JP2004105335A - 自動製パン機 - Google Patents

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JP2004105335A
JP2004105335A JP2002269563A JP2002269563A JP2004105335A JP 2004105335 A JP2004105335 A JP 2004105335A JP 2002269563 A JP2002269563 A JP 2002269563A JP 2002269563 A JP2002269563 A JP 2002269563A JP 2004105335 A JP2004105335 A JP 2004105335A
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Kazumi Kanazawa
金澤 和美
Akiko Sugiyama
杉山 亜希子
Reki Watanabe
渡邊 暦
Keiko Sakagami
坂上 恵子
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】水の硬度に影響されず、常に出来映えの安定したパンを調製できる自動製パン機を提供することを目的とする。
【解決手段】制御手段7の制御条件を設定する入力手段8は、水の硬度に関する情報を入力可能とする手段8aを有し、入力手段8から入力した水の硬度に関する情報に応じて制御手段7が駆動源4、給水装置10または加熱手段5を制御するようにしたものであり、水の硬度に応じた加水量でもって適切な混練が行うことができ、過不足ない発酵が可能となり、常に出来映えの安定するパンを調製できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において用いられる自動製パン機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小麦粉・水・イースト等の製パン材料を用い、混練・発酵・焼成の工程を自動制御することにより、製パンを行う自動製パン機は実用化されている。
【0003】
これは、パンケースに製パン材料を投入し、入力手段に焼きあがり時刻等を入力すると、駆動源が所定時刻に運転を開始し、イースト以外の製パン材料を混練し、生地を作る。
【0004】
次に、生地の中へイーストを投入し生地を休ませた後、生地とイーストを混練する。そして、パン生地を発酵・熟成させ、ガス抜き後、再びパン生地を発酵・熟成・膨化させる。その後、成形発酵したパン生地を焼成し、所望時刻にパンが焼きあがるものである。
【0005】
ところで、製パン材料の中で水というのは重要な役割を担っている。水の性質において、特に硬度はパンの作業性・食感・老化の早さなど製パンに関わる全ての項目に大きな影響を与えるものである。
【0006】
一般に、水の硬度の低い軟水で調製したパンは、生地の吸水率が低下するためグルテン形成を充分に行うことができず、グルテンが軟化し生地がべたついた状態になる。また酵素作用が活発でガス発生量は多くなるものの、生地のガス保持力は弱いことから内相の膜と膜がくっついてしまうことで膜厚のパンになる。
【0007】
一方、水の硬度の高い硬水で調製したパンはグルテンが硬化し生地がしまりすぎるため、生地が伸びにくく切れやすい。また発酵の進行が遅くなることから適切な発酵を得ようとすると発酵所要時間が長くなる。更に、出来上がったパンは老化が早いと言われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の自動製パン機では、水の硬度がパンの出来映えに大きな影響を与えるにもかかわらず、水の硬度に対応した製パン工程を設けたものはなかった。そのため、混練工程においてグルテンの形成が適切に行われなかったために、生地がべたついたり、または切れやすい状態となる。製パン生地を利用して手作業で分割や成形などを行う際には作業性も著しく劣る。また発酵の過不足が生じたためパンの出来映えが安定しないという課題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、水の硬度の高低に影響を受けることなく適切な混練工程と発酵工程を行うことで常に安定した出来映えのパンを調製可能とする自動製パン機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の自動製パン機は、入力手段から入力した水の硬度に関する情報に応じて駆動源、給水装置または加熱手段を制御するようにしたものである。
【0011】
これにより、水の硬度の高低に影響を受けることなく適切な混練工程と発酵工程を行うことで常に安定した出来映えのパンが調製可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、製パンを行うための焼成室と、この焼成室内にセットし製パン材料を入れる練り羽根つきのパンケースと、練り羽根を回転させ混練・ガス抜きを行う駆動源と、パンケースへ加水を行う給水装置と、焼成・発酵の熱源となる加熱手段と、焼成室の温度を検知する温度検知手段と、前記駆動源、給水装置または加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段の制御条件を設定する入力手段とを備え、前記入力手段は前記給水装置に給水する水の硬度に関する情報を入力するとともに、前記制御手段は前記入力手段から入力した水の硬度に関する情報に応じて前記駆動源、給水装置または加熱手段を制御する自動製パン機とすることにより、水の硬度の高低に影響を受けることなく適切な混練工程と発酵工程を行うことで常に安定した出来映えのパンが調製可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、入力手段は、現在設定された水の硬度を記憶可能とした請求項1に記載の自動製パン機とすることにより、過去に用いたことのある水であればその水と同じ工程を適用することを可能とし、新たに硬度の選択を行う手間を省略するものである。
【0014】
請求項3に記載の発明は、給水装置はその水の温度を測定する水温検知手段を有し、制御手段は水温により水の硬度に関する情報を補正して駆動源、給水装置または加熱手段を制御する請求項1または2に記載の自動製パン機とすることにより、使用する水の硬度のみならず、水温による水和の早遅の影響をなくし、グルテンを適度に形成することで、生地のべたつきや硬くしまりすぎる状態を防ぎ、過不足なく発酵を行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、制御手段は、水の硬度に関する情報に応じて給水装置から給水される水量を変更してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機とすることにより、製パン材料と水との分散・水和が均一になり、適度にグルテン形成が行われ生地がべたついたり硬くしまりすぎるのを防止し、安定した出来映えのパンが調製可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、制御手段は、水が硬水の時には軟水の時より給水量を多くした請求項4に記載の自動製パン機とすることにより、生地の吸水率を増加させて適切なグルテン形成を行うものである。加水量を多くすることで生地により弾力を与え、パンが乾燥したり老化が早まるのを防ぐ効果を持つ。
【0017】
請求項6に記載の発明は、制御手段は、温度検知手段の結果と、水の硬度に関する情報に応じて混練する際の生地温度または発酵温度を変更してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動製パン機とすることにより、水温や、硬度の高低といった製パン材料と水との水和に及ぼす影響をすべて考慮した上で、製パンに適切な混練や発酵を行うことができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、制御手段は、水が硬水の場合には生地温度または発酵温度を上げてなる請求項6に記載の自動製パン機とすることにより、強固に形成されたグルテンの構造を緩和し、生地に弾力性を与える。また硬水で調製する場合、遅くなりがちな発酵工程において、発酵温度や生地温度を高くすることで、発酵の進行を促進させ常に適正な発酵を管理することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1、図2は本発明の実施例1における自動製パン機を示すものである。
【0021】
図において、1は製パンを行うための焼成室、2は製パン材料を混練する練り羽根、3は焼成室1内にセットした、練り羽根2つきのパンケース、4は練り羽根2を回転させパン生地の混練・ガス抜きを行う駆動源、5はパン生地の発酵・熟成工程の熱源となる加熱手段、6は焼成室1内の温度を検知する温度検知手段、
7は駆動源4、給水装置(後記)または加熱手段5の少なくとも一つ以上を制御する制御手段、8は制御手段7の制御条件を設定する入力手段、9は混練時にパンケース3に加水を行うための給水装置、10は給水装置9を構成し給水を調節する給水弁、11は給水装置9を収容した容器、12は給水装置10内の水の温度を検知する水温検知手段である。
【0022】
そして、前記入力手段8は、各種制御条件を設定するものであるが、水の硬度に関する情報を入力する手段8aと、現在設定した入力手段8の水の硬度を記憶する記憶手段8bを有しているものである。
【0023】
以上のように構成された自動製パン機について、その動作を説明する。
【0024】
まず、パンケース2に製パン材料を投入し、入力手段8に焼きあがり希望時刻または開始時刻および水の硬度に関する情報等を入力すると、給水装置9が所定時刻に起動し、水温検知手段12において給水装置9の水の水温を検知した後、給水を開始し、駆動源4が運転し、混練に入る。混練工程では給水弁10を有した給水装置9により投入される加水量が調節される。焼成室1が所定温度、あるいは所定時間になると駆動源4が停止し発酵工程に入る。運転開始から発酵工程終了までの間の途中に、駆動源4の回転によるガス抜き動作を適宜行ないながら進行する。次いで、焼成工程が行われ、所望時刻にパンが焼きあがる。
【0025】
ここで、(表1)に示すように、水の硬度がパンの出来映えに大きな影響を与えるものである。
【0026】
【表1】
Figure 2004105335
【0027】
本実施例による自動製パン機の構成とすることにより、硬度が15〜50ppmの範囲の水を「軟水」、硬度が50〜100ppmの範囲の水を「通常水」、硬度が100ppm以上のものを「硬水」と判断した上で、給水装置9や駆動源4または加熱手段5を調節することで、「硬水」や「軟水」に適した混練工程や発酵工程を行うことができるので、パンの出来映えが常に安定するという効果を得られる。
【0028】
また、入力手段8は記憶手段8bで現在設定された硬度を記憶することで、過去に用いたことのある水であればその水と同じ工程を適用することを可能とし、新たに硬度の入力を行う手間を省略するものである。硬度の同じ水を用いる場合、以前行った製パン工程が最適なものであれば、繰り返し硬度に最適な条件でパンを調製することができ、出来映えのよいパンを何度も再現して調製することができる。
【0029】
水の硬度が作業性や食感および出来映えに影響を及ぼすことを先に述べたが、硬度だけではなく、(表2)に示すように、その水温もまた製パンの出来映えに大きな影響を及ぼす。
【0030】
【表2】
Figure 2004105335
【0031】
すなわち、水温が25℃以上の「高温」の場合は、製パン材料の温度も相対的に上昇することから生地の吸水率が減少し、べとつきが生じる。よって給水装置9からの給水量を減らし、生地温度が上がりすぎて生地を損傷させないように駆動源4の回転数を抑えたり、加熱手段5を控える必要がある。
【0032】
また、水温が15℃以下の「低温」の場合は、製パン材料の温度も相対的に低下することから、生地の吸水率が増加し生地が硬くしまる傾向にある。よって給水装置9からの給水量を増やし、混練工程や発酵工程において、加熱手段5により生地温度や発酵温度あげて、グルテン形成を緩和して生地になめらかさを出す必要がある。なお、「通常」の場合は、予め設定された正規の制御で製パンを行うものである。
【0033】
また、給水装置9には水温検知手段12を設けたことで、制御手段7は給水装置9中の水の硬度を、水温による出来映えの影響を加味した硬度に補正することが可能となり、硬度の高低のみに対応した工程よりも、より適切な混練や発酵を行うことができ、出来映えが非常に安定する効果をもたらす。
【0034】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2における自動製パン機について、図3を参照しながら説明する。自動製パン機の構成は実施例1と同じである。
【0035】
図に示すように、水の硬度と吸水率の関係は、硬度が高くなると吸水率が低くなる。したがって、本実施例による給水装置9は、給水弁10を用い加水量を調節して、「軟水」の場合は、混練工程において生地のべたつきを改善するために、加水量を標準量より10%程度減らす。「硬水」の場合には、強固なグルテンを緩和するのにより多くの水を必要とするため、加水量を標準量より5〜10%増やすようにしている。
【0036】
これにより、製パン材料と水との分散・水和を均一に行うことができ、水の硬度の高低に関わらず、生地の状態を常に適切な捏ね上がりとするような加水量の水を投入できるという効果を持つ。
【0037】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3における自動製パン機について、図4を参照しながら説明する。自動製パン機の構成は実施例1と同じである。
【0038】
図に示すように、駆動源4の回転数と、練りの強さ及びガス抜きの強さが比例関係にある。
【0039】
本実施例では、水の硬度が低い「軟水」の場合、生地中のグルテン構造がもろく生地がべたつき作業性が劣るので、通常よりも駆動源4の回転数を増やし、力強い練りを行うことで生地中のグルテンの形成を促すものである。また「軟水」は酵素活性が活発になりガス発生量が増加するので、ガス抜き工程を標準よりガスの抜きを強い設定をすることで、製パンに適したガス濃度に管理することができる。
【0040】
また水の硬度が高い「硬水」の場合、生地中のグルテンが強固になり、生地に伸びがなく切れやすくなるので、駆動源4の回転数を少なくすることで、練りを弱くして、生地中のグルテン形成を抑制し、生地の切れやすさを防ぐという優れた効果が得られる。
【0041】
以上のように、本実施例によれば混練工程において駆動源4の動きを調節することにより、「軟水」および「硬水」が生地に与える影響を改善し、練り上がりの硬さが適切で伸びがよくなめらかな生地が調製できる。
【0042】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4における自動製パン機について、図5、図6を参照しながら説明する。自動製パン機の構成は実施例1と同じである。
【0043】
図に示すように、グルテンの形成力は生地温度と発酵温度に関係する。
【0044】
本実施例では、水が「硬水」の場合、グルテンが強固に形成されることから生地が伸びにくく硬く切れやすいものになるので、加熱手段5を用いて混練工程における生地温度や、発酵工程における発酵温度を高く設定することで、生地のグルテン形成を抑制または緩和し、適切な練り上がりとする効果が得られると同時に、発酵工程の進行を促進することができ、過不足のない発酵を得ることができる。
【0045】
また「軟水」の場合、生地の吸水率が高く、酵素活性が活発になり発酵が促進されやすくなるので、混練工程および発酵工程ともに、極力、加熱手段5を用いない構成とすることで、適切な混練や発酵が得られるようにしている。
【0046】
以上のように本実施例によれば、混練工程及び発酵工程において、加熱手段5の調節をすることにより、「硬水」や「軟水」が生地に与える影響を改善し、伸び良くなめらかな生地を調製可能とし、過不足なく発酵したパンを調製することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自動製パン機は、水の硬度に関する入力設定が可能なものであり、水の硬度の高低に応じた製パンプロセスを設定することで、材料の分散・水和を向上させ、適切な混練や発酵を行うことができることから、水の硬度の高低を選ばず、常に出来栄えの安定したパンを調製することが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における自動製パン機の断面図
【図2】同自動製パン機の制御ブロック図
【図3】本発明の実施例2における自動製パン機を説明するための水の硬度と吸水率の関係図
【図4】本発明の実施例3における自動製パン機を説明するための駆動源の回転数と練りの強さ、ガス抜きの強さの関係図
【図5】本発明の実施例4における自動製パン機を説明するためのグルテン形成力と生地温度の関係図
【図6】同グルテン形成力と発酵温度との関係図
【符号の説明】
1 焼成室
2 練り羽根
3 パンケース
4 駆動源
5 加熱手段
6 温度検知手段
7 制御手段
8 入力手段
8a 水の硬度に関する情報を入力する手段
8b 記憶手段
9 給水装置
10 給水弁
12 水温検知手段

Claims (7)

  1. 製パンを行うための焼成室と、この焼成室内にセットし製パン材料を入れる練り羽根つきのパンケースと、練り羽根を回転させ混練・ガス抜きを行う駆動源と、パンケースへ加水を行う給水装置と、焼成・発酵の熱源となる加熱手段と、焼成室の温度を検知する温度検知手段と、前記駆動源、給水装置または加熱手段を制御する制御手段と、前記制御手段の制御条件を設定する入力手段とを備え、前記入力手段は前記給水装置に給水する水の硬度に関する情報を入力するとともに、前記制御手段は前記入力手段から入力した水の硬度に関する情報に応じて前記駆動源、給水装置または加熱手段を制御する自動製パン機。
  2. 入力手段は、現在設定された水の硬度を記憶可能とした請求項1に記載の自動製パン機。
  3. 給水装置はその水の温度を測定する水温検知手段を有し、制御手段は水温により水の硬度に関する情報を補正して駆動源、給水装置または加熱手段を制御する請求項1または2に記載の自動製パン機。
  4. 制御手段は、水の硬度に関する情報に応じて給水装置から給水される水量を変更してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン機。
  5. 制御手段は、水が硬水の時には軟水の時より給水量を多くした請求項4に記載の自動製パン機。
  6. 制御手段は、温度検知手段の結果と、水の硬度に関する情報に応じて混練する際の生地温度または発酵温度を変更してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動製パン機。
  7. 制御手段は、水が硬水の場合には生地温度または発酵温度を上げてなる請求項6に記載の自動製パン機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106880300A (zh) * 2015-12-15 2017-06-23 威斯达电器(中山)制造有限公司 烤箱式多功能面包机

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