JP4621997B2 - 燃料ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクの燃料を内燃機関へ供給する燃料ポンプの制御装置に関し、特にブラシレスモータによって駆動される燃料ポンプの制御装置に関する。
近年、小型化および省電力化を図るために、燃料ポンプの駆動源として従来のブラシモータに代えてブラシレスモータの適用が提案されている(例えば、ブラシレスモータを適用した燃料ポンプについて特許文献1、ブラシレスモータの制御方法について特許文献2参照)。このような燃料ポンプのブラシレスモータは、回路構成を簡略化するため、電源の電圧によって直接駆動される。そのため、例えば車両に搭載する場合、燃料ポンプのブラシレスモータの回転数は電源であるバッテリの電圧に依存する。すなわち、燃料ポンプによる燃料の吐出量を決定するブラシレスモータの回転数は、バッテリの電圧によって変化する。
しかしながら、ブラシレスモータにより駆動される燃料ポンプの場合、ブラシレスモータは電源の電圧によって直接駆動される。そのため、燃料ポンプから吐出される燃料の流量が変化しても、その変化が電源の電圧の変化によるものなのか、燃料ポンプの異常によるものかは判断できない。その結果、燃料ポンプの異常の検出は困難となる問題がある。
特開平03−284187号公報 特開平08−317686号公報
そこで、本発明の目的は、燃料ポンプの異常を早期に検出する燃料ポンプの制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、燃料ポンプの異常を検出すると、燃料ポンプの正常な状態への復帰を図る燃料ポンプの制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、燃料ポンプの異常によって燃料の供給量が変化しても、安定した内燃機関の運転を確保する燃料ポンプの制御装置を提供することにある。
請求項記載の発明では、電源の電圧およびブラシレスモータの回転数を検出する。異常判定手段は、検出した電源の電圧とブラシレスモータの回転数とが記憶手段にあらかじめ記憶されている電圧と回転数との関係の所定の範囲内にあるか否かを判断する。そして、異常検出手段は、その関係が所定の範囲外にあるとき、燃料ポンプに異常が生じていると判断する。例えば、ある電源電圧に対しブラシレスモータの回転数が所定の範囲の上限より大きい場合、ブラシレスモータは脱調などにより空転し、燃料ポンプからの燃料の吐出量に異常が生じていると考えられる。また、例えば、ある電源電圧に対しブラシレスモータの回転数が所定の範囲の下限より小さい場合、ブラシレスモータあるいはブラシレスモータによって駆動される燃料ポンプは異物のかみ込みなどにより回転が規制され、燃料ポンプからの燃料の吐出量に異常が生じていると考えられる。このように、異常検出手段は、電源電圧とブラシレスモータの回転数とから燃料ポンプの異常を検出している。したがって、ブラシレスモータおよび燃料ポンプの異常を早期に検出することができる。
また、異常検出手段が燃料ポンプの異常を検出すると、再起動手段はブラシレスモータを一旦停止させた後、再起動する。再起動手段は、ブラシレスモータを一旦停止させた後、再起動することにより、ブラシレスモータの回転状態を安定させる。したがって、燃料ポンプの異常が検出されても、燃料ポンプを正常な運転状態に復帰することができる。
特に、回転数検出手段で検出したブラシレスモータの回転数が所定の範囲の下限値より小さいとき、異常検出手段は、ブラシレスモータまたは燃料ポンプに異物のかみ込み異常が生じていると判断し、再起動手段は、燃料ポンプの停止、逆回転、停止、および正回転を、所定の期間または回数、繰り返し実行する。ここで、正回転とは、燃料ポンプが燃料をエンジン側へ吐出する際に回転する方向への回転であり、逆回転とは、その逆方向への回転である。これにより、異物は正回転および逆回転の繰り返しにより除去され、正常な回転状態に復帰する。したがって、燃料ポンプに異常が生じても、その原因を取り除き、燃料ポンプの確実な作動を確保することができる。
あるいは、例えばブラシレスモータの回転数が所定の範囲の上限値より大きいとき、異常検出手段は、ブラシレスモータが脱調により空転していると判断し、再起動手段は、ブラシレスモータを停止し、さらに再起動することにより、正常な回転状態に復帰する。
請求項2記載の発明では、特性調整手段は、ブラシレスモータが一旦停止された後、再起動されると、内燃機関の特性調整する。燃料ポンプに異常が生じ、燃料ポンプが停止されると、燃料ポンプからの燃料の吐出量が低下する。そのため、燃料の流量の変化によって内燃機関の運転状態が変化し、内燃機関を搭載した車両の挙動が不安定になるおそれがある。そこで、特性調整手段は、内燃機関への燃料の噴射量、または点火時期などを調整し、内燃機関の運転状態の変化を最小限にとどめる。したがって、内燃機関の運転状態の変化を低減し、安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータが停止されると、特性調整手段は、燃料の噴射期間を延長する。ブラシレスモータが停止されると、燃料ポンプからの燃料の吐出が停止する。そのため、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は低下する。そこで、特性調整手段は、燃料の噴射期間を延長することにより、内燃機関の運転を継続するために十分な燃料の噴射量を確保する。これにより、燃料ポンプが停止しても、内燃機関の運転状態の変化は低減される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータの停止期間が長くなるにしたがって、特性調整手段は、燃料の噴射期間を徐々に延長する。ブラシレスモータが停止した後、燃料の噴射が実施されるごとに、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は徐々に低下する。そのため、特性調整手段は、徐々に低下する燃料の圧力に応じて燃料の噴射期間を徐々に延長する。これにより、燃料ポンプの停止が継続しても、内燃機関の運転を継続するために十分な燃料の噴射量が確保される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータが停止されると、特性調整手段は、燃料の噴射量を増大する。ブラシレスモータが停止されると、燃料ポンプからの燃料の吐出が停止する。そのため、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は低下する。そこで、特性調整手段は、燃料の噴射量を増大すなわちリッチ化することにより、内燃機関の運転を継続するために十分な燃料を確保する。これにより、燃料ポンプが停止しても、内燃機関の運転状態の変化は低減される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータの停止期間が長くなるにしたがって、特性調整手段は、燃料の噴射量を徐々に増大する。ブラシレスモータが停止した後、燃料の噴射が実施されるごとに、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は徐々に低下する。そのため、特性調整手段は、徐々に低下する燃料の圧力に応じて燃料の噴射量を徐々に増大すなわちリッチ化する。これにより、燃料ポンプの停止が継続しても、内燃機関の運転を継続するために十分な燃料の噴射が確保される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータが停止されると、特性調整手段は、内燃機関の点火時期を進角側へ補正する。ブラシレスモータが停止されると、燃料ポンプからの燃料の吐出が停止する。そのため、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は低下する。そこで、特性調整手段は、内燃機関における混合気の点火時期を進角側へ補正することにより、内燃機関の出力トルクの変動を低減する。これにより、燃料ポンプが停止しても、内燃機関の運転状態の変化は低減される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、ブラシレスモータの停止期間が長くなるにしたがって、特性調整手段は、点火時期の進角側への補正量を徐々に増大する。ブラシレスモータが停止した後、燃料の噴射が実施されるごとに、燃料ポンプから吐出された燃料の圧力は徐々に低下し、燃料の噴射量は減少する。そのため、特性調整手段は、徐々に減少する燃料の噴射量に応じて点火時期を徐々に進角側へ補正する。これにより、燃料ポンプの停止が継続しても、内燃機関の出力トルクの変動は低減される。したがって、内燃機関の安定した運転状態を確保することができる。
請求項記載の発明では、補正手段は使用される燃料の特性に応じて記憶手段に記憶された電源の電圧とブラシレスモータの回転数との関係を補正する。近年、環境への影響を考慮し、例えばバイオエタノールなどの生物由来の燃料を用いる内燃機関が提案されている。一方、これらの生物由来の燃料は、従来のガソリンや軽油などの石油系の燃料と粘度などの特性に差が存在する。そのため、例えばガソリンの使用を前提として電源の電圧とブラシレスモータの回転数との関係を設定しても、混入するエタノールの割合によってその関係に差が生じる。そこで、補正手段は、例えば所定の電源の電圧とこの電圧に対応するブラシレスモータの回転数とから、燃料に含まれるバイオエタノールの割合を推定し、その推定した割合から記憶手段に記憶された記憶値を補正する。したがって、燃料の種類に関係なく、ブラシレスモータおよび燃料ポンプの異常を早期に検出することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(燃料ポンプの制御装置の第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置を図1に示す。図1に示す燃料ポンプの制御装置10は、制御ユニット11および燃料ポンプ30から構成されている。燃料ポンプ30は、例えば内燃機関として排気量が150cc程度のガソリンエンジンを搭載した二輪車両の燃料タンクの内部に設置される。燃料ポンプ30は、図2に示すようにポンプ部31とポンプ部31を駆動するブラシレスモータ32とを備えている。ハウジング33は、ポンプ部31およびブラシレスモータ32の双方のハウジングを形成している。ハウジング33には、ポンプケース34、ポンプカバー35およびエンドカバー36が固定されている。
ポンプ部31は、ポンプケース34、ポンプカバー35およびインペラ37を有するタービンポンプである。ポンプケース34およびポンプカバー35は、回転部材としてのインペラ37を回転可能に収容している。ポンプケース34と、ポンプカバー35と、インペラ37との間には、燃料ポンプ30の周方向へC字形状のポンプ通路38が形成されている。ポンプカバー35に設けられた吸入口39から吸入された燃料は、インペラ37の回転によりポンプ通路38で昇圧される。昇圧された燃料は、ブラシレスモータ32側に圧送され、ステータコア41とロータ42との間の燃料通路43および吐出通路44を経由して吐出口45から吐出される。
ブラシレスモータ32は、ブラシおよび整流子を有していないセンサレス駆動のブラシレスモータである。ブラシレスモータ32は、ステータコア41およびロータ42を有している。ステータコア41は、周方向に配置され、コイル46が巻かれた複数のコア47を有している。ロータ42の回転位置に応じてコイル46への通電を制御することにより、ロータ42と向き合う各コア47の内周面に形成される磁極は切り換えられる。ロータ42は、シャフト48および永久磁石49を有している。ロータ42は、ステータコア41の内周に回転可能に設置されている。シャフト48の軸方向における両端部は、それぞれ軸受部51および軸受部52に支持されている。永久磁石49は、ステータコア41と向き合う外周面側に回転方向に交互に異なる磁極を形成するように着磁されている。
図1に示すように、制御装置としての制御ユニット11は、制御回路部12およびECU20を備えている。なお、制御回路部12は、ECU20と一体の電子回路として構成してもよい。制御回路部12は、燃料ポンプ30のブラシレスモータ32へ制御信号を出力し、ブラシレスモータ32を回転駆動する。ブラシレスモータ32は、制御回路部12から出力される制御信号によってコイル46への通電が制御される。これにより、ステータコア41の各コア47の内周面に形成される磁極は切り換えられ、ロータ42は回転する。ロータ42が回転することにより、シャフト48ともにインペラ37が回転し、ポンプ通路38の燃料が加圧される。
制御回路部12は、ブラシレスモータ32の回転数を検出する回転数検出手段としての回転数検出部13を有している。回転数検出部13は、例えば制御回路部12から出力される制御信号を読み取ることによりブラシレスモータ32の回転数を検出する。回転数検出部13は、検出したブラシレスモータ32の回転数を電気信号としてECU20へ出力する。
ECU20は、CPU21、ROM22およびRAM23を有するマイクロコンピュータによって構成されている。CPU21は、例えばROM22に記録されているコンピュータプログラムによって燃料ポンプ30をはじめとするエンジン60が搭載された車両の全体を制御する。ECU20は、制御回路部12と電気的に接続されている。ECU20は、制御回路部12を経由してブラシレスモータ32を制御する。また、ECU20は、ROM22に記録されているコンピュータプログラムにしたがって作動することにより、特許請求の範囲における異常検出手段および再起動手段としても機能する。なお、ECU20は、ROM22に限らず例えばEEPROMなどの不揮発性のメモリ、またはハードディスクやDVDなどの記録媒体にコンピュータプログラムあるいは所定のデータを記録する構成としてもよい。
ECU20には、制御回路部21だけでなくエンジン制御部61に接続している。エンジン制御部61は、燃料ポンプ30によって燃料が供給されるエンジン60を制御する。本実施形態の場合、エンジン制御部61は、インジェクタ制御部62および点火時期制御部63を有している。なお、エンジン制御部61は、ECU20と一体の電子回路として構成してもよい。ECU20と、エンジン制御部61を構成するインジェクタ制御部62および点火時期制御部63とは、特許請求の範囲における特性調整手段を構成している。インジェクタ制御部62は、エンジン60に燃料を噴射するインジェクタ64を駆動する。インジェクタ64は、電磁弁であり、インジェクタ制御部62から出力される制御信号によって開閉する。インジェクタ制御部62から出力する制御信号によって、インジェクタ64から噴射される燃料の量が調整される。また、点火時期制御部63は、エンジン60に吸入された混合気に着火する点火装置65を駆動する。点火装置65は、例えば点火プラグを有しており、点火時期制御部63から出力される制御信号によって混合気の点火を断続する。これにより、点火時期制御部63から出力する制御信号によって、エンジン60に吸入された混合気の点火時期が調整される。
ECU20は、電源としてのバッテリ14から電力が供給されている。ECU20は、バッテリ14から供給された電力を燃料ポンプ30をはじめとする車両の各部へ供給する。ECU20は、バッテリ14の電圧を検出する電圧検出手段としての電圧検出部24を有している。これにより、ECU20は、電圧検出部24を経由してバッテリ14の電圧を検出する。
ECU20のROM22には、バッテリ14の電圧に対するブラシレスモータ32の回転数がマップとして記録されている。すなわち、ECU20のROM22は、特許請求の範囲における記憶手段である。ブラシレスモータ32の回転数は、図3に示すようにバッテリ14の電圧の変化にともなって変化する。ROM22に記録されているマップには、バッテリ14の電圧に対するブラシレスモータ32の基準回転数、上限値および下限値が含まれている。
(燃料ポンプの異常検出)
次に、上記の構成による燃料ポンプ30の制御装置10による燃料ポンプ30の異常検出手順について説明する。
1.異常検出の第1実施形態
異常検出の第1実施形態を図4に基づいて説明する。
ECU20は、所定の時期になると、燃料ポンプ30の異常が生じているか否かの異常判定ルーチンを実施する。異常判定ルーチンは、例えばECU20による車両全体を監視するルーチンの一つとして含まれており、エンジン60の始動後に定期的に実施される。異常判定ルーチンに移行すると、ECU20はまずバッテリ14の電圧Bを検出する(S101)。ECU20は、電圧検出部24からバッテリ14の電圧Bを入手する。ECU20は、入手したバッテリ14の電圧BをRAM23に記録する。バッテリ14の電圧を検出すると、ECU20は燃料ポンプ30のブラシレスモータ32の回転数NPを検出する(S102)。ECU20は、制御回路部12の回転数検出部13からブラシレスモータ32の回転数NPを入手する。ECU20は、入手したブラシレスモータ32の回転数NPをRAM23に記録する。
ECU20は、ステップS101で入手しRAM23に記録したバッテリ14の電圧Bに対応するブラシレスモータ32の基準回転数NP0を、ROM22に記録されているマップから算出する(S103)。ECU20は、算出した基準回転数NP0をRAM23に記録する。ECU20は、基準回転数NP0が算出されると、その基準回転数NP0に応じて上限値NP0+αおよび下限値NP0−αを算出する。
ECU20は、上限値NP0+αおよび下限値NP0−αが算出されると、ステップS102で入手したブラシレスモータ32の回転数NPが、所定の範囲内にあるか否かを判断する(S104)。すなわち、ECU20は、検出したブラシレスモータ32の回転数NPが、算出した上限値NP0+αと下限値NP0−αとの間にあるかを判断する。ブラシレスモータ32およびこれを備える燃料ポンプ30は、生産工程上のばらつきにより、ある電圧に対する回転数には図3に示すように分布がある。そこで、ECU20は、基準回転数NP0を基準に予め設定された上限値および下限値を算出し、検出したブラシレスモータ32の回転数NPが所定の範囲内にあるか否かを判断する。
ECU20は、検出したブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きい、または下限値NP0−αより小さいと判断すると、燃料ポンプ30に異常が生じていると判断する(S105)。そして、ECU20は、ポンプ異常判別フラグFFPFをFFPF=1としてRAM23に記録する(S106)。一方、ECU20は、検出したブラシレスモータ32の回転数NPが上限値と下限値との間、すなわち正常範囲であると判断すると、ポンプ異常判別フラグFFPFをFFPF=0としてRAM23に記録する(S107)。
以上の手順により燃料ポンプ30の異常検出を終了する。
2.異常検出の第2実施形態
異常検出の第2実施形態を図5に基づいて説明する。なお、異常検出の第1実施形態と実質的に同一の手順については詳細な説明を省略する。
ECU20は、異常判定ルーチンに移行すると、バッテリ14の電圧Bを検出し、検出したバッテリ14の電圧BをRAM23に記録する(S201)。また、ECU20は、燃料ポンプ30のブラシレスモータ32の回転数NPを検出し、検出したブラシレスモータ32の回転数NPをRAM23に記録する(S202)。さらに、ECU20は、ステップS201で入手したバッテリ14の電圧Bから、この電圧Bに対応するブラシレスモータ32の基準回転数NP0を算出する(S203)。そして、ECU20は、算出した基準回転数NP0に応じて燃料ポンプ30の個体差を含めた上限値NP0+β、および下限値NP0−γを算出する。
ECU20は、上限値NP0+βおよび下限値NP0−γが算出されると、ステップS202で入手したブラシレスモータ32の回転数NPが、上限値NP0+β以下であるか否かを判断する(S204)。そして、回転数NPが上限値NP0+βより大きいとき、ECU20は脱調異常判別フラグFFPF1をFFPF1=1とする(S205)。回転数NPが上限値NP0+βより大きいとき、ブラシレスモータ32は制御回路部12から出力される制御信号の位相とずれて空回りする状態すなわち脱調状態にあると考えられる。つまり、ブラシレスモータ32は、電源であるバッテリ14から供給される電圧Bに対し決定される回転数より大きな回転数で回転していると考えられる。そこで、ECU20は、回転数NPが上限値NP0+βより大きいと判断すると、ブラシレスモータ32に脱調異常が生じていると判断し、脱調異常判別フラグFFPF1=1としてRAM23に記録する。
一方、ステップS204において回転数NPが上限値NP0+β以下であると判断されると、ECU20は回転数NPが下限値NP0−γ以上であるか否かを判断する(S206)。そして、回転数NPが下限値NP0−γより小さいとき、ECU20はかみ込み異常判別フラグFFPF2をFFPF2=1とする(S207)。回転数NPが下限値NP0−γより小さいとき、ブラシレスモータ32は回転数が低下している状態であると考えられる。すなわち、ブラシレスモータ32は、電源であるバッテリ14から供給される電圧Bに対し決定される回転数より小さな回転数で回転していると考えられる。これは、例えばポンプ部31やブラシレスモータ32の回転部分に異物がかみ込んだ場合のように、燃料ポンプ30に回転の妨げとなる原因が作用した場合に生じる。そこで、ECU20は、回転数NPが下限値NP0−γより小さいと判断すると、ブラシレスモータ32または燃料ポンプ30にかみ込み異常が生じていると判断し、かみ込み異常判別フラグFFPF2=1としてRAM23に記録する。
ECU20は、ステップS206において回転数NPが下限値NP0−γ以上であると判断されると、燃料ポンプ30には異常が生じていないと判断する。そこで、ECU20は、脱調異常判別フラグFFPF1、およびかみ込み異常判別フラグFFPF2のいずれもFFPF1=0、FFPF2=0としてRAM23に記録する(S208)。
異常の手順により燃料ポンプ30の異常検出を終了する。異常検出の第2実施形態では、燃料ポンプ30の異常の有無だけでなく、異常の原因が脱調によるものか、または異物のかみ込みによるものなのかを判別することができる。
(燃料ポンプの異常復帰手順)
次に、上記の手順によって異常が検出された燃料ポンプ30の異常復帰手順について説明する。
1.異常復帰の第1実施形態
図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されると、ECU20は図6に示す異常復帰ルーチンに移行し燃料ポンプ30を異常な状態から正常な状態へ復帰させる。
ECU20は、図4に示す手順によって燃料ポンプ30の異常検出ルーチンを実施し、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S301)。ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=0のとき、燃料ポンプ30には異常が検出されていないので、ECU20は異常検出ルーチンを終了する。
ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるとき、ECU20は再起動待機カウンタCFPRSTの値が100であるか否かを判断する(S302)。再起動待機カウンタCFPRSTは、燃料ポンプ30の異常が検出され、異常復帰ルーチンが完了した時点でカウントが100となる。すなわち、再起動待機カウンタCFPRSTの初期値は、100である。そのため、ステップS301において異常復帰ルーチンへ移行した時点では、CFPRST=100となっている。
ECU20は、再起動待機カウンタCFPRSTが100となっているとき、再起動待機カウンタCFPRSTを0にセットする(S303)。すなわち、ECU20は、ポンプ異常復帰ルーチンが開始されたと判断する。そして、ECU20は、ポンプ異常復帰ルーチンが開始されると、燃料ポンプ30すなわちブラシレスモータ32への電力の供給を停止する(S304)。さらに、ECU20は、燃料ポンプ30すなわちブラシレスモータ32への電力の供給を停止すると、再起動待機カウンタCFPRSTの値を一つ進める(S305)。
そして、ECU20は、再起動待機カウンタCFPRSTが100であるか否かを判断する(S306)。再起動待機カウンタCFPRSTが100でないとき、ステップS302へリターンする。ステップS306からリターンしたとき、再起動待機カウンタCFPRSTは100でないので、ステップS302からステップS307へ移行する。ステップS307では、再起動待機カウンタCFPRSTが50であるか否かを判断する。そして、再起動待機カウンタCFPRSTが50でないとき、ステップS305へ移行し、CFPRSTの値が一つ進められる。これにより、ECU20は、再起動待機カウンタCFPRST=50になるまでブラシレスモータ32への電力の供給を停止した状態を継続する。
一方、再起動待機カウンタCFPRSTが50になると、燃料ポンプ30すなわちブラシレスモータ32への電力の供給が再開される(S308)。そして、ステップS305へ移行し、CFPRSTの値が一つ進められる。これにより、ECU20は、ブラシレスモータ32への電力の供給を継続する。そして、ステップS305で進められる再起動待機カウンタCFPRSTのカウントが100に達すると、ECU20はブラシレスモータ32が再起動されて十分な時間が経過したと判断する。したがって、ECU20は、異常復帰ルーチンを終了する(S309)。
上記のように異常復帰の第1実施形態では、再起動待機カウンタのカウントを利用して燃料ポンプ30の作動を一定期間停止させた後、燃料ポンプ30すなわちブラシレスモータ32を再起動している。これにより、例えば脱調により空転が生じた燃料ポンプ30は、脱調が解消され、正常な回転状態に復帰する。また、例えばポンプ部31に異物がかみ込んでいた場合、ブラシレスモータ32を停止することにより異物のかみ込みが解消される。したがって、ブラシレスモータ32の再起動により、燃料ポンプ30は正常な運転状態に復帰することができる。
2.異常復帰の第2実施形態
図5に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されると、ECU20は図7に示す異常復帰ルーチンに移行し燃料ポンプ30を異常な状態から正常な状態へ復帰させる。
ECU20は、図5に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されると図7に示す異常復帰ルーチンへ移行し、ポンプ再起動待機カウンタCFPRSTをCFPRST=100にセットする(S401)。また、ECU20は、ポンプ逆転判別カウンタCNFPRVをCNFPRV=0にセットする(S402)。
ECU20は、ポンプ再起動待機カウンタCFPRSTおよびポンプ逆転判別カウンタCNFPRVのセットが完了すると、脱調異常判別フラグFFPF1の状態を検出する(S403)。ECU20は、RAM23に記録されている脱調異常判別フラグFFPF1がFFPF1=1のとき、後述する第1復帰モードルーチンへ移行する(S404)。一方、脱調異常判別フラグFFPF1がFFPF1=0のとき、ECU20は燃料ポンプ30に生じている異常が脱調状態でないと判断する。
そして、ECU20は、かみ込み異常判別フラグFFPF2の状態を検出する(S405)。ECU20は、RAM23に記録されているかみ込み異常判別フラグFFPF2がFFPF2=1のとき、後述する第2復帰モードルーチンへ移行する(S406)。一方、かみ込み異常判別フラグFFPF2がFFPF2=0のとき、ECU20は燃料ポンプに異常が生じていないと判断し、異常復帰ルーチンを終了する。
・第1復帰モードルーチン
上述のステップS403において脱調異常判別フラグFFPF1がFFPF1=1と判断されたとき、ステップS404において図8に示す第1復帰モードルーチンへ移行する。
図8に示す第1復帰モードルーチンとしての脱調復帰モードは、図6に示す異常復帰モードと概ね同一であるので簡単に説明する。
ECU20は、再起動待機カウンタCFPRSTの値が100であるか否かを判断する(S501)。再起動待機カウンタCFPRSTの初期値は100である。そのため、第1復帰モードルーチンに移行した時点では、CFPRST=100となっている。
ECU20は、再起動待機カウンタCFPRSTが100となっているとき、再起動待機カウンタCFPRSTを0にセットする(S502)。そして、ECU20は、第1復帰モードルーチンが開始されると、燃料ポンプ30への電力の供給を停止する(S503)。さらに、ECU20は、燃料ポンプ30への電力の供給を停止すると、再起動待機カウンタCFPRSTの値を一つ進める(S504)。
そして、ECU20は、再起動待機カウンタCFPRSTが100であるか否かを判断する(S505)。再起動待機カウンタCFPRSTが100でないとき、ステップS501へリターンする。このとき、再起動待機カウンタは100でないので、ステップS501からステップS506へ移行する。ステップS506では、再起動待機カウンタCFPRSTが50であるか否かを判断する。そして、再起動待機カウンタCFPRSTが50でないとき、ステップS504へ移行し、CFPRSTの値が一つ進められる。これにより、ECU20は、再起動待機カウンタが50になるまで燃料ポンプ30への電力の供給を停止した状態を継続する。
一方、再起動待機カウンタCFPRSTが50になると、燃料ポンプ30への電力の供給が再開される(S507)。そして、ステップS504に移行し、CFPRSTの値が一つ進められる。これにより、ECU20は、燃料ポンプ30への電力の供給を継続する。そして、ステップS504で進められる再起動待機カウンタCFPRSTのカウントが100に達すると、ECU20は燃料ポンプ30が再起動されて十分な時間が経過したと判断する。したがって、ECU20は、第1復帰モードルーチンを終了する(S508)。
・第2復帰モードルーチン
上述の図7のステップS405においてかみ込み異常判別フラグFFPF2がFFPF2=1と判断されたとき、ステップS406において図9に示す第2復帰モードルーチンへ移行する。
ECU20は、かみ込み防止再起動待機カウンタCFPRVSSを100にセットする(S601)。そして、ECU20は、CFPRVSSが100であるか否かを検出する(S602)。第2復帰モードルーチンへ移行したとき、ステップS601においてCFPRVSSは100にセットされているので、ステップS602ではCFPRVSS=100と判断される。
ステップS602でCFPRVSS=100と判断されると、ECU20は第2復帰モードルーチンが開始されたと判断し、CFPRVSSを0に設定する(S603)。そして、ECU20は、ブラシレスモータ32すなわち燃料ポンプ30への電力の供給を停止する(S604)。さらに、ECU20は、ポンプ逆転開始カウンタCFPRVSEを100にセットする(S605)。
CFPRVSEのセットが完了すると、ECU20はCFPRVSE=0であるか否かを判断する(S606)。CFPRVSEは、ステップS605において100にセットされている。したがって、ECU20は、CFPRVSEが0になるまで、ステップS602にリターンする。ステップS603においてCFPRVSS=0にセットされているため、ステップS602へリターンしたとき、CFPRVSS=100ではない。これにより、ECU20は、ステップS611へ移行し、CFPRVSS=50であるか否かを判断する(S611)。CFPRVSS=50でないとき、CFPRVSSの値は一つ進められる(S612)。そして、CFPRVSS=50となるまで、ECU20はステップS602、S611、S606を繰り返し実行する。
CFPRVSSは、燃料ポンプ30への電力の供給が停止された期間を示している。そのため、ステップS611においてCFPRVSS=50であると判断されると、燃料ポンプ30には停止期間が十分に確保されたと考えることができる。そこで、ECU20は、燃料ポンプ30の再起動を実行する。ここで、ECU20は、ポンプ逆転判別カウンタCNFPRVの値が偶数であるか否かを判断する。CNFPRVは、図7のステップS402で0がセットされている。そのため、図9のステップS613では、CNFPRV=偶数と判断される。
ステップS613においてCNFPRV=偶数と判断されると、ECU20は燃料ポンプ30を逆転方向へ駆動する(S614)。すなわち、ECU20は、燃料ポンプ30が燃料をエンジン60側へ吐出する際に回転する正回転方向と逆方向へ燃料ポンプ30を駆動する。ECU20は、燃料ポンプ30の逆回転方向へ駆動すると、ポンプ逆転開始カウンタCFPRVSEを0に設定する(S615)。
ステップS615においてCFPRVSEは0に設定されているため、ECU20はステップS606においてCFPRVSE=0と判断する。さらに、ECU20は、ステップS621へ移行し、CFPRVSE=50ではないと判断する。これにより、ECU20は、CFPRVSEのカウントを一つ進める(S622)。そして、ECU20は、CFPRVSEが50以上であるか否かを判断する(S624)。これにより、CFPRVSE=50になるまで、ECUはステップS621およびS622を繰り返す。CFPRVSEは、ステップS614において燃料ポンプ30が逆転方向へ駆動されてからの経過期間を示している。そのため、CFPRVSE=50に達するまで、ECU20は燃料ポンプ30の駆動期間が不十分と判断する。
一方、ステップS624において、ECU20がCFPRVSE=50と判断すると、ステップS621にリターンし、ステップS623へ移行する。すなわち、ECU20は、燃料ポンプ30の駆動期間が十分に確保されたと判断する。そして、ECU20は、ポンプ逆転判別カウンタCNFPRVの値を一つ進める(S623)。
ECU20は、ステップS624においてCFPRVSEが50以上であると判断すると、引き続きカウントを進めたCNFPRVが5以上であるか否かを判断する(S625)。CNFPRVが5より小さいとき、ステップS601へリターンする。その結果、ステップS604において、燃料ポンプ30は停止される。そして、所定期間経過後、すなわちCFPRVSSが50に達すると、ステップS613へ移行する。ここで、ステップS623においてCNFPRVのカウントは一つ進められているため、CNFPRVは奇数となっている。そのため、燃料ポンプ30は、正回転方向へ駆動される(S616)。
以上の手順により、ECU20は、CNFPRVが5以上になるまで燃料ポンプ30の停止、逆回転、停止および正回転を繰り返し実行する。そして、CNFPRVが5以上になると、ECU20は第2復帰モードルーチンを終了する(S626)。
第2復帰モードルーチンでは、ECU20は、燃料ポンプ30の停止、逆回転、停止および正回転を繰り返して実施する。これにより、ポンプ部31あるいはブラシレスモータ32に異物のかみ込みによる回転不良が生じているとき、異物は正回転および逆回転の繰り返しにより除去される。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じても、その原因を取り除き、燃料ポンプ30の確実な作動を確保することができる。
(燃料ポンプ異常時の安全確保)
1.安全確保の第1実施形態
図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されると、ECU20は図6に示す異常復帰ルーチンに移行し燃料ポンプ30を正常な状態へ復帰させる。このとき、図6に示すように燃料ポンプ30は、一定期間停止される。そのため、燃料ポンプ30からエンジン60へ供給される燃料の圧力は低下する。そこで、安全確保の第1実施形態では、図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止されているとき、図10に示す流れによりインジェクタ64からの燃料噴射量を補正しエンジン60の安定した運転を確保する。
ECU20は、燃料ポンプ30の異常の有無に関わらず、TAUの算出タイミングであるか否かを判断する(S701)。TAUとは、インジェクタ64からの燃料の噴射期間である。ECU20は、エンジン制御の基本ルーチンにおいてインジェクタ64からの燃料の噴射を実施する時期になると、燃料の噴射量を算出する。燃料ポンプ30から供給される燃料の圧力が一定であれば、インジェクタ64からの燃料の噴射量はインジェクタ64の開弁時間すなわち噴射時間に相関する。そこで、ECU20は、インジェクタ64からの燃料の噴射時期になると、TAUの算出へ移行する。
ECU20は、TAUを算出するために、エンジン60の回転速度NEを算出する(S702)。エンジン60には、図1に示すように回転速度センサ66が設置されている。ECU20は、回転速度センサ66から出力される電気信号からエンジン60の回転速度を算出する。また、ECU20は、エンジン60の負荷Pを算出する(S703)。ECU20は、エンジン60に吸入される吸気が流れる図示しない吸気通路の圧力を検出する。吸気通路には圧力センサ67が設置され、圧力センサ67は検出した圧力を電気信号としてECU20へ出力する。ECU20は、検出した吸気通路の圧力からエンジン60の負荷Pを算出する。
さらに、ECU20は、エンジン60の状態を検出する(S704)。ここで、ECU20は、例えば吸気通路を流れる吸気の温度THA、エンジン60を冷却する冷却水の温度THW、大気圧PAなど、さまざまなパラメータを図示しない各種のセンサから検出する。これにより、ECU20は、TAUの算出の基礎となるエンジン60の状態を検出する。
ECU20は、エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態を検出すると、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S705)。上述のように図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20は燃料圧力補正係数FPFとして基準燃料圧力PF0の平方根を設定する(S706)。燃料圧力補正係数FPFは、異常の検出にともなう燃料ポンプ30の停止によって低下する燃料の吐出圧力を補正する係数である。基準燃料圧力PF0は、燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力である。一方、燃料ポンプ30の異常が検出されないFFPF=0のとき、ECUはFPF=1.0と設定する(S707)。すなわち、FPFは補正されない。
燃料圧力補正係数FPFが設定されると、ECU20は下記の式1にしたがってTAUを算出する(S708)。ECU20は、基準噴射パルス幅TPをステップS707で算出したFPF、および各種のパラメータで補正する。基準噴射パルス幅TPは、ステップS702で算出されるエンジン60の回転速度NEおよびステップS703で算出されるエンジン60の負荷Pから求められる。ECU20は、例えばROM22に回転速度NEと負荷Pとの関数としてのTPをマップとして有している。したがって、ECU20は、算出したNEおよびPに基づいて、ROM22からTPを読み出す。また、TPを補正する各種パラメータとしては、例えばステップS704で検出した吸気の温度THA、冷却水の温度THW、大気圧PAなどである。ECU20は、設定したTPをFPFおよび各種パラメータで補正するとともに、インジェクタ無効噴射時間TVを加算する。インジェクタ無効噴射時間TVは、例えばインジェクタ64の開弁遅れなどによって、ECU20からインジェクタ64へ開弁を指令する制御信号を出力しても、燃料の噴射が行われない時間を意味する。したがって、ECU20は、下記の式1によりTAUを算出する。
TAU=TP×f(THA,THW,PA,・・・)×FPF+TV 式1
ECU20は、TAUが算出されると、算出したTAUに基づいてインジェクタ64へ制御信号を出力する。これにより、インジェクタ64からは、ECU20から出力されたTAUにしたがって燃料が噴射される(S709)。
安全確保の第1実施形態では、燃料ポンプ30が停止し燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力が低下したとき、インジェクタ64から燃料を噴射する噴射期間が延長される。これにより、燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力が低下しても、インジェクタ64から噴射される燃料の総量に大きな変化は生じない。その結果、燃料ポンプ30の異常の検出によって燃料ポンプ30を停止させるときでも、エンジン60には所定量の燃料が噴射される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第1実施形態では、ステップS706においてFPFをPF0の平方根から算出する例について説明した。しかし、FPFは、例えばエンジン60の負荷Pによって変化する係数として、ROM22に記録してもよい。また、FPFの精度を高めるために、FPFは、エンジン60の負荷Pおよびエンジン60の回転速度NEの両者によって変化する係数として、ROM22に記録してもよい。さらに、FPFは、エンジン60の負荷Pの関数として、ステップS703で検出したエンジン60の負荷Pに基づいて算出する構成としてもよい。
2.安全確保の第2実施形態
上述の安全確保の第1実施形態で説明したように、図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止されると、燃料ポンプ30からエンジン60へ供給される燃料の圧力は低下する。そのため、インジェクタ64から噴射される燃料の噴射量が低減し、エンジン60の出力トルクが低減する。そこで、安全確保の第2実施形態では、図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止されているとき、図11に示す流れによりエンジン60の点火時期を進角側に補正しエンジン60の出力トルクの安定を図る。安全確保の第2実施形態は、上述の安全確保の第1実施形態とともに実施してもよく、単独で実施してもよい。
ECU20は、燃料ポンプ30の異常の有無に関わらず、AESAの算出タイミングであるか否かを判断する(S801)。AESAとは、エンジン60における燃料の点火時期である。ECU20は、エンジン制御の基本ルーチンにおいてエンジン60の点火時期になると、点火時期を算出する。
ECU20は、AESAを算出するために、エンジン60の回転速度NEを算出する(S802)。また、ECU20は、エンジン60の負荷Pを算出する(S803)。さらに、ECU20は、エンジン60の状態を検出する(S804)。ここで、エンジン60の回転速度NEの算出およびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態の検出は、安全確保の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
ECU20は、エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態を検出すると、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S805)。上述のように図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20は燃料圧力補正進角量APFを、APF=αとして、あらかじめ決定されている補正値αを設定する(S806)。燃料圧力補正進角量APFは、異常の検出にともなう燃料ポンプ30の停止によって燃料の噴射量が低下したとき、エンジン60の出力トルクの変動を低減するために点火時期を進角側へ補正する係数である。一方、燃料ポンプ30の異常が検出されないFFPF=0のとき、ECU20はAPF=0と設定する(S807)。すなわち、点火時期は進角側へ補正されない。
燃料圧力補正進角量APFが設定されると、ECU20は下記の式2にしたがってAESAを算出する(S808)。ECU20は、基準点火時期ABSEをステップS806で算出したAPF、および各種のパラメータで補正する。基準点火時期ABSEは、ステップS802で算出されるエンジン60の回転速度NEおよびステップS803で算出されるエンジン60の負荷Pから求められる。ECU20は、例えばマップとしてROM22に記録しているABSEを読み出す。また、ABSEを補正する各種パラメータとしては、例えばステップS804で検出した吸気の温度THA、冷却水の温度THW、大気圧PAなどである。ECU20は、設定したABSEに各種パラメータに応じた補正値およびAPFを加算する。したがって、ECU20は、下記の式2によりAESAを算出する。
AESA=ABSE+f(THA,THW,PA,・・・)+APF 式2
ECU20は、AESAが算出されると、算出したAESAに基づいて点火装置65へ制御信号を出力する。これにより、点火装置65では、ECU20から出力されたABSEにしたがって点火時期が進角側へ移行する(S809)。
安全確保の第2実施形態では、燃料ポンプ30が停止し燃料ポンプ30から吐出される燃料が低下したとき、点火時期が進角側へ切り換えられる。これにより、燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力が低下し、インジェクタ64から噴射される燃料の量が低減しても、エンジン60の出力トルクの低下は最小限にとどめられる。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第2実施形態では、ステップS806においてAPFを所定の値αに固定して適用する例について説明した。しかし、APFは、エンジン60の回転速度NEに応じて段階的に決定される値でもよく、エンジン60の回転速度NEに依存する関数として求めてもよい。
3.安全確保の第3実施形態
安全確保の第3実施形態では、図10に示す安全確保の第1実施形態とTAUの算出手法が相違する。そこで、図12に基づいて図10に示す安全確保の第1実施形態と相違する点を説明する。
安全確保の第3実施形態では、図10に示す流れのステップS704からステップS708までの手法が相違する。そのため、図10に示す流れにしたがってTAUの算出タイミングであるか否かの判断(S701)、エンジン60の回転速度NEの算出(S702)、エンジン60の負荷Pの算出(S703)、およびエンジン状態の検出(S704)が終了すると、図12に示すステップS901に移行する。
ECU20は、エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態を検出すると、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S902)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20はポンプ異常モード係数カウンタCFPFがCFPF=1であるか否かを判断する(S903)。図12に示す流れにはじめて移行したとき、CFPFはCFPF=0である。したがって、ECU20は、燃料圧力補正係数FPFをFPF=1.0と設定する(S904)。
燃料圧力補正係数FPFをFPF=1.0に設定すると、ECU20はCFPFのカウントを一つ進める(S905)。そして、図10に示すステップS708へリターンし、設定したFPFを用いてTAUを設定する。図12に示すルーチンへはじめて移行したとき、FPF=1に設定される。そのため、ECU20は、基準噴射パルス幅TPをFPFで補正することなく、TAUを設定する。
図12に示すルーチンへ移行し、CFPF=0のとき、燃料ポンプ30は停止した直後である。そのため、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は十分に維持されている。そこで、ECU20は、CFPF=0のとき、TPをFPFによって補正することなくTAUを設定する。したがって、TPに応じて燃料が噴射される。
図12に示すルーチンが二回目以降になると、ステップS903においてCFPF=0と判断されない。そのため、ECU20は、CFPFと予め設定されている定数αとを比較する(S910)。定数αは、燃料ポンプ30の停止後にインジェクタ64から噴射される燃料圧力が維持されているか否かを示す値であり、燃料ポンプ30の停止後に行われたインジェクタ64からの燃料の噴射回数を示している。そのため、CFPFがα以上のとき、燃料ポンプ30の停止後に十分な回数の燃料噴射が行われ、燃料の圧力はほぼ大気圧と等しい状態であると判断される。一方、CFPFがαより小さいとき、燃料ポンプ30の停止後における燃料の噴射回数は少なく、燃料ポンプ30から吐出された燃料は大気圧より大きな圧力を有していると判断される。
したがって、ステップS910においてCFPF≧αと判断されると、ECU20はFPFとして基準燃料圧力PF0の平方根を設定する(S911)。そして、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S905)、ステップS708へリターンする(S906)。
一方、ステップS910においてCFPF<αと判断されると、ECU20はFPFとして以下の式3に示す値を設定する(S912)。
FPF={PF0/(PF0−DPF×CFPF)}1/2 式3
ここで、DPFは、インジェクタ64からの燃料の噴射一回当たりに低下する燃料の圧力である。また、CFPFは、燃料の噴射回数に対応する。そのため、式3で設定されるFPFは、燃料ポンプ30の停止後において燃料の噴射ごとに低下する燃料の圧力を考慮して段階的に設定される。
ステップS912においてFPFが設定されると、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S905)、ステップS708へリターンする(S906)。
ステップS902においてFFPF=1でない、すなわち燃料ポンプ30の異常が検出されていないと判断されたとき、ECU20はCFPF=0と設定し(S921)、FPF=1.0と設定する(S922)。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じていないとき、インジェクタ64からは通常の噴射量の燃料が噴射される。
以上説明したように、安全確保の第3実施形態では、ECU20は、燃料ポンプ30の停止後にインジェクタ64から燃料が噴射されると、燃料が噴射されるごとに低下する燃料の圧力を考慮して燃料圧力補正係数FPFを設定している。そのため、燃料ポンプ30の停止後において、インジェクタ64へ供給される燃料の圧力が変化しても、所定の燃料の噴射量が確保される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第3実施形態では、ステップS903からステップS905において、燃料の噴射回数に応じてFPFを算出する例について説明した。しかし、FPFは、燃料ポンプ30が停止した後のインジェクタ64からの燃料噴射回数に応じて値をあらかじめ設定し、ROM22に記録しておいてもよい。
4.安全確保の第4実施形態
安全確保の第4実施形態では、図11に示す安全確保の第2実施形態とAESAの算出手法が相違する。そこで、図13に基づいて図11に示す安全確保の第2実施形態と相違する点を説明する。
安全確保の第4実施形態では、図11に示す流れのステップS804からステップS808までの手法が相違する。そのため、図11に示す流れにしたがってAESAの算出タイミングであるか否かの判断(S801)、エンジン60の回転速度NEの算出(S802)、エンジン60の負荷Pの算出(S803)、およびエンジン状態の検出(S804)が終了すると、図13に示すステップS1001に移行する。
ECU20は、エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態を検出すると、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S1002)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20はポンプ異常モード係数カウンタCFPFがCFPF=1であるか否かを判断する(S1003)。図13に示す流れに移行したとき、CFPFはCFPF=0である。したがって、ECU20は、燃料圧力補正進角量APFをAPF=0と設定する(S1004)。
燃料圧力補正進角量APFをAPF=1.0に設定すると、ECU20はCFPFのカウントを一つ進める(S1005)。そして、図11に示すステップS808へリターンし、設定したAPFを用いてAESAを設定する。図13に示すルーチンへはじめて移行したとき、APF=0に設定される。そのため、ECU20は、基準点火時期ABSEをAPFで補正することなく、AESAを設定する。
図13に示すルーチンへ移行し、CFPF=0のとき、燃料ポンプ30は停止した直後である。そのため、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は十分に維持されている。そこで、ECU20は、CFPF=0のとき、ABSEをAPFで補正することなくAESAを設定する。したがって、ABSEに応じて点火時期が設定される。
図13に示すルーチンが二回目以降になると、ステップS1003においてCFPF=0と判断されない。そのため、ECU20は、CFPFと予め設定されている定数βとを比較する(S1010)。定数βは、燃料ポンプ30の停止後にエンジン60において燃焼が行われた回数を示す値である。そのため、CFPFがβ以上のとき、燃料ポンプ30の停止後にエンジン60で十分な回数の燃焼が行われていると判断される。一方、CFPFがβより小さいとき、燃料ポンプ30の停止後におけるエンジン60での燃焼回数は少ないと判断される。
したがって、ステップS1010においてCFPF≧βと判断されると、ECU20はAPFとして予め設定された補正値γを設定する。そして、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S1005)、ステップS808へリターンする(S1006)。
一方、ステップS1010においてCFPF<βと判断されると、ECU20はAPFとして以下の式4に示す値を設定する(S1012)。
APF=DA×CFPF 式4
ここで、DAは、エンジン60での燃焼一回当たりに設定される進角補正値である。また、CFPFは、エンジン60での燃焼回数に対応する。そのため、式4で設定されるAPFでは、燃料ポンプ30の停止後において、エンジン60での燃焼ごとに低下する燃料の圧力を考慮して、進角量が設定される
ステップS1012においてAPFが設定されると、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S1005)、ステップS808へリターンする(S1006)。
ステップS1002においてFFPF=1でない、すなわち燃料ポンプ30の異常が検出されていないと判断されたとき、ECU20はCFPF=0と設定し(S1021)、APF=0と設定する(S1022)。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じていないとき、噴射時期は進角されない。
以上説明したように、安全確保の第4実施形態では、ECU20は、燃料ポンプ30の停止後にエンジン60で燃焼が行われると、エンジン60の燃焼が行われるごとに低下する燃料の圧力を考慮して燃料圧力補正進角量APFを設定している。そのため、燃料ポンプ30の停止後において燃料の圧力が変化しても、噴射時期を進角側へ補正することにより、エンジン60の出力トルクが確保される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第4実施形態では、ステップS1003からステップS1005において、エンジン60での燃焼回数に応じてAPFを算出する例について説明した。しかし、APFは、燃料ポンプ30が停止した後のエンジン60での燃焼回数に応じた値をあらかじめ設定し、ROM22に記録しておいてもよい。
5.安全確保の第5実施形態
安全確保の第5実施形態では、安全確保の第3実施形態と同様に図10に示す安全確保の第1実施形態とTAUの算出手法が相違する。そこで、図14に基づいて安全確保の第5実施形態を説明する。
ECU20は、図10に示す流れにおいてTAUの算出タイミングであるか否かの判断(S701)、エンジン60の回転速度NEの算出(S702)、エンジン60の負荷Pの算出(S703)、およびエンジン状態の検出(S704)が終了すると、図14に示すステップS1101に移行し、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S1102)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20はポンプ異常モード係数カウンタCFPFがCFPF=1であるか否かを判断する(S1103)。図14に示す流れにはじめて移行したとき、CFPFはCFPF=0である。そのため、ECU20は、燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止してからはじめての燃料の噴射であると判断する。そこで、ECU20は、実効燃料噴射時間積算値SUMINJとしてSUMINJ=0を設定する(S1104)。実効燃料噴射時間積算値SUMINJは、文字通りインジェクタ64から実際に燃料が噴射された時間を積算したものである。燃料ポンプ30が停止してはじめての燃料の噴射であるとき、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は維持されている。そこで、ECU20は、燃料圧力補正係数FPFをFPF=1.0と設定する(S1105)。
燃料圧力補正係数FPFをFPF=1に設定すると、ECU20はCFPFのカウントを一つ進める(S1106)。そして、図10に示すステップS708へリターンし(S1107)、設定したFPFを用いてTAUを設定する。図14に示すルーチンへはじめて移行したとき、FPF=1に設定される。そのため、ECU20は、基準噴射パルス幅TPをFPFで補正することなく、TAUを設定する。
図14に示すルーチンへ移行し、CFPF=0のとき、燃料ポンプ30が停止してから最初の燃料噴射である。そのため、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は十分に維持されている。そこで、ECU20は、CFPF=0のとき、TPをFPFによって補正することなくTAUを設定する。したがって、TPに応じて燃料が噴射される。
図14に示すルーチンが二回目以降になると、ステップS1103においてCFPF=0と判断されない。そのため、ECU20は、SUMINJに前回の実効燃料噴射時間INJ0を加算する(S1111)。ここで、前回の実効燃料噴射時間INJ0は、前回の噴射において設定された最終的な燃料噴射期間TAU0から前回の噴射における無効噴射時間TV0を減じた値を、前回の噴射において設定された燃料圧力補正係数FPF0で除した値である。
ECU20は、SUMINJを算出すると、算出したSUMINJに対応する燃料圧力PFを算出する(S1112)。SUMINJとPFとの関係は、例えばマップとしてECU20のROM22に記録されている。ECU20は、算出したPFを用いて、FPFを算出する。ECU20は、FPFとして以下の式5に示す値を設定する(S1113)。
FPF=(PF0/PF)1/2 式5
ここで、PF0は基準燃料圧力である。
ステップS1113においてFPFが設定されると、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S1006)、ステップS708へリターンする(S1107)。
ステップS1102においてFFPF=1でない、すなわち燃料ポンプ30の異常が検出されていないと判断されたとき、ECU20はCFPF=0と設定し(S1121)、FPF=1.0と設定する(S1122)。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じていないとき、インジェクタ64からは通常の噴射量の燃料が噴射される。
以上説明したように、安全確保の第5実施形態では、ECU20は、燃料ポンプ30の停止後のインジェクタ64からの燃料噴射時間を積算する。燃料ポンプ30の停止後にインジェクタ64から燃料が噴射されると、その噴射時間に応じて燃料の圧力は低下する。そこで、インジェクタ64からの燃料の噴射時間を積算し、積算した燃料の噴射時間を考慮して燃料圧力補正係数FPFを設定している。そのため、燃料ポンプ30の停止後における燃料の圧力変化にかかわらず所定の燃料の噴射量が確保される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
6.安全確保の第6実施形態
図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されると、ECUは図6に示す異常復帰ルーチンに移行し燃料ポンプ30を正常な状態へ復帰させる。このとき、図6に示すように燃料ポンプ30は、一定期間停止される。そのため、燃料ポンプ30からエンジン60へ供給される燃料の圧力は低下する。そこで、安全確保の第6実施形態では、図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止されているとき、図15に示す手順にしたがってインジェクタ64からの燃料の噴射量を強制的に増量しエンジン60の安定した運転を確保する。
ECU20は、燃料ポンプ30の異常の有無に関わらず、TAUの算出タイミングであるか否かを判断する(S1201)。ECU20は、インジェクタ64のからの燃料の噴射時期になると、TAUの算出へ移行する。
ECU20は、TAUを算出するために、エンジン60の回転速度NEを算出する(S1202)。また、ECU20は、エンジン60の負荷Pを算出する(S1203)。エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出は、安全確保の第1実施形態と同様である。さらに、ECU20は、エンジン60の状態を検出する(S1204)。ECU20は、安全確保の第1実施形態と同様に吸気の温度THA、冷却水の温度THW、大気圧PAなどからエンジン60の状態を検出する。
ECU20は、エンジン60の回転速度NEおよびエンジン60の負荷Pの算出、ならびにエンジン60の状態を検出すると、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S1205)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20は燃料圧力補正係数FPFとして基準燃料圧力PF0の平方根を設定する(S1206)。燃料圧力補正係数は、異常の検出にともなう燃料ポンプ30の停止によって低下する燃料ポンプ30からの吐出圧力を補正する係数である。基準燃料圧力PF0は、燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力である。そして、ECU20は、ポンプ異常時補正係数FFPFSとして所定値δを設定する(S1207)。ポンプ異常時補正係数FFPFSは、燃料ポンプ30の停止にともなう燃料の圧力低下を考慮して、燃料の噴射量の増大すなわちリッチ化を図るための係数である。FFPFSにより、燃料ポンプ30の停止によって燃料の圧力が低下しても、インジェクタ64から噴射される燃料の総量は増加する。
一方、燃料ポンプ30の異常が検出されないFFPF=0のとき、ECU20はFPF=1.0と設定する(S1211)。また、ECU20は、FFPFS=1.0と設定する(S1212)。すなわち、燃料ポンプ30の異常が検出されないとき、補正係数は設定されない。
燃料圧力補正係数FPFおよびポンプ異常時補正係数FFPFSが設定されると、ECU20は下記の式6にしたがってTAUを算出する(S1208)。ECU20は、基準噴射パルス幅TPをステップS1206で算出したFPF、ステップS1207で算出したFFPFS、および各種のパラメータで補正する。基準噴射パルス幅TPは、安全確保の第1実施形態で説明したようにステップS1202で算出されるエンジン60の回転速度NEおよびステップS703で算出されるエンジンの負荷Pから求められる。また、TPを補正する各種パラメータとしては、例えばステップS1204で検出した吸気の温度THA、冷却水の温度THW、大気圧PAなどである。ECU20は、設定したTPをFPF、FFPFSおよび各種パラメータで補正するとともに、インジェクタ64の無効噴射時間TVを加算する。したがって、ECU20は、下記の式6によりTAUを算出する。
TAU=TP×f(THA,THW,PA,・・・)×FPF×FFPFS+TV 式6
ECU20は、TAUが算出されると、算出したTAUに基づいてインジェクタ64へ制御信号を出力する。これにより、インジェクタ64からは、ECU20から出力された制御信号にしたがって燃料が噴射される(S1209)。
安全確保の第6実施形態では、燃料ポンプ30が停止し燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力が低下したとき、インジェクタ64から燃料を噴射する燃料が増加する。これにより、燃料ポンプ30から吐出される燃料の圧力が低下しても、インジェクタ64から噴射される燃料の総量に大きな変化は生じない。その結果、燃料ポンプ30の異常の検出によって燃料ポンプ30を停止させるときでも、エンジン60には所定量の燃料が噴射される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第6実施形態では、ステップS1207においてFFPFSを所定値δに設定する例について説明した。しかし、FFPFSは、例えばエンジン60の負荷Pによって変化する係数のマップとしてROM22に記録し、補間計算して用いてもよい。また、FFPFSは、エンジン60の負荷Pおよびエンジン60の回転速度NEの両者によって変化する係数のマップとしてROM22に記録し、補間計算して用いてもよい。さらに、FFPFSは、エンジン60の負荷Pの関数として、ステップS1203で検出したエンジン60の負荷Pに基づいて算出する構成としてもよい。
7.安全確保の第7実施形態
安全確保の第7実施形態では、安全確保の第6実施形態におけるTAUの算出手法が相違する。そこで、図16に基づいて安全確保の第7実施形態を説明する。
ECU20は、図15に示す流れにおいてTAUの算出タイミングであるか否かの判断(S1201)、エンジン60の回転速度NEの算出(S1202)、エンジン60の負荷Pの算出(S1203)、およびエンジン状態の検出(S1204)が終了すると、図16に示すステップS1301に移行し、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S1302)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20はポンプ異常モード係数カウンタCFPFがCFPF=1であるか否かを判断する(S1303)。図16に示す流れにはじめて移行したとき、CFPFはCFPF=0である。そのため、ECU20は、燃料ポンプ30に異常が検出され、燃料ポンプ30が停止してからはじめての燃料噴射であると判断する。燃料ポンプ30が停止してからはじめての燃料の噴射であるとき、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は維持されている。そこで、ECU20は、燃料圧力補正係数FPFをFPF=1.0と設定する(S1304)。
ECU20は、燃料圧力補正係数FPF=1.0と設定すると、ポンプ異常時補正係数FFPFSをFFPFS=1.0と設定する(S1305)。ポンプ異常時補正係数FFPFSは、安全確保の第6実施形態で説明したように燃料ポンプ30の停止にともなう燃料の圧力低下を考慮して、燃料の噴射量の増大すなわちリッチ化を図るための係数である。
ECU20は、FPFおよびFFPFSを設定すると、CFPFのカウントを一つ進める(S1306)。そして、図15に示すステップS1208へリターンし、設定したFPFおよびFFPFSを用いてTAUを設定する。図16に示すルーチンへはじめて移行したとき、FPF=1.0およびFFPFS=1.0に設定される。そのため、ECU20は、基準噴射パルス幅TPをFPFおよびFFPFSで補正することなく、TAUを設定する。
図16に示すルーチンが二回目以降になると、ステップS1303においてCFPF=0と判断されない。そのため、ECU20は、CFPFと予め設定されている定数αとを比較する(S1311)。定数αは、安全確保の第3実施形態で説明したとおりインジェクタ64からの燃料の噴射回数を示している。そのため、CFPFがα以上のとき燃料の圧力はほぼ大気圧と等しい状態であると判断され、CFPFがαより小さいとき燃料ポンプ30から吐出された燃料は大気圧より大きな圧力を有していると判断される。
したがって、ステップS1311においてCFPF≧αと判断されると、ECU20はFPFとして基準燃料圧力PF0の平方根を設定する(S1312)。そして、ECU20は、ポンプ異常時補正係数FFPFSを所定値μに設定する(S1313)。これにより、CFPFがα以上のとき、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力が大気圧とほぼ等しいと判断され、燃料の噴射量は所定値μにしたがって増量される。FPFおよびFFPFSが設定されると、ECU20は、CFPFを一つ進めた後(S1206)、ステップS1208へリターンする(S1307)。
一方、ステップS1311においてCFPF<αと判断されると、ECU20はFPFとして以下の式7に示す値を設定する(S1314)。
FPF={PF0/(PF0−DPF×CFPF)}1/2 式7
ここで、DPFは、インジェクタ64からの燃料の噴射一回当たりに低下する燃料の圧力である。また、CFPFは、燃料の噴射回数に対応する。そのため、式7で設定されるFPFは、燃料ポンプ30の停止後において燃料の噴射ごとに低下する燃料の圧力を考慮して段階的に設定される。
ステップS1314においてFPFが設定されると、ECU20は、FFPFS=γと設定し(S1313)、CFPFを一つ進めた後(S1306)、ステップS1208へリターンする(S1307)。
ステップS1302においてFFPF=1でない、すなわち燃料ポンプ30の異常が検出されていないと判断されたとき、ECU20はCFPF=0と設定し(S1321)、FPF=1.0と設定し(S1322)、FFPFS=1.0と設定する(S1323)。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じていないとき、インジェクタ64からは通常の噴射量の燃料が噴射される。
以上説明したように、安全確保の第7実施形態では、ECU20は、燃料ポンプ30の停止後にインジェクタ64から燃料が噴射されると、燃料が噴射されるごとに低下する燃料の圧力を考慮して燃料圧力補正係数FPFを設定し、ポンプ異常時補正係数FFPFSとともに燃料の噴射量を補正している。そのため、燃料ポンプ30の停止後における燃料の圧力変化にかかわらず所定の燃料の噴射量が確保される。したがって、エンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
上述の安全確保の第7実施形態では、ステップS1305、ステップS1313においてFFPFSを所定値μに設定する例について説明した。しかし、FFPFSは、安全確保の第6実施形態と同様にエンジン60の負荷P、エンジン60の回転速度NEなどの関数あるいはマップとして算出してもよい。
8.安全確保の第8実施形態
安全確保の第8実施形態では、安全確保の第6実施形態におけるTAUの算出手法が相違する。そこで、図17に基づいて安全確保の第8実施形態を説明する。
ECUは、図15に示す流れにおいてTAUの算出タイミングであるか否かの判断(S1201)、エンジン60の回転速度NEの算出(S1202)、エンジン60の負荷Pの算出(S1203)、およびエンジン状態の検出(S1204)が終了すると、図17に示すステップS1401に移行し、ポンプ異常判別フラグFFPFがFFPF=1であるか否かを判断する(S1402)。図4に示す手順によって燃料ポンプ30に異常が検出されているとき、FFPF=1となっている。
FFPF=1のとき、ECU20はポンプ異常モード係数カウンタCFPFがCFPF=1であるか否かを判断する(S1403)。図17に示す流れにはじめて移行したとき、CFPFはCFPF=0である。そのため、ECU20は、燃料ポンプに異常が検出され、燃料ポンプが停止してからはじめての燃料噴射であると判断する。燃料ポンプ30が停止してからはじめての燃料の噴射であるとき、燃料ポンプ30から吐出された燃料の圧力は維持されている。そこで、ECU20は、燃料圧力補正係数FPFをFPF=1.0と設定する(S1404)。
ECU20は、燃料圧力補正係数FPF=1.0と設定すると、ポンプ異常時補正係数FFPFSをFFPFS=1.0と設定する(S1405)。ポンプ異常時補正係数FFPFSは、安全確保の第6実施形態で説明したように燃料ポンプ30の停止にともなう燃料の圧力低下を考慮して、燃料の噴射量の増大すなわちリッチ化を図るための係数である。
ECU20は、FPFおよびFFPFSを設定すると、CFPFのカウントを一つ進める(S1406)。そして、図15に示すステップS1208へリターンし、設定したFPFおよびFFPFSを用いてTAUを設定する。図17に示すルーチンへはじめて移行したとき、FPF=1.0およびFFPFS=1.0に設定される。そのため、ECU20は、基準噴射パルス幅TPをFPFおよびFFPFSで補正することなく、TAUを設定する。
図17に示すルーチンが二回目以降になると、ステップS1403においてCFPF=0と判断されない。そのため、ECU20は、CFPFと予め設定されている定数αとを比較する(S1411)。定数αは、安全確保の第3実施形態で説明したとおりインジェクタ64からの燃料の噴射回数を示している。そのため、CFPFがα以上のとき燃料の圧力はほぼ大気圧と等しい状態であると判断され、CFPFがαより小さいとき燃料ポンプ30から吐出された燃料は大気圧より大きな圧力を有していると判断される。
したがって、ステップS1411においてCFPF≧αと判断されると、ECU20はFPFとして基準燃料圧力PF0の平方根を設定する(S1412)。一方、ステップS1411においてCFPF<αと判断されると、ECU20はFPFとして以下の式8に示す値を設定する(S1414)。
FPF={PF0/(PF0−DPF×CFPF)}1/2 式8
ここで、DPFは、インジェクタ64からの燃料の噴射一回当たりに低下する燃料の圧力である。また、CFPFは、燃料の噴射回数に対応する。そのため、式8で設定されるFPFは、燃料ポンプ30の停止後において燃料の噴射ごとに低下する燃料の圧力を考慮して段階的に設定される。
ステップS1412およびステップS1421においてFPFが設定されると、ECU20はエンジン60が始動時であるか否かを判断する(S1413)。ここで、エンジン60の始動時とは、例えばエンジン60が始動直後の暖機運転を行っているときであり、冷却水の温度THWが所定の温度に達していない場合、あるいはエンジン60が始動してから所定の時間が経過するまでなどである。このエンジン60の始動時の定義は、任意に設定することができる。
ECU20は、エンジン60が始動時であると判断すると、FFPFS=ρに設定する(S1415)。エンジン60の始動時は、エンジン60の運転が比較的不安定であるため、インジェクタ64から噴射する燃料をリッチ化する必要がある。そのため、ステップS1415で設定されるρは、燃料の噴射量をリッチ側へ補正する値である。FFPFSの値としてのρは、例えば図18に示すようにCFPFの値によって変化する数値としてROM22に記録されている。
一方、ECU20は、ステップS1413においてエンジン60が始動時でないと判断すると、エンジン60の回転速度NEが予め設定されている所定値K以下であるか否かを判断する(S1431)。ECU20は、図15に示すステップS1202で検出したエンジン60の回転速度NEが所定値K以下であれば、エンジン60が低回転数領域であると判断する。また、ECU20は、エンジン60の回転速度NEが所定値Kより大きければ、エンジン60が高回転数領域であると判断する。ECU20は、ステップS1431においてエンジン60の回転速度NEが所定値K以下の低回転数領域であると判断すると、FFPFS=σと設定する(S1432)。FFPFSの値としてのσは、例えば図19に示すようにCFPFによって変化する数値としてROM22に記録されている。
これに対し、ECU20は、ステップS1431においてエンジン60の回転速度NEが所定値Kより大きいと判断すると、FFPFS=κと設定する(S1433)。FFPFSの値としてのκは、例えば図20に示すようにNEによって変化する数値としてROM22に記録されている。
このように、ECU20は、エンジン60の始動時およびエンジン60の回転数に応じてFFPFSを設定している。これにより、必要とする燃料の濃度によってインジェクタ64から噴射する燃料の量を変化させることができる。
ECU20は、ポンプ異常時補正係数FFPFSが所定値ρ、σまたはκに設定されると、CFPFを一つ進めた後(S1406)、ステップS1208へリターンする(S1407)。
ステップS1402においてFFPF=1でない、すなわち燃料ポンプ30の異常が検出されていないと判断されたとき、ECU20はCFPF=0と設定し(S1421)、FPF=1.0と設定し(S1422)、FFPFS=1.0と設定する(S1423)。したがって、燃料ポンプ30に異常が生じていないとき、インジェクタ64からは通常の噴射量の燃料が噴射される。
以上説明したように、安全確保の第8実施形態では、ECU20は、燃料ポンプ30の停止後にインジェクタ64から燃料が噴射されると、燃料が噴射されるごとに低下する燃料の圧力を考慮して燃料圧力補正係数FPFを設定し、ポンプ異常時補正係数FFPFSとともに燃料の噴射量を補正している。また、ポンプ異常時補正係数FFPFSは、エンジン60の運転状態すなわちエンジン60の始動時であるか否か、およびエンジン60の回転速度によって変化する。そのため、燃料ポンプ30の停止後における燃料の圧力変化、およびエンジン60の状態にかかわらず所定の燃料の噴射量が確保される。したがって、エンジン60を確実に始動、あるいはエンジン60の運転を安定して継続することができ、安全性を確保することができる。
(燃料ポンプの制御装置の第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置を図21に示す。なお、図1に示す燃料ポンプの制御装置の第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
燃料ポンプの制御装置の第2実施形態の場合、燃料ポンプの制御装置110は、燃料タンク70に収容されている燃料ポンプ30を備えている。すなわち、第2実施形態の場合、燃料ポンプ30は燃料タンク70に収容されている。制御装置110は、燃料タンク70の内部に蓄えられている燃料の残量を検出する燃料残量検出手段としての液面センサ71を備えている。液面センサ71は、燃料タンク70の内部において上下する燃料の液面位置を検出する。液面センサ71は、例えば燃料ポンプ30と一体のセンダゲージや、燃料タンク70に設けられているセンサなどから構成されている。制御装置110の制御ユニット11は、燃料ポンプの制御装置の第1実施形態と同様に特許請求の範囲の異常検出手段として機能する。
その他の構成は、図1に示す燃料ポンプの制御装置の第1実施形態と実質的に同様であるので、説明は省略する。
次に、上記の燃料ポンプの制御装置110による燃料ポンプ30の異常検出手順について図22に基づいて説明する。
1.燃料の残量に基づく異常検出の第1実施形態
ECU20は、所定の時期になると、燃料ポンプ30の異常が生じているか否かの異常判定ルーチンを実施する。異常判定ルーチンは、例えばECU20による車両全体を監視するルーチンの一つとして含まれており、エンジン60の始動後に定期的に実施される。異常判定ルーチンに移行すると、ECU20はまずバッテリ14の電圧Bを検出する(S1501)。ECU20は、電圧検出部24からバッテリ14の電圧Bを入手する。ECU20は、入手したバッテリ14の電圧BをRAM23に記録する。バッテリ14の電圧を検出すると、ECU20は燃料ポンプ30のブラシレスモータ32の回転数NPを検出する(S1502)。ECU20は、制御回路部12の回転数検出部13からブラシレスモータ32の回転数NPを入手する。ECU20は、入手したブラシレスモータ32の回転数NPをRAM23に記録する。
ECU20は、ステップS1501で入手しRAM23に記録したバッテリ14の電圧Bに対応するブラシレスモータ32の基準回転数NP0を、ROM22に記録されているマップから算出する(S1503)。ECU20は、算出した基準回転数NP0をRAM23に記録する。ECU20は、基準回転数NP0が算出されると、その基準回転数NP0に応じて上限値NP0+αを算出する。
さらに、ECU20は、燃料タンク70に蓄えられている燃料の残量QFを検出する(S1504)。ECU20は、液面センサ71の出力値から燃料タンク70に蓄えられている燃料の液面位置すなわち燃料の残量を入手する。ECU20は、入手した燃料タンク70における燃料の残量QFをRAM23に記録する。
ECU20は、上限値NP0+αが算出されると、ステップS1502で入手したブラシレスモータ32の回転数NPが、上限値NP0+αより大きいか否かを判断する(S1505)。上述のように、ブラシレスモータ32およびこれを備える燃料ポンプ30は、生産工程上のばらつきにより、ある電圧に対する回転数には図3に示すように分布がある。また、ブラシレスモータ32および燃料ポンプ30の製品上のばらつきを排除しても、バッテリ14の電圧Bに対するブラシレスモータ32の回転数NPは燃料の残量QFによって変化する。すなわち、燃料タンク70における燃料の残量QFが減少するほど、ブラシレスモータ32の負荷は低下する。そのため、バッテリ14の電圧Bが一定であっても、ブラシレスモータ32の回転数NPは増大する。
そこで、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きいか否かを判断する。そして、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きいと判断されたとき、ECU20はさらにステップS1506に記録されている燃料の残量QFが所定の残量しきい値Q1より大きいか否かを判断する(S1506)。ここで、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きく、燃料の残量QFが残量しきい値Q1よりも大きいとき、ブラシレスモータ32または燃料ポンプ30の異常と判断する(S1507)。一方、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きく、燃料の残量QFが残量しきい値Q1よりも小さいとき、燃料タンク70の内部における燃料の残量がわずかなガス欠状態と判断する(S1508)。
このように、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きいとき、燃料タンク70における燃料の残量QFが残量しきい値Q1よりも大きいか否かを判断する。燃料タンク70における燃料の残量QFが残量しきい値Q1よりも少ないとき、燃料タンク70は空転状態となり、バッテリ14の電圧Bが一定であっても、ブラシレスモータ32の回転数は増大する。そこで、ブラシレスモータ32の回転数NPとともに燃料タンク70における燃料の残量QFを検出することにより、ブラシレスモータ32および燃料ポンプ30の異常がそれら自身の異常に起因するものなのか、ガス欠状態に起因するものかを判別することができる。
以上の手順により燃料ポンプの異常検出を終了する。
2.燃料の残量に基づく異常検出の第2実施形態
上記の構成の制御装置110による異常検出の第2実施形態を図23に基づいて説明する。なお、上記の図22に示す異常検出の第1実施形態と実質的に同一の手順については詳細な説明を省略する。
ECU20は、異常判定ルーチンに移行すると、バッテリ14の電圧Bを検出し、検出したバッテリ14の電圧BをRAM23に記録する(S1601)。また、ECU20は、燃料ポンプ30のブラシレスモータ32の回転数NPを検出し、検出したブラシレスモータ32の回転数NPをRAM32に記録する(S1602)。さらに、ECU20は、ステップS1601で入手したバッテリ14の電圧Bから、この電圧Bに対応するブラシレスモータ32の基準回転数NP0を算出する。そして、ECU20は、算出した基準回転数NP0に応じて上限値NP0+αを算出する。
ECU20は、上限値NP0+αが算出されると、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANをCNPJAN=CNPJAN+1として、カウンタを「1」進める(S1603)。
ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが「1」進められると、ECU20はステップS1602で検出したブラシレスモータ32の回転数NPと、基準回転数NP0の上限値NP0+αとを比較する(S1604)。ここで、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより小さいと判断したとき、異常検出を終了し、ステップS1612へ移行する。一方、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きいと判断したとき、燃料ポンプ30の異常を検出したとして、ポンプ異常検出カウンタCNPANをCNPAN=CNPAN+1として、カウンタを「1」進める(S1605)。
ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANを「1」進めると、ステップS1603でカウントされたポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANがあらかじめ設定された所定値C1以上であるか否かを判断する(S1606)。すなわち、ECU20は、所定の期間に該当する所定値C1に対応する期間が経過したか否かを判断する。ここで、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C1より小さいと判断したとき、異常検出を終了し、ステップS1612へ移行する。一方、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C1以上であると判断したとき、ステップS1605でカウントされたポンプ異常検出カウンタCNPANがあらかじめ設定された所定値C2以上であるか否かを判断する(S1607)。すなわち、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANでカウントされた所定期間C1の間に、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値C2に対応する回数カウントされたか否かを判断する。ここで、所定値C1と所定値C2とは、C1≧C2の関係を有する。
ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値C2以上のとき、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じていると判断する(S1608)。燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じると、その異常は例えば燃料ポンプ30を再起動または逆回転などをさせるまで継続する。そのため、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が検出されたポンプ異常検出カウンタCNPANの値と、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANのカウントの値C1とは近似する。特に、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じているとき、所定値C1と所定値C2とはほぼ一致する。
これに対し、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値C2より小さいとき、燃料タンク70における燃料の残量が少ない、いわゆるガス欠状態であると判断する(S1609)。燃料タンク70における燃料の残量が少なくなると、燃料タンク70の内部における燃料の液面位置の変化によって燃料ポンプ30は間欠的に燃料を吐出する。そのため、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常は、間欠的に検出される。その結果、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が検出されたポンプ異常検出カウンタCNPANの値が所定値C2に達するまでに、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANのカウントの値C1は大きくなる。
このように、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANの値と、ポンプ異常検出カウンタCNPANの値とから、燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32に異常が生じているか、または燃料タンク70における燃料の残量が減少しているかを判断する。ECU20は、燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32に異常が生じているか、または燃料タンク70における燃料の残量が減少していることを判断すると、ポンプ異常検出カウンタCNPANをCNPAN=0にリセットするとともに(S1610)、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANをCNPJAN=0にリセットする(S1611)。
ECU20は、上記の処理をポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C3に達するまで繰り返す(S1612)。すなわち、ECU20は、ステップS1604、ステップS1606またはステップS1611からステップS1612に移行すると、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C3以上であるか否かを判断する。この所定値C3は、所定値C1および所定値C2よりも大きな値である。ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANがC3以上であると判断すると、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANをCNPJAN=0とリセットし(S1613)、再び上述の処理を繰り返す。一方、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C3より小さいと判断すると、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値C3に達するまで上述の処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態では、所定の期間内に燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に検出された異常の頻度から、異常が燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32に起因するものなのか、または燃料タンク70における燃料の残量に起因するものかを判別することができる。
3.燃料の残量に基づく異常検出の第3実施形態
上記の構成の制御装置110による異常検出の第3実施形態を図24に基づいて説明する。なお、上記の図22に示す第1実施形態または図23に示す第2実施形態と実質的に同一の手順については詳細な説明を省略する。
ECU20は、異常判定ルーチンに移行すると、バッテリ14の電圧Bを検出し、検出したバッテリ14の電圧BをRAM23に記録する(S1701)。また、ECU20は、燃料ポンプ30のブラシレスモータ32の回転数NPを検出し、検出したブラシレスモータ32の回転数NPをRAM32に記録する(S1702)。さらに、ECU20は、ステップS1701で入手したバッテリ14の電圧Bから、この電圧Bに対応するブラシレスモータ32の基準回転数NP0を算出する。そして、ECU20は、算出した基準回転数NP0に応じて上限値NP0+αを算出する。
ECU20は、上限値NP0+αが算出されると、ステップS1702で検出したブラシレスモータ32の回転数NPと、基準回転数NP0の上限値NP0+αとを比較する(S1703)。ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより大きいと判断したとき、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じていると判断する。したがって、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANをCNPAN=CNPAN+1として、カウンタを「1」進める(S1704)。一方、ECU20は、ブラシレスモータ32の回転数NPが上限値NP0+αより小さいと判断したとき、ポンプ異常検出カウンタCNPANを進めることなく、後続のステップへ移行する。
ECU20は、ステップS1704が完了すると、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1に達したか否かを判断する(S1705)。ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANは、図24に示す異常判定ルーチンを行うごとに「1」進められる。したがって、異常判定ルーチンに移行した直後の場合、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANは、CNPJAN=0である。すなわち、ステップS1705では、異常判定ルーチンが所定値D1に対応する回数行われたか否かを判断する。ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1に達していないとき、異常検出を終了し、ステップS1713へ移行する。
ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1であると判断すると、ステップS1704でカウントしたポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D2より小さいか否かを判断する(S1706)。ここで、所定値D2は、所定値D1より小さな値として設定されている。ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D2より小さいとき、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1に達するまでに検出された燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常の回数は所定値D2より少ない。したがって、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D2より小さいとき、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32は正常であると判断する。
一方、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D2より大きいとき、さらにポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D3より小さいか否かを判断する(S1708)。この所定値D3、所定値D1および所定値D2の関係は、D1≧D3>D2に設定されている。これにより、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D3より小さいとき、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1に達するまでに燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32には異常が検出されているものの、その頻度は低いと判断される。燃料タンク70における燃料の残量が減少すると、燃料タンク70における燃料の液面位置によって燃料ポンプ30から間欠的に燃料が吐出される。その結果、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常は、間欠的に検出され、所定値D3より小さくなる。したがって、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANの値が所定値D2と所定値D3との間にあるとき、いわゆるガス欠状態であると判断する(S1709)。
さらに、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D3より大きいとき、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じていると判断する(S1710)。すなわち、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D3より大きいとき、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANが所定値D1に達するまでに燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に検出される異常の頻度が高い。そのため、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32には、継続して異常が生じていると考えられる。したがって、ECU20は、ポンプ異常検出カウンタCNPANが所定値D3より大きいとき、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が生じていると判断する。
ECU20は、燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32の異常の有無、または燃料タンク70における燃料の残量が減少を判断すると、ポンプ異常検出カウンタCNPANをCNPAN=0にリセットするとともに(S1711)、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANをCNPJAN=0にリセットする(S1712)。
上記の手順が終了すると、ECU20は、ポンプ異常判定実施回数カウンタCNPJANを「1」進める(S1713)。
以上のように、本実施形態では、所定の期間内に燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に検出された異常の頻度から、異常が燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32に起因するものなのか、または燃料タンク70における燃料の残量に起因するものかを判別することができる。
4.異常検出時の安全確保(1)
上述のように燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態において、燃料タンク70におけるガス欠、または燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32の異常が検出されたとき、ECU20は安全確保のための処理を実施することができる。以下、異常検出時の安全確保(1)について説明する。ここで、異常検出時の安全確保(1)の場合、燃料タンク70におけるガス欠、または燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32の異常の検出までの手順は、図22、図23または図24で説明した通りである。したがって、図22、図23または図24で説明した各実施形態との変更点のみを説明し、その他の手順には同一のステップ番号を付与して説明を省略する。
例えば図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態では、ステップS1507でECU20は燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常と判断する。このとき、図25に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料ポンプ30の異常を警告する(S1511)。一方、図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態では、ECU20はステップS1508で燃料タンク70における燃料のガス欠と判断する。このとき、図25に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料タンク70における燃料の残量の減少を警告する(S1512)。
このように図25に示す処理の流れは、図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態の変形例であり、ステップS1507に続いて燃料ポンプ30の異常を警告するステップS1511、およびステップS1508に続いてガス欠を警告するステップS1512を含んでいる。ここで、ECU20は、例えば視覚的、聴覚的あるいは触覚的な警告手段を経由して異常の警告を発する。視覚的な警告手段として例えばダッシュボードにおけるランプの点滅などが適用でき、聴覚的な警告手段として例えばブザーやホーンの鳴動などを適用でき、触覚的な警告手段として例えばハンドルやシフトノブの振動などを適用することができる。このように警告手段は、任意に選択して適用することができる。
また、図23に示す燃料残量に基づく異常検出の第2実施形態では、ステップS1608でECU20は燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常と判断する。このとき、図26に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料ポンプ30の異常を警告する(S1621)。一方、図23に示す燃料残量に基づく異常検出の第2実施形態では、ステップS1609でECU20は燃料タンク70における燃料のガス欠と判断する。このとき、図26に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料タンク70における燃料の残量の減少を警告する(S1622)。
このように図26に示す処理の流れは、図23に示す燃料残量に基づく異常検出の第2実施形態の変形例であり、ステップS1608に続いて燃料ポンプ30の異常を警告するステップS1621、およびステップS1609に続いてガス欠を警告するステップS1622を含んでいる。
さらに、図24に示す燃料残量に基づく異常検出の第3実施形態では、ステップS1709でECU20は燃料タンク70における燃料のガス欠と判断する。このとき、図27に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料タンク70における燃料の残量の減少を警告する(S1721)。一方、図24に示す燃料残量に基づく異常検出の第2実施形態では、ステップS1710でECU20は燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32の異常と判断する。このとき、図27に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料ポンプ30の異常を警告する(S1722)。
このように図27に示す処理の流れは、図24に示す燃料残量に基づく異常検出の第3実施形態の変形例であり、ステップS1709に続いてガス欠を警告するステップS1721、およびステップS1710に続いて燃料ポンプ30の異常を警告するステップS1722を含んでいる。
以上の図25から図27で説明したように、ECU20はガス欠または燃料ポンプ30の異常を検出すると、警告手段を経由して車両の搭乗者に異常の認識を促す。したがって、早期に異常を検出することができるとともに、速やかに安全対策を施すことができる。
5.異常検出時の安全確保(2)
上述のように燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態、第2実施形態または第3実施形態において、燃料タンク70におけるガス欠、または燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32の異常が検出されたとき、ECU20は安全確保のための処理を実施することができる。以下、異常検出の安全確保(2)について図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態の変形例として説明する。異常検出時の安全確保(2)の場合、燃料タンク70におけるガス欠、または燃料ポンプ30もしくはブラシレスモータ32の異常の検出までの手順は、図22で説明した通りである。したがって、図22で説明した実施形態との変更点のみを説明し、その他の手順には同一のステップ番号を付与して説明を省略する。なお、図23および図24で説明した各実施形態についても、異常検出時の安全確保(2)は適用することができる。
例えば図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態では、ステップS1507でECU20は燃料ポンプまたはブラシレスモータ32の異常と判断する。このとき、図28に示すように、ECU20は警告手段を経由して燃料ポンプ30の異常を警告する(S1511)。一方、図22に示す燃料残量に基づく異常検出の第1実施形態では、ECU20はステップS1508で燃料タンク70における燃料のガス欠と判断する。このとき、図28に示すように、ECU20は燃料タンク70の燃料を移送する。
図29に示すように、燃料タンク70は、メインタンク72およびリザーバタンク73を有している。メインタンク72とリザーバタンク73とは、隔壁部74によって区切られている。メインタンク72には燃料ポンプ30が収容されている。リザーバタンク73は、天地方向においてメインタンク72の上方に設けられている。燃料タンク70に燃料が満たされ、燃料の液面位置が隔壁部74よりも高いとき、メインタンク72およびリザーバタンク73における燃料の液面位置はほぼ同一となる。一方、燃料ポンプ30はメインタンク72に収容されているため、燃料ポンプ30はメインタンク72に蓄えられている燃料を吸引し燃料タンク70の外部へ吐出する。このとき、燃料の吐出にともないメインタンク72に蓄えられている燃料の液面位置が低下しても、隔壁部74で仕切られているリザーバタンク73には隔壁部74の高さに対応する位置において燃料の液面が維持される。すなわち、メインタンク72の燃料が減少しても、所定量の燃料がリザーバタンク73に蓄えられる。
メインタンク72とリザーバタンク73との間には、接続通路75が設けられている。接続通路75は、リザーバタンク73の底壁とメインタンク72の底壁近傍の側壁とを接続している。接続通路75には、開閉弁手段としての開閉弁部76が設けられている。開閉弁部76は、接続通路75を開閉し、リザーバタンク73とメインタンク72との間における燃料の流れを断続する。開閉弁部76は、例えばECU20からの指示によりアクチュエータが駆動するコックや、ECU20からの指示により開閉する電磁弁など、任意の弁を適用することができる。
このように、図28に示すステップS1508においてECU20がガス欠状態であると判断すると、ECU20はステップS1521において開閉弁部76によって接続通路75を開放し、リザーバタンク73からメインタンク72へ燃料を移送する。これにより、メインタンク72にはリザーバタンク73に蓄えられた燃料が補給され、燃料ポンプ30は燃料を外部へ吐出する。したがって、燃料タンク70における燃料の量が減少しても、車両の運転を継続することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、例えばガソリンなどの単一種類の燃料を用いる場合を例に説明した。そのため、制御装置10、110のROM22には、単一の種類の燃料にあわせてバッテリ14の電圧Bとブラシレスモータ32の基準回転数NPとの関係、ならびに上限値NP0+αおよび下限値NP0−αが記録されている。一方、近年では、例えばエタノールを混合したガソリンなど、ガソリンなどの従来の燃料に生物由来の燃料を添加する例が増加している。エタノールなどのガソリン以外の燃料は、例えば粘度や密度などの特性がガソリンと相違する。また、混合燃料の特性は、エタノールなどの含有率によって変化する。混合燃料の特性が変化すると、バッテリ14の電圧Bが一定であっても、その燃料の特性によってブラシレスモータ32の基準回転数NPが変化する。例えばガソリンに比較して粘度の高いエタノールの含有量が増大すると、ブラシレスモータ32の負荷が増加し、バッテリ14の電圧Bが一定であっても、ブラシレスモータ32の基準回転数NPは低下する。そこで、ECU20は、制御装置10、110のROM22に記録されているバッテリ14の電圧Bとブラシレスモータ32の基準回転数NPとの関係を、燃料の種類によって補正してもよい。すなわち、ECU20は、燃料の種類によって電圧Bと基準回転数NPとの関係を補正する補正手段として機能する。
関係を補正する場合、ECU20は、異常検出に先立ってバッテリ14から特定の電圧をブラシレスモータ32に印加する。そして、この特定の電圧とブラシレスモータ32の回転数との関係から、燃料に含まれるエタノールなどの濃度を推定する。上述のように、粘度や密度の高い燃料の濃度が増加するほど、バッテリ14の電圧Bが一定であれば、ブラシレスモータ32の基準回転数NPは低下する。これらの関係の変化から、ECU20は燃料に含まれるエタノールなどの濃度を推定する。そして、ECU20は、推定したエタノールなどの濃度に基づいて、ROM22に記録されている基準回転数NPを補正する。
以上のように、使用する燃料に応じてバッテリ14の電圧Bとブラシレスモータ32の基準回転数NPとの関係を補正することにより、燃料の種類に関係なく、ブラシレスモータ32および燃料ポンプ30の異常を早期かつ確実に検出することができる。
また、上述の燃料ポンプの制御装置の第2実施形態では、燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が検出されたとき、またはガス欠が検出されたとき、その安全確保として警告手段による警告または燃料タンク70の燃料の移送を例に説明した。しかし、燃料ポンプの制御装置の第2実施形態において燃料ポンプ30またはブラシレスモータ32に異常が検出された場合、燃料ポンプの制御装置の第1実施形態と同様に、燃料ポンプ30を再起動、あるいは正回転や逆回転を繰り返したり、再起動などにともなう燃料吐出圧の低下にともなって燃料の噴射量または点火時期を変更する制御を行うこともできる。
以上説明したように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置を適用したエンジンシステムを示すブロック図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置に適用される燃料ポンプの概略を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプのバッテリ電圧と回転数との関係を示す模式図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常検出の第1実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常検出の第2実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常復帰の第1実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常復帰の第2実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常復帰の第2実施形態において第1復帰モードルーチンの流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料ポンプの異常復帰の第2実施形態において第2復帰モードルーチンの流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第1実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第2実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第3実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第4実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第5実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第6実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第7実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第8実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第8実施形態において設定されるCFPFとρとの関係を示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第8実施形態において設定されるCFPFとσとの関係を示す概略図。 本発明の第1実施形態による燃料ポンプの制御装置による安全確保の第8実施形態において設定されるCFPFとκとの関係を示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置を適用したエンジンシステムを示すブロック図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第1実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第2実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第3実施形態の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第1実施形態の安全確保(1)の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第2実施形態の安全確保(1)の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第3実施形態の安全確保(1)の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置による燃料の残量に基づく異常検出の第1実施形態の安全確保(2)の流れを示す概略図。 本発明の第2実施形態による燃料ポンプの制御装置に適用される燃料タンクを示す概略的な断面図。
符号の説明
10、110:制御装置、13:回転数検出部(回転数検出手段)、14:バッテリ(電源)、20:ECU(異常検出手段、再起動手段、特性調整手段、補正手段)、22:ROM(記憶手段)、24:電圧検出部(電圧検出手段)、30:燃料ポンプ、32:ブラシレスモータ、62:インジェクタ制御部(特性調整手段)、63:点火時期制御部(特性調整手段)、70:燃料タンク、71:液面センサ、72:メインタンク、73:リザーバタンク、74:隔壁部、75:接続通路、76:開閉弁部

Claims (9)

  1. 電源の電圧によって回転数が決定するブラシレスモータによって駆動され、燃料タンクに蓄えられている燃料を加圧して吐出する燃料ポンプの制御装置であって、
    前記電源の電圧と前記ブラシレスモータの回転数との関係を記憶する記憶手段と、
    前記電源の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記ブラシレスモータの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記回転数検出手段で検出した前記ブラシレスモータの回転数と前記電圧検出手段で検出した前記電源の電圧とが前記記憶手段に記憶された所定の範囲内にあるか否かを判断し、所定の範囲外のとき前記燃料ポンプは異常と判断する異常検出手段と、
    前記異常検出手段が前記燃料ポンプの異常を検出すると、前記ブラシレスモータを一旦停止し再起動する再起動手段と、
    を備え、
    前記回転数検出手段で検出した前記ブラシレスモータの回転数が前記所定の範囲の下限値より小さいとき、
    前記異常検出手段は、前記ブラシレスモータまたは前記燃料ポンプに異物のかみ込み異常が生じていると判断し、
    前記再起動手段は、前記燃料ポンプの停止、逆回転、停止、および正回転を、所定の期間または回数、繰り返し実行する燃料ポンプの制御装置。
  2. 前記ブラシレスモータが停止されたとき、前記燃料タンクから燃料が供給される内燃機関における燃料の噴射量または点火時期の少なくともいずれか一方を調整する特性調整手段を備える請求項1記載の燃料ポンプの制御装置。
  3. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータが停止されたとき、前記内燃機関に噴射する燃料の噴射期間を延長する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  4. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータの停止期間が長くなるにしたがって、前記内燃機関に噴射する燃料の噴射期間を延長する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  5. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータが停止されたとき、前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量を増大する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  6. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータの停止期間が長くなるにしたがって、前記内燃機関に噴射する燃料の噴射量を増大する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  7. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータが停止されたとき、前記内燃機関の点火時期を進角側へ補正する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  8. 前記特性調整手段は、前記ブラシレスモータ停止期間が長くなるにしたがって、前記内燃機関の点火時期の進角側への補正量を増大する請求項記載の燃料ポンプの制御装置。
  9. 使用される燃料の特性に応じて、前記記憶手段に記憶された前記電源の電圧と前記ブラシレスモータの回転数との関係を補正する補正手段をさらに備える請求項1からのいずれか一項記載の燃料ポンプの制御装置。
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