JP4049015B2 - 掘削工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、先端に工具本体を装着した削孔ロッドがケーシングに挿入されて構成され、工具本体により地山に掘削孔を形成しつつケーシングを挿入する削孔作業に使用される掘削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、トンネル掘削工事において地質の悪い地山を掘削する際に、トンネル壁面の緩みを防止するために、あらかじめ地山を補強してトンネル掘削を行う工法が用いられている。従来、このようなトンネル工事に伴う地山先行補強工法として、複数の鋼管(ケーシング)を連結しながら、トンネル掘削に使用する油圧ジャンボによって掘削切羽の周辺部からトンネルの軸方向斜め外方に向けて鋼管を埋設し、トンネル掘削領域外に埋設された鋼管に注入剤を注入して地山を補強する鋼管先受け工法が実施されている。
【0003】
このような鋼管先受け工法の概略施工状況を図5に示す。図は、工事中のトンネル1のトンネル切羽2付近における進行方向に沿った断面図で、トンネル1の上面はコンクリートや鋼材などによる補強材3が施工されており、トンネル1に連続して掘削される予定の範囲が二点鎖線4によって示されている。また、地山を補強するために、トンネル1および掘削範囲の外側に複数の鋼管5が埋設されており、油圧ジャンボ6に連結されている施工中の鋼管5と、注入剤8が注入された施工後の鋼管5とが図に示されている。油圧ジャンボ6のブーム7に装備されている駆動装置に基端部が連結されている掘削工具は、打撃力および回転力を伝達するインナーロッドと、インナーロッドの先端に装着される掘削ビットと、掘削ビットおよびインナーロッドが挿入される鋼管5とを有している。鋼管5とインナーロッドとの間には所定の寸法の間隙が設けられており、鋼管5より掘削ビットが先端側に突出している。また、削孔水を供給するための流路がインナーロッドを貫通するように形成されており、掘削箇所に向けて削孔水を噴出するため流体供給口が掘削ビットに形成されている。
【0004】
そして、先行して掘削する掘削ビットの前進とともに掘削孔に鋼管5を挿入していき、順次インナーロッドおよび鋼管5を連結して所定の深さまで鋼管5が埋設される。このとき、掘削によって生じた土砂や岩屑などの掘削屑は、インナーロッドを通して高圧で供給される削孔水によって押し流されて、鋼管5とインナーロッドとの間隙から掘削孔の外に排出される。このような削孔作業の後に、掘削ビットおよびインナーロッドが回収されて、注入作業において鋼管5に注入剤8が注入され、図の施工後の状態に示すように、鋼管5から地山に注入剤8が浸透して地山が強化される。(例えば、特許文献1参照。)
【0005】
【特許文献1】
特開平8-121073号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記鋼管先受け工法において、粘土のように粘性が高くて、かつ流動性が悪い地層を掘削する場合、鋼管5とインナーロッドとの間隙を通過する掘削屑が、この間隙に堆積してしまって排出効率が低下してしまうという問題があった。そして、このような堆積した掘削屑が順次積み重なることによって、掘削屑が排出されなくなってしまい、これにより削孔作業が続行不可能となるおそれがあった。また、地層が軟質な場合において削孔水によってさらに地山が軟化することを抑制するためや、地表との土被りが浅い場合において地表の構造物に与える影響を回避するために、削孔水の使用量を低減させなければならない、または削孔水に代用して空気を用いなければならないことがあり、このような場合において、掘削屑の堆積がとくに問題となっていた。
【0007】
本発明は、このような背景の下になされたものであって、掘削屑が順調に排出されて、削孔作業を滞ることなく進めることのできる掘削工具を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る掘削工具は、軸線回りに回転駆動可能な削孔ロッドと、該削孔ロッドの掘削進行方向の前方に装着される工具本体と、前記削孔ロッドを挿入した状態で該削孔ロッドに対して所定の間隙を有する円筒状のケーシングとを備えて構成されている掘削工具において、前記工具本体の先端部が略円錐形状に形成されており、該先端部から基端側に向かうスパイラル状の排出溝が前記工具本体の側面に形成され、前記工具本体の先端部に切欠き部が形成されることで、該切欠き部の回転方向前方を向く切刃側面と先端面との交差部に切刃部が形成されているとともに、前記切刃側面が前記排出溝の回転方向前方を向く溝側面に連続するように形成されていることを特徴とする。
【0009】
この発明の掘削工具では、先端部が略円錐形状に形成されている工具本体の側面に、先端部から基端側に向かうスパイラル状の排出溝が形成されているので、掘削によって生じた掘削屑は略円錐形状の先端部に沿って基端側に流動し、排出溝に案内されて削孔ロッドとケーシングとの間隙に導入される。つまり、削孔ロッドから伝達される駆動力によって工具本体が回転駆動することによって、スパイラル状の排出溝が掘削屑を攪拌するとともに、スパイラル状の排出溝の側面によって掘削屑が基端側へ押し流されるのである。これにより、削孔水の使用量を低減させたり、削孔水に代用して空気を用いたりしても掘削屑が堆積することなく、掘削屑の排出性能の低下を防止することができるので、削孔水による地山の緩みを抑制することができるとともに、順調に掘削作業を進めることができる。
また、略円錐形状に形成されている工具本体の先端部に切欠き部が形成され、この切欠き部の回転方向前方を向く切刃側面と先端面との交差部に切刃部が形成、つまり切欠き部の回転方向後方側のエッジ部分が切刃部とされているとともに、切刃側面が排出溝の回転方向前方を向く溝側面に連続するように形成されているので、切刃部によって掘削屑が生じるとともに、切刃側面によって掘削屑が排出溝に案内される。このように、掘削屑を排出溝に案内するような位置関係に切刃部が形成されているので、掘削屑をスムーズに排出することができる。
【0010】
また、本発明に係る掘削工具は、上述した掘削工具であって、前記工具本体の先端部の頂点部分および前記切刃部に耐摩耗処理が施されていることを特徴とする。
【0011】
この発明の掘削工具では、略円錐形状に形成されている工具本体の先端部の頂点部分および切刃部に耐摩耗処理が施されているので、頂点部分および切刃部の摩耗が抑制される。たとえば、このような耐摩耗処理として先端部の頂点部分および切刃部を覆うように硬化肉盛りを形成、または超硬チップを植設することなどがある。これにより、上述したような排出溝と切刃部との位置関係を長時間維持することができ、掘削距離が長い場合においても掘削屑の排出効率が低下することを防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る掘削工具は、上述した掘削工具であって、前記軸線に沿って削孔水を供給する流路が前記工具本体に形成されており、前記流路から前記排出溝の溝底面に連通して形成されている流体供給口が、前記工具本体の基端側に向かって開口していることを特徴とする。
【0013】
この発明の掘削工具では、軸線に沿って工具本体の内部に形成されている流路から排出溝の溝底面に連通する流体供給口が工具本体の基端側に向かって開口するように形成、つまり、流体供給口が流路から溝底面に向かって工具本体の基端側に向かうように傾斜して形成されているので、流路に供給されて流体供給口から噴射される削孔水は工具本体の基端側に向かうように排出溝に噴射される。このような向きとなるように削孔水が噴射されることによって、排出溝を通過する掘削屑がよりスムーズに排出され、排出効率を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係る掘削工具は、上述した掘削工具であって、前記工具本体の外周に配置されるリングビットが前記ケーシングの先端に装着されており、前記リングビットの先端部の内周面が先端側に向かうに従い外周側に近づく傾斜面を有し、該先端部に設けられている切刃部にも同様に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0015】
この発明の掘削工具では、リングビットは先端部に切刃部が設けられており、先端部および切刃部の内周面が先端側に向かうに従い外周側に近づく傾斜面に形成されている、つまり、軸線に沿った断面図において向かい合う傾斜面同士が「ハの字状」に形成されているので、掘削屑は傾斜面によってリングビットの内側に案内される。これにより、工具本体の排出溝を通過する切削屑がリングビットの外側に流れ出ることが防止され、スムーズに切削屑を排出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である掘削工具10の先端部分を示しており、図2は、掘削工具10の全体構成を示している。また、図1(a)は掘削工具10を軸線Oの先端側から見た図で、矢印の方向が掘削時の回転方向Tを示しており、図1(b)は掘削工具10の部分断面側面図で、左側が掘削工具10の先端側とされ、先端方向が掘削進行方向の前方とされる。掘削工具10は、最先端に位置して地山を掘削するスクリュービット(工具本体)11と、スクリュービット11を先端に装着して駆動力を伝達する削孔ロッド12と、削孔ロッド12を挿入可能な円筒状の鋼管(ケーシング)13と、鋼管13の先端に装着されてスクリュービット11の外周に配置されるリングビット14とを備えて構成されている。
【0017】
スクリュービット11は、先端部15が略円錐形状に形成された柱状の部材で、側面にスパイラル状の排出溝16が左ネジで、つまり先端側から基端側に向かうに従い回転方向Tの逆方向に向かうように捩れた螺旋形状で、周方向に等間隔に複数条(図では3条)形成されている。排出溝16は、中央部分が若干突出するような溝底面16aと、スクリュービット11の径方向に伸びて互いに対向する溝側面16bとを有する断面コ字状の溝で、先端部15の円錐面15a(先端面)からスクリュービット11の基端面11aまで連続して形成されている。また、排出溝16のリード角が45°〜75°の範囲で、溝深さが5mm以上となるように形成されている。
【0018】
先端部15の複数箇所(図では3箇所)にV字状の切欠き部17が形成されており、切欠き部17の回転方向Tの前方を向く側面が切刃側面17aとされ、切刃側面17aと円錐面15aとの交差部が切刃部18とされている。図3に示す斜視図のように、切刃側面17aの基端側の稜線19を介して排出溝16の回転方向Tの前方を向く溝側面16bに切刃側面17aが連続し、切欠き部17の他方の側面17bが、その基端側の稜線20を介して溝底面16aに連続するように切欠き部17が形成されている。そして、先端部15の頂点部21と切刃部18とを覆うように(図においてハッチングされている範囲)耐摩耗処理のための硬化肉盛りが形成されている。
【0019】
また、スクリュービット11の排出溝16が形成されていない外周部分は、2箇所に形成された段部によって、基端側から第1外周部22と、第2外周部23と、第3外周部24との外径の異なる3つの外周部に分けられており、先端側の外周部の外径が小さく形成されている。また、第1外周部22と第2外周部23との間に先端側を向く傾斜面25が形成され、第2外周部23と第3外周部24との間に先端側を向く傾斜面26が形成されている。また、第3外周部24には、径方向に突出する凸条部27が形成されている。
【0020】
また、基端面11aには削孔ロッド12を装着するための装着孔30が軸線Oを中心として開口しており、装着孔30の内周面30aの基端部付近には、軸線Oに直交して固定ピンを挿入するためのピン孔32が、その側面の一部を装着孔30に開口するように形成され、ピン孔32より先端側の内周面30aには雌ネジ部33が形成されており、装着孔30の底面30bには軸線Oを中心とした流路34が所定の深さで形成されている。そして、溝底面16aに開口するように流路34に連通して流体供給口35,36が形成されている。流体供給口35は、流路34から排出溝16に向かって先端側から基端側に向かうように軸線Oに対して傾斜して設けられ、掘削進行方向の後方(基端方向)に向かって溝底面16aに開口しており、流体供給口36は掘削進行方向の前方(先端方向)に向かって溝底面16aに開口している。
【0021】
削孔ロッド12は、図2に示すように、軸線Oに沿って流路40が貫通している管状のロッドで、鋼管13と削孔ロッド12との間には所定の寸法の間隙が設けられている。削孔ロッド12の両端部には、雄ネジ部41を有する連結部42が形成されており、連結部42を除く全外周側面、つまり、外周側面の一部にはスパイラル羽根部43が設けられている。スパイラル羽根部43は、排出溝16と同じ向きに螺旋状に形成されており、リード角が45°〜75°の範囲に設定され、スパイラル羽根部43の高さ、つまり径方向の寸法が5mm以上に設定されている。
【0022】
また、連結部42には、雌ネジ部33に螺合可能な雄ネジ部41と、軸線Oを中心に周回するように伸びる凹部と、連結時に連結孔30の外側に位置する被把持部44とが、端部から順に形成されている。凹部は、連結時にピン孔32に対応する位置に形成されており、ピン孔32に挿入される固定ピンと軸線O方向に係合する部分で、被把持部44は削孔ロッド12とスクリュービット11とを連結する際に把持工具によって把持される部分である。
【0023】
また、削孔ロッド12同士の連結には中間スリーブ45が使用されている。中間スリーブ45は、削孔ロッド12の雄ネジ部41が螺合可能な雌ネジ部を両端部に有する連結孔45aが、軸線Oを中心に貫通して形成されている。また、中間スリーブ45の全外周側面には、スクリュービット11の排出溝16と同じ向きに捩れた螺旋状の排出溝46が形成されている。
【0024】
鋼管13の先端には、円筒状のケーシングトップ47が溶接などにより取り付けられている。ケーシングトップ47は、鋼管13より先端側に位置する先端部48と、先端部48に対して内外径とも一段縮径するような基端部49とを有しており、基端部49の基端縁には基端側に向けて漸次拡径するように傾斜する基端面49aが形成されている。基端部49の外周面は鋼管13に嵌入可能で、内周面はスクリュービット11の第2外周部23に摺接可能となるように形成され、先端部48の内外径は鋼管13の内外径と略等しく形成されている。また、先端部48の内周面の軸線O方向略中央には、この内周面を軸線O回りに周回するように環状溝50が形成されており、環状溝50は軸線Oに沿った断面において、軸線O方向に所定の寸法を有したコ字状とされている。
【0025】
リングビット14は、ケーシングトップ47に対して回転自在で、かつ軸線O方向へ所定の範囲だけ摺動可能となるように、ケーシングトップ47の先端に装着されている。リングビット14は、ケーシングトップ47より先端側に位置する先端部51と、ケーシングトップ47の先端部48の内周面に摺接可能な基端部52とを有している。また、基端部52の基端縁のうち、ケーシングトップ47の基端部49の内周面より内側に位置する基端縁には、基端側に向けて漸次拡径するように傾斜する基端面52aが形成されている。リングビット14の内周面は、スクリュービット11の第3外周部24が摺接可能とされ、凸条部27を収容可能な凹条部53が形成されている。また、先端部51の内周面の先端部分は、先端側に向けて漸次拡径するテーパ面状の傾斜面51aとされ、つまり、軸線Oに沿った断面において向かい合う傾斜面51a同士が「ハの字状」に形成されている。
【0026】
また、リングビット14の基端部52の外周面には、軸線Oを中心としてこの外周面を軸線O回りに周回するように延びる環状溝54が形成されており、環状溝54は軸線Oに沿った断面においてコ字状をなしており、そして、リングビット14をケーシングトップ47の先端部48の内周に嵌挿することによって、リングビット14の環状溝54とケーシングトップ47の環状溝50とが合致して画成される環状孔には、軸線Oに対する径方向に弾性変形可能な係止部材55が介装されている。係止部材55は、環状溝54に嵌合可能な断面を有するC型止め輪で、係止部材55の軸線O方向の寸法が環状溝50の軸線O方向の寸法より短く設定されているので、環状溝50の軸線O方向に係止部材55が摺動可能とされている。このような、環状溝50および環状溝54による環状孔と係止部材55との係合によって、リングビット14がケーシングトップ47に対して回転自在、かつ摺動可能に装着されている。
【0027】
また、リングビット14の先端側に突出するように複数箇所(図では3箇所)に掘削チップ56(切刃部)が植設されており、掘削チップ56の内周面が先端側に向かうに従い外側に傾斜する傾斜面56aを有する形状とされている。また、掘削チップ56が植設されている周方向の位置は、スクリュービット11とリングビット14とが周方向に係合した状態で、スクリュービット11の切刃部18より掘削チップ56が回転方向Tの前方となるように設定されている。
【0028】
また、駆動装置からの駆動力を削孔ロッド12および鋼管13に伝達するために、削孔ロッド12の基端には調整ロッド60が装着されており、鋼管13の基端にアダプタ61が装着されている。調整ロッド60は、外周側面にスパイラル状の排出溝62が形成されているロッド本体部63と、ロッド本体部63から基端側に伸びる軸部64とを有しており、ロッド本体部63の先端面に軸線Oを中心として雌ネジ部65を有する連結孔66が形成され、軸部64の先端に雄ネジ部67が形成されている。アダプタ61は、鋼管13と略同一外径を有する円筒部68と、円筒部68の先端側に設けられて鋼管13の内周面に嵌入可能な連結部69と、円筒部68の基端側に設けられて調整ロッド60の軸部64が挿入可能な穴部70が形成されている基部71とを有している。また、円筒部68には、鋼管13内を流動してきた掘削屑を排出するための排出口72が形成されている。
【0029】
削孔ロッド12および鋼管13を駆動装置に連結するには、削孔ロッド12の連結部42に調整ロッド60の連結孔66を連結させ、鋼管13にアダプタ61の連結部69を嵌入させて鋼管13の基端面と円筒部68の先端面とを当接させるとともに、アダプタ61の穴部70に調整ロッド60の軸部64を挿入させる。そして、アダプタ61より基端側に突出している軸部64にリング部材73を挿入し、リング部材73とアダプタ61の基部71とを当接させて、スリーブ74がリング部材73に当接するように軸部64の雄ネジ部67にスリーブ74の一端を螺合させ、スリーブ74の他端に駆動装置のシャンクロッド75を連結する。
【0030】
上述したように構成されている掘削工具10による削孔作業では、軸線O回りの回転力、軸線O方向の推進力、および必要に応じて打撃力などの駆動力がシャンクロッド75からスリーブ74を介してアダプタ61と調整ロッド60とに伝達され、それぞれ鋼管13と削孔ロッド12とに伝達される。また、削孔ロッド12からスクリュービット11に伝達された駆動力のうち、軸線O回りの回転力が凸条部27と凹条部53との係合によってリングビット14に伝達され、軸線O方向の推進力および打撃力が傾斜面26と基端面54aとの当接によってリングビット14に伝達される。このように駆動力が伝達されて、スクリュービット11の切刃部18とリングビット14の掘削チップ56とによって地山が掘削される。また、削孔ロッド12の流路40からスクリュービット11の流路34に供給された削孔水は、流体供給口35,36から噴出される。そして、掘削によって生じた掘削屑は鋼管13の内部を基端側へ流動して、アダプタ61の排出口72から排出される。
【0031】
このような削孔作業において、スクリュービット11の側面にパイラル状の排出溝16が形成されているので、スクリュービット11の回転駆動によって掘削屑が攪拌されるとともに、排出溝16内の掘削屑を基端側へ押し流すことができ、鋼管13と削孔ロッド12との間隙に掘削屑が堆積することを防止することができる。これにより、削孔水の使用量を低減させても掘削屑の良好な排出性能を維持することができるので、削孔水による地山の緩みを抑制することができるとともに、順調に掘削作業を進めることができる。
【0032】
また、スクリュービット11の切刃側面17aが、排出溝16の回転方向Tの前方を向く溝側面16bに連続しているので、切刃部18によって生じた掘削屑を切刃側面17aによってスムーズに排出溝16に案内することができる。つまり、掘削屑の排出性能が良くなる位置関係に切刃部18と排出溝16とが形成されているのである。とくに、切刃部18と頂点部21とを覆うように硬化肉盛りが形成されているので、摩耗によって切刃部18と排出溝16との位置関係が変位することが抑制され、掘削作業に長時間使用されても掘削屑の排出性能を維持することができる。
【0033】
また、流体供給口35が基端方向に向かって溝底面16aに開口するように傾斜して設けられているので、流体供給口35から噴出される削孔水は基端方向に向けて噴出され、掘削屑を基端側に押し流す効果を得ることができる。また、掘削箇所に噴出される削孔水の量が抑制されるので、削孔水が地山に悪影響を与えることを抑制することができる。
【0034】
また、リングビット14に形成されている傾斜面51a、および掘削チップ56に形成されている傾斜面56aによって、掘削屑がリングビット14の外側に流れ出ることが防止され、スムーズに内側へ案内される。また、掘削チップ56がスクリュービット11の切刃部18より回転方向Tの前方となるように植設されていることによって、掘削チップ56から切刃側面17aに向かって掘削屑が流動しやすくなり、掘削屑が排出溝16に案内されやすくなる。これにより、掘削屑の排出効率を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態においては、スクリュービット11の頂点部21と切刃部18とを覆うように硬化肉盛りを形成して耐摩耗処理を施しているが、頂点部21と切刃部18とに超硬チップを植設して耐摩耗処理を施してもよい。また、アダプタ61を使用して鋼管13の基端側から駆動力を伝達する構成としているが、スクリュービット11の傾斜面25がケーシングトップ47の傾斜面49aに当接することで鋼管13に駆動力を伝達する構成としてもよい。また、リングビット14の先端に切欠き部を形成して、リングビット14の切刃部が構成されていてもよい。さらに、鋼管13に代えて、他の材質からなるケーシングを採用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る掘削工具によれば、工具本体の側面にスパイラル状の排出溝が形成されているので、ケーシング内の掘削屑を攪拌するとともに基端側へ押し流す効果が得られ、削孔水の使用量を低減させても掘削屑の排出性能の低下を防止でき、削孔水による地山の緩みを抑制して順調に掘削作業を進めることができる。
また、頂点部分および切刃部に耐摩耗処理が施され、切刃部の切刃側面と排出溝の回転方向前方を向く溝側面とが連続するように形成されているので、長時間の使用においても切刃側面によってスムーズに掘削屑を排出溝に案内することができる。
また、流体供給口が工具本体の基端側に向かって開口するように形成されているので、基端側に向かうように削孔水が噴射され、掘削屑をよりスムーズに排出することができ、排出効率を向上させることができる。
また、リングビットの先端部および切刃部の内周面に傾斜面が形成されているので、リングビットの内側に掘削屑を案内して、掘削屑の排出効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である掘削工具の先端部分で、(a)が掘削工具の先端視図で、(b)が掘削工具の部分断面側面図である。
【図2】 掘削工具の全体構成図である。
【図3】 工具本体の斜視図である。
【図4】 鋼管先受け工法の説明図である。
【符号の説明】
10 掘削工具
11 工具本体
12 削孔ロッド
13 鋼管(ケーシング)
14 リングビット
15 先端部
16 排出溝
16a 溝底面
16b 溝側面
17 切欠き部
17a 切刃側面
18 切刃部
21 頂点部分
34 流路
35,36 流体供給口
51a 傾斜面
56 掘削チップ(切刃部)
O 軸線
T 回転方向

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転駆動可能な削孔ロッドと、該削孔ロッドの掘削進行方向の前方に装着される工具本体と、前記削孔ロッドを挿入した状態で該削孔ロッドに対して所定の間隙を有する円筒状のケーシングとを備えて構成されている掘削工具において、 前記工具本体の先端部が略円錐形状に形成されており、該先端部から基端側に向かうスパイラル状の排出溝が前記工具本体の側面に形成され、前記工具本体の先端部に切欠き部が形成されることで、該切欠き部の回転方向前方を向く切刃側面と先端面との交差部に切刃部が形成されているとともに、前記切刃側面が前記排出溝の回転方向前方を向く溝側面に連続するように形成されていることを特徴とする掘削工具。
  2. 請求項1に記載の掘削工具であって、
    前記工具本体の先端部の頂点部分および前記切刃部に耐摩耗処理が施されていることを特徴とする掘削工具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の掘削工具であって、
    前記軸線に沿って削孔水を供給する流路が前記工具本体に形成されており、前記流路から前記排出溝の溝底面に連通して形成されている流体供給口が、前記工具本体の基端側に向かって開口していることを特徴とする掘削工具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の掘削工具であって、
    前記工具本体の外周に配置されるリングビットが前記ケーシングの先端に装着されており、前記リングビットの先端部の内周面が先端側に向かうに従い外周側に近づく傾斜面を有し、該先端部に設けられている切刃部にも同様に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする掘削工具。
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