JP2534251Y2 - 書込光学系 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は複写機、ファクシミリ、プリンター等に適用
できる書込光学系に関する。

（従来の技術） レーザービームを走査する偏向器と、この偏向器から
の走査光を受光する被走査面と、走査方向上の空間位置
であって被走査面での書出位置前方に設けられた同期検
知光入射部を有する書込光学系が知られている。

第５図はその一例を示したもので、ハウジング１には
偏光器としてもポリゴンミラー２および走査レンズ系
３、レーザーダイオード４等が配置されている。レーザ
ーダイオード４より出射されたレーザー光はポリゴンミ
ラー２により反射、変角されて走査光となり、ハウジン
グ１の外部へと進行する。走査光は折り返しミラー５に
より折り曲げられ、スリット６を経て感光体ドラム表面
等の被走査面に導かれ、露光走査される。この被走査面
の画像範囲外には同期検知用折り返しミラー60が設けて
あり、このミラー６による走査光の反射光路上にレンズ
７および光ファイバー８が設けられている。この光ファ
イバー８は書出し位置を揃えるためのトリガーを与える
ところの同期検知センサへと光を導く媒体である。一
方、レンズ７はシリンドリカルレンズとして構成されて
いて、受光面が小さい光ファイバー８端面への入射を容
易にすべくビーム径を変形させる機能を有している。

レンズ７を用いる例では、このレンズ７が同期検知光
入射部となる。

また、レンズ７を用いると光のパワーを減ずることと
なるので、これを用いない場合もある。この場合には光
ファイバー８が同期検知光入射部となる。

（考案が解決しようとする課題） 第５図に示した従来技術において、主ビームａは同期
検知光入射部たるレンズ７または光ファイバー８の端面
に入射されるが、走査の過程で主ビームの往路から僅か
にずれて入射され逆の経路を辿る光ｂが生じポリゴンミ
ラー２に達する。この場合、同期検知用センサに達した
レーザー光が反射されたポリゴンミラー面上の位置から
ずれた点または他の面でこの戻り光ｂは再び反射され、
走査レンズ系３を経てゴースト光Ｃとして被走査面の画
像領域内に達し、ゴースト像を形成するとの問題があ
る。また、レンズ７に導かれるレーザー光はレンズ表面
にて乱反射して反射光ｄを生じ、前述の戻り光ｂに準じ
た経路を経て被走査面に至る。あるいはこの乱反射光は
直接、折り返しミラー５を経て被走査面に達し、同様の
問題を生ずる。

なお、走査光学系において、被走査媒体からの反射光
がゴースト像を作ることを防止する手段が特開昭58-680
14号公報に、遮音用ガラス板からの反射光によるゴース
ト像を防止する手段が特開昭63-49726号公報にそれぞれ
開示されているが、本考案の如き同期検知光入射部から
の反射光によるゴースト像の発生を回避する手段につい
て示唆するところがない。

本考案は簡易な構成にて、同期検知光入射部からの反
射光によるゴースト像の発生を防止して画質の維持を図
ることのできる書込光学系を提供することを目的として
いる。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の書込光学系にお
いては、走査光の進行方向上、同期検知光入射部の前方
位置にゴースト像カット部材を配置した構成とした。

この場合、同期検知光入射部が光ファイバーまたは光
ファイバーへ光を導くレンズで構成してもよい。

また、ゴースト像カット部材を、ハーフミラーで構成
し、このハーフミラーのミラーコート面を同期検知光入
射部に対向して配置し、かつ、ミラーコート面を光路に
対して直角となる配置からずらしてつまり、ミラー面を
入射光路に対して傾けて配置すると効果的である。

（作用） 同期検知光入射部からの戻り光であって、被走査面上
にゴースト像を作り得る光は、ゴースト像カット部材に
より、被走査面以外の部位に向かうように反射される。

（実施例） 以下の説明に用いる図において、従来技術として説明
した第５図と共通の符号を付した部材は本考案において
も共通に用いられる部材であり、その部材については説
明を省略する。

第１図において、走査光の光路上であって、レンズ７
の前方位置には、ゴースト像カット部材９が配置されて
いる。

このゴースト像カット部材９はハーフミラーからな
り、ミラーコート面ｋ（第３図参照）がレンズ７と対面
するように設けられている。

第２図にも示すように、同期検知用折り返しミラー60
により折り返されたレーザー光ｆはゴースト像カット部
材９に入射する。この際、コートされていない面ｈでレ
ーザー光の一部は反射される。この反射光ｉが同期検知
用折り返しミラー60および被走査面の画像範囲内に戻ら
ぬようこの例では第３図に示す如く上下方向に対し角度
θを以ってつまり、入射光路に対して面ｈを傾けて配置
した。このため、面ｈでの反射光ｉはゴースト像カット
を形成し得ない上方へ向かう。

ゴースト像カット部材９を透過したレーザー光はレン
ズ７を経て光ファイバー８に達する。なお、光ファイバ
ー８に代えて同期検知センサが直接配置される場合もあ
り、その場合には同期検知センサに入射される。

問題となるレンズ７での主ビーム反射光ｍおよび乱反
射光ｎはそれぞれゴースト像カット部材９のミラーコー
ト面ｋにおいて符号Ｐで示す如く下側に反射される。

なお、ゴースト像カット部材９は上下方向だけでな
く、ミラーコート面ｋ、面ｈでの反射光が被走査面の画
像範囲内に戻らない条件を満たすならば、第４図に示す
ように任意の角θ′を付して配置できる。

以上の各実施例では、光ファイバー８の前方にレンズ
７を配置した構成の書込光学系に対するものであった
が、レンズ７を設けない構成の書込光学系においても、
上記に準じて光ファイバー８の前方にゴースト像カット
部材９を配置して実施することができる。

（考案の効果） 同期検知光入射部の前方にゴースト像カット部材を入
射光路に対して傾けて配置するという簡易な構成によ
り、同期検知光入射部からの戻り光はもとより、該ゴー
スト像カット部材自身への入射光についての反射光によ
るゴースト像の発生を防止してひいては書込光学系の自
由なレイアウトを可能にし、高品位な画像を保つことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る書込光学系の構成を説明した平面
図、第２図は同上図の要部を説明した正面図、第３図は
ゴースト像カット部材の正面図、第４図はゴースト像カ
ット部材の傾きの態様を説明した図、第５図は従来技術
に係る書込光学系の構成を説明した平面図である。 ７……レンズ、８……光ファイバー、９……ゴースト像
カット部材。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レーザービームを走査する偏向器と、この
   偏向器からの走査光を受光する被走査面と、走査方向上
   の空間位置であって被走査面での書出し位置前方に設け
   られた同期検知光入射部を有する書込光学系において、 走査光の進行方向上、同期検知光入射部の前方位置にハ
   ーフミラーで構成したゴースト像カット部材をこのハー
   フミラーのミラーコート面が前記同期検知光入射部に対
   向するように、かつ、ミラー面を入射光路に対して傾け
   て配置したことを特徴とする書込光学系。
2. 【請求項２】同期検知光入射部が光ファイバーまたは光
   ファイバーへ光を導くレンズであることを特徴とする請
   求項第１項記載の書込光学系。