JP2004106915A - ラベル貼付装置および商品へのラベル貼付方法 - Google Patents

ラベル貼付装置および商品へのラベル貼付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異なる姿勢で投入されても正常にラベルを貼付できるラベル貼付装置を提供する。
【解決手段】商品を撮像し、撮像データから所定の判定基準に従って被判定データを生成する。あらかじめ取得されている基準データと被判定データとを比較して、商品の姿勢が正常か、反転しているか、あるいは商品が誤投入されているか、を判定する。商品の姿勢が反転している場合は、ラベルへの印字を本来のフォーマットと反転させて印字し、さらに、所定の貼付位置と商品中心について対称な位置に、本来の向きと対応させた向きにて該ラベルを貼付する。これにより、商品の投入ミスによる処理効率の低下を防ぐことができる。
【選択図】    図20

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品の包装を行った後、値段等が印字された所定のラベルを貼付する(値付する)包装値付装置の、特にラベル貼付に係る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
スーパーやコンビニエンスストアにおいて販売される生鮮食料品、あるいは弁当類や総菜類などの加工食品などの商品には、商品名や値段、内容量等を記載したラベルが貼付されている。通常、こうした商品へのラベルの貼付は、陳列時に見栄えがよいことや、商品を購入する顧客が商品を選定する際の妨げにならないことなどの条件に従って、貼付場所と貼付方向とがあらかじめ定められている。
【0003】
また、効率的な処理を目的として、商品の包装、そして必要な場合には計量、さらにはラベルの貼付(値付)に至るまでの一連の処理が自動化された包装(計量)値付装置が、広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−124117号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そうした包装値付装置を用いた包装および値付においては、商品を所定の姿勢とは異なる姿勢にて投入しても、その誤った姿勢のまま誤った場所にラベルが貼付されてしまっていた。あるいは、貼付の対象ではない商品を誤って投入した場合であっても、なんらチェックされずにそのままラベルが貼付されてしまっていた。こうした場合は、いずれも貼付のやり直しが必要となり、処理の効率化を妨げる要因となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、商品の正誤を識別し、商品の正しい場所にラベルを貼付できるラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字手段と、所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付手段と、を備え、商品にラベルを貼付する装置であって、装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、前記姿勢検出手段における姿勢検出結果に基づいて、前記姿勢に関わらず前記商品における所定の貼付位置に所定の向きにラベルを貼付可能とされていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字手段と、所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付手段と、を備え、商品にラベルを貼付する装置であって、装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、前記商品が、略水平面内における本来の姿勢である第1姿勢と異なる第2姿勢をとっている場合であっても、前記姿勢検出手段における姿勢検出結果に基づいて前記商品における所定の貼付位置に所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のラベル貼付装置であって、前記印字手段は前記印字フォーマットを略180°回転させて前記ラベルに印字する回転印字を実行可能であり、前記商品が前記第2姿勢をとっている場合に、前記印字手段が前記回転印字を実行することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項2に記載のラベル貼付装置であって、前記貼付手段が前記ラベルを水平面内で回転させる回転機構をさらに備え、前記商品が第2姿勢をとっている場合に、前記貼付手段が前記ラベルを前記水平面内にて回転させることにより、前記所定の貼付位置において前記所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラベル貼付装置であって、前記姿勢検出手段が、前記商品の上面を撮像して商品画像を取得する撮像手段と、前記商品画像と、あらかじめ前記商品を前記第1姿勢に保って取得した基準画像とを比較し、あらかじめ定められた少なくとも1つの判断基準に従って前記第2姿勢を検出する比較判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載のラベル貼付装置であって、前記比較判断手段が、前記商品画像を回転する画像回転手段、をさらに備え、前記画像回転手段によって前記商品画像を前記第1姿勢に相当するする向きにまで回転しても、前記商品画像と前記基準画像とが一致しないと場合には動作を停止することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字工程と、所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付工程と、を含む、商品へのラベルの貼付方法であって、装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出工程をさらに備え、前記姿勢検出工程における姿勢検出結果に基づいて、前記姿勢に関わらず前記商品における所定の貼付位置に所定の向きにラベルを貼付可能とされていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字工程と、所定の移動機構によって、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付工程と、を含む、商品へのラベルの貼付方法であって、装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出工程をさらに備え、前記商品が、略水平面内における本来の姿勢である第1姿勢と異なる第2姿勢をとっている場合であっても、前記姿勢検出工程における姿勢検出結果に基づいて前記商品における所定の貼付位置に所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
<装置構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る包装値付装置100を示す外観斜視図である。図2は、包装値付装置100の構成を示すブロック図である。包装値付装置100は、トレーに載置された商品をトレーごとラップフィルムにて包装し、商品名や値段、内容量等を記載したラベルをフィルム面に貼付する装置である。また、商品の種類により、必要に応じて、計量を行う機能も備えている。これらの機能を実現するため、包装値付装置100は、図1ないしは図2に示すように、投入・排出部10と、計量部20と、撮像部30と、リフト部40と、包装部50と、印字部60と、貼付部70と、表示・操作部80と、制御部90とを主として備えている。各部はバスラインBLを介して電気的に接続されている。なお、図1には、包装値付装置100の奥行き方向をx軸、幅方向をy軸、高さ方向をz軸とする3次元座標系を付している。以降の説明も、この座標系に従って行うこととする。
【0016】
表示・操作部80は、包装値付装置100のオペレータが装置各部の動作に係る設定を行ったり、包装値付装置100の動作状態を表示するために備わり、キーボードや液晶パネルなどから構成される。液晶パネルは、タッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイであってもよい。
【0017】
制御部90は、包装値付装置100の各部の動作を制御するために備わり、CPU90aと、ROM90bと、RAM90cと、記憶部90dとを備え、コンピュータによりその機能が実現されるものである。記憶部90dは、ハードディスク等の記憶装置により実現される。記憶部90dには、各種の制御用のプログラムPと、包装等の処理の対象となる商品についての情報を格納するデータベースである商品マスタMS1(図8)と、トレーについてのデータベースであるトレーマスタMS2(図9)と、商品の識別等の判定を行う際の基準となる情報についてのデータベースである基準マスタMS3(図10)と、判定に用いる個々の商品ごとの基準画像データRIDと、ラベルを印字する際のフォーマットであるラベルフォーマットデータLFDとが、主に記憶されている。
【0018】
図3は、包装値付装置100における商品の搬送経路の前段部分、すなわち、投入された商品が撮像され、必要な場合は計量され、その後包装に至るまでの部分を模式的に示す側断面図である。当該前段部分は、主として、投入・排出部10と、計量部20と、撮像部30と、リフト部40とから構成される。
【0019】
包装値付装置100における包装値付処理の対象となる商品Mは、多くの場合、トレーTに載置された状態で投入・排出部10の投入部11に載置される。以降の説明においては、トレーTを含めて単に商品と称する場合もある。
【0020】
投入部11は、その裏面において計量部20と連接されており、計量部20のロードセル21によって商品Mの重量が検知されるようになっている。検知された重量データは、商品Mが重量あたりの単価に応じて値段が定まる商品である場合など、重量データが必要な場合には、制御部90に送られ、値付等に利用される。
【0021】
また、投入部11の上方に配置されている投入・排出部10の排出部15の裏面側には、撮像部30が設けられている。撮像部30は、投入部11に載置された商品Mを、CCDカメラ31によって撮像するために備わる。CCDカメラ31は、好ましくはカラー撮影が可能な機能を備える。
【0022】
また、投入・排出部10は、4つのプーリPLに巻き掛けられ、図示しない駆動手段によって駆動される左右2組の搬送ベルト12と、当該搬送ベルト12により固定されており、複数の搬送爪13Fを有する搬送バー13とを備えている。なお、図3においては図示しないが、投入部11の端部には、搬送爪13Fが通過を可能とするための切り欠き11N(図11)が設けられている。搬送ベルト12および搬送バー13が矢印AR1ないし矢印AR2のように駆動されると、やがて搬送バー13によって商品MはトレーTごと押されることになり、センタリングコンベア14、さらにはその奥(x軸負方向)に備わるリフト部40の支持部材43(後述)の上へと搬送されていくことになる。ここで、センタリングコンベア14は、投入部11における商品Mのy軸方向の投入位置にばらつきがあった場合にこれを中心部まで移動させるために備わる。センタリングコンベア14の作用により、商品Mは、リフト部40の支持部材43のy軸方向中心部に載置されることになる。
【0023】
リフト部40は、電動ボールネジ機構44により上下移動が可能とされている支持基台41と、支持基台41上に下端部を固設され、長手方向がz軸方向となるよう設けられる複数の支持バー42と、各支持バーの上端部に回動自在に、かつ、トレーTの底面を支持可能に設けられた支持部材43とを備える。商品Mが支持部材43上に載置されると、電動ボールネジ機構44の作用によって支持基台が上方(z軸正方向)へ移動させられる。これにより商品Mは上方へと移送されることになる。
【0024】
図4は、包装値付装置100における商品の搬送経路の後段部分、すなわち、リフト部40によって押し上げられた商品が包装された後、印字されたラベルが貼付されるまでの部分を模式的に示す側断面図である。当該前段部分は、主として、包装部50と、印字部60と、貼付部70とから構成される。
【0025】
包装部50は、商品Mを、包装用のラップフィルムFを用いて包装するために備わる。包装部50は、フィルム搬送機構51と、一対の左右折込板52と、後折込板53と、プッシャ54と、シールコンベア55とを有している。包装部50においては、前述したリフト部40による商品Mの上方移送動作に先立って、フィルム搬送機構51によって、ラップフィルムFがトレーTの上方においてあらかじめ張設状態とされて供給されている。そして、このリフト部40による移送動作の結果、トレーT上に載置された商品Mの上面やトレーTの辺縁部にラップフィルムFが密着する。さらに、トレーTの上面をラップフィルムFが覆った状態で、左右折込板52、後折込板53、およびプッシャ54などにより、ラップフィルムFの四辺がトレーTの底面(下面)側に折り込まれる。その後、シールコンベア55においてトレーTの底面側に折り込まれたラップフィルムFの各辺縁部が互いに熱溶着されることにより、包装が完了する。
【0026】
印字部60は、商品が投入されて、包装がなされるまでの間に、商品に貼付すべきラベルLBに所定の印字内容を印字するために備わる。また、貼付部70は、印字されたレベルLBを、商品Mの(包装面上の)所定の位置に、所定の向きに貼付するために備わる。図5は、印字部60および貼付部70の動作を説明するための側断面図である。
【0027】
印字部60においては、台紙BSと一体となったラベルLBが、プラテンローラPRによりガイドされつつ、供給ロールSRから矢印AR4のように供給され、ラベルフォーマットデータLFDと商品Mの種類により定まる所定の印字内容に基づき、印字ヘッド61によって印字面LBSに対する印字が行われる。
【0028】
貼付部70においては、印字されたラベルLBが貼付ヘッド71により吸引保持しつつ台紙BSから剥離され、商品Mの所定の位置に貼付される。貼付ヘッド71は底部に複数の吸引孔VHを有しており、貼付ヘッド71の内部が負圧状態とされることで、当該吸引孔VHからの吸引によってラベルLBを保持することができる。また、貼付部70は、水平駆動機構72と垂直駆動機構73と、回転駆動機構74とを備えており、ラベルLBを保持したまま、矢印AR5ないしAR7に示すように、水平移動、垂直移動、および回転ができるようになっている。これにより、ラベルLBを商品Mの任意の位置に、縦向きないしは横向きのいずれかの姿勢で商品Mに貼付することが可能となる。ラベルLBが貼付された商品は、排出部15に排出されることになる。
【0029】
<商品の判定>
次に、包装値付装置100において、投入された商品の正誤および姿勢の判定について、具体例を挙げつつ説明する。いま、包装値付装置100における処理の対象となる商品Mが、トレーTに入り、透明な上ぶたを被せられた「カレーライス」CRであるとする。
【0030】
図6は、制御部90において、CPU90aと、ROM90bと、RAM90cと、記憶部90dとの機能によって実現される、商品の判定に係る各部と、判定に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。制御部90においては、商品の判定を行うために、処理対象選択部91と、基準データ生成部92と、被判定データ生成部93と、比較判定部94とが実現される。また、図7は、商品の判定の流れを示す図である。図8は商品マスタMS1を、図9はトレーマスタMS2を、図10は基準マスタMS3を、それぞれ例示的に示す部分図である。なお、いずれのマスタにおいても、各行を「レコード」、各列を「項目」と称することとする。また、各マスタにおいて記述されている座標やサイズの単位は「mm」、基準マスタMS3における項目「しきい値」の単位は「%」であるとする。
【0031】
まずはじめに、包装値付装置100において処理を行う商品の決定がなされると、オペレータによる表示・操作部80の操作に応じて、処理対象選択部91が、商品マスタMS1およびトレーマスタMS2から、対象となる商品についての情報を取得する(ステップS1)。いま、処理対象商品は「カレーライス」CRであるので、商品マスタMS1において「呼出No.」が「15」のレコードを元に、判定対象設定データOSDが生成される。具体的には、「呼出No.」が「15」のレコードにおける項目「トレーNo.」の値は「08」であるので、トレーマスタMS2において「トレーNo.」が「08」のレコードの内容のうち、商品の判定に必要な情報、例えば、「奥行き」、「幅」、「高さ」等の情報が、判定対象設定データOSDとして抽出される。さらに「呼出No.」が商品マスタMS1と共通に付与されている基準マスタMS3からは、「呼出No.」が「15」のレコードの中から、判定に用いる基準画像データRIDのデータファイル名を示す「基準画像」や、判定の基準となる「判定位置」や「しきい値」などの情報が、同じく判定対象設定データOSDとして抽出される。なお、基準画像データRIDは、対象となる商品について包装値付装置100における処理に先立って撮像したデータからあらかじめ作成され、例えばビットマップ形式で記憶部90dに記憶されているものとする。
【0032】
対象商品についての設定等、処理のための種々の設定が完了すると、商品の投入が開始される(ステップS2)。図11は、投入部11の上面図である。商品は、投入部11の載置面11sのうち、撮像部30による撮像範囲を示す載置枠FLの範囲内に載置するものとする。なお、載置枠FLは、奥行きをHf、幅をWfとする矩形領域であり、枠内には、+x方向をX軸正の向き、+y方向をY軸正の向きとする軸AX、AYを規定し、その交点を投入原点Oと規定する。また、原則として商品は、長手方向をY軸方向と略一致するように載置するものと規定しておく。また、商品の中心を投入原点Oと一致させ、かつ、長手方向を軸AYと一致するように商品を載置する状態を理想状態、理想状態における商品の配置位置を理想位置IP、と称することとする。基準画像データRIDは、好ましくは、この理想状態で商品を撮像することにより得られるデータである。
【0033】
なお、上述のように、商品の投入に際してはなるべく理想状態と近い姿勢で載置するように規定しておくことにより、正常な姿勢から著しくずれた姿勢で載置される状況の発生はあらかじめ抑制される。また、そうした姿勢で載置されたとしても、後述するようにトレーのサイズが登録されているサイズと一致しないので、誤って処理が続行されることはない。よって、主として問題となるのは、理想状態から略180°回転した姿勢、すなわち反転した姿勢で商品が載置される場合である。
【0034】
商品が投入部11に載置されると、前述したように各部での動作が順次行われることになる。ここで、計量が必要な場合は計量部20により計量が行われるが、計量の要否に関わらず、載置された商品は撮像部30によって撮像される(ステップS3)。撮像により得られた画像は、撮像データIDとしてRAM90cあるいは記憶部90dに記憶される。撮像データIDは、主として商品の判定に用いるデータであるので、必ずしも、判定処理の後まで保存しておく必要はないが、記憶部90dに記憶する場合は、例えば、商品個体ごとの包装時の外観状態を、後になって確認する後追い検査等に利用することも可能となる。
【0035】
撮像データIDが得られると、商品の判定に用いる基準データRDと、被判定データEDとが生成される(ステップS4)。本実施の形態においては、商品の色分布に関する情報、具体的には、輝度の情報に基づいて、商品の正誤、あるいは姿勢を判定するので、基準データRDと、被判定データEDとはいずれも、この目的に即したデータとして得られることになる。
【0036】
基準データRDは、基準データ生成部92によって、あらかじめ取得され記憶部90dに記憶されている基準画像データRIDから、判定対象設定データOSDに記述された設定内容、つまり、もともとは基準マスタMS3(図10)に記述されていた設定内容に基づいて生成される。すなわち、「カレーライス」CRについての基準データRDは、「curry」というファイル名の基準画像データRIDにおいて、投入原点Oからみて座標(25,25)なる位置を中心とし、x方向に50(mm)、y方向に50(mm)のサイズを有する矩形領域SQ0から生成することになる(図13)。
【0037】
一方、被判定データEDは、判定対象設定データOSDの設定内容に従って、撮像データIDから生成される。ただし、実際の商品の投入においては、必ずしも理想状態で商品を載置するとは限らず、理想状態を目指して載置したとしても実際の載置位置RPと理想位置IPとが一致せず、また商品の姿勢が理想状態からずれることも頻繁に起こりうる。従って、被判定データEDを得るには、まず載置位置のずれをキャンセルした後、商品の情報を得ることになる。図12は、これを説明するための図である。
【0038】
図12においては、載置枠FLの枠内に、実際の載置位置RPに載置された商品の外周形状を実線で、理想位置IPの商品の外周形状を破線で示している。実際の載置位置RPに載置された商品の商品中心Cの座標がXY座標系において(C1,C2)であるとする。
【0039】
なお、商品の撮像データIDからは、まず、商品の外周位置が検出され、これより商品のサイズが判別される(ステップS5)。該外周形状は、例えば、トレーTの幅と奥行きとを代表値として規定することができる。外周位置の検出は、例えば、商品と投入部11との色成分の違いに基づいて、撮像データIDにハイパスフィルタ処理を施すことにより可能である。こうして得られたX軸方向の最端部をE1、E2、Y軸方向の最端部をE3、E4とし、E1と載置枠FLの再奥部との距離をH1、E2と最前部との距離をH2、E3と左端部との距離をW3、E4と右端部との距離をW4とすると、姿勢のずれを考慮しない計算上のトレーサイズは、奥行きをH0、幅をW0とすると、それぞれ、
H0=Hf−H1−H2  (式1)
W0=Wf−W3−W4  (式2)
により与えられる。式1および式2により求まるトレーのサイズが、トレーマスタMS2に登録されているトレーのサイズを基準に所定の誤差範囲内にあるかどうかが判定される。誤差範囲内にない場合は、著しく姿勢がずれていることによる投入不良であるとして処理が停止される(ステップS12)。これにより、その後の包装処理に際して包装することができないという不都合が回避される。この場合には、包装値付装置100は商品の処理動作を一旦停止すると共に、表示・操作部80のディスプレイに、この旨の警告メッセージを表示することになる。その後、商品が取り出され、正しい商品が投入し直されるか、正しい設定が与えられて、処理が再開される。
【0040】
トレーサイズが基準を満たす場合は、後段の処理が行われる。トレーが点対称の形状を有する場合、商品中心Cの座標(C1、C2)は、最端部同士を結ぶ直線の交点として与えられる。すなわち、
C1=(H1−H2)/2  (式3)
C2=(W3−W4)/2  (式4)
となる。実際には商品の姿勢や検出誤差等に起因して、真の中心位置とずれる場合があるが、目的とする商品の判定に際して与える影響は小さい。
【0041】
商品中心Cの座標が求まったことにより、理想位置IPからずれて商品が載置された場合であっても、商品中心Cからの相対座標を用いることで、載置位置によらず撮像データIDから判定対象となる範囲の情報を抽出することができる。すなわち、載置位置のずれがキャンセルされることになる。すなわち、被判定データEDは、商品中心Cからみて座標(25,25)なる位置を中心とし、X軸方向に50(mm)、Y軸方向に50(mm)のサイズを有する矩形領域SQ1から生成することになる。なお、前述したように、撮像された商品は包装処理に至る前にセンタリングコンベア14によってセンタリングされるので、後段の処理においても、載置位置のずれが影響することはない。
【0042】
図13は、基準画像データRIDと対応する商品の画像IM0と、基準データの生成対象となる矩形領域SQ0を示す図である。図14は、撮像データID(ID1)と対応する商品の画像IM1と、被判定データED(ED1)の生成対象となる矩形領域SQ1を示す図である。なお、図14の商品は、包装においては問題とならない程度である、正しい姿勢から微小角度α(せいぜい数度程度)だけ傾いた姿勢で載置されたものとする。また、図15は、商品が逆向きに載置された場合に取得される撮像データID(ID2)と対応する商品の画像IM2と、被判定データED(ED2)の生成対象となる矩形領域SQ2とを示す図である。さらに、図16は、基準用データRDと、被判定データED(ED1、ED2)とを示す図である。
【0043】
図13の画像IM0に示すように、いま、対象となっている商品「カレーライス」CRは、上面からみると「ご飯」領域RG1と、「ルゥ」領域RG2と、トレーTの外周領域RG3と、に大別される。また、「ルゥ」上には、その一部に「ゆで卵」がトッピングされているので、この領域を「ゆで卵」RG2eと称することとする。また、「カレーライス」CRにおいては、基準データの生成対象となる矩形領域SQ0は、「ご飯」領域RG1上に設定されている。この矩形領域SQ0における輝度情報を、相対輝度分布データとして抽出することにより得られるのが、図16(a)に示す基準データRDである。図16(a)に示すように、「カレーライス」CRの基準データRDは、もっとも輝度が高い領域に大きなピークを有するという特徴を有している。これはすなわち、主として白色である「ご飯」領域RG1の位置を、商品が正しい姿勢を取っているか否かの基準として利用することに相当する。なお、基準データRDには、わずかにトレーTに相当する領域RG3も含まれている。
【0044】
一方、図14に示す画像IM1、および図15に示す画像IM2においてそれぞれ、商品中心Cからみて、矩形領域SQ0と相対的に同じ位置に設定された矩形領域SQ1および矩形領域SQ2における輝度情報を、相対輝度分布データとして抽出したものが、図16(b)、(c)にそれぞれ示す被判定データED1、ED2である。被判定データED1、ED2と基準データRDとの差異が、所定の「しきい値」内に収まっているかを、比較判定部94が判断することにより、商品の正誤、および姿勢が判定されることになる(ステップS6)。
【0045】
基準データRDと被判定データED(ED1、ED2)との一致度の判定は、例えば、同一輝度値における被判定データED1と基準データRDとの相対度数の差の2乗和を全ての輝度値について総和して平方をとり、その値が、あらかじめ基準マスタMS3に定められている「しきい値」である「5%」以下であるか否か、によって行う。
【0046】
被判定データED1の場合は、商品の姿勢は理想状態に比して角度αだけ傾いてはいるが、トレーサイズも誤差範囲内に収まるものとする。また、図16(a)と(b)とを比較してわかるように、その相対輝度分布はおおむね基準データRDと合致し、「5%」以下という基準を満たすものと判定される。この場合、正しい商品が、概ね正常な姿勢で投入された、と判定され、対応する内容の判定結果データERDが生成されることになる(ステップS6でYES、ステップS10)。判定結果データERDは、例えば、商品の姿勢についての情報がフラグデータとして記述されているデータであり、この場合は、正常な姿勢を示す所定のフラグを有する判定結果データERDが生成されることになる。
【0047】
以上のような判定処理を行うことで、厳密に姿勢を理想状態と一致させずとも、「しきい値」をみたす場合は、処理をそのまま続行することができる。逆に、投入の際のある程度の姿勢のずれを許容するよう「しきい値」が設定されることが望ましい。
【0048】
一方、被判定データED2の場合は、図16(a)と(c)とを比較してわかるように、その相対輝度分布は基準データRDの分布と全く異なっている。すなわち、ちょうど中間調あたりにピークが現れている。これは、「ルゥ」領域RG2に相当するピークといえる。また、高輝度範囲にもピークは存在するが、その形状は基準データRDに見られるものとは明らかに異なっている。これは、「ゆで卵」領域RG2eに相当するピークといえる。このような特徴を有する被判定データED2は、しきい値の基準を満たすことはないので、これより、少なくとも、正しい商品が、概ね正常な姿勢で投入された、とは判定できないことになる(ステップS6でNO)。
【0049】
この場合は、比較判定部94が、撮像データID2より画像IM2に対し商品の姿勢が180°回転した新たな商品画像を生成する撮像画像回転処理を行う(ステップS7)。その結果は、上述の例であればちょうど、図14に示された画像IM0と一致することになる。そして、再び、所定の領域から被判定データを抽出して(ステップS8)、判定処理を行うことになる(ステップS9)。その結果、基準を満たせば、正しい商品が投入されてはいるが、その姿勢が略180°反転した状態で投入部11に載置されている、と判定されることになる。この場合は、反転姿勢を示す所定のフラグを有する判定結果データERDが生成されることになる。(ステップS9でYES、ステップS11)。
【0050】
あるいは、ステップS1の時点で「カレーライス」CRを処理対象としているにも関わらず、例えば、「チャーハン弁当」など、処理対象とは異なる商品が投入された場合、図17に示すように「カレーライス」CRとは異なる商品画像IM3を有する撮像データID(ID3)が取得されることになる。図18は、この場合の被判定データED(ED3、ED4)と基準データRDとを比較した図である。なお、この場合、トレーの形状は若干異なっているが、「カレーライス」CRのトレーサイズの誤差範囲内に収まるものとする。
【0051】
この場合、ステップS4において最初に矩形領域SQ3から被判定データED3が抽出される。その結果得られる被判定データED3が図18(b)に示されているものとする。なお、図18(a)は、図16(a)と同じ、基準データRDである。図18(a)、(b)からわかるように、両者の分布は全く異なっているので、ステップS6ではNOが選択される。引き続き、撮像画像回転処理がなされる(ステップS7)が、これは結局、図17の矩形領域SQ4から被判定データED4を抽出する処理へとつながることになる。その結果得られる被判定データED4もやはり、基準データRDとは異なる分布を有している。
【0052】
すなわち、この場合、2回の判定においていずれも基準を満たさず、ステップS9においてもNOが選択される。従って、はじめに処理対象として設定された商品とは異なる商品が投入されたものと判定される(ステップS12)。この場合には、判定結果データERDを生成する代わりに、包装値付装置100は商品の処理動作を一旦停止すると共に、表示・操作部80のディスプレイに、この旨の警告メッセージを表示することになる。その後、商品が取り出され、正しい商品が投入し直されるか、正しい設定が与えられて、処理が再開される。
【0053】
以上のように商品の姿勢が判定されると、判定結果データERDに従って、以降においてラベルの印字処理、および貼付処理が行われることになる。
【0054】
<ラベルの印字と貼付>
商品の正誤および姿勢の判定が終了すると、引き続き商品に対し包装処理がなされるとともに、包装された商品に速やかにラベルを貼付すべく、印字部60における印字処理が並行して行われる。そして、印字されたラベルは、貼付部70によって速やかに商品へと貼付される。以降についても、処理対象となる商品が「カレーライス」CRであるとする。
【0055】
図19は、制御部90において、CPU90aと、ROM90bと、RAM90cと、記憶部90dとの機能によって実現される、ラベルの印字に係る各部と、印字に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。制御部90においては、商品の姿勢に応じたラベルへの印字を行うために、印字データ生成部95と、印字制御部96とが実現される。また、図20は、商品の印字処理の流れを示す図である。
【0056】
印字データ生成部95は、ラベルフォーマットデータLFD、商品マスタMS1、トレーマスタMS2、および判定結果データERDに基づいて、印字データPDあるいは反転印字データRPDを生成する。
【0057】
印字制御部96は、印字データPDあるいは反転印字データRPDに従った印字を行うべく、印字ヘッド61など印字部60全体の動作を制御する。
【0058】
前述のステップS1において包装値付装置100において処理を行う商品の決定がなされると、印字データ生成部95は、商品マスタMS1から対象となる商品についての印字内容を、トレーマスタMS2から貼付位置に関する情報を取得する(ステップS21)。また、商品マスタMS1に記述されている、印字の際に使用するフォーマットに関する情報に基づいて、ラベルフォーマットデータLFDが読み出される(ステップS22)。これにより、商品名、値段、加工日等の所定の印字項目それぞれをラベル上にレイアウトした情報、すなわち印字データPDが定まることになる(ステップS23)。
【0059】
印字データPDが得られると、印字の位置および向きを決めるために、トレーマスタMS2からは貼付情報が取得され、また、判定結果データERDが参照される(ステップS24)。貼付情報は、ラベルの貼付位置と貼付方向に関する情報である。「カレーライス」CRに対応する「トレーNo.」は「08」であるので、項目「貼付座標」(ラベルの貼付位置の中心座標)の項目値(12,25)、項目「貼付方向」の項目値「横」(長手方向が商品幅方向と一致)という情報が取得されることになる。なお、貼付座標の座標軸については、後述する。
【0060】
判定結果データERDに、商品姿勢が正常であるとの情報が記述されているときは、印字制御部96は、印字データPDそのままに従ってラベルLB1を印字すべく、印字部60を制御する。これにより、ラベルLB1が印字される(ステップS25)。図21(a)は、印字データPDに従って印字されるラベルLB1を例示的に示す図である。いま、「貼付方向」は「横」と与えられているので、図21(a)においても、ラベルLB1の長手方向をy軸方向と一致させて示している。
【0061】
そして、このように印字されたラベルLB1は、印字部60から発行されると、貼付部70によって、貼付座標(12,25)に貼付されることになる(ステップS26)。図22(a)は、ラベルLB1が商品に貼付された状態を示している。なお、貼付座標は、商品の中心を原点として、x軸方向にu軸、y軸方向にv軸を取るuv座標系によって与えるものとする。また、一般にラベルは、購入を検討する顧客が商品の内容を見極める際になるべく妨げとならない位置に貼付されることが望ましい。「カレーライス」CRの場合であれば、図22(a)に示すように、「ご飯」領域RG1に貼付されるよう、貼付座標が定められている。
【0062】
一方、判定結果データERDに、商品姿勢が反転しているとの情報が記述されている場合、正常な場合と同じようにラベルLB1を印字し、貼付したのでは、図22(b)に示すように、「ルゥ」領域RG2のしかも「ゆで卵」領域RG2eに貼付されてしまうことになる。これは、商品の視認性を著しく妨げてしまうことになり、好ましくない。
【0063】
そこでこの場合は、印字データ作成部95が、印字データPDに基づいて、ラベルLB1のフォーマットを保ったまま向きだけを180°回転させたラベルLB2を得るための反転印字データRPDを生成する(ステップS27)。印字制御部96は、この反転印字データRPDに従ってラベルLB2を印字すべく、印字部60を制御する。これにより、ラベルLB2の印字が行われる(ステップS28)。図21(b)は、ラベルLB2を、ラベルLB1と同じ座標系にて示す図である。
【0064】
さらに、このように印字されたラベルLB2は、印字部60から発行されると、貼付部70によって、正常な姿勢をとっていれば本来貼付されるべき位置に相当する位置に、商品に貼付されることになる。「カレーライス」CRの場合であれば本来の貼付座標(12,25)とちょうどuv座標系で点対称な位置に、貼付されることになる(ステップS29)。図22(c)は、ラベルLB2を姿勢が反転している「カレーライス」CRに対して貼付した状態を示す図である。なお、あらかじめ反転印字が実行されているので、貼付ヘッド71によってラベルLB2そのものを回転させずとも、本来貼付されるべき向きに相当する向きに貼付されることになる。回転動作が不要であるので、商品の姿勢が反転していても、それが原因となって、貼付に要する時間が著しく増大することはない。
【0065】
以上、説明したように、本実施の形態に係る包装値付装置100は、誤った商品が投入された場合に、これを検知し、処理を停止させることができる。また、商品が投入された商品の姿勢が、あらかじめ定められた正常な姿勢と異なっている場合であっても、ラベルへの印字を反転することにより、ラベルを回転させることなく、正常な姿勢の場合に貼付されるべき位置に相当する位置に、本来貼付されるべき姿勢に相当する姿勢で貼付することができる。これにより、包装や値付のやり直しなどが不要となり、商品の投入ミスに起因した処理効率の低下を防ぐことが可能となる。
【0066】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態は、主として反転姿勢で商品が載置された場合についての態様を示しているが、本実施の形態では、異なる形状や姿勢の商品に対応する包装値付装置200における姿勢の判定と、ラベルの貼付について説明する。ただし、包装値付装置200の各部の構成は第1の実施の形態に係る包装値付装置100と基本的に同じであるので、相違点の除いては、以降において同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0067】
図23は、本実施の形態に係る商品MとラベルLBの貼付位置との関係を説明するための図である。図23(a)は商品Mの理想状態を示す図である。本実施の形態に係る商品Mは、円形のトレーTに内容物が盛られているものとする。内容物は、上方からみると2つの領域RG11とRG12に大別され、領域RG12の上にラベルLBが貼付されるよう、貼付座標が設定されているものとする。
【0068】
従来は、商品Mが理想状態とは異なる姿勢を与えられて投入されたとしても、ラベルLBは、図23(b)に示すように与えられた貼付座標のままに貼付されていた。この場合は、図23(c)に示すように、姿勢に応じてラベルLBが貼付されることが望ましい。以下、これを説明する。
【0069】
図24は、制御部90において、CPU90aと、ROM90bと、RAM90cと、記憶部90dとの機能によって実現される、商品の姿勢の演算に係る各部と、演算に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。制御部90においては、商品の姿勢の演算を行うために、第1の実施の形態に係る包装値付装置100と同様に処理対象選択部91と、基準データ生成部92と、被判定データ生成部93とが実現されるのに加えて、姿勢演算部97が実現される。姿勢演算部97は、撮像データIDと、判定対象設定データOSDとから、商品の姿勢を求める演算処理を担う。商品の姿勢は姿勢データADとして取得され、ラベルLBの貼付に際し利用される。
【0070】
図25は、商品の姿勢を求める方法について説明する図である。本実施の形態においても、姿勢演算部97によって、まず、第1の実施の形態と同様に、撮像データIDから、トレーのサイズと商品中心Cとが算出される。本実施の形態の場合も、算出されたトレーサイズと登録されたサイズと異なる場合は、処理は停止される。トレーのサイズが条件を満たした場合、姿勢演算部97は、商品中心Cを通りY軸に平行な直線L0と、さらにこの直線と平行な複数の直線L1、L2、・・・とのそれぞれに沿った輝度分布とを抽出する。図25(a)は、3本の等間隔かつ平行な直線L0、L1、およびL2を対称とした場合を示しており、図25(b)が、それぞれの直線に対応する輝度分布を示している。いま、領域RG11がおおよそ一定の輝度を有し、その変化が比較的小さい領域であったとすると、各直線における輝度が連続して、所定の輝度値を中心に一定の誤差範囲Δの中に収まる範囲が、当該領域RG11に相当する範囲であると判定できることになる。そこで、直線L0、L1、およびL2において、この範囲の終端に対応する位置を求め、これらを結ぶ直線を考えると、これはおおよそ、領域RG11とRG12とを分ける境界線に相当することになる。そこで、姿勢演算部97は、該境界線を上述の輝度分布から算出し、そのY軸方向に対する傾きθを姿勢データADとして算出する。なお、その際に、着目すべき領域と輝度値、輝度分布の算出範囲、および誤差範囲Δなどは、基準マスタMS3に、処理対象となる商品ごとに与えられているものとする。
【0071】
理想状態が、図23(a)に示す当該境界線がY軸に平行となるように定められているとすると、この傾きθが、図23(b)あるいは(c)に示すように、投入された商品の、実際の姿勢に相当することになる。
【0072】
印字部60におけるラベルLBの印字は、第1の実施の形態と同様に、印字データに基づいて行われる。一方、貼付部70は、任意の角度にラベルLBを回転させることが可能な回転駆動機構74の作用により、印字されたラベルLBを、姿勢データADとして得られた傾きθだけ回転させた後、商品Mへと貼付する。
【0073】
これにより、図23(c)に示すように、商品の姿勢が理想状態からずれている場合でも、正常の位置にラベルLBを貼付することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施の形態においては、輝度分布を利用して商品の姿勢を求めることにより、任意の姿勢を取っている商品に対しても、正しくラベルを貼付することができるので、処理効率の低下を防ぐことが可能となる。
【0075】
<第3の実施の形態>
本発明に係るラベル貼付装置は、上述の実施の形態のような包装値付装置以外によっても実現される。本実施の形態においては、コンベアを有し、商品をコンベアで搬送しつつ連続的に計量と値付とを行う計量値付装置における処理について説明する。
【0076】
図26は、計量値付装置300の構成を模式的に示す図である。計量値付装置300は、上流側に配置された包装装置等の装置群400から供給された商品Mを取り込むための取込コンベアCV1を備える取込部310と、計量コンベアCV2によって商品Mを搬送しつつ、該商品Mの計量を行う計量部320と、商品Mに貼付すべきラベルを印字し、商品Mを貼付コンベアCV3にて搬送しつつ該ラベルを貼付する貼付部330と、計量値付装置300の動作状況等を表示する表示部340と、オペレータが所定の動作指示等を入力するための操作部350と、計量値付装置300の各部の動作を制御する制御部360とを主として備えている。
【0077】
取込部310には、商品Mを搬送する取込コンベアCV1の上方に、商品Mを撮影するための撮像部311が備わっている。撮像部311には、取込コンベアCV1の上流側端部に相当する位置に、商品Mの通過を検知する、例えば赤外線などを利用したセンサ312が設けられている。また、取込コンベアCV1の下流側に相当する位置には、センサ312にて検知された商品Mを撮像するためのCCDカメラ313が設けられている。取込コンベアCV1は通常、略一定の速度によって商品Mを搬送しており、センサ312とCCDカメラ313との間の搬送経路に沿った距離Dも既知であるので、センサ312の直下を通過後、取込コンベアCV1により搬送されてきた商品Mを、ちょうどCCDカメラ313の直下に達するタイミングで撮像することができる。撮像結果は、後述する印字機構331におけるラベルへの印字と、商品Mへの該ラベルの貼付とに利用される。
【0078】
計量部320には、計量コンベアCV2の下方に計量機構321が設けられており、商品Mを搬送したままの状態で計量を行うことができる。
【0079】
貼付部330には、印字機構331と、貼付機構332とが主として備わっている。印字機構331は、第1の実施の形態に係る印字部60と同様に、通常のラベルへの印字を担うのに加えて、商品Mの姿勢に応じて、必要に応じて印字内容を反転させてラベルを印字することができる。貼付機構332には貼付ヘッド333が備わっており、印字されたラベルを所定の位置に所定の向きで貼付することができる。
【0080】
これにより、本実施の形態に係る計量値付装置300においても、商品の姿勢が正常な姿勢と異なる場合であっても、所定の位置に所定の向きにてラベルを貼付することができる。
【0081】
なお、計量値付装置300においては、制御部360によって各コンベアCV1〜CV3それぞれの搬送速度v1〜v3が制御されている。そして、処理対象となっている商品の種類と、ある時点における各コンベアCV1〜CV3の搬送速度v1〜v3とに基づいて、計量値付装置300がその時点で単位時間あたりに処理しうる、最大の商品個数である最大処理能力Amが、制御部360において常に算出されている。
【0082】
一方、例えばセンサ312における商品の検知結果に基づいて、計量値付装置300へと取り込まれる商品Mの取込時間間隔についてのデータも、制御部360において取得されている。制御部360は、このデータに基づいて、計量値付装置300が単位時間あたりに実際に処理している商品個数である現在能力Apを常に算出している。
【0083】
そして、計量値付装置300が動作している間、これら最大処理能力Amおよび現在能力Apは、各コンベアCV1〜CV3の搬送速度v1〜v3とともに、表示部340に表示されている。図27は、この処理能力表示DSPを例示的に示す図である。あるいは、計量値付装置300から離れたところからも確認できるように、別途に設けられた表示手段にも表示される態様であってもよい。
【0084】
この処理能力表示DSPがなされることにより、計量値付装置300が設置されている工場等の作業者や管理者は、工程の処理能力をリアルタイムで知ることが容易になる。これにより、最大処理能力Amと現在能力Apとの差異に応じて、計量値付装置300に至るまでの前工程(例えば、カット、盛りつけ、包装など)に用いられる装置群400を含めた処理能力の調整を、的確に行えるようになる。あるいは、計量値付装置300やその前工程の装置群400についての処理能力(現在能力)の調整を、現状を把握しつつ適正に行うことができるので、処理能力に係るトラブルやクレーム等を未然に防ぐことができるようになる。
【0085】
<変形例>
商品の正誤や姿勢の判定に用いる基準の設定の仕方は、商品および用いられるトレーの特徴に応じて種々に定められることが好ましい。例えば、商品の内容物の配置関係や、トレーの外周の形状や色成分、仕切部分の位置や色成分等を基準に用いてもよい。一の商品について、複数箇所を用いて基準データを作成し、判定を行う態様であってもよい。また、複数の判定方法を組み合わせて用いてもよい。
【0086】
上述の実施の形態では、輝度を判定に用いていたが、RGBカラー画像の各色成分ごとに分布を抽出し、判定を行ってもよい。
【0087】
第1の実施の形態においては、ラベルへの印字を反転して行っていたが、これに代わり、印字は正常なままで行い、その後貼付の際に、ラベルを回転して貼付してもよい。
【0088】
第2の実施の形態においては、輝度の分布から境界線を求めていたが、これに代わり、例えばハイパスフィルタ処理などによって境界線を求めてもよい。
【0089】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、誤った姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。
【0090】
また、請求項2の発明によれば、誤った姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。
【0091】
また、請求項3の発明によれば、逆向きの姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。また、ラベルを回転させる必要がないので、装置の複雑化を回避することができるとともに、貼付処理時間の増大も抑制できる。
【0092】
また、請求項4の発明によれば、誤った姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。ラベルの印字処理は商品の姿勢に依存しないので、姿勢が検出されないうちにラベルの印字を実行することができ、貼付処理時間の増大も抑制できる。
【0093】
また、請求項5の発明によれば、ラベルの貼付に際して、商品の姿勢の検出を自動化することができる。
【0094】
また、請求項6の発明によれば、本来の貼付対象でない商品が誤投入された場合に、ラベルを貼付することが回避できるので、貼付のやり直しを回避でき、処理効率の低下を抑制できる。
【0095】
また、請求項7の発明によれば、誤った姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。
【0096】
また、請求項8の発明によれば、誤った姿勢で商品を供給しても、正しい位置にラベルを貼付することができるので、装置の停止や貼付のやり直しがなくなり、処理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る包装値付装置100を示す外観斜視図である。
【図2】包装値付装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】包装値付装置100における商品の搬送経路の前段部分を示す図である。
【図4】包装値付装置100における商品の搬送経路の後段部分を示す図である。
【図5】印字部60および貼付部70の動作を説明するための側断面図である。
【図6】制御部90において実現される、商品の判定に係る各部と、判定に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。
【図7】商品の判定の流れを示す図である。
【図8】商品マスタMS1を例示的に示す部分図である。
【図9】トレーマスタMS2を例示的に示す部分図である。
【図10】基準マスタMS3を例示的に示す部分図である。
【図11】投入部11の上面図である。
【図12】載置位置のずれのキャンセルについて説明する図である。
【図13】商品の画像IM0と、基準データの生成対象となる矩形領域SQ0を示す図である。
【図14】画像IM1と、被判定データED(ED1)の生成対象となる矩形領域SQ1を示す図である。
【図15】商品の画像IM2と、被判定データED(ED2)の生成対象となる矩形領域SQ2とを示す図である。
【図16】基準用データRDと、被判定データED(ED1、ED2)とを示す図である。
【図17】「カレーライス」CRとは異なる商品画像IM3を示す図である。
【図18】被判定データED(ED3、ED4)と基準データRDとを比較した図である。
【図19】制御部90において実現される、ラベルの印字に係る各部と、印字に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。
【図20】商品の印字処理の流れを示す図である。
【図21】ラベルLB1およびLB2を示す図である。
【図22】ラベルLB1およびLB2が商品に貼付された状態を示す図である。
【図23】商品MとラベルLBの貼付位置との関係を説明するための図である。
【図24】制御部90において実現される、商品の姿勢の演算に係る各部と、演算に際し生成される種々のデータとの関係を示すブロック図である。
【図25】商品の姿勢を求める方法について説明する図である。
【図26】計量値付装置300の構成を模式的に示す図である。
【図27】処理能力表示DSPを例示的に示す図である。
【符号の説明】
11 投入部
11s 載置面
14 センタリングコンベア
15 排出部
21 ロードセル
31、313 CCDカメラ
61 印字ヘッド
71 貼付ヘッド
100、200 包装値付装置
300 計量値付装置
312 センサ
321 計量機構
331 印字機構
332 貼付機構
333 貼付ヘッド
C 商品中心
CV1 取込コンベア
CV2 計量コンベア
CV3 貼付コンベア
DSP 処理能力表示
FL 載置枠
IP 理想位置
LB、LB1、LB2 ラベル
LBS 印字面
M 商品
O 投入原点
RP (実際の)載置位置
SQ0〜SQ4 矩形領域
T トレー
v1〜v3 搬送速度

Claims (8)

  1. 所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字手段と、
    所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付手段と、
    を備え、商品にラベルを貼付する装置であって、
    装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、
    前記姿勢検出手段における姿勢検出結果に基づいて、前記姿勢に関わらず前記商品における所定の貼付位置に所定の向きにラベルを貼付可能とされていることを特徴とするラベル貼付装置。
  2. 所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字手段と、
    所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付手段と、
    を備え、商品にラベルを貼付する装置であって、
    装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出手段をさらに備え、
    前記商品が、略水平面内における本来の姿勢である第1姿勢と異なる第2姿勢をとっている場合であっても、前記姿勢検出手段における姿勢検出結果に基づいて前記商品における所定の貼付位置に所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とするラベル貼付装置。
  3. 請求項2に記載のラベル貼付装置であって、
    前記印字手段は前記印字フォーマットを略180°回転させて前記ラベルに印字する回転印字を実行可能であり、
    前記商品が前記第2姿勢をとっている場合に、前記印字手段が前記回転印字を実行することを特徴とするラベル貼付装置。
  4. 請求項2に記載のラベル貼付装置であって、
    前記貼付手段が前記ラベルを水平面内で回転させる回転機構をさらに備え、
    前記商品が第2姿勢をとっている場合に、前記貼付手段が前記ラベルを前記水平面内にて回転させることにより、前記所定の貼付位置において前記所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とするラベル貼付装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラベル貼付装置であって、
    前記姿勢検出手段が、
    前記商品の上面を撮像して商品画像を取得する撮像手段と、
    前記商品画像と、あらかじめ前記商品を前記第1姿勢に保って取得した基準画像とを比較し、あらかじめ定められた少なくとも1つの判断基準に従って前記第2姿勢を検出する比較判断手段と、
    を備えることを特徴とするラベル貼付装置。
  6. 請求項5に記載のラベル貼付装置であって、
    前記比較判断手段が、
    前記商品画像を回転する画像回転手段、
    をさらに備え、
    前記画像回転手段によって前記商品画像を前記第1姿勢に相当するする向きにまで回転しても、前記商品画像と前記基準画像とが一致しないと場合には動作を停止することを特徴とするラベル貼付装置。
  7. 所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字工程と、
    所定の移動機構を備え、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付工程と、
    を含む、商品へのラベルの貼付方法であって、
    装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出工程をさらに備え、
    前記姿勢検出工程における姿勢検出結果に基づいて、前記姿勢に関わらず前記商品における所定の貼付位置に所定の向きにラベルを貼付可能とされていることを特徴とするラベル貼付方法。
  8. 所定の印字フォーマットに従ってラベルに印字する印字工程と、
    所定の移動機構によって、商品の任意の位置に前記ラベルを貼付することが可能な貼付工程と、
    を含む、商品へのラベルの貼付方法であって、
    装置内部の所定に位置に載置された商品の略水平面内における姿勢を検出する姿勢検出工程をさらに備え、
    前記商品が、略水平面内における本来の姿勢である第1姿勢と異なる第2姿勢をとっている場合であっても、前記姿勢検出工程における姿勢検出結果に基づいて前記商品における所定の貼付位置に所定の向きに前記ラベルを貼付可能とされていることを特徴とするラベル貼付方法。
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