JP2004246137A - レーザ走査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光を主走査、副走査して画像形成を行うレーザ走査装置において、レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための検出器を簡略化、小型化する。
【解決手段】レーザ光源から出射されるレーザ光を偏向して感光体に対して主走査し、同時にレーザ光に対して感光体を副走査して所要の描画を行うレーザ走査装置において偏向走査されるレーザ光LBを受光してその副走査方向の位置ずれを検出するためのフォトダイオード12と、受光素子の前面に配置され主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズ21を備える。レーザ光の副走査方向の位置ずれによりフォトダイオード12から出力される受光信号の信号幅が変化され、この信号幅から位置ずれを検出する。
【選択図】 図6
【解決手段】レーザ光源から出射されるレーザ光を偏向して感光体に対して主走査し、同時にレーザ光に対して感光体を副走査して所要の描画を行うレーザ走査装置において偏向走査されるレーザ光LBを受光してその副走査方向の位置ずれを検出するためのフォトダイオード12と、受光素子の前面に配置され主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズ21を備える。レーザ光の副走査方向の位置ずれによりフォトダイオード12から出力される受光信号の信号幅が変化され、この信号幅から位置ずれを検出する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を走査して画像形成を行うレーザ走査装置に関し、特に感光体に対するレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出する検出器を備えたレーザ走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を感光体に走査して所望の画像形成を行うレーザ走査装置では、感光体に対してレーザ光を一方向に主走査すると同時に、この主走査方向に直交する方向にもレーザ光を副走査する必要がある。通常のレーザ走査装置では、主走査はレーザ光を感光体に対して移動させながら走査を行い、副走査は感光体を副走査方向に移動させることで相対的にレーザ光の主走査位置を移動させるような構成がとられている。このようなレーザ走査装置では、目的とする画像を正確に描画するためには、レーザ光を主走査方向に走査する際のタイミングを適正に制御するとともに、副走査方向の走査位置を適正に制御する必要がある。従来、主走査方向の走査タイミングの制御を行う構成としては、走査されるレーザ光の一部を受光素子により受光し、この受光素子での受光タイミングに基づいて走査タイミングの制御を行っている。また、副走査方向の走査位置の制御を行う構成としては、走査されるレーザ光の一部を受光素子により受光し、この受光素子における副走査方向と等価な方向の受光位置から副走査位置を検出し、この検出に基づいて副走査方向の位置制御を行っている。
【0003】
例えば、図9は特許文献1に記載されたレーザ走査装置の概略構成を示す図であり、レーザ光源101から出射されたレーザ光LBは高速回転するポリゴンミラー102によって主走査方向に偏向され、この偏向されたレーザ光はfθレンズ103及び折り返しミラー104によって等速状態で感光ドラム105に走査される。また、感光ドラム105を回転軸回りに回動することでレーザ光LBを副走査し、所要の画像形成が行われる。また、偏向されたレーザ光LBを感光ドラム105に対して走査する領域以外の位置において第1の反射ミラー106により反射させて第1の受光素子107で受光し、この第1の受光素子107から出力される受光信号により制御回路108において前記感光ドラム105に対するレーザ光の主走査の走査タイミングの制御を行っている。また、レーザ光LBは第2の反射ミラー109で反射されて第2の受光素子110で受光され、この第2の受光素子110から出力される受光信号によりレーザ光LBの副走査方向の位置を検出し、検出に基づいてレーザ光源101の副走査方向の位置補正を行っている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−23082号公報
【0005】
ところで、特許文献1のレーザ走査装置では、レーザ光の副走査方向の位置を検出するための第2の受光素子110は、例えば、図10(a)に示すように、副走査方向に主走査位置が異なる複数の受光面111〜114を備えた構成とされている。同図において、H方向はレーザ光の主走査方向、V方向は副走査方向であり、第1の受光面111は副走査方向と平行に延びるパターン形状に形成され、第2ないし第4の受光面112〜114は第1の受光面111に対して主走査方向にそれぞれ異なる間隔だけ離れたパターン形状に形成されている。このような受光面を備えることにより、レーザ光の副走査方向の位置が同図のV1,V2,V3のように位置ずれが生じると、第1及び第2〜第4の各受光面から出力される受光信号は同図(b)のようになるため、これらの各受光面の各受光信号の間隔を検出することで、レーザ光LBが走査される副走査位置を検出し、基準となる副走査方向に対するレーザ光の副走査位置の位置ずれを検出することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のレーザ走査装置における副走査位置の位置ずれを検出するための受光素子(第2の受光素子)では、主走査方向に所要の間隔で配置される第1及び第2〜第4の受光面が必要であり、このような受光面を備えた受光素子は構造が複雑になるとともに製造コストが高くつき、しかも受光面積が大きくなるために受光素子が大型化することになる。特に、副走査方向の位置ずれを微細に検出する場合には、主走査方向の間隔が異なる多数の受光面が必要であり、構造の複雑化や面積の大型化が顕著なものとなる。また、第1ないし第4の各受光面から検出信号を取り出しているために受光素子に接続する配線数が多くなり、しかも各受光面からの検出信号を処理するための回路が必要であり、回路構成も複雑化、大型化することになる。そのため、このような副走査方向の位置ずれを検出するための第2の受光素子を配設することが要求されているレーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することは困難になる。
【0007】
なお、特許文献1には、受光面のパターン形状を傾斜させることで受光面の数を低減する構成例、あるいは受光素子を単一化する一方でレーザ光を偏向して受光素子で受光させるための偏向素子を備えた構成例も提案されており、これらの構成例では受光素子を簡略化する上では有効であるが、前者の場合には受光面のパターン形成が困難になり、後者の場合には偏向素子の構造が複雑化、大型化されることになり、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を図ることは依然として難しいものとなっている。
【0008】
本発明の目的は、レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための検出器を簡略化、小型化することにより、小型化及び低コスト化を実現したレーザ走査装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ光を発光するレーザ光源と、当該レーザ光を偏向して感光体に対して主走査する偏向走査手段と、偏向走査されるレーザ光を受光してレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための受光素子と、受光素子の前面に配置され主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズを備えている。
【0010】
例えば、センサレンズは、受光素子の受光面に対して主走査方向に傾斜した斜辺を有する三角形に形成される。また、センサレンズはレーザ光を受光素子に向けて主走査方向にのみ偏向する構成とされる。この場合には、センサレンズはシリンダレンズの一部で構成される。また、センサレンズはレーザ光を受光素子に向けて副走査方向にも偏向する構成とされる。この場合には、センサレンズは凸レンズの一部で構成される。
【0011】
本発明によれば、既存の受光素子の前面にセンサレンズを配置するだけでレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出することができるため、検出器の構造を簡略化でき、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態のレーザ走査装置の斜視構成図である。レーザ光源としてのレーザダイオード11から出射されたレーザ光LBは六角形をした多面反射鏡であるポリゴンミラー2に投射され、このポリゴンミラー2が回転軸2aの回りに水平方向に高速回転されることによってレーザ光LBは主走査方向(H方向)に偏向される。この偏向されたレーザ光LBはfθレンズ3によって偏向が調整され、等速状態で感光ドラム4の回転軸4aと平行な方向に走査され、その感光面に対して主走査される。また、感光ドラム4が回転軸4aの回りに回転されることで感光面に対して副走査方向(V方向)の走査が行われる。さらに、偏向されたレーザ光LBが感光ドラムに対して主走査される領域以外の偏向位置に反射ミラー5が配設されており、レーザ光LBはこの反射ミラー5により反射され、受光素子としてのフォトダイオード12で受光され、主走査方向の走査タイミング信号及び副走査方向のレーザ光の位置ずれ検出信号を得るようになっている。
【0013】
前記レーザダイオード11とフォトダイオード12は同一の基板上に組み付けられて一つの光源ユニット1として構成されている。図2はこの光源ユニット1の外観斜視図である。前記光源ユニット1は回路基板10に構築されており、この回路基板10は所要の配線パターンが形成された水平方向に長い長方形の配線回路基板として構成され、レーザ走査装置のベース部材16に設けられた支持片16aによって垂直状態に保持されている。前記レーザダイオード11は、図3(a),(b)に正面図と縦断面図を併せて示すように、円筒状をしたレーザダイオードケーシング13内にコリメートレンズ14と共に内装されており、レーザダイオード11から出射されたレーザ光がコリメートレンズ14で平行光束のレーザ光に整形された上で前記レーザダイオードケーシング13の頂面に設けられた出射窓13aから出射されるようになっている。前記レーザダイオード11は出射するレーザ光の光軸が前記レーザダイオードケーシング13の筒軸に一致する位置に内装固定される。また、前記レーザダイオードケーシング13内には図には現れないモニタ用フォトダイオードが一体的に内装されており、このモニタ用フォトダイオードは前記レーザダイオード11から出射されるレーザ光の一部を受光し、この受光により当該レーザ光の光強度を検出してレーザダイオード11の発光出力を制御するものであるが、ここではその詳細な説明は省略する。
【0014】
また、前記レーザダイオードケーシング13は前記回路基板10に対してフレキシブル配線15によって電気接続されており、回路基板10に対しては相対移動可能に構成される一方で、レーザ走査装置を構築しているベース部材16に設けられている支持ブロック17に固定支持されている。ここでは前記レーザダイオードケーシング13の両側面に一体に設けられた一対のフランジ13bにおいてネジ18により前記支持ブロック17に固定されているが、フランジ13bと支持ブロック17との間に板バネ19が介挿され、ネジ18の締めつけを調整することでレーザダイオードケーシング13を支持ブロック17に対して垂直方向に位置調整することが可能とされている。この位置調整によりレーザダイオード11の光軸は垂直方向、すなわち副走査方向に位置調整することが可能になる。
【0015】
前記フォトダイオード12は前記レーザダイオード11とは水平方向に所要の寸法離れた位置において前記回路基板10に固定的に搭載されている。図4(a)に外観斜視図を示すように、前記フォトダイオード12の受光面12aは垂直方向に長い縦長の太線形ないし長方形に形成されている。なお、この垂直方向の長さはレーザ光の副走査方向の位置ずれを調整するのに十分な長さに形成される。また、前記フォトダイオード12は前記回路基板10に電気的に接続されており、受光面12aにレーザ光が投射されたときに、前記回路基板10に設けられた信号処理回路20に所要の電気信号を出力するようになっている。
【0016】
さらに、前記フォトダイオード12の受光面12aの直前位置にはセンサレンズ21が配置され、前記回路基板10に立設されたステム22によって固定支持されている。前記センサレンズ21は前記反射ミラー5で反射されたレーザ光を集光するように偏向して前記受光面12aに投射するために設けられており、ここでは図4(b)に示すように、前記受光面12aの前面を覆うように配置され、シリンダ軸を垂直方向に向けるとともに集光点が前記受光面12aに一致されたシリンダレンズ21Aの一部を切り取った構成とされている。同図において点描した部分が切り取った部分である。また、前記センサレンズ21は、前記レーザ光の副走査方向である垂直方向の寸法は少なくとも前記受光面12aの垂直方向の寸法以上とされ、また前記レーザ光の主走査方向に対応する水平方向の寸法は上端部から下端部に向けて徐々に長くなるように水平方向である主走査方向に対してテーパ状に形成され、当該センサレンズ21の光軸方向から見たときに、二等辺三角形となるように形成されている。
【0017】
以上の構成によれば、図1に示したように、レーザダイオードケーシング13内のレーザダイオード11から出射されたレーザ光LBはコリメータレンズ14により平行光束とされた上で出射窓13aから出射され、ポリゴンミラー2に投射される。投射されたレーザ光LBは前述のようにポリゴンミラー2が回転されることによって偏向され、fθレンズ3を透過して感光ドラム4の感光面に主走査される。また、感光ドラム4の軸回り方向の回転により副走査され、これにより所望の画像が描画されることになる。
【0018】
fθレンズ3を透過したレーザ光は、感光ドラム4に走査される直前のタイミングにおいて反射ミラー5によって反射され、フォトダイオード12で受光される。フォトダイオード12ではレーザ光LBを受光したときの受光信号を信号処理回路20に出力し、この信号処理回路20において受光タイミング信号を生成するとともに副走査方向の位置ずれを検出する。前記受光タイミング信号はレーザ走査装置に入力されるビデオ信号との同期をとるための同期信号として生成されるもので、この同期信号によって同期がとられたビデオ信号に基づいてレーザダイオード11からのレーザ光LBを感光ドラム4に主走査する際の走査タイミングを取っている。また、副走査方向の位置ずれを検出することで、レーザダイオード11の副走査方向の位置調整を行うことが可能になる。
【0019】
図5及び図6は前記フォトダイオード12での受光タイミング信号及び副走査方向の位置ずれを検出する動作を説明するための図であり、図5はセンサレンズ21及びフォトダイオード12を上から見た図、図6はフォトダイオード12の受光面12aをセンサレンズ21を透して正面方向から見た図である。図5に示すように、レーザ光LBが主走査されながらセンサレンズ21に入射されると、レーザ光LBはセンサレンズ21によってフォトダイオード12の受光面12aに向けて主走査方向に沿って偏向されるため、センサレンズ21にレーザ光LBが入射される主走査の期間だけ受光面12aでの受光が行われてフォトダイオード12から受光信号が出力されることになる。
【0020】
このような主走査において、図6(a1)は、レーザ光LBの副走査方向に位置ずれが生じていない場合を示す図であり、前述のように感光ドラム4に対して走査されるレーザ光LBは反射ミラー5で反射された後、センサレンズ21及び受光面12aの垂直方向の走査位置V1において水平方向に主走査される。このとき、レーザ光LBはセンサレンズ21によって受光面12aに投射されるように主走査方向に偏向されるため、図6(a2)のように、受光面12aでは走査位置V1におけるセンサレンズ21の幅寸法W1だけレーザ光が走査する間の受光信号S1を出力する。
【0021】
一方、図6(b1)のように、レーザ光LBの副走査方向の位置が垂直上方向に位置ずれが生じているような場合には、受光面12aでは走査位置V2(=V1+Δd1)におけるセンサレンズ21の幅寸法W2だけレーザ光LBが走査する間の受光信号S2を出力する。センサレンズ21は前述のように上部の幅寸法が下部よりも小さくされているため、図6(b2)のように、受光信号S2の信号幅W2は受光信号S1の信号幅W1よりも短くなる。したがって、この信号幅の差ΔW=W1−W2に対応する垂直方向の長さΔd1だけ上方に副走査方向の位置ずれが生じていることが検出される。
【0022】
逆に、図6(c1)のように、レーザ光LBの副走査方向の位置が垂直下方向に位置ずれが生じているような場合には、受光面12aでは走査位置V3(=V1−Δd2)におけるセンサレンズ21の幅寸法W3だけレーザ光が走査する間の受光信号S3を出力する。センサレンズ21は前述のように下部の幅寸法が上部よりも大きくされているため、図6(c2)のように、受光信号S3の信号幅W3は受光信号S1の信号幅W1よりも長くなる。したがって、この信号幅の差ΔW=W1−W3に対応する垂直方向の長さΔd2だけ下方に副走査方向の位置ずれが生じていることが検出される。
【0023】
このようにしてフォトダイオード12から得られる受光信号の信号幅の差ΔWに基づいてレーザ光LB、すなわちレーザダイオード11の副走査位置が基準となる副走査位置から上側、あるいは下側にずれていることが検出できる。したがって、この検出結果に基づいて光源ユニット1のレーザダイオードケーシング13を固定しているネジ18を締緩して垂直方向に位置調整し、信号幅の差ΔWが0になるようにレーザダイオードケーシング13の高さ方向の位置調整を行えば、副走査方向の位置を補正することが可能になる。
【0024】
なお、フォトダイオード12で検出される受光信号S1,S2,S3から、当該受光信号の信号幅の中心位置を検出すれば、その受光タイミングを主走査方向の走査タイミング信号として得ることができる。この主走査方向の調整については、ここでは詳細な説明は省略するが、従来の技術を利用するのであれば、反射ミラー5の角度を調整することによってフォトダイオード12でのレーザ光LBの受光タイミングを変化させ、レーザダイオード11からのレーザ光LBを感光ドラム4に主走査する際の走査タイミングを取ることが可能である。あるいは、フォトダイオード12を回路基板10に対して水平方向に位置調整可能に構成しておき、この水平方向の位置調整によってフォトダイオード12での受光タイミングを変化させるようにしてもよい。
【0025】
ここで、前記実施形態ではセンサレンズを二等辺三角形に形成しているが、副走査方向に幅寸法が異なる形状のレンズとして構成されていれば、二等辺三角形に限定されるものではない。例えば、図7(a)に示す直角三角形、図7(b)に示す菱形、図7(c)に示す鼓形、さらには、図7(d)に示す楕円型等である。ただし、副走査方向に対称な形状の場合には、レーザ光が副走査方向の基準位置に対していずれの方向に位置ずれが生じているかを判定することが難しくなる。あるいは、図示は省略するが、副走査方向に階段状に幅寸法が異なる形成としてもよい。
【0026】
また、前記実施形態ではシリンダレンズの一部を利用してセンサレンズを構成しているが、レーザ光の副走査方向に幅寸法が相違するとともにいずれの副走査位置においてもレーザ光をフォトダイオードの受光パターン面に向けて偏向させる形状のレンズであれば、他のレンズで構成することも可能である。例えば、図8(a)は片凸レンズを利用してセンサレンズ23を構成した実施形態を示す図であり、図8(b)に示すように、片凸レンズ23Aの一部を半径に沿って二等辺三角形に切り落としてセンサレンズ23を構成したものである。このセンサレンズ23でも、図8(a)に示すように、レーザ光LBは主走査方向に偏向されてフォトダイオード12の受光面12bに投射されるため、副走査方向の位置の違いによって受光面12bで受光されるレーザ光の主走査方向の寸法が変化され、受光信号の信号幅が変化され、副走査方向の位置ずれを検出することが可能である。また、このセンサレンズ23では、レーザ光LBは垂直方向、すなわち副走査方向にも偏向されるため、フォトダイオード12の受光面12bを副走査方向に長く形成する必要はなく、前記実施形態に比較してフォトダイオード12を小さくすることが可能である。
【0027】
なお、前記各実施形態におけるセンサレンズは、必ずしもシリンダレンズや片凸レンズから切り出す必要はなく、図4(b)及び図8(b)の各レンズの点描部分を不透光部材でマスクすることで実質的に前記各センサレンズと同等の機能を有するレンズとして構成することも可能である。
【0028】
ここで、前記各実施形態は偏向走査されるレーザ光を反射ミラーで反射してフォトダイオードを受光する例を示しているが、ポリゴンミラーで反射されたレーザ光を直接フォトダイオードで受光する構成のレーザ走査装置に適用することも可能である。この場合、レーザ光をフォトダイオードに導くためにポリゴンミラーとフォトダイオードとの間にレーザ光の光軸を偏向させるためのプリズム等の光学手段を介在させるようにすればよい。
【0029】
また、前記実施形態では、一つのフォトダイオードで副走査方向の位置ずれと主走査方向の走査タイミング信号を検出するように構成しているが、両者を独立した受光素子でそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、偏向走査されるレーザ光を受光する受光素子の前面に、主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズを配置するだけでレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出することができ、レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための検出器の構造を簡略化でき、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ走査装置の概略斜視構成図である。
【図2】光源ユニットの外観斜視図である。
【図3】光源ユニットをレーザ走査装置に組み付けた状態のレーザ光源の正面図と縦断面図である。
【図4】フォトダイオードとセンサレンズの外観図である。
【図5】副走査方向の位置ずれを検出する作用を説明するための上面図である。
【図6】副走査方向の位置ずれを検出する作用を説明するための正面図である。
【図7】センサレンズの変形例の正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態のフォトダイオードとセンサレンズの外観図である。
【図9】従来のレーザ走査装置の一例の概略構成図である。
【図10】従来のレーザ走査装置における副走査方向の位置ずれを検出する検出器と検出作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光源ユニット
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 感光ドラム
5 反射ミラー
10 回路基板
11 レーザダイオード
12 フォトダイオード
13 レーザダイオードケーシング
20 信号処理回路
21,23 センサレンズ
LB レーザ光
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を走査して画像形成を行うレーザ走査装置に関し、特に感光体に対するレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出する検出器を備えたレーザ走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を感光体に走査して所望の画像形成を行うレーザ走査装置では、感光体に対してレーザ光を一方向に主走査すると同時に、この主走査方向に直交する方向にもレーザ光を副走査する必要がある。通常のレーザ走査装置では、主走査はレーザ光を感光体に対して移動させながら走査を行い、副走査は感光体を副走査方向に移動させることで相対的にレーザ光の主走査位置を移動させるような構成がとられている。このようなレーザ走査装置では、目的とする画像を正確に描画するためには、レーザ光を主走査方向に走査する際のタイミングを適正に制御するとともに、副走査方向の走査位置を適正に制御する必要がある。従来、主走査方向の走査タイミングの制御を行う構成としては、走査されるレーザ光の一部を受光素子により受光し、この受光素子での受光タイミングに基づいて走査タイミングの制御を行っている。また、副走査方向の走査位置の制御を行う構成としては、走査されるレーザ光の一部を受光素子により受光し、この受光素子における副走査方向と等価な方向の受光位置から副走査位置を検出し、この検出に基づいて副走査方向の位置制御を行っている。
【0003】
例えば、図9は特許文献1に記載されたレーザ走査装置の概略構成を示す図であり、レーザ光源101から出射されたレーザ光LBは高速回転するポリゴンミラー102によって主走査方向に偏向され、この偏向されたレーザ光はfθレンズ103及び折り返しミラー104によって等速状態で感光ドラム105に走査される。また、感光ドラム105を回転軸回りに回動することでレーザ光LBを副走査し、所要の画像形成が行われる。また、偏向されたレーザ光LBを感光ドラム105に対して走査する領域以外の位置において第1の反射ミラー106により反射させて第1の受光素子107で受光し、この第1の受光素子107から出力される受光信号により制御回路108において前記感光ドラム105に対するレーザ光の主走査の走査タイミングの制御を行っている。また、レーザ光LBは第2の反射ミラー109で反射されて第2の受光素子110で受光され、この第2の受光素子110から出力される受光信号によりレーザ光LBの副走査方向の位置を検出し、検出に基づいてレーザ光源101の副走査方向の位置補正を行っている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−23082号公報
【0005】
ところで、特許文献1のレーザ走査装置では、レーザ光の副走査方向の位置を検出するための第2の受光素子110は、例えば、図10(a)に示すように、副走査方向に主走査位置が異なる複数の受光面111〜114を備えた構成とされている。同図において、H方向はレーザ光の主走査方向、V方向は副走査方向であり、第1の受光面111は副走査方向と平行に延びるパターン形状に形成され、第2ないし第4の受光面112〜114は第1の受光面111に対して主走査方向にそれぞれ異なる間隔だけ離れたパターン形状に形成されている。このような受光面を備えることにより、レーザ光の副走査方向の位置が同図のV1,V2,V3のように位置ずれが生じると、第1及び第2〜第4の各受光面から出力される受光信号は同図(b)のようになるため、これらの各受光面の各受光信号の間隔を検出することで、レーザ光LBが走査される副走査位置を検出し、基準となる副走査方向に対するレーザ光の副走査位置の位置ずれを検出することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のレーザ走査装置における副走査位置の位置ずれを検出するための受光素子(第2の受光素子)では、主走査方向に所要の間隔で配置される第1及び第2〜第4の受光面が必要であり、このような受光面を備えた受光素子は構造が複雑になるとともに製造コストが高くつき、しかも受光面積が大きくなるために受光素子が大型化することになる。特に、副走査方向の位置ずれを微細に検出する場合には、主走査方向の間隔が異なる多数の受光面が必要であり、構造の複雑化や面積の大型化が顕著なものとなる。また、第1ないし第4の各受光面から検出信号を取り出しているために受光素子に接続する配線数が多くなり、しかも各受光面からの検出信号を処理するための回路が必要であり、回路構成も複雑化、大型化することになる。そのため、このような副走査方向の位置ずれを検出するための第2の受光素子を配設することが要求されているレーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することは困難になる。
【0007】
なお、特許文献1には、受光面のパターン形状を傾斜させることで受光面の数を低減する構成例、あるいは受光素子を単一化する一方でレーザ光を偏向して受光素子で受光させるための偏向素子を備えた構成例も提案されており、これらの構成例では受光素子を簡略化する上では有効であるが、前者の場合には受光面のパターン形成が困難になり、後者の場合には偏向素子の構造が複雑化、大型化されることになり、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を図ることは依然として難しいものとなっている。
【0008】
本発明の目的は、レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための検出器を簡略化、小型化することにより、小型化及び低コスト化を実現したレーザ走査装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ光を発光するレーザ光源と、当該レーザ光を偏向して感光体に対して主走査する偏向走査手段と、偏向走査されるレーザ光を受光してレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための受光素子と、受光素子の前面に配置され主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズを備えている。
【0010】
例えば、センサレンズは、受光素子の受光面に対して主走査方向に傾斜した斜辺を有する三角形に形成される。また、センサレンズはレーザ光を受光素子に向けて主走査方向にのみ偏向する構成とされる。この場合には、センサレンズはシリンダレンズの一部で構成される。また、センサレンズはレーザ光を受光素子に向けて副走査方向にも偏向する構成とされる。この場合には、センサレンズは凸レンズの一部で構成される。
【0011】
本発明によれば、既存の受光素子の前面にセンサレンズを配置するだけでレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出することができるため、検出器の構造を簡略化でき、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態のレーザ走査装置の斜視構成図である。レーザ光源としてのレーザダイオード11から出射されたレーザ光LBは六角形をした多面反射鏡であるポリゴンミラー2に投射され、このポリゴンミラー2が回転軸2aの回りに水平方向に高速回転されることによってレーザ光LBは主走査方向(H方向)に偏向される。この偏向されたレーザ光LBはfθレンズ3によって偏向が調整され、等速状態で感光ドラム4の回転軸4aと平行な方向に走査され、その感光面に対して主走査される。また、感光ドラム4が回転軸4aの回りに回転されることで感光面に対して副走査方向(V方向)の走査が行われる。さらに、偏向されたレーザ光LBが感光ドラムに対して主走査される領域以外の偏向位置に反射ミラー5が配設されており、レーザ光LBはこの反射ミラー5により反射され、受光素子としてのフォトダイオード12で受光され、主走査方向の走査タイミング信号及び副走査方向のレーザ光の位置ずれ検出信号を得るようになっている。
【0013】
前記レーザダイオード11とフォトダイオード12は同一の基板上に組み付けられて一つの光源ユニット1として構成されている。図2はこの光源ユニット1の外観斜視図である。前記光源ユニット1は回路基板10に構築されており、この回路基板10は所要の配線パターンが形成された水平方向に長い長方形の配線回路基板として構成され、レーザ走査装置のベース部材16に設けられた支持片16aによって垂直状態に保持されている。前記レーザダイオード11は、図3(a),(b)に正面図と縦断面図を併せて示すように、円筒状をしたレーザダイオードケーシング13内にコリメートレンズ14と共に内装されており、レーザダイオード11から出射されたレーザ光がコリメートレンズ14で平行光束のレーザ光に整形された上で前記レーザダイオードケーシング13の頂面に設けられた出射窓13aから出射されるようになっている。前記レーザダイオード11は出射するレーザ光の光軸が前記レーザダイオードケーシング13の筒軸に一致する位置に内装固定される。また、前記レーザダイオードケーシング13内には図には現れないモニタ用フォトダイオードが一体的に内装されており、このモニタ用フォトダイオードは前記レーザダイオード11から出射されるレーザ光の一部を受光し、この受光により当該レーザ光の光強度を検出してレーザダイオード11の発光出力を制御するものであるが、ここではその詳細な説明は省略する。
【0014】
また、前記レーザダイオードケーシング13は前記回路基板10に対してフレキシブル配線15によって電気接続されており、回路基板10に対しては相対移動可能に構成される一方で、レーザ走査装置を構築しているベース部材16に設けられている支持ブロック17に固定支持されている。ここでは前記レーザダイオードケーシング13の両側面に一体に設けられた一対のフランジ13bにおいてネジ18により前記支持ブロック17に固定されているが、フランジ13bと支持ブロック17との間に板バネ19が介挿され、ネジ18の締めつけを調整することでレーザダイオードケーシング13を支持ブロック17に対して垂直方向に位置調整することが可能とされている。この位置調整によりレーザダイオード11の光軸は垂直方向、すなわち副走査方向に位置調整することが可能になる。
【0015】
前記フォトダイオード12は前記レーザダイオード11とは水平方向に所要の寸法離れた位置において前記回路基板10に固定的に搭載されている。図4(a)に外観斜視図を示すように、前記フォトダイオード12の受光面12aは垂直方向に長い縦長の太線形ないし長方形に形成されている。なお、この垂直方向の長さはレーザ光の副走査方向の位置ずれを調整するのに十分な長さに形成される。また、前記フォトダイオード12は前記回路基板10に電気的に接続されており、受光面12aにレーザ光が投射されたときに、前記回路基板10に設けられた信号処理回路20に所要の電気信号を出力するようになっている。
【0016】
さらに、前記フォトダイオード12の受光面12aの直前位置にはセンサレンズ21が配置され、前記回路基板10に立設されたステム22によって固定支持されている。前記センサレンズ21は前記反射ミラー5で反射されたレーザ光を集光するように偏向して前記受光面12aに投射するために設けられており、ここでは図4(b)に示すように、前記受光面12aの前面を覆うように配置され、シリンダ軸を垂直方向に向けるとともに集光点が前記受光面12aに一致されたシリンダレンズ21Aの一部を切り取った構成とされている。同図において点描した部分が切り取った部分である。また、前記センサレンズ21は、前記レーザ光の副走査方向である垂直方向の寸法は少なくとも前記受光面12aの垂直方向の寸法以上とされ、また前記レーザ光の主走査方向に対応する水平方向の寸法は上端部から下端部に向けて徐々に長くなるように水平方向である主走査方向に対してテーパ状に形成され、当該センサレンズ21の光軸方向から見たときに、二等辺三角形となるように形成されている。
【0017】
以上の構成によれば、図1に示したように、レーザダイオードケーシング13内のレーザダイオード11から出射されたレーザ光LBはコリメータレンズ14により平行光束とされた上で出射窓13aから出射され、ポリゴンミラー2に投射される。投射されたレーザ光LBは前述のようにポリゴンミラー2が回転されることによって偏向され、fθレンズ3を透過して感光ドラム4の感光面に主走査される。また、感光ドラム4の軸回り方向の回転により副走査され、これにより所望の画像が描画されることになる。
【0018】
fθレンズ3を透過したレーザ光は、感光ドラム4に走査される直前のタイミングにおいて反射ミラー5によって反射され、フォトダイオード12で受光される。フォトダイオード12ではレーザ光LBを受光したときの受光信号を信号処理回路20に出力し、この信号処理回路20において受光タイミング信号を生成するとともに副走査方向の位置ずれを検出する。前記受光タイミング信号はレーザ走査装置に入力されるビデオ信号との同期をとるための同期信号として生成されるもので、この同期信号によって同期がとられたビデオ信号に基づいてレーザダイオード11からのレーザ光LBを感光ドラム4に主走査する際の走査タイミングを取っている。また、副走査方向の位置ずれを検出することで、レーザダイオード11の副走査方向の位置調整を行うことが可能になる。
【0019】
図5及び図6は前記フォトダイオード12での受光タイミング信号及び副走査方向の位置ずれを検出する動作を説明するための図であり、図5はセンサレンズ21及びフォトダイオード12を上から見た図、図6はフォトダイオード12の受光面12aをセンサレンズ21を透して正面方向から見た図である。図5に示すように、レーザ光LBが主走査されながらセンサレンズ21に入射されると、レーザ光LBはセンサレンズ21によってフォトダイオード12の受光面12aに向けて主走査方向に沿って偏向されるため、センサレンズ21にレーザ光LBが入射される主走査の期間だけ受光面12aでの受光が行われてフォトダイオード12から受光信号が出力されることになる。
【0020】
このような主走査において、図6(a1)は、レーザ光LBの副走査方向に位置ずれが生じていない場合を示す図であり、前述のように感光ドラム4に対して走査されるレーザ光LBは反射ミラー5で反射された後、センサレンズ21及び受光面12aの垂直方向の走査位置V1において水平方向に主走査される。このとき、レーザ光LBはセンサレンズ21によって受光面12aに投射されるように主走査方向に偏向されるため、図6(a2)のように、受光面12aでは走査位置V1におけるセンサレンズ21の幅寸法W1だけレーザ光が走査する間の受光信号S1を出力する。
【0021】
一方、図6(b1)のように、レーザ光LBの副走査方向の位置が垂直上方向に位置ずれが生じているような場合には、受光面12aでは走査位置V2(=V1+Δd1)におけるセンサレンズ21の幅寸法W2だけレーザ光LBが走査する間の受光信号S2を出力する。センサレンズ21は前述のように上部の幅寸法が下部よりも小さくされているため、図6(b2)のように、受光信号S2の信号幅W2は受光信号S1の信号幅W1よりも短くなる。したがって、この信号幅の差ΔW=W1−W2に対応する垂直方向の長さΔd1だけ上方に副走査方向の位置ずれが生じていることが検出される。
【0022】
逆に、図6(c1)のように、レーザ光LBの副走査方向の位置が垂直下方向に位置ずれが生じているような場合には、受光面12aでは走査位置V3(=V1−Δd2)におけるセンサレンズ21の幅寸法W3だけレーザ光が走査する間の受光信号S3を出力する。センサレンズ21は前述のように下部の幅寸法が上部よりも大きくされているため、図6(c2)のように、受光信号S3の信号幅W3は受光信号S1の信号幅W1よりも長くなる。したがって、この信号幅の差ΔW=W1−W3に対応する垂直方向の長さΔd2だけ下方に副走査方向の位置ずれが生じていることが検出される。
【0023】
このようにしてフォトダイオード12から得られる受光信号の信号幅の差ΔWに基づいてレーザ光LB、すなわちレーザダイオード11の副走査位置が基準となる副走査位置から上側、あるいは下側にずれていることが検出できる。したがって、この検出結果に基づいて光源ユニット1のレーザダイオードケーシング13を固定しているネジ18を締緩して垂直方向に位置調整し、信号幅の差ΔWが0になるようにレーザダイオードケーシング13の高さ方向の位置調整を行えば、副走査方向の位置を補正することが可能になる。
【0024】
なお、フォトダイオード12で検出される受光信号S1,S2,S3から、当該受光信号の信号幅の中心位置を検出すれば、その受光タイミングを主走査方向の走査タイミング信号として得ることができる。この主走査方向の調整については、ここでは詳細な説明は省略するが、従来の技術を利用するのであれば、反射ミラー5の角度を調整することによってフォトダイオード12でのレーザ光LBの受光タイミングを変化させ、レーザダイオード11からのレーザ光LBを感光ドラム4に主走査する際の走査タイミングを取ることが可能である。あるいは、フォトダイオード12を回路基板10に対して水平方向に位置調整可能に構成しておき、この水平方向の位置調整によってフォトダイオード12での受光タイミングを変化させるようにしてもよい。
【0025】
ここで、前記実施形態ではセンサレンズを二等辺三角形に形成しているが、副走査方向に幅寸法が異なる形状のレンズとして構成されていれば、二等辺三角形に限定されるものではない。例えば、図7(a)に示す直角三角形、図7(b)に示す菱形、図7(c)に示す鼓形、さらには、図7(d)に示す楕円型等である。ただし、副走査方向に対称な形状の場合には、レーザ光が副走査方向の基準位置に対していずれの方向に位置ずれが生じているかを判定することが難しくなる。あるいは、図示は省略するが、副走査方向に階段状に幅寸法が異なる形成としてもよい。
【0026】
また、前記実施形態ではシリンダレンズの一部を利用してセンサレンズを構成しているが、レーザ光の副走査方向に幅寸法が相違するとともにいずれの副走査位置においてもレーザ光をフォトダイオードの受光パターン面に向けて偏向させる形状のレンズであれば、他のレンズで構成することも可能である。例えば、図8(a)は片凸レンズを利用してセンサレンズ23を構成した実施形態を示す図であり、図8(b)に示すように、片凸レンズ23Aの一部を半径に沿って二等辺三角形に切り落としてセンサレンズ23を構成したものである。このセンサレンズ23でも、図8(a)に示すように、レーザ光LBは主走査方向に偏向されてフォトダイオード12の受光面12bに投射されるため、副走査方向の位置の違いによって受光面12bで受光されるレーザ光の主走査方向の寸法が変化され、受光信号の信号幅が変化され、副走査方向の位置ずれを検出することが可能である。また、このセンサレンズ23では、レーザ光LBは垂直方向、すなわち副走査方向にも偏向されるため、フォトダイオード12の受光面12bを副走査方向に長く形成する必要はなく、前記実施形態に比較してフォトダイオード12を小さくすることが可能である。
【0027】
なお、前記各実施形態におけるセンサレンズは、必ずしもシリンダレンズや片凸レンズから切り出す必要はなく、図4(b)及び図8(b)の各レンズの点描部分を不透光部材でマスクすることで実質的に前記各センサレンズと同等の機能を有するレンズとして構成することも可能である。
【0028】
ここで、前記各実施形態は偏向走査されるレーザ光を反射ミラーで反射してフォトダイオードを受光する例を示しているが、ポリゴンミラーで反射されたレーザ光を直接フォトダイオードで受光する構成のレーザ走査装置に適用することも可能である。この場合、レーザ光をフォトダイオードに導くためにポリゴンミラーとフォトダイオードとの間にレーザ光の光軸を偏向させるためのプリズム等の光学手段を介在させるようにすればよい。
【0029】
また、前記実施形態では、一つのフォトダイオードで副走査方向の位置ずれと主走査方向の走査タイミング信号を検出するように構成しているが、両者を独立した受光素子でそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、偏向走査されるレーザ光を受光する受光素子の前面に、主走査されるレーザ光を受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、主走査方向の幅寸法が副走査方向で相違されるセンサレンズを配置するだけでレーザ光の副走査方向の位置ずれを検出することができ、レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための検出器の構造を簡略化でき、レーザ走査装置の小型化、低コスト化を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ走査装置の概略斜視構成図である。
【図2】光源ユニットの外観斜視図である。
【図3】光源ユニットをレーザ走査装置に組み付けた状態のレーザ光源の正面図と縦断面図である。
【図4】フォトダイオードとセンサレンズの外観図である。
【図5】副走査方向の位置ずれを検出する作用を説明するための上面図である。
【図6】副走査方向の位置ずれを検出する作用を説明するための正面図である。
【図7】センサレンズの変形例の正面図である。
【図8】本発明の他の実施形態のフォトダイオードとセンサレンズの外観図である。
【図9】従来のレーザ走査装置の一例の概略構成図である。
【図10】従来のレーザ走査装置における副走査方向の位置ずれを検出する検出器と検出作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光源ユニット
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 感光ドラム
5 反射ミラー
10 回路基板
11 レーザダイオード
12 フォトダイオード
13 レーザダイオードケーシング
20 信号処理回路
21,23 センサレンズ
LB レーザ光
Claims (9)
- レーザ光を発光するレーザ光源と、前記レーザ光を偏向して感光体に対して主走査する偏向走査手段と、前記偏向走査されるレーザ光を受光して前記レーザ光の副走査方向の位置ずれを検出するための受光素子と、前記受光素子の前面に配置され前記主走査されるレーザ光を前記受光素子に向けて主走査方向に偏向するとともに、前記主走査方向の幅寸法が前記副走査方向で相違するセンサレンズを備えていることを特徴とするレーザ走査装置。
- 前記センサレンズは、受光素子の受光面に対して主走査方向に傾斜した斜辺を有する三角形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査装置。
- 前記センサレンズは前記レーザ光を前記受光素子に向けて主走査方向にのみ偏向することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ走査装置。
- 前記センサレンズはシリンダレンズの一部で構成されることを特徴とする請求項3に記載のレーザ走査装置。
- 前記受光素子は前記センサレンズの副走査方向の長さに対応する副走査方向の長さの受光面を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のレーザ走査装置。
- 前記センサレンズは前記レーザ光を前記受光素子に向けて副走査方向にも偏向することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ走査装置。
- 前記センサレンズは凸レンズの一部で構成されることを特徴とする請求項6に記載のレーザ走査装置。
- 前記受光素子は前記レーザ光の主走査方向のタイミング信号を検出する受光素子を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のレーザ走査装置。
- 前記レーザ光源は副走査方向に光軸位置が調整可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ走査装置。
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