JP2004100330A - 管推進機の反力伝達板 - Google Patents

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Katsumi Tamura
田村 克己
Hideki Moriya
森谷 秀樹
Masami Oki
大木 正巳
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Abstract

【課題】長距離掘進する場合等でも、先導体の推進に支障が生ぜず、回転掘削具の回転トルクの反力を十分に取り得る管推進機の反力伝達板を提供する。
【解決手段】先導体本体1と掘削外径が先導体本体1の外径よりも大きい回転掘削具2とを有する先導体を備え、先導体本体1を推進しつつ回転掘削具2で地山を掘削するとともに、掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体1の周囲の泥土通路7を通過させつつ先導体を掘進させる管推進機の先導体本体1の外周部に設けられ、地山に食い込ませることにより回転掘削具2の回転反力を地山に伝達する管推進機の反力伝達板において、地山に食い込ませる反力伝達板30の部分に耐摩耗材30Aを施した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転掘削具を有する先導体を備え、先導体本体を推進しつつ回転掘削具で地山を掘削するとともに、掘削土砂へ粘性付与材を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体周囲の泥土通路を通過させつつ先導体を掘進させるようにした管推進機の先導体本体の外周部に設けられ、回転掘削具の回転反力を地山に伝達する管推進機の反力伝達板に関する。
【0002】
【従来の技術】
管を地中に埋設する管推進工法は、回転掘削具を有する先導体の後方にヒューム管等で形成した埋設管を順次連結し、発進立坑に設置した元押し装置でそれらの埋設管を推進しながら前方の地山を回転掘削具で掘削して、各埋設管を順次地中に押し込んで埋設して行く方法が通常採用されている。管推進機は、こうした管推進工法を実施するため、先導体と元押し装置とで構成された装置である。
【0003】
従来、出願人が独自に開発したこの種の管推進機では、カッタヘッドで掘削した掘削土砂に、添加材としての粘性付与液を掘削土砂に注入、撹拌混合することにより塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体周囲の泥土通路を通過させつつ後方へ送って泥土の一部を先導体後部の土砂取り込み口から取り込んで土砂圧送装置で地上に排出するとともに残りを先導体の後方の埋設管の外周に導きつつ先導体を掘進させる。そのため、埋設管を推進する際、埋設管と周辺地山との摩擦抵抗を低減して埋設管の貫入抵抗を軽減できるとともに、土砂圧送装置での掘削土砂の排出を容易に行うことができる。この種の管推進機は、特に直径250mm以上1000mm以下の小口径の埋設管を埋設する小口径管推進機に実用化して良好な成果を収めている。
【0004】
この種の管推進機では、先導体本体の外周部に、周方向に所定間隔をおいて複数個の突起状の反力伝達板を設ける。これらの反力伝達板は、掘削穴の壁面をなす地山に食い込ませることにより回転掘削具の回転反力を地山に伝達して回転反力を地山で受けることができるようにする働きをするとともに、先導体本体を支持してその周囲に泥土通路を形成する働きもする。特開平10−18768号公報には、こうした管推進機の反力伝達板について、出願人らにより改良された技術が開示されている。本発明は、この公開特許公報に記載のような管推進機の反力伝達板を更に改良しようとするものである。
【0005】
そこで、後の説明の便のため、前記公開特許公報に記載されている改良前及び改良後の従来の反力伝達板や管推進機の概要を、図8乃至図11を用いて説明する。図8は、先導体側の部分を示す従来の管推進機の縦断面図、図9は、図8の矢印F−F方向の矢視図、図10は、図8の管推進機において反力伝達板に一般的なものを採用した場合の図8のG−G線断面に相当する図、図11は、図8の管推進機において反力伝達板に従来改良されたものを採用した場合の図8のG−G線断面に相当する図である。なお、これらの図に示されている管推進機は、小口径管推進機である。
【0006】
これらの図において、1は後方に埋設管を連結して地中を掘進する先導体の胴体をなす先導体本体、1Aは回転掘削具2が設置される前胴、1Bは埋設管21が連結される後胴、1Cは後述する泥土を取り込むための、後胴1Bに設けられた土砂取り込み口、2は地山を掘削する回転掘削具、2Aは掘削土砂に撹拌混合して塑性流動性のある泥土を生成するための粘性付与液を放射状に噴射して掘削土砂に注入する回転掘削具2の粘性付与液注入口、3は回転掘削具2を減速して回転駆動するための回転掘削具駆動装置、4はこの回転掘削具駆動装置3の回転を回転掘削具2に伝達するための回転軸、5はこの回転軸4を回転可能に支持する軸受、6は地上から送られる粘性付与液を粘性付与液注入口2Aに供給するための粘性付与液供給通路、7は先導体本体1の外周と掘削穴の穴壁との間に形成された環状の泥土通路である。なお、図には、地山を符号100で示し、泥土を符号101で示している。
【0007】
先導体本体1は、前胴1Aと後胴1Bとからなり、前胴1Aを後胴1Bに対し傾動可能に連結して中折できるように構成している。回転掘削具2は、その掘削外径を先導体本体1の外径よりも大きくするように構成して、後述する反力伝達板10を設けたことと相俟って、先導体本体1の外周と掘削孔の孔壁との間に環状の泥土通路7を形成するようにしている。回転掘削具2の粘性付与液注入口2Aから粘性付与材を掘削土砂に注入すると、これら粘性付与材と掘削土砂とが回転掘削具2により撹拌混合されて、掘削土砂に粘性が付与される。その結果、塑性流動性のある泥土が切羽近傍で生成され、この泥土は、回転掘削具2の後方へ送られて先導体本体1の周囲の泥土通路7を通過する。
【0008】
8は前胴1Aを後胴1Bに対して連結して先導体の方向修正を行う方向修正ジャッキ、9は土砂取り込み口1Cから取り込んだ泥土を地上に圧送する土砂圧送ポンプ、10は地山に食い込ませることにより回転掘削具2の回転反力を地山に伝達する突起状をなす管推進機の反力伝達板、21はヒューム管等で単位長さに製作された地中埋設用の埋設管、22はこの埋設管21を先導体本体1の後胴1Bに接続するための接続アダプタ、23は土砂圧送ポンプ9で圧送される泥土を発進立坑側に排出する、単位長さに製作された土砂圧送パイプである。
【0009】
方向修正ジャッキ8は、先導体本体1の内周方向に間隔を置いて複数個設置して前胴1Aと後胴1Bとを連結しており、適宜の方向修正ジャッキ8をストローク差をつけて伸縮することにより、前胴1Aを後胴1Bに対して傾動させることができる。ここに示す例では、先導体本体1を前胴1Aと後胴1Bで分割構成して中折れ可能に構成しているが、先導体本体1を更に多くの胴で分割構成してもよい。また、先導体本体1を中折れ可能に構成しなくとも、先導体を方向修正することは可能であるので、先導体本体1を中折れ可能に構成すること自体は、本発明にとって不可欠のことではない。
【0010】
埋設管21は、後胴1Bの後端部に接続アダプタ22を介して連結され、先導体の掘進の進展に応じて順次継ぎ足される。土砂圧送パイプ23は、後胴1Bの後端部の土砂圧送口9Aに連結されて埋設管21内に敷設され、埋設管21と同様、順次継ぎ足される。反力伝達板10は、上下左右に4個設けられ、何れも、後胴1Bの外周壁の前端部に形成した凸部1Dに固着されている。この反力伝達板10について、図10には、従来から一般に採用されていた反力伝達板11を図示し、図11には、前記特開平10−18768号公報に開示された改良型の反力伝達板12を図示しており、特に図11に図示の反力伝達板12は、地山に対向する側の部分に多数の凹部12a及び凸部12bを推進方向に沿うよう前後方向に形成している。
【0011】
両反力伝達板11,12は、何れも、地山に対向する側の面を、横断面略円弧状の曲面に形成するとともに回転掘削具2の掘削外径よりも若干突出するように形成している。そのため、この掘削外径より突出する反力伝達板11,12の外周部が先導体の掘進時に掘削穴の周囲の地山に食い込んで回転掘削具2の回転トルクの反力を地山に伝達して掘削穴の周囲の地山で受け、これにより、先導体のローリングを防止することができる。反力伝達板10(反力伝達板11,12を総称したものを意味する。)は、こうした回転掘削具2の回転反力を取る働きをするほか、先導体の方向修正時の反力や先導体の重力を地山に伝達する働きをする。また、先導体を支持して先導体本体1の周囲に泥土通路7を形成する働きもする。反力伝達板10を突設する場合、図11や図12に示す例では、先導体本体1の外周壁に略90°間隔で突設しているが、先導体本体1の外周壁に周方向に間隔を置いて3個以上所望の数だけ突設することができる。
【0012】
従来例の管推進機は、以上の構造を備えているので、先導体を元押し装置(図示せず)で推進しながら回転掘削具2を回転駆動して発進させると、先導体は、地山を掘削穴を掘削しながら掘進して行く。こうして掘進する過程で、埋設管21や土砂圧送パイプ23を先導体本体1の後端部に適宜連結して、今度は埋設管21の推進により先導体本体1を推進しつつ回転掘削具2で地山を掘削する。また、粘性付与液を掘削土砂へ注入し回転掘削具2で撹拌混合することにより塑性流動性のある泥土を切羽側で生成する。
【0013】
そうすると、この泥土は、後方へ送られ、環状の泥土通路7に圧入、充填されて同通路7を通過する。そして、その泥土の一部は、先導体本体1の後部の土砂取り込み口1Cに取り込まれて、土砂圧送パイプ23を通じて土砂圧送ポンプ9により地上に圧送、排出され、残りは、先導体本体1の外周に充満させるとともに埋設管21の外周に送られる。その間、土砂圧送ポンプ9で泥土の排出量を制御することにより、掘削穴と先導体1間に形成されたチャンバ内の泥土の圧力を調整して切羽を泥土圧で支持するようにする。従来の管推進機は、こうして地山を泥土圧で支持するとともに埋設管21の外周の泥土で埋設管21の貫入抵抗を軽減しながら掘進する。その間、反力伝達板10は、外周部を地山に食い込ませることにより、先導体を地山で支持しながら回転掘削具2の回転反力を地山に伝達してその回転反力による先導体のローリングを防ぐ。
【0014】
こうした管推進機は、従来は、多くの場合、掘進距離の短い施工に用いられ、そのため、施工対象となる地山は、土質の変化が少なく、また、土質自体もそれほど硬くはなかった。こうした地山を短い距離掘進する場合には、反力伝達板10の地山への食い込み代を、土質の硬さに応じて4mm前後の所定の値に設定しておけば、その食い込み代が楔効果を発揮して、回転掘削具2の回転トルクの反力を反力伝達板10により確実に取ることができた。また、施工対象となる地山は、それほど硬くはないため、反力伝達板10を所定の食い込み代で地山へ食い込ませても、先導体や埋設管21の推進に要する推力は、それほど大きくはならなかった。そのため、先導体の推進にも支障は生じず、円滑な掘進を実現することができた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近は、こうした管推進機について掘進の長距離化がとみに進展したため、軟質土質や硬質土質等種々の土質が混在した地山を掘進する必要性が高まっている。こうした地山を掘進する場合において、特に硬質の土質の地山を掘進するときには、先導体の推進に要する推力が大きくなることから、反力伝達板10の地山への食い込み代を大きくしすぎると、推進抵抗が増加して掘進不能となる。こうした事態の発生を防止するため、長距離の掘進を行うときには、反力伝達板10の地山への食い込み代を、当該地山の最も硬い土質に適合するように通常よりも小さく設定することになる。
【0016】
また、最近では、従来は施工対象とならなかったような極度に硬い硬質土質の地山においても管推進工法を実施できるようにすることが要請されている。こうした地山としては、例えば硬礫地盤や軟岩のような石英分の多い地山を挙げることができる。従来の管推進機における図11に示す例は、こうした要請に応えようとするものである。この従来の管推進機に採用されている反力伝達板12は、その外周部に多数の凹部12aと凸部12bを推進方向に沿うように形成したものである。こうした構造を施すことにより、食い込み時の地山との接触面積を増加して先導体をローリングしにくくし、帰するところ、地山への食い込み代を、硬い土質に適合するように減少させても、回転掘削具2の回転反力を必要なだけ取れるようにすることを意図している。
【0017】
しかしながら、前記の長距離の掘進を行うケースにおいては、極度に硬い土質が地山に混在していなくても、反力伝達板10の地山への食い込み代を、当該地山の最も硬い土質に適合するように通常よりも小さく設定するため、掘進を長い距離進めると、反力伝達板10は、摩耗が著しく進行して地山への食い込み代を十分には確保することができなくなる。その結果、回転掘削具2の回転反力を適正に取ることができなくなり、そのため、回転掘削具2を望ましい回転トルクで駆動して掘削すると、先導体がローリングという問題が発生した。
【0018】
また、図11の反力伝達板12を採用して極度に硬い硬質土質の地山を掘進するケースにおいては、反力伝達板12の地山への食い込み代をきわめて小さく設定しなければならず、かつ、反力伝達板12の摩耗が土質との関係で進行しやすい。そのため、この反力伝達板12では、長距離の掘進を行わない場合でも、掘進が進展すると、摩耗が著しく進行して前記の問題と同様の問題が生じる。しかも、この反力伝達板12は、地山への食い込み部が凸部12bだけであって、地山への食い込み部が半減しているため、摩耗が通常のものよりも進行しやすく、食い込み代の減少が急速に進む。ちなみに、図11に図示の管推進機を実施して極度に硬い硬質土質の地山を掘進した場合、反力伝達板12が摩耗して先導体がローリングするという事態が現実に発生した。
【0019】
本発明は、従来の技術にみられるこうした問題を解決するために創作されたものであって、その技術課題は、先導体が長距離掘進する場合及び極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合の何れの場合でも、全掘進区間にわたって、先導体の推進に支障が生ぜず、かつ、回転掘削具の回転トルクの反力を確実に取ることができる管推進機の反力伝達板を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の技術課題を達成するため、
後端部に埋設管が取り付けられる先導体本体とこの先導体本体の前方に設置され掘削外径が先導体本体の外径よりも大きい回転掘削具とを有する先導体を備え、先導体本体を推進しつつ回転掘削具で地山を掘削するとともに、掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体周囲の泥土通路を通過させつつ先導体を掘進させる管推進機の先導体本体の外周部に設けられ、地山に食い込ませることにより回転掘削具の回転反力を地山に伝達する管推進機の反力伝達板において、
地山に食い込ませる部分に耐摩耗材を施した。
【0021】
管推進機の反力伝達板は、先導体の掘進時に地山を強制的に押しのけることにより、地山に食い込んで回転掘削具の回転反力を地山に伝達するため、先導体の掘進が進展すると、地山に対向する側の面が次第に摩耗して地山への食い込み代が少なくなる。そして、先導体が長い距離掘進する場合や極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合においてこの状態が進行すると、地山への食い込み代を通常よりも小さく設定しているため、やがて、回転掘削具の回転反力を掘削穴の周囲の地山に十分に伝達することができなくなる。
【0022】
これに対し、本発明の管推進機の反力伝達板では、特に、地山に食い込ませる部分における少なくとも地山に対向する側に耐摩耗材を施したので、地山に対向する側の面が掘進の進展により摩耗して地山への食い込み代が減少するのを抑制することができる。そのため、地山への食い込み代を、先導体の推進が円滑に行えるように地山の土質に応じて適切に設定して掘進したとしても、掘進する地山の土質が硬いか掘進距離が長いかの如何を問わず、地山への食い込み代を、掘進の最終段階に至るまで必要なだけ確保することができる。その結果、回転掘削具の回転トルクの反力を、全掘進区間にわたって確実に地山に伝達することができる。したがって、本発明の管推進機の反力伝達板では、先導体が長距離掘進する場合及び極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合の何れの場合でも、全掘進区間にわたって、先導体の推進に支障が生ぜず、かつ、回転掘削具の回転トルクの反力を確実に取ることができて、反力伝達板の機能を全うすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを示す第1の具体化例及び第2の具体化例を図1乃至図7に基づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明らかにする。図1は、先導体側の部分を示す本発明に係る管推進機の縦断面図、図2は、図1の管推進機において管推進機の反力伝達板に本発明の第1の具体化例に係るものを採用した場合の図1のA−A線断面に相当する図、図3は、図1の管推進機において管推進機の反力伝達板に本発明の第2の具体化例に係るものを採用した場合の図1のA−A線断面に相当する図、図4は、図2のB−B線断面図、図5は、図4のD−D線断面図、図6は、図3のC−C線断面図、図7は、図6のE−E線断面図である。図1乃至図8において既述の図8乃至図11と同一の符号を付けた部分は、これら図8乃至図11と同等の部分を表わすので、詳述しない。
【0024】
図1に図示の本発明に係る管推進機は、従来の管推進機と同様、前胴1Aと後胴1Bとで構成され、後端部に埋設管21が取り付けられる中折れ可能な先導体本体1と、掘削外径が先導体本体1の外径よりも大きい回転掘削具2とを有する先導体を備え、先導体本体1の後端部に埋設管21や土砂圧送パイプ23を逐次連結して埋設管21の推進により先導体本体1を推進しつつ回転掘削具2で地山を掘削するとともに、回転掘削具2の粘性付与液注入口2Aから粘性付与材を掘削土砂へ注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体1の周囲の環状の泥土通路7に圧入、充填して同通路7を通過させつつ先導体を掘進させるようにしている。
【0025】
その場合、本発明に係る管推進機は、従来の管推進機と同様、泥土の一部を先導体本体1の後部の土砂取り込み口1Cに取り込んで、土砂圧送パイプ23を通じて土砂圧送ポンプ9により地上に圧送、排出し、残りを埋設管21の外周に送るようにしていて、基本的な構造は、従来の管推進機と変わらない。本発明の各具体化例に係る管推進機の反力伝達板30(第1の具体化例に係る管推進機の反力伝達板31及び第2の具体化例に係る管推進機の反力伝達板32を総称したものを意味する。)は、何れも、こうした管推進機における先導体本体1の外周部に設けられ、地山に食い込ませることにより回転掘削具2の回転反力を地山に伝達する働きをするものであり、この限りにおいては、従来の管推進機の反力伝達板10と変わらない。
【0026】
本発明の各具体化例に係る管推進機の反力伝達板30の最大の特徴は、こうした働きをする反力伝達板30において、先導体が長距離掘進する場合や極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合でも、先導体の推進に支障が生ぜず、かつ、回転掘削具2の回転トルクの反力を確実に取ることができるようにするため、地山に食い込ませる部分における少なくとも地山に対向する側に耐摩耗材30Aを施した点にある。反力伝達板30のこうした個所に耐摩耗材30Aを施す場合、何れの具体化例に係る反力伝達板30も、掘進時に最初に地山を押しのける前端部に耐摩耗材30Aを施している。
【0027】
そこで、まず、本発明の第1の具体化例に係る管推進機の反力伝達板31につき、その特徴的な技術内容を図2、図4及び図5に基づいて説明する。
【0028】
この反力伝達板31は、地山に対向する面を横断面略円弧状に形成した図10に図示の従来の一般的な反力伝達板11と同様の形状の反力伝達板において、反力伝達板の地山への食い込み部(掘削外径よりも突出した反力伝達板の外周部)の特に前端部に対し、その幅方向(周方向)及び突出方向(径方向)の全体にわたって耐摩耗材30Aを施したものである。具体的には、反力伝達板本体の前端部外周に、地山への食い込み代と同じ深さの切欠きをその外周周面に沿うように円弧状に設けて、この切欠きに、耐摩耗材30Aによる円弧状のチップを銀ろうでろう付けして埋め込むように固着する。耐摩耗材30Aによるチップとして、ここでは、タングステンカーバイトよる超硬チップを用いている。
【0029】
反力伝達板31の地山への食い込み代は、先導体の推進に支障が生じないように、施工対象となる地山の土質(硬さ)に適合するように設定するが、長距離の掘進を行う場合において、施工対象となる地山に硬質や軟質の種々の土質が混在しているときには、最も硬い土質に適合するように設定する。硬礫地盤や軟岩のような極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合には、地山への食い込み代を2mm前後(1.5mm乃至2.5)に設定する。これまでの知見によると、反力伝達板31の地山への食い込み量をこの程度の値にすれば、先導体の推進に支障が生じない。
【0030】
次に、本発明の第2の具体化例に係る管推進機の反力伝達板32につき、その特徴的な技術内容を図3、図6及び図7に基づいて説明する。
【0031】
この反力伝達板32は、図11に図示の従来改良された反力伝達板12と同様の反力伝達板において、反力伝達板の地山への食い込み部の特に前端部に対し、その幅方向及び突出方向の全体にわたって耐摩耗材30Aを施したものである。
その具体的な構造について説明すると、この反力伝達板32は、横断面略円弧状をなす反力伝達板本体の外周部に、推進方向に沿うように前後方向に凹部32A及び凸部32Bを多数交互に形成している。これらの凸部32Bは、その突出量を地山への食い込み代と等しくするように形成しており、したがって、先導体の推進時には、各凸部32Bだけが地山に食い込んで回転掘削具2の回転反力を地山に伝達する。各凸部32Bの前端部には、前記第1の具体化例と同様、切欠きを設けて、この切欠きにタングステンカーバイトよる超硬チップを銀ろうでろう付けして固着することにより耐摩耗材30Aを施している。
【0032】
管推進機の反力伝達板は、先導体の掘進時に、地山を切削するようなことはしないで強制的に押しのけることにより、地山に食い込んで回転掘削具2の回転反力を地山に伝達するため、地山を押しのける過程で、著大な摩擦力が作用する。
従来の反力伝達板10では、こうした著大な摩擦力が作用すると、先導体の掘進が進展するにつれて、地山に対向する側の面が次第に摩耗して地山への食い込み代が少なくなる。そして、特に先導体が長い距離掘進する場合や極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合においてこの状態が進行すると、地山への食い込み代を通常よりも小さく設定しているため、やがて、回転掘削具2の回転反力を掘削穴の周囲の地山に十分に伝達することができなくなる。
【0033】
これに対し、以上述べた本発明に係る管推進機の反力伝達板30では、特に、地山に食い込ませる部分に耐摩耗材30Aを施したので、地山に対向する側の面が掘進の進展により摩耗して地山への食い込み代が減少するのを抑制することができる。そのため、地山への食い込み代を、先導体の推進が円滑に行えるように地山の土質に応じて適切に設定して掘進したとしても、掘進する地山の土質が硬いか掘進距離が長いかの如何を問わず、地山への食い込み代を、掘進の最終段階に至るまで必要なだけ確保することができる。その結果、回転掘削具2の回転トルクの反力を、全掘進区間にわたって確実に地山に伝達することができる。したがって、本発明に係る反力伝達板30では、先導体が長距離掘進する場合及び極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合の何れの場合でも、全掘進区間にわたって、先導体の推進に支障が生ぜず、かつ、回転掘削具2の回転トルクの反力を確実に取ることができて、反力伝達板30の機能を全うすることができる。
【0034】
その結果、先導体が長距離掘進する場合や極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合でも、先導体の全掘進過程において先導体が回転掘削具2の回転反力によりローリングする危惧がない。そのため、先導体の全掘進区間を通じて、回転掘削具2を、最適の回転トルクすなわち設計上定めた最大回転トルクで駆動して掘削することが可能となり、ひいては、先導体の最善の推進速度を選定することができて、管埋設のための全体の施工時間を短縮することができる。管推進機における先導体は、管埋設の施工終了後に回収して繰り返し使用し、回収する都度、反力伝達板30の摩耗や損傷等、各部の状態を点検する。その際、必要に応じて反力伝達板30の補修や交換を行うが、この反力伝達板30では、地山への食い込み部の摩耗の進行が耐摩耗材30Aにより抑制されるので、補修や交換の回数を大幅に減らすことができる。
【0035】
ここに示した反力伝達板30では、地山に食い込ませる部分に耐摩耗材30Aを施す場合に、耐摩耗材30Aを、特に、掘進時に最初に地山を押しのける前端部に施しているので、反力伝達板30が地山を押しのける過程で受ける著大な摩擦力を、専らこの耐摩耗材30Aで受けることができ、反力伝達板30のうち、耐摩耗材30Aを施していない後方部分は、前端部で押しのけられて形成された空間内を滑るようにして前進し、ほとんど摩耗しない。そのため、耐摩耗材30Aを前端部に設けるだけで、初期の目的を達成することができるので、反力伝達板30を製作する際に耐摩耗材30Aの使用量を節減することができる。
【0036】
ここに示す例では、耐摩耗材30Aを反力伝達板30の前端部にだけ施しているが、その後方にも耐摩耗材30Aを施して複数個所に施すこともできる。こうした構造を採用した場合、前端部の耐摩耗材30Aが若干摩耗したときには、後方側の耐摩耗材30Aで摩擦力を受けることができ、これにより後方側の耐摩耗材30Aが若干摩耗したときには、前端部の耐摩耗材30Aで摩擦力を受けることができて、相互に補完しながら地山への食い込み代の摩耗による減少を一層抑制することができる。ここに示す例では、反力伝達板30の地山への食い込み部に耐摩耗材30Aを施す場合、その幅方向及び突出方向の全体にわたって施しているが、耐摩耗材30Aは、反力伝達板30の地山への食い込み部における少なくとも地山に対向する側に施せば、その食い込み代の摩耗による減少を抑制することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の管推進機の反力伝達板では、特に、地山に食い込ませる部分に耐摩耗材を施したので、先導体が長距離掘進する場合及び極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合の何れの場合でも、先導体の推進に支障が生ぜず、かつ、回転掘削具の回転トルクの反力を確実に取ることができることができる。その結果、長距離掘進する場合や極度に硬い硬質土質の地山を掘進する場合に、回転掘削具による掘削中に先導体がローリングする危惧がないので、管推進機の全掘進区間を通じて、回転掘削具を最適の回転トルクで駆動して掘削することができ、ひいては、先導体の最善の推進速度を選定することができて、管埋設のための全体の施工時間を短縮することができる。管推進機における先導体は、管埋設の施工終了後に回収して繰り返し使用し、回収する都度、反力伝達板の摩耗等を点検して、必要に応じてその補修や交換を行うが、本発明の管推進機の反力伝達板では、補修や交換の回数を大幅に減らすことができる。
【0038】
本発明の管推進機の反力伝達板を具体化する場合、特に、特許請求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、本発明の管推進機の反力伝達板を製作する際に耐摩耗材の使用量を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】先導体側の部分を示す本発明に係る管推進機の縦断面図である。
【図2】図1の管推進機において管推進機の反力伝達板に本発明の第1の具体化例に係るものを採用した場合の図1のA−A線断面に相当する図である。
【図3】図1の管推進機において管推進機の反力伝達板に本発明の第2の具体化例に係るものを採用した場合の図1のA−A線断面に相当する図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】図4のD−D線断面図である。
【図6】図3のC−C線断面図である。
【図7】図6のE−E線断面図である。
【図8】先導体側の部分を示す従来の管推進機の縦断面図である。
【図9】図8の矢印F−F方向の矢視図である。
【図10】図8の管推進機において反力伝達板に一般的なものを採用した場合の図8のG−G線断面に相当する図である。
【図11】図8の管推進機において反力伝達板に従来改良されたものを採用した場合の図8のG−G線断面に相当する図である。
【符号の説明】
1  先導体本体
1A 前胴
1B 後胴
1C 土砂取り込み口
2  回転掘削具
2A 粘性付与液注入口
3  回転掘削具駆動装置
4  回転軸
5  軸受
6  粘性付与液供給通路
7  泥土通路
9  土砂圧送ポンプ
21  埋設管
23  土砂圧送パイプ
30  反力伝達板
30A 耐摩耗材
31  (第1の)反力伝達板
32  (第2の)反力伝達板
32A (反力伝達板32の)凹部
32B (反力伝達板32の)凸部
101  泥土

Claims (2)

  1. 後端部に埋設管が取り付けられる先導体本体とこの先導体本体の前方に設置され掘削外径が先導体本体の外径よりも大きい回転掘削具とを有する先導体を備え、先導体本体を推進しつつ回転掘削具で地山を掘削するとともに、掘削土砂へ粘性付与液を注入して塑性流動性のある泥土を生成し、その泥土を先導体本体周囲の泥土通路を通過させつつ先導体を掘進させる管推進機の先導体本体の外周部に設けられ、地山に食い込ませることにより回転掘削具の回転反力を地山に伝達する管推進機の反力伝達板において、地山に食い込ませる部分における少なくとも地山に対向する側に耐摩耗材を施したことを特徴とする管推進機の反力伝達板。
  2. 請求項1に記載の管推進機の反力伝達板において、地山に食い込ませる部分における少なくとも地山に対向する側に耐摩耗材を施す場合に、耐摩耗材を前端部に施したことを特徴とする管推進機の反力伝達板。
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