JP2004108171A - ポンプ異常診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1つのSCVで複数の圧送系統のポンプ圧送量を制御するタイプのサプライポンプのポンプ異常診断装置において、サプライポンプの複数の圧送系統毎の360°CA間のポンプ吐出量を算出し、少なくとも1つ以上の圧送系統のみ360°CA間のポンプ吐出量が、ポンプ正常時の1圧送系統の圧送量から算出される判定スレッシュよりも少ない場合には、当該圧送系統に圧送不良故障が発生していると診断する。また、少なくとも1つ以上の圧送系統のみ360°CA間のポンプ吐出量が判定スレッシュよりも多い場合には、当該圧送系統に過剰圧送故障が発生していると診断する。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式燃料噴射装置のコモンレール内に高圧燃料を圧送するための高圧供給ポンプの各圧送系統毎の異常故障を検出することが可能なポンプ故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとして知られる蓄圧式燃料噴射システムでは、コモンレール内に高圧燃料を蓄圧し、コモンレールより分岐する複数のインジェクタから所定のタイミングでエンジンの各気筒に燃料を噴射するように構成されている。コモンレールには、燃料の噴射圧力に相当する高圧燃料を常時蓄圧する必要があるために、高圧供給ポンプから燃料配管を経て高圧燃料が圧送され、このポンプ圧送量(ポンプ吐出量)を制御することにより、コモンレール内の燃料圧力(実コモンレール圧力)が目標燃料圧力(目標コモンレール圧力)と略一致するようにフィードバック制御している。
【0003】
ここで、上記のような蓄圧式燃料噴射システムに使用される可変吐出量型高圧供給ポンプの複数の圧送系統(第1、第2電磁弁、第1、第2高圧ポンプ)毎の圧送不良を検出するポンプ異常診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、故障した圧送系統を特定するために、アイドル安定状態の時の基準圧力パターンを検出した後に、2つの電磁弁のうちの一方の第1電磁弁を閉弁して第1高圧ポンプの作動を停止し、また、2つの電磁弁のうちの他方の第2電磁弁を閉弁して第2高圧ポンプの作動を停止し、その前後で圧力パターンが変化しない場合、つまり第1、第2停止圧力パターンと基準圧力パターンとが一致していると判断された場合に、その圧送系統の圧送不良故障を特定するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3033214号公報(第1−7頁、図11−図13)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のポンプ異常診断装置においては、圧送系統毎に1つずつ電磁弁を備えている可変吐出量型高圧供給ポンプの場合にしか適用できず、1つの電磁弁で複数の圧送系統への吸入燃料量を弁孔の開口面積を変更することでポンプ圧送量またはポンプ吐出量を調量する吸入調量型の高圧供給ポンプの場合には、複数の圧送系統毎の圧送不良故障を検出することができないという問題があった。
【0006】
さらに、故障検出のプロセスに電磁弁の停止動作を含むため、アイドル安定状態等の低圧力、低回転速度時に、正常な電磁弁の作動を停止した結果として、コモンレール圧力の低下を招き、燃料噴射が不安定となったり、場合によってはエンジンが停止(例えばコモンレール圧力が下がり過ぎて、インジェクタが燃料をエンジンの気筒内に噴射できない場合、あるいはエンジンを運転するのに充分な噴射量の燃料噴射ができない場合等)する可能性があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、高圧供給ポンプの圧送不良や過剰圧送等の異常故障の検出のための特別な操作を行うことなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統のうち少なくとも1つ以上の圧送系統に発生した異常故障を精度良く検出することのできるポンプ異常診断装置を提供することにある。また、高圧供給ポンプの圧送不良の故障と、ガス欠による圧送不良とを確実に区別することのできるポンプ異常診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を推定し、この推定した複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を、判定値と比較する。そして、少なくとも1つ以上の圧送系統のみ、つまり特定の圧送系統のみポンプ圧送量が判定値よりも過剰または不足している場合には、当該圧送系統に過剰圧送または圧送不良等の異常故障が発生していると診断する。それによって、異常故障の検出のための特別な操作を実施することなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎の過剰圧送または圧送不良等の異常故障の発生を診断できるので、燃料の噴射圧力(コモンレール内の燃料圧力)の低下を防止できる。これにより、過剰圧送または圧送不良等の異常故障の診断中に、内燃機関への燃料噴射の不安定やエンジン停止を防止することができる。
【0009】
ここで、高圧供給ポンプの圧送系統とは、燃料タンクから低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプから、複数のプランジャによって燃料を加圧する複数の加圧室までの複数の燃料吸入経路、これらの燃料吸入経路に設置された吸入チェック弁、複数の燃料吸入経路のうちの少なくとも1つ以上の燃料吸入経路に設置された吸入調量弁等の電磁弁、複数の加圧室から複数の吐出口までの複数の燃料圧送経路、これらの燃料圧送経路に設置された複数の吐出弁または複数の高圧逆止弁等を指す。したがって、電磁弁を1圧送系統毎に1個ずつ備える高圧供給ポンプの場合には、電磁弁の固着による圧送不良または過剰圧送を圧送系統毎に検出することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、全ての圧送系統でポンプ圧送量が判定値よりも不足している場合には、例えば燃料タンク内の燃料残量が所定値以下のガス欠として(過剰圧送または圧送不良等の異常故障の診断より)除外する。また、全ての圧送系統でポンプ圧送量が判定値よりも過剰である場合には、全ての圧送系統で過剰圧送が発生していると診断することにより、圧送不良の故障と、ガス欠による圧送不良とを確実に区別することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を推定し、圧送系統毎のポンプ圧送量の前回圧送量と今回圧送量との差を算出し、複数の圧送系統毎の前回圧送量と今回圧送量との差を、判定値と比較する。そして、全ての圧送系統毎の前回圧送量と今回圧送量との差が判定値よりも過剰または不足している場合には、当該圧送系統に過剰圧送または圧送不良等の異常故障が発生していると診断する。それによって、異常故障の検出のための特別な操作を実施することなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎の過剰圧送または圧送不良等の異常故障の発生を診断できるので、燃料の噴射圧力(コモンレール内の燃料圧力)の低下を防止できる。これにより、過剰圧送または圧送不良等の異常故障の診断中に、内燃機関への燃料噴射の不安定やエンジン停止を防止することができる。
【0012】
ここで、1つの電磁弁で複数の圧送系統への吸入燃料量を調量する高圧供給ポンプの場合には、過剰圧送は電磁弁の固着によって発生し、特定の圧送気筒に発生するのではなく、全ての圧送系統で同時発生するため、請求項3に記載の発明では故障圧送系統の特定は不可能であるが、圧送不良に関しては、吸入チェック弁、高圧逆止弁を圧送系統毎に各々1個ずつ備えるため、故障圧送系統の特定が可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、判定値は、エンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力のうち少なくとも1つ以上を基準にして設定されることを特徴とする。また、請求項5に記載の発明によれば、判定値は、高圧供給ポンプの全圧送系統が正常な場合の1圧送系統当たりのポンプ圧送量またはポンプ吐出量を基準にして設定されることを特徴としている。ここで、例えば吸入調量弁等の電磁弁への駆動電流値とエンジン回転速度とによって高圧供給ポンプの全圧送系統が正常な場合の1圧送系統当たりのポンプ圧送量またはポンプ吐出量を算出するようにしても良い。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、燃料圧力検出手段によって検出されるコモンレール内の燃料圧力と燃料圧力決定手段によって設定される目標燃料圧力との圧力差に基づいて、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統のポンプ圧送量を制御することにより、コモンレール内の燃料圧力を目標燃料圧力に略一致するようにフィードバック制御でき、燃料噴射量の制御精度を向上できる。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化と、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、インジェクタより流出する燃料の総流出量とによって、新たなセンサ部品を追加することなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を容易に算出できる。
【0016】
請求項8に記載の発明によれば、コモンレール圧力変化量に相当するコモンレール内の燃料量変化量と、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、インジェクタより流出する燃料の総流出量とによって、新たなセンサ部品を追加することなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を容易に算出できる。
【0017】
請求項9に記載の発明によれば、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化量と、圧送期間内における、インジェクタより流出する燃料の総流出量に相当するコモンレール圧力変化量とによって、新たなセンサ部品を追加することなく、高圧供給ポンプの複数の圧送系統毎のポンプ圧送量に相当する圧力変化を算出できる。
【0018】
請求項10に記載の発明によれば、新たなセンサ部品を追加することなく、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内での、燃料噴射量、インジェクタ静的リーク量およびインジェクタ動的リーク量の総量である、圧送期間内における総流出量を算出できる。また、請求項11に記載の発明によれば、複数の圧送系統のうち少なくとも1つ以上の圧送系統の異常故障が検出された場合に、目標噴射量または目標燃料圧力またはエンジン回転速度のうちのいずれか1つ以上を所定範囲内に制限することにより、正常な圧送系統の吐出量増加による過大な負担を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態の構成]
図1ないし図9は本発明の第1実施形態を示したもので、図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した図である。
【0020】
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムは、例えば自動車等の車両に搭載された4気筒のディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)1の各気筒に噴射供給する燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール2と、このコモンレール2内に蓄圧された高圧燃料をエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する複数個のインジェクタ3と、吸入した燃料を加圧してコモンレール2内に圧送する高圧供給ポンプ(以下サプライポンプと呼ぶ)4と、複数個のインジェクタ3およびサプライポンプ4を電子制御する電子制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0021】
エンジン1の各気筒内には、連接棒を介してクランクシャフト11に連結されたピストン12が摺動自在に配設されている。コモンレール2には、連続的に燃料噴射圧力に相当する高い圧力が蓄圧される必要があり、そのためにコモンレール2に蓄圧される高圧燃料は、高圧配管13を介してサプライポンプ4から供給されている。なお、コモンレール2から燃料タンク14へ燃料をリリーフするリリーフ配管15には、コモンレール圧が限界設定圧を越えることがないように、圧力を逃がすためのプレッシャリミッタ6が取り付けられている。
【0022】
複数個のインジェクタ3は、エンジン1のシリンダブロックに各気筒に個別に対応して取り付けられており、エンジン1の各気筒のインジェクタ3への高圧燃料は、燃料噴射管16を介してコモンレール2から分配供給されている。各気筒のインジェクタ3は、各気筒毎の燃焼室内に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等から構成された電磁式燃料噴射弁である。
【0023】
これらのインジェクタ3からエンジン1の各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルに連結したコマンドピストンの背圧制御室内の燃料圧力を制御する電磁式アクチュエータとしての電磁弁への通電および通電停止により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ3の電磁弁が開弁している間、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給される。ここで、インジェクタ3からのリーク燃料または背圧制御室からの排出燃料(リターン燃料)は、燃料還流路17から燃料還流路19を経て燃料系の低圧側(燃料タンク14)にリターンされる。
【0024】
サプライポンプ4は、吸入した燃料を加圧して、高圧配管13を経てコモンレール2内に圧送する圧送系統を2つ備え、後記する1つの吸入調量弁5で、全ての圧送系統のポンプ圧送量またはポンプ吐出量を、吸入燃料量を調量することで制御するタイプの高圧供給ポンプである。このサプライポンプ4は、エンジンのクランクシャフト11の回転に伴ってポンプ駆動軸が回転することで、燃料タンク14から燃料フィルタ20を経て低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動されて上死点と下死点との間を往復運動する2個のプランジャ#1、#2と、これらのプランジャ#1、#2が各シリンダ内を往復摺動することにより吸入された燃料を加圧する2個の加圧室(プランジャ室:図示せず)と、フィードポンプから2個の加圧室へ低圧燃料を吸入するための複数の燃料吸入経路(図示せず)と、2個の加圧室から高圧配管13a、13bを経てコモンレール2内に高圧燃料を圧送するための複数の燃料圧送経路(図示せず)とを有している。2個のプランジャ#1、#2と2個のシリンダとから2個のポンプエレメント(高圧ポンプ)が構成される。
【0025】
なお、複数の燃料吸入経路には、逆流を防止するための2個の吸入チェック弁(図示せず)がそれぞれ設置されている。また、複数の燃料圧送経路には、2個の加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する2個の吐出弁(高圧逆止弁:図示せず)が設置されている。ここで、複数の燃料吸入経路、2個の吸入チェック弁、2個のプランジャ#1、#2、複数の燃料圧送経路、2個の吐出弁によって本発明の高圧供給ポンプの複数の圧送系統が構成される。
【0026】
そして、サプライポンプ4は、図2に示したように、プランジャ#1、#2が上死点(TDC)位置から下死点位置を過ぎるまでの期間が加圧室内に低圧燃料を吸入する吸入期間とされ、その後に、吐出弁が開弁している間、つまりプランジャ#1、#2(図7のポンプ▲2▼、ポンプ▲1▼に相当する)が上死点(TDC)位置に戻るまでの期間が加圧室内で加圧された高圧燃料を圧送する圧送期間とされている。また、サプライポンプ4には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ4からのリーク燃料は、燃料還流路18から燃料還流路19を経て燃料系の低圧側(燃料タンク14)にリターンされる。
【0027】
また、フィードポンプの出口部と複数の燃料吸入経路の入口部との間を連通する燃料流路(図示せず)、あるいはフィードポンプから加圧室に至る燃料吸入経路(図示せず)の途中には、その燃料流路または燃料吸入経路の開口度合を調整することで、サプライポンプ4からコモンレール2への燃料の吐出量(ポンプ吐出量またはポンプ圧送量)を変更する吸入調量弁(以下SCVと言う)5が取り付けられている。そして、SCV5は、ポンプ駆動回路(SCV駆動回路)を介してECU10から印加されるSCV駆動電流値によって電子制御されることにより、サプライポンプ4の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整する。
【0028】
このSCV5は、フィードポンプから加圧室内へ燃料を送るための燃料吸入経路の開度を調整するバルブ(図示せず)、バルブを閉弁方向に駆動するソレノイドコイル(図示せず)、およびバルブを開弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有する電磁式流量制御弁である。すなわち、SCV5は、SCV駆動回路を介してソレノイドコイルに印加されるSCV駆動電流値の大きさに比例して、サプライポンプ4の加圧室から、コモンレール2へ吐出される高圧燃料の圧送量(ポンプ吐出量)を調整して、コモンレール2内の燃料圧力、つまり各インジェクタ3からエンジン1の各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力に相当するコモンレール圧力を変更する。
【0029】
ここで、エンジン1の運転中に、各気筒の燃焼室内で燃焼した排気ガスは、排気管22を通り、バリアブルノズルターボ(VNT)23のタービンの駆動源となった後に、触媒(図示せず)、マフラー(図示せず)を経て排出される。上記のバリアブルノズルターボ23の制御は、吸気圧センサ36の信号とVNT駆動量センサ37の信号とに基づいて行われる。過給された吸入空気は、吸気管24を経て各気筒内へ導入される。そして、吸気管24の途中には、絞り弁(スロットルバルブ)25が配設され、このスロットルバルブ25の開度は、ECU10からの駆動信号により作動するリニアアクチュエータ26によって調節される。
【0030】
また、本実施形態の吸気管24には、排気管22を流れる排気ガスの一部である排気再循環ガス(EGRガス)を吸気管24へ導く排気ガス還流路27が接続されている。そして、排気ガス還流路27と吸気管24との接続口には、EGRバルブ7が設置され、排気ガス還流路27の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRガスクーラ28が設置されている。
【0031】
EGRバルブ7は、エンジン1の排気ガスの一部を吸気側に戻すための排気ガス還流路27の開度を調整するバルブ31、印加されるEGRバルブ駆動信号が大きくなる程、バルブ31を開弁方向に駆動するリニアソレノイド32、およびバルブ31を閉弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有し、EGRバルブ駆動信号の大きさに比例して、エンジン1の排気側から吸気管24へ戻るEGRガスの排気ガス還流量(EGR量)を調整する排気ガス再循環装置用電磁弁である。
【0032】
なお、EGRガスのEGR量は、吸気量センサ33と吸気温センサ34とEGRバルブ用リフトセンサ35からの信号で、所定値を保持できるようにフィードバック制御している。したがって、エンジン1の各気筒内に吸い込まれて吸気管24を通過する吸入空気は、エミッションを低減するために運転状態毎に設定されたEGR量になるようにEGRバルブ7のバルブ31の弁開度がリニアに制御され、排気管22からの排気ガスとミキシングされることになる。
【0033】
ECU10には、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(INJ駆動回路:EDU)等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0034】
ECU10は、クランク角度検出手段およびカム角度検出手段からの回転角度信号を入力するように構成されている。クランク角度検出手段は、エンジン1のクランクシャフト11に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランクシャフト11が1回転する間に1回転する回転体)38と、このシグナルロータ38の外周に多数形成されたクランク角度検出用の歯と、これらの歯の接近と離間によってNE信号パルス(図2参照)を発生する電磁ピックアップコイルよりなるクランク角度センサ41とから構成されている。このクランク角度センサ41は、シグナルロータ38が1回転(クランクシャフト11が1回転)する間に複数のNE信号パルスを出力する。そして、ECU10は、NE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う)を検出する。
【0035】
カム角度検出手段は、エンジン1の動弁系またはサプライポンプ4のカム軸29に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランクシャフト11が2回転する間に1回転する回転体)39と、このシグナルロータ39の外周に多数形成されたカム角度検出用の歯と、これらの歯の接近と離間によってG信号パルスを発生する電磁ピックアップコイルよりなるカム角度センサ42とから構成されている。このカム角度センサ42は、シグナルロータ39が1回転(カム軸29が1回転)する間に複数のG信号パルスを出力する。
【0036】
また、ECU10は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を測定するアクセル開度センサ43、エンジン1の冷却水温を検出する冷却水温センサ44、およびコモンレール2内の燃料圧力(所謂コモンレール圧)を検出する燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)45等からセンサ信号を入力するように構成されている。なお、ECU10は、車両の走行速度(車速)を測定するための車速センサ46から車速信号を入力するように構成されている。ここで、燃料還流路17には、インジェクタ3から燃料系の低圧側(燃料タンク14)へリークするインジェクタリーク温度(燃料温度:THF)を測定する燃料温度センサ(燃料温度検出手段)47が搭載されている。この燃料温度センサ47は、検出精度を上げるために各インジェクタ3の燃料還流路17の集合部分にできるだけ近い位置に搭載するのが望ましい。
【0037】
そして、ECU10は、クランク角度センサ41からのNE信号パルスより検出したエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサ43によって検出したアクセル開度(ACCP)とから基本噴射量(目標噴射量:Q)を算出する噴射量決定手段と、エンジン回転数(NE)と目標噴射量(Q)とから指令噴射時期(TFIN)を算出する噴射時期決定手段と、目標噴射量(Q)と燃料圧力センサ45によって検出されたコモンレール2内の燃料圧力(実コモンレール圧力:PC)とからインジェクタ駆動時間(噴射指令パルス長さ、噴射指令パルス時間、噴射指令パルス幅、指令噴射期間:TQ)を算出する噴射期間決定手段と、INJ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ3の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(噴射指令パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0038】
そして、ECU10は、多気筒エンジン1の運転条件または運転状態に応じた最適な噴射圧力を演算し、SCV駆動回路を介してサプライポンプ4のSCV5のソレノイドコイルを駆動する吐出量制御手段(SCV制御手段)を有している。すなわち、ECU10は、エンジン運転情報によって目標燃料圧力(目標コモンレール圧力:PFIN)を算出し、この目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するために、サプライポンプ4のSCV5のソレノイドコイルに印加するポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値または制御パルス信号)を調整して、サプライポンプ4より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量またはポンプ圧送量)を制御するように構成されている。
【0039】
さらに、より好ましくは、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、実コモンレール圧力(NPC)がエンジン回転数(NE)と目標噴射量(Q)とによって設定される目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、PID(比例積分微分)制御によって、サプライポンプ4のSCV5へのポンプ駆動信号をフィードバック制御することが望ましい。
【0040】
なお、サプライポンプ4のSCV5へのポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値または制御パルス信号)の制御は、デューティ(DUTY)制御により行うことが望ましい。すなわち、実コモンレール圧力(NPC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりの制御パルス信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、サプライポンプ4のSCV5の弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
【0041】
[第1実施形態の制御方法]
次に、本実施形態のサプライポンプの異常故障診断方法を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はポンプ吐出量異常診断方法を示したフローチャートである。
【0042】
また、図3のメインルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定の演算タイミング毎に実行される。なお、本実施形態では、図7のタイミングチャートに示したように、カムトップが#1気筒BTDC108°CA、#4気筒のBTDC108°CAであるので、最も近い割り込み角度として「BTDC108°CA」を演算タイミングとする。
【0043】
先ず、燃料圧力センサ45によって検出される実コモンレール圧力(NPC)を取り込む(ステップS1)。次に、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化量(ΔP)を算出する。すなわち、360°CA間のコモンレール圧力変化量(ΔP)を計測する(ステップS2)。具体的には、例えば360°CA前の前回の実コモンレール圧力(PCi−1)と360°CA後の今回の実コモンレール圧力(PCi)との圧力差を求める。
【0044】
次に、図4の診断許可条件判定ルーチンを用いて診断許可条件判定を実施する(ステップS3)。次に、診断許可フラグがセット(XCND=1)されているか否かを判定する(ステップS4)。この判定結果がNOの場合、つまりXCND=0の場合には、図3のメインルーチンのステップS5以降の処理を実施せずに、ポンプ吐出量異常診断を終了する。
【0045】
また、ステップS4の判定結果がYESの場合、つまりXCND=1の場合には、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、複数個のインジェクタ3より流出する燃料の総流出量を算出する。すなわち、360°CA間の総流出量を算出する(ステップS5)。具体的には、360°CA間の燃料噴射量(QINJ)の総計と360°CA間のインジェクタクリアランスリーク量(インジェクタ静的リーク量:QSL)の総計と360°CA間のインジェクタスイッチングリーク量(インジェクタ動的リーク量:QDL)の総計とを加算して360°CA間の総流出量を求める。
【0046】
ここで、インジェクタ静的リーク量(QSL)は、エンジン回転数(NE)と実コモンレール圧力(NPC)とインジェクタリーク温度(燃料温度:THF)とからマップまたは演算式を用いて算出することができる。マップの場合は、エンジン回転数(NE)および実コモンレール圧力(NPC)とインジェクタ静的リーク量の基準値(QSLBASE)との関係を予め実験等により求めて作成した特性マップ(2次元マップ)を用いてインジェクタ静的リーク量の基準値(QSLBASE)を算出する。
【0047】
続いて、燃料温度センサ47によって検出された燃料温度(THF)と燃料温度補正係数(α)との関係を予め実験等により求めて作成した特性マップ(1次元マップ)を用いて燃料温度補正係数(α)を算出する。続いて、インジェクタ静的リーク量の基準値(QSLBASE)に燃料温度補正係数(α)を乗算してインジェクタ静的リーク量(QSL)を算出する(静的リーク量算出手段)。
【0048】
また、インジェクタ動的リーク量(QDL)は、噴射指令パルス長さ(TQ)と実コモンレール圧力(NPC)とインジェクタ動的リーク量(QDL)との関係を予め実験等により求めて作成した特性マップ(2次元マップ)または演算式を用いてインジェクタ動的リーク量(QDL)を算出する(動的リーク算出手段)。また、360°CA間の燃料噴射量(QINJ)は、図7に示したように、360°CA間では#1気筒、#3気筒または#4気筒、#2気筒への燃料噴射が実施されるため、目標噴射量(Q)×2となる。なお、目標噴射量(Q)×2の代わりに、実際の燃料噴射量、あるいは基本噴射量に冷却水温(THW)や燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味した指令噴射量(QFIN)×2を用いても良い。
【0049】
次に、コモンレール圧力変化相当量を算出する。これは、360°CAのコモンレール圧力変化量(ΔP)に高圧燃料部総容積(V)を乗じた値を、体積弾性率(E)で割った値を、コモンレール圧力変化相当量(高圧燃料部をΔP昇圧に必要な容積:ΔV)とする(ステップS6)。ここで、体積弾性率Eは、実コモンレール圧力(NPC)と燃料温度(インジェクタリーク温度またはポンプオーバーフロー温度またはサプライポンプ入口温度:THF)に基づいて、下記の数1の演算式またはマップを用いて与えることができる。
【数1】
Vはコモンレール2を含む高圧燃料部総容積で、Eは燃料の体積弾性率である。
【0050】
次に、360°CA間のポンプ吐出量(1圧送系統の圧送量)を算出する。これは、下記の数2および数3の演算式に基づいて、総流出量からコモンレール圧力変化相当量(ΔV)を減算した値を、360°CA間のポンプ吐出量(1圧送系統の圧送量:QP)とする(ステップS7)。次に、図5および図6のサブルーチンを用いてポンプ吐出量異常診断を実施する(ステップS10)。次に、図9のサブルーチンを用いて異常検出時処置を実施する(ステップS11)。
【数2】
【数3】
【0051】
次に、図4は、図3のメインルーチンのステップS3の診断許可条件判定の詳細を示したフローチャートである。なお、図4の診断許可条件判定ルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定の制御タイミング(例えば100ms)毎に実行される。
【0052】
先ず、前回と今回とで目標コモンレール圧力(PFIN)の変化が小さいか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果がNOの場合には、エンジン1が加速状態または減速状態で運転されていると判断して、診断許可カウンタ(CCND)をリセットする(ステップS14)。次に、診断許可フラグ(XCND)をクリアする(ステップS15)。その後に、図4のルーチンを抜けて、図3のステップS4の判定処理でNOと判定され、ポンプ吐出量異常診断を終了する。
【0053】
また、ステップS13の判定結果がYESの場合には、前回と今回とで目標噴射量(Q)の変化が小さいか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果がNOの場合には、エンジンが加速状態または減速状態で運転されていると判断して、ステップS14の処理に進む。
【0054】
また、ステップS16の判定結果がYESの場合には、エンジンが定常運転されていると判断して、診断許可カウンタ(CCND)をカウントアップする(ステップS17)。次に、エンジンの定常状態が所定時間継続しているか否かを判定する。つまり、CCND>所定値であるか否かを判定する(ステップS18)。この判定結果がNOの場合には、ステップS15の処理に進む。
【0055】
また、ステップS18の判定結果がYESの場合には、エンジンの定常状態が所定時間継続していると判断して、診断許可フラグ(XCND)をセットする(ステップS19)。その後に、図4のルーチンを抜けて、図3のステップS4の判定処理でYESと判定され、ポンプ吐出量異常診断を継続する。
【0056】
次に、図5および図6は、図3のメインルーチンのステップS10のポンプ吐出量異常診断の詳細を示したフローチャートである。なお、図5および図6のポンプ吐出量異常診断ルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定の制御タイミング(例えば360°CA)毎に実行される。
【0057】
先ず、圧送系統カウンタをカウントアップする(ステップS21)。次に、圧送系統カウンタが圧送系統数よりも多いか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果がNOの場合には、ステップS24の処理に進む。
【0058】
また、ステップS22の判定結果がYESの場合には、圧送系統カウンタを1にセットする(ステップS23)。次に、サプライポンプ4が正常な場合の1燃料圧送系統当たりのポンプ圧送量から判定値(判定スレッシュ)を算出する(ステップS24)。次に、サプライポンプ4の1つ以上の圧送系統より吐出される360°CA間のポンプ吐出量が(判定スレッシュ+α)よりも多いか否かを判定する(ステップS25)。この判定結果がYESの場合には、特定の圧送系統のみ過剰圧送故障していると判断して、KAJO(過剰カウンタ)を1にセットする(ステップS26)。その後に、ステップS28の処理に進む。
【0059】
また、ステップS25の判定結果がNOの場合には、全ての圧送系統で過剰圧送は発生していないと判断して、KAJO(過剰カウンタ)を0にリセットする(ステップS27)。次に、サプライポンプ4の1つ以上の圧送系統より吐出される360°CA間のポンプ吐出量が(判定スレッシュ−α)よりも少ないか否かを判定する(ステップS28)。この判定結果がYESの場合には、t HUSOKU(仮不足カウンタ)を1にセットする(ステップS29)。その後に、ステップS31の判定処理に進む。
【0060】
また、ステップS28の判定結果がNOの場合には、t HUSOKU(仮不足カウンタ)を0にリセットする(ステップS30)。次に、圧送系統カウンタが1にセットされているか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果がNOの場合には、図5および図6のルーチンを抜ける。
【0061】
また、ステップS31の判定結果がYESの場合には、全ての圧送系統がt HUSOKU(仮不足カウンタ)=1にセットされているか否かを判定する(ステップS32)。この判定結果がYESの場合には、全ての圧送系統で360°CA間のポンプ吐出量が不足していると判断して、ガス欠として故障診断より除外するために、HUSOKU(不足カウンタ)を0にリセットする(ステップS33)。その後に、図5および図6のルーチンを抜ける。
また、ステップS32の判定結果がNOの場合には、特定の圧送系統のみ圧送不良故障していると判断して、HUSOKU(不足カウンタ)を1にセットする(ステップS34)。その後に、図5および図6のルーチンを抜ける。
【0062】
ここで、図7は、クランク角度、燃料吐出率、正常時圧力波形、燃料吐出率、1圧送系統圧送不能時の圧力波形を示したタイミングチャートである。また、本実施形態のように、圧送系統を2つ備える場合で、且つ1つのSCV5で全ての圧送系統のポンプ吐出量またはポンプ圧送量を調量する場合で、図7に示したように、一方の圧送系統が正常で、且つ他方の圧送系統が圧送不能となる理由は、異常な圧送系統の燃料圧送経路または吐出弁(高圧逆止弁)の異物等による閉塞または異物の噛み込みによる全開異常が考えられる。また、異常な圧送系統の燃料吸入経路または吸入チェック弁の異物等による閉塞または異物の噛み込みによる全開異常が考えられる。
【0063】
ここで、図8(a)は、圧送系統を2つ備える場合の吐出不良(圧送不良)故障を示した図である。なお、正常な圧送系統が過剰圧送となっているのは、コモンレール圧力のフィードバック制御により、異常圧送系統の吐出不良(圧送不良)を補うために、正常な圧送系統の360°CA間のポンプ吐出量またはポンプ圧送量が増加するからである。また、図8(b)は、圧送系統を2つ備える場合で、且つ1つのSCV5で全ての圧送系統のポンプ吐出量またはポンプ圧送量を調量する場合の過剰圧送故障を示した図である。この場合には、全ての圧送系統が同時に過剰圧送故障となる。また、図8(c)は、圧送系統を2つ備える場合で、且つ1つの電磁弁で1つの圧送系統のポンプ吐出量またはポンプ圧送量を調量する場合には、特定の圧送系統のみが過剰圧送故障となる。
【0064】
次に、図9は、図3のメインルーチンのステップS11の異常検出時処置の詳細を示したフローチャートである。この図9の異常検出時処置ルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)となった後に、所定の制御タイミング(例えば180°CA)毎に実行される(4気筒の場合)。
【0065】
先ず、エンジン回転数(NE)を算出する(ステップS41)。次に、アクセル開度(ACCP)を取り込む(ステップS42)。次に、少なくとも1つ以上の圧送系統に圧送不良または過剰圧送等の異常故障(フェイル)が発生しているか否かを判定する。すなわち、前述した図5のサブルーチンのKAJO(過剰カウンタ)、前述した図6のサブルーチンのHUSOKU(不足カウンタ)、後述する図11のサブルーチンのPFAIL(確定故障カウンタ)の少なくとも1つが「1」にセットされている状態であるか否かを判定する(ステップS43)。この判定結果がNOの場合には、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって目標噴射量(Q)を算出する(ステップS44)。
【0066】
次に、インジェクタ3の噴射量制御を実施する。具体的には、エンジン回転数(NE)と目標噴射量(Q)とから指令噴射時期(TFIN)を算出する。続いて、目標噴射量(Q)と実コモンレール圧力(NPC)とから指令噴射期間(インジェクタ駆動時間、噴射指令パルス長さ:TQ)を算出する。そして、INJ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ3の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(INJ噴射指令パルス)を印加する(ステップS45)。その後に、図9のルーチンを抜ける。
【0067】
また、ステップS43の判定結果がYESの場合には、アクセル開度(ACCP)を上限値(例えば10%)以下に制限する(ステップS46)。エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって目標噴射量(Q)を算出する(ステップS47)。次に、目標噴射量(Q)を上限値(例えば15mm3 /st)以下に制限する(ステップS48)。その後に、ステップS45のインジェクタ3の噴射量制御を実施する。
【0068】
[第1実施形態の効果]
以上のように、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システム用のサプライポンプ4の少なくとも1つ以上の圧送系統の圧送不良または過剰圧送を検出するポンプ異常診断装置においては、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内におけるポンプ圧送量、つまり複数の圧送系統毎の360°CA間のポンプ吐出量を算出し、この算出した複数の圧送系統毎の360°CA間のポンプ吐出量を、サプライポンプ4の正常時の1圧送系統の圧送量より与えられる判定スレッシュと比較して、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統に、圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生しているか否かを診断している。
【0069】
そして、サプライポンプ4の複数の圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統のみ、つまり特定の圧送系統のみ、360°CA間のポンプ吐出量が判定スレッシュ(または判定スレッシュ−α)よりも少ない場合には、図8(a)に示したように、当該圧送系統に圧送不良故障が発生していると精度良く診断することができる。また、サプライポンプ4の複数の圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統のみ、つまり特定の圧送系統のみ、360°CA間のポンプ吐出量が判定スレッシュ(または判定スレッシュ+α)よりも多い場合には、図8(b)、(c)に示したように、当該圧送系統に過剰圧送故障が発生していると精度良く診断することができる。
【0070】
それによって、異常故障の検出のための特別な操作を実施することなく、サプライポンプ4の複数の圧送系統毎の過剰圧送または圧送不良等の異常故障の発生を正確に、しかも精度良く診断することができるので、コモンレール2内の燃料圧力(コモンレール圧力)の低下を防止することができる。これにより、過剰圧送または圧送不良等の異常故障の診断中に、エンジン1への燃料噴射の不安定やエンジン停止(例えばコモンレール圧力が下がり過ぎて、インジェクタ3が燃料をエンジン1の各気筒内に噴射できない場合、あるいはエンジン1を運転するのに充分な燃料噴射量の燃料噴射ができない場合等)を防止することができる。ここで、サプライポンプ4の圧送不良の故障と、ガス欠による圧送不良とを区別するために、サプライポンプ4の圧送系統毎に360°CA間のポンプ吐出量を算出し、全ての圧送系統でポンプ吐出量が不足している場合には、ガス欠として圧送不良故障として診断させないようにする。
【0071】
そして、サプライポンプ4の1つ以上の圧送系統に圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生していると判断した場合には、図9の異常検出時処置を実施することによって、アクセル開度(ACCP)を所定値(例えば10%)以下に制限し、且つ目標噴射量(Q)を所定値(例えば15mm3 /st)以下に制限することで、エンジン回転数(NE)および目標コモンレール圧力(PFIN)を所定値以下に制限することができる。これにより、サプライポンプ4の正常な圧送系統の過大な負担を軽減することができるので、正常な圧送系統のプランジャとカムとの間に介在するタペットの摩耗や焼き付きを防止することができる。
【0072】
なお、タペットの摩耗や焼き付きの防止には、目標コモンレール圧力(PFIN)を所定値以下に制限することによる面圧低減に加えて、燃料噴射量(目標噴射量:Q)、エンジン回転数(NE)を所定値以下に制限することにより、サプライポンプ4のポンプ回転数を低減する必要があると、実験等により判定したため、制限量には目標コモンレール圧力(PFIN)を必ず含み、且つ燃料噴射量(目標噴射量:Q)とエンジン回転数(NE)との少なくとも一方を含むことが望ましい。
【0073】
[第2実施形態]
図10は本発明の第2実施形態を示したもので、ポンプ吐出量異常診断方法を示したフローチャートである。なお、図3のメインルーチンと同一の制御処理については同番号を付し、説明を省略する。
【0074】
ステップS4の判定結果がYESの場合、つまりXCND=1の場合には、複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、複数個のインジェクタ3より流出する燃料の総流出量に相当する360°CA間のコモンレール圧力変化を算出する。これは、総流出量に体積弾性率Eを乗算した値を、高圧燃料部総容積Vで割った値を、総流出量に相当する360°CA間のコモンレール圧力変化とする(ステップS8)。次に、360°CA間のポンプ吐出量に相当するコモンレール圧力変化を算出する。これは、総流出量相当圧力変化から360°CA間のコモンレール圧力変化を減算した値を、360°CA間のポンプ吐出量に相当する360°CA間の圧力変化とする(ステップS9)。
【0075】
次に、ステップS10で、360°CA間のポンプ吐出量に相当する360°CA間の圧力変化と、サプライポンプ4が正常な場合の1燃料圧送系統当たりのポンプ圧送量から算出される判定スレッシュ(判定値)とを比較して、特定の圧送系統のみポンプ圧送量が過剰または不足している場合に、当該圧送系統の過剰圧送または圧送不良等の異常故障を検出する。なお、第1実施形態と同様にして、全ての圧送系統で360°CA間のポンプ圧送量が不足している場合には、ガス欠として除外する。
【0076】
ここで、過剰圧送故障については、圧送系統毎に各1つずつの電磁弁でポンプ吐出量を制御するタイプのサプライポンプの場合には、圧送系統毎のポンプ圧送量を調量するための1つ以上の電磁弁の固着によって、特定の圧送系統のみ360°CA間のポンプ圧送量が過剰であることを検出することができる。また、本実施形態のように、全ての圧送系統のポンプ圧送量を1つのSCV5で制御するタイプのサプライポンプ4の場合には、全ての圧送系統のポンプ圧送量を調量するための1つのSCV5の固着によって、全ての圧送系統で同時に過剰圧送故障が発生する可能性があるため、全ての圧送系統で360°CA間のポンプ圧送量が過剰である場合には、全ての圧送系統が過剰であること(過剰圧送故障)を検出する。
【0077】
[第3実施形態]
図11および図12は本発明の第3実施形態を示したもので、図11は、図3のメインルーチンのステップS10のポンプ吐出量異常診断の詳細を示したフローチャートである。
【0078】
先ず、前回のポンプ吐出量と今回のポンプ吐出量との差の絶対値を算出する。具体的には、360°CA前の特定圧送系統の360°CA間のポンプ吐出量と360°CA後の特定圧送系統の360°CA間のポンプ吐出量との差の絶対値を算出する。あるいは図7のポンプ▲2▼の絶対値を算出する場合には、ポンプ▲1▼の360°CA間のポンプ吐出量とポンプ▲2▼の360°CA間のポンプ吐出量との差の絶対値を算出する(ステップS51)。
【0079】
次に、サプライポンプ4が正常な場合の1燃料圧送系統当たりのポンプ圧送量から判定値(判定スレッシュ)を算出する(ステップS52)。次に、前回のポンプ吐出量と今回のポンプ吐出量との差の絶対値が判定スレッシュよりも大きいか否かを判定する(ステップS53)。この判定結果がYESの場合には、故障監視カウンタ(CFAIL)をカウントアップする(ステップS54)。その後に、ステップS56の判定処理に進む。
【0080】
また、ステップS53の判定結果がNOの場合には、故障監視カウンタ(CFAIL)をカウントダウンする(ステップS55)。次に、故障監視カウンタ(CFAIL)が所定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS56)。この判定結果がYESの場合には、圧送不良または過剰圧送が特定圧送系統に発生していると判断して、確定故障カウンタ(PFAIL)を1にセットする(ステップS57)。その後に、図11のルーチンを抜ける。
【0081】
また、ステップS56の判定結果がNOの場合には、圧送不良または過剰圧送が特定圧送系統に発生していないと判断して、確定故障カウンタ(PFAIL)を0にリセットする(ステップS58)。その後に、図11のルーチンを抜ける。
【0082】
ここで、本実施形態のポンプ吐出量異常診断を図12に基づいて簡単に説明する。図12(a)のグラフからも確認できるように、圧送不良故障もしくは過剰圧送故障が特定圧送系統に発生した場合には、本実施形態のように、2つの圧送系統を備えるサプライポンプ4の場合には、コモンレール圧力のフィードバック制御により、異常圧送系統の吐出不良を補うために、正常な圧送系統の吐出量が増加するからである。
【0083】
また、圧送系統毎にポンプ圧送量を算出し、前回のポンプ圧送量と今回のポンプ圧送量との差の絶対値を用いて故障診断を行う診断方法においては、図12(b)に示したように、前回のポンプ圧送量と今回のポンプ圧送量との差の絶対値が判定スレッシュを越えているので、圧送不良故障もしくは過剰圧送故障が特定圧送系統に発生していると判断でき、異常故障と診断することができる。
【0084】
なお、全ての圧送系統が過剰圧送になった場合には、前回のポンプ圧送量と今回のポンプ圧送量との差の絶対値を用いて故障診断を行う診断方法では検出することができない可能性がある。また、全ての圧送系統が圧送不良になった場合には、ガス欠の可能性があるが、この診断方法であれば異常故障と診断させずに済む。すなわち、ガス欠時には、全圧送系統でポンプ圧送量が不足するため、前回のポンプ圧送量と今回のポンプ圧送量との差として現れないことを利用してガス欠による圧送不良と区別することができる。さらに、前回のポンプ圧送量と今回のポンプ圧送量との差の絶対値を用いることによって、インジェクタ静的リーク量、インジェクタ動的リーク量の算出モデルと現物との誤差(バラツキ、モデル同定誤差)をキャンセルできるので、圧送不良もしくは過剰圧送等の異常故障の診断精度を向上することができる。
【0085】
[第4実施形態]
図13は本発明の第4実施形態を示したもので、図5のサブルーチンのステップS24もしくは図11のサブルーチンのステップS52における、判定スレッシュを算出する制御ロジックを示した図である。
【0086】
本実施形態のECU10は、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とに応じて目標噴射量(Q)を演算する噴射量決定手段と、この噴射量決定手段によって設定された目標噴射量(Q)と燃料圧力センサ45によって検出される実コモンレール圧力(NPC)と基本判定値と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって基本判定値を演算する基本判定値決定手段(101)と、エンジン回転数(NE)と補正係数と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって補正係数を演算する補正係数決定手段(102)と、基本判定値決定手段(101)によって設定された基本判定値に、補正係数決定手段(102)によって設定された補正係数を乗算して、判定スレッシュを算出する判定スレッシュ決定手段とを備えている。
【0087】
以上により、予め定める判定値(判定しきい値、判定スレッシュ)を、少なくとも目標噴射量(Q)と実コモンレール圧力(NPC)とエンジン回転数(NE)とを用いて与えることができる。また、予め定める判定値(判定しきい値、判定スレッシュ)を、サプライポンプ4の正常時の1燃料圧送系統当たりの360°CA間のポンプ圧送量で与えることができる。さらに、サプライポンプ4の正常時の1燃料圧送系統当たりの360°CA間のポンプ圧送量を、目標噴射量(Q)、実コモンレール圧力(NPC)、エンジン回転数(NE)のうちの少なくとも1つ以上を用いて与える補正係数で補正しても良い。
【0088】
[第5実施形態]
図14は本発明の第5実施形態を示したもので、図5のサブルーチンのステップS24もしくは図11のサブルーチンのステップS52における、判定スレッシュを算出する制御ロジックを示した図である。
【0089】
本実施形態のECU10は、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とに応じて目標噴射量(QFIN)を演算する噴射量決定手段と、エンジン回転数(NE)と目標噴射量(QFIN)とに応じて目標コモンレール圧力(PFIN)を演算する目標コモンレール圧力決定手段と、噴射量決定手段によって設定された目標噴射量(QFIN)と目標コモンレール圧力決定手段によって設定される目標コモンレール圧力(PFIN)と基本判定値と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって基本判定値を演算する基本判定値決定手段(101)と、エンジン回転数(NE)と補正係数と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって補正係数を演算する補正係数決定手段(102)と、噴射量決定手段によって設定された目標噴射量(QFIN)とオフセット値と予め実験等により測定して作成された特性マップとによってオフセット値を演算するオフセット値決定手段(103)と、基本判定値決定手段(101)によって設定された基本判定値に、補正係数決定手段(102)によって設定された補正係数を乗算した値に、オフセット値決定手段(103)によって設定されたオフセット値を加算して、判定スレッシュを算出する判定スレッシュ決定手段とを備えている。
【0090】
以上により、第4実施形態と同様にして、予め定める判定値(判定しきい値、判定スレッシュ)を、少なくとも目標噴射量(Q)と実コモンレール圧力(NPC)とエンジン回転数(NE)とを用いて与えることができる。また、予め定める判定値(判定しきい値、判定スレッシュ)を、サプライポンプ4の正常時の1燃料圧送系統当たりの360°CA間のポンプ圧送量で与えることができる。さらに、サプライポンプ4の正常時の1燃料圧送系統当たりの360°CA間のポンプ圧送量を、目標噴射量(Q)、実コモンレール圧力(NPC)、エンジン回転数(NE)のうちの少なくとも1つ以上を用いて与えるオフセット値または補正係数で補正しても良い。
【0091】
[第6実施形態]
図15は本発明の第6実施形態を示したもので、図3のメインルーチンのステップS11の異常検出時処置の詳細を示したフローチャートである。この図15のフローチャートは、360°CA毎に実行される(本実施形態の場合)。
【0092】
先ず、エンジン回転数(NE)を算出する(ステップS61)。次に、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって目標噴射量(Q)を算出する(ステップS62)。次に、エンジン回転数(NE)と目標噴射量(Q)と予め実験等により測定して作成された特性マップとによって目標コモンレール圧力(PFIN)を算出する(ステップS63)。
【0093】
次に、少なくとも1つ以上の圧送系統に圧送不良または過剰圧送等の異常故障(フェイル)が発生しているか否かを判定する。すなわち、図5のサブルーチンのKAJO(過剰カウンタ)、図6のサブルーチンのHUSOKU(不足カウンタ)、図11のサブルーチンのPFAIL(確定故障カウンタ)の少なくとも1つが「1」にセットされている状態であるか否かを判定する(ステップS64)。
【0094】
この判定結果がNOの場合には、実コモンレール圧力(NPC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力差に応じて、サプライポンプ4のポンプ吐出量を制御してコモンレール内の燃料圧力(コモンレール圧力)を制御する。具体的には、実コモンレール圧力(NPC)が目標コモンレール圧力(PFIN)と略一致するように、PID(比例積分微分)制御によって、サプライポンプ4のSCV5へのポンプ駆動信号をフィードバック制御する(ステップS65)。その後に、図15のルーチンを抜ける。
【0095】
また、ステップS64の判定結果がYESの場合には、目標コモンレール圧力(PFIN)を所定値(例えば50MPa)以下に制限する(ステップS66)。その後に、ステップS65のポンプ吐出量制御(コモンレール圧力制御)を実施する。以上のように、少なくとも1つ以上の圧送系統に圧送不良または過剰圧送等の異常故障(フェイル)が発生している場合には、正常な圧送系統の過大な負担を軽減するために、目標コモンレール圧力(PFIN)を所定値(例えば50MPa)以下に制限することで、サプライポンプ4のタペットの焼き付きを防止することができる。
【0096】
[他の実施形態]
本実施形態では、燃料圧力センサ45をコモンレール2に直接取り付けて、コモンレール2内に蓄圧される実コモンレール圧力(NPC)を検出するようにしているが、燃料圧力検出手段をサプライポンプ4のプランジャ室(加圧室)からインジェクタ3内の燃料通路までの間の燃料配管等に取り付けて、サプライポンプ4の加圧室より吐出された燃料圧力を検出するようにしても良い。
【0097】
本実施形態では、エンジンの運転条件に応じて設定される目標噴射量として、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とに応じて設定される基本噴射量(Q)を用いたが、エンジンの運転条件に応じて設定される目標噴射量として、その基本噴射量(Q)に、エンジン冷却水温(THW)や燃料温度(THF)等を考慮した噴射量補正量を加味して算出される指令噴射量(QFIN)を用いても良い。
【0098】
ここで、本実施形態では、エンジン1の運転条件を検出する運転条件検出手段としてクランク角度センサ41、アクセル開度センサ43、冷却水温センサ44および燃料温度センサ47を用いて基本噴射量(Q)、指令噴射量(QFIN)、指令噴射時期(TFIN)、目標コモンレール圧力(PFIN)を演算するようにしているが、運転条件検出手段としてのその他のセンサ類(例えば吸気温センサ、吸気圧センサ、気筒判別センサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運転情報)を加味して指令噴射量(QFIN)、指令噴射時期(TFIN)、目標コモンレール圧力(PFIN)を補正するようにしても良い。
【0099】
本実施形態では、本発明を、1つのSCV5等の電磁弁で複数の圧送系統への吸入燃料量を開口面積を調整することで調量するタイプのサプライポンプ4の複数の圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統に、圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生しているか否かを判断するポンプ異常診断装置(ポンプ故障診断装置)に適用した例を説明したが、本発明を、圧送系統毎に1つの電磁弁を備えたサプライポンプの複数の圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統に、圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生しているか否かを判断するポンプ故障診断装置に適用しても良い。
【0100】
本実施形態では、本発明を、2つの圧送系統を有するサプライポンプ4の2つの圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統に、圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生しているか否かを判断するポンプ故障診断装置に適用した例を説明したが、本発明を、3つ以上の圧送系統を有するサプライポンプ4の3つ以上の圧送系統のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統に、圧送不良または過剰圧送等の異常故障が発生しているか否かを判断するポンプ故障診断装置に適用しても良い。また、本発明を、蓄圧式燃料噴射装置用のサプライポンプ4ではなく、コモンレールを持たない燃料噴射システム用の分配型燃料噴射ポンプのポンプ故障診断装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図2】NE信号パルス、サプライポンプのプランジャ#2位置、サプライポンプのプランジャ#1位置の推移を示したタイミングチャートである(第1実施形態)。
【図3】ポンプ吐出量異常診断方法を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図4】診断許可条件判定の詳細を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図5】ポンプ吐出量異常診断の詳細を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図6】ポンプ吐出量異常診断の詳細を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図7】クランク角度、燃料吐出率、正常時圧力波形、燃料吐出率、1圧送系統圧送不能時の圧力波形を示したタイミングチャートである(第1実施形態)。
【図8】(a)〜(c)はポンプ吐出量異常診断の詳細を示した説明図である(第1実施形態)。
【図9】異常検出時処置の詳細を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図10】ポンプ吐出量異常診断方法を示したフローチャートである(第2実施形態)。
【図11】ポンプ吐出量異常診断の詳細を示したフローチャートである(第3実施形態)。
【図12】ポンプ吐出量異常診断の詳細を示した説明図である(第3実施形態)。
【図13】判定スレッシュ算出方法の一例を示した図である(第4実施形態)。
【図14】判定スレッシュ算出方法の他の例を示した図である(第5実施形態)。
【図15】異常検出時処置の詳細を示したフローチャートである(第6実施形態)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール
3 インジェクタ
4 サプライポンプ(高圧供給ポンプ)
5 SCV(吸入調量弁、電磁弁)
10 ECU(圧送量推定手段、異常故障検出手段、ポンプ異常診断装置、圧送量差検出手段)
45 燃料圧力センサ(燃料圧力検出手段)
47 燃料温度センサ(燃料温度検出手段)
Claims (11)
- (a)吸入した燃料を加圧して圧送する複数の圧送系統を有する高圧供給ポンプと、
(b)前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を推定する圧送量推定手段と、
(c)この圧送量推定手段により推定した前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を、判定値と比較し、
特定の圧送系統のみポンプ圧送量が前記判定値よりも過剰または不足している場合に、当該圧送系統の過剰圧送または圧送不良を検出する異常故障検出手段とを備えたポンプ異常診断装置。 - 請求項1に記載のポンプ異常診断装置において、
前記異常故障検出手段は、全ての圧送系統でポンプ圧送量が前記判定値よりも不足している場合に、燃料残量が所定値以下のガス欠として除外し、
全ての圧送系統でポンプ圧送量が前記判定値よりも過剰である場合に、全ての圧送系統の過剰圧送を検出することを特徴とするポンプ異常診断装置。 - (a)吸入した燃料を加圧して圧送する複数の圧送系統を有する高圧供給ポンプと、
(b)前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を推定する圧送量推定手段と、
(c)この圧送量推定手段により推定した前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量の前回圧送量と今回圧送量との差を算出する圧送量差検出手段と、
(d)この圧送量差検出手段により算出した前記複数の圧送系統毎の前回圧送量と今回圧送量との差を、判定値と比較し、
全ての圧送系統毎の前回圧送量と今回圧送量との差が前記判定値よりも過剰または不足している場合に、当該圧送系統の過剰圧送または圧送不良を検出する異常故障検出手段とを備えたポンプ異常診断装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のポンプ異常診断装置において、
前記判定値は、エンジン回転速度または燃料噴射量または燃料噴射圧力のうち少なくとも1つ以上を基準にして設定されることを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のポンプ異常診断装置において、
前記判定値は、前記高圧供給ポンプの全圧送系統が正常な場合の1圧送系統当たりのポンプ圧送量またはポンプ吐出量を基準にして設定されることを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のポンプ異常診断装置において、
(a)前記高圧供給ポンプの複数の圧送系統より吐出された高圧燃料を蓄圧すると共に、この蓄圧された高圧燃料を、内燃機関の各気筒毎に搭載された複数のインジェクタに分配供給するコモンレールと、
(b)このコモンレール内の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、
(c)エンジン回転速度とアクセル開度とによって目標噴射量を算出する噴射量決定手段と、
(d)前記目標噴射量と前記エンジン回転速度とによって目標燃料圧力を算出する燃料圧力決定手段と、
(e)前記コモンレール内の燃料圧力と前記目標燃料圧力との圧力差に基づいて、前記複数の圧送系統毎のうちの少なくとも1つ以上の圧送系統のポンプ圧送量を制御する圧力制御手段と
を備えたことを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項6に記載のポンプ異常診断装置において、
前記圧送量推定手段は、前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化を計測するコモンレール圧力変化計測手段と、
前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、前記インジェクタより流出する燃料の総流出量を推定する総流出量推定手段と
を有し、
前記圧送期間前後でのコモンレール圧力変化と前記圧送期間内における総流出量とによって、前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を算出することを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項6に記載のポンプ異常診断装置において、
前記圧送量推定手段は、前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化量を計測するコモンレール圧力変化量計測手段と、
前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、前記インジェクタより流出する燃料の総流出量を推定する総流出量推定手段と、
前記コモンレールを含む高圧燃料部の総容積および燃料の体積弾性率を用い、前記コモンレール圧力変化量に相当する、前記コモンレール内の燃料量変化量を算出する燃料量変化量算出手段と
を有し、
前記コモンレール内の燃料量変化量と前記圧送期間内における総流出量とによって、前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量を算出することを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項6に記載のポンプ異常診断装置において、
前記圧送量推定手段は、前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間前後でのコモンレール圧力変化量を計測するコモンレール圧力変化量計測手段と、
前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内における、前記インジェクタより流出する燃料の総流出量を推定する総流出量推定手段と、
前記コモンレールを含む高圧燃料部の総容積および燃料の体積弾性率を用い、前記圧送期間内における総流出量に相当するコモンレール圧力変化量を算出するコモンレール圧力変化量算出手段と
を有し、
前記圧送期間前後でのコモンレール圧力変化量と前記総流出量に相当するコモンレール圧力変化量とによって、前記複数の圧送系統毎のポンプ圧送量に相当する圧力変化を算出することを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項7ないし請求項9のうちいずれか1つに記載のポンプ異常診断装置において、
前記総流出量推定手段は、前記複数の圧送系統のうちの少なくとも1つの圧送系統が燃料を圧送する圧送期間内での、燃料噴射量、インジェクタ静的リーク量およびインジェクタ動的リーク量の総量である、前記圧送期間内における総流出量を算出することを特徴とするポンプ異常診断装置。 - 請求項6ないし請求項10のうちいずれか1つに記載のポンプ異常診断装置において、
前記複数の圧送系統のうち少なくとも1つ以上の圧送系統の異常故障が検出された場合に、前記目標噴射量または前記目標燃料圧力または前記エンジン回転速度のうちのいずれか1つ以上を所定範囲内に制限することを特徴とするポンプ異常診断装置。
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