JP2004105003A - カフェインレスコーヒー組成物又はリラックス効果付与組成物。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水抽出法により脱カフェイン処理を行ったカフェインレスコーヒー豆(コロンビア エクセルソ L値24:脱カフェイン率97%)を粉砕し、95℃で20分抽出し、抽出液(Bx2.38)を得た。この抽出液に、重曹を添加し、無糖ブラックはpHを6.20に、加糖ミルクコーヒーは6.80に調整した。更にテアニン、糖質、乳成分、乳化安定剤を添加しまでメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は風味に優れ、リラックス効果の増強されたカフェインレスコーヒーに関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、コーヒー豆本来の味を強調したコーヒー飲料やコーヒーバッグ製品が数多く製造販売され、多数の愛好者を獲得している。しかし、コーヒー中に含まれるカフェインは、中枢神経系統、心臓、胃液分泌と消化を刺激するので、これらの刺激への感受性が強い人などはコーヒーを摂取し難い。また、カフェインは、妊婦、子供、及び健康志向の高い人からは忌避される傾向があるため、カフェインによる弊害のないコーヒー開発への要望が高まっていた。そこで、コーヒー中からカフェインを除去したカフェインレスコーヒーについて多数の提案がなされ(特開昭51−82760、特開昭51−91368、特開昭52−70056など)、これを利用した製品も市販されている。しかしながら、従来のカフェインレスコーヒーは、脱カフェインの工程でコーヒー本来の風味が損なわれるため、嗜好的に受け入れられず、更なる嗜好性の改良が求められている。
【0003】
上記カフェインレスコーヒーの風味を改善する技術として知られているものは、現状ではほとんど存在しないが、唯一、特開昭61−293343号には、コーヒーエキスとコーヒー代用エキスとを用いることで、コーヒーの風味を保ちつつ、しかもカフェインの減少を図れることが記載されている。しかし、これによって得られるコーヒー飲料の風味は、コーヒー本来のそれとは大きく異なり、嗜好的に必ずしも受け入れられるものではない。
【0004】
一方、アミノ酸の一種であるテアニンには、抗ストレス作用(特開平6−100442号)、リラックス作用(特開平9−12454号)等の有用性が報告されており、近年優れた食品素材として注目されている。このため、同効果の追求を意図した飲食品、医薬としてテアニンを用いることが望まれている。
【0005】
また、コーヒーにテアニンを添加する技術が、特開平9−313129号、特開平9−40568号などに公開されている。特開平9−313129号には、テアニンが食品の風味改善効果を有することが記載され、その中ではテアニンを含むコーヒー飲料が風味改善組成物として記載されているが、ここでいう風味改善効果とは、コーヒー中のカフェイン、タンニン等のアルカノイド類由来の苦味を抑制し、風味を改善することを意図したものであり、そもそもカフェインを欠落し、苦味及びコーヒー本来の風味の弱いカフェインレスコーヒーに対する効果については何ら記載されていない。また、特開平9−40568号では、テアニンの有するカフェインへの拮抗作用により、カフェインの興奮作用を抑制する効果であり、風味の改善効果については何ら記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、カフェインレスコーヒーに関して、脱カフェインの技術は多種提案されているものの、その風味は必ずしも満足しうるものではなかった。カフェイン除去により減失したカフェインレスコーヒーの風味をコーヒー本来の風味に近づけ、風味を向上させる技術に至っては、ほとんど知られていない。
従って、本発明は、カフェインレスコーヒーの風味をコーヒー本来の風味に近づけ、コーヒー本来の嗜好性を供えたカフェインレスコーヒー含有組成物を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、テアニンが本来的に有しているリラックス効果等を向上させ、更に有用なテアニン及びカフェインレスコーヒーを有効成分とするリラックス効果付与組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、カフェインレスコーヒーにテアニンを添加することにより、カフェインレスコーヒーの風味が改善され、コーヒー本来の嗜好性が取り戻されることを見出した。また、テアニンとカフェインレスコーヒーを併用することで、意外にもテアニンの有するリラックス効果が向上することを見出し本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1記載のカフインレスコーヒー組成物は、少なくとも、テアニン及びカフェインレスコーヒーを含有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載のカフェインレスコーヒー組成物は、請求項1記載のカフインレスコーヒー組成物が、コーヒー飲料であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3記載のカフェインレスコーヒー組成物は、請求項2記載のカフェインレスコーヒー組成物のテアニン含量が、コーヒー固形分に対して0.07質量%〜30質量%であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載のカフェインレスコーヒー組成物は、請求項2又は3記載のカフェインレスコーヒー飲料組成物が、加熱殺菌され、密封容器に充填されたものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5記載のカフェインレスコーヒー組成物は、請求項1〜4記載のいずれかのカフェインレスコーヒー組成物において、カフェインレスコーヒーの脱カフェイン率が50%以上であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6記載のカフェインレスコーヒー組成物は、請求項1〜5記載のいずれかのカフェインレスコーヒー組成物が、コーヒーフレーバーを含有することを特徴とする。
更に、本発明の請求項7記載のリラックス効果付与組成物は、テアニン及びカフェインレスコーヒーを有効成分とすることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のカフェインレスコーヒーとは、脱カフェイン処理の施されたコーヒー豆又はその粉砕物(粉末コーヒー)、抽出物(コーヒーエキストラクト)もしくは抽出物の乾燥物等を指す。カフェインレスコーヒーの製造方法は特に限定されず、例えば、超臨界抽出法、水抽出法、溶剤抽出法などを用いることが可能である。脱カフェイン率に関し特に限定はないが、脱カフェイン率50%以上のものを用いれば、テアニンと併用した場合の風味が良好であり、リラックス効果の増加も顕著なため好ましく、特に90%以上のものを用いれば、同効果が顕著であり、最終製品にカフェインレス表示が可能となるためより望ましい。
【0013】
また、カフェインレスコーヒーを製造する際に用いるコーヒー豆としては、L値が16〜28のものを用いることが好ましい。L値16以下では、コーヒー豆焙煎時にコーヒー本来の風味が失われ、L値28以上では酸味が強く加熱殺菌の際風味が損なわれるためである。また、コーヒー豆の種類としては、アラビカ種、ロブスタ種など何れの種類を使用しても構わず、コーヒーの産地としても、ブラジル、ガテマラ、コロンビア、ホンジュラス、コスタリカ、タンザニア、ケニヤ、インドネシア、ベトナムなど何れの原産国の使用も制限はない。
【0014】
一方、テアニンとしては、茶葉等の植物から抽出したもの、有機合成法(Chem.Pharm.Bull.,19(7)1301−1307(1971))により製造したもの、あるいは発酵法(特開平5−68578号,特開平5−328986号)により製造したもの、植物細胞培養法(特開平5−123166号)により製造したものなど、いずれも好適に使用し得る。中でも、発酵法で製造した乾燥テアニン(商品名:サンテアニン 製造元:太陽化学株式会社など)を用いれば、風味及び取扱いが容易であるため好ましい。
【0015】
本発明において、カフェインレスコーヒー組成物は、前記のカフェインレスコーヒーとテアニンとを混合し調製する。組成物中のテアニンの配合量は特に限定されないが、コーヒー固形分に対して0.07質量%〜30質量%とすることが、風味面、リラックス効果の面から好ましく、特に0.7質量%〜7質量%が風味面から好ましい。0.7質量%未満では風味改善効果が十分とはいえず、7質量%以上では、テアニン由来のうまみ成分が強調された風味が発現することもあるためである。
【0016】
カフェインレスコーヒー組成物の形態は特に限定されず、粉末状、液状等の食品、健康食品、明らか食品、医薬品あるいは医薬部外品等として利用することができ、好ましい形態としては、コーヒー飲料、コーヒーバッグ、インスタントコーヒー粉末が挙げられる。
【0017】
また、カフェインレスコーヒー組成物中には、その他の成分、例えば牛乳、全粉乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、クリーム等の乳成分や、グラニュー糖、砂糖、果糖、ブドウ糖等の糖類、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール類、アスパルテーム、スクラロース等の高甘味度甘味料、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カゼインナトリウム、ラムダカラギーナン、イオタカラギーナン等の乳化安定剤、コーヒーフレーバー、ナッツフレーバー、キャラメルフレーバー等のフレーバー類、スパイス、ハーブ、麦茶エキス、生薬等の副素材等を添加してもよい。特に、コーヒーフレーバーを添加した場合には、カフェインレスコーヒーにテアニンを添加した場合の風味改善効果がより高まるため好ましく、添加量は、コーヒー固形分当たり0.7質量%〜25質量%とすることが、風味面から好ましく、特に3質量%〜15質量%が好ましい。
【0018】
本発明のカフェインレスコーヒー組成物を各種飲食品、医薬等として製造する場合、その製造は常法に従って行えばよい。具体的に、コーヒー飲料、すなわちカフェインレスコーヒー飲料組成物の製造であれば、例えば、カフェインレスコーヒーを使用したコーヒー抽出液(コーヒーエキストラクト溶解液、粉末コーヒー溶解液)に、必要に応じ、重曹等のpH調整剤、糖質、乳成分、乳化安定剤、コーヒーフレーバー等を加え、更に均質化処理を施し、無糖ブラック、加糖ブラック、無糖ミルクコーヒー、加糖ミルクコーヒー等の最終製品に仕上げればよい。ここで、テアニンのコーヒー液への添加時期は、pH調整後に添加することが好ましい。
【0019】
得られたコーヒー飲料は、更に高温殺菌処理を施した後、缶容器、紙容器、PETボトル容器等の密封容器に充填し、製品化することができ、このように殺菌後密封した場合には、テアニンとの併用による風味の改善効果が特に顕著に現れる。
【0020】
また、本発明のカフェインレスコーヒー組成物をコーヒーバッグとする場合、その製法は、例えばカフェインレスコーヒーを粉砕したコーヒー粉末とテアニンをフィルターに封入し、個包装して製造すればよい。なお、このように将来の抽出処理等を予定した態様で本発明のカフェインレスコーヒー組成物を用いる場合、カフェインレスコーヒーとテアニンの比率は、抽出処理後において前記範囲内となるよう調節することが好ましい。
【0021】
また、本発明のカフェインレスコーヒー組成物のα波増強効果は、テアニンが元々有しているα波増強効果と比べ、顕著に高いものである。すなわち、カフェインレスコーヒーには本来α波増強効果はないが、これを併用することで、テアニンの有するα波増強効果が顕著に増加するのである。α波の増強は、リラックス作用につながることが知られていることから、本発明のカフェインレスコーヒー組成物は、リラックス効果付与組成物として用いることが好ましい。また、本発明の組成物は、抗ストレス組成物として用いることも可能である。
【0022】
本発明のカフェインレスコーヒー組成物をリラックス効果付与組成物、抗ストレス組成物として用いる場合、組成物中のテアニンの配合量は特に限定されないが、コーヒー固形分に対して0.07質量%〜30質量%、特に0.7質量%〜7質量%とすることにより、顕著にリラックス効果が高まるため好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】(カフェインレスコーヒー豆の例)
水抽出法により脱カフェイン処理を行ったカフェインレスコーヒー豆(コロンビア エクセルソ L値24:脱カフェイン率97%)を粉砕し、95℃で20分抽出し、抽出液(Bx2.38)を得た。この抽出液に、重曹を添加し、無糖ブラックはpHを6.20に、加糖ミルクコーヒーは6.80に調整した。更に表1に示す添加量でテアニン、糖質、乳成分、乳化安定剤を添加し既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を行った。
Bx.の測定には、屈折濃度計(ATAGO社製RX5000)を、pH測定には、pHメーター(HORIBA社製 pH METER F−16)を用いて行い、風味評価は、専門パネラー10名で下記の指標に従い評価し、その平均を求めた。
【0025】
【表1】
【0026】
その結果、テアニンを添加することでコーヒー本来の風味に近づくことがわかり、特にテアニンをコーヒー固形分に対して0.7質量%〜7質量%添加することで、より風味良好なものが得られることがわかった(表2)。
【0027】
<風味評価の指標>
5:コーヒー本来の風味に近く、コク味、苦味、香り立ち共に良好。
4:コーヒー本来の風味に近く、コク味、苦味はあるが、香り立ち弱い。
3:コーヒー本来の風味に近づくが、コク味、苦味、香り立ち共に弱い。
2:カフェインレスコーヒー独特の臭み弱まるが、水っぽさ、雑味感残る。
1:カフェインレスコーヒー独特の臭みが強く、水っぽさ、雑味感非常に強い。
【0028】
【表2】
【0029】
【実施例2】(カフェインレスコーヒーエキストラクトの例)
水抽出法により脱カフェイン処理を行ったカフェインレスコーヒーエキストラクト(コロンビア エクセルソ:脱カフェイン率97%)を固形分2.38になるように溶解した液に重曹を添加し、無糖ブラックはpHを6.20に、加糖ミルクコーヒーは6.80に調整した。更に表3に示す濃度でテアニン、糖質、乳成分、乳化安定剤を添加し既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を実施例1と同様に行った。
【0030】
【表3】
【0031】
その結果、テアニンを添加することでコーヒー本来の風味に近づくことがわかり、特にテアニンをコーヒー固形分に対して0.7質量%〜7質量%添加することで、より風味良好なものが得られることがわかった(表4)。
【0032】
【表4】
【0033】
【実施例3】(粉末カフェインレスコーヒーの例)
水抽出方法により脱カフェイン処理を行ったインスタントカフェインレスコーヒー(脱カフェイン率90%)を固形分2.38になるように溶解した液に重曹を添加し、無糖ブラックはpHを6.20に、加糖ミルクコーヒーは6.80に調整した。更に表5に示す濃度でテアニン、糖質、乳成分、乳化安定剤を添加し既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を実施例1と同様に行った。
【0034】
【表5】
【0035】
その結果、テアニンを添加することでコーヒー本来の風味に近づくことがわかり、特にテアニンをコーヒー固形分に対して0.7質量%〜7質量%添加することで、より風味良好なものが得られることがわかった(表6)。
【0036】
【表6】
【0037】
【実施例4】(コーヒーフレーバー使用の例)
実施例1〜3のカフェインレスコーヒー(コーヒー豆、コーヒーエキストラクト、粉末コーヒー)液に、重曹を用いてpHを6.20に調整を行い、表7に示す濃度でテアニン、コーヒーフレーバーをそれぞれ添加し、既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を実施例1と同様に行った。
【0038】
【表7】
【0039】
その結果、テアニン又はコーヒーフレーバーどちらかを添加することでコーヒー本来の風味に近づくことがわかり、その効果はテアニンの方が高かった。また、両方共に添加することによって相乗的な風味改善効果があることがわかった(表8)。
【0040】
【表8】
【0041】
【実施例5】(通常のコーヒーを使った場合との比較)
通常のコーヒー豆(コロンビア エクセルソ L値24)と、水抽出法により脱カフェイン処理を行ったカフェインレスコーヒー豆(コロンビア エクセルソL値24:脱カフェイン率97%)を粉砕し、95℃で20分抽出し、抽出液を得た。(固形分2.38質量%)この抽出液に、重曹を用いてpHを6.20に調整を行い、表9に示す濃度でテアニン、コーヒーフレーバーを添加し既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を実施例1と同様に行い、それぞれのサンプルについて有意差検定(Tukeyの方法)を行った。
【0042】
【表9】
【0043】
その結果、通常のコーヒー豆にテアニン及びコーヒーフレーバーを添加するより、カフェインレスコーヒー豆にテアニン及びコーヒーフレーバーを添加するほうが、大きく風味改善効果が見られた(表10,11)。
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】
【実施例6】(公知技術との比較)
コーヒーの風味改善剤として公知(特開平8−298932)のトレハロースを用いることにより、カフェインレスコーヒーの風味改善できるか確認を行った。通常のコーヒー豆(コロンビア エクセルソ L値24)と、水抽出法により脱カフェイン処理を行ったカフェインレスコーヒー豆(コロンビア エクセルソL値24:脱カフェイン率97%)を粉砕し、95℃で20分抽出し、抽出液を得た。(固形分2.38質量%)この抽出液に、重曹を用いてpHを6.80に調整した。更に表12に示す濃度でトレハロース、糖質、乳成分、乳化安定剤を添加し既定量(1000g)までメスアップを行い、121℃、30分殺菌して最終製品に仕上げた。得られた製品の性状測定及び風味評価を実施例1と同様に行った。
【0047】
【表12】
【0048】
その結果、トレハロースを添加することにより、通常のコーヒーにおいては、風味を改善する効果はみられたが、そもそもカフェインを欠落し、苦味及びコーヒー本来の風味の弱いカフェインレスコーヒーに関しては、風味を改善する効果はみられないことがわかった(表13)。
【0049】
【表13】
【0050】
【実施例7】(リラックス効果についての確認)
実施例5で製造したサンプルを用い、リラックス時に増加するα波量の測定を一般パネラー5名にて行った。α波の測定には、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI,株式会社脳力開発研究所)を用い、飲用前、飲用40分間後にそれぞれ3分間の測定を2回行い、その平均を求めた。
【0051】
その結果、通常のコーヒーにテアニン及びコーヒーフレーバーを添加するより、カフェインレスコーヒーにテアニン及びコーヒーフレーバーを添加するほうが、リラックス効果が大きく、また、テアニン無添加の場合との差も大きかった(表14)。
【0052】
【表14】
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本来のコーヒーと略同等の風味を有したカフェインレスコーヒーを得ることができるため、カフェインの刺激が強すぎるといった人等をターゲットとしたコーヒー飲料の開発が可能となる。
また、本発明によれば、テアニンの有するリラックス効果が高められたカフェインレスコーヒーを得ることが可能となる。
Claims (7)
- テアニン及びカフェインレスコーヒーを含有することを特徴とするカフェインレスコーヒー組成物。
- コーヒー飲料であることを特徴とする請求項1記載のカフェインレスコーヒー組成物。
- テアニン含量が、コーヒー固形分に対して0.07質量%〜30質量%であることを特徴とする請求項2記載のカフェインレスコーヒー飲料組成物。
- 加熱殺菌され、密封容器に充填されたものであることを特徴とする請求項2又は3記載のカフェインレスコーヒー飲料組成物。
- カフェインレスコーヒーの脱カフェイン率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかのカフェインレスコーヒー組成物。
- コーヒーフレーバーを含有することを特徴とする請求項1〜5記載のいずれかのカフェインレスコーヒー組成物。
- テアニン及びカフェインレスコーヒーを有効成分とするリラックス効果付与組成物。
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2002
- 2002-09-13 JP JP2002267735A patent/JP2004105003A/ja active Pending
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