JP2002265599A - シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法 - Google Patents

シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002265599A
JP2002265599A JP2001065128A JP2001065128A JP2002265599A JP 2002265599 A JP2002265599 A JP 2002265599A JP 2001065128 A JP2001065128 A JP 2001065128A JP 2001065128 A JP2001065128 A JP 2001065128A JP 2002265599 A JP2002265599 A JP 2002265599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
acid
silanol
polyimide composition
siloxane bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001065128A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
眞一 井上
Seiji Asai
清次 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001065128A priority Critical patent/JP2002265599A/ja
Publication of JP2002265599A publication Critical patent/JP2002265599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ケイ酸塩を中和して得られるシラノールゾルを
利用してポリイミド・シロキサン複合体を得ることによ
り弾性率、熱分解温度および耐薬品性に優れた有機−無
機ハイブリッドポリイミド組成物とその製造法を確立す
ることを課題とする。 【解決手段】ジアミンと二酸無水物とを開環付加反応し
て得られるポリアミック酸と、ケイ酸塩を酸で中和して
得られるシラノールゾルとを反応させてなることを特徴
とするシロキサン結合を有するポリイミド組成物。ジア
ミンとジイソシアネートとの付加反応で得られるポリウ
レアを二酸無水物と開環付加反応して得られるポリイミ
ド前駆体と、ケイ酸塩を酸で中和して得られるシラノー
ルゾルとを反応させてなることを特徴とするシロキサン
結合を有するポリイミド組成物。およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ポリマーに無
機物のケイ素化合物が結合したハイブリッドポリマーで
あるシロキサン結合を有するポリイミド組成物およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来有機−無機ハイブリッドコンポジッ
トに関する研究は、様々な手法と組成の組合せで極めて
広範囲におこなわれてきた。ハイブリッドコンポジット
に関する最新の研究状況は「高分子」1999年4月号
(高分子学会発行)に特集として報告されている。有機
−無機ハイブリッドコンポジットの中で、ポリイミド−
シリカのハイブリッドコンポジットに関する研究も数多
く報告されている。
【0003】ハイブリット化の目的は、耐熱特性および
力学的特性の向上あるいは誘電率の低下が主たるもので
あり、その用途は、電気的なインシュレータとしての電
子部品またはガス分離膜である。また、ハイブリッド化
の手法は、いずれの研究においてもポリアミック酸の段
階でシリカゾルを混合し、シリカのゾル−ゲル法でイミ
ド化の反応と共にシリカをポリイミドに結合させてい
る。
【0004】特開平8−104749号公報には、高い
相溶性をもつポリイミド/シリカ複合体及びそのフィル
ムの製造方法として、過剰量のピロメリット酸二無水物
とオキシジアニリンとを非プロトン性極性溶媒下で反応
させてポリアミド酸を合成し、次いで、ポリアミド酸と
3−アミノプロピルメチルジエトキシシランとをポリア
ミド酸の末端酸無水物基のモル数と同モル数の3−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシランと反応させて、次い
で不活性雰囲気でゾル−ゲル反応により規定量のテトラ
エトキシシランと蒸留水を添加し均一に攪拌して、テト
ラヒドロキシドシリカを含有するプレポリマー粘性溶液
を製造し、通常の溶液キャスティング方法によりプレポ
リマーフィルムを加熱処理して製造するポリイミド/シ
リカ複合体が開示されている。この方法では、ケイ素成
分のポリイミドへの導入は、3−アミノプロピルメチル
ジエトキシシランを介してエトキシシランをカルボキシ
ル基に結合させている。前記ケイ素化合物は高価であり
反応の制御が必要で手軽にポリイミド・シリカ複合体が
得られないという不具合がある。
【0005】また、特開平7−304869号公報に
は、テトラカルボン酸またはそのジエステルと、ジアミ
ンとから生成されるアミン塩化合物と、ケイ素のアルコ
キシドを、水または水と有機溶媒との混合物に溶解さ
せ、溶液中の揮発物を揮発させ、得られた混合物を50
〜500MPaの加圧下で1時間ないし20時間、10
0〜400℃の反応温度で加熱することにより連続した
シリカ相より成る緻密構造をもつポリイミド・シリカ複
合体の製造方法の開示がある。しかしこの方法では、高
価なケイ素のアルコキシドを用い高圧下で縮合反応させ
なければならないという不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、安価なケイ酸塩を中和して得ら
れるシラノールゾルを利用してポリイミド・シロキサン
複合体を得ることにより弾性率、熱分解温度および耐薬
品性に優れた有機−無機ハイブリッドポリイミド組成物
とその製造法を確立することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のシロキサン結合
を有するポリイミド組成物は、ジアミンと二酸無水物と
を開環付加反応して得られるポリアミック酸と、ケイ酸
塩を酸で中和して得られるシラノールゾルとを反応させ
てなることを特徴とする。
【0008】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物は、ジアミンとジイソシアネートとの付加反応
で得られるポリウレアを二酸無水物と反応させて得られ
るポリイミド前駆体と、ケイ酸塩を酸で中和して得られ
るシラノールゾルとを反応させてなることを特徴とす
る。
【0009】前記ジアミンは主鎖中にソフトセグメント
をもつことが好ましい。
【0010】前記ソフトセグメントはポリアルキレンオ
キシドまたはポリジメチルシロキサンであることが好ま
しい。
【0011】前記ポリアルキレンオキシドはポリエチレ
ンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチ
レンオキシドから選ばれることが好ましい。
【0012】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物の製造方法は、ジアミン成分と二酸無水物成分
とを開環付加反応させてポリアミック酸を形成する工程
と、ケイ酸塩を酸で中和してシラノールゾルを形成する
工程と、前記ポリアミック酸溶液と前記シラノールゾル
とを熱重合反応させハイブリッドポリイミド組成物を形
成する工程と、からなることを特徴とする。
【0013】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物の製造方法は、ジアミンとジイソシアネートと
を反応させてポリウレアを形成する工程と、前記ポリウ
レアと二酸無水物とを縮合させてポリイミド前駆体を形
成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシラノールゾル
を形成する工程と、前記ポリイミド前駆体と前記シラノ
ールゾル液とを熱重合反応させハイブリッドポリイミド
組成物を形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0014】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物の製造方法は、ポリアルキレンオキシドまたは
ポリジメチルシロキサンとジイソシアネートとを反応さ
せてソフトセグメントをもつポリウレタンを形成する工
程と、前記ポリウレタンに二酸無水物を縮合させてポリ
イミド酸前駆体を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和
してシラノールゾルを形成する工程と、シランを含有す
るカップリング剤の存在下に前記ポリイミド酸前駆体
と、前記シラノールゾルとを熱重合反応させハイブリッ
ドポリイミド組成物を形成する工程と、からなることを
特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のシロキサン結合を有する
ポリイミド組成物は、ジアミンと二酸無水物とを開環付
加反応してなるポリアミック酸と、ケイ酸塩を中和して
得られるシラノールゾルとを反応させて得られるもので
ある。
【0016】ここでポリアミック酸とは、ジアミンと二
酸無水物とが開環付加反応して酸無水物が開環して形成
されるアミド基とカルボキシル基とを有する物質のこと
をいう。
【0017】ポリアミック酸とシラノールゾルとが反応
することにより、ポリアミック酸中のアミド基とカルボ
キシル基とが反応して閉環してイミド基を形成すると共
に、一部のカルボキシル基がシラノールゾルと結合して
ポリイミド中にシラノールが取り込まれてシロキサン結
合をもつハイブリッドポリイミド組成物となる。このハ
イブリッドポリイミド組成物は、フィルム状に成形する
とシラノールの含まない場合と同様に淡い褐色透明にな
り、シラノールがポリマー中に均一に分散していること
を示す。さらにこのフィルムを900℃で燃焼させると
灰分がシート状を呈する。
【0018】また、両末端にアミン結合もつポリアルキ
レンオキシドやポリシロキサンを用いると、ポリイミド
鎖中にソフトセグメントが導入されて、エラストマー特
性をもつポリイミド組成物が得られる。このポリイミド
組成物はハイブリッド化により、ポリオキシアルキレン
などのソフトセグメントの分子鎖を導入することで弾性
率を向上させることできる。さらに、このポリイミド組
成物は、ハイブリッド化されたことにより著しい耐溶剤
性の向上が認められる。
【0019】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物は、また、ジアミンをあらかじめジイソシアネ
ートと付加反応して得られるポリウレアを、二酸無水物
と反応させて得られるポリイミド前駆体と、ケイ酸塩を
酸で中和して得られるシラノールゾルとを反応させて
も、ポリアミック酸の場合と同様にハイブリッド化され
たポリイミド組成物が得られる。
【0020】ここでポリイミド前駆体とは、ポリウレア
と二酸無水物と反応させて得られる物質のことをいう。
【0021】このポリウレアと二酸無水物との反応で
は、炭酸ガスが発生しイミド基、アミド基およびカルボ
キシル基をもつポリイミド前駆体が生成する。このポリ
イミド前駆体と前記のシラノールゾルとを反応させる
と、ポリイミド前駆体はアミド基が消失してイミド基お
よびシラノールと結合したシロキサン結合をもつポリイ
ミド組成物となる。このポリイミド組成物は、ポリウレ
アを経由しない、ポリアミック酸を経由したシロキサン
結合がポリマーとほぼ同じ性質を示す。このことはポリ
イミド組成物中に均一にシロキサン結合が分散してお
り、透明で優れた耐溶剤性を示す。
【0022】ハイブリッドポリイミド組成物中のシロキ
サンの量は、0.1〜90重量%の範囲が透明で優れた
耐溶剤性を保持するために好ましい。
【0023】本発明のシロキサン結合を有するポリイミ
ド組成物の製造方法は、ジアミンと二酸無水物とを開環
付加反応させてポリアミック酸を形成する工程と、ケイ
酸塩を酸で中和してシラノールゾル液を形成する工程
と、前記ポリアミック酸と前記シラノールゾル液とを混
合して熱重合反応させポリイミド組成物を形成する工程
と、からなる。
【0024】ポリアミック酸を形成する工程は、好まし
くは当モルの両末端にアミノ基を有する化合物と芳香族
テトラカルボン酸の二無水物とを縮合反応させると、酸
無水物が開環して分子量がおよそ7000〜20000
0程度のポリアミック酸を形成する。この開環付加反応
は脱水された極性の溶媒中(たとえばN−メチルピロリ
ドン 以下NMPと略称する)で加熱して行うことが好
ましい。NMPのような極性溶媒中で反応を行うことで
生成物が溶液に可溶性となり、次のシラノールゾルとの
反応が溶液中で容易にできるために好ましい。
【0025】このポリアミック酸の形成反応は、不活性
雰囲気で反応溶液の粘度を考慮して反応物の濃度、およ
び温度を適宜選択して2〜20時間程度の条件で行うの
が好ましい。
【0026】シラノールゾル液を形成する工程は、ケイ
酸塩、例えば、室温下で水ガラスの水溶液に硫酸などの
鉱酸を添加してpHを7以下の酸性側にして得られるシ
ラノールゾルを、例えばテトラヒドロフランなどの極性
溶媒で抽出して得られる溶液を使用する。シラノールの
溶媒抽出は、その抽出効率を高めるために反応液を塩析
することが好ましい。このシラノールゾルは、ゾル−ゲ
ル法が適用されるアルコキシシランの様に高価なケイ素
誘導体を用いること無く容易に形成できる。
【0027】ハイブリッドポリイミド組成物を形成する
工程は、前記ポリアミック酸と前記シラノールゾルとを
熱重合反応させて結合を形成する。この反応の際には、
カップリング剤を存在させるとシラノールゾルがより容
易に結合してハイブリッド体が形成できるので好まし
い。
【0028】この熱重合反応は、140〜230℃で2
〜24時間の条件で行うのが好ましい。例えば150℃
で少なくとも1時間行い、その後、減圧下で、例えば2
00℃で4時間以上加熱すると、溶媒が除去されてポリ
マー組成物が得られる。
【0029】この熱重合反応は、脱水によりアミド基が
イミド基を形成する反応であるので、脱水処理した溶媒
中で行うことがこのましい。この熱重合反応では、ポリ
アミック酸は閉環してイミド結合を形成すると共にカル
ボキシル基の一部はグラフト重合体のようにシロキサン
結合がポリマー中に均一に分散したポリイミド組成物が
得られる。
【0030】なお、熱重合反応後、反応に使用した溶媒
を減圧で除去する際、湿式成形の手段を利用すると透明
なフィルムが形成できる。
【0031】ポリアミック酸を形成するのに利用するジ
アミンとしては、ジアミノトルエン、ビス−4−アミノ
フェニルメタン、オキシジアニリン、などの芳香族ジア
ミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペン
タン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘ
プタン、1,8−ジアミノオクタン、1,4−ジアミノ
シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシル
メタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル
などの脂肪族ジアミンが利用でき、さらに、ポリオキシ
アルキレンやポリジメチルシロキサンの分子末端にアミ
ノ基を有するジアミン、あるいは、アミノベンゾイルと
結合したポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリテトラメチレンオキシドなどのソフトセグメン
トをもつポリオキシアルキレンが挙げられる。
【0032】二酸無水物としてはピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ビスフェニルテトラカルボン酸、2,
3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ペンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカ
ルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’
−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族の
テトラカルボン酸の無水物、さらにシクロテトラブタン
カルボン酸二無水物が利用できる。
【0033】ハイブリッドポリイミド組成物を形成する
工程ではカップリング剤を用いると、ポリアミック酸と
シラノールとの結合に介在して、両者を繋ぎ合わせる反
応を促進するので好ましい。このカップリング剤として
は、カルボキシル基およびシラノールと反応する基を持
つものが好ましい。たとえば、ビス(メトキシシリルプ
ロピル)アミン(A−1170 日本ユニカ(株)
製)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A−1
100 日本ユニカ(株)製 )、γ−グリシドキシプ
ロピルメトキシシラン(A−187 日本ユニカ(株)
製 )などが利用できる。このカップリング剤は、ポリ
アミック酸に対して、結合させるシラノールゾル量との
比率にも拠るが0.01〜45重量%の範囲であること
が好ましい。また、カップリング剤はポリアミック酸に
対して、シラノールゾルを混合する前に添加しておくこ
とが好ましい。このカップリング剤の存在によりシロキ
サン結合がポリイミド中に確実に形成できる。
【0034】ポリアミック酸の熱重合反応に用いる溶媒
としては、ポリアミック酸、シラノールゾルを溶解する
有機溶媒であれば利用できるがNMPの使用が好まし
い。
【0035】本発明のポリイミド組成物では、前記のポ
リアミック酸を経由せずに予めポリウレアを形成し、こ
のポリウレアと二酸無水物とを反応させてポリイミド前
駆体を形成した後、シラノールゾルと熱重合反応させて
も同様にシロキサン結合を含有するポリイミド組成物が
製造できる。
【0036】すなわち、ジアミンとジイソシアネートと
を付加反応させてポリウレアを形成する工程と、前記ポ
リウレアと二酸無水物とを反応させてイミド基とアミド
酸を有するポリイミド前駆体を形成する工程と、ケイ酸
塩を酸で中和してシラノールゾル液を形成する工程と、
前記ポリイミド前駆体と前記シラノールゾルとを熱重合
反応させハイブリッドポリイミド組成物を形成する工程
と、からなる。
【0037】ポリウレアを形成する工程は、ウレア結合
を形成する常法である当モルのジアミンとジイソシアネ
ートとを付加反応させてポリウレアを形成する。
【0038】ジアミンは、上述のジアミンが利用でき
る。ジイソシアネートは、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−
トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート(TDI)、3,3’ジメチル−4,4’ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ジュレンイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,3−キ
シリレンジイソシアネート、1.4−キシリレンジイソ
シアネート、5−t−ブチル−1,3−キシリレンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ビヘニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルイソプロピリデンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネート、ノルボルナンジイソ
シネートなどが挙げられ、これらはポリイミド鎖の硬直
さを考慮して1種または2種以上を混合して用いること
ができる。
【0039】ポリイミド前駆体を形成する工程は、得ら
れたポリウレアと二酸無水物との反応は、窒素と同当量
の酸無水物基と混合して、135〜170℃で2〜8時
間の条件で行うのが好ましい。例えば165℃で5時間
程度加熱することで形成できる。この反応ではポリウレ
タンのウレア結合が分解して、炭酸ガスを発生してイミ
ド基とアミド基、カルボキシル基を有するポリイミド前
駆体が形成される。このポリイミド前駆体の分子量は、
およそ7000〜2000000程度のポリマーが得ら
れる。
【0040】シラノールゾル液を形成する工程は、上記
の製造法で述べた方法と同じである。
【0041】ポリイミド組成物を形成する工程は、上記
で得たポリイミド前駆体とシラノールゾルとを熱重合反
応させる。ポリイミド前駆体は、アミド基がカルボキシ
ル基と閉環反応してイミド化すると共にシラノールがカ
ルボキシル基の一部と結合してシロキサン結合をもつハ
イブリッド化したポリイミド組成物が得られる。この熱
重合反応においてもカップリング剤の存在下で行うこと
で、反応の進行を促進することができる。
【0042】ハイブリッドポリイミド組成物を形成する
工程は、前記ポリアミック酸の場合と同様、シラノール
ゾルと好ましくはカップリング剤の存在下で加熱して重
合反応させる。この熱重合反応は、140〜230℃で
2〜24時間行うことが好ましい。例えば常圧下で15
0℃で少なくとも1時間行い、その後、減圧下で例えば
200℃で4時間以上加熱すると溶媒が除去されてポリ
マー組成物が得られる。ジアミンにソフトセグメントを
導入して製造した場合には、ハイブリッドポリイミドは
エラストマー特性をもつフィルムを得ることができる。
【0043】ポリアミック酸またはポリイミド前駆体と
シラノールゾルとの比率は、0.1〜90重量%の範囲
が透明で優れた耐溶剤性の特性を保持するため、および
反応性の点から好ましい。
【0044】今ひとつのポリイミド組成物の製造方法
は、末端に水酸基をもつポリアルキレンオキシドまたは
ポリジメチルシロキサンとジイソシアネートとを付加反
応させて得られるソフトセグメントを持つポリウレタン
を形成する工程と、前記ポリウレタンと二酸無水物とを
縮合させてイミド基とアミック酸を有するポリイミド酸
前駆体を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシラ
ノールゾルを形成する工程と、シランを含有するカップ
リング剤の存在下に前記ポリイミド酸前駆体と前記シラ
ノールゾルとを熱重合させてハイブリッドポリイミド組
成物を形成する工程と、からなる。
【0045】ポリウレタンを形成する工程は、常法によ
りウレタン結合を形成する。
【0046】得られたポリウレタンと二酸無水物とを反
応させると、ウレア結合の場合と同様に炭酸ガスを脱離
してイミド基とポリアミック酸とを持つポリイミド酸前
駆体が形成できる。このポリイミド酸前駆体は、分子量
が500000〜1000000ありシラノールゾルと
ポリイミド前駆体との場合と同様に熱重合反応してハイ
ブリッドポリイミド組成物が同様に形成できる。
【0047】これらの各製造方法で得られたポリアミド
組成物は、いずれも成形可能な重合度をもちハイブリッ
ド組成物特有の特性を示し、耐溶剤性が向上し、ソフト
セグメントを導入した場合にはエラストマーのガラス転
移温度範囲が広くなる性質を示す。更にポリイミド前駆
体をシラノールゾルと反応した場合には弾性率が高くな
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。
【0049】(実施例1) ハイプツリドポリイミドエラストマー(PA−1000
ーSiO210)の合成 (ポリアミック酸の合成)80℃で15時間減圧下に保
持することにより脱水したα−(4−アミノペンゾイ
ル)−ω−[(4−アミノペンゾイル)オキシ]−ポリ
(オキシテトラメチレン)(イハラケミカルインダスト
リー(株)製エラスマー1000;アミン数mgKOH/g:9
0.2)(38.101g,0.0306mol)とNMP(160g)を4つ口
500mlセバラブルフラスコにとり、アルゴン雰囲気で
室温、250回転で攪拌した。均一になったところでピ
ロメリット酸二無水物(6.916g,0.0317mol)、NMP
(20g)をすばやく3回に分けて入れた後、セバラブル
フラスコをオイルパスにつけ、アルゴン雰囲気で25
℃、300回転で一晩攪拌反応した。溶媒のNMPの量
は、ポリマー濃度が20wt%になるように調整した。
このポリアミツク酸溶液をPA−1000とする。PA
−1000の実測ポリマ一濃度は20.3wt%であっ
た。
【0050】(シラノールゾルの製造)容器(200ml
デイスボカップ)の周りを氷水で冷やしながら2N−H
2SO4(30ml)をホールピペットでえ、次に3.2mol/
Lの水ガラスを(30ml)をホールピペットで加えた。こ
のときデイスボカップの中にスタラバーを入れ攪拌して
おく。pH試験紙で酸性を確認した後、反応液を分液ロ
ートに移し、テトラヒドロフランを(40ml)加えた。
【0051】分液ロートを振盪攪拌し、食塩(16g)加
え、冷蔵庫で30分放置し、塩析を行った。分液ロート
中の下層部の液を捨てて上層部をサンプルピンにとり、
冷蔵庫で保存した。得られたシラノール溶液の一部をと
り電気炉に入れ、燃焼させシラノールの含有率を調べ
た。その結果、シラノール溶液のSiO2の濃度は9.
03wt%であった。このシラノール溶液をSNー3と
する。
【0052】(ポリアミツク酸のポリイミド化とシラノ
ールとの重合)ポリマーPA−1000(10.085g)を
200mlデイスボカップにとった。さらに、別の200
mlデイスボカップにカップリング剤A−1170(ビス
(トリメトキシシリルプロピル)アミン(日本ユニカ
(株)製)(0.086g 2.52X10-4mol)をとり、NMP(3
3.277g)を加えた。また、別のデイスボカップに3.
2mol/Lのシラノール溶液SN−3(2.356g)をとっ
た。これらをPA−1000のデイスボカップにカップ
リング剤、シラノール溶液の順に混ぜ、攪拌した。この
液を遠心成形器にて120℃、3時間の条件で熱重合さ
せて製膜し、次に140℃、減圧下で6時間熱処理を行
い、厚み約150μmのハイブリッドポリイミドエラス
トマー(PA−1000−SiO210)の膜を得た。
【0053】(実施例2) ハイプツリドポリイミドエラストマー(PU−2000
−SiO210)の合成 実施例1と同様の方法で、α−(4−アミノペンゾイ
ル)−ω−[(4−アミノペンゾイル)オキシ]−ポリ
(オキシテトラメチレン)(イハラケミカルインダスト
リー(株)製エラスマー2000)(40.685g,0.01878
mol)とピロメリット酸二無水物(4.312g,0.01978mo
l)とをNMP溶媒中で反応し、濃度20wt%のポリマー
溶液を得た。このポリアミツク酸溶液をPA−2000
とする。このPA−2000の実測ポリマー濃度は1
9.4wt%であった。
【0054】周りを氷水で冷やしながら200mlデイス
ボカップに、2N−H2SO4(30ml)をホールピペットで
とり、つぎに3.2mol/Lの水ガラス(30ml)をホールピ
ペットで加えた。このときデイスボカップの中にスタラ
バーを入れ攪拌しておく。pH試験紙で溶液が酸性であ
ることを確認した後、分液ロートに移し、テトラヒドロ
フラン(40ml)を加えた。分液ロートを振盪攪拌し、食塩
(16g)を加え、冷蔵庫で30分放置し、塩析を行った。
分液ロートの下層部の液を捨てて上層部をサンプルビン
にとり、冷蔵庫で保存する。得られたシラノール溶液の
一部を取り電気炉に入れ、燃焼させシラノールの含有率
を調べた。その結果、シラノール溶液のSiO2の濃度
は11.0wt%であった。このシラノール溶液をSN
−4とする。
【0055】ポリマーPA−2000(12.953g)を2
00mlデイスボカップにとった。さらに、別の200ml
デイスボカップにカップリング剤A1170(0.106g,
3.10x10-4mol)をとり、NMP(26.591g)を加えた。
また、別のデイスボカップにシラノール溶液SN−4
(2.301g)をとった。これらをPA−2000のデイス
ボカップにカップリング剤、シラノール溶液の順に混
ぜ、攪拌した。この液を遠心成形器にて120℃、3時
間の条件で熱重合させて製膜し、次に140℃、減圧下
で6時間熱処理を行い、厚み約150μmのハイブリッ
ドポリイミドエラストマー(PA−2000−SiO2
10)の膜を得た.(実施例3) (ポリイミドの前駆体の合成)80℃15時間減圧下で
保持して脱水乾燥したα−(4−アミノベンゾイル)−
ω−[(4−アミノベンゾイル)オキシ]−ポリ(オキ
シテトラメチレン)(77.204g(0.0621mol)(イハラケ
ミカルインダストリー(株)製)エラストマー1000
(分子量):アミン数mgKOH/g:90.2と1:4で混合し
たMDI/2,4−TDIのジイソシアネート(12.470
g,0.0659mol)を水分離器と冷却管を取り付けた4つ口
500mlセパラブルフラスコにとり、油浴にて温度をコ
ントロールし、アルゴン雰囲気、100℃で反応を行っ
た。容器内の生成物がゲル化する寸前のところで、NM
P(38.291g)を加えた。反応物の粘性が増してきて回転
数が最低速回転でも回すことができなくなったところ
で、NMP(51.477g)を加え、温度を130℃に上昇さ
せた。反応物が均一になったところでピロメリット酸二
無水物(27.914g,0.128mol)およびNMP(44.
849g)を素早く3回に分けて入れ、温度を165℃にあ
げ、アルゴン気流下で5時間反応させた。反応後、NM
P(1389.65g)加えた。反応後の添加NMPの量は水分
離器に溜まったNMPを補正してケイ素20wt%のポ
リマー溶液を得るに必要な量である。このポリマー容積
はポリイミドの前駆体溶液であり、以下PU−1000
とする。PU−1000の実測ポリマー濃度は19.2
wt%であった。
【0056】(シラノールゾルの合成)氷水で冷やしな
がら200mlディスポカップに2Nの硫酸(30ml)をホー
ルピペットでとり、更にスタラバーで攪拌しつつ3.2
mol/Lの水ガラス(30ml)をホールピペットで加え、pH
試験紙で溶液が酸性であることを確認した後、全量分液
ロートに移し、テトラヒドロフラン(40ml)を加えた。分
液ロートを十分振盪し、食塩(16g)を加えて冷蔵庫で3
0分放置して塩析をおこなった。下層部を捨てて上層部
をサンプル瓶に取り、冷蔵庫で保存した。上層部のシラ
ノール溶液の一部をとり電気炉に入れ、燃焼させて含有
率を調べた。その結果SiO2の濃度は11.4wt%
であった。以下このシラノール溶液をSN−1とする。
【0057】(ハイブリッドポリイミド組成物の合成)
ポリマー溶液PU−1000(10.045g)200mlのディ
スポカップに取った。さらに別の200mlディスポカッ
プBにカップリング剤A−1170(ビス(トリメトキ
シシリルプロピル)アミン(日本ユニカ(株)製)(0.
087g、2.55X10-4mol)を取りNMP(32.012g)を加え
た。また、別のディスポカップCにシラノール溶液SN
−1を(1.680g)採取した。ディスポカップB及びCに調
製された液をディスポカップAのポリマー溶液にディス
ポカップB、ディスポカップCの順に混合攪拌し均一な
溶液を得た。この液を遠心成形器にて150℃、1時間
の条件で熱重合して成膜し、次に200℃減圧下で熱処
理を行い、膜厚約150μmのハイブリッドポリイミド
エラストマー(PUE−1000−SiO210)の膜
フィルムを得た。
【0058】(実施例4)実施例3と同様の方法で、α
−(4−アミノベンゾイル)−ω−[(4−アミノベン
ゾイル)オキシ]−ポリ(オキシテトラメチレン)(7
3.29g,0.0344mol)(イハラケミカルインダストリー
(株)製)エラストマー2000(分子量)と1:4で
混合したMDI/2,4−TDIのジイソシアネート
(6.71g,0.0355mol)をNMP溶媒中で反応し、次にピ
ロメリット酸二無水物(13.431g,0.0616mol)を反応さ
せ濃度20wt%のポリマー溶液を得た。このポリマー
容液はポリイミドの前駆体溶液であり、以下PU−20
00とする。PU−2000の実測ポリマー濃度は1
9.3wt%であった。
【0059】実施例3と同様の方法でSiO2濃度が1
0.5重量%のシラノール溶液SN−2を作製した。
【0060】(ハイブリッドポリイミド溶液の調製およ
び塗膜の作製)ポリマー溶液PU−2000(10.010g)
を200mlディスポカップAに取った。さらに、別の2
00mlディスポカップBにカップリング剤あ−1170
(0.078g,0.000249mol)取りNMP(31.926g)を加え
た。また、別のディスポカップCにシラノール溶液SN
−1(1.806g)を採取した。ディスポカップB及びCに
調製された液をディスポカップAのポリマー溶液にディ
スポカップB、ディスポカップCの順に混合攪拌し均一
な溶液を得た。この液を遠心成形器にて150℃、1時
間の条件で熱重合して成膜し、次に200℃減圧下で熱
処理を行い、膜厚約150μmのハイブリッドポリイミ
ドエラストマー(PUE−2000−SiO210)の
膜を得た。
【0061】(比較例1)実施例1において得られたポ
リアミック酸(PA−1000)を、遠心成形器にて1
20℃、3時間の条件で成膜し、次に減圧下で140℃
で6時間熱処理して、膜厚約150μmのポリイミドフ
ィルムを作製した。
【0062】(比較例2)実施例2において、得られた
ポリアミック酸(PA−2000)を、遠心成形器にて
120℃、3時間の条件で成膜し、次に減圧下で140
℃で6時間熱処理して、膜厚約150μmのポリイミド
フィルムを作製した。
【0063】(比較例3)実施例3において、ポリイミ
ド前駆体(PUE−1000)を、遠心成形器にて15
0℃、1時間の条件で成膜し、次に減圧下で200℃で
4時間熱処理して、膜厚約150μmのポリイミドフィ
ルムを作製した。
【0064】(比較例4)実施例4において、ポリイミ
ド前駆体(PUE−2000)を、遠心成形器にて15
0℃、3時間の条件で成膜し、次に減圧下で200℃で
4時間熱処理して、膜厚約150μmのポリイミドフィ
ルムを作製した。
【0065】(得られた塗膜フィルムの評価)各塗膜フ
ィルムについて以下の評価を行った。 1.生成フィルム中のSiO2の含有量は、ISUZU
製電気炉を使用して空気中で室温から950℃まで昇温
して残存固形物の重量を測定した。 2.引張試験による伸長率50%の時の弾性率を示す。
オリエンテック社製のTENSILON RTC-1225 Aを使用し
てクロスヘッド速度50mm/min、温度20±2℃でそれ
以外の条件は、JIS K 6301に準じて測定した。M50は
伸長率が50%の時の弾性率を示す。 3.耐溶媒試験によるゲル分率の測定は、サンプルを適
量のNMPで浸し60℃の恒温槽で1週間放置後、NM
Pをろ過して除き80℃で15時間、150℃で40時
間真空乾燥してゲル分量を求めた。 4、ガラス転移温度は、理学電気(株)製Theromo Plus
示差走査熱量計DSC 8230 を使用し、アルゴン雰囲気
で−100〜350℃で20℃/minで測定した。 5.灰の形状は、塗膜フィルムを大気中で950℃に加
熱した後の形状を示した。 6.外観は目視で判定した。
【0066】評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】実施例1および実施例2のポリアミック酸
とシラノールゾルとを熱重合させたフィルムは、シラノ
ールを縮合させていない比較例1、比較例2に比べゲル
分率が高く耐溶剤性が向上している。また、ソフトセグ
メント側が低下し、イミドセグメント側が高くなりガラ
ス転移温度範囲が広くなっている。また弾性率を示すM
50が向上していることが分かる。これはシロキサン結
合がポリイミドに導入されたことにより発現したもので
ある。
【0069】実施例3および実施例4のポリイミド前駆
体とシラノールゾルとを熱重合させたフィルムではシラ
ノールを縮合させていない比較例3、比較例4に比べソ
フトセグメントを導入したことで弾性率が著しく向上し
ている。また、耐溶剤性が向上し、ガラス転移温度範囲
が広くなっている。これはシロキサン結合がポリイミド
に導入されたハイブリッドポリマーを形成したことによ
り発現しているものである。
【0070】比較例ではシロキサン結合が存在しないの
でゲル分が無く完全に溶解してしまった。さらにフィル
ムは燃焼により灰分が残らなかった。一方実施例の各フ
ィルムは燃焼後シート状の灰分が残存した。
【0071】実施例3と比較例3で得たフィルムのS−
S曲線を図1に示した。シロキサン結合を含むことでフ
ィルムの強度が向上していることが分かる。
【0072】
【発明の効果】本発明のポリイミド組成物は、シラノー
ルがグラフト重合体の様にポリアミック酸やポリイミド
前駆体のカルボキシル基に結合して複合化している。し
たがって、本発明の組成物はハイブリッド化してポリイ
ミド・シリカ複合体としての特性を示す。特にポリイミ
ド主鎖中にソフトセグメントを導入した場合にはエラス
トマーとしての性質を示す。このポリイミド組成物は、
高いヤング率を持つにもかかわらず広いガラス転移温度
範囲を示し、優れた耐熱分解性と耐薬品性とを有する高
性能のハイブリッドポリイミノエラストマー組成物が得
られる。よって、このポリイミド組成物は有用な無機・
有機の複合体である。
【0073】本発明ではハイブリッドポリイミド組成物
の製造方法では、ポリアミック酸またはポリイミド前駆
体とケイ酸塩から得られるシラノールとをシランを含む
カップリング剤を介して縮合させるためポリイミドの一
部のカルボキシル基にシラノールが結合してポリマー中
に分散したシロキサン結合が容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3と比較例3のフィルムのS−S曲線の
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 清次 愛知県名古屋市名東区にじが丘1−9 Fターム(参考) 4J043 PA19 QB15 QB26 QB31 RA02 RA04 RA34 SA06 TA21 TA22 UA022 UA121 UA122 UA132 UB121 UB302 YB40 ZB15 ZB47

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアミンと二酸無水物とを開環付加反応し
    て得られるポリアミック酸と、ケイ酸塩を酸で中和して
    得られるシラノールゾルとを反応させてなることを特徴
    とするシロキサン結合を有するポリイミド組成物。
  2. 【請求項2】ジアミンとジイソシアネートとの付加反応
    で得られるポリウレアを二酸無水物と開環付加反応して
    得られるポリイミド前駆体と、ケイ酸塩を酸で中和して
    得られるシラノールゾルとを反応させてなることを特徴
    とするシロキサン結合を有するポリイミド組成物。
  3. 【請求項3】前記ジアミンは主鎖中にソフトセグメント
    をもつ請求項1および請求項2に記載のシロキサン結合
    を有するポリイミド組成物。
  4. 【請求項4】前記ソフトセグメントはポリアルキレンオ
    キシドまたはポリジメチルシロキサンである請求項3に
    記載のシロキサン結合を有するポリイミド組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリアルキレンオキシドはポリエチレ
    ンオキシド、ポリプロピレンオキシッド、ポリテトラメ
    チレンオキシドから選ばれる請求項3に記載のシロキサ
    ン結合を有するポリイミド組成物。
  6. 【請求項6】ジアミンと二酸無水物とを開環付加反応さ
    せてポリアミック酸を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で
    中和してシラノールゾルを形成する工程と、前記ポリア
    ミック酸と前記シラノールゾル液とを熱重合反応させハ
    イブリッドポリイミド組成物を形成する工程と、からな
    ることを特徴とするシロキサン結合を有するポリイミド
    組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】ジアミンとジイソシアネートとを付加反応
    させてポリウレアを形成する工程と、前記ポリウレアと
    二酸無水物とを反応させてポリイミド前駆体を形成する
    工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシラノールゾルを形成
    する工程と、前記ポリイミド前駆体と前記シラノールゾ
    ル液とを熱重合反応させハイブリッドポリイミド組成物
    を形成する工程と、からなることを特徴とするシロキサ
    ン結合を有するポリイミド組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】ポリアルキレンオキシドまたはポリジメチ
    ルシロキサンとジイソシアネートとを付加反応させてソ
    フトセグメントをもつポリウレタンを形成する工程と、
    前記ポリウレタンに二酸無水物を反応させてポリイミド
    酸前駆体を形成する工程と、ケイ酸塩を酸で中和してシ
    ラノールゾルを形成する工程と、前記ポリイミド酸前駆
    体と前記シラノールゾルとを熱重合反応させハイブリッ
    ドポリイミド組成物を形成する工程と、からなることを
    特徴とするシロキサン結合を有するポリイミド組成物の
    製造方法。
JP2001065128A 2001-03-08 2001-03-08 シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法 Pending JP2002265599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065128A JP2002265599A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001065128A JP2002265599A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002265599A true JP2002265599A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18923836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001065128A Pending JP2002265599A (ja) 2001-03-08 2001-03-08 シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002265599A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006025327A1 (ja) 2004-08-30 2006-03-09 National University Corporation Nagoya Institute Of Technology 多分岐ポリイミド系ハイブリッド材料
JP2017186506A (ja) * 2015-10-16 2017-10-12 ユニチカ株式会社 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム
WO2019083136A1 (ko) * 2017-10-27 2019-05-02 한국전기연구원 자가치유성 폴리우레아/졸-겔 실리카 나노하이브리드 경화물 및 그 제조방법
CN115466393A (zh) * 2022-10-19 2022-12-13 开封大学 一种不燃轻质复合材料及其制备方法
WO2023054221A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 富士フイルム株式会社 ポリイミド、ポリイミド前駆体、組成物、及び、ポリイミドの製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006025327A1 (ja) 2004-08-30 2006-03-09 National University Corporation Nagoya Institute Of Technology 多分岐ポリイミド系ハイブリッド材料
EP1792928A1 (en) * 2004-08-30 2007-06-06 National University Corporation Nagoya Institute Of Technology Multibranched polyimide hybrid material
EP1792928A4 (en) * 2004-08-30 2007-12-12 Nat Univ Corp Nagoya Inst Tech MULTIPLE BRANCHED POLYIMIDE-CONTAINING HYBRID MATERIAL
US7771521B2 (en) 2004-08-30 2010-08-10 National University Corporation Nagoya Institute Of Technology Hyperbranched polyimide-based hybrid material
JP2017186506A (ja) * 2015-10-16 2017-10-12 ユニチカ株式会社 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム
WO2019083136A1 (ko) * 2017-10-27 2019-05-02 한국전기연구원 자가치유성 폴리우레아/졸-겔 실리카 나노하이브리드 경화물 및 그 제조방법
KR20190047263A (ko) * 2017-10-27 2019-05-08 한국전기연구원 자가치유성 폴리우레아/졸-겔 실리카 나노하이브리드 경화물 및 그 제조방법
KR102364516B1 (ko) 2017-10-27 2022-02-18 한국전기연구원 자가치유성 폴리우레아/졸-겔 실리카 나노하이브리드 경화물 및 그 제조방법
WO2023054221A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 富士フイルム株式会社 ポリイミド、ポリイミド前駆体、組成物、及び、ポリイミドの製造方法
CN115466393A (zh) * 2022-10-19 2022-12-13 开封大学 一种不燃轻质复合材料及其制备方法
CN115466393B (zh) * 2022-10-19 2023-08-08 开封大学 一种不燃轻质复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5530178B2 (ja) 多孔性ポリイミド
US8080631B2 (en) Siloxane-modified hyperbranched polyimide
US8734574B2 (en) Gas separation membrane
US20060122350A1 (en) Convalently bonded polyhedral oligomeric silsesquioxane/polyimide nanocomposites and process for synthesizing the same
JP6894216B2 (ja) 有機無機ハイブリッドコポリマー製造用組成物
US20070027284A1 (en) Covalently bonded polyhedral oligomeric silsesquioxane/polyimide nanocomposites and process for synthesizing the same
JPH05178992A (ja) ポリイミドシロキサン延長ブロックコポリマー
KR20170041798A (ko) 알콕시실란 변성 폴리아미드산 용액, 그것을 사용한 적층체 및 플렉시블 디바이스, 그리고 적층체의 제조 방법
JP5040336B2 (ja) アミック酸構造の繰返単位の一部がイミド構造になっている共重合体、およびその製造方法
TWI708795B (zh) 聚(醯胺-醯亞胺)共聚物、薄膜用組成物以及薄膜
WO2011129329A1 (ja) 気体分離膜
JP2002265599A (ja) シロキサン結合を有するポリイミド組成物およびその製造方法
JPH02191623A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP2873815B2 (ja) シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂組成物
JP4462184B2 (ja) 組成物、および当該組成物を用いてなる硬化膜
JPS59113035A (ja) 珪素含有材からなる素地表面に密着性良好なポリイミド層を形成する方法
JP3810100B2 (ja) ポリイミドシロキサン
JP4918875B2 (ja) アミック酸構造の繰返単位の一部がイミド構造になっている共重合体、およびその製造方法
JPH06271673A (ja) シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂および樹脂組成物
Inoue et al. Preparation and properties of elastic polyimide‐silica composites using silanol sol from water glass
JPH05112644A (ja) ポリイミド前駆体及びそのポリイミド硬化物及びその製造法
JPH0565342A (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド硬化物
JPH04272916A (ja) ポリシロキサンイミドの製造方法
JP4118649B2 (ja) 芳香族ポリアミドと芳香族ポリアミック酸の混合溶液の製造方法
JPS58118825A (ja) ポリイミド前駆体の製造法