JP5465975B2 - 水抜き工法及び水抜き管 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネルの水抜き工法及び水抜き管に関するものであり、特に削孔機能を有する汎用トンネル作業機械を用いて施工可能な水抜き工法及び水抜き管に関するものである。
トンネル掘削を行う際に、掘削箇所の地山前方に地下水が存在すると、切り羽から湧出する水により掘削が困難となる場合がある。そこで、切り羽水圧や湧水の減少を図るために、地山からの水抜きを行う必要がある。従来の水抜き工法では、ボーリングマシンやロータリーパーカッション等の専用削孔機械を用いて地山に削孔を形成し、水抜き管を挿入していた。そして、地山の透水係数が低い場合には、鋼管とストレーナ管を用いたウェルポイント工法を採用するのが一般的である。
しかし、上述したように、地山に削孔を形成する際に専用削孔機械を用いているため、専門の技術者や作業員が必要となり、作業効率が悪いばかりでなく、施工費用が嵩むという問題があった。また、突然の出水があった場合には、迅速な対応ができない場合もあった。
このため、ドリルジャンボのような汎用トンネル作業機械を用いたウェルポイント工法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術は、ドリルジャンボを用いて施工可能な二重管削孔方式により、切羽前方の地山を削孔しつつ水抜き管を打設するものである。
特許文献1に記載された技術は、短尺管に複数の孔を開口し、この孔にフィルタ部材を取り付け、複数の短尺管を接続して水抜き管を構成するものである。そして、削孔時には、水抜き管の内部に削孔ロッドを挿通し、地山を削孔しながら水抜き管を打設して地山に設置する。その後、削孔ロッドを回収し、フィルタ部材を通過した地山からの水を水抜き管内部から水抜き管後端側へ排出して水抜きを行うようになっている。
また、特許文献2に記載された技術は、中空孔を有するロッドを鞘管内に挿入し、このロッド及び鞘管を各々複数本ずつ連結して長尺とすることにより、地山削孔用資材を構成するものである。そして、ロッドの最先端に削孔用ビットを取り付け、このビットを回転させながら打撃力を加え、さらにロッドの中空孔を通して水を噴出することで地山に削孔を行う。なお、複数本の鞘管は、先導管や管継手等の一部を除いて合成樹脂管で形成されており、地山に削孔をした後、ロッドを鞘管内より引き抜いて回収し、削孔内に残された鞘管内を通して水抜きを行うようになっている。この場合、水抜き作業終了後も鞘管は削孔内に残っている。
また、特許文献3に記載された技術は、有孔外管を地山に設置する際に、ドリルジャンボに装着されたドリフタを駆動することにより、ドリフタから推力と回転及び打撃とが、内管ロッドを介して削孔ビットに伝達され、これにより地山が掘削され、削孔が形成されるものである。有孔外管には、ドリフタの推力と打撃とが、有孔外管の先端側に設けられた動力伝達部分を介して、その先端側に伝達され、これにより有孔外管は、削孔ビットにより掘削形成された削孔内に、前引き方式により挿入される。所定長の有孔外管の設置が終了すると、削孔ビットの一部と内管ロッドとを有孔外管内から抜き出して、これらを回収する。また、インナービットの外周面には、軸方向に沿って直線状となった凹溝が設けられている。この凹溝の先端側は、インナービットの先端縁に開口し、後端側は、くり粉の排出通路と連通している。
なお、トンネル掘削を行う際に、地山のゆるみを防止したり、切羽を安定させたり、地表面沈下を防止したりするため、切羽前方の上部や脚部を補強することがある。この地山補強工法では、ドリルジャンボを用いて、地盤に直径10cm程度で、長さ3〜12m程度の孔を削孔し、同時に鋼管等の補強材を挿入し、鋼管内部からセメントなどを注入して地山を安定させている。この地山補強工法に用いる鋼管と、ウェルポイント工法に用いる鋼管とは、その構造や長さが異なっており、両者を共通の技術と捉えることはできない。
特開2004−150203号公報 特開2000−80879号公報 特開平11−173061号公報
ところで、トンネル掘削を行う地山の透水係数が低く、さらに地下水位が高い場合に、円滑な工事を行うため、十分な水抜きを行おうとすると、30〜40m程度の水抜き管を地山内に挿入しなければならない。この際、通常のウェルポイント工法で使用する鋼管及びストレーナ管の先端に掘削用ビットを取り付けただけでは、鋼管及びストレーナ管の強度が不足して、地山に直接削孔を行って水抜き管を設置することはできなかった。
上述した特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術は、ドリルジャンボを用いて簡易に水抜き管を設置することを目的としたものであるが、特に特許文献1に記載された技術は、15m程度の比較的短尺な水抜き管を想定しており、30〜40m程度の長尺の鋼管及びストレーナ管を地山内に挿入する場合には適用することができない。また、特許文献2及び特許文献3に記載された技術も、同様に30〜40m程度の長尺の鋼管及びストレーナ管を想定したものではない。
また、特許文献3に記載された技術では、くり粉を排出するための工夫が施されているが、インナービットの外周面に設けられ、軸方向に沿って直線状となった凹溝では、凹溝内にくり粉が詰まってしまい、くり粉を効率的に排出できるとは言い難かった。
さらに、30〜40m程度の長尺の水抜き管の場合には、水抜き管の先端部にスライムが存在すると、このスライムの抵抗により、掘削ビットを回転させるためのビットアダプター及び回転ロッドの回収が困難となることが想定される。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、専用削孔機械を用いることなく、トンネル掘削現場で通常使用している削孔機能を有する汎用トンネル作業機械を用いて、長尺な水抜き管を地山に挿入することが可能な水抜き工法、及びその水抜き管を提供することを目的とする。
本発明の水抜き工法及び水抜き管は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の水抜き工法は、トンネル掘削を行う際に、地山の地下水位を低下させるための工法であって、削孔機能を有する汎用トンネル作業機械(ドリルジャンボ)を用いて、地山内に水抜き管を挿入する挿入工程と、水抜き管を介して、地山内から地下水を排出する排水工程と、を含んでいる。
この水抜き工法に用いる水抜き管は、複数に分割された鋼管と、その先端部に着脱可能に取り付ける掘削ビットと、鋼管内に挿入して掘削ビットに回転掘削力を付与する回転ロッドと、を備えている。この鋼管は、鋼管本体部と、ストレーナ鋼管部とからなる。また、ストレーナ鋼管部は、地山の土質に応じた所定径の水抜き孔を複数有するとともに、少なくとも最先端部のストレーナ鋼管部において補強構造を備えている。さらに、水抜き管のストレーナ鋼管部は、メッシュ部と、鋼管本体部への接続部とからなり、補強構造は、メッシュ部及びメッシュ部と接続部との境界部の少なくとも一方に設けられている。
そして、水抜き管の挿入工程では、回転ロッドを回転させながら掘削ビットにより削孔を行うとともに、鋼管本体部と、ストレーナ鋼管部とを順次接続して所望の長さとなるまで挿入した後、鋼管本体部及びストレーナ鋼管部内から回転ロッドを引き抜いて一連となった水抜き管を形成することを特徴とするものである。
また、地下水の排水工程では、少なくとも、下向きに挿入した水抜き管の基端部に真空ポンプを接続し、水抜き管からの排水を促進させることが好ましい。
また、掘削ビットと回転ロッドとを連結する連結部材(ビットアダプター)を備え、連結部材は、掘削回転させると掘削ビットと係合する一方、掘削時とは逆方向に回転させると掘削ビットとの係合を離脱する着脱部を有するとともに、その外周面には、回転軸方向に沿って螺旋状となった複数のくり粉排出溝を備えることが好ましい。さらに、連結部材の後端部に、スライム掘削歯を備えることが好ましい。
本発明の水抜き工法及び水抜き管では、掘孔及び鋼管挿入時に破断し易いストレーナ鋼管部に補強構造を設けているため、トンネル掘削現場で通常使用している削孔機能を有する汎用トンネル作業機械を用いて、長尺の水抜き管を地山内に挿入することができる。したがって、専用削孔機械を必要としないので、専門の技術者や作業員を必要とせず、作業効率を向上させて工期を短縮することができる。このように、トンネル掘削を行っている作業員により通常の作業工程として作業を行うことができることに加えて、工期が短縮されるため、施工費用を低減することが可能となる。また、突然の出水があった場合においても、迅速な対応を行うことが可能となる。
また、掘削ビットと回転ロッドとを連結する連結部材の外周面に、回転軸方向に沿って螺旋状となった複数のくり粉排出溝を設けた構成とした場合には、くり粉を効率的に排出することができるので、より一層作業効率を向上させることができる。さらに、連結部材の後端部にスライム掘削歯を設けた構成とした場合には、回転ロッドを回収する際に、鋼管内に残存したスライムを削りながら連結部材を引き抜くことができるため、回転ロッド及び連結部材を容易に回収することができる。
本発明の実施形態に係る水抜き工法の施工状態の概念を示す説明図。 本発明の実施形態に係る水抜き工法を施工したトンネルの縦断面図。 本発明の実施形態に係る水抜き工法を施工したトンネルの側断面図。 本発明の実施形態に係る水抜き管の側断面図。 本発明の実施形態に係るストレーナ鋼管の一部側断面図(a)及び一部を切り欠いた斜視図(b)。 本発明の実施形態に係る水抜き管に使用する連結部材の側面図。
<水抜き工法>
以下、図面を参照して、本発明の水抜き工法及び水抜き管の実施形態を説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態に係る水抜き工法の施工状態を示すもので、図1は施工状態の説明図、図2はトンネルの縦断面図、図3はトンネルの側断面図である。
本発明の実施形態に係る水抜き工法は、トンネル掘削を行う際に、地山の地下水位を低下させるための工法であり、特に、地山の透水係数が低く、さらに地下水位が高い場合に、30〜40m程度の長尺な水抜き管を地山内に挿入する工法において有効な技術である。
本発明の実施形態に係る水抜き工法では、図1に示すように、削孔機能を有する汎用トンネル作業機械(ドリルジャンボ)10を用いて、地山20内に水抜き管30を挿入する。水抜き管30の詳細な構成については、後に詳述するが、基本的な構成として、複数に分割された鋼管40と、その先端部に着脱可能に取り付ける掘削ビット50と、鋼管40内に挿入して掘削ビット50に回転掘削力を付与する回転ロッド60とを備えている。また、掘削ビット50と回転ロッド60との間には、連結部材(ビットアダプター)80を介在させている(図4参照)。
水抜き管30の挿入工程では、鋼管40内に挿入した回転ロッド60を回転させながら、鋼管40の先端部に装着した掘削ビット50に、回転力及び打撃力を加えて削孔を行う。そして、鋼管本体部41と、ストレーナ鋼管部42とを順次接続して所望の長さとなるまで挿入した後、鋼管本体部41及びストレーナ鋼管部42内から回転ロッド60を引き抜いて、一連となった水抜き管30を形成する。
なお、本実施形態の挿入工程では、公知の技術であるAGF工法(鋼管と注入材によって地山を先行補強する工法)と同様に、地山20内に所定長さ(例えば3m程度)の鋼管40を順次接続しながら挿入するが、地山20内に挿入される水抜き管30は、鋼管本体部41と、メッシュ部付近が補強されたストレーナ鋼管40とからなり、AGF工法に使用する鋼管の全長が12m程度であるのに対して、本実施形態の水抜き管30の全長は30〜40mであり、両者は挿入長が異なっている。このため、従来のAGF工法の技術をそのまま本発明に適用したのでは、長尺の鋼管40が途中で折損するおそれがあり、水抜き管30の施工自体が不可能となってしまう。水抜き管30の詳細な構成については、後に詳述する。
この挿入工程では、図2及び図3に示すように、トンネルの左右内部側面から掘削進行方向の地山20内へ水抜き管30を挿入する。この際、1つの施工箇所において複数本の水抜き管30を、それぞれ挿入角度を異ならせて地山20内へ挿入する。図2及び図3に示す例では、1つの施工箇所において合計5本の水抜き管30を挿入し、各水抜き管30は、下向きとなっているが、水抜き管30の挿入間隔、挿入角度、挿入本数は、地山20の状況に応じて適宜変更して実施され、特に限定されるものではない。
水抜き管30の挿入工程が終了すると、当該水抜き管30を介して、地山20内から地下水を排出する排水工程を実施する。この際、地山20の透水係数及び地下水位との関係において、水抜き管30から地下水が自噴する場合もあるが、水抜き管30からの排水を促進させるためには、少なくとも、下向きに挿入した水抜き管30の基端部に真空ポンプ70を接続し、水抜き管30からの排水を促進させることが好ましい。
<水向き管>
図4〜図5は、本発明の実施形態に係る水抜き管を示すもので、図4は水抜き管の側断面図、図5(a)はストレーナ鋼管の一部側断面図、図5(b)はストレーナ鋼管の一部を切り欠いた斜視図である。また、図6は連結部材の側面図である。
本発明の実施形態に係る水抜き管30は、削孔機能を有する汎用トンネル作業機械10を用いて、地山20内に挿入されるものであって、複数の鋼管パーツを接続することにより、30〜40m程度の長さまで延長することができるようになっている。
この水抜き管30は、図4に示すように、複数に分割された鋼管40と、鋼管40の先端部に着脱可能に取り付ける掘削ビット50と、鋼管40内に挿入して掘削ビット50に回転掘削力を付与する回転ロッド60とを備えている。また、鋼管本体部41及びストレーナ鋼管部42の両端部には、それぞれ雄ネジ又は雌ネジからなるネジ部43が形成されており、雌ネジに雄ネジをネジ付けることにより、複数の鋼管パーツを接続して、長尺の水抜き管30を形成することができるようになっている。
<掘削ビット>
掘削ビット(トップビット)50には、その先端部に複数の掘削チップ51が埋め込まれている。また掘削ビット50の内部には、前後方向に貫通した貫通孔(図示せず)が設けられており、貫通孔から外部に向かって複数の水孔(図示せず)が設けられている。掘削ビット50の形状は、地山20の状況に応じて適宜変更して実施され、特に限定されるものではない。また、掘削ビット50におけるくり粉の排出方法は、内返しであっても外返しであってもよく、地山20の状況に応じて適宜変更して実施することができる。
<鋼管>
鋼管40は、鋼管本体部41と、ストレーナ鋼管部42とからなる。ストレーナ鋼管部42は、地山20の土質に応じた所定径の水抜き孔(メッシュ部421)を複数有するとともに、少なくとも最先端部のストレーナ鋼管部42において補強構造が設けられている。鋼管40及びストレーナ鋼管部42の内径及び外径、材質、長さは、地山20の状況に応じて適宜変更して実施され、特に限定されるものではない。本実施形態では、外径10cm程度、長さ3m程度の鋼管パーツが使用される。
<ストレーナ鋼管部>
ストレーナ鋼管部42は、図5(a)及び図5(b)に示すように、メッシュ部421と、鋼管本体部41への接続部422とからなり、メッシュ部421及びメッシュ部421と接続部422との境界部に補強構造が設けられている。鋼管本体部41及びメッシュ部421の長さ、メッシュ径は、地山20の状況に応じて適宜変更して実施され、特に限定されるものではない。また、本実施形態では、メッシュ部421がストレーナ鋼管部42の先端側に設けられているが、ストレーナ鋼管部42におけるメッシュ部421の形成位置についても、特に限定されるものではない。
<メッシュ部>
図示しないが、メッシュ部421は、帯状の鋼材を、所定の間隔を空けて螺旋状に巻き付けて管状とし、管の内面において、軸方向に所定太さの線状の鋼材を所定間隔で取り付けることにより、メッシュが形成されている。帯状の鋼材の巻き付け間隔や、内部に取り付ける線状の鋼材の間隔により、メッシュ径を調整することができる。また、帯状の鋼材の厚さ及び材質や、線状の鋼材の太さ及び材質を適宜選択することにより、メッシュ部421の強度を設定することができる。
<補強構造>
本実施形態の水抜き管30には、メッシュ部421及びメッシュ部421と接続部422との境界部に補強構造が設けられている。メッシュ部421における補強構造は、上述したように、帯状の鋼材の厚さ及び材質や、線状の鋼材の太さ及び材質を適宜選択することにより形成される。すなわち、帯状の鋼材の厚さを増したり、線状の鋼材の太さを増したり、各鋼材として高強度の材質のものを用いたりすることにより、メッシュ部421を補強することができる。
また、メッシュ部421と接続部422との境界部における補強構造は、図5(a)及び図5(b)に示すように、メッシュ部421と接続部422との境界部において、その外周に鋼製の保護パイプ423を被せ、メッシュ部421の端部と接続部422の端部、及び保護パイプ423の端部と接続部422の外周面において、それぞれ全周溶接424、425を行い、さらに、保護パイプ423とメッシュ部421の外周面において複数箇所(例えば4箇所)のポイント溶接426を行うことにより補強を行っている。なお、保護パイプ423には、メッシュ部421との溶接を行うための窓部427が形成されている。
また、図5(a)及び図5(b)では、ストレーナ鋼管部42の先端部側のメッシュ部421を示しているが、メッシュ部421の他端側においても、補強構造を設けることが好ましい。さらに、この補強構造は、少なくとも、水抜き管30の挿入時に最も負荷がかかる最先端部のストレーナ鋼管部42に設ける必要があるが、地山20の状況等によっては、他のストレーナ鋼管部42においても補強構造を設けることが好ましい。
このように、メッシュ部421に保護パイプ423を被せて溶接することにより、曲げ強度を高めることができる。さらに、メッシュ部421の端部と接続部422の端部、及び保護パイプ423の端部と接続部422の外周面における全周溶接424、425に加えて、保護パイプ423とメッシュ部421の外周面において複数箇所のポイント溶接426を行うことにより、引っ張り強度を高めることができる。
<連結部材>
本実施形態の水抜き管30は、掘削ビット50と回転ロッド60とを連結するための連結部材(ビットアダプター)80を備えている。この連結部材80は、図4及び図6に示すように、掘削回転させると掘削ビット50と係合する一方、掘削時とは逆方向に回転させると掘削ビット50との係合を離脱する着脱部81を有している。また、連結部材80の外周面には、回転軸方向に沿って螺旋状となった複数のくり粉排出溝82が設けられている。このくり粉排出溝82の先端側には、水孔84が設けられており、水孔84は、連結部材80の中心部を軸方向に貫通する貫通孔83に連通している。さらに、連結部材80の後端部には、スライム掘削歯85が設けられている。
このように、連結部材80に着脱部81を設けることにより、地山20に対して所望長さの水抜き管30を挿入した後、掘削ビット50のみを地山20内に残置して、回転ロッド60及び連結部材80を回収することができる。また、くり粉排出溝82が螺旋状となっているため、掘削ビット50及び連結部材80の回転に伴って、くり粉を効率的に排出することができる。さらに、回転ロッド60及び連結部材80を回収する際に、連結部材80を回転させながら引き抜くことにより、スライム掘削歯85により鋼管40内に残存したスライムが削られ、鋼管40内から連結部材80を容易に引き抜くことができる。
10 汎用トンネル作業機械
20 地山
30 水抜き管
40 鋼管
41 鋼管本体部
42 ストレーナ鋼管部
421 メッシュ部
422 接続部
423 保護パイプ
424、425 全周溶接
426 ポイント溶接
427 窓部
43 ネジ部
50 掘削ビット
51 掘削チップ
60 回転ロッド
70 真空ポンプ
80 連結部材
81 着脱部
82 くり粉排出溝
83 貫通孔
84 水孔
85 スライム掘削歯

Claims (5)

  1. トンネル掘削を行う際に、地山の地下水位を低下させるための水抜き工法であって、
    削孔機能を有する汎用トンネル作業機械を用いて、地山内に水抜き管を挿入する挿入工程と、
    前記水抜き管を介して、地山内から地下水を排出する排水工程と、を含み、
    前記水抜き管は、複数に分割された鋼管と、その先端部に着脱可能に取り付ける掘削ビットと、前記鋼管内に挿入して前記掘削ビットに回転掘削力を付与する回転ロッドと、を備え、
    前記鋼管は、鋼管本体部と、ストレーナ鋼管部と、からなり、前記ストレーナ鋼管部は、地山の土質に応じた所定径の水抜き孔を複数有するとともに、少なくとも最先端部のストレーナ鋼管部において補強構造を備え、
    前記ストレーナ鋼管部は、メッシュ部と、前記鋼管本体部への接続部とからなり、前記補強構造は、前記メッシュ部及び前記メッシュ部と前記接続部との境界部の少なくとも一方に設けられており、
    前記水抜き管の挿入工程では、回転ロッドを回転させながら前記掘削ビットにより削孔を行うとともに、前記鋼管本体部と、前記ストレーナ鋼管部とを順次接続して所望の長さとなるまで挿入した後、鋼管本体部及びストレーナ鋼管部内から回転ロッドを引き抜いて一連となった水抜き管を形成する、
    ことを特徴とする水抜き工法。
  2. 前記地下水の排水工程では、少なくとも、下向きに挿入した水抜き管の基端部に真空ポンプを接続し、水抜き管からの排水を促進させることを特徴とする請求項1に記載の水抜き工法。
  3. 削孔機能を有する汎用トンネル作業機械を用いて、地山内に挿入される水抜き管であって、
    複数に分割された鋼管と、その先端部に着脱可能に取り付ける掘削ビットと、前記鋼管内に挿入して前記掘削ビットに回転掘削力を付与する回転ロッドと、を備え、
    前記鋼管は、鋼管本体部と、ストレーナ鋼管部と、からなり、
    前記ストレーナ鋼管部は、地山の土質に応じた所定径の水抜き孔を複数有するとともに、少なくとも最先端部のストレーナ鋼管部において補強構造を設
    前記ストレーナ鋼管部は、メッシュ部と、前記鋼管本体部への接続部とからなり、前記補強構造は、前記メッシュ部及び前記メッシュ部と前記接続部との境界部の少なくとも一方に設けられている、
    ことを特徴とする水抜き管。
  4. 前記掘削ビットと前記回転ロッドとを連結する連結部材を備え、
    前記連結部材は、掘削回転させると掘削ビットと係合する一方、掘削時とは逆方向に回転させると掘削ビットとの係合を離脱する着脱部を有するとともに、その外周面には、回転軸方向に沿って螺旋状となった複数のくり粉排出溝を備えた、
    ことを特徴とする請求項3に記載の水抜き管。
  5. 前記連結部材の後端部に、スライム掘削歯を備えた、
    ことを特徴とする請求項4に記載の水抜き管。
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