JP2004100809A - 耐熱性シール部材 - Google Patents
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Abstract
【目的】熱劣化の問題点が発生しがたく、交換が必要なシール部材やパッキンに適用でき、さらには、耐熱性の向上も期待できるシール部材を提供すること。
【構成】非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)して製造する耐熱シール部材。そして、ポリイミド系粉末が、ソフトセグメントを主鎖中にもつジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を含む組成物から調製する。
【選択図】 なし
【構成】非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)して製造する耐熱シール部材。そして、ポリイミド系粉末が、ソフトセグメントを主鎖中にもつジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を含む組成物から調製する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、高温下で使用される応用電子機器や炭酸ガスを冷媒とする冷却回路等に好適なシール部材に関する。
【0002】
高温下で使用される応用電子機器としては、各種ガスセンサ、セラミックヒータ、グロープラグ等を挙げることができる。また、シール部材としては、各種ガスケット(静止隣接部分封止用)、パッキン(滑り運動部位封止用)、グロメット(リード線封止部材)等を挙げることができる。
【0003】
ここでは、リード線封止部材を主として例に採り、説明するがこれに限られるものではない。
【0004】
【背景技術】
自動車用酸素センサを始めとするガスセンサは、一般に約250〜300℃の高温環境下で使用され、ガスケットやグロメット等のシール部材には、大きな熱負荷が作用する。
【0005】
このため、これらのシール部材は、弾性が要求される場合は、フッ素系ゴム配合物で形成されていた。(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
他方、上記ゴムでは熱劣化の問題が発生し易いため、フッ素系樹脂やポリイミド樹脂でグロメット成形体を熱融着させたリード線封止構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、これらの樹脂は、熱可塑性樹脂で必ずしも耐熱性が十分とはいえず熱劣化の問題が発生し易く、また、熱融着を前提とするため、微小隙間を埋める程度にしか適用できず、かつ、交換が必要なシール部材やパッキン等としての適用は困難視されていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−192482
【特許文献2】
特開2001−242128
【0009】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、耐熱性に優れ熱劣化の問題点が発生し難く、非微小隙間への適用も可能で、さらには、交換が必要なガスケットやパッキン等への適用も可能なシール材を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、上記目的(課題)を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、非熱可塑性のポリイミドエラストマーでこれらのシール部材を成形することにより、上記課題が解決できることを知見して、下記構成の耐熱性シール部材に想到した。
【0011】
耐熱性シール部材が、非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)されてなることを特徴とする。
【0012】
シール部材を、非熱可塑性のポリイミド系粉末で成形するため、従来の如く熱可塑性のポリイミド系成形体で形成する場合に比して、シール部材が耐熱性に優れて熱劣化の問題が発生し難くなることが期待できる。また、融着を前提とせず、焼結成形でシール部材を製造するため、非微小隙間へも適用可能で、かつ、交換が必要なガスケットやパッキン等にも適用できる。
【0013】
前記ポリイミド系粉末としては、ジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)から調製されたものであって、
前記ジアミンが、芳香族の低分子量ジアミンとともにソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンを含むものであることが望ましい。
【0014】
ジアミンとして、通常のポリアミック酸に使用する低分子量ジアミンとともに、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンを使用することにより、エラストマー弾性を付与でき、シール性能の向上も期待できる。
【0015】
上記構成において、通常、低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=1/9〜9/1の範囲で、所要物性に応じて適宜設定する。
【0016】
また、高分子量ジアミンとしては、▲1▼ソフトセグメントがジメチルポリシロキサンであるアミノ変性ジメチルポリシロキサン、又は▲2▼ソフトセグメントがポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシドのいずれかから選択される1種又は2種以上のポリアルキレンオキシドであるアミノ変性ポリアルキレンオキシドとするが、アミノ変性ジメチルポリシロキサンが、耐熱性及び耐候性の見地から望ましい。
【0017】
上記高分子量ジアミンとしてアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合は、通常、平均分子量(Mn)500〜10000とする。そして、当該分子量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合、低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのモル混合比は前者/後者=3/7〜8/2の範囲が、焼結成形品が得易いとともにシール部材としての特性も得易い。
【0018】
上記各構成において、ポリイミド系粉末が、ポリアミック酸に、さらに、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルとを添加反応させた組成物から調製されたものを使用することが望ましい。シラノールゾルを添加反応させた場合は、ガラス転移点の低下によりエラストマー弾性域が低温側に広がるとともに、弾性率が高くなることを、本発明者らは確認している(特願2001−65128
【0047】参照)。
【0019】
なお、本発明のシール部材に使用するポリイミド系粉末は、上記構成に限られず、上位概念の技術的思想として表現すると下記構成となる。
【0020】
二酸無水物に開環付加反応する含窒素官能基を備えた二官能化合物を二酸無水物に開環付加反応させて得られるポリイミド前駆体から調製されたものであって、
二官能化合物が、低分子量二官能化合物と、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量二官能化合物であることを特徴とするポリイミド系粉末。
【0021】
当該構成に含まれるポリイミド粉末の前記以外の態様としては、低分子量二官能化合物をジアミンとし、高分子量二官能化合物がジアミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウレアとするものを挙げることができる。
【0022】
【構成の詳細な説明】
以下、本発明の耐熱性シール部材について、詳細に説明をする。
【0023】
図1に本発明のシール部材(エラストマーブッシュ)を適用する酸素センサ1の一例を示す。
【0024】
酸素センサ1は、基本的に、筒状のハウジング(本体ケース)2と、該ハウジング2内に収納された酸素検出素子3と、酸素検出素子3の中空部内に挿入されるヒータ4とを有した構成である。
【0025】
ヒータ4は、素子センシング部3aを作動温度域まで加熱する作用を担い、素子センシング部3aは、ハウジング2の下部を構成する金属保護カバー2aに覆われている。また、酸素検査素子3は、ハウジング2に絶縁されて固定され、排出ガスの大気側電極へのリ−クを防止するように構成されるとともに、酸素センサ1内の雨水の侵入を防止するためにエラストマーブッシュ6を装着してシール性を強化し、さらに通気性を確保している。エラストマーブッシュ6の下方に配置されたセラミックセパレータ9内にリード線7に接続された端子10が配置されてヒータ4に接続されている。
【0026】
本発明では、上記エラストマーブッシュ6を、非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)するものである。
【0027】
ここで、ポリイミド系粉末は、平均粒径500μm以下のものを使用可能であるが、通常、平均粒径5〜150μm、さらに望ましくは平均粒径50μm前後のものを使用可能である。粉末粒径が過小であると、取り扱いが困難となる傾向にあり、逆に過大であると焼結成形体に粒界が発現し易くなる。この粒界の発現は、成形体の耐摩耗性や曲げ強度等の機械的特性の低下を生じやすく望ましくない。
【0028】
また、加熱圧縮成形の条件は、ポリイミド系材料の種類・粒径、エラストマーブッシュ(シール部材)により異なるが、例えば、20mmφ×6mmtの成形品を得ようとする場合、図2に示すような加圧成形型を用いて、下記のような条件で行う。
【0029】
加圧成形型は、中央に受けダイ12を備えた底盤14と、受けダイ12に嵌合セットされる賦形空間15を備えた中間ダイ16と、中間ダイ16の賦形空間16に摺動する押圧ダイ18を備えたプレス盤20とからなる。
【0030】
例えば、受けダイ12と中間ダイ16とで構成される製品キャビティ22に所定量の非熱可塑性ポリイミド系粉末を充填後、予備プレス成形(30MPa×27℃×1min)→本成形(30MPa×360℃×20min)→徐冷(30MPa×15min)→脱型→熱処理(250℃(昇温時間1h)×15min)の各工程を経て成形品を得る。
【0031】
なお、必要により、上記非熱可塑性ポリイミド系粉末には、適宜、成形材料全体において、0.5〜20質量%、望ましくは、1〜10質量%の量の熱可塑性ポリイミド系粉末を混合して成形材料としてもよい。耐熱性は若干低下するが焼結成形が容易となる。
【0032】
そして、上記ポリイミド系粉末としては、▲1▼ジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)に、適宜、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものにおいて、ジアミンとして、低分子量ジアミンとソフトセグメントを主鎖中に高分子量ジアミンとを含むもの、又は、
▲2▼二酸無水物に開環付加反応する含窒素官能基を備えた二官能化合物を二酸無水物に開環付加反応させて得られるポリイミド前駆体に、適宜、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものにおいて、二官能化合物が、低分子量二官能化合物(ジアミン)と、高分子量二官能化合物(ジアミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウレア)とを含むものとする。
【0033】
▲1▼ポリイミド前駆体がポリアミック酸である場合:
ここでポリアミック酸とは、ジアミンと二酸無水物とが開環付加反応して酸無水物が開環して形成されるアミド基とカルボキシル基とを有する物質のことをいう。
【0034】
なお、シラノールゾルを添加反応させる場合には、ポリアミック酸とシラノールゾルとが反応することにより、ポリアミック酸中のアミド基とカルボキシル基とが反応して閉環してイミド基を形成すると共に、一部のカルボキシル基がシラノールゾルと結合してポリイミド中にシラノールが取り込まれてシロキサン結合をもつハイブリッドポリイミド組成物となる。このハイブリッドポリイミド組成物は、フィルム状に成形するとシラノールの含まない場合と同様に淡い褐色透明になり、シラノールがポリマー中に均一に分散していることを示す。
【0035】
本実施形態では、シール部材のエラストマー弾性を得るために、ジアミンとして、低分子量ジアミンとともに、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンとを併用する。
【0036】
ここで、ソフトセグメントを主鎖中にもつとは、主鎖全体が屈曲性を有する重合体からなるもの、または、ソフトセグメント主体のものをいう。また、高分子量ジアミンにおいては、平均官能基数が略2であれば、多少のモノアミン、トリアミン化合物が含まれていてもよい。
【0037】
両者のモル混合比は、ジアミンの種類、ソフトセグメントの種類、高分子量ジアミンの分子量により異なるが、前者/後者=1/9〜9/1の範囲で要求弾性特性及び焼結成形性などの見地から適宜選定する。
【0038】
ここで、低分子量ジアミン(モノマー型ジアミン:低分子量二官能化合物)としては、4、4´−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、ジアミノトルエン、オキシジアニリン、等の芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルエーテル等の脂肪族ジアミンから1種又は2種以上を選択して使用可能である。こららのうちで、芳香族ジアミンから又は主体とすることが耐熱性の見地から望ましい。
【0039】
そしてソフトセグメント(軟質ポリマー部)を有する高分子量ジアミン(両端アミノポリマー)としては、具体的には、両末端にアミノ結合もつアミノ変性ポリアルキレンオキシドや下記構造式で示されるアミノ変性ジメチルポリシロキサンを用いることが望ましい。
【0040】
特に、平均分子量(Mn):500〜10000、さらには、600〜4000、特に800〜2000のアミノ変性ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)を使用することが望ましい。Mnが過小では、ポリジメチルシロキサンが、重合数が少なくてソフトセグメント作用を奏し難い。また、Mnが過大では、二酸無水物と低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとの反応性に大きな差が発生し易く、均一なポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を得がたい。
【0041】
【化1】
当該分子量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合、低分子量ジアミンと前記高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=3/7〜8/2であることが望ましく、さらには、4/6〜7/3が望ましい。シール部材に要求されるエラストマー特性と焼結成形性の見地からである。
【0042】
上記二酸無水物としては、ピロメリット酸、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸無水物、さらには、シクロテトラブタンカルボン酸二無水物から1種又は2種以上を選択して使用できる。
【0043】
そして、上記低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのジアミン混合物を二酸無水物(テトラカルボン酸無水物)と、当量反応(モル比:前者/後者=2/1)させてポリアミック酸とする。
【0044】
ポリアミック酸の合成は、好ましくは当モル(当量)の両末端にアミノ基を有する化合物(ジアミン)と芳香族テトラカルボン酸の二無水物とを縮合反応(等モル:当量反応)させると、酸無水物が開環して分子量がおよそ7000〜200000程度のポリアミック酸を形成する。この間環付加反応は脱水された極性の溶媒中(たとえばN−メチルピロリドン:以下NMPと略称する)で加熱して行うことが好ましい。NMPのような極性溶媒中で反応を行うことで生成物が溶液に可溶性となり、また、シラノールゾルとの反応が溶液中で容易にできるために好ましい。
【0045】
このポリアミック酸の形成反応は、不活性ガス雰囲気で反応溶液の粘度を考慮して反応物の濃度、および温度を適宜選択して2〜20h程度の条件で行うのが好ましい。
【0046】
なお、シラノールゾル液の合成は、ケイ酸塩、例えば、室温下で水ガラスの水溶液に硫酸などの鉱酸を添加してpHを7以下の酸性側(例えば、pH=2〜3)にして得られるシラノールゾルを、例えばテトラヒド口フランなどの極性溶媒で抽出して得られる溶液を使用する。シラノールの溶媒抽出は、その抽出効率を高めるために反応液を塩析することが好ましい。このシラノールゾルは、ゾルーゲル法が適用されるアルコキシシランの様に高価なケイ素誘導体を用いること無く容易に形成できる。
【0047】
そしてポリアミック酸に対するシラノールゾルの添加反応は、熱重合反応させて結合を形成する。この反応の際には、カップリング剤を存在させるとシラノールゾルがより容易に結合する。
【0048】
この熱重合反応は、140〜230℃で2〜24hの条件で行うのが好ましい。例えば150℃で少なぐとも1h行い、その後、減圧下で、例えば200゜Cで4時間以上加熱すると、溶媒が除去されてボリマー組成物が得られる。
【0049】
この熱重合反応は、脱水によりアミド基がイミド基を形成する反応であるので、脱水処理した溶媒中で行うことが好ましい。この熱重合反応では、ポリアミ
ック酸は閉環してイミド結合を形成すると共にカルボキシル基の一部はグラフト重合体のようにシロキサン結合がボリマー中に均一に分散したポリイミド組成物が得られる。
【0050】
なお、シラノールゾルを反応させた場合のシロキサンの量は、0.1〜30質量%、望ましくは10質量%以下の範囲とする。シロキサン比率が高くなると、シール部材にエラストマー弾性を得難くなる。
【0051】
なお、熱重合反応後、反応に使用した溶媒を減圧で除去する際、湿式成形の手段を利用すると透明なフィルムが形成できる。
【0052】
シラノールゾルを添加反応させる場合に使用するカップリング剤としては、カルボキシル基およびシラノールと反応する基を持つものが好ましい。たとえば、ビス(メトキシシリルプ口ピル)アミン(A−1170 日本ユ二カ(株)製)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A−1100 日本ユ二カ(株)製)、γ−グリシドキシプロビルメトキシシラン(A−187 日本ユ二カ(株)製)などが利用できる。このカップリング剤は、ポリアミック酸に対して、結合させるシラノールゾル量との比率にもよるが0.01〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0053】
また、カップリング剤はポリアミック酸に対して、シラノールゾルを混合する前に添加しておくことが好ましい。このカップリング剤の存在によりシロキサン結合がポリイミド中に確実に形成できる。
【0054】
ポリアミック酸の熱重合反応に用いる溶媒としては、ポリアミック酸、シラノールゾルを溶解する有機溶媒であれば利用できるがNMP(N−メチルピロリドン)の使用が好ましい。
【0055】
▲2▼ポリイミド前駆体が、低分子量ジアミン(低分子量二官能化合物)とともにボリウレア(ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量二官能化合物)と二酸無水物と反応させて得られるものの場合:
本実施形態は、上記において高分子量ジアミンの代わりにポリウレア(含窒素官能基を備えた二官能化合物)を使用する以外は、上記と同様である。
【0056】
すなわち、ソフトセグメントを上記低分子量ジアミンと二酸無水物は、それぞれ前述のものを使用する。
【0057】
また、ボリウレアと二酸無水物との反応では、炭酸ガスが発生しイミド基、アミド基およびカルボキシル基をもつポリイミド前駆体が生成する。
【0058】
なお、このポリイミド前駆体と前記のシラノールゾルとを反応させる場合は、ポリイミド前駆体はアミド基が消失してイミド基およびシラノールと結合したシロキサン結合をもつポリイミド組成物となる。このポリイミド組成物は、ポリウレアを経由しない、ポリアミック酸を経由したシロキサン結合を有するボリマーとほぼ同じ性質を示す。すなわち、フィルム状に成形するとシラノールの含まない場合と同様に淡い褐色透明になり、シラノールがポリマー中に均一に分散していることを示す。
【0059】
本発明のポリイミド系粉末は、前記のポリアミック酸を経由せずに予めボリウレアを形成し、このボリウレアと二酸無水物とを反応させてポリイミド前駆体を形成した後、シラノールゾルと熱重合反応させても同様にシロキサン結合を含有する組成物から調製してもよい。
【0060】
すなわち、ジアミンとジイソシアネートとを付加反応させてポリウレアを形成する工程と、前記ボリウレアと二酸無水物とを反応させてイミド基とアミド酸を有するポリイミド前駆体を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシラノールゾル液を形成する工程とでポリイミド前駆体を調製し、適宜、該ポリイミド前駆体に前記シラノールゾルを添加反応(熱重合反応)させてポリイミド組成物を形成する。
【0061】
上記ボリウレアを形成する工程は、ウレア結合を形成する常法である当モルのジアミンとジイソシアネートとを付加反応させてボリウレアを形成する。
【0062】
ジアミンは、通常、前述の低分子量ジアミンを利用できる。
【0063】
ジイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジュレンイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、5−t−ブチルー1,3−キシリレンジイソシアネート、1,6−へキサメチレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルイソプ口ピリデンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネートなどが挙げられ、これらはポリイミド鎖の硬直さを考慮して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0064】
ポリイミド前駆体を合成する工程は、低分子量ジアミンとともに得られたポリウレアと二酸無水物との反応は、低分子量ジアミン及びポリウレア中の窒素と当量の酸無水物基と混合して、135〜170℃で2〜8hの条件で行うのが好ましい。例えば165℃で5h程度加熱することで合成でき、この反応ではポリウレタンのウレア結合が分解して、炭酸ガスを発生してイミド基とアミド基、カルボキシル基を有するポリイミド前駆体が形成される。このポリイミド前駆体の平均分子量は、およそ7000〜200000程度である。
【0065】
上記で得たポリイミド前駆体とシラノールゾルとを熱重合反応させる場合は、ポリイミド前駆体は、アミド基がカルポキシル基と閉環反応してイミド化するともにシラノールがカルボキシル基の一部と結合して、シロキサン結合をもつハイブリッド化したポリイミド組成物が得られる。
【0066】
ハイブリッドイミド組成物を形成する工程は、前記ポリアミック酸の場合と同様、シラノールゾルと好ましくはカップリング剤の存在下で加熱して重合反応させる。この熱重合反応は、140〜230℃×2〜24hの条件で行う。例えば、150℃(常圧下)で少なくとも1h行い、その後、減圧下で、例えば200℃×4h以上の条件で加熱すると、溶媒が除去されてポリマー組成物を得ることができる。
【0067】
ポリアミック酸又はポリイミド前駆体に対するシラノールゾルの比率は、前述の通りとする。
【0068】
【試験例】
次に、本発明のポリイミド前駆体の材料化可能性を確認するために行った試験例について説明をする。
【0069】
<試験例1>
下記処方に従って、ポリアミック酸を合成した。
【0070】
▲1▼まず、下記各量の各化合物を計量してセパラブルフラスコに仕込んで攪拌する。
【0071】
MDA(M:198) :7.339g(0.037mol)
アミノ変性ポリジメチルシロキサン(Mn:1000):18.533g(0.0185mol)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP) :55.4g
均一になったところで、さらにNMP:33.3gを添加する。
【0072】
▲2▼次に、無水ピロメリット酸(PMDA)(M:218)4.042g(18.5mmol)およびNMP(21.1g)を1単位として、3単位(PMDA合計モル数:55.5mmol)行った後、攪拌を5時間行い完了する。
【0073】
<試験例2・3・4・5>
実施例1において、表1に示す組成とした以外は、同様にして合成した。
【0074】
<材料化試験>
各試験例で合成した各ポリミック酸溶液は、アルゴン封入して冷蔵庫に保管した。
【0075】
そして各ポリアミック酸溶液を用いて、遠心成形機にて120℃×2hの条件で熱重合させて製膜後、減圧下(コンプレッサーで引きながら)200℃×4hの条件で熱処理を行い、0.1mmtのシートをそれぞれ成形した。そして、下記項目の試験を行った。
【0076】
▲1▼フィルム成形性:各シートについて目視及び指触により下記基準により判定をした。
【0077】
○:良好にシート化する。
【0078】
△:シート化するが部分的に粘着部有り。
【0079】
×:シート化せず。
【0080】
▲2▼柔軟性:各成形シートから25.4mm×100mmの矩形試験片を裁断採取し、該試験片を180°折り曲げて、下記基準で判定をした。
【0081】
○:割れない。
【0082】
×:割れる。
【0083】
▲3▼耐熱性:上記▲2▼の各試験片を300℃×1hの熱雰囲気に放置後、上記同様、該試験片を180°折り曲げて、下記基準で判定をした。
【0084】
○:割れない。
【0085】
×:割れる。
【0086】
それらの結果を示す表1から、MDA(低分子量ジアミン)とアミノ変性ポリシロキサン(高分子量ジアミン)との配合比率は、アミノ変性ポリシロキサンが過多な場合は、材料化可能ポリアミック酸の合成が困難であることが分かる。
【0087】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール部材を適用する酸素センサの一例を示す概略断面図。
【図2】本発明のシール部材を成形する場合における加熱圧縮成形型のモデル図。
【図符号の説明】
1 酸素センサ
6 ブッシュ(シール部材)
【技術分野】
本発明は、高温下で使用される応用電子機器や炭酸ガスを冷媒とする冷却回路等に好適なシール部材に関する。
【0002】
高温下で使用される応用電子機器としては、各種ガスセンサ、セラミックヒータ、グロープラグ等を挙げることができる。また、シール部材としては、各種ガスケット(静止隣接部分封止用)、パッキン(滑り運動部位封止用)、グロメット(リード線封止部材)等を挙げることができる。
【0003】
ここでは、リード線封止部材を主として例に採り、説明するがこれに限られるものではない。
【0004】
【背景技術】
自動車用酸素センサを始めとするガスセンサは、一般に約250〜300℃の高温環境下で使用され、ガスケットやグロメット等のシール部材には、大きな熱負荷が作用する。
【0005】
このため、これらのシール部材は、弾性が要求される場合は、フッ素系ゴム配合物で形成されていた。(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
他方、上記ゴムでは熱劣化の問題が発生し易いため、フッ素系樹脂やポリイミド樹脂でグロメット成形体を熱融着させたリード線封止構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかし、これらの樹脂は、熱可塑性樹脂で必ずしも耐熱性が十分とはいえず熱劣化の問題が発生し易く、また、熱融着を前提とするため、微小隙間を埋める程度にしか適用できず、かつ、交換が必要なシール部材やパッキン等としての適用は困難視されていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−192482
【特許文献2】
特開2001−242128
【0009】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、耐熱性に優れ熱劣化の問題点が発生し難く、非微小隙間への適用も可能で、さらには、交換が必要なガスケットやパッキン等への適用も可能なシール材を提供することを目的とする。
【0010】
本発明者らは、上記目的(課題)を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、非熱可塑性のポリイミドエラストマーでこれらのシール部材を成形することにより、上記課題が解決できることを知見して、下記構成の耐熱性シール部材に想到した。
【0011】
耐熱性シール部材が、非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)されてなることを特徴とする。
【0012】
シール部材を、非熱可塑性のポリイミド系粉末で成形するため、従来の如く熱可塑性のポリイミド系成形体で形成する場合に比して、シール部材が耐熱性に優れて熱劣化の問題が発生し難くなることが期待できる。また、融着を前提とせず、焼結成形でシール部材を製造するため、非微小隙間へも適用可能で、かつ、交換が必要なガスケットやパッキン等にも適用できる。
【0013】
前記ポリイミド系粉末としては、ジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)から調製されたものであって、
前記ジアミンが、芳香族の低分子量ジアミンとともにソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンを含むものであることが望ましい。
【0014】
ジアミンとして、通常のポリアミック酸に使用する低分子量ジアミンとともに、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンを使用することにより、エラストマー弾性を付与でき、シール性能の向上も期待できる。
【0015】
上記構成において、通常、低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=1/9〜9/1の範囲で、所要物性に応じて適宜設定する。
【0016】
また、高分子量ジアミンとしては、▲1▼ソフトセグメントがジメチルポリシロキサンであるアミノ変性ジメチルポリシロキサン、又は▲2▼ソフトセグメントがポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシドのいずれかから選択される1種又は2種以上のポリアルキレンオキシドであるアミノ変性ポリアルキレンオキシドとするが、アミノ変性ジメチルポリシロキサンが、耐熱性及び耐候性の見地から望ましい。
【0017】
上記高分子量ジアミンとしてアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合は、通常、平均分子量(Mn)500〜10000とする。そして、当該分子量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合、低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのモル混合比は前者/後者=3/7〜8/2の範囲が、焼結成形品が得易いとともにシール部材としての特性も得易い。
【0018】
上記各構成において、ポリイミド系粉末が、ポリアミック酸に、さらに、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルとを添加反応させた組成物から調製されたものを使用することが望ましい。シラノールゾルを添加反応させた場合は、ガラス転移点の低下によりエラストマー弾性域が低温側に広がるとともに、弾性率が高くなることを、本発明者らは確認している(特願2001−65128
【0047】参照)。
【0019】
なお、本発明のシール部材に使用するポリイミド系粉末は、上記構成に限られず、上位概念の技術的思想として表現すると下記構成となる。
【0020】
二酸無水物に開環付加反応する含窒素官能基を備えた二官能化合物を二酸無水物に開環付加反応させて得られるポリイミド前駆体から調製されたものであって、
二官能化合物が、低分子量二官能化合物と、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量二官能化合物であることを特徴とするポリイミド系粉末。
【0021】
当該構成に含まれるポリイミド粉末の前記以外の態様としては、低分子量二官能化合物をジアミンとし、高分子量二官能化合物がジアミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウレアとするものを挙げることができる。
【0022】
【構成の詳細な説明】
以下、本発明の耐熱性シール部材について、詳細に説明をする。
【0023】
図1に本発明のシール部材(エラストマーブッシュ)を適用する酸素センサ1の一例を示す。
【0024】
酸素センサ1は、基本的に、筒状のハウジング(本体ケース)2と、該ハウジング2内に収納された酸素検出素子3と、酸素検出素子3の中空部内に挿入されるヒータ4とを有した構成である。
【0025】
ヒータ4は、素子センシング部3aを作動温度域まで加熱する作用を担い、素子センシング部3aは、ハウジング2の下部を構成する金属保護カバー2aに覆われている。また、酸素検査素子3は、ハウジング2に絶縁されて固定され、排出ガスの大気側電極へのリ−クを防止するように構成されるとともに、酸素センサ1内の雨水の侵入を防止するためにエラストマーブッシュ6を装着してシール性を強化し、さらに通気性を確保している。エラストマーブッシュ6の下方に配置されたセラミックセパレータ9内にリード線7に接続された端子10が配置されてヒータ4に接続されている。
【0026】
本発明では、上記エラストマーブッシュ6を、非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)するものである。
【0027】
ここで、ポリイミド系粉末は、平均粒径500μm以下のものを使用可能であるが、通常、平均粒径5〜150μm、さらに望ましくは平均粒径50μm前後のものを使用可能である。粉末粒径が過小であると、取り扱いが困難となる傾向にあり、逆に過大であると焼結成形体に粒界が発現し易くなる。この粒界の発現は、成形体の耐摩耗性や曲げ強度等の機械的特性の低下を生じやすく望ましくない。
【0028】
また、加熱圧縮成形の条件は、ポリイミド系材料の種類・粒径、エラストマーブッシュ(シール部材)により異なるが、例えば、20mmφ×6mmtの成形品を得ようとする場合、図2に示すような加圧成形型を用いて、下記のような条件で行う。
【0029】
加圧成形型は、中央に受けダイ12を備えた底盤14と、受けダイ12に嵌合セットされる賦形空間15を備えた中間ダイ16と、中間ダイ16の賦形空間16に摺動する押圧ダイ18を備えたプレス盤20とからなる。
【0030】
例えば、受けダイ12と中間ダイ16とで構成される製品キャビティ22に所定量の非熱可塑性ポリイミド系粉末を充填後、予備プレス成形(30MPa×27℃×1min)→本成形(30MPa×360℃×20min)→徐冷(30MPa×15min)→脱型→熱処理(250℃(昇温時間1h)×15min)の各工程を経て成形品を得る。
【0031】
なお、必要により、上記非熱可塑性ポリイミド系粉末には、適宜、成形材料全体において、0.5〜20質量%、望ましくは、1〜10質量%の量の熱可塑性ポリイミド系粉末を混合して成形材料としてもよい。耐熱性は若干低下するが焼結成形が容易となる。
【0032】
そして、上記ポリイミド系粉末としては、▲1▼ジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)に、適宜、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものにおいて、ジアミンとして、低分子量ジアミンとソフトセグメントを主鎖中に高分子量ジアミンとを含むもの、又は、
▲2▼二酸無水物に開環付加反応する含窒素官能基を備えた二官能化合物を二酸無水物に開環付加反応させて得られるポリイミド前駆体に、適宜、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものにおいて、二官能化合物が、低分子量二官能化合物(ジアミン)と、高分子量二官能化合物(ジアミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウレア)とを含むものとする。
【0033】
▲1▼ポリイミド前駆体がポリアミック酸である場合:
ここでポリアミック酸とは、ジアミンと二酸無水物とが開環付加反応して酸無水物が開環して形成されるアミド基とカルボキシル基とを有する物質のことをいう。
【0034】
なお、シラノールゾルを添加反応させる場合には、ポリアミック酸とシラノールゾルとが反応することにより、ポリアミック酸中のアミド基とカルボキシル基とが反応して閉環してイミド基を形成すると共に、一部のカルボキシル基がシラノールゾルと結合してポリイミド中にシラノールが取り込まれてシロキサン結合をもつハイブリッドポリイミド組成物となる。このハイブリッドポリイミド組成物は、フィルム状に成形するとシラノールの含まない場合と同様に淡い褐色透明になり、シラノールがポリマー中に均一に分散していることを示す。
【0035】
本実施形態では、シール部材のエラストマー弾性を得るために、ジアミンとして、低分子量ジアミンとともに、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンとを併用する。
【0036】
ここで、ソフトセグメントを主鎖中にもつとは、主鎖全体が屈曲性を有する重合体からなるもの、または、ソフトセグメント主体のものをいう。また、高分子量ジアミンにおいては、平均官能基数が略2であれば、多少のモノアミン、トリアミン化合物が含まれていてもよい。
【0037】
両者のモル混合比は、ジアミンの種類、ソフトセグメントの種類、高分子量ジアミンの分子量により異なるが、前者/後者=1/9〜9/1の範囲で要求弾性特性及び焼結成形性などの見地から適宜選定する。
【0038】
ここで、低分子量ジアミン(モノマー型ジアミン:低分子量二官能化合物)としては、4、4´−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、ジアミノトルエン、オキシジアニリン、等の芳香族ジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルエーテル等の脂肪族ジアミンから1種又は2種以上を選択して使用可能である。こららのうちで、芳香族ジアミンから又は主体とすることが耐熱性の見地から望ましい。
【0039】
そしてソフトセグメント(軟質ポリマー部)を有する高分子量ジアミン(両端アミノポリマー)としては、具体的には、両末端にアミノ結合もつアミノ変性ポリアルキレンオキシドや下記構造式で示されるアミノ変性ジメチルポリシロキサンを用いることが望ましい。
【0040】
特に、平均分子量(Mn):500〜10000、さらには、600〜4000、特に800〜2000のアミノ変性ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)を使用することが望ましい。Mnが過小では、ポリジメチルシロキサンが、重合数が少なくてソフトセグメント作用を奏し難い。また、Mnが過大では、二酸無水物と低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとの反応性に大きな差が発生し易く、均一なポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を得がたい。
【0041】
【化1】
当該分子量のアミノ変性ジメチルポリシロキサンを使用する場合、低分子量ジアミンと前記高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=3/7〜8/2であることが望ましく、さらには、4/6〜7/3が望ましい。シール部材に要求されるエラストマー特性と焼結成形性の見地からである。
【0042】
上記二酸無水物としては、ピロメリット酸、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸無水物、さらには、シクロテトラブタンカルボン酸二無水物から1種又は2種以上を選択して使用できる。
【0043】
そして、上記低分子量ジアミンと高分子量ジアミンとのジアミン混合物を二酸無水物(テトラカルボン酸無水物)と、当量反応(モル比:前者/後者=2/1)させてポリアミック酸とする。
【0044】
ポリアミック酸の合成は、好ましくは当モル(当量)の両末端にアミノ基を有する化合物(ジアミン)と芳香族テトラカルボン酸の二無水物とを縮合反応(等モル:当量反応)させると、酸無水物が開環して分子量がおよそ7000〜200000程度のポリアミック酸を形成する。この間環付加反応は脱水された極性の溶媒中(たとえばN−メチルピロリドン:以下NMPと略称する)で加熱して行うことが好ましい。NMPのような極性溶媒中で反応を行うことで生成物が溶液に可溶性となり、また、シラノールゾルとの反応が溶液中で容易にできるために好ましい。
【0045】
このポリアミック酸の形成反応は、不活性ガス雰囲気で反応溶液の粘度を考慮して反応物の濃度、および温度を適宜選択して2〜20h程度の条件で行うのが好ましい。
【0046】
なお、シラノールゾル液の合成は、ケイ酸塩、例えば、室温下で水ガラスの水溶液に硫酸などの鉱酸を添加してpHを7以下の酸性側(例えば、pH=2〜3)にして得られるシラノールゾルを、例えばテトラヒド口フランなどの極性溶媒で抽出して得られる溶液を使用する。シラノールの溶媒抽出は、その抽出効率を高めるために反応液を塩析することが好ましい。このシラノールゾルは、ゾルーゲル法が適用されるアルコキシシランの様に高価なケイ素誘導体を用いること無く容易に形成できる。
【0047】
そしてポリアミック酸に対するシラノールゾルの添加反応は、熱重合反応させて結合を形成する。この反応の際には、カップリング剤を存在させるとシラノールゾルがより容易に結合する。
【0048】
この熱重合反応は、140〜230℃で2〜24hの条件で行うのが好ましい。例えば150℃で少なぐとも1h行い、その後、減圧下で、例えば200゜Cで4時間以上加熱すると、溶媒が除去されてボリマー組成物が得られる。
【0049】
この熱重合反応は、脱水によりアミド基がイミド基を形成する反応であるので、脱水処理した溶媒中で行うことが好ましい。この熱重合反応では、ポリアミ
ック酸は閉環してイミド結合を形成すると共にカルボキシル基の一部はグラフト重合体のようにシロキサン結合がボリマー中に均一に分散したポリイミド組成物が得られる。
【0050】
なお、シラノールゾルを反応させた場合のシロキサンの量は、0.1〜30質量%、望ましくは10質量%以下の範囲とする。シロキサン比率が高くなると、シール部材にエラストマー弾性を得難くなる。
【0051】
なお、熱重合反応後、反応に使用した溶媒を減圧で除去する際、湿式成形の手段を利用すると透明なフィルムが形成できる。
【0052】
シラノールゾルを添加反応させる場合に使用するカップリング剤としては、カルボキシル基およびシラノールと反応する基を持つものが好ましい。たとえば、ビス(メトキシシリルプ口ピル)アミン(A−1170 日本ユ二カ(株)製)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A−1100 日本ユ二カ(株)製)、γ−グリシドキシプロビルメトキシシラン(A−187 日本ユ二カ(株)製)などが利用できる。このカップリング剤は、ポリアミック酸に対して、結合させるシラノールゾル量との比率にもよるが0.01〜10質量%の範囲であることが好ましい。
【0053】
また、カップリング剤はポリアミック酸に対して、シラノールゾルを混合する前に添加しておくことが好ましい。このカップリング剤の存在によりシロキサン結合がポリイミド中に確実に形成できる。
【0054】
ポリアミック酸の熱重合反応に用いる溶媒としては、ポリアミック酸、シラノールゾルを溶解する有機溶媒であれば利用できるがNMP(N−メチルピロリドン)の使用が好ましい。
【0055】
▲2▼ポリイミド前駆体が、低分子量ジアミン(低分子量二官能化合物)とともにボリウレア(ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量二官能化合物)と二酸無水物と反応させて得られるものの場合:
本実施形態は、上記において高分子量ジアミンの代わりにポリウレア(含窒素官能基を備えた二官能化合物)を使用する以外は、上記と同様である。
【0056】
すなわち、ソフトセグメントを上記低分子量ジアミンと二酸無水物は、それぞれ前述のものを使用する。
【0057】
また、ボリウレアと二酸無水物との反応では、炭酸ガスが発生しイミド基、アミド基およびカルボキシル基をもつポリイミド前駆体が生成する。
【0058】
なお、このポリイミド前駆体と前記のシラノールゾルとを反応させる場合は、ポリイミド前駆体はアミド基が消失してイミド基およびシラノールと結合したシロキサン結合をもつポリイミド組成物となる。このポリイミド組成物は、ポリウレアを経由しない、ポリアミック酸を経由したシロキサン結合を有するボリマーとほぼ同じ性質を示す。すなわち、フィルム状に成形するとシラノールの含まない場合と同様に淡い褐色透明になり、シラノールがポリマー中に均一に分散していることを示す。
【0059】
本発明のポリイミド系粉末は、前記のポリアミック酸を経由せずに予めボリウレアを形成し、このボリウレアと二酸無水物とを反応させてポリイミド前駆体を形成した後、シラノールゾルと熱重合反応させても同様にシロキサン結合を含有する組成物から調製してもよい。
【0060】
すなわち、ジアミンとジイソシアネートとを付加反応させてポリウレアを形成する工程と、前記ボリウレアと二酸無水物とを反応させてイミド基とアミド酸を有するポリイミド前駆体を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシラノールゾル液を形成する工程とでポリイミド前駆体を調製し、適宜、該ポリイミド前駆体に前記シラノールゾルを添加反応(熱重合反応)させてポリイミド組成物を形成する。
【0061】
上記ボリウレアを形成する工程は、ウレア結合を形成する常法である当モルのジアミンとジイソシアネートとを付加反応させてボリウレアを形成する。
【0062】
ジアミンは、通常、前述の低分子量ジアミンを利用できる。
【0063】
ジイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジュレンイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、5−t−ブチルー1,3−キシリレンジイソシアネート、1,6−へキサメチレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルイソプ口ピリデンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネートなどが挙げられ、これらはポリイミド鎖の硬直さを考慮して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0064】
ポリイミド前駆体を合成する工程は、低分子量ジアミンとともに得られたポリウレアと二酸無水物との反応は、低分子量ジアミン及びポリウレア中の窒素と当量の酸無水物基と混合して、135〜170℃で2〜8hの条件で行うのが好ましい。例えば165℃で5h程度加熱することで合成でき、この反応ではポリウレタンのウレア結合が分解して、炭酸ガスを発生してイミド基とアミド基、カルボキシル基を有するポリイミド前駆体が形成される。このポリイミド前駆体の平均分子量は、およそ7000〜200000程度である。
【0065】
上記で得たポリイミド前駆体とシラノールゾルとを熱重合反応させる場合は、ポリイミド前駆体は、アミド基がカルポキシル基と閉環反応してイミド化するともにシラノールがカルボキシル基の一部と結合して、シロキサン結合をもつハイブリッド化したポリイミド組成物が得られる。
【0066】
ハイブリッドイミド組成物を形成する工程は、前記ポリアミック酸の場合と同様、シラノールゾルと好ましくはカップリング剤の存在下で加熱して重合反応させる。この熱重合反応は、140〜230℃×2〜24hの条件で行う。例えば、150℃(常圧下)で少なくとも1h行い、その後、減圧下で、例えば200℃×4h以上の条件で加熱すると、溶媒が除去されてポリマー組成物を得ることができる。
【0067】
ポリアミック酸又はポリイミド前駆体に対するシラノールゾルの比率は、前述の通りとする。
【0068】
【試験例】
次に、本発明のポリイミド前駆体の材料化可能性を確認するために行った試験例について説明をする。
【0069】
<試験例1>
下記処方に従って、ポリアミック酸を合成した。
【0070】
▲1▼まず、下記各量の各化合物を計量してセパラブルフラスコに仕込んで攪拌する。
【0071】
MDA(M:198) :7.339g(0.037mol)
アミノ変性ポリジメチルシロキサン(Mn:1000):18.533g(0.0185mol)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP) :55.4g
均一になったところで、さらにNMP:33.3gを添加する。
【0072】
▲2▼次に、無水ピロメリット酸(PMDA)(M:218)4.042g(18.5mmol)およびNMP(21.1g)を1単位として、3単位(PMDA合計モル数:55.5mmol)行った後、攪拌を5時間行い完了する。
【0073】
<試験例2・3・4・5>
実施例1において、表1に示す組成とした以外は、同様にして合成した。
【0074】
<材料化試験>
各試験例で合成した各ポリミック酸溶液は、アルゴン封入して冷蔵庫に保管した。
【0075】
そして各ポリアミック酸溶液を用いて、遠心成形機にて120℃×2hの条件で熱重合させて製膜後、減圧下(コンプレッサーで引きながら)200℃×4hの条件で熱処理を行い、0.1mmtのシートをそれぞれ成形した。そして、下記項目の試験を行った。
【0076】
▲1▼フィルム成形性:各シートについて目視及び指触により下記基準により判定をした。
【0077】
○:良好にシート化する。
【0078】
△:シート化するが部分的に粘着部有り。
【0079】
×:シート化せず。
【0080】
▲2▼柔軟性:各成形シートから25.4mm×100mmの矩形試験片を裁断採取し、該試験片を180°折り曲げて、下記基準で判定をした。
【0081】
○:割れない。
【0082】
×:割れる。
【0083】
▲3▼耐熱性:上記▲2▼の各試験片を300℃×1hの熱雰囲気に放置後、上記同様、該試験片を180°折り曲げて、下記基準で判定をした。
【0084】
○:割れない。
【0085】
×:割れる。
【0086】
それらの結果を示す表1から、MDA(低分子量ジアミン)とアミノ変性ポリシロキサン(高分子量ジアミン)との配合比率は、アミノ変性ポリシロキサンが過多な場合は、材料化可能ポリアミック酸の合成が困難であることが分かる。
【0087】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール部材を適用する酸素センサの一例を示す概略断面図。
【図2】本発明のシール部材を成形する場合における加熱圧縮成形型のモデル図。
【図符号の説明】
1 酸素センサ
6 ブッシュ(シール部材)
Claims (11)
- 非熱可塑性のポリイミド系粉末から加熱圧縮成形(焼結成形)されてなることを特徴とする耐熱性シール部材。
- 前記ポリイミド系粉末が、ジアミンに二酸無水物を開環付加反応させて得られるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)から調製されたものであって、
前記ジアミンが、低分子量ジアミンとともにソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量ジアミンを含むものであることを特徴とする請求項1記載の耐熱性シール部材。 - 前記低分子量ジアミンと前記高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=1/9〜9/1であることを特徴とする請求項2記載の耐熱性シール部材。
- 前記高分子量ジアミンが、ソフトセグメントをジメチルポリシロキサンとするアミノ変性ジメチルポリシロキサンであることを特徴とする請求項2記載の耐熱性シール部材。
- 前記アミノ変性ジメチルポリシロキサンが、平均分子量(Mn)500〜10000であることを特徴とする請求項4記載の耐熱性シール部材。
- 前記低分子量ジアミンと前記高分子量ジアミンとのモル混合比が前者/後者=3/7〜8/2であることを特徴とする請求項5記載の耐熱性シール部材。
- 前記高分子量ジアミンが、ソフトセグメントをポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシドのいずれかから選択される1種又は2種以上のポリアルキレンオキシドとするアミノ変性ポリアルキレンオキシドであることを特徴とする請求項2記載の耐熱性シール部材。
- 前記ポリイミド系粉末が、前記ポリアミック酸に、さらに、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものであることを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7記載の耐熱性シール部材。
- 前記ポリイミド系粉末が、二酸無水物に開環付加反応する含窒素官能基を備えた二官能化合物を二酸無水物に開環付加反応させて得られるポリイミド前駆体から調製されたものであって、
前記二官能化合物が、低分子量二官能化合物と、ソフトセグメントを主鎖中にもつ高分子量二官能化合物であることを特徴とする請求項1記載の耐熱性シール部材。 - 前記低分子量二官能化合物がジアミンであり、前記高分子量二官能化合物がジアミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウレアであることを特徴とする請求項9記載の耐熱性シール部材。
- 前記ポリイミド系粉末が、前記ポリアミック酸に、さらに、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノールゾルを添加反応させた組成物から調製されたものであることを特徴とする請求項10記載の耐熱性シール部材。
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US8017057B2 (en) * | 2006-06-15 | 2011-09-13 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Method for making a pressed part with separations or voids |
KR20200091640A (ko) * | 2019-01-23 | 2020-07-31 | 평화오일씰공업주식회사 | 폴리 아미드 이미드계 씰링 부재의 열처리 적합성 평가방법 |
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2002
- 2002-09-09 JP JP2002262979A patent/JP2004100809A/ja not_active Withdrawn
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KR20200091640A (ko) * | 2019-01-23 | 2020-07-31 | 평화오일씰공업주식회사 | 폴리 아미드 이미드계 씰링 부재의 열처리 적합성 평가방법 |
KR102226804B1 (ko) | 2019-01-23 | 2021-03-11 | 평화오일씰공업 주식회사 | 폴리 아미드 이미드계 씰링 부재의 열처리 적합성 평가방법 |
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