JP2004106149A - 加工物自動研削装置及び加工物自動研削法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の加工物の外周面と研削工具の外周形状との寸法公差を補償して、研削異常を発生せずに加工物を自動的に研削する。
【解決手段】複数の環状の加工物(1)と複数の環状のスペーサ(2)とを含む積層体(3)を回転軸(21)上に整列させて保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する研削装置(5)と、装填位置において加工物(1)とスペーサ(2)とを受け入れて内部に積層体(3)を形成すると共に積層体(3)を装填位置から研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置まで運搬するローダ(6)と、軸方向に整列する状態で加工物(1)とスペーサ(2)とを装填位置にあるローダ(6)内に押し込んでローダ(6)内に積層体(3)を形成する装填装置(4)とを加工物自動研削装置に設ける。研削装置(5)に装着した隣合う加工物(1)間に形成されるスペーサ(2)の厚み分の間隙によって加工物(1)の寸法公差(ピッチズレ)を吸収することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の環状の加工物(1)と複数の環状のスペーサ(2)とを含む積層体(3)を回転軸(21)上に整列させて保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する研削装置(5)と、装填位置において加工物(1)とスペーサ(2)とを受け入れて内部に積層体(3)を形成すると共に積層体(3)を装填位置から研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置まで運搬するローダ(6)と、軸方向に整列する状態で加工物(1)とスペーサ(2)とを装填位置にあるローダ(6)内に押し込んでローダ(6)内に積層体(3)を形成する装填装置(4)とを加工物自動研削装置に設ける。研削装置(5)に装着した隣合う加工物(1)間に形成されるスペーサ(2)の厚み分の間隙によって加工物(1)の寸法公差(ピッチズレ)を吸収することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工物の研削技術、特に複数の環状の加工物を研削装置に装着して、複数の加工物を同時に研削する加工物自動研削装置及び加工物自動研削法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピストンリングを製造する際に、所定の断面形状に成形した鋳鉄又はスチールの線材がリング状にコイリング成形され、外周面にめっき処理された後に切断され、複数本のリング材が形成される。各リング材は、切断により形成された合口部を有する環状に形成され、リング材の外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状と呼ばれる傾斜面、湾曲面又は部分的な削除面が形成される。
【0003】
図21に示すように、環状の加工物(81)に形成された外周面(81a)を研削するとき、複数の加工物(81)を円筒状に重ねて回転させ、回転する加工物(81)の各外周面(81a)に形成すべき外周面と相補的な形状の傾斜面又は湾曲面を有する研削工具(86)を押圧し、複数の加工物(81)の各外周面(81a)に外周形状を同時に形成して、研削の効率化及び製品の生産性向上を図っている。
【0004】
例えば、特開2002−46051号は、ピストンリングを載置する上面を有するリング台を備え、プッシャーによって3方向からピストンリングを半径方向内方へ押圧して真円に変形し、研磨抵抗が低く、生産性の高いピストンリングの外周研磨装置を示す。ピストンリングは、リング押さえとリング台とに挟持され、真円に変形された状態でピストンリングの軸を中心にリング台と一体に回転する。ラップに設けられたローラに環装されピストンリングの軸方向に振動するラッピングフィルムに、ピストンリングの外周面が当接し、外周面が研磨される。しかしながら、この公報に示されるピストンリングの外周研磨装置では、複数のピストンリングを連続的にかつ自動的に研磨することはできない。また、テーパフェイス又はバレルフェイス等の均一外径の円筒面以外の形状にピストンリングを研磨することはできない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−46051号公報(第3−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図22に示すように、加工物(81)を積層して同時に複数の加工物(81)の外周面(81a)を研削するとき、作業者は、例えば保持治具である割雇(89)内に複数本の環状の加工物(81)を円筒状に整列して手詰めし、同一軸上に加工物(81)を積層する。次に、図23に示すように、円筒状の加工物(81)を割雇(89)により保持しながら、研削装置(85)の回転軸(84)上に加工物(81)を装着する。その後、加工物(81)を割雇(89)により保持しながら、固定カラー(87)と移動カラー(88)とにより加工物(81)を軸方向に狭持して回転軸(84)上に固定する。続いて、固定し加工物(81)を回転軸(84)上に残して割雇(89)を除去し、加工物(81)の外周面に砥石(86)を押圧して、加工物(81)の外周面(81a)を研削し、図21に示すように、研削工具(86)の外周形状(86a)により、加工物(81)の外周面(81a)を所望の形状に研削することができる。
【0007】
しかしながら、このように加工物(81)を円筒状に重ねて、加工物(81)の研削をする作業は、従来、極めて煩瑣であり長時間を要した。また、図24に示すように、複数の加工物(81)を重ねて研削工具(86)により外周面(81a)を研削するとき、重ね合わされる各加工物(81)の軸方向厚さ(h1)の公差が累積され、各加工物(81)の外周面(81a)と、対応する研削工具(86)の外周形状(86a)とがずれるため、研削工具(15)の外周形状(86a)の両端部が、対応する各加工物(1)の両端部から突出し、隣合う加工物(1)の外周面(1a)を不必要に研削する「研削異常」が発生する欠点がある。
【0008】
本発明は、複数の加工物の外周面と研削工具の外周形状との寸法公差を補償して、研削異常を発生しない加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。また、本発明は、複数の加工物の外周面を同時に研削できる加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。更に、本発明は、加工物を自動的に研削装置に装着し、加工物を研削し更に研削装置から加工物を取出して自動的にかつ連続的に研削工程を行う加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による加工物自動研削装置は、複数の環状の加工物(1)と複数の環状のスペーサ(2)とを含む積層体(3)を回転軸(21)上に整列させて保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する研削装置(5)と、装填位置において加工物(1)とスペーサ(2)とを受け入れて内部に積層体(3)を形成すると共に積層体(3)を装填位置から研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置まで運搬するローダ(6)と、軸方向に整列する状態で加工物(1)とスペーサ(2)とを装填位置にあるローダ(6)内に押し込んでローダ(6)内に積層体(3)を形成する装填装置(4)とを備えている。加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)を研削装置(5)に装着するので、スペーサ(2)の介在によって隣合う加工物(1)間にスペーサ(2)の厚み分の間隙が形成される。研削装置(5)の研削工具(15)の形状切り刃面長さを各加工物(1)の厚さより大きくでき、加工物(1)の寸法公差(ピッチズレ)を間隙によって吸収し補償することができる。このため、研削装置(5)により加工物(1)の外周面(1a)を研削するとき、各加工物(1)に対応する研削装置(5)の研削工具(15)の両端部が各加工物(1)の両端部から突出しても、研削工具(15)の両端部が間隙内に配置され、隣合う加工物(1)の外周面(1a)内に当接せず、異常研削が発生しない。また、ローダ(6)によって積層体(3)を回転軸(21)に装着するので、研削工程の自動化及び省力化が可能となる。
【0010】
本発明による加工物自動研削法は、環状凸部(2a)が形成されたスペーサ(2)を準備する工程と、環状の加工物(1)と環状のスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて積層体(3)を回転軸(21)上に形成する工程と、積層体(3)を回転して、傾斜面又は湾曲面を有する研削工具(15)を加工物(1)の外周面(1a)に接触させて、研削工具(15)をスペーサ(2)に接触させずに加工物(1)を研削する工程とを含む。スペーサ(2)に環状凸部(2a)を形成することにより、環状凸部(2a)の外径を加工物(1)の外径と一致させて、複数のスペーサ(2)を複数の加工物(1)と同一の外径を形成する積層体(3)として取り扱うことができる。また、環状凸部(2a)の側部に環状凹部(2c)が形成され、加工工具(15)の端部を環状凹部(2c)内に配置できるので、加工工具(15)と隣合う加工物(1)との接触を回避することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、内燃機関のピストンに装着されるピストンリングの製造に適用した本発明による加工物自動研削装置及び加工物自動研削法の実施の形態を図1〜図20について説明する。
図1に示すように、本実施の形態による加工物自動研削装置は、加工物(1)を供給する供給装置(7)と、供給装置(7)から供給された加工物(1)を研削する研削装置(5)と、装填位置において供給装置(7)から受けた加工物(1)とスペーサ(2)とを交互に搭載して積層体(3)を形成する積載位置から積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置に積層体(3)を運搬するローダ(6)と、ローダ(6)内に加工物(1)とスペーサ(2)とを交互に搭載して積層体(3)を形成する装填装置(4)と、研削された加工物(1)を含む積層体(3)を加工物(1)とスペーサ(2)とに分別する分別装置(9)と、研削された加工物(1)を含む積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)から外して積層体(3)を装着位置から回収位置まで運搬するアンローダ(8)と、研削された加工物(1)を回収する捕集装置(18)とを備える。研削装置(5)は、環状の加工物(1)と環状のスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成された積層体(3)を回転軸(21)上に保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する。加工物自動研削装置は、研削装置(5)及び装填装置(4)を支持するベース(32)を有し、捕集装置(18)はベース(32)の下に設置され、ローダ(6)及びアンローダ(8)は、それぞれ図19に示すローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)によりベース(32)上の研削装置(5)及び装填装置(4)の上方又は間隙間を垂直方向又は水平方向に三次元で移動する。
【0012】
図2及び図3に示すように、加工物(1)及びスペーサ(2)は、合口部(1b,2b)を有し、所定の真円外形寸法に縮径すると拡径弾性力を有する切欠環状体に形成される。スペーサ(2)の外周面には、軸方向の中央部に外周方向に沿って環状凸部(2a)が形成され、環状凸部(2a)の両側に環状凹部(2c)が形成される。本発明に好適な実施の形態では、加工物(1)は、例えば外径(d1):30.0〜650.0mm、軸方向の厚さ(h1):0.5〜22.0mm、合口部(1b)の自由合口隙間(m1):0.15〜12.0mmである。また、スペーサ(2)は、例えば環状凸部(2a)の外径(d2):30.0〜650.0mm、軸方向の厚さ(h2):0.5〜22.0mm、合口部(2b)の自由合口隙間(m2):0.15〜12.0mmである。環状凸部(2a)の外径は、加工物(1)の外径に対して厳密に同一ではないがほぼ等しく、環状凹部(2c)の外径は、加工物(1)の外径より小さい。しかしながら、スペーサ(2)は、加工物(1)の外周面(1a)と研削装置(5)に備えられる研削工具としての砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレを吸収し得る軸方向の厚さ(h2)があればよい。また、スペーサ(2)と加工物(1)とを同一寸法でもよく、スペーサ(2)は、不良又は不要になった加工物(1)を使用してもよい。また、環状凸部(2a)の片側のみに環状凹部(2c)を形成してもよい。
【0013】
図4に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)に装着すると、隣合う加工物(1)間にスペーサ(2)の環状凹部(2c)が配置される。加工物(1)の外周面(1a)を研磨するときに、各加工物(1)に対応する研削装置(5)の砥石(15)の両端部が各加工物(1)の両端部から突出しても、砥石(15)の両端部は、スペーサ(2)の環状凹部(2c)内に配置され、砥石(15)の端部は隣合う加工物(1)に接触しない。これにより、1本の加工物(1)に対する研削装置(5)の砥石(15)の形状切り刃面長さを延長して、加工物(1)の外周面(1a)と砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレを吸収することができ、加工物(1)の外周面(1a)に所望の外周形状を形成することができる。図5に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)の外周面(3a)に研削装置(5)の砥石(15)を押圧すると、砥石(15)がスペーサ(2)の両端部に接触し、加工物(1)と共にスペーサ(2)も研削され切削効率が低下するので、このようなスペーサ(2)の形状は回避すべきである。図6に示すように、スペーサ(2)の外周面に環状凸部(2a)と、環状凸部(2a)の両側又は片側に環状凹部(2c)を形成すれば、研削装置(5)の砥石(15)の外周形状(15a)がスペーサ(2)の外周面(2a)と接触せず、砥石(15)によるスペーサ(2)の研削を回避できる。図6は、ピストンリングである加工物(1)の外周面(1a)にテーパフェースを形成する例を示す。本実施の形態では、テーパフェースに加えて、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状等種々の形状を加工物(1)の外周面(1a)に形成することができ、ピストンリング等の環状体の外周面を良好に研削、研磨又は切削することができる。
【0014】
例えばサーボモータ及びエアシリンダを備えた図19に示すローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)を制御して、垂直方向、前後方向及び左右方向の三次元方向に図1に示すローダ(6)及びアンローダ(8)を個別に移動することができる。ローダ(6)及びアンローダ(8)を貫通して形成された各空洞(41)に割雇(20)及びスリーブ(42)が設けられる。割雇(20)は半円形の2つの割雇部材を組み合わせて積層体(3)を外側から把持する円形に形成され、2つの割雇部材を径方向内側に圧縮する図示しない油圧装置がローダ(6)に設けられる。ローダ(6)の空洞(41)内に挿入された加工物(1)及びスペーサ(2)は、油圧装置による割雇(20)の圧縮により握持され、アンローダ(8)の空洞(41)内に挿入された加工物(1)及びスペーサ(2)は加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に相応する内径を有する円筒状の空洞を有するスリーブ(42)に、加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に拡径する拡径弾性力により保持される。
【0015】
図7に示すように、研削装置(5)は、積層体(3)の加工物(1)の外周面(1a)に押圧される傾斜面又は湾曲面を有する砥石(15)と、砥石(15)を加工物(1)の外周面(1a)に押圧する図示しない押圧装置と、積層体(3)を装着する回転軸(21)を有する支持軸(46)と、積層体(3)を回転軸(21)に装着した後、積層体(3)を回転軸(21)上に固定するチャック(19)とを備えている。押圧装置により砥石(15)を加工物(1)の外周面(1a)に押圧して加工物(1)の外周面(1a)に傾斜面又は湾曲面又は部分的な削除面を形成することができる。砥石(15)の他に、研削工具としてプロフィル砥石等の砥石及び形状バイトを用いる切削工具若しくはフライス工具が使用される。また、砥石(15)による研削は、加工物(1)の径方向に砥石(15)を押圧させるプランジカットのみならず、加工物(1)の軸方向に砥石(15)を押圧させるトラバースカットを行ってもよく、加工物(1)に対応する砥石(15)の両端部が隣合う加工物(1)の外周面(1a)内に突出しない程度の微少な範囲、即ち使用されるスペーサ(2)の幅又は環状凹部(2c)で吸収し得る範囲で、研削装置(5)は、微少なトラバースカットを行うことができる。このように、研削装置(5)は、砥石(15)により、加工物(1)の外周面(1a)を任意の形状に削ることができる。
【0016】
支持軸(46)と対向して設置されるチャック(19)に設けられるアーム(19a)は、支持軸(46)の回転軸(21)と同軸位置に可動カラー(47)を保持する。支持軸(46)の回転軸(21)は、積層体(3)の外径より小さい外径に形成された固定カラー(49)と、固定カラー(49)と一体に形成されかつ積層体(3)を装着するマンドレル(53)と、マンドレル(53)の先端部に備えられかつ径方向外側に拡張される拡張バンド(48)と、マンドレル(53)の端部から突出しかつ伸縮制御が可能な牽引棒(ドロウバー)(50)とを備える。また、研削装置(5)は、マンドレル(53)と牽引棒(50)との間にC形ワッシャ(52)を取り付ける駆動ハンド(51)とを備える。
【0017】
図8に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成される積層体(3)は、ローダ(6)の空洞(41)内の割雇(20)に保持される。積層体(3)は、積層体(3)の一方の側に配置された回転軸(21)と同軸上に配置されると共に、積層体(3)の他方の側に配置されたチャック(19)と同軸上に配置される。図9に示すように、ローダ(6)を移動して、積層体(3)をマンドレル(53)上に被せて、積層体(3)の一端が回転軸(21)の固定カラー(49)に当接する位置でローダ(6)の移動を停止する。このとき、マンドレル(53)は積層体(3)内に挿入され、マンドレル(53)の先端部に備えられた回転軸(21)の拡張バンド(48)は、積層体(3)内を挿通し、積層体(3)内から突出する位置に配置される。ローダ(6)の停止位置は積層体(3)の回転軸(21)への装着位置となる。次に、可動カラー(47)をチャック(19)により搬送し、積層体(3)の固定カラー(49)と接する一端とは反対側の他端に当接させて、固定カラー(49)と可動カラー(47)とにより積層体(3)を狭持する。その後、チャック(19)に装着された可動カラー(47)を拡張バンド(48)上に被せて、回転軸(21)の拡張バンド(48)を拡張させ、可動カラー(47)の内径と回転軸(21)の外径とのクリアランスを無くし、可動カラー(47)を回転軸(21)に固定する。これにより、積層体(3)は、マンドレル(53)上に同軸に保持されると共に、可動カラー(47)と固定カラー(49)との間に挟持される。従って、固定カラー(49)と可動カラー(47)とを同一の外径寸法に形成することが好ましい。
【0018】
次に、割雇(20)に保持された積層体(3)の外径を可動カラー(47)及び固定カラー(49)の外径と同径に形成して、図示しない油圧装置によりローダ(6)の割雇(20)を図10に示すように内側に圧縮する。図11及び図12に示すように、可動カラー(47)と固定カラー(49)とにより回転軸(21)上の積層体(3)を狭持する状態で、駆動ハンド(51)(図7)によって牽引棒(50)の軸(50a)上にC形ワッシャ(52)を取り付け、回転軸(21)の牽引棒(50)のマンドレル(53)内への引き込みにより、積層体(3)は、固定カラー(49)とC形ワッシャ(52)との間に固定される。次に、割雇(20)を開いて、ローダ(6)を回転軸(21)から移動し除去すると、可動カラー(47)と固定カラー(49)とに狭持され固定された積層体(3)が回転軸(21)上に支持される。
【0019】
その後、図13に示すように、研削装置(5)の砥石(15)を回転軸(21)上に支持された積層体(3)の外周面(3a)に押圧し、回転軸(21)と共に積層体(3)を回転すると同時に、積層体(3)とは周面上で逆方向に砥石(15)を回転させて、押圧され加工物(1)の外周面(1a)の研磨を行う。研磨中に、研削装置(5)に備えられた冷却装置(54)から砥石(15)の外周面(15a)と加工物(1)の外周面(1a)に冷却水を供給して、加工物(1)を冷却すると共に、研磨屑を加工物(1)から除去する。研磨終了後、牽引棒(50)を突出させて、駆動ハンド(51)により牽引棒(50)の軸上からC形ワッシャ(52)が取り外される。また、チャック(19)により可動カラー(47)がマンドレル(53)から取り外され、マンドレル(53)に対する積層体(3)の固定は解除される。
【0020】
図1に示すように、装填装置(4)は、複数の加工物(1)をシュータ(22)により支持する支持位置から図15に示すローダ(6)に対向する装填待機位置に各加工物(1)を移動する供給装置(7)と、分別孔(35)内に支持された装填待機位置に各スペーサ(2)を移動する分別装置(9)と、装填待機位置に配置される加工物(1)とスペーサ(2)とをローダ(6)内に時間差をもって交互に押し込む装填押圧機(14)とを備え、装填押圧機(14)の伸縮運動とこれに同期する供給装置(7)及び分別装置(9)の動作により加工物(1)とスペーサ(2)とを交互にローダ(6)内に搭載して、ローダ(6)内に積層体(3)を形成することができる。また、加工物(1)の研削後には、分別装置(9)は、積層体(3)を加工物(1)とスペーサ(2)とを分別することができる。
【0021】
図14に示すように、加工物投入装置(7)は、供給される複数の研削前の加工物(1)を受取位置まで送り出す送出シュート(22)と、送出シュート(22)上の複数の加工物(1)から1本を送出シュート(22)に隣接して配置された昇降機(23)まで移動する送出装置(24)とを備えている。送出装置(24)は、送出シュート(22)に懸吊された加工前の加工物(1)を送出シュート(22)の一端に備えられたストッパ(25)まで押し出す供給押圧機(26)と、ストッパ(25)まで押し出された加工物(1)を離脱位置まで上方に押し上げる分離機(27)と、射出する空気により昇降機(23)の昇降ブロック(31)に備えられたフック(29)の一端まで離脱位置にある加工物(1)を空圧で押し出すブロア(28)と、ブロア(28)によりフック(29)の一端に懸吊された加工物(1)をフック(29)の他端に移動させる送り機(30)とを備える。昇降ブロック(31)のフック(29)に懸吊された加工物(1)は、送り機(30)によりフック(29)の他端に移動される。その後、昇降ブロック(31)は、昇降機駆動装置(72)(図19)の垂直駆動により下降移動され、送出装置(24)から搬送された加工物(1)を保持して、加工物(1)を装填待機位置に搬送する。加工物(1)は、送出シュート(22)から受け取った位置からローダ(6)に隣接する装填待機位置に移動される。そこで、フック(29)上に垂下された加工物(1)は装填押圧機(14)により押圧されて、ローダ(6)の空洞(41)に完全に搭載される。ローダ(6)の空洞(41)に加工物(1)を挿入した後、昇降機(23)は、フック(29)を備える昇降ブロック(31)を図14に示す受取位置に上昇させる。
【0022】
図15に示すように、分別装置(9)は、アンローダ(8)内に保持される積層体(3)をアンローダ(8)から排出する回収装置(10)と、アンローダ(8)から排出された積層体(3)に含まれる研磨済みの加工物(1)を捕集位置に除去する除去装置(11)と、積層体(3)に含まれるスペーサ(2)を装填待機位置に順次移動する切出装置(12)とを備える。回収装置(10)は、加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に相応する内径を有する円筒状の空洞(16a)を有するスリーブ(16)と、加工物(1)若しくはスペーサ(2)の積層体又はそれらを交互に積層した積層体(3)を軸方向にスリーブ(16)の空洞(16a)内に圧入する分別押圧機(13)とを備える。本実施の形態では、加工物(1)及びスペーサ(2)の自由外径が30.0〜650.0mmの場合、0.1〜20.0mm程度内径が小さくなるように、スリーブ(16)の空洞(16a)は、合口部(1b,2b)を有する加工物(1)及びスペーサ(2)の自由外径よりも僅かに小さく形成される。
【0023】
切出装置(12)は、分別押圧機(13)によって更に押圧されてスリーブ(16)の先端(16b)から突出する加工物(1)又はスペーサ(2)を保持する切出板(17)を備える。図15に示すように、ピストン−プランジャを備えた移動装置(34)によりベース(32)上に備えられた溝部(33)上を往復して滑動する切出板(17)には、分別孔(35)と回収孔(36)とが同一内径で貫通してかつ並列に一定間隔をあけて形成される。切出板(17)は、移動装置(34)により積載準備位置と排出準備位置との間で移動される。切出板(17)が積載準備位置にあるとき、切出板(17)の分別孔(35)にスペーサ(2)が装着されかつ分別孔(35)は装填押圧機(14)と同軸上に配置されると同時に、切出板(17)の回収孔(36)はスリーブ(16)の空洞(16a)と同軸上にあり、スリーブ(16)内の加工物(1)を回収孔(36)内に装填することができる。切出板(17)が排出準備位置にあるとき、切出板(17)の分別孔(35)はスリーブ(16)の空洞(16a)と同軸上にあり、スリーブ(16)内のスペーサ(2)を分別孔(35)内に装填することができると同時に、切出板(17)の回収孔(36)は排出押圧機(44)と同軸上にあり、回収孔(36)内に装着された加工物(1)を排出押圧機(44)により回収孔(36)から押し出して排出口(43)内に排出することができる。従って、分別孔(35)からスペーサ(2)をローダ(6)内に装填する間に、スリーブ(16)内の加工物(1)を回収孔(36)内に装填できるように、分別孔(35)をローダ(6)に近い位置で切出板(17)に形成すると共に、回収孔(36)から加工物(1)を排出口(43)内に排出する間に、スリーブ(16)内のスペーサ(2)を分別孔(35)内に装填できるように、回収孔(36)を排出口(43)に近い位置で切出板(17)に形成することが望ましい。
【0024】
図16に示すように、切出板(17)の滑動機構は、天井(55)と切出板(17)の上部(17a)との間に備えられ切出板(17)の滑動を案内するテイエチケー株式会社製直動案内装置「LMガイド(登録商標)」(転がり軸受)(37)と、天井(55)に取り付けられ切出板(17)の上部(17a)を案内して切出板(17)の滑動を安定させる上部ガイドブロック(38)とを構成する。更に、切出板(17)の下側は、切出板(17)の下部(17b)とベース(32)上の溝部(33)との間に取り付けられた鉄製の下部ガイドブロック(39)と、切出板(17)の下部(17b)に固定された材質MCナイロン(モノマーキャストナイロン)の固定ブロック(40)とを備え、下部ガイドブロック(39)と固定ブロック(40)とにより切出板(17)の滑動を溝部(33)上で案内する。
【0025】
本実施の形態では、加工物(1)又はスペーサ(2)の軸方向の厚さ(h1,h2)を0.8〜2.5mmの範囲に設定するとき、加工物(1)及びスペーサ(2)の軸方向の厚さ(h1,h2)の薄い方から更に0.1mm〜0.2mm程度薄くした厚さに切出板(17)を設定し、切出板(17)は、加工物(1)又はスペーサ(2)の軸方向厚さよりも僅かに薄い厚さに形成される。しかしながら、加工物(1)、スペーサ(2)及び切出板(17)の厚さは適宜変更でき、切出板(17)の分別孔(35)と回収孔(36)とは、各々異なる厚さに設定してもよい。分別孔(35)と回収孔(36)は、加工物(1)とスペーサ(2)より僅かに小さい直径で形成され、加工物(1)とスペーサ(2)は外側に拡径する拡径弾性力により分別孔(35)と回収孔(36)内に保持される。分別孔(35)を形成する切出板(17)の板厚を増加し又は積層板を切出板(17)に固着することにより分別孔(35)の板厚を回収孔(36)の板厚より大きくして、分別孔(35)の長さを増加し、加工物(1)より不安定なスペーサ(2)が分別孔(35)内で安定して保持され、切出す動作を円滑に行うことができる。軸方向の厚さが1.5mmのスペーサ(2)を使用する場合に、分別孔(35)の形成部の板厚を1.4mmにすると切出し時のスペーサ(2)の安定度が高くなる。
【0026】
図15に示すように、研磨工程を終了した後に、アンローダ(8)内に保持された研磨された加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)は、アンローダ(8)と共に回転軸(21)から回収装置(10)に接近する回収位置に移動され、積層体(3)は、分別押圧機(13)によりスリーブ(16)の空洞(16a)に圧入される。空洞(16a)に圧入される積層体(3)は、分別押圧機(13)によってスリーブ(16)の先端(16b)に向かって移動され、スリーブ(16)の先端(16b)から1本の加工物(1)又はスペーサ(2)を突出させる。スペーサ(2)がスリーブ(16)の先端(16b)から突出するとき、スペーサ(2)は、分別押圧機(13)に押されて切出板(17)の分別孔(35)に圧入されかつ保持された後、移動装置(34)により切出板(17)は、積載位置に待機するローダ(6)の割雇(20)に整合する積載準備位置に滑動される。ここで、装填押圧機(14)が伸張することにより、切出板(17)の分別孔(35)に保持されたスペーサ(2)は、装填待機位置と同軸上の積載位置に待機するローダ(6)の空洞(41)に搭載される。研磨された加工物(1)がスリーブ(16)の先端(16b)から突出するとき、加工物(1)は、分別押圧機(13)に押されて切出板(17)の回収孔(36)内に圧入され、切出板(17)は排出口(43)に接近する排出準備位置に滑動される。積層体(1)を構成する加工物(1)とスペーサ(2)の順番及び位置は予め決められているので、加工物(1)とスペーサ(2)との積層順序により加工物(1)かスペーサ(2)かを判断して切出板(17)を積載準備位置又は排出準備位置の何れかに移動することができる。別法として、加工物(1)とスペーサ(2)との厚さ又は形状が相違するとき、図示しない厚さ検出装置又は形状検出装置によりスリーブ(16)の先端部(16b)から突出する加工物(1)又はスペーサ(2)の厚さ又は形状を検出して、加工物(1)とスペーサ(2)とを区別することができる。加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)をローダ(6)内に形成するとき、装填装置(4)は、供給装置から所定数の加工物(1)をローダ(6)内に供給すると共に、アンローダ(8)から所定数のスペーサ(2)をローダ(6)内に供給して、積層体(3)をローダ(6)内に形成する。また、所定数の加工物(1)とスペーサ(2)とを交互にローダ(6)内に積層して、所定の積層体(3)が研磨前に形成されたか否か検出するパターン認識装置を備えたシーケンス制御回路を使用することができる。
【0027】
本実施の形態では、除去装置(11)は分別押圧機(13)の押圧方向とは反対の方向から押圧する排出押圧機(44)を備え、回収孔(36)に保持された加工物(1)は、排出押圧機(44)により回収孔(36)から押し出され、ベース(32)に設けられた排出口(43)内に自重で落下されて、加工物(1)を回収する。図15に示すように、排出押圧機(44)の押圧部(44a)と同形状の切欠部(36a)を回収孔(36)の外側に形成して、回収孔(36)内に保持される加工物(1)を確実に排出押圧機(44)により回収孔(36)から除去することができる。
【0028】
図1に示すように、スリーブ(16)は、貫通孔(69)に支持された状態でスリーブ移動装置(45)上に取付けられ、スリーブ移動装置(45)は、図示しないサーボ駆動装置及びボールネジ機構により分別押圧機(13)の押圧方向に移動することができる。スリーブ(16)から加工物(1)を切出板(17)の回収孔(36)内に押し込み又はスリーブ(16)からスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)内に押し込むとき、スリーブ移動装置(45)を前進させてスリーブ(16)を切出板(17)に密着させ又は極めて小さい隙間を空けてスリーブ(16)を切出板(17)に接近させて、加工物(1)又はスペーサ(2)を回収孔(36)又は分別孔(35)内に円滑に装填することができる。溝部(33)に沿って切出板(17)を滑動させるとき、切出板(17)から離間する方向にスリーブ移動装置(45)を後退させてスリーブ(16)の先端部(16b)と切出板(17)との接触を防止することができる。また、軸方向厚さの異なる加工物(1)とスペーサ(2)とを分別するときに、スリーブ移動装置(45)によりスリーブ(16)の先端部(16b)と切出板(17)との接近距離を調節することができる。
【0029】
貫通孔(66)及び支持孔(67)とを備えた支持板(65)がスリーブ移動装置(45)と切出板(17)との間に配置される。スリーブ(16)が配置される支持板(65)の貫通孔(66)はスリーブ(16)を支持し、供給装置(7)が積載準備位置に移動するときに、昇降機(23)に垂下された加工物(1)は支持孔(67)内に配置され、昇降機(23)のフック(29)は、支持孔(67)に連結して支持板(65)に形成された切欠部(68)内に配置される。
【0030】
本実施の形態では、合口部(1b,2b)を有する間欠環状に形成された加工物(1)及びスペーサ(2)の外径をスリーブ(16)の空洞(16a)の内径より僅かに大きく形成して、加工物(1)とスペーサ(2)とをスリーブ(16)の空洞(16a)内に縮径状態で圧入するので、外側に拡径しようとする加工物(1)とスペーサ(2)との弾性力により加工物(1)及びスペーサ(2)をスリーブ(16)の空洞(16a)内に保持して、空洞(16a)内での加工物(1)の姿勢崩壊を防止することができる。また、加工物(1)又はスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)又は回収孔(36)に嵌合するときに、加工物(1)及びスペーサ(2)を拡径弾性力により切出板(17)の分別孔(35)又は回収孔(36)に装着し、脱落を阻止しながら、切出板(17)と共に積載準備位置又は排出準備位置に確実に移動することができる。
【0031】
軸方向の厚さが0.8〜1.2mm程の薄肉の加工物(1)又はスペーサ(2)では、合口部(1b,2b)を設けないと、拡径弾性力及び剛性がなく、スリーブ(16)の空洞(16a)への圧入による歪み又は冷却液や潤滑油による加工物(1)若しくはスペーサ(2)同士の密着の影響を受けやすく、空洞(16a)内及び分別孔(35)又は回収孔(36)内で所定の姿勢を保持しにくいことが判明した。また、図2に示すように、ローダ(6)内に装填する前に、加工物(1)の外周面(1a)に面取り加工を行い又はテーパ面若しくは傾斜面(1c)を形成すると、加工物(1)のスリーブ(16)の空洞(16a)又は切出板(17)の分別孔(35)若しくは回収孔(36)に容易に挿入できる。同様に、スペーサ(2)の環状凸部(2a)の側面にも面取り加工を行い又はテーパ面若しくは傾斜面を形成することが好ましい。
【0032】
また、分別装置(9)により分別された加工物(1)の合口部(1b)を揃えて、加工物(1)を回収する捕集装置(18)が加工物自動研削装置に設けられる。図1に示すように、除去装置(11)により回収孔(36)から排出口(43)内に除去される加工物(1)は、捕集装置(18)に設けられる矩形断面のホッパ(56)内を通過してレバー(57)に受け止められ、レバー(57)の下降により合口整列装置(58)に係止される。図17に示すように、合口整列装置(58)は、レバー(57)により払い出される加工物(1)の円内に傾斜して配置される鉤部(59)が端部に設けられた整列シュート(60)と、整列シュート(60)から供給される加工物(1)を整列させる捕集シュート(61)とを備えている。鉤部(59)は、レバー(57)から落下する加工物(1)を受取り、傾斜する懸吊状態で自重により滑動させ加工物(1)を整列シュート(60)に搬送し、整列シュート(60)は、搬送中に加工物(1)の合口部(1b)を揃える。傾斜して形成された捕集シュート(61)は、合口部(1b)が揃った加工物(1)を密着して整列させる。整列シュート(60)は、鉤部(59)から滑落する加工物(1)を受け止め、スクリューコンベアと同様の原理で回転しながら加工物(1)を捕集シュート(61)に搬送する送りスプリング(64)と、送りスプリング(64)内を挿通する整列棒(62)とを備え、整列棒(62)は合口整列装置(58)内に備えられたモータ(63)により回転される。図18に示すように、整列棒(62)上の加工物(1)は、整列棒(62)の回転に伴って送りスプリング(64)との摩擦力で回転し、加工物(1)の合口部(1b)が整列棒(62)の位置まで回転してくると、合口部(1b)は回転する整列棒(62)に係合し、加工物(1)は送りスプリング(64)により整列シュート(60)に沿って搬送される。加工物(1)が送り用スプリング(64)の端部(64a)に到達すると、合口部(1b)が整列棒(62)を通り抜けるので、加工物(1)は自重により捕集シュート(61)に落下し、合口部(1b)が上を向く状態で加工物(1)は捕集シュート(61)上を自重で滑動する。
【0033】
整列棒(62)は、径の大きさの異なる複数の整列部(62a,62b,62c)により構成され、鉤部(59)の傾斜により滑落する加工物(1)を受け取る整列部(62a)は、比較的外径が大きく、滑落する加工物(1)の衝撃力を分散して加工物(1)の破損を防止する。整列部(62c)は、比較的外径が小さく、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)より小さい外径に設定され、加工物(1)の合口部(1b)を揃える。例えば、整列部(62a)の外径16.0mm、整列部(62c)の外径2.0mmのピストンリングでは、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)が3.0mm以上、6.5mm未満の比較的寸法及び重量の小さな加工物(1)の合口部(1b)が揃えられる。合口部(1b)の自由合口隙間(m1)が6.5mm以上の比較的寸法及び重量の大きな加工物(1)は、整列部(62a)と整列部(62c)との間に備えられる整列部(62b)の断面を平径6.0mmの六角形状に形成すると、合口部(1b)を揃えられる。整列部(62b)の断面形状を円形ではなく六角形等の角形に形成すれば、整列部(62b)上の比較的寸法及び重量の大きな加工物(1)を良好に回転することができる。しかしながら、本発明に適用される加工物(1)の形状、寸法、重量又は材質により整列棒(62)の寸法又は断面形状を適宜設定してよい。
【0034】
図19は、本発明による加工物自動研削装置の電気回路図を示す。制御装置(70)の入力端子にはキーボード等の入力装置(71)が接続され、出力端子には、それぞれ分別押圧機(13)、装填押圧機(14)、供給押圧機(26)、分離機(27)、ブロア(28)、送り機(30)、移動装置(34)、排出押圧機(44)、昇降機駆動装置(72)、ローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)が接続される。
【0035】
次に、本発明による加工物自動研削装置の動作を加工物自動研削装置の各工程を示す図20のフローチャートについて説明する。
ステップ101から102に進み、所定数の未加工の加工物(1)を供給装置(7)に搭載すると共に、所定数のスペーサ(2)をアンローダ(8)に搭載する。ステップ103では、複数のスペーサ(2)を搭載するアンローダ(8)を分別押圧機(13)とスリーブ(16)との間の回収位置に移動し、ステップ104では、分別押圧機(13)によりスペーサ(2)をアンローダ(8)からスリーブ(16)の空洞(16a)に搭載する。ステップ104では、最初の段階でスリーブ(16)内にスペーサ(2)のみを装填するが、加工物(1)の研削が一度完了すれば、後述のステップ123について説明するように、研削された加工物(1)を含む積層体(3)がスリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載される。次に、ステップ105では、下降した供給装置(7)の昇降ブロック(31)と切出板(17)との接触を回避するため、切出板(17)は、排出準備位置に移動する。続いて、ステップ106では、スリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載されたスペーサ(2)の積層体を分別押圧機(13)により押圧し、1本のスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)内に装着する。
【0036】
ステップ107では、供給装置(7)により1本の加工物(1)を受取位置から支持板(65)の支持孔(67)内の装填待機位置まで移動する。ステップ108では、図19に示す加工物自動研削装置の制御装置(70)は、所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載したか否か判断し、所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載すればステップ111に進み、まだ所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載していなければ、ステップ109に進み、装填押圧機(14)により支持孔(67)内の加工物(1)をローダ(6)内に圧入する。ステップ110では、加工物(1)のローダ(6)への搭載が完了したか否か判断し、未完了であればステップ109に戻り、搭載が完了すればステップ111に進み、所定数のスペーサ(2)をローダ(6)に搭載したか否か判断する。所定数のスペーサ(2)がローダ(6)に搭載されればステップ115に進み、搭載されなければステップ112に進み、切出板(17)を積載準備位置に移動し、ステップ113では、装填押圧機(14)によりスペーサ(2)をローダ(6)内に押圧し搭載する。本実施の形態では、スペーサ(2)の積載準備位置は、分別孔(35)が装填押圧機(14)及びローダ(16)と同軸上に保持される状態を意味するのに対し、加工物(1)の積載準備位置は、装填押圧機(14)が支持孔(67)及びローダ(16)と同軸上に保持される状態を意味するので、スペーサ(2)の積載準備位置と加工物(1)の積載準備位置が相違する点に注意を要する。
【0037】
次に、ステップ114では、スペーサ(2)の搭載が完了したか否か判断し、搭載が未完了であればステップ113に戻り、搭載が完了すれば、ステップ115に進む。ステップ115では、制御装置(70)は、所定数の加工物(1)とスペーサ(2)とを含む図4に示す積層体(3)がローダ(6)内に形成されたか否か判断し、積層体(3)が形成されていなければステップ106に戻り、ステップ106〜ステップ114が反復される。ステップ115では、積層体(3)が形成されれば、ステップ116に進み、ローダ(6)を装着位置に移動して、積層体(3)を回転軸上に固定する。
【0038】
続いて、ローダ(6)を積載位置から装着位置に移動し、チャック(19)により積層体(3)を回転軸(21)上に固定し、回転軸(21)上に積層体(3)を固定する状態で回転軸(21)からローダ(6)を移動し、ローダ(6)を積載位置に戻す。ステップ118では、回転軸(21)と共に積層体(3)を回転し、研削装置(5)の砥石(15)により加工物(1)の外周面(1a)の研磨を行う。ステップ119では、研磨が完了したか否か判断し、研磨が完了していなければステップ118に戻り、研磨が完了すればステップ120に進み、チャック(19)による積層体(3)の固定を解除して、ステップ121では、積層体(3)をアンローダ(8)に搭載する。ステップ122では、積層体(3)を保持するアンローダ(8)を回収位置まで移動し、ステップ123では、分別押圧機(13)により積層体(3)をスリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載する。
【0039】
ステップ124では、切出板(17)を排出準備位置に移動し、ステップ125では、スリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載された積層体(3)を分別押圧機(13)により押圧する。ステップ126では、加工物(1)が取出されるか否か判断し、加工物(1)を取出す場合は、ステップ127に進み、スペーサ(2)を取出す場合はステップ106に進み、スペーサ(2)が加工物(1)の研磨に再使用される。このように、ステップ115において装填装置(4)によって加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)を自動的に形成し、ステップ126において研削後に積層体(3)から加工物(1)とスペーサ(2)とを自動的に分別することにより、所望の外周形状を有する多数の加工物(1)の自動積層体形成及び同時研削が可能となり、作業に要する人件費を削減して、製品価格を低減することができる。
【0040】
ステップ126にて加工物(1)が取出され、ステップ127に進み、切出板(17)は積載準備位置に移動され、ステップ128では、分別押圧機(13)によりスリーブ(16)の先端部(16b)から突出する加工物(1)を、押圧されて切出板(17)の回収孔(36)に搭載する。その後、ステップ129において、回収孔(36)に加工物(1)を保持する状態で、切出板(17)を排出準備位置に移動し、ステップ130では、排出押圧機(44)により押圧されて加工物(1)を回収孔(36)から排出口(43)に除去して、排出口(43)に除去された加工物(1)は、捕集装置(18)により合口部(1b)を揃えた状態で捕集され、加工物(1)を回収(ステップ131)する。ステップ132では、積層体(3)の分別が完了したか否か判断し、分別が完了しなければステップ125に戻り、ステップ125〜131を反復し、分別が完了すればステップ133に進む。
【0041】
本発明の実施の形態では下記の作用効果が得られる。
[1] 加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)の状態で加工物(1)の外周面(1a)を研磨するので、加工物(1)の外周面(1a)と砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレをスペーサ(2)により吸収でき、加工物(1)の外周面(1a)を所望の形状に研削することができる。
[2] 加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて自動的に積層体(3)を形成することができる。
[3] 切出装置(12)によりスペーサ(2)を加工物(1)から分離して加工物自動研削装置内で再使用することができる。
[4] 環状凸部(2a)を形成したスペーサ(2)を使用するので、砥石(15)によるスペーサ(2)の研削を防止し、研磨工程を効率的に行うことができかつスペーサ(2)の再利用が可能となる。
[5] 合口部(1b,2b)を形成する環状の加工物(1)及びスペーサ(2)の拡径力を利用して割雇(20)、スリーブ(16)、分別孔(35)及び回収孔(36)内で加工物(1)及びスペーサ(2)を所定の姿勢に保持し、全工程を円滑に行うことができる。
[6] 従って、剛性のない薄い加工物(1)の外形を自動的に研削することができる。
[7] 研削された加工物(1)を自動的に合口部(1b)を揃えて回収することができる。
【0042】
本発明の前記実施の形態は変更が可能である。例えば、前記の例では、ピストンリングの研磨について説明したが、本発明はピストンリングの研磨に限定されず、ピストンリングの研削、切削を含む外周面処理又は他の円部材の研磨、研削、切削に本発明を適用できることは理解できよう。また、ローダ(6)とアンローダ(8)とを同一の装置により構成してもよい。
【0043】
【実施例】
本発明による加工物自動研削装置を使用して、自動車エンジンのピストンリングの外周面に形成するテーパフェイス面を研磨した。
外径(d1)55.0〜100.0mm、軸方向の厚さ(h1)0.8〜2.5mm、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)3.0〜12.0mmの形状を有するJIS炭素鋼板第2種(SP)、第3種(SP3)又は第9種(SP9)により研磨前の加工物を形成した。また、Crめっき又はガス窒化による表面処理層を形成した加工物と、しない加工物をそれぞれ使用した。スペーサは、外径(d2)55.0〜100.0mm、軸方向の厚さ(h2)1.5mm、合口部(2b)の自由合口隙間(m2)3.0〜12.0mmのJIS炭素鋼板第2種(SP)、第3種(SP3)又は第9種(SP9)を使用した。また、スペーサの外周面の径方向外側に0.1mm突出する環状凸部を軸方向の中央部の0.5mm幅で形成した。
【0044】
本発明の加工物自動研削装置によりスペーサを使用して加工物を研磨し、同時に20本の加工物の外周面にテーパフェイスを形成することができた。また、熟練作業者と同等の作業時間で、加工物又はスペーサを1本につき2秒でローダに搭載し又は分別できた。また、加工物自動研削装置の研削工具を変更して、加工物の外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状も形成できた。また、20本の加工物をローダ内に搭載したとき、最大0.4mmのピッチズレが発生したが、加工物間に挿入したスペーサによりピッチズレが吸収されるので、ピッチズレに起因してスペーサが研磨される不具合は発生せず、割雇(20)、スリーブ(16)、分別孔(35)及び回収孔(36)内で稼働中に加工物又はスペーサの姿勢崩壊も生じなかった。
本発明による加工物自動研削装置により、0.8〜1.2mm程度の薄肉な加工物の自動研削化を実現でき、薄肉かつ軽量のスチール製ピストンリングの自動研磨が可能となり、生産効率を向上すると共に、鋳造設備を削減できた。
【0045】
【発明の効果】
前記のように、本発明では所望の外周形状を有する複数の加工物の外形を連続的にかつ自動的に加工できるので、自動化が可能となり作業に要する人件費を削減し、製品価格を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加工物自動研削装置の実施の形態を示す斜視図
【図2】本発明により研削する加工物の斜視図
【図3】本発明に使用するスペーサの斜視図
【図4】加工物とスペーサとを交互に積層して形成した積層体の平面図
【図5】積層体を構成する加工物の外周面とスペーサの平坦な外周面に研削工具を接触させた状態を示す断面図
【図6】積層体を構成する加工物の外周面とスペーサの外周面の環状凸部に研削工具を接触させた状態を示す断面図
【図7】本発明に使用する回転軸とチャックとの関係を示す斜視図
【図8】割雇(ローダ)をマンドレルに装着する前の状態を示す部分断面図
【図9】割雇(ローダ)をマンドレルに装着した状態を示す部分断面図
【図10】ローダの割雇を油圧装置により圧縮させた状態を示す部分断面図
【図11】回転軸の支持軸と牽引棒との間にC形ワッシャを取り付けた状態を示す部分断面図
【図12】牽引棒を縮小させた状態を示す部分断面図
【図13】積層体中の加工物を研削する状態を示す平面図
【図14】本発明に使用する供給装置を示す斜視図
【図15】本発明に使用する切出装置を示す斜視図
【図16】本発明に使用する切出板の取付構造を示す部分断面図
【図17】本発明に使用する合口整列装置を示す平面図
【図18】図17に示す合口整列装置の断面図
【図19】本発明による加工物自動研削装置の電気回路図
【図20】図19に示す制御装置の動作を示すフローチャート
【図21】加工物の積層体に研削工具を押圧する従来の状態を示す断面図
【図22】割雇に加工物を手詰めする従来の作業を表す斜視図
【図23】割雇により保持された積層体を回転軸に装着する従来の作業を表す斜視図
【図24】加工物の外周面と研削工具の外周形状とのピッチズレを表す断面図
【符号の説明】
(1)・・加工物、 (2)・・スペーサ、 (3)・・積層体、 (4)・・装填装置、(5)・・加工物自動研削装置、 (6)・・ローダ、 (7)・・供給装置、 (8)・・アンローダ、 (9)・・分別装置、 (10)・・回収装置、 (11)・・除去装置、 (12)・・切出装置、 (13)・・分別押圧機、 (14)・・装填押圧機、 (15)・・砥石(研削工具)、 (16)・・スリーブ、 (17)・・切出板、 (18)・・捕集装置、 (19)・・チャック、 (21)・・回転軸、
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工物の研削技術、特に複数の環状の加工物を研削装置に装着して、複数の加工物を同時に研削する加工物自動研削装置及び加工物自動研削法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピストンリングを製造する際に、所定の断面形状に成形した鋳鉄又はスチールの線材がリング状にコイリング成形され、外周面にめっき処理された後に切断され、複数本のリング材が形成される。各リング材は、切断により形成された合口部を有する環状に形成され、リング材の外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状と呼ばれる傾斜面、湾曲面又は部分的な削除面が形成される。
【0003】
図21に示すように、環状の加工物(81)に形成された外周面(81a)を研削するとき、複数の加工物(81)を円筒状に重ねて回転させ、回転する加工物(81)の各外周面(81a)に形成すべき外周面と相補的な形状の傾斜面又は湾曲面を有する研削工具(86)を押圧し、複数の加工物(81)の各外周面(81a)に外周形状を同時に形成して、研削の効率化及び製品の生産性向上を図っている。
【0004】
例えば、特開2002−46051号は、ピストンリングを載置する上面を有するリング台を備え、プッシャーによって3方向からピストンリングを半径方向内方へ押圧して真円に変形し、研磨抵抗が低く、生産性の高いピストンリングの外周研磨装置を示す。ピストンリングは、リング押さえとリング台とに挟持され、真円に変形された状態でピストンリングの軸を中心にリング台と一体に回転する。ラップに設けられたローラに環装されピストンリングの軸方向に振動するラッピングフィルムに、ピストンリングの外周面が当接し、外周面が研磨される。しかしながら、この公報に示されるピストンリングの外周研磨装置では、複数のピストンリングを連続的にかつ自動的に研磨することはできない。また、テーパフェイス又はバレルフェイス等の均一外径の円筒面以外の形状にピストンリングを研磨することはできない。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−46051号公報(第3−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図22に示すように、加工物(81)を積層して同時に複数の加工物(81)の外周面(81a)を研削するとき、作業者は、例えば保持治具である割雇(89)内に複数本の環状の加工物(81)を円筒状に整列して手詰めし、同一軸上に加工物(81)を積層する。次に、図23に示すように、円筒状の加工物(81)を割雇(89)により保持しながら、研削装置(85)の回転軸(84)上に加工物(81)を装着する。その後、加工物(81)を割雇(89)により保持しながら、固定カラー(87)と移動カラー(88)とにより加工物(81)を軸方向に狭持して回転軸(84)上に固定する。続いて、固定し加工物(81)を回転軸(84)上に残して割雇(89)を除去し、加工物(81)の外周面に砥石(86)を押圧して、加工物(81)の外周面(81a)を研削し、図21に示すように、研削工具(86)の外周形状(86a)により、加工物(81)の外周面(81a)を所望の形状に研削することができる。
【0007】
しかしながら、このように加工物(81)を円筒状に重ねて、加工物(81)の研削をする作業は、従来、極めて煩瑣であり長時間を要した。また、図24に示すように、複数の加工物(81)を重ねて研削工具(86)により外周面(81a)を研削するとき、重ね合わされる各加工物(81)の軸方向厚さ(h1)の公差が累積され、各加工物(81)の外周面(81a)と、対応する研削工具(86)の外周形状(86a)とがずれるため、研削工具(15)の外周形状(86a)の両端部が、対応する各加工物(1)の両端部から突出し、隣合う加工物(1)の外周面(1a)を不必要に研削する「研削異常」が発生する欠点がある。
【0008】
本発明は、複数の加工物の外周面と研削工具の外周形状との寸法公差を補償して、研削異常を発生しない加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。また、本発明は、複数の加工物の外周面を同時に研削できる加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。更に、本発明は、加工物を自動的に研削装置に装着し、加工物を研削し更に研削装置から加工物を取出して自動的にかつ連続的に研削工程を行う加工物自動研削装置及び加工物自動研削法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による加工物自動研削装置は、複数の環状の加工物(1)と複数の環状のスペーサ(2)とを含む積層体(3)を回転軸(21)上に整列させて保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する研削装置(5)と、装填位置において加工物(1)とスペーサ(2)とを受け入れて内部に積層体(3)を形成すると共に積層体(3)を装填位置から研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置まで運搬するローダ(6)と、軸方向に整列する状態で加工物(1)とスペーサ(2)とを装填位置にあるローダ(6)内に押し込んでローダ(6)内に積層体(3)を形成する装填装置(4)とを備えている。加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)を研削装置(5)に装着するので、スペーサ(2)の介在によって隣合う加工物(1)間にスペーサ(2)の厚み分の間隙が形成される。研削装置(5)の研削工具(15)の形状切り刃面長さを各加工物(1)の厚さより大きくでき、加工物(1)の寸法公差(ピッチズレ)を間隙によって吸収し補償することができる。このため、研削装置(5)により加工物(1)の外周面(1a)を研削するとき、各加工物(1)に対応する研削装置(5)の研削工具(15)の両端部が各加工物(1)の両端部から突出しても、研削工具(15)の両端部が間隙内に配置され、隣合う加工物(1)の外周面(1a)内に当接せず、異常研削が発生しない。また、ローダ(6)によって積層体(3)を回転軸(21)に装着するので、研削工程の自動化及び省力化が可能となる。
【0010】
本発明による加工物自動研削法は、環状凸部(2a)が形成されたスペーサ(2)を準備する工程と、環状の加工物(1)と環状のスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて積層体(3)を回転軸(21)上に形成する工程と、積層体(3)を回転して、傾斜面又は湾曲面を有する研削工具(15)を加工物(1)の外周面(1a)に接触させて、研削工具(15)をスペーサ(2)に接触させずに加工物(1)を研削する工程とを含む。スペーサ(2)に環状凸部(2a)を形成することにより、環状凸部(2a)の外径を加工物(1)の外径と一致させて、複数のスペーサ(2)を複数の加工物(1)と同一の外径を形成する積層体(3)として取り扱うことができる。また、環状凸部(2a)の側部に環状凹部(2c)が形成され、加工工具(15)の端部を環状凹部(2c)内に配置できるので、加工工具(15)と隣合う加工物(1)との接触を回避することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、内燃機関のピストンに装着されるピストンリングの製造に適用した本発明による加工物自動研削装置及び加工物自動研削法の実施の形態を図1〜図20について説明する。
図1に示すように、本実施の形態による加工物自動研削装置は、加工物(1)を供給する供給装置(7)と、供給装置(7)から供給された加工物(1)を研削する研削装置(5)と、装填位置において供給装置(7)から受けた加工物(1)とスペーサ(2)とを交互に搭載して積層体(3)を形成する積載位置から積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)上に装着する装着位置に積層体(3)を運搬するローダ(6)と、ローダ(6)内に加工物(1)とスペーサ(2)とを交互に搭載して積層体(3)を形成する装填装置(4)と、研削された加工物(1)を含む積層体(3)を加工物(1)とスペーサ(2)とに分別する分別装置(9)と、研削された加工物(1)を含む積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)から外して積層体(3)を装着位置から回収位置まで運搬するアンローダ(8)と、研削された加工物(1)を回収する捕集装置(18)とを備える。研削装置(5)は、環状の加工物(1)と環状のスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成された積層体(3)を回転軸(21)上に保持しかつ回転軸(21)と共に回転して、加工物(1)の外周面(1a)を研削する。加工物自動研削装置は、研削装置(5)及び装填装置(4)を支持するベース(32)を有し、捕集装置(18)はベース(32)の下に設置され、ローダ(6)及びアンローダ(8)は、それぞれ図19に示すローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)によりベース(32)上の研削装置(5)及び装填装置(4)の上方又は間隙間を垂直方向又は水平方向に三次元で移動する。
【0012】
図2及び図3に示すように、加工物(1)及びスペーサ(2)は、合口部(1b,2b)を有し、所定の真円外形寸法に縮径すると拡径弾性力を有する切欠環状体に形成される。スペーサ(2)の外周面には、軸方向の中央部に外周方向に沿って環状凸部(2a)が形成され、環状凸部(2a)の両側に環状凹部(2c)が形成される。本発明に好適な実施の形態では、加工物(1)は、例えば外径(d1):30.0〜650.0mm、軸方向の厚さ(h1):0.5〜22.0mm、合口部(1b)の自由合口隙間(m1):0.15〜12.0mmである。また、スペーサ(2)は、例えば環状凸部(2a)の外径(d2):30.0〜650.0mm、軸方向の厚さ(h2):0.5〜22.0mm、合口部(2b)の自由合口隙間(m2):0.15〜12.0mmである。環状凸部(2a)の外径は、加工物(1)の外径に対して厳密に同一ではないがほぼ等しく、環状凹部(2c)の外径は、加工物(1)の外径より小さい。しかしながら、スペーサ(2)は、加工物(1)の外周面(1a)と研削装置(5)に備えられる研削工具としての砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレを吸収し得る軸方向の厚さ(h2)があればよい。また、スペーサ(2)と加工物(1)とを同一寸法でもよく、スペーサ(2)は、不良又は不要になった加工物(1)を使用してもよい。また、環状凸部(2a)の片側のみに環状凹部(2c)を形成してもよい。
【0013】
図4に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)を研削装置(5)の回転軸(21)に装着すると、隣合う加工物(1)間にスペーサ(2)の環状凹部(2c)が配置される。加工物(1)の外周面(1a)を研磨するときに、各加工物(1)に対応する研削装置(5)の砥石(15)の両端部が各加工物(1)の両端部から突出しても、砥石(15)の両端部は、スペーサ(2)の環状凹部(2c)内に配置され、砥石(15)の端部は隣合う加工物(1)に接触しない。これにより、1本の加工物(1)に対する研削装置(5)の砥石(15)の形状切り刃面長さを延長して、加工物(1)の外周面(1a)と砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレを吸収することができ、加工物(1)の外周面(1a)に所望の外周形状を形成することができる。図5に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)の外周面(3a)に研削装置(5)の砥石(15)を押圧すると、砥石(15)がスペーサ(2)の両端部に接触し、加工物(1)と共にスペーサ(2)も研削され切削効率が低下するので、このようなスペーサ(2)の形状は回避すべきである。図6に示すように、スペーサ(2)の外周面に環状凸部(2a)と、環状凸部(2a)の両側又は片側に環状凹部(2c)を形成すれば、研削装置(5)の砥石(15)の外周形状(15a)がスペーサ(2)の外周面(2a)と接触せず、砥石(15)によるスペーサ(2)の研削を回避できる。図6は、ピストンリングである加工物(1)の外周面(1a)にテーパフェースを形成する例を示す。本実施の形態では、テーパフェースに加えて、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状等種々の形状を加工物(1)の外周面(1a)に形成することができ、ピストンリング等の環状体の外周面を良好に研削、研磨又は切削することができる。
【0014】
例えばサーボモータ及びエアシリンダを備えた図19に示すローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)を制御して、垂直方向、前後方向及び左右方向の三次元方向に図1に示すローダ(6)及びアンローダ(8)を個別に移動することができる。ローダ(6)及びアンローダ(8)を貫通して形成された各空洞(41)に割雇(20)及びスリーブ(42)が設けられる。割雇(20)は半円形の2つの割雇部材を組み合わせて積層体(3)を外側から把持する円形に形成され、2つの割雇部材を径方向内側に圧縮する図示しない油圧装置がローダ(6)に設けられる。ローダ(6)の空洞(41)内に挿入された加工物(1)及びスペーサ(2)は、油圧装置による割雇(20)の圧縮により握持され、アンローダ(8)の空洞(41)内に挿入された加工物(1)及びスペーサ(2)は加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に相応する内径を有する円筒状の空洞を有するスリーブ(42)に、加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に拡径する拡径弾性力により保持される。
【0015】
図7に示すように、研削装置(5)は、積層体(3)の加工物(1)の外周面(1a)に押圧される傾斜面又は湾曲面を有する砥石(15)と、砥石(15)を加工物(1)の外周面(1a)に押圧する図示しない押圧装置と、積層体(3)を装着する回転軸(21)を有する支持軸(46)と、積層体(3)を回転軸(21)に装着した後、積層体(3)を回転軸(21)上に固定するチャック(19)とを備えている。押圧装置により砥石(15)を加工物(1)の外周面(1a)に押圧して加工物(1)の外周面(1a)に傾斜面又は湾曲面又は部分的な削除面を形成することができる。砥石(15)の他に、研削工具としてプロフィル砥石等の砥石及び形状バイトを用いる切削工具若しくはフライス工具が使用される。また、砥石(15)による研削は、加工物(1)の径方向に砥石(15)を押圧させるプランジカットのみならず、加工物(1)の軸方向に砥石(15)を押圧させるトラバースカットを行ってもよく、加工物(1)に対応する砥石(15)の両端部が隣合う加工物(1)の外周面(1a)内に突出しない程度の微少な範囲、即ち使用されるスペーサ(2)の幅又は環状凹部(2c)で吸収し得る範囲で、研削装置(5)は、微少なトラバースカットを行うことができる。このように、研削装置(5)は、砥石(15)により、加工物(1)の外周面(1a)を任意の形状に削ることができる。
【0016】
支持軸(46)と対向して設置されるチャック(19)に設けられるアーム(19a)は、支持軸(46)の回転軸(21)と同軸位置に可動カラー(47)を保持する。支持軸(46)の回転軸(21)は、積層体(3)の外径より小さい外径に形成された固定カラー(49)と、固定カラー(49)と一体に形成されかつ積層体(3)を装着するマンドレル(53)と、マンドレル(53)の先端部に備えられかつ径方向外側に拡張される拡張バンド(48)と、マンドレル(53)の端部から突出しかつ伸縮制御が可能な牽引棒(ドロウバー)(50)とを備える。また、研削装置(5)は、マンドレル(53)と牽引棒(50)との間にC形ワッシャ(52)を取り付ける駆動ハンド(51)とを備える。
【0017】
図8に示すように、加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成される積層体(3)は、ローダ(6)の空洞(41)内の割雇(20)に保持される。積層体(3)は、積層体(3)の一方の側に配置された回転軸(21)と同軸上に配置されると共に、積層体(3)の他方の側に配置されたチャック(19)と同軸上に配置される。図9に示すように、ローダ(6)を移動して、積層体(3)をマンドレル(53)上に被せて、積層体(3)の一端が回転軸(21)の固定カラー(49)に当接する位置でローダ(6)の移動を停止する。このとき、マンドレル(53)は積層体(3)内に挿入され、マンドレル(53)の先端部に備えられた回転軸(21)の拡張バンド(48)は、積層体(3)内を挿通し、積層体(3)内から突出する位置に配置される。ローダ(6)の停止位置は積層体(3)の回転軸(21)への装着位置となる。次に、可動カラー(47)をチャック(19)により搬送し、積層体(3)の固定カラー(49)と接する一端とは反対側の他端に当接させて、固定カラー(49)と可動カラー(47)とにより積層体(3)を狭持する。その後、チャック(19)に装着された可動カラー(47)を拡張バンド(48)上に被せて、回転軸(21)の拡張バンド(48)を拡張させ、可動カラー(47)の内径と回転軸(21)の外径とのクリアランスを無くし、可動カラー(47)を回転軸(21)に固定する。これにより、積層体(3)は、マンドレル(53)上に同軸に保持されると共に、可動カラー(47)と固定カラー(49)との間に挟持される。従って、固定カラー(49)と可動カラー(47)とを同一の外径寸法に形成することが好ましい。
【0018】
次に、割雇(20)に保持された積層体(3)の外径を可動カラー(47)及び固定カラー(49)の外径と同径に形成して、図示しない油圧装置によりローダ(6)の割雇(20)を図10に示すように内側に圧縮する。図11及び図12に示すように、可動カラー(47)と固定カラー(49)とにより回転軸(21)上の積層体(3)を狭持する状態で、駆動ハンド(51)(図7)によって牽引棒(50)の軸(50a)上にC形ワッシャ(52)を取り付け、回転軸(21)の牽引棒(50)のマンドレル(53)内への引き込みにより、積層体(3)は、固定カラー(49)とC形ワッシャ(52)との間に固定される。次に、割雇(20)を開いて、ローダ(6)を回転軸(21)から移動し除去すると、可動カラー(47)と固定カラー(49)とに狭持され固定された積層体(3)が回転軸(21)上に支持される。
【0019】
その後、図13に示すように、研削装置(5)の砥石(15)を回転軸(21)上に支持された積層体(3)の外周面(3a)に押圧し、回転軸(21)と共に積層体(3)を回転すると同時に、積層体(3)とは周面上で逆方向に砥石(15)を回転させて、押圧され加工物(1)の外周面(1a)の研磨を行う。研磨中に、研削装置(5)に備えられた冷却装置(54)から砥石(15)の外周面(15a)と加工物(1)の外周面(1a)に冷却水を供給して、加工物(1)を冷却すると共に、研磨屑を加工物(1)から除去する。研磨終了後、牽引棒(50)を突出させて、駆動ハンド(51)により牽引棒(50)の軸上からC形ワッシャ(52)が取り外される。また、チャック(19)により可動カラー(47)がマンドレル(53)から取り外され、マンドレル(53)に対する積層体(3)の固定は解除される。
【0020】
図1に示すように、装填装置(4)は、複数の加工物(1)をシュータ(22)により支持する支持位置から図15に示すローダ(6)に対向する装填待機位置に各加工物(1)を移動する供給装置(7)と、分別孔(35)内に支持された装填待機位置に各スペーサ(2)を移動する分別装置(9)と、装填待機位置に配置される加工物(1)とスペーサ(2)とをローダ(6)内に時間差をもって交互に押し込む装填押圧機(14)とを備え、装填押圧機(14)の伸縮運動とこれに同期する供給装置(7)及び分別装置(9)の動作により加工物(1)とスペーサ(2)とを交互にローダ(6)内に搭載して、ローダ(6)内に積層体(3)を形成することができる。また、加工物(1)の研削後には、分別装置(9)は、積層体(3)を加工物(1)とスペーサ(2)とを分別することができる。
【0021】
図14に示すように、加工物投入装置(7)は、供給される複数の研削前の加工物(1)を受取位置まで送り出す送出シュート(22)と、送出シュート(22)上の複数の加工物(1)から1本を送出シュート(22)に隣接して配置された昇降機(23)まで移動する送出装置(24)とを備えている。送出装置(24)は、送出シュート(22)に懸吊された加工前の加工物(1)を送出シュート(22)の一端に備えられたストッパ(25)まで押し出す供給押圧機(26)と、ストッパ(25)まで押し出された加工物(1)を離脱位置まで上方に押し上げる分離機(27)と、射出する空気により昇降機(23)の昇降ブロック(31)に備えられたフック(29)の一端まで離脱位置にある加工物(1)を空圧で押し出すブロア(28)と、ブロア(28)によりフック(29)の一端に懸吊された加工物(1)をフック(29)の他端に移動させる送り機(30)とを備える。昇降ブロック(31)のフック(29)に懸吊された加工物(1)は、送り機(30)によりフック(29)の他端に移動される。その後、昇降ブロック(31)は、昇降機駆動装置(72)(図19)の垂直駆動により下降移動され、送出装置(24)から搬送された加工物(1)を保持して、加工物(1)を装填待機位置に搬送する。加工物(1)は、送出シュート(22)から受け取った位置からローダ(6)に隣接する装填待機位置に移動される。そこで、フック(29)上に垂下された加工物(1)は装填押圧機(14)により押圧されて、ローダ(6)の空洞(41)に完全に搭載される。ローダ(6)の空洞(41)に加工物(1)を挿入した後、昇降機(23)は、フック(29)を備える昇降ブロック(31)を図14に示す受取位置に上昇させる。
【0022】
図15に示すように、分別装置(9)は、アンローダ(8)内に保持される積層体(3)をアンローダ(8)から排出する回収装置(10)と、アンローダ(8)から排出された積層体(3)に含まれる研磨済みの加工物(1)を捕集位置に除去する除去装置(11)と、積層体(3)に含まれるスペーサ(2)を装填待機位置に順次移動する切出装置(12)とを備える。回収装置(10)は、加工物(1)及びスペーサ(2)の外径に相応する内径を有する円筒状の空洞(16a)を有するスリーブ(16)と、加工物(1)若しくはスペーサ(2)の積層体又はそれらを交互に積層した積層体(3)を軸方向にスリーブ(16)の空洞(16a)内に圧入する分別押圧機(13)とを備える。本実施の形態では、加工物(1)及びスペーサ(2)の自由外径が30.0〜650.0mmの場合、0.1〜20.0mm程度内径が小さくなるように、スリーブ(16)の空洞(16a)は、合口部(1b,2b)を有する加工物(1)及びスペーサ(2)の自由外径よりも僅かに小さく形成される。
【0023】
切出装置(12)は、分別押圧機(13)によって更に押圧されてスリーブ(16)の先端(16b)から突出する加工物(1)又はスペーサ(2)を保持する切出板(17)を備える。図15に示すように、ピストン−プランジャを備えた移動装置(34)によりベース(32)上に備えられた溝部(33)上を往復して滑動する切出板(17)には、分別孔(35)と回収孔(36)とが同一内径で貫通してかつ並列に一定間隔をあけて形成される。切出板(17)は、移動装置(34)により積載準備位置と排出準備位置との間で移動される。切出板(17)が積載準備位置にあるとき、切出板(17)の分別孔(35)にスペーサ(2)が装着されかつ分別孔(35)は装填押圧機(14)と同軸上に配置されると同時に、切出板(17)の回収孔(36)はスリーブ(16)の空洞(16a)と同軸上にあり、スリーブ(16)内の加工物(1)を回収孔(36)内に装填することができる。切出板(17)が排出準備位置にあるとき、切出板(17)の分別孔(35)はスリーブ(16)の空洞(16a)と同軸上にあり、スリーブ(16)内のスペーサ(2)を分別孔(35)内に装填することができると同時に、切出板(17)の回収孔(36)は排出押圧機(44)と同軸上にあり、回収孔(36)内に装着された加工物(1)を排出押圧機(44)により回収孔(36)から押し出して排出口(43)内に排出することができる。従って、分別孔(35)からスペーサ(2)をローダ(6)内に装填する間に、スリーブ(16)内の加工物(1)を回収孔(36)内に装填できるように、分別孔(35)をローダ(6)に近い位置で切出板(17)に形成すると共に、回収孔(36)から加工物(1)を排出口(43)内に排出する間に、スリーブ(16)内のスペーサ(2)を分別孔(35)内に装填できるように、回収孔(36)を排出口(43)に近い位置で切出板(17)に形成することが望ましい。
【0024】
図16に示すように、切出板(17)の滑動機構は、天井(55)と切出板(17)の上部(17a)との間に備えられ切出板(17)の滑動を案内するテイエチケー株式会社製直動案内装置「LMガイド(登録商標)」(転がり軸受)(37)と、天井(55)に取り付けられ切出板(17)の上部(17a)を案内して切出板(17)の滑動を安定させる上部ガイドブロック(38)とを構成する。更に、切出板(17)の下側は、切出板(17)の下部(17b)とベース(32)上の溝部(33)との間に取り付けられた鉄製の下部ガイドブロック(39)と、切出板(17)の下部(17b)に固定された材質MCナイロン(モノマーキャストナイロン)の固定ブロック(40)とを備え、下部ガイドブロック(39)と固定ブロック(40)とにより切出板(17)の滑動を溝部(33)上で案内する。
【0025】
本実施の形態では、加工物(1)又はスペーサ(2)の軸方向の厚さ(h1,h2)を0.8〜2.5mmの範囲に設定するとき、加工物(1)及びスペーサ(2)の軸方向の厚さ(h1,h2)の薄い方から更に0.1mm〜0.2mm程度薄くした厚さに切出板(17)を設定し、切出板(17)は、加工物(1)又はスペーサ(2)の軸方向厚さよりも僅かに薄い厚さに形成される。しかしながら、加工物(1)、スペーサ(2)及び切出板(17)の厚さは適宜変更でき、切出板(17)の分別孔(35)と回収孔(36)とは、各々異なる厚さに設定してもよい。分別孔(35)と回収孔(36)は、加工物(1)とスペーサ(2)より僅かに小さい直径で形成され、加工物(1)とスペーサ(2)は外側に拡径する拡径弾性力により分別孔(35)と回収孔(36)内に保持される。分別孔(35)を形成する切出板(17)の板厚を増加し又は積層板を切出板(17)に固着することにより分別孔(35)の板厚を回収孔(36)の板厚より大きくして、分別孔(35)の長さを増加し、加工物(1)より不安定なスペーサ(2)が分別孔(35)内で安定して保持され、切出す動作を円滑に行うことができる。軸方向の厚さが1.5mmのスペーサ(2)を使用する場合に、分別孔(35)の形成部の板厚を1.4mmにすると切出し時のスペーサ(2)の安定度が高くなる。
【0026】
図15に示すように、研磨工程を終了した後に、アンローダ(8)内に保持された研磨された加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)は、アンローダ(8)と共に回転軸(21)から回収装置(10)に接近する回収位置に移動され、積層体(3)は、分別押圧機(13)によりスリーブ(16)の空洞(16a)に圧入される。空洞(16a)に圧入される積層体(3)は、分別押圧機(13)によってスリーブ(16)の先端(16b)に向かって移動され、スリーブ(16)の先端(16b)から1本の加工物(1)又はスペーサ(2)を突出させる。スペーサ(2)がスリーブ(16)の先端(16b)から突出するとき、スペーサ(2)は、分別押圧機(13)に押されて切出板(17)の分別孔(35)に圧入されかつ保持された後、移動装置(34)により切出板(17)は、積載位置に待機するローダ(6)の割雇(20)に整合する積載準備位置に滑動される。ここで、装填押圧機(14)が伸張することにより、切出板(17)の分別孔(35)に保持されたスペーサ(2)は、装填待機位置と同軸上の積載位置に待機するローダ(6)の空洞(41)に搭載される。研磨された加工物(1)がスリーブ(16)の先端(16b)から突出するとき、加工物(1)は、分別押圧機(13)に押されて切出板(17)の回収孔(36)内に圧入され、切出板(17)は排出口(43)に接近する排出準備位置に滑動される。積層体(1)を構成する加工物(1)とスペーサ(2)の順番及び位置は予め決められているので、加工物(1)とスペーサ(2)との積層順序により加工物(1)かスペーサ(2)かを判断して切出板(17)を積載準備位置又は排出準備位置の何れかに移動することができる。別法として、加工物(1)とスペーサ(2)との厚さ又は形状が相違するとき、図示しない厚さ検出装置又は形状検出装置によりスリーブ(16)の先端部(16b)から突出する加工物(1)又はスペーサ(2)の厚さ又は形状を検出して、加工物(1)とスペーサ(2)とを区別することができる。加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)をローダ(6)内に形成するとき、装填装置(4)は、供給装置から所定数の加工物(1)をローダ(6)内に供給すると共に、アンローダ(8)から所定数のスペーサ(2)をローダ(6)内に供給して、積層体(3)をローダ(6)内に形成する。また、所定数の加工物(1)とスペーサ(2)とを交互にローダ(6)内に積層して、所定の積層体(3)が研磨前に形成されたか否か検出するパターン認識装置を備えたシーケンス制御回路を使用することができる。
【0027】
本実施の形態では、除去装置(11)は分別押圧機(13)の押圧方向とは反対の方向から押圧する排出押圧機(44)を備え、回収孔(36)に保持された加工物(1)は、排出押圧機(44)により回収孔(36)から押し出され、ベース(32)に設けられた排出口(43)内に自重で落下されて、加工物(1)を回収する。図15に示すように、排出押圧機(44)の押圧部(44a)と同形状の切欠部(36a)を回収孔(36)の外側に形成して、回収孔(36)内に保持される加工物(1)を確実に排出押圧機(44)により回収孔(36)から除去することができる。
【0028】
図1に示すように、スリーブ(16)は、貫通孔(69)に支持された状態でスリーブ移動装置(45)上に取付けられ、スリーブ移動装置(45)は、図示しないサーボ駆動装置及びボールネジ機構により分別押圧機(13)の押圧方向に移動することができる。スリーブ(16)から加工物(1)を切出板(17)の回収孔(36)内に押し込み又はスリーブ(16)からスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)内に押し込むとき、スリーブ移動装置(45)を前進させてスリーブ(16)を切出板(17)に密着させ又は極めて小さい隙間を空けてスリーブ(16)を切出板(17)に接近させて、加工物(1)又はスペーサ(2)を回収孔(36)又は分別孔(35)内に円滑に装填することができる。溝部(33)に沿って切出板(17)を滑動させるとき、切出板(17)から離間する方向にスリーブ移動装置(45)を後退させてスリーブ(16)の先端部(16b)と切出板(17)との接触を防止することができる。また、軸方向厚さの異なる加工物(1)とスペーサ(2)とを分別するときに、スリーブ移動装置(45)によりスリーブ(16)の先端部(16b)と切出板(17)との接近距離を調節することができる。
【0029】
貫通孔(66)及び支持孔(67)とを備えた支持板(65)がスリーブ移動装置(45)と切出板(17)との間に配置される。スリーブ(16)が配置される支持板(65)の貫通孔(66)はスリーブ(16)を支持し、供給装置(7)が積載準備位置に移動するときに、昇降機(23)に垂下された加工物(1)は支持孔(67)内に配置され、昇降機(23)のフック(29)は、支持孔(67)に連結して支持板(65)に形成された切欠部(68)内に配置される。
【0030】
本実施の形態では、合口部(1b,2b)を有する間欠環状に形成された加工物(1)及びスペーサ(2)の外径をスリーブ(16)の空洞(16a)の内径より僅かに大きく形成して、加工物(1)とスペーサ(2)とをスリーブ(16)の空洞(16a)内に縮径状態で圧入するので、外側に拡径しようとする加工物(1)とスペーサ(2)との弾性力により加工物(1)及びスペーサ(2)をスリーブ(16)の空洞(16a)内に保持して、空洞(16a)内での加工物(1)の姿勢崩壊を防止することができる。また、加工物(1)又はスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)又は回収孔(36)に嵌合するときに、加工物(1)及びスペーサ(2)を拡径弾性力により切出板(17)の分別孔(35)又は回収孔(36)に装着し、脱落を阻止しながら、切出板(17)と共に積載準備位置又は排出準備位置に確実に移動することができる。
【0031】
軸方向の厚さが0.8〜1.2mm程の薄肉の加工物(1)又はスペーサ(2)では、合口部(1b,2b)を設けないと、拡径弾性力及び剛性がなく、スリーブ(16)の空洞(16a)への圧入による歪み又は冷却液や潤滑油による加工物(1)若しくはスペーサ(2)同士の密着の影響を受けやすく、空洞(16a)内及び分別孔(35)又は回収孔(36)内で所定の姿勢を保持しにくいことが判明した。また、図2に示すように、ローダ(6)内に装填する前に、加工物(1)の外周面(1a)に面取り加工を行い又はテーパ面若しくは傾斜面(1c)を形成すると、加工物(1)のスリーブ(16)の空洞(16a)又は切出板(17)の分別孔(35)若しくは回収孔(36)に容易に挿入できる。同様に、スペーサ(2)の環状凸部(2a)の側面にも面取り加工を行い又はテーパ面若しくは傾斜面を形成することが好ましい。
【0032】
また、分別装置(9)により分別された加工物(1)の合口部(1b)を揃えて、加工物(1)を回収する捕集装置(18)が加工物自動研削装置に設けられる。図1に示すように、除去装置(11)により回収孔(36)から排出口(43)内に除去される加工物(1)は、捕集装置(18)に設けられる矩形断面のホッパ(56)内を通過してレバー(57)に受け止められ、レバー(57)の下降により合口整列装置(58)に係止される。図17に示すように、合口整列装置(58)は、レバー(57)により払い出される加工物(1)の円内に傾斜して配置される鉤部(59)が端部に設けられた整列シュート(60)と、整列シュート(60)から供給される加工物(1)を整列させる捕集シュート(61)とを備えている。鉤部(59)は、レバー(57)から落下する加工物(1)を受取り、傾斜する懸吊状態で自重により滑動させ加工物(1)を整列シュート(60)に搬送し、整列シュート(60)は、搬送中に加工物(1)の合口部(1b)を揃える。傾斜して形成された捕集シュート(61)は、合口部(1b)が揃った加工物(1)を密着して整列させる。整列シュート(60)は、鉤部(59)から滑落する加工物(1)を受け止め、スクリューコンベアと同様の原理で回転しながら加工物(1)を捕集シュート(61)に搬送する送りスプリング(64)と、送りスプリング(64)内を挿通する整列棒(62)とを備え、整列棒(62)は合口整列装置(58)内に備えられたモータ(63)により回転される。図18に示すように、整列棒(62)上の加工物(1)は、整列棒(62)の回転に伴って送りスプリング(64)との摩擦力で回転し、加工物(1)の合口部(1b)が整列棒(62)の位置まで回転してくると、合口部(1b)は回転する整列棒(62)に係合し、加工物(1)は送りスプリング(64)により整列シュート(60)に沿って搬送される。加工物(1)が送り用スプリング(64)の端部(64a)に到達すると、合口部(1b)が整列棒(62)を通り抜けるので、加工物(1)は自重により捕集シュート(61)に落下し、合口部(1b)が上を向く状態で加工物(1)は捕集シュート(61)上を自重で滑動する。
【0033】
整列棒(62)は、径の大きさの異なる複数の整列部(62a,62b,62c)により構成され、鉤部(59)の傾斜により滑落する加工物(1)を受け取る整列部(62a)は、比較的外径が大きく、滑落する加工物(1)の衝撃力を分散して加工物(1)の破損を防止する。整列部(62c)は、比較的外径が小さく、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)より小さい外径に設定され、加工物(1)の合口部(1b)を揃える。例えば、整列部(62a)の外径16.0mm、整列部(62c)の外径2.0mmのピストンリングでは、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)が3.0mm以上、6.5mm未満の比較的寸法及び重量の小さな加工物(1)の合口部(1b)が揃えられる。合口部(1b)の自由合口隙間(m1)が6.5mm以上の比較的寸法及び重量の大きな加工物(1)は、整列部(62a)と整列部(62c)との間に備えられる整列部(62b)の断面を平径6.0mmの六角形状に形成すると、合口部(1b)を揃えられる。整列部(62b)の断面形状を円形ではなく六角形等の角形に形成すれば、整列部(62b)上の比較的寸法及び重量の大きな加工物(1)を良好に回転することができる。しかしながら、本発明に適用される加工物(1)の形状、寸法、重量又は材質により整列棒(62)の寸法又は断面形状を適宜設定してよい。
【0034】
図19は、本発明による加工物自動研削装置の電気回路図を示す。制御装置(70)の入力端子にはキーボード等の入力装置(71)が接続され、出力端子には、それぞれ分別押圧機(13)、装填押圧機(14)、供給押圧機(26)、分離機(27)、ブロア(28)、送り機(30)、移動装置(34)、排出押圧機(44)、昇降機駆動装置(72)、ローダ移動装置(73)及びアンローダ移動装置(74)が接続される。
【0035】
次に、本発明による加工物自動研削装置の動作を加工物自動研削装置の各工程を示す図20のフローチャートについて説明する。
ステップ101から102に進み、所定数の未加工の加工物(1)を供給装置(7)に搭載すると共に、所定数のスペーサ(2)をアンローダ(8)に搭載する。ステップ103では、複数のスペーサ(2)を搭載するアンローダ(8)を分別押圧機(13)とスリーブ(16)との間の回収位置に移動し、ステップ104では、分別押圧機(13)によりスペーサ(2)をアンローダ(8)からスリーブ(16)の空洞(16a)に搭載する。ステップ104では、最初の段階でスリーブ(16)内にスペーサ(2)のみを装填するが、加工物(1)の研削が一度完了すれば、後述のステップ123について説明するように、研削された加工物(1)を含む積層体(3)がスリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載される。次に、ステップ105では、下降した供給装置(7)の昇降ブロック(31)と切出板(17)との接触を回避するため、切出板(17)は、排出準備位置に移動する。続いて、ステップ106では、スリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載されたスペーサ(2)の積層体を分別押圧機(13)により押圧し、1本のスペーサ(2)を切出板(17)の分別孔(35)内に装着する。
【0036】
ステップ107では、供給装置(7)により1本の加工物(1)を受取位置から支持板(65)の支持孔(67)内の装填待機位置まで移動する。ステップ108では、図19に示す加工物自動研削装置の制御装置(70)は、所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載したか否か判断し、所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載すればステップ111に進み、まだ所定数の加工物(1)をローダ(6)内に搭載していなければ、ステップ109に進み、装填押圧機(14)により支持孔(67)内の加工物(1)をローダ(6)内に圧入する。ステップ110では、加工物(1)のローダ(6)への搭載が完了したか否か判断し、未完了であればステップ109に戻り、搭載が完了すればステップ111に進み、所定数のスペーサ(2)をローダ(6)に搭載したか否か判断する。所定数のスペーサ(2)がローダ(6)に搭載されればステップ115に進み、搭載されなければステップ112に進み、切出板(17)を積載準備位置に移動し、ステップ113では、装填押圧機(14)によりスペーサ(2)をローダ(6)内に押圧し搭載する。本実施の形態では、スペーサ(2)の積載準備位置は、分別孔(35)が装填押圧機(14)及びローダ(16)と同軸上に保持される状態を意味するのに対し、加工物(1)の積載準備位置は、装填押圧機(14)が支持孔(67)及びローダ(16)と同軸上に保持される状態を意味するので、スペーサ(2)の積載準備位置と加工物(1)の積載準備位置が相違する点に注意を要する。
【0037】
次に、ステップ114では、スペーサ(2)の搭載が完了したか否か判断し、搭載が未完了であればステップ113に戻り、搭載が完了すれば、ステップ115に進む。ステップ115では、制御装置(70)は、所定数の加工物(1)とスペーサ(2)とを含む図4に示す積層体(3)がローダ(6)内に形成されたか否か判断し、積層体(3)が形成されていなければステップ106に戻り、ステップ106〜ステップ114が反復される。ステップ115では、積層体(3)が形成されれば、ステップ116に進み、ローダ(6)を装着位置に移動して、積層体(3)を回転軸上に固定する。
【0038】
続いて、ローダ(6)を積載位置から装着位置に移動し、チャック(19)により積層体(3)を回転軸(21)上に固定し、回転軸(21)上に積層体(3)を固定する状態で回転軸(21)からローダ(6)を移動し、ローダ(6)を積載位置に戻す。ステップ118では、回転軸(21)と共に積層体(3)を回転し、研削装置(5)の砥石(15)により加工物(1)の外周面(1a)の研磨を行う。ステップ119では、研磨が完了したか否か判断し、研磨が完了していなければステップ118に戻り、研磨が完了すればステップ120に進み、チャック(19)による積層体(3)の固定を解除して、ステップ121では、積層体(3)をアンローダ(8)に搭載する。ステップ122では、積層体(3)を保持するアンローダ(8)を回収位置まで移動し、ステップ123では、分別押圧機(13)により積層体(3)をスリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載する。
【0039】
ステップ124では、切出板(17)を排出準備位置に移動し、ステップ125では、スリーブ(16)の空洞(16a)内に搭載された積層体(3)を分別押圧機(13)により押圧する。ステップ126では、加工物(1)が取出されるか否か判断し、加工物(1)を取出す場合は、ステップ127に進み、スペーサ(2)を取出す場合はステップ106に進み、スペーサ(2)が加工物(1)の研磨に再使用される。このように、ステップ115において装填装置(4)によって加工物(1)とスペーサ(2)との積層体(3)を自動的に形成し、ステップ126において研削後に積層体(3)から加工物(1)とスペーサ(2)とを自動的に分別することにより、所望の外周形状を有する多数の加工物(1)の自動積層体形成及び同時研削が可能となり、作業に要する人件費を削減して、製品価格を低減することができる。
【0040】
ステップ126にて加工物(1)が取出され、ステップ127に進み、切出板(17)は積載準備位置に移動され、ステップ128では、分別押圧機(13)によりスリーブ(16)の先端部(16b)から突出する加工物(1)を、押圧されて切出板(17)の回収孔(36)に搭載する。その後、ステップ129において、回収孔(36)に加工物(1)を保持する状態で、切出板(17)を排出準備位置に移動し、ステップ130では、排出押圧機(44)により押圧されて加工物(1)を回収孔(36)から排出口(43)に除去して、排出口(43)に除去された加工物(1)は、捕集装置(18)により合口部(1b)を揃えた状態で捕集され、加工物(1)を回収(ステップ131)する。ステップ132では、積層体(3)の分別が完了したか否か判断し、分別が完了しなければステップ125に戻り、ステップ125〜131を反復し、分別が完了すればステップ133に進む。
【0041】
本発明の実施の形態では下記の作用効果が得られる。
[1] 加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて形成した積層体(3)の状態で加工物(1)の外周面(1a)を研磨するので、加工物(1)の外周面(1a)と砥石(15)の外周形状(15a)とのピッチズレをスペーサ(2)により吸収でき、加工物(1)の外周面(1a)を所望の形状に研削することができる。
[2] 加工物(1)とスペーサ(2)とを軸方向に交互に重ねて自動的に積層体(3)を形成することができる。
[3] 切出装置(12)によりスペーサ(2)を加工物(1)から分離して加工物自動研削装置内で再使用することができる。
[4] 環状凸部(2a)を形成したスペーサ(2)を使用するので、砥石(15)によるスペーサ(2)の研削を防止し、研磨工程を効率的に行うことができかつスペーサ(2)の再利用が可能となる。
[5] 合口部(1b,2b)を形成する環状の加工物(1)及びスペーサ(2)の拡径力を利用して割雇(20)、スリーブ(16)、分別孔(35)及び回収孔(36)内で加工物(1)及びスペーサ(2)を所定の姿勢に保持し、全工程を円滑に行うことができる。
[6] 従って、剛性のない薄い加工物(1)の外形を自動的に研削することができる。
[7] 研削された加工物(1)を自動的に合口部(1b)を揃えて回収することができる。
【0042】
本発明の前記実施の形態は変更が可能である。例えば、前記の例では、ピストンリングの研磨について説明したが、本発明はピストンリングの研磨に限定されず、ピストンリングの研削、切削を含む外周面処理又は他の円部材の研磨、研削、切削に本発明を適用できることは理解できよう。また、ローダ(6)とアンローダ(8)とを同一の装置により構成してもよい。
【0043】
【実施例】
本発明による加工物自動研削装置を使用して、自動車エンジンのピストンリングの外周面に形成するテーパフェイス面を研磨した。
外径(d1)55.0〜100.0mm、軸方向の厚さ(h1)0.8〜2.5mm、合口部(1b)の自由合口隙間(m1)3.0〜12.0mmの形状を有するJIS炭素鋼板第2種(SP)、第3種(SP3)又は第9種(SP9)により研磨前の加工物を形成した。また、Crめっき又はガス窒化による表面処理層を形成した加工物と、しない加工物をそれぞれ使用した。スペーサは、外径(d2)55.0〜100.0mm、軸方向の厚さ(h2)1.5mm、合口部(2b)の自由合口隙間(m2)3.0〜12.0mmのJIS炭素鋼板第2種(SP)、第3種(SP3)又は第9種(SP9)を使用した。また、スペーサの外周面の径方向外側に0.1mm突出する環状凸部を軸方向の中央部の0.5mm幅で形成した。
【0044】
本発明の加工物自動研削装置によりスペーサを使用して加工物を研磨し、同時に20本の加工物の外周面にテーパフェイスを形成することができた。また、熟練作業者と同等の作業時間で、加工物又はスペーサを1本につき2秒でローダに搭載し又は分別できた。また、加工物自動研削装置の研削工具を変更して、加工物の外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状も形成できた。また、20本の加工物をローダ内に搭載したとき、最大0.4mmのピッチズレが発生したが、加工物間に挿入したスペーサによりピッチズレが吸収されるので、ピッチズレに起因してスペーサが研磨される不具合は発生せず、割雇(20)、スリーブ(16)、分別孔(35)及び回収孔(36)内で稼働中に加工物又はスペーサの姿勢崩壊も生じなかった。
本発明による加工物自動研削装置により、0.8〜1.2mm程度の薄肉な加工物の自動研削化を実現でき、薄肉かつ軽量のスチール製ピストンリングの自動研磨が可能となり、生産効率を向上すると共に、鋳造設備を削減できた。
【0045】
【発明の効果】
前記のように、本発明では所望の外周形状を有する複数の加工物の外形を連続的にかつ自動的に加工できるので、自動化が可能となり作業に要する人件費を削減し、製品価格を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加工物自動研削装置の実施の形態を示す斜視図
【図2】本発明により研削する加工物の斜視図
【図3】本発明に使用するスペーサの斜視図
【図4】加工物とスペーサとを交互に積層して形成した積層体の平面図
【図5】積層体を構成する加工物の外周面とスペーサの平坦な外周面に研削工具を接触させた状態を示す断面図
【図6】積層体を構成する加工物の外周面とスペーサの外周面の環状凸部に研削工具を接触させた状態を示す断面図
【図7】本発明に使用する回転軸とチャックとの関係を示す斜視図
【図8】割雇(ローダ)をマンドレルに装着する前の状態を示す部分断面図
【図9】割雇(ローダ)をマンドレルに装着した状態を示す部分断面図
【図10】ローダの割雇を油圧装置により圧縮させた状態を示す部分断面図
【図11】回転軸の支持軸と牽引棒との間にC形ワッシャを取り付けた状態を示す部分断面図
【図12】牽引棒を縮小させた状態を示す部分断面図
【図13】積層体中の加工物を研削する状態を示す平面図
【図14】本発明に使用する供給装置を示す斜視図
【図15】本発明に使用する切出装置を示す斜視図
【図16】本発明に使用する切出板の取付構造を示す部分断面図
【図17】本発明に使用する合口整列装置を示す平面図
【図18】図17に示す合口整列装置の断面図
【図19】本発明による加工物自動研削装置の電気回路図
【図20】図19に示す制御装置の動作を示すフローチャート
【図21】加工物の積層体に研削工具を押圧する従来の状態を示す断面図
【図22】割雇に加工物を手詰めする従来の作業を表す斜視図
【図23】割雇により保持された積層体を回転軸に装着する従来の作業を表す斜視図
【図24】加工物の外周面と研削工具の外周形状とのピッチズレを表す断面図
【符号の説明】
(1)・・加工物、 (2)・・スペーサ、 (3)・・積層体、 (4)・・装填装置、(5)・・加工物自動研削装置、 (6)・・ローダ、 (7)・・供給装置、 (8)・・アンローダ、 (9)・・分別装置、 (10)・・回収装置、 (11)・・除去装置、 (12)・・切出装置、 (13)・・分別押圧機、 (14)・・装填押圧機、 (15)・・砥石(研削工具)、 (16)・・スリーブ、 (17)・・切出板、 (18)・・捕集装置、 (19)・・チャック、 (21)・・回転軸、
Claims (18)
- 複数の環状の加工物と複数の環状のスペーサとを含む積層体を回転軸上に整列させて保持しかつ回転軸と共に回転して、加工物の外周面を研削する研削装置と、装填位置において加工物とスペーサとを受け入れて内部に積層体を形成すると共に積層体を装填位置から研削装置の回転軸上に装着する装着位置まで運搬するローダと、軸方向に整列する状態で加工物とスペーサとを装填位置にあるローダ内に押し込んでローダ内に積層体を形成する装填装置とを備えたことを特徴とする加工物自動研削装置。
- 研削された加工物を含む積層体を研削装置の回転軸から外して、回転軸から離間する回収位置まで積層体を運搬するアンローダを備えた請求項1に記載の加工物自動研削装置。
- 研削装置は、積層体の加工物の外周面に押圧する傾斜面又は湾曲面を有する研削工具と、研削工具を加工物の外周面に押圧する押圧装置と、積層体を回転軸に装着した後、積層体を回転軸上に固定するチャックとを備えた請求項1又は2に記載の加工物自動研削装置。
- 装填装置は、複数の加工物を支持し各加工物を支持位置からローダ内に供給する装填待機位置に移動する供給装置と、各スペーサを装填待機位置に移動する分別装置と、時間差をもって装填待機位置に配置される加工物とスペーサとをローダ内に搭載する装填押圧機とを備えた請求項1〜3の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- 研削された加工物を含む積層体を研削装置の回転軸から外して、回転軸から離間する回収位置まで積層体を運搬するアンローダを備え、
装填装置は、複数の加工物を支持し各加工物を支持位置から装填待機位置に移動する供給装置と、各スペーサを装填待機位置に移動する分別装置と、時間差をもって装填待機位置に配置される加工物とスペーサとをローダ内に搭載する装填押圧機とを備え、
分別装置は、アンローダ内に保持される積層体をアンローダから取出す回収装置と、アンローダから取出した積層体に含まれる研削された加工物を捕集位置に除去する除去装置と、積層体に含まれるスペーサを装填待機位置に順次移動する切出装置とを備えた請求項1に記載の加工物自動研削装置。 - 分別装置は、移動装置により積載準備位置と排出準備位置との間で移動される切出板を備え、
切出板が積載準備位置にあるとき、切出板の分別孔にスペーサが装着されかつ分別孔は装填押圧機と同軸上に配置されると同時に、切出板の回収孔はスリーブの空洞と同軸上にあり、スリーブ内の加工物を回収孔内に装填でき、切出板が排出準備位置にあるとき、切出板の分別孔はスリーブの空洞と同軸上にあり、スリーブ内のスペーサを分別孔内に装填できると同時に、切出板の回収孔は排出押圧機と同軸上にあり、回収孔内に装着された加工物を排出押圧機により回収孔から押し出して排出口内に排出できる請求項5に記載の加工物自動研削装置。 - 回収装置は、加工物及びスペーサの外径に相応する内径の空洞を有するスリーブと、回収位置にあるアンローダ内に保持された積層体をスリーブの空洞内に軸方向に押圧して、回収装置のスリーブ内に装入する分別押圧機とを備え、
切出装置は、分別押圧機により押圧されてスリーブの先端から突出する加工物又はスペーサを保持する切出板とを備え、
切出板に保持された加工物は、除去装置により捕集位置に除去され、スペーサは、装填待機位置で装填押圧機により切出板からローダ内に押圧される請求項5に記載の加工物自動研削装置。 - 加工物及びスペーサは、合口部を有する間欠環状に形成され、所定の真円外形寸法に縮径するとき拡径弾性力を有する請求項1〜7の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- スペーサの外周面には、軸方向の中央部に環状凸部が形成され、環状凸部より小さい外径の環状凹部が環状凸部の側部に形成され、環状凸部の外径は加工物の外径にほぼ等しい請求項1〜8の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- 分別装置により分別された加工物の合口部を揃えて、加工物を回収する捕集装置を備える請求項5〜9の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- 加工物は、研削装置の研削工具により外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り又はアンダーカット形状から選択される研削がされ、内燃機関用のピストンリングとして使用される請求項1〜10の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- 研削装置の研削工具による研削は、砥石による研磨及び形状バイトによる切削若しくはフライスから選択されるプランジカット又はトラバースカットによる加工である請求項1〜11の何れか1項に記載の加工物自動研削装置。
- 環状凸部が形成されたスペーサを準備する工程と、
環状の加工物と環状のスペーサとを軸方向に交互に重ねて積層体を回転軸上に形成する工程と、
積層体を回転して、傾斜面又は湾曲面を有する研削工具を加工物の外周面に接触させて、研削工具をスペーサに接触させずに加工物を研削する工程とを含むことを特徴とする加工物自動研削法。 - 供給装置から加工物を装填待機位置に移動する工程と、
加工物を装填待機位置に移動する時間とは異なる時間にスリーブからスペーサを装填待機位置に移動する工程と、
装填待機位置にある加工物をローダ内に装填する工程と、
装填待機位置にあるスペーサを加工物と整列させてローダ内に装填する工程と、
加工物とスペーサとのローダ内への装填を反復する工程とを含む請求項13に記載の加工物自動研削法。 - 加工物を研削した後、アンローダ内の積層体をスリーブ内に移動する工程と、スリーブ内に移動した積層体を加工物とスペーサとに分別する工程とを含む請求項13又は14に記載の加工物自動研削法。
- 回収位置にあるアンローダ内の積層体から加工物を捕集位置に移動する工程と、
積層体からスペーサを装填待機位置に移動して、ローダ内に再び装填する工程とを含む請求項15に記載の加工物自動研削法。 - 内燃機関用のピストンリングとして使用される加工物の外周面にテーパフェース、バレルフェース、外周面取り及びアンダーカット形状から選択される形状に研削する工程を含む請求項13〜16の何れか1項に記載の加工物自動研削法。
- 加工物の外周面にプロフィル砥石による研磨、形状バイトによる研削若しくはフライスから選択されるプランジカット又はトラバースカットによる研削をする工程を含む請求項13〜17の何れか1項に記載の加工物自動研削法。
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