JP2004108456A - 部品の取付構造 - Google Patents

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Nozomi Arita
有田 望
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Abstract

【課題】部品の取付位置や取付姿勢のばらつきを良好に吸収しながら、所定の取付部位に部品を容易に取り付けることができる部品の取付構造を提供する。
【解決手段】変形可能なブラケット1が取付部位に固定され、意匠部品10がブラケット1を介して取付部位に、取付固定ねじ19により締め付け固定して取り付けられる。ブラケット1には曲げ部4a,4bを介して部品取付用の取付部5が形成され、意匠部品10にはブラケット1の取付部5に当接する被取付部15が設けられる。被取付部15には位置決め孔18が形成され、ブラケット1の取付部5には位置決め孔18に嵌入する突起7が設けられる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂成形品等の部品を、ブラケットを介して所定の取付部位に、取付固定ねじを使用して取付・固定する部品の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば合成樹脂製の比較的軽量の部品を、所定の取付部位に取り付ける場合、その取付部の位置寸法のばらつき或いは部品の取付部の寸法のばらつきを吸収して、良好な姿勢でその部品を取付・固定するために、従来では、塑性変形可能なブラケットと固定ねじを用いて被取付部に取り付けることが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
具体的には図4に示すように、例えば、自動車室内の意匠部品20を、自動車の天井部或いは側壁部のボディパネル21に対し固定すると共に、意匠部品20の上部をクリップ22を介して、上方部材23に固定して、部品を車室内に取り付ける場合、先ず塑性変形可能でタッピング孔24aを持ったブラケット24を、ボディパネル21に固定ねじ26で締め付け固定する。
【0004】
そして、意匠部品20の取付部に設けた取付孔20aを、ブラケット24のねじ孔24a近傍に位置させながら、意匠部品20の上部に設けたクリップ22を、上方部材23の嵌合孔23aに嵌め込むように、意匠部品20を持ち上げ、クリップ22を上方部材23の嵌合孔23aに嵌め込むと共に、ブラケット24のタッピング孔24aの部分に、意匠部品20の取付孔20aの箇所を押し付けて位置決めし、意匠部品20の取付孔20aとブラケット24のタッピング孔24aを合わせ、そこにタッピングねじ25をねじ込むようにしている。
【0005】
しかしながら、このとき、意匠部品20の取付孔20aをブラケット24のねじ孔24aに合わせるように、意匠部品20を押上げていくと、図4のように、ブラケット24には意匠部品20の動きを規制する部分がないために、意匠部品20の取付孔20aとブラケット24のねじ孔24aの位置がずれた状態となり易い。このため、その状態で、タッピングねじ25を取付孔20aからねじ孔24aにねじ込もうとしても、適正にねじ込むことができず、ねじが不正な角度でねじ込まれた場合、ねじ山がつぶれて締め付け固定ができなくなる虞があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、部品の取付位置や取付姿勢のばらつきを良好に吸収しながら、所定の取付部位に部品を容易に取り付けることができる部品の取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の部品の取付構造は、変形可能なブラケットが取付部位に固定され、部品がブラケットを介して取付部位に、取付固定ねじにより締め付け固定して取り付けられる部品の取付構造において、ブラケットには曲げ部を介して部品取付用の取付部が形成され、部品にはブラケットの取付部に当接する被取付部が設けられ、被取付部には位置決め孔が形成されると共に、ブラケットの取付部には位置決め孔に嵌入する突起が設けられ、取付部にはねじ孔部が設けられ、部品の被取付部をブラケットの取付部に当接させ、突起を位置決め孔に嵌入して部品をブラケットに対し位置決めした状態で、ねじ孔部に取付固定ねじをねじ込み締め付け固定したことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記部品の被取付部の近傍に、その被取付部の取付面に対し任意の角度を持った当接部を形成し、上記ブラケットの取付部の先端側に、その当接部に接合する曲折部を上記角度だけ曲折して形成するとよい。
【0009】
【作用】
上記構成の部品の取付構造では、部品をブラケットの近傍に位置させ、部品の被取付部をブラケットの取付部側に近づけるように保持する。このとき、部品の当接部がブラケット先端の曲折部の先端に当接し、ブラケットの上部を取付部位側に徐々に変形させていく。この操作により、部品の被取付部がブラケットの取付部の取付面に接合し、且つその上の曲折部が部品の当接部に接合した状態となり、このとき、ブラケットの取付面から突出する突起が部品の被取付部の位置決め孔に嵌入する。
【0010】
これにより、部品の被取付部は、ブラケットに対し正確な位置に位置決めされた状態となり、部品は正確な位置に仮止めされた状態となる。したがって、この状態で、取付固定ねじを部品とブラケットのねじ孔部にねじ込めば、取付固定ねじは正常にねじ孔部にねじ込まれ、部品はブラケットに締め付け固定される。
【0011】
このように、部品を変形可能なブラケットの取付部に近づけ被取付部を接合させれば、部品の取付位置や取付姿勢のばらつきを良好に吸収しながら、容易にねじ孔部の位置決めを正確に行なうことができ、その状態で、ねじ孔部に取付固定ねじをねじ込んで締め付ければよいから、部品を取付部位に極めて容易に且つ正常に取り付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の部品の取付構造に使用するブラケット1の斜視図を示している。このブラケット1は、金属板を所定の形状に曲げて形成され、その下部に固定孔3を穿設した固定部2が形成され、その固定部2の上に塑性変形可能な曲げ部4a,4bが形成される。固定部2は、後述の例えばボディパネル11に固定ねじ14とナット14aで締付け固定される部分として形成され、曲げ部4a,4bは、金属板を例えば約120度の角度に曲げて形成され、その前後の角度で塑性変形可能である。
【0013】
曲げ部4a,4bの上部には平板上の取付部5が形成され、取付部5にはその背面側に例えば溶接ナットが取付孔に連通して固着され、ねじ孔部6を形成している。さらに、そのねじ孔部6の下部には、金属板の一部を取付部5の取付面側に切り起こすことにより、突起7がその取付面側に突出して形成されている。さらに、取付部5の上部には、取付部5に対し取付面側に略直角に曲折して、曲折部8が形成されている。曲折部8は取付部5に対し直角に曲げて形成される。
【0014】
一方、このブラケット1を用いて被取付部のボディパネル11の所定位置に取り付けられる意匠部品10は、例えば合成樹脂製のカバー体として形成され、ブラケット1の取付部5に当接可能な被取付部15を有すると共に、その被取付部15の上部に、ブラケット1の曲折部8が当接する当接部16が形成される。
【0015】
この当接部16は被取付部15の上側に略直角の位置関係で形成される。また、意匠部品10の被取付部15には、取付固定ねじ19を挿入するための挿通孔17と、その下に上記ブラケット1側の突起7を位置決めして嵌め込むための位置決め孔18が形成される。
【0016】
さらに、図2に示すように、意匠部品10の上部には、その上部を上方部材13(例えば車室内の上方に設置された機器の一部)に固定するためのクリップ12が上向きに固定される。上方部材13にはクリップ12が嵌着される嵌着孔13aが形成されている。
【0017】
上記構成の意匠部品10は、上記ブラケット1を用いて次のように、機器の上方部材13とボディパネル11間に取り付けられる。
【0018】
先ず、ブラケット1が、その下部の固定部3をボディパネル11の所定位置に当接した状態で、固定ねじ14をその固定孔3に挿通させ、ナット14aにねじ込んで、締め付け固定される。この状態で、ブラケット1は、図2に示すように曲げ部4a,4bを介してその上部(取付部5)を前後方向に塑性変形可能に装着される。
【0019】
次に、図2に示すように、意匠部品10を所定位置に位置させ、持ち上げると共にブラケット1側に斜め上方に押上げるようにする。このとき、図2のように、先ず意匠部品10の当接部16がブラケット1の上端の曲折部8の先端に当接し、ブラケット1の上部をボディパネル11側に徐々に塑性変形させていく。この操作により、意匠部品10の被取付部15がブラケット1の取付部5の取付面に重なり合い、且つその上の曲折部8が意匠部品10の当接部16に重なり合う状態となり、このとき、ブラケット1の取付面から突出する突起7が意匠部品10の被取付部15の位置決め孔18に嵌入する。
【0020】
これにより、意匠部品10の被取付部15は図2の下図に示すように、ブラケット1に対し正確な位置に位置決めされた状態となる。また、このとき、意匠部品10の上部に上向きに取り付けたクリップ12が上方部材13の嵌合孔13aに嵌入され、意匠部品10は正確な位置に仮止めされた状態となる。
【0021】
したがって、この状態で、取付固定ねじ19を意匠部品10の挿通孔17から差し込めば、取付固定ねじ19の先端はブラケット1のねじ孔部6に進入し、その状態で、取付固定ねじ19を回せば、図3のように、取付固定ねじ19はねじ孔部6にねじ込まれ、意匠部品10はブラケット1に締め付け固定される。
【0022】
このように、意匠部品10をブラケット1を用いて取り付ける場合、意匠部品10を所定位置で持ち上げるように保持するだけで、意匠部品10の被取付部15をブラケット1の取付部5の正確な位置に、位置決めして仮止めすることができるから、その状態で、取付固定ねじ19を挿通孔17からねじ孔部6にねじ込めば、極めて容易に締め付け固定を行なって、意匠部品を取り付けることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の部品の取付構造によれば、部品をブラケットに固定する際、部品の被取付部を変形可能なブラケットの取付部に近づけ、その被取付部を接合させれば、部品の取付位置や取付姿勢のばらつきを良好に吸収しながら、ブラケットの取付部の突起が部品の被取付部の位置決め孔に嵌入し、ねじ孔部の位置決めを容易に且つ正確に行なうことができる。したがって、ブラケットの取付部と部品の被取付部が正確に位置決めされた状態で、そのねじ孔部に取付固定ねじをねじ込んで締め付ければ、取付固定ねじはねじ孔部に正常にねじ込まれ、部品をブラケットを介して取付部位に極めて容易に且つ良好に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブラケットの斜視図である。
【図2】部品を取り付ける際の取付構造を示す断面図である。
【図3】部品を取り付けた状態の断面図である。
【図4】従来の部品の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1−ブラケット
2−固定部
4a,4b−曲げ部
5−取付部
6−ねじ孔部
7−突起
8−曲折部
10−意匠部品
11−ボディパネル
15−被取付部
16−当接部
18−位置決め孔
19−取付固定ねじ

Claims (2)

  1. 変形可能なブラケットが取付部位に固定され、部品が該ブラケットを介して該取付部位に、取付固定ねじにより締め付け固定して取り付けられる部品の取付構造において、
    該ブラケットには曲げ部を介して部品取付用の取付部が形成され、該部品には該ブラケットの該取付部に当接する被取付部が設けられ、該被取付部には位置決め孔が形成されると共に、該ブラケットの該取付部には該位置決め孔に嵌入する突起が設けられ、該取付部にはねじ孔部が設けられ、該部品の被取付部を該ブラケットの該取付部に当接させ、該突起を該位置決め孔に嵌入して該部品をブラケットに対し位置決めした状態で、該ねじ孔部に前記取付固定ねじをねじ込み締め付け固定したことを特徴とする部品の取付構造。
  2. 前記部品の被取付部の近傍に、該被取付部の取付面に対し任意の角度を持った当接部が形成され、前記ブラケットの取付部の先端側には該当接部に接合する曲折部が該角度だけ曲折して形成されていることを特徴とする請求項1記載の部品の取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006226307A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Kyocera Mita Corp 板金部材と他の部材との連結構造
WO2017212518A1 (ja) * 2016-06-06 2017-12-14 河西工業株式会社 樹脂成形体の取付け構造

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