JP2004102061A - 光学走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品の取付容易性を確保すると共に、精度良く書き込みタイミングを検出できる光学走査装置を提供する。
【解決手段】SOSセンサ30に光ビームLを導くSOSミラー28は、反射ミラー20、22よりも感光体ドラム26側に設けられているため、SOSセンサ30までの光路長が短縮されてSOSミラー28の取付精度が緩和される。また、反射ミラー22からSOSセンサ30までの光路が同一平面上とされ、筐体12の基準面12Aと平行にされているため、筐体12に設けられるSOSミラー28等の保持部の製造精度を確保しやすく、筐体12に対する取付精度を簡単に確保できる。さらに、SOSセンサ30の基準エッジに対して光ビームLが直交して横切る構成としたため、回転多面鏡16の面倒れによって光ビームLが副走査方向に変動しても検出タイミングを一定に保つことができ、同期タイミングのずれによって画像が歪むことが防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置において感光体への露光に用いられる光学走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光源から出射された光ビームを回転多面鏡で偏向させ、感光体ドラム上を走査させる光学走査装置が従来から使用されている。このような光学走査装置では、感光体ドラムに対する書き込みタイミングを検出する(同期をとる)ために、偏向された光ビームのうち主走査方向先端位置を通過する光ビームを同期タイミング検出センサ(以下、SOSセンサという)に導き、光ビームがSOSセンサ上を横切るタイミングに基づいて感光体ドラムに対する書き込み開始タイミングの同期をとっている。
【0003】
具体的には、光学走査装置において、図7に示すように、半導体レーザ100から出射された光ビームLは、回転多面鏡102によって偏向され、fθレンズ104を介して感光体ドラム106上を主走査するように構成されており、fθレンズ104で偏向された光ビームLのうち、走査範囲先端を通過する光ビームLが反射ミラー108、レンズ110を介してSOSセンサ112に入射する構成とされている。
【0004】
ここで、fθレンズ104からSOSセンサ112までの光路長は、fθレンズ104から感光体ドラム106までの光路長と同等とされるため、図7の構成であるとSOSミラー108からSOSセンサ112までの光路長が長すぎ、光学部品が配設される筐体をコンパクトにできないという不都合があった。
【0005】
そこで、図8に示すように、fθレンズ104からSOSセンサ112までの間に2枚の反射ミラー108A、108Bを配設して光ビームLの光路を2度折り返すことによって光路長を確保しつつ筐体をコンパクトにしたものが提案されている(例えば、特許文献1。以下、従来例1という)。
【0006】
また、SOSミラーからSOSセンサまでの光路長が長いとSOSミラーに要求される取付精度が厳しいため、これを緩和するために光ファイバーを使用するものも提案されている(例えば、特許文献2。以下、従来例2という)。
【0007】
これは、図9および図10に示すように、fθレンズ104を通過した光ビームLを反射ミラー114、116を介して折り返し、レンズ118を介して感光体ドラム106上を走査させる構成において、反射ミラー116で折り返された光ビームの走査範囲先端を通過する光ビームLを反射ミラー108を介してレンズ118の下側に折り返し、端面120Aから光ファイバー120に取りこみ、フォトダイオード(SOSセンサ)112に導く構成としたものが開示されている。このように、SOSセンサ112までの光路の一部を光ファイバー120で構成して、反射ミラー108から光ファイバー120の端面120Aまでのみ精度が要求される構成としたため、反射ミラー108の取付精度が緩和される。
【0008】
さらに、光学走査装置の筐体外部に反射させる反射ミラーよりも感光体側にSOSミラーを設けるものが提案されている(例えば、特許文献3。以下、従来例3という)。具体的には、図11に示すように、fθレンズ102で偏向され、fθレンズ104を通過した光ビームLは、反射ミラー114で副走査方向に折り返され、筐体122の底面に設けられた反射ミラー116で折り返され、筐体122の上部に射出される構成である。ここで、図12に示すように、反射ミラー116で折り返された光ビームの内、走査範囲先端を通過する光ビームがSOSミラー108によって折り返され、SOSセンサ112に入射する構成とされている。このように、SOSミラー108からSOSセンサ112までの光路が短くされているため、SOSミラー108の取付精度が緩和される。
【0009】
さらにまた、SOSミラーからSOSセンサまでの光路長に短くする他の光学走査装置が提案されている(例えば、特許文献4。以下、従来例4という)。具体的には、図13および図14に示すように、反射ミラー114、116で反射された後、SOSミラー108で折り返し、反射ミラー116で再び副走査方向に折り返した後、SOSレンズ110を介してSOSセンサ112に入射する構成とされている。すなわち、SOSミラー108が反射ミラー116よりも感光体ドラム106側に配置されているため、SOSミラー108からSOSセンサ112までの光路長が短くされ、取付精度が緩和される。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−202016号公報
【特許文献2】
特開平9−222576号公報
【特許文献3】
特開平5−60988号公報
【特許文献4】
特開平10−239624号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例1〜4には、以下の不都合がある。
【0012】
すなわち、従来例1はSOSミラー108AからSOSセンサ112までの光路長が長くなるため、SOSセンサ112に光を入射させるためにSOSミラー108Aの取付精度が厳しくなる、あるいはSOSミラー108A、108Bの調整が必要になるという不都合がある。また、筐体をコンパクトにするため、SOSミラー108A、108Bを複数としたため、部品点数が増加するという不都合があった。
【0013】
次に、従来例2は、光ファイバー120を用いることによりSOSミラー108から光ファィバー120の端面120Aまでの光路長を短くしてSOSミラー108の取付精度は緩和できるが、光ファイバー120が必要になるという不都合がある。
【0014】
さらに、従来例3もSOSミラー108からSOSセンサ112までの光路長が短くなるが、SOSセンサ112の基準エッジ130に対してビーム光Lが斜めに走査する構成になる(図12、図3(B)参照)。この結果、回転多面鏡102の面倒れ等によってSOSセンサ112上における光ビームLの走査位置が副走査方向に変化する(図3(B)、L→L’、L’’参照)と、検出タイミング(基準エッジ130を横切るタイミング)がΔt1、Δt2だけ前後にずれてしまう。この結果、SOSセンサ112で検出されたタイミングに基づいて同期を取っている書き込みタイミングがずれ、画像が歪むという不都合があった。
【0015】
一方、上記不都合を解消するためには、SOSセンサ112の基準エッジ130に対して光ビームLが直交して横切る構成とすることが考えられるが、筐体122の底面(基準平面)122Aに対して平行、直角でない斜めにSOSセンサ112を位置決めすることが必要となり、プラスチックやアルミ等で作製された筐体122の基準平面122Aに対して3次元的に傾いた(主走査方向にも副走査方向にも傾いた)部品取付面を設けるのは筐体を加工あるいは成形のいずれの方法で製作する場合にも精度を確保し難いという問題がある。
【0016】
また、SOSミラーとSOSセンサの間にシリンダレンズ等のアナモフィックなレンズを設ける場合は、SOSレンズも同様に三次元的に傾斜して筐体に取り付けることが必要になる。
【0017】
さらに、従来例4は、SOSミラー108で折り返された光ビームLが、反射ミラー116で再び副走査方向に折り返されるため、筐体122の基準平面122Aに対して傾斜している光路上にレンズ110、SOSセンサ112が配置されることになる。すなわち、レンズ110およびSOSセンサ112が筐体122の基準平面122Aに対して三次元的に傾斜して配置されることになり、筐体122におけるレンズ110、SOSセンサ112の保持部の加工精度を出し難く、SOSミラー108を筐体に対して高精度に取り付けるか、調整が必要になる。
【0018】
本発明は、上記不都合を解決するために、筐体に対する光学部品の取付精度を容易に確保しつつ、同期タイミングを精度良く検出できる光学走査装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光源から出射された光ビームを光偏向手段で偏向して被走査体を走査させる光学系が筐体内部に配置された光学走査装置において、前記光偏向手段で偏向された光ビームを、前記筐体の基準平面と平行あるいは垂直な平面内で走査するように副走査方向に折り返す第1反射手段と、前記第1反射手段で反射された光ビームのうち、主走査方向先端位置を通過するビームを前記平面内に反射する第2反射手段と、前記第2反射手段で反射された光ビームが基準エッジを直交して横切ることによって、光ビームを変調する同期タイミングを検出するタイミング検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項1記載の発明の作用について説明する。
【0021】
本発明に係る光学走査装置では、光偏向手段で偏向された光ビームが第1反射手段で副走査方向に折り返された後、第2反射手段を介してタイミング検出手段に入射する構成である。ここで、光源からタイミング検出手段までの光ビームの光路長は、光源から被走査体までの光ビームの光路長と等価とされるが、光ビームの光路上、光偏向手段よりも被走査体側の第1反射手段の後に第2反射手段を配置したため、第2反射手段からタイミング検出手段までの光路長を短くできる。したがって、第2反射手段の筐体に対する取付精度が緩和される。
【0022】
また、第1反射手段に反射された光ビームの光路は、筐体の基準平面に対して平行あるいは垂直な平面内とされ、第2反射手段も同一平面内で光ビームを折り返す。したがって、第2反射手段、およびタイミング検出手段は、筐体基準平面に対して垂直あるいは平行な取付面に位置決め固定することができる。すなわち、アルミやプラスチックで製造される筐体において、第2反射手段、タイミング検出手段の保持部(取付面)が筐体の基準平面に対して平行あるいは直角となるため、製造精度を確保しやすくなる。この結果、第2反射手段、タイミング検出手段を筐体の保持部に取りつけるだけで所定の取付精度を容易に確保することができる。
【0023】
さらに、タイミング検出手段に入射する光ビームは、基準エッジに対して直交して横切るため、光偏向手段の面倒れによってタイミング検出手段に入射する光ビームが副走査方向に変位しても基準エッジを横切るタイミングがずれることはない。すなわち、面倒れの影響を回避して精度良く同期タイミングを検出することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1反射手段で反射されてから前記タイミング検出手段に入射するまでの光ビームの光路が、光偏向手段で偏向された直後の光ビームの光路と平行でないことを特徴とする。
【0025】
請求項2記載の発明の作用について説明する。
【0026】
第1反射手段で折り返された光ビームの光路が筐体の基準平面に対して平行あるいは垂直とされているため、光偏向手段から第1反射手段までの光路が筐体の基準平面に対して平行でなくとも(傾斜していても)、請求項1記載の発明と同様の作用を奏することができる。したがって、筐体の形状や光学部品の配置(光路構成)の自由度が向上する。
【0027】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、被走査体に向かう光ビームの光路上において、第2反射手段より被走査体側に光ビームを副走査方向に折り返す第3反射手段を設けたことを特徴とする。
【0028】
請求項3記載の発明の作用について説明する。
【0029】
被走査体に向かう光ビームの光路上において、第2反射手段よりも被走査体側に光ビームを折り返す第3反射手段を設けたため、画像形成装置内などに本発明に係る光学走査装置を配置する場合に、被走査体の配置の自由度が向上する。すなわち、第1反射手段によって筐体の基準平面と平行あるいは垂直な面内に折り返されている光ビームをその他の方向に折り返すことが可能となり、画像形成装置内における光学走査装置、あるいは被走査体の配置の自由度が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る光学走査装置について図1〜図4を参照して詳細に説明する。
【0031】
光学走査装置10は、図1に示すように、矩形状の筐体12の内部に光学部品が配置されて構成されるものであり、光ビームLを出射する半導体レーザ14と、半導体レーザ14で出射された光ビームLを主走査方向に偏向する回転多面鏡16と、光ビームLを感光体ドラム26上に結像させるfθレンズ18と、副走査方向に光ビームLを折り返す反射ミラー20、反射ミラー20で折り返された光ビームLを感光体ドラム26側に折り返し孔部24から出射させる反射ミラー22とから構成されている。
【0032】
また、筐体12の内部には、反射ミラー22で折り返された光ビームLのうち、主走査方向先端側を通過する光ビームLの光路上には、光ビームLを主走査方向に折り返すSOSミラー28と、SOSミラー28で折り返された光ビームLが入射されるSOSセンサ30とが配設されている。
【0033】
このように構成された光学走査装置10は、図1(B)に示すように、筐体12が図示しない画像形成装置の取付面32A、32Bに取りつけられることによって、画像形成装置に固定される。取付面32A、32Bは同一高さであり、以下、取付面32A、32Bを含む平面を基準平面という。したがって、略矩形状の筐体12の底面12Aを取付面32A、32B(基準平面)上に設置することにより、底面12Aが筐体12の基準平面となる。ここで、基準平面とは、筐体12の設計、製造時の基準となる平面のことである。
【0034】
なお、筐体12の内部において、半導体レーザ14から出射され回転多面鏡16で偏向された光ビームLの光路が底面12Aに平行にされると共に、反射ミラー22で折り返された光ビームLの光路も底面12Aに平行にされる。また、SOSミラー28は光ビームLを主走査方向にのみ折り返すので、SOSセンサ30に向かう光ビームLの光路も反射ミラー22で折り返された光ビームLの光路と同一平面上にある(底面12と平行である)。
【0035】
SOSセンサ30は、図3(A)に示すように、ニ分割されたフォトダイオード34A、34Bを備えるものであり、ニ分割されたフォトダイオード34A、34Bの分割線(基準エッジ)36を光ビームLが通過するタイミングを検出して、半導体レーザ14の感光体ドラム26に対する書き込みタイミングの同期をとる構成である。また、SOSセンサ30は、筐体12の底面12Aに平行あるいは直角な保持部(取付面)に取りつけられており、図3(A)に示すように、基準エッジ36がSOSセンサ30に入射する光ビームLの走査方向と直交するように、すなわち副走査方向に延在するように配設されている。
【0036】
このように構成される光学走査装置10の作用について説明する。
【0037】
半導体レーザ14から出射された光ビームLは、回転多面鏡16で偏向された後、fθレンズ18を通過後に反射ミラー20で副走査方向に折り返され、再び反射ミラー22で折り返された後、筐体12の孔部24を通過して感光体ドラム26上を走査する。この際、反射ミラー22で反射された光ビームLのうち主走査方向先端位置を通過する光ビームLは、SOSミラー28を介してSOSセンサ30に入射する。SOSセンサ30では、光ビームLが基準エッジ36を横切るタイミングを検出し、これに基づいて半導体レーザ14の感光体ドラム26に対する書き込み開始タイミングが制御される(書き込み開始タイミングの同期をとる)。
【0038】
ここで、半導体レーザ14から出射された感光体ドラム26に光ビームLを導く光路上において反射ミラー22よりも感光ドラム側にSOSミラー28が設けられているため、SOSミラー28からSOSセンサ30までの光路を短くすることができ、SOSミラー28の取付精度を緩和することができる。
【0039】
また、SOSセンサ30の基準エッジ36が副走査方向に延在するように配設されているため、SOSミラー28で折り返された光ビームLが基準エッジ36に対して直交して横切る(図3(A)参照)。したがって、回転多面鏡16の面倒れによって光ビームLの光路が副走査方向に変動してSOSセンサ30に対する入射(走査)位置が副走査方向に変動(図1(B)、図3(A)、L→L’、L’’参照)しても、基準エッジ36を光ビームLが横切る位置が副走査方向に変化するだけで、検出タイミングがずれることはない。これに対して、SOSセンサ30の基準エッジ36に対して傾斜(≠直角)して光ビームLが横切る場合には、図3(B)に示すように、回転多面鏡16の面倒れによって副走査方向に変動した光ビームL’、L’’が基準エッジ36を通過するタイミング(検出タイミング)がノーマルの場合と比較してΔT1、ΔT2だけずれ、これに基づく半導体レーザ14の書き込み開始(変調)タイミングもずれて、画像が歪むジッターが発生してしまうことになる。
【0040】
すなわち、SOSセンサ30の基準エッジ36に対して光ビームLの走査方向が直交するように配置したため、回転多面鏡16の面倒れの影響を被ることになく、精度良く書き込み開始タイミングの同期をとることができる。
【0041】
さらに、SOSミラー28やSOSセンサ30は光ビームLの光路が筐体12の基準平面(底面)12Aと平行とされている部分に配設されているため、筐体12にはSOSミラー28やSOSセンサ30の保持部(取付面)を基準平面12Aに対して平行あるいは垂直に設ければ良くなり、筐体12における保持部(取付面)の製造精度を容易に確保することができる。
【0042】
これは、筐体12を製作する場合、一般的に筐体内に部品を取り付ける保持部は筐体12の基準平面(本実施例の場合は取付面32A、32Bが含まれる平面)12Aを基準に設計される。本実施形態の場合はSOSセンサ30の基準エッジ36が副走査方向(筐体12の基準平面12Aに対して垂直)となっているため、SOSセンサ30の取付部を高精度に製作することが容易となる。これに対して、SOSセンサ30に入射する光ビームLの光路が筐体12の基準平面(底面12A)に対して傾斜している場合は、走査光ビームLの傾きに合わせてSOSセンサ30も傾ける必要があり、その場合はSOSセンサ30の取付部も筐体12の基準平面12Aに対して傾くので、とくに3次元的に(主走査方向、副走査方向両方向において)傾いている場合は、SOSセンサ30の基準エッジ36を所望の方向に合わせることが難しくなる。
【0043】
したがって、筐体12の基準面12Aに対して平行あるいは直角に設けられた保持部にSOSミラー28やSOSセンサ30を取りつけることによって、所定の取付精度を簡単に確保することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、筐体12の取付面32A、32Bが同一平面内にあったので、筐体12の基準平面は取付面32A、32Bと同じ面であったが、図4に示すように取付面32A、32Bが同一平面上ではなく、平行である場合もある。この場合、筐体12の基準平面とは取付面32A、32Bに平行な仮想基準平面Pとなる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る光学走査装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
本実施形態に係る光学走査装置40は、図5に示すように、段差を有する取付面32A、32B上に筐体12が設置されており、底面に傾斜面42を有する点が第1実施形態と異なる。すなわち、傾斜面42上に半導体レーザ14、回転多面鏡16、fθレンズ18が配設され、光ビームLの光路も傾斜面42に平行とされる。なお、傾斜面42と平行とされた光ビームLの光路は、反射ミラー22で反射された後、取付面32A、32Bと平行な仮想基準平面Pと平行な面内に折り返され、その面内にSOSミラー28、SOSセンサ30が配設されている。
【0046】
この光学走査装置40のように、筐体12の底面が傾斜面42を有し、傾斜面に沿って光ビームLの光路が構成されていても、SOSセンサ30に光ビームLを導く光路が仮想基準平面Pと平行な平面内に構成されていれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。したがって、筐体12の形状および光学部品の配置(光路構成)の自由度が向上する。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る光学走査装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0047】
本実施形態に係る光学走査装置50では、図6に示すように、感光体ドラム26を筐体12の下部に配置して、反射ミラー22で仮想基準平面Pに平行に折り返された光ビームLを反射ミラー52で副走査方向に折り返し、筐体12の下部に配設された感光体ドラム26に光ビームLを照射するものである。
【0048】
このように、光ビームLの光路において反射ミラー22よりも感光体ドラム26側に反射ミラー52を配置して光ビームLを折り返すことにより、筐体12に対する感光体ドラム26の配置自由度を向上させることができる。
【0049】
以上、第1〜第3実施形態においては、SOSセンサ30に光ビームLを導く光路を筐体12の基準平面に対して平行にする例を用いて説明したが、基準平面に対して垂直になるように配置しても良い。すなわち、筐体12の製作において、SOSミラー28、SOSセンサ30を取りつける保持部が基準平面に対して直角・平行の場合に最も精度を確保しやすいからである。
【0050】
また、本発明は、SOSセンサ30に光ビームLを導く光路が基準平面に対して平行/垂直であることで効果を得ているので、当該光路は筐体12の基準平面に対して平行であれば、水平である必要はない。筐体12の基準平面が傾いていれば、当該光路はその基準平面に平行に傾いた光路となる。
【0051】
さらに、本実施形態では説明を省略したが、SOSミラー28とSOSセンサ30の間に、光ビームLをSOSセンサ30上に集光させるSOSレンズ(シリンダレンズのような主走査方向と副走査方向のパワーが異なるレンズ)を設ける場合も、本発明を用いれば、SOSレンズの母線を筐体の基準平面に対して平行あるいは垂直にすることができるので、SOSレンズの取付部も精度よく製作することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の光学走査装置によれば、タイミング検出手段に光ビームを導く第2反射手段の位置決め精度が緩和されると共に、筐体に対して第2反射手段、タイミング検出手段の保持部を精度良く製造できる。この結果、第2反射手段およびタイミング検出手段を保持部に取りつけるだけで所定の取付精度を確保することができる。また、光偏向手段の面倒れ等の影響を回避して同期タイミングを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る光学走査装置の平面図であり、(B)は断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光学走査装置の概略斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るSOSセンサの作用説明図であり、(A)が基準エッジに直交して光ビームが走査される場合、(B)は基準エッジに対して斜めに光ビームが走査される場合である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光学走査装置の他の例を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の第2実施形態に係る光学走査装置の平面図であり、(B)は断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る光学走査装置を示す断面図である。
【図7】従来例における光学走査装置の光学系を示す概略斜視図である。
【図8】従来例1における光学走査装置の光学系を示す平面図である。
【図9】従来例2における光学走査装置を示す分解斜視図である。
【図10】従来例2における光学走査装置の要部説明斜視図である。
【図11】従来例3における光学走査装置を示す断面図である。
【図12】従来例3における光学走査装置の要部説明斜視図である。
【図13】従来例4における光学走査装置の光学系を示す断面図である。
【図14】従来例4における光学走査装置を示す平面面図である。
【符号の説明】
10…光学走査装置
12…筐体
14…半導体レーザ(光源)
16…回転多面鏡(光偏向手段)
20…反射ミラー(第1反射手段)
22…反射ミラー(第1反射手段)
28…SOSミラー(第2反射手段)
30…SOSセンサ(タイミング検出手段)
36…基準エッジ
52…反射ミラー(第3反射手段)

Claims (3)

  1. 光源から出射された光ビームを光偏向手段で偏向して被走査体を走査させる光学系が筐体内部に配置された光学走査装置において、
    前記光偏向手段で偏向された光ビームを、前記筐体の基準平面と平行あるいは垂直な平面内で走査するように副走査方向に折り返す第1反射手段と、
    前記第1反射手段で反射された光ビームのうち、主走査方向先端位置を通過するビームを前記平面内に反射する第2反射手段と、
    前記第2反射手段で反射された光ビームが基準エッジを直交して横切ることによって、光ビームを変調する同期タイミングを検出するタイミング検出手段と、
    を備えることを特徴とする光学走査装置。
  2. 前記第1反射手段で反射されてから前記タイミング検出手段に入射するまでの光ビームの光路が、光偏向手段で偏向された直後の光ビームの光路と平行でないことを特徴とする請求項1記載の光学走査装置。
  3. 被走査体に向かう光ビームの光路上において、第2反射手段より被走査体側に光ビームを折り返す第3反射手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の光学走査装置。
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