JP2004101992A - 画像読取装置 - Google Patents

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加藤 賢一
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Abstract

【課題】写真フィルムに撮影された画像の読取装置であって、読み取るコマのサイズに応じたマスクサイズの切り替えを、マスクの交換作業等を行うことなく自動的に行うことができ、しかも、マスクの切り替え時間が早く、部品点数も低減できる画像読取装置を提供する。
【解決手段】読取光の光源と、イメージセンサと、光源から出射されて写真フィルムを透過した画像を担持する透過光を、イメージセンサの受光面に結像する撮像光学系と、写真フィルムの画像読取領域に応じた画像表示を行うことで光透過領域を変更する、光源からイメージセンサに至る光路中に配置される透過型ディスプレイとを有することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムに撮影された画像等を光電的に読み取る画像読取装置の技術分野に属し、詳しくは、再生画像のプリントサイズ等に応じたマスクの交換作業を不要にした、作業効率が良好な画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ネガフィルム、リバーサルフィルム等の写真フィルム(以下、フィルムとする)に撮影された画像の感光材料(印画紙)への焼き付けは、フィルムの画像を感光材料に投影して露光する、いわゆる直接露光が主流である。
また、近年では、フィルムに記録された画像を光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル信号とした後、種々の画像処理を施して記録用の画像データとし、この画像データに応じて変調した記録光によって感光材料を露光してプリントとして出力するデジタルフォトプリンタも実用化されている。
【0003】
デジタルフォトプリンタによれば、フィルムに撮影された画像を光電的に読み取って、デジタルの画像データとして画像処理を行うので、非常に好適に色や濃度を補正できるばかりか、階調補正やシャープネス処理(鮮鋭度補正)等、通常の直接露光のプリンタでは基本的に不可能な画像処理を行って、高画質な画像を得ることができる。
また、デジタルフォトプリンタでは、プリントのみならず、画像データを画像ファイルとしてCD−RやHD(ハードディスク)等の記録媒体に出力することも行われている。
【0004】
このようなデジタルフォトプリンタにおいて、フィルムに撮影された画像を読み取るスキャナ(画像読取装置)は、例えば、エリアCCDセンサを用いるスキャナであれば、読み取るコマを所定位置に搬送した後、このコマに読取光を入射して、このコマ(フィルム)を透過した画像を担持する投影光を、結像レンズによってエリアCCDセンサの受光面に結像して、このコマの画像を光電的に読み取る。
このような画像読取を、R(赤)、G(緑)、およびB(青)の三原色の読取光で、順次、行うことにより、フィルムに撮影された画像を読み取る。
【0005】
ここで、135サイズのフィルムであれば、撮影されるコマ(画像)には、大きく分けて、フルサイズとハーフサイズとが有る。
さらに、フルサイズで撮影された画像から汎用的に作成されるプリントサイズとして、Cサイズ、Hサイズ、およびP(パノラマ)サイズの3種のプリントサイズが知られている。ここで、周知のように、Pサイズのプリントに対応するコマは、フィルムの幅方向(以下、幅方向とする)のサイズがCサイズの約半分で、幅方向の中央部に画像が撮影される。すなわち、Cサイズのコマと比べると、Pサイズのコマは、細長い形状の小型のサイズとなる。
【0006】
スキャナでの読み取り供されるフィルムでは、コマ(撮影領域)の外側は何も撮影されないフィルムベース濃度であるので、此処を通過した透過光は非常に光量が高い。そのため、この光が画像を担持する投影光に悪影響を与え、さらに迷光(フレア)の原因になってしまう。従って、スキャナにおいては、高精度な画像読み取りを行うためには、コマ以外を通過した光は遮光する必要がある。
これに応じてスキャナでは、特許文献1や特許文献2に示されるように、(フィルム)キャリアに装着されるマスクと呼ばれる遮光部品を用いて、コマのサイズ(再生画像)に対応する領域以外を遮光している。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−11774号公報
【特許文献2】
特開平7−168284号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、135サイズのフィルムにおいては、フルサイズとハーフサイズとにおける読み取り領域の違いは、フィルム長手方向の違いであり、C、HおよびPサイズによる読み取り領域の違いは、フィルムの幅方向の違いである。すなわち、両者では、読み取り領域の規制方向が異なる。
【0009】
C、HおよびPサイズに対応するマスクの切り替えは、非常に頻度が高いため、特許文献1や特許文献2に示されるように、モータで遮光板等を移動する可変マスクを用いて、コマサイズに応じて、逐次、マスクサイズ(マスクの開口部)を変更している。
そのため、装置の部品点数が増加すると共に、コマサイズに応じたマスクの切り替え時間が数十msecかかってしまい、スキャン処理するコマ数の増加すなわち生産性向上を阻害する要因となっている。
【0010】
他方、近年ではハーフサイズの画像は非常に稀であるため、通常はフルサイズ用の開口が固定のマスクを装填しておき、特許文献1に示されるように、ハーフサイズのコマを読み取る際に、フルサイズ用のマスクを取り外し、ハーフサイズ用のマスクに交換している。そのため、作業に手間がかかり、生産性低下の一因となっている。
C、HおよびPサイズに応じたマスクの切り替えのように、モータ等を用いてマスクを切り換えることもできるが、これでは、長手方向すなわちフィルムの搬送方向にマスクを切り換える必要があるため、フィルムの搬送性の確保が非常に難しい。さらに、作業性を考慮すれば、幅方向と長手方向の両方向にマスクサイズを切り換える必要があるため、装置がさらに複雑になってしまう。
【0011】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、(写真)フィルムに撮影された画像等を光電的に読み取る画像読取装置であって、フルサイズおよびハーフサイズ、ならびに、C、HおよびPサイズに対応するマスクサイズの切り替えを、固定的なマスクの交換作業等を行うことなく、かつ、機械的な移動も無しで、自動的に行うことができ、しかも、マスクの切り替え時間が早く、部品点数も低減できる画像読取装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、写真フィルムに読取光を入射する光源と、イメージセンサと、前記光源から出射されて写真フィルムを透過した画像を担持する透過光を、前記イメージセンサの受光面に結像する撮像光学系と、前記写真フィルムの画像読取領域に応じた画像表示を行うことで光透過領域を変更する、前記光源からイメージセンサに至る光路中に配置される透過型ディスプレイとを有することを特徴とする画像読取装置を提供する。
このような本発明の画像読取装置において、前記透過型ディスプレイが、必要に応じて、前記撮像光学系の調整のための画像を表示するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像読取装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0014】
図1に、本発明の画像読取装置を利用するデジタルフォトプリンタの一例のブロック図が示される。
図1に示されるデジタルフォトプリンタ10(以下、フォトプリンタ10とする)は、(写真)フィルムFに撮影された画像を光電的に読み取り、(写真)プリントとして出力するもので、基本的に、本発明の画像読取装置であるスキャナ12と、画像処理装置14と、プリンタ22とを有して構成される。また、画像処理装置14には、検定画像等を表示するモニタ18、および、入力指示等を行うための操作系20(キーボード20aおよびマウス20b)が接続される。
【0015】
スキャナ12は、フィルムFの各コマに撮影された画像を光電的に読み取る装置で、図2の概念図に示すように、光源24、ドライバ26、拡散ボックス28、キャリア30、結像レンズユニット32、読取部34、アンプ(増幅器)36、およびA/D(アナログ/デジタル)変換器38を有して構成される。
また、キャリア30には、本発明の特徴的な部材である、可変マスクとしての液晶ディスプレイ42が配置される。
【0016】
図示例のスキャナ12において、光源24は、LED(Light Emitting Diode)を利用するもので、R(赤)光、G(緑)光およびB(青)光の各可視光を出射する3種のLEDが配列されて構成される。このような光源24は、ドライバ26によって駆動され、R、GおよびBの各可視光が、順次、出射される。
なお、スキャナ12の光源24には、さらに、フィルムFに付着したゴミ等の異物や、フィルムFについた傷等を検出するための、IR(赤外)光を出射するLEDが配列されてもよい。
【0017】
拡散ボックス28は、フィルムFに入射する光を、フィルムFの面方向で均一にするものである。例えば、内面が鏡面になっている上下面が開放する四角柱と、この四角柱の上下面(あるいは、いずれか一方の面)を閉塞する光拡散板とから構成される。
【0018】
キャリア30は、フィルムFを断続的に搬送して、フィルムFに撮影された各コマ(各画像)を、順次、所定の読取位置に搬送/保持するもので、135サイズ用やAPS(IX240)用など、フィルムFのサイズや種類に応じた複数種が用意され、スキャナ12の本体に着脱自在に構成される。なお、キャリア30は、例えば135サイズとAPSなど、複数種のフィルムに対応するものであってもよい。
図示例のキャリア30は、一例として、本発明の効果が最も好適に発揮される、135サイズのフィルムFに対応するキャリアである。
【0019】
図示例において、キャリア30は、基本的に、搬送ローラ対40aおよび40bと、所定の読取位置において各コマの読取領域を規制するマスクとしての液晶ディスプレイ42と、フィルムFに対して液晶ディスプレイ42と逆面に配置される固定マスク44とを有して構成される。
【0020】
搬送ローラ対40aおよび40bは、公知の(写真)フィルム用の搬送ローラ対で、所定の読取位置をフィルムFの搬送方向に挟んで配置される。
図示例のスキャナ12は、エリアCCDセンサを用いて、面露光で画像読取を行うので、搬送ローラ対40aおよび40bは、フィルムFを長手方向(以下、長手方向、フィルムFの直交する方向を幅方向とする)に断続的に搬送することにより、フィルムFに撮影された各コマを1コマずつ、順次、読取位置に搬送する。
【0021】
固定マスク44は、読取位置に対応した開口を有する遮光性の枠体である。
固定マスク44は、フィルムFに撮影されたコマに対して光透過領域(読取領域)を正確に規制するものではなく、むしろ、フィルムFの下面を支持する搬送ガイド(図示省略)に、フィルムFを上方から軽く押圧することにより、フィルムFのカールを矯正して、かつ、1コマの全面を光軸方向の所定位置とする、押さえ部材の作用を有するものである。従って、固定マスク44は、最大サイズであるCサイズのコマサイズに応じて、コマ(画像)領域を遮光しない、固定された開口を有する。
【0022】
液晶ディスプレイ42は、表示面を結像レンズユニット32の光軸(以下、光軸とする)と直交して配置される、公知の透過型のモノクロ液晶ディスプレイで、読み取るコマのコマサイズに応じて表示画像を変更して、読取位置に対応する光軸を中心とする光透過領域と、それ以外の読取光通過領域を遮光する遮光領域とによるマスクを形成する、可変マスクとして作用するものである。
【0023】
具体的には、図示例の135サイズのフィルムFであれば、フィルムFに撮影されたコマがフルサイズかハーフサイズか、さらに、フルサイズである場合には、読み取るコマが、プリントシステム10が出力するプリントサイズ(C、HおよびPサイズ)に応じた、いずれのサイズのコマであるかに応じて、表示画像によるマスクを変更する。
【0024】
この液晶ディスプレイ42のマスクサイズ(光透過領域のサイズ)は、フィルム位置での読取光透過領域サイズ(すなわち、フィルムFに入射する読取光のサイズ)が適正となるように、光学系の入射瞳までの距離と瞳径、さらに、フィルムFから液晶ディスプレイ42までの距離に応じて、適宜決定されるものであり、すなわち、スキャナ12の構成や機種等に応じた固有の値となる。
一例として、135サイズのフルサイズにおいて、Cサイズのコマであれば、長手方向×幅方向で35.9mm×24.8mmの光軸を中心とする矩形がフィルムFの位置における光透過領域となり、それ以外の読取光の通過領域を全面的に遮光する画像を表示する。以下同様に、Hサイズであれば35.9mm×21.0mmがフィルム位置における光通過領域、Pサイズであれば35.9mm×13.7mmがフィルム位置における光通過領域となり、それ以外を遮光する画像を表示する。
さらに、ハーフサイズのコマであれば、光軸を中心とする長手方向×幅方向で23.4mm×16.8mmがフィルムFの位置における光透過領域となり、それ以外を全面的に遮光する画像を表示する。
【0025】
なお、コマサイズ(プリントサイズ)の検出方法は、公知の方法が各種利用可能である。
例えば、キャリア30において、読取位置のフィルム搬送方向の上流に光学センサを配置して、フィルムFの透過光量から撮影領域を検出することでコマサイズを検出する方法や、キーボード20aやマウス20bによるオペレータの入力指示を利用して検出する方法が例示される。また、トリミング等に対応して、マスクサイズをオペレータが入力指示できるようにしてもよい。
【0026】
従来のスキャナにおいては、適正な画像読取を行うために、コマサイズに応じてマスクを交換し、また、遮光板を移動する可変マスクを用いてコマサイズに応じてマスクサイズの変更を行っている。
そのため、作業に手間がかかり、また、部品点数増や処理コマ数向上の阻害要因ともなっているのは、前述のとおりである。
【0027】
これに対し、本発明のスキャナ12では、コマサイズ(画像再生領域)に応じてマスクサイズ(開口=読取領域)を変更する可変マスクとして、液晶ディスプレイ42等の透過型ディスプレイを利用して、表示画像の変更によって、遮光領域と光透過領域すなわちマスクサイズを変更する。
従って、本発明によれば、幅方向および長手方向のいずれにも容易にマスクサイズを変更でき、すなわち、オペレータがマスクの交換作業等を行う必要なく、自動的にマスクサイズを変更できるので、作業効率を向上できる。また、画像表示によるマスクサイズの変更を行うので、機械的な部品点数を大幅に低減でき、さらに、マスクサイズの切り替え時間も短縮して、生産性を向上できる。
【0028】
本発明のスキャナ12において、液晶ディスプレイ42は、十分な遮光能力を有するものであれば、公知の透過型の液晶ディスプレイが利用可能である。一例として、2枚のガラス基板の間に液晶を充填してなる液晶層を有し、両ガラス基板の液晶層の逆面に、偏光板を配置した構成を有する、一般的な液晶ディスプレイ(液晶表示パネル)が例示される。
従って、液晶の種類、液晶セル、TFT(Tin Film Transister)などの駆動手段(スイッチング素子)、ブラックマトリクス等には限定はない。また、動作モードも、TN(Twisted Nematic) モード、STN(Super Twisted Nematic) モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence) モード、IPS(In−Plane Swiching) モード、 super−IPSモード、MVA(Multidomaoin Vertical Alignement)モード等の全ての動作モードが利用可能である。
【0029】
本発明において、透過型ディスプレイは、図示例の透過型のモノクロ液晶ディスプレイに限定はされず、いわゆるバックライトを利用して、透過光により画像を表示するディスプレイであれば、各種のものが利用可能である。なお、本発明においては、透過型ディスプレイのバックライトは不要であるのは、もちろんである。
【0030】
本発明のスキャナ12においては、液晶ディスプレイ42(透過型ディスプレイ)は、コマサイズに応じた可変マスクとして作用するのみならず、例えば、所定の図形(格子状やドット状のチャートなど)を表示して、光軸調整などの結像レンズユニット32(撮像光学系)の調整に利用してもよい。
【0031】
このような調整は、通常、チャートを記録したガラス板等の治具チャートを用い、調整時に、スキャナ12の読取位置に治具チャートを装着して行う。
これに対し、上記態様によれば、治具チャートを不要にできるので、コスト削減を図れると共に、サービスマンは治具チャートを持たなくても、市場でスキャナ12の調整や確認を行うことができる。また、調整時の治具チャート装填が不要になり、調整の作業性も向上できる。さらに、スキャナ12(あるいは、画像処理装置14)に解析手段を持たせることにより、自動でチャートを用いた自己判断を行うこともできる。
【0032】
なお、可変マスクである液晶ディスプレイ42によってチャート等を表示する本発明においては、装置構成によっては、読取位置と、チャートの表示位置とが光軸方向に異なってしまう。しかしながら、当然、この光軸方向のズレ量は時前に知見できるので、これに対応する補正値等を予め算出しておき、測定データの補正等を行えばよい。
【0033】
キャリア30において、コマサイズに応じて開口を調整した液晶ディスプレイ42を通過し、次いで、読取位置に位置されたコマを通過した光(画像を担持する投影光)は、結像レンズユニット32に入射する。結像レンズユニット32は、フィルムFの投影光を読取部34の所定位置(イメージセンサの受光面)に結像するものである。
読取部34は、エリアCCDセンサを用いて、フィルムFに撮影された画像を光電的に読み取るもので、キャリア30のマスク42で規制された1コマの全面を読み取る(面露光による画像読取)。
【0034】
読取部34からの出力データは、アンプ36で増幅され、A/D変換器38によってデジタルのデータに変換されて、画像処理装置14に出力される。
【0035】
このようなスキャナ12において、フィルムFを読み取る際には、まず、キャリア30によってフィルムFを搬送し、読み取りを行うコマ(通常は、1コマ目か最終コマ)を読取位置に搬送する。
また、このコマのコマサイズが判別した時点で、液晶ディスプレイ42は、このコマサイズに応じたマスクとなる画像を表示する。例えば、Cサイズであれば、前述のように、光軸を中心とする長手方向×幅方向で35.9mm×24.8mmが、フィルムFの位置における光透過領域となり、それ以外を遮光する画像を表示する。
【0036】
次いで、ドライバ26による作用の下、例えば、光源24のRのLEDを駆動して、R光を出射する。R光は、拡散ボックス28によってフィルムFの面方向で光量を均一にされた後、液晶ディスプレイ42を通過して読取位置に入射して、此処に保持されるコマに入射、透過して、このコマに撮影された画像を担持する投影光となる。この投影光は、結像レンズユニット32によって読取部34の所定位置(エリアCCDセンサの受光面)に結像され、このコマのR画像が光電的に読み取られる。
読取部34からの出力データは、アンプ36で増幅され、A/D変換器38によってデジタルのデータに変換されて、画像処理装置14に出力される。
【0037】
次いで、同様にして、光源24のGおよびBのLEDを、順次、発光して、このコマのG画像およびB画像の読み取りを行う。
【0038】
ここで、プリントシステム10においては、通常、1コマにつき、プリント等の出力のために高解像度で画像を読み取るファインスキャンと、ファインスキャンの読取条件やデータ処理部14における画像処理条件を決定するために、ファインスキャンに先立って行われる、低解像度での画像読取であるプレスキャンとの、2回の画像読取が行われる。
この際において、プレスキャンとファインスキャンとでは、液晶ディスプレイ42によるマスクサイズは同一でもよく、あるいは、プレスキャンの際には、DXコード等を読み取るために幅方向のマスクサイズは最大にして、ファインスキャンの際のみにコマサイズに応じてマスクサイズを変更してもよい。
【0039】
1コマの読み取りを終了したら、キャリア30は、フィルムFを搬送して、次に読み取りを行うコマを読取位置に搬送し、同様にして、このコマの画像の読み取りを行う。
【0040】
前述のように、スキャナ12から出力されたデジタルの画像信号は、画像処理装置14に出力される。
画像処理装置14は、スキャナ12が読み取った画像信号に、DCオフセット補正、暗時補正、シェーディング補正等の所定の補正を施す。次いで、補正した信号にLog変換を行ってデジタルの画像データ(濃度データ)とし、この画像データに、電子変倍処理(拡縮処理)、階調変換、色/濃度補正、シャープネス処理、覆い焼き処理(画像濃度ダイナミックレンジの圧縮処理)などの各種の画像処理を施す。さらに、画像処理済みの画像データを、三次元ルックアップテーブル等を用いて変換して、画像データをプリンタ22による画像記録に対応する画像データとして、プリンタ22に出力する。
【0041】
なお、プリントシステム10においては、画像補正部54で処理した可視像データを各種の画像フォーマット、例えばJPEGのフォーマットの画像ファイルに変換して、画像ファイルとしてCD−RやMD(ミニディスク)等の記録媒体に出力してもよく、また、プリントと画像ファイルの両方を出力してもよい。
【0042】
プリンタ22は、公知のカラープリンタで、例えば、供給されたR、GおよびBの画像データに応じて変調したレーザビームによって、印画紙を二次元的に走査露光して潜像を記録し、露光済の感光材料に、現像/定着/水洗の湿式現像処理を施して潜像を顕像化した後、乾燥して、プリントとして出力する。
【0043】
以上、本発明の画像読取装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0044】
例えば、図示例では、135サイズのフィルムFで、かつ、C、HおよびPサイズのコマを例に説明を行ったが、本発明は、これ以外にも、APSやブローニサイズのフィルム等にも利用可能であり、また、キャビネサイズや六つ切サイズ等の各種のサイズのプリントに対応するコマにも利用可能である。
【0045】
また、図示例では、コマサイズ(読取領域)に応じた可変マスクとして作用する液晶ディスプレイ42(透過型ディスプレイ)は、キャリア30に装着されているが、本発明は、これに限定はされず、光源24から読取部34に至る光路中であれば、各種の場所に配置されてもよい。
但し、マスクとしての作用は、フィルムFに近接した方が好ましく、さらに、チャートとして作用させる場合には、フィルムFと光学的に同位置に配置するのが好ましいので、キャリアを有するスキャナであれば、最もフィルムFに近接できるキャリアに配置するのが好ましい。
【0046】
さらに、図示例では、スキャナ12は、3色の光を出射するLEDを読取光源として用いたが、これ以外にも、ハロゲンランプ等の白色光源を用いると共に、拡散ボックス28の上流にR、G、およびB(あるいはさらにIR)のフィルタ挿入手段を設け、各フィルタを、順次、挿入して読み取りを行うことにより、フィルムFに撮影された画像を三原色に分解して読み取るものであってもよい。
あるいは、白色光源と、R、G、およびB(あるいはさらにIR)の画像を読み取るラインCCDセンサを用い、フィルムFを長手方向に連続的に搬送しつつ読み取りを行う、いわゆるスリット走査によって、フィルムに撮影された画像を読み取るものであってもよい。なお、この際においては、マスクサイズの調整は、基本的に、幅方向のみでよい。
【0047】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の画像読取装置によれば、写真フィルムに撮影された画像の読み取りに際し、フルサイズおよびハーフサイズ、ならびに、C、HおよびPサイズに対応するマスクの切り替えを、マスクの交換作業等を歩うことなく自動的に、かつ、機械的な移動等がなく迅速に行うことができるので、作業性や生産性を向上でき、しかも、部品点数も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置を利用するデジタルプリントシステムの一例のブロック図である。
【図2】図1に示されるデジタルフォトプリントシステムのスキャナの概念図である。
【符号の説明】
10 (デジタルフォト)プリントシステム
12 スキャナ
14 画像処理部
18 モニタ
20 操作系
22 プリンタ
24 光源
26 ドライバ
28 拡散ボックス
30 キャリア
32 結像レンズユニット
34 読取部
36 アンプ
38 A/D変換器
40 搬送ローラ対
42 液晶ディスプレイ
44 固定マスク

Claims (2)

  1. 写真フィルムに読取光を入射する光源と、イメージセンサと、前記光源から出射されて写真フィルムを透過した画像を担持する透過光を、前記イメージセンサの受光面に結像する撮像光学系と、前記写真フィルムの画像読取領域に応じた画像表示を行うことで光透過領域を変更する、前記光源からイメージセンサに至る光路中に配置される透過型ディスプレイとを有することを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記透過型ディスプレイが、必要に応じて、前記撮像光学系の調整のための画像を表示する請求項1に記載の画像読取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017151639A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 大日本印刷株式会社 書類撮像装置、書類撮像方法、および、書類撮像装置用のプログラム
JP2019153357A (ja) * 2019-06-25 2019-09-12 大日本印刷株式会社 書類撮像装置、書類撮像方法、および、書類撮像装置用のプログラム

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