アクリジン、インドール、インドリンなど)を形成してもよい。
上記セルロースエステルにおいて置換若しくは無置換の脂肪族アシル基、置換若しくは無置換の芳香族アシル基の少なくとも何れか1種選択された構造を有する構造を有することが本発明に係るセルロースエステルに用いる構造として用いられ、これらは、セルロースの単独又は混合酸エステルでもよく、2種以上のセルロースエステルを混合して用いてもよい。
本発明に係るセルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
混合脂肪酸エステルの置換度として、更に好ましいセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートの低級脂肪酸エステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロース樹脂である。
式(I) 2.0≦X+Y≦3.0
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.0≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦2.0であることが好ましい。上記アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することが出来る。
更に、本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn比が1.5〜5.5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2.0〜5.0であり、更に好ましくは2.5〜5.0であり、更に好ましくは3.0〜5.0のセルロースエステルが好ましく用いられる。
本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花リンターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することが出来る。
例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロースエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が100:0:0、90:10:0、85:15:0、50:50:0、20:80:0、10:90:0、0:100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15、40:30:30で用いることが出来る。
本発明に使用するセルロースエステルフィルムには、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を好ましく用いることが出来る。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることが出来る。その他のカルボン酸エステルの例には、トリメチロールプロパントリベンゾエート、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることが出来る。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等を用いることが出来る。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等を用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
本発明に係る塗布液としては、高分子成分を0.5〜20質量%含んでいることが好ましい。高分子成分としては、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、天然ゴム等が挙げられる。
これらの高分子成分を含んだ塗布液としては特に制限はなく、例えば、一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料、感熱材料、熱現像感光材料、フォトレジスト、LCDや有機EL等に代表される電機光学パネルのデバイス用の塗布液が挙げられる。電気光学パネル用のデバイスとしてはCRTや液晶表示装置の視認性を改善するために、表示装置前面に張り付ける反射防止層が形成された光学材料、光学補償フィルム、帯電防止フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。ところで、テレビのような大画面の表示装置では、直接、物が接触することがあり傷が付き易い。そこで、通常は傷つき防止のためにクリアハードコート層を支持体上に形成した光学材料、又は反射防止層が形成された光学材料が用いられる。以下、クリアハードコート層を支持体上に形成した光学用フィルム、又は反射防止層が形成された反射防止フィルムに付き説明する。
まず、クリアハードコート層を有した光学用フィルムに付き説明する。クリアハードコート層としては活性線硬化樹脂層が好ましく用いられる。活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層を言う。活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させてハードコート層が形成される。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることが出来る。例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることが出来、特開昭59−151112号に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることが出来、特開平1−105738号に記載のものを用いることが出来る。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これら紫外線硬化性樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用出来る。又、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。紫外線硬化樹脂組成物に用いられる光反応開始剤又光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が1つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。又不飽和二重結合を2つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
本発明において使用し得る紫外線硬化樹脂の市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用出来る。
又、具体的化合物例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これらの活性線硬化樹脂層はグラビアコータ、ディップコータ、リバースコータ、ワイヤーバーコータ、ダイコータ、インクジェット法等公知の方法で塗設することが出来る。
紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化させ、硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は好ましくは、5〜150mJ/cm2であり、特に好ましくは20〜100mJ/cm2である。
又、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。
紫外線硬化樹脂層組成物塗布液の有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合し利用出来る。プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)又はプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等を5質量%以上、より好ましくは5〜80質量%以上含有する上記有機溶媒を用いるのが好ましい。
又、紫外線硬化樹脂層組成物塗布液には、特にシリコーン化合物を添加することが好ましい。例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが好ましく添加される。ポリエーテル変性シリコーンオイルの数平均分子量は、例えば、1,000〜100,000、好ましくは、2,000〜50,000が適当であり、数平均分子量が1,000未満では、塗膜の乾燥性が低下し、逆に、数平均分子量が100,000を越えると、塗膜表面にブリードアウトしにくくなる傾向にある。
シリコーン化合物の市販品としては、DKQ8−779(ダウコーニング社製商品名)、SF3771、SF8410、SF8411、SF8419、SF8421、SF8428、SH200、SH510、SH1107、SH3749、SH3771、BX16−034、SH3746、SH3749、SH8400、SH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、BY−16−837、BY−16−839、BY−16−869、BY−16−870、BY−16−004、BY−16−891、BY−16−872、BY−16−874、BY22−008M、BY22−012M、FS−1265(以上、東レ・ダウコーニングシリコーン社製商品名)、KF−101、KF−100T、KF351、KF352、KF353、KF354、KF355、KF615、KF618、KF945、KF6004、シリコーンX−22−945、X22−160AS(以上、信越化学工業社製商品名)、XF3940、XF3949(以上、東芝シリコーン社製商品名)、ディスパロンLS−009(楠本化成社製)、グラノール410(共栄社油脂化学工業(株)製)、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(GE東芝シリコーン製)、BYK−306、BYK−330、BYK−307、BYK−341、BYK−344、BYK−361(ビックケミージャパン社製)日本ユニカー(株)製のLシリーズ(例えばL7001、L−7006、L−7604、L−9000)、Yシリーズ、FZシリーズ(FZ−2203、FZ−2206、FZ−2207)等が挙げられ、好ましく用いられる。
これらの成分は基材や下層への塗布性を高める。積層体最表面層に添加した場合には、塗膜の撥水、撥油性、防汚性を高めるばかりでなく、表面の耐擦り傷性にも効果を発揮する。これらの成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、前述のものを用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚として0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15μmである。又、ドライ膜厚としては0.1〜20μm、好ましくは1〜20μmである。特に好ましくは8〜20μmである。
又、鉛筆硬度は、2H〜8Hのハードコート層であることが好ましい。特に好ましくは3H〜6Hであることが好ましい。鉛筆硬度は、作製したハードコートフィルム試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgの加重にて各硬度の鉛筆で引っ掻きを10回繰り返し、傷が全く認められない引っ掻きの本数を表したものである。
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥中又は後に、紫外線を照射するのがよく、前記の5〜150mJ/cm2という活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜5分程度がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率又は作業効率の観点から0.1〜10秒がより好ましい。又、これら活性線照射部の照度は50〜150mW/m2であることが好ましい。
次に、反射防止層を有した反射防止フィルムに付き説明する。本発明の反射防止フィルムに用いられる反射防止層は低屈折率層のみの単層構成でも、又多層の屈折率層でもどちらでも構成することが出来る。通常、反射防止層は被塗布物物上のハードコート層(クリアハードコート層或いは防眩層)の表面上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層出来る。反射防止層は、被塗布物よりも屈折率の高い高屈折率層と、被塗布物よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成したり、特に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、被塗布物側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(被塗布物又はハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましい。ハードコート層が高屈折率層を兼ねてもよい。
本発明に係わる反射防止層の好ましい層構成の例を下記に示す。ここで/は積層配置されていることを示している。
被塗布物/ハードコート層/低屈折率層
被塗布物/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
被塗布物/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
被塗布物/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
被塗布物/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
被塗布物/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
〈バックコート層〉
反射防止フィルムを作製する被塗布物のハードコート層を設けた側と反対側の面にはバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層は、ハードコート層やその他の層を設けることで生じるカールを矯正するために設けられる。即ち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせることが出来る。尚、バックコート層は好ましくはブロッキング防止層を兼ねて塗設され、その場合、バックコート層塗布組成物には、ブロッキング防止機能を持たせるために微粒子が添加されることが好ましい。
バックコート層に添加される微粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。微粒子は珪素を含むものがヘイズが低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
これらの微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることが出来る。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することが出来る。
これらの中でもでアエロジル200V、アエロジルR972Vがヘイズを低く保ちながら、ブロッキング防止効果が大きいため特に好ましく用いられる。本発明で用いられる反射防止フィルムは、活性エネルギー線硬化樹脂層の裏面側の動摩擦係数が0.9以下、特に0.1〜0.9であることが好ましい。
バックコート層に含まれる微粒子は、バインダーに対して0.1〜50質量%好ましくは0.1〜10質量%であることが好ましい。バックコート層を設けた場合のヘイズの増加は1%以下であることが好ましく0.5%以下であることが好ましく、特に0.0〜0.1%であることが好ましい。
バックコート層は、具体的にはセルロースエステルフィルムを溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒及び/又は膨潤させる溶媒の混合物の他更に溶解させない溶媒を含む場合もあり、これらを透明樹脂フィルムのカール度合いや樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。
カール防止機能を強めたい場合は、用いる溶媒組成を溶解させる溶媒及び/又は膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的である。この混合比率は好ましくは(溶解させる溶媒及び/又は膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9で用いられる。この様な混合組成物に含まれる、透明樹脂フィルムを溶解又は膨潤させる溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム等がある。溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサノール或いは炭化水素類(トルエン、キシレン)等がある。
これらの塗布組成物をグラビアコータ、ディップコータ、リバースコータ、ワイヤーバーコータ、ダイコータ、或いはスプレー塗布、インクジェット塗布等を用いて透明樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μmで塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであることが好ましい。バックコート層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体或いは共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/又はアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。例えば、アクリル樹脂としては、アクリペットMD、VH、MF、V(三菱レーヨン(株)製)、ハイパールM−4003、M−4005、M−4006、M−4202、M−5000、M−5001、M−4501(根上工業株式会社製)、ダイヤナールBR−50、BR−52、BR−53、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118等(三菱レーヨン(株)製)のアクリル及びメタクリル系モノマーを原料として製造した各種ホモポリマー並びにコポリマー等が市販されており、この中から好ましいモノを適宜選択することも出来る。
特に好ましくはジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートのようなセルロース系樹脂層である。
バックコート層を塗設する順番はセルロースエステルフィルムのハードコート層を塗設する前でも後でも構わないが、バックコート層がブロッキング防止層を兼ねる場合は先に塗設することが望ましい。或いは2回以上に分けてバックコート層を塗布することも出来る。
〈低屈折率層〉
低屈折率層では以下の中空シリカ系微粒子が好適に用いられる。
(中空シリカ系微粒子)
中空微粒子は、(I)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層とからなる複合粒子、又は(II)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体又は多孔質物質で充填された空洞粒子である。尚、低屈折率層には(I)複合粒子又は(II)空洞粒子の何れかが含まれていればよく、又双方が含まれていてもよい。
尚、空洞粒子は内部に空洞を有する粒子であり、空洞は粒子壁で囲まれている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体又は多孔質物質等の内容物で充填されている。この様な中空球状微粒子の平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあることが望ましい。使用される中空球状微粒子は、形成される透明被膜の厚さに応じて適宜選択され、形成される低屈折率層等の透明被膜の膜厚の2/3〜1/10の範囲にあることが望ましい。これらの中空球状微粒子は、低屈折率層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えばジアセトンアルコール)が好ましい。
複合粒子の被覆層の厚さ又は空洞粒子の粒子壁の厚さは、1〜20nm、好ましくは2〜15nmの範囲にあることが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することが出来ないことがあり、後述する塗布液成分である重合度の低いケイ酸モノマー、オリゴマー等が容易に複合粒子の内部に進入して内部の多孔性が減少し、低屈折率の効果が十分得られないことがある。又、被覆層の厚さが20nmを越えると、前記ケイ酸モノマー、オリゴマーが内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率の効果が十分得られなくなることがある。又空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状を維持出来ないことがあり、又厚さが20nmを越えても、低屈折率の効果が十分に現れないことがある。
複合粒子の被覆層又は空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。又、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的には、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等が挙げられる。複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF2、NaF、NaAlF6、MgF等からなるものが挙げられる。この内、特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。シリカ以外の無機化合物としては、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO2、CeO2、P23、Sb23、MoO3、ZnO2、WO3等との1種又は2種以上を挙げることが出来る。この様な多孔質粒子では、シリカをSiO2で表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MOx)で表した時のモル比MOx/SiO2が、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。多孔質粒子のモル比MOx/SiO2が0.0001未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても細孔容積が小さく、屈折率の低い粒子が得られない。又、多孔質粒子のモル比MOx/SiO2が、1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので、細孔容積が大きくなり、更に屈折率が低いものを得ることが難しいことがある。
この様な多孔質粒子の細孔容積は、0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると微粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。尚、この様な多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることが出来る。又、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質等が挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体の未反応物、使用した触媒等が含まれていてもよい。又多孔質物質としては、前記多孔質粒子で例表した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。
この様な中空球状微粒子の製造方法としては、例えば特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。
この様にして得られた中空微粒子の屈折率は、内部が空洞であるので屈折率が低く、それを用いた本発明に用いられる低屈折率層の屈折率は、1.30〜1.50であることが好ましく、1.35〜1.44であることが更に好ましい。
外殻層を有し、内部が多孔質又は空洞である中空シリカ系微粒子の低屈折率層塗布液中の含量(質量)は、10〜80質量%が好ましく、更に好ましくは20〜60質量%である。
(テトラアルコキシシラン化合物又はその加水分解物)
低屈折率層には、ゾルゲル素材としてテトラアルコキシシラン化合物又はその加水分解物が含有されることが好ましい。
低屈折率層用の素材として、前記無機珪素酸化物以外に有機基を有する珪素酸化物を用いることも好ましい。これらは一般にゾルゲル素材と呼ばれるが、金属アルコレート、オルガノアルコキシ金属化合物及びその加水分解物を用いることが出来る。特に、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシラン及びその加水分解物が好ましい。これらの例としては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)、アルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン等)、アリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン等が挙げられる。
低屈折率層は前記珪素酸化物と下記シランカップリング剤を含むことが好ましい。具体的なシランカップリング剤の例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
又、珪素に対して2置換のアルキル基を持つシランカップリング剤の例として、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、信越化学工業株式会社製KBM−303、KBM−403、KBM−402、KBM−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−603、KBE−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−802、KBM−803等が挙げられる。
これらシランカップリング剤は予め必要量の水で加水分解されていることが好ましい。シランカップリング剤が加水分解されていると、前述の珪素酸化物粒子及び有機基を有する珪素酸化物の表面が反応し易く、より強固な膜が形成される。又、加水分解されたシランカップリング剤を予め塗布液中に加えてもよい。
又、低屈折率層は、5〜50質量%の量のポリマーを含むことも出来る。ポリマーは、微粒子を接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維持する機能を有する。ポリマーの使用量は、空隙を充填することなく低屈折率層の強度を維持出来るように調整する。ポリマーの量は、低屈折率層の全量の10〜30質量%であることが好ましい。ポリマーで微粒子を接着するためには、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結合させるか、(2)微粒子をコアとして、その周囲にポリマーシェルを形成するか、或いは(3)微粒子間のバインダーとして、ポリマーを使用することが好ましい。
バインダーポリマーは、飽和炭化水素又はポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることが更に好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。2以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。
又、本発明に用いられる低屈折率層が、熱又は電離放射線により架橋する含フッ素樹脂(以下、「架橋前の含フッ素樹脂」とも言う)の架橋からなる低屈折率層であってもよい。
架橋前の含フッ素樹脂としては、含フッ素ビニルモノマーと架橋性基付与のためのモノマーから形成される含フッ素共重合体を好ましく挙げることが出来る。上記含フッ素ビニルモノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。架橋性基付与のためのモノマーとしては、グリシジルメタクリレートや、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジルエーテル等のように分子内に予め架橋性官能基を有するビニルモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有するビニルモノマー(例えば、(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等)が挙げられる。後者は共重合の後、ポリマー中の官能基と反応する基ともう1つ以上の反応性基を持つ化合物を加えることにより、架橋構造を導入出来ることが特開平10−25388号、同10−147739号に記載されている。架橋性基の例には、アクリロイル、メタクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び活性メチレン基等が挙げられる。含フッ素共重合体が、加熱により反応する架橋基、若しくは、エチレン性不飽和基と熱ラジカル発生剤若しくはエポキシ基と熱酸発生剤等の相み合わせにより、加熱により架橋する場合、熱硬化型であり、エチレン性不飽和基と光ラジカル発生剤若しくは、エポキシ基と光酸発生剤等の組み合わせにより、光(好ましくは紫外線、電子ビーム等)の照射により架橋する場合、電離放射線硬化型である。
架橋前の含フッ素共重合体を形成するために用いられる上記各モノマーの使用割合は、含フッ素ビニルモノマーが好ましくは20〜70モル%、より好ましくは40〜70モル%、架橋性基付与のためのモノマーが好ましくは1〜20モル%、より好ましくは5〜20モル%、併用されるその他のモノマーが好ましくは10〜70モル%、より好ましくは10〜50モル%の割合である。
低屈折率層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号)により、塗布により形成することが出来る。又、2以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3,508,947号、同3,526,528号及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
本発明の低屈折率層の膜厚は50〜200nmであることが好ましく、60〜150nmであることがより好ましい。
本発明においては、反射率の低減のために透明支持体と低屈折率層との間に、高屈折率層を設けることが好ましい。又、該透明支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けることは、反射率の低減のために更に好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、透明支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の厚さは、5nm〜1μmであることが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層及び中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
中、高屈折率層は下記一般式(1)で表される有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー又はそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層であることが好ましい。
一般式(1) Ti(OR14
式中、R1としては炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基がよいが、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基である。又、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー又はそれらの加水分解物は、アルコキシド基が加水分解を受けて−Ti−O−Ti−のように反応して架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、又は2種以上組み合わせて用いることが出来る。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体が特に好ましい。
有機チタン化合物のモノマー、オリゴマー又はそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0質量%〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50質量%〜90質量%がより好ましく、55質量%〜90質量%が更に好ましい。この他、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(予め有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)或いは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層は、微粒子として金属酸化物粒子を含み、更にバインダーポリマーを含むことが好ましい。
上記塗布液調製法で加水分解/重合した有機チタン化合物と金属酸化物粒子を組み合わせると、金属酸化物粒子と加水分解/重合した有機チタン化合物とが強固に接着し、粒子の持つ硬さと均一膜の柔軟性を兼ね備えた強い塗膜を得ることが出来る。
高屈折率層及び中屈折率層に用いる金属酸化物粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることが更に好ましい。金属酸化物粒子の1次粒子の質量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。層中での金属酸化物粒子の質量平均径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。金属酸化物粒子の平均粒径は、20〜30nm以上であれば光散乱法により、20〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。金属酸化物粒子の比表面積は、BET法で測定された値として、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることが更に好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
金属酸化物粒子の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも1種の元素を有する金属酸化物であり、具体的には二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムが挙げられる。中でも、酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。金属酸化物粒子は、これらの金属の酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むことが出来る。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びS等が挙げられる。
金属酸化物粒子は表面処理されていることが好ましい。表面処理は、無機化合物又は有機化合物を用いて実施することが出来る。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシリカが好ましい。表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。中でも、シランカップリング剤が最も好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層中の金属酸化物粒子の割合は、5〜65体積%であることが好ましく、より好ましくは10〜60体積%であり、更に好ましくは20〜55体積%である。
上記金属酸化物粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、高屈折率層及び中屈折率層を形成するための塗布液に供される。金属酸化物粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
又金属酸化物粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することが出来る。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。又、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
高屈折率層及び中屈折率層は、架橋構造を有するポリマー(以下、架橋ポリマーとも言う)をバインダーポリマーとして用いることが好ましい。架橋ポリマーの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマー、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。中でも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。
モノマーとしては、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーが最も好ましいが、その例としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミド等が挙げられる。アニオン性基を有するモノマー、及びアミノ基又は4級アンモニウム基を有するモノマーは市販のモノマーを用いてもよい。好ましく用いられる市販のアニオン性基を有するモノマーとしては、KAYAMARPM−21、PM−2(日本化薬(株)製)、AntoxMS−60、MS−2N、MS−NH4(日本乳化剤(株)製)、アロニックスM−5000、M−6000、M−8000シリーズ(東亞合成化学工業(株)製)、ビスコート#2000シリーズ(大阪有機化学工業(株)製)、ニューフロンティアGX−8289(第一工業製薬(株)製)、NKエステルCB−1、A−SA(新中村化学工業(株)製)、AR−100、MR−100、MR−200(第八化学工業(株)製)等が挙げられる。又、好ましく用いられる市販のアミノ基又は4級アンモニウム基を有するモノマーとしてはDMAA(大阪有機化学工業(株)製)、DMAEA,DMAPAA(興人(株)製)、ブレンマーQA(日本油脂(株)製)、ニューフロンティアC−1615(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
ポリマーの重合反応は、光重合反応又は熱重合反応を用いることが出来る。特に光重合反応が好ましい。重合反応のため、重合開始剤を使用することが好ましい。例えば、ハードコート層のバインダーポリマーを形成するために用いられる熱重合開始剤、及び光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤として市販の重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤に加えて、重合促進剤を使用してもよい。重合開始剤と重合促進剤の添加量は、モノマーの全量の0.2〜10質量%の範囲であることが好ましい。
反射防止層の各層又はその塗布液には、前述した成分(金属酸化物粒子、ポリマー、分散媒体、重合開始剤、重合促進剤)以外に、重合禁止剤、レベリング剤、増粘剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、帯電防止剤や接着付与剤を添加してもよい。
中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解又は硬化を促進するため、活性エネルギー線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。又、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400mJ/cm2〜2,000mJ/cm2である。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜24、比較例1〜16)
以下に示す方法によりクリアハードコート層付きの光学用フィルムを生産した。
《セルロースエステルフィルムの作製》
下記のように各種添加液、各種ドープを調製して、樹脂フィルム基材であるセルロースエステルフィルムを作製した。
(セルロースエステルフィルムの作製)
〈酸化珪素分散液Aの調製〉
アエロジルR972V (日本アエロジル(株)製) 1kg
エタノール 9kg
以上をディゾルバで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化珪素分散液Aを調製した。
〈添加液Bの調製〉
セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88) 6kg
メチレンクロライド 140kg
以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、濾過した。これに10kgの上記酸化珪素分散液Aを撹拌しながら加えて、更に30分間撹拌した後、濾過し、添加液Bを調製した。
〈ドープCの調製〉
メチレンクロライド 440kg
エタノール 35kg
セルローストリアセテート(アセチル基の置換度2.88) 100kg
トリフェニルホスフェート 10kg
エチルフタリルエチルグリコレート 2kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
上記の溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら残りの素材を投入し、加熱、撹拌しながら完全に溶解し、混合した。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。更に上記溶液に添加液Bを3kg添加し、インラインミキサー(東レ(株)製静止型管内混合機Hi−Mixer、SWJ)で混合し、濾過し、ドープCを調製した。
ドープCを濾過した後、ベルト流延装置を用い、35℃のドープを35℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。その後、支持体上で乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からフィルムを剥離した。この時のフィルムの残留溶媒量は80%であった。ステンレスバンド支持体から剥離した後、80℃に維持された乾燥ゾーンで1分間乾燥させた後、2軸延伸テンターを用いて、残留溶媒量3質量%〜10質量%である時に100℃の雰囲気下で長手方向に0.98倍、幅方向に1.1倍に延伸し、幅把持を解放して、多数のロールで搬送させながら125℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、幅2000mm、長さ2500m、膜厚80μmの長尺広幅のセルロースエステルフィルムを作製した。
《クリアハードコート層形成用塗布組成物の調整》
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100質量部
(2量体及び3量体以上の成分を含む)
光反応開始剤(イルガキュア184 チバスペシャルティケミカルズ社製) 4質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
メチルエチルケトン 75質量部
これらの素材を混合しクリアハードコート層形成用塗布液とした。粘度は5.8mPa・sであった。粘度は、東機産業(株)製B型粘度計を使用し、25℃で測定した値を示す。
《クリアハードコート層の形成》
準備したセルロースエステルフィルム2500mを使用し、一方の面に調整したクリアハードコート層形成用塗布液を図1に示す生産装置で図2に示す分割壁で第1減圧室と第2減圧室とに分割した減圧室を有する塗布ヘッドを使用し、各減圧室の減圧度はともに同じ値とした。図4に示すフローに従って、塗布開始時の塗布、塗布定常時の塗布を経てクリアハードコート層を有する光学用フィルムを作製し、実施例1〜24及び比較例1〜16とした。尚、塗布条件として、セルロースエステルフィルム搬送速度50m/min、乾燥温度120℃で1分間乾燥した後、紫外線照射強度150mJ/cm2で硬化処理を行い、他の条件を表1、表2に示す。また、塗布開始時から10m走行後に塗布定常状態に移行した。塗布開始から塗布定常時の条件までを10mとしたのは、塗布開始時における塗布状態を比較するためであり、通常は、塗布状態が安定した時点で塗布定常時の条件に移行することができる。また、塗布定常時の条件は、予め予備実験を行って、必要な膜厚を安定して形成できる条件を決めている。
(評価)
作製した実施例1〜24及び比較例1〜16の塗布開始時の塗布状態を目視で観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1、表2に示す。
◎:塗布開始から30cm未満で全幅に均一に塗布液が塗布されている。
○:塗布開始から30cm以上1m未満で全幅に均一に塗布液が塗布されている。
△:塗布開始から1m以上3m未満で全幅に均一に塗布液が塗布されている。
×:塗布開始から3m以上で全幅に均一に塗布液が塗布される、又は、3m以上でも均一に塗布されない。
Figure 2008200600
Figure 2008200600
表1、表2の結果より、塗布開始時における塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とすることにより塗布開始から3m未満で全幅に均一に塗布液が塗布されて、人手によらず、安定した塗布状態を短時間で形成でき、また、無駄になるフィルムを少なくすることができ、生産性に優れていることが分かる。
また、塗布開始時における塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とし、かつ、減圧室の減圧度を塗布定常時の0.2〜0.4倍とすることにより、より安定した塗布面を短期間に形成することができる。
また、塗布開始時における塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とし、かつ、支持体と塗布ヘッドとの間隔を50μm以上塗布定常時の間隔の0.9倍以下をすることでも、より安定した塗布面を短期間に形成することができる。
更に、塗布開始時における塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とし、かつ、減圧室の減圧度を塗布定常時の0.2〜0.4倍、支持体と塗布ヘッドとの間隔を50μm以上塗布定常時の間隔の0.9倍以下とすることで、塗布開始とほぼ同時に安定した塗布面を形成でき、最もフィルムの無駄のない生産性の高い塗布方法であることが分かる。
以上の結果から、本発明の有効性が確認された。
塗布物を生産する生産装置の模式図である。 図1のXで示される部分の拡大概略図である。 図1のYで示される部分の拡大概略図である。 図1〜図3に示す塗布装置を使用した塗布物の生産方法のフロー図である。
符号の説明
1 生産装置
2 供給工程
201 被塗布物
3 塗布工程
301 バックアップロール
302 塗布ヘッド
302a、302b ブロック
302d マニホールド
302f スリット
302g 塗布液流出部
302h、302h′ リップ面
302i サイドプレート
303 減圧室
303a 底面
303b〜303e 側壁
303f 分割壁
303A、303C 第1減圧室
303B、303D 第2減圧室
303E 第3減圧室
303g、303h 減圧吸引管
304 塗布装置
305 台座
306 架台
307 支持部材
4 乾燥工程
7 膜厚測定装置
8 ビード

Claims (6)

  1. 連続走行する帯状の支持体の上に、塗布ヘッドを用いて塗布液を塗布する塗布方法において、
    塗布開始時における前記塗布ヘッドから吐出する塗布液の流量を塗布定常時の流量の1.2〜1.5倍とすることを特徴とする塗布方法。
  2. 前記塗布ヘッドの前記支持体の走行方向に対して上流側に減圧状態に保持する減圧室を有し、
    前記塗布開始時における前記減圧室の気圧を塗布定常時の気圧の0.2〜0.4倍とすることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記塗布開始時における前記支持体と前記塗布ヘッドとの間隔を50μm以上であり、塗布定常時の間隔の0.9倍以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記支持体は、つなぎ目を有する支持体であり、
    前記つなぎ目が前記塗布ヘッドの上流側に来たときに前記塗布ヘッドを退避させ、前記つなぎ目が前記塗布ヘッドを通過後に前記塗布ヘッドにより塗布を開始する塗布方法であって、
    前記塗布開始時は前記つなぎ目が塗布部を通過した後であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の塗布方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の塗布方法により得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とする光学用フィルム。
  6. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の塗布方法により得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とする反射防止フィルム。
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