JP2013253455A - ファーストチューブ及び地中障害物撤去工法 - Google Patents
ファーストチューブ及び地中障害物撤去工法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】場所打ち杭のような地中障害物を効率良く撤去する方法を提供する。
【解決手段】場所打ち杭を撤去する場合には、ケーシング内に杭頭部が捕獲されるようにケーシングを回転圧入して掘進させる。ケーシングが目標深度に達したらその圧入を停止して、ケーシングを高速回転させるとともに、同時に、ファーストチューブの切削ビットを杭へ向けて徐々に押し出して、その内部の鉄筋カゴの主筋群を横切断する。次いで、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、杭の鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切ってケーシング外へ吊り上げて排出する。杭頭部の捩じ切りの際には、杭を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、該把持装置で鉄筋切断位置より上の杭頭部を把持し、その状態で把持装置をケーシングに対し固定して両者を一体化させ、次いで、ケーシング経由で回転トルクを杭頭部に印加し、これにより鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切る。
【選択図】図1
【解決手段】場所打ち杭を撤去する場合には、ケーシング内に杭頭部が捕獲されるようにケーシングを回転圧入して掘進させる。ケーシングが目標深度に達したらその圧入を停止して、ケーシングを高速回転させるとともに、同時に、ファーストチューブの切削ビットを杭へ向けて徐々に押し出して、その内部の鉄筋カゴの主筋群を横切断する。次いで、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、杭の鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切ってケーシング外へ吊り上げて排出する。杭頭部の捩じ切りの際には、杭を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、該把持装置で鉄筋切断位置より上の杭頭部を把持し、その状態で把持装置をケーシングに対し固定して両者を一体化させ、次いで、ケーシング経由で回転トルクを杭頭部に印加し、これにより鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切る。
【選択図】図1
Description
本発明は、場所打ちコンクリート杭などの地中障害物の撤去方法と、これに用いる掘削ケーシングのファーストチューブに関する発明である。
地中障害物を撤去する方法としては、ケーシング切削を行い所定位置まで掘進して、ケーシング内に撤去対象の障害物を捕捉し、該障害物を適宜排出する方法が挙げられる。しかし近年では、比較的年代の新しい構造物の撤去に際して、耐震・耐久性の高い堅牢な場所打ち杭構造の撤去が施工の長期化や施工不能を招くなど、地中障害物撤去の難度が増す傾向にある。
また、静脈系プロセスに位置づけられる地中障害物撤去工では、
・障害物の有無が目視確認できない、
・構造図等の設計資料等が失われている、
・土地の使用履歴情報が残っていない等、
情報入手の困難性により、概して着工前の工事諸元自体が明瞭でなく、施工上の不確定要素を伴う。
・障害物の有無が目視確認できない、
・構造図等の設計資料等が失われている、
・土地の使用履歴情報が残っていない等、
情報入手の困難性により、概して着工前の工事諸元自体が明瞭でなく、施工上の不確定要素を伴う。
そして、多くの撤去工事は工期縮減の要望と施工の不確実性の狭間にあって高難度施工の急速性を優先させることを余儀なくされることから、その施工方法は未だ現代の都市土木としての性能を十分に有しているとはいえない。
このような現状を改善すべく低騒音・低振動で、環境にも配慮しつつ、より汎用的な地中障害物撤去装置が提案され、実用化されている(特許文献1)。
しかしながら、例えば場所打ち杭のように深度方向に長く(深く)伸び、その伸張(長手)方向には鉄筋が配筋されている地中構造物を撤去するに際しては、鉄筋の靭性の高さ(強靭さ)のために、クレーンによる吊り上げ排出が可能な単位に分割することが困難であり、その問題は未だ解決しておらず、現在においても大幅な工期オーバーを招いたり撤去不能となるといった事例が後を絶たない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、縦方向に伸びる場所打ち杭のような地中障害物を効率良く撤去する方法を提供することにある。
上記目的は、地中障害物の撤去に用いるケーシングのファーストチューブであって、ケーシングチューブへ接続するための接続部と、チューブ内側方向へ張り出し可能に設けられた、地中障害物切削用の切削ビットと、前記切削ビットを、ケーシング内側の地中障害物へ向けて張り出させる押し出し手段と、を有するファーストチューブによって達成される。
また上記目的は、場所打ちコンクリート杭からなる地中障害物の撤去に用いるケーシングのファーストチューブであって、ケーシングチューブへ接続するための接続部と、ファーストチューブ内壁側に設けられ、地中障害物の鉄筋群の外側にあるコンクリート部分を切削するためのインナービットと、チューブ内側方向へ張り出し可能に設けられ、主として地中障害物の鉄筋および/またはその周囲にある土砂を切断するための切削ビットと、前記切削ビットを、ケーシング内側の地中障害物へ向けて張り出させる押し出し手段と、を有するファーストチューブによって達成される。
また上記目的は、ケーシング内に地中障害物が進入するようにケーシングを掘進させる工程(a)と、ケーシングが目標深度に達したら、ケーシングを回転させつつファーストチューブの切削ビットを地中障害物へ向けて押し出して、地中障害物を横切削する工程(b)と、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、前記地中障害物の切削位置より上部を下部から切り離して排出する工程(c)と、を含む地中障害物撤去工法によって達成される。
また上記地中障害物撤去工法を実施する場合、工程(a)(b)(c)を深度を変えて複数回繰り返し、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で地中障害物を地中から撤去することが好ましい。
また上記地中障害物撤去工法の工程(b)では、ケーシングを高速回転させつつ、同時に、切削の進捗に従って切削ビットを徐々に押し出すことが好ましい。
また上記地中障害物撤去工法の工程(c)では、
地中障害物を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、
前記工程(b)における地中障害物の切削位置より上部を前記把持装置で把持し、
前記把持装置をケーシングに対し固定した状態で、該ケーシングを回転又は揺動させ、
その動力で切り取った地中障害物の上部を前記把持装置で掴んだ状態で吊り上げる、ことが好ましい。
地中障害物を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、
前記工程(b)における地中障害物の切削位置より上部を前記把持装置で把持し、
前記把持装置をケーシングに対し固定した状態で、該ケーシングを回転又は揺動させ、
その動力で切り取った地中障害物の上部を前記把持装置で掴んだ状態で吊り上げる、ことが好ましい。
また上記地中障害物撤去工法を利用して場所打ちコンクリート杭の撤去を行う場合には、前記工程(a)で、ファーストチューブのインナービットが鉄筋カゴ周囲のコンクリート部分および/またはその周囲にある土砂を切削するように、ケーシングを回転圧入することが好ましい。
本発明の地中障害物撤去工法によれば、場所打ち杭のように深度方向に長く(深く)伸び、その伸張(長手)方向には鉄筋が配筋されている構造となっている地中障害物を、安全・高効率・低騒音・低振動で撤去できる。
そして、本発明の地中障害物撤去工法では、場所打ち杭などの長尺の地中障害物から排出可能単位(例えば杭頭部)を分割、すなわち捩じ切り又はもぎ取って、ケーシング外へ排出するようになっている。加えて、この分割工程に先行して、ケーシングとともに周回する突出式切削ビットで、地中障害物を周面側から横切削するようになっている。このような横切削を上記分割工程に先行して実施することで、鉄筋カゴを含む場所打ちコンクリート杭のような堅牢な地中障害物であっても、撤去対象を排出可能単位に小分け、すなわち一部分を捩じ切ったり或いはもぎ取ることが容易になる。
また本発明の地中障害物撤去工法では、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、地中障害物を分割、排出するようになっている。すなわち、地中障害物の撤去が完了するまでの間、ケーシングで孔壁が保護された状態が維持されているので、固結性の乏しい地盤であっても孔壁崩壊を招く虞はなく、また、ケーシング内空部断面により地中障害物を排出するに際して必要な経路が常時空洞として確保されており、孔外への排出が容易に行える。したがって、アースドリル工法などに見られるような孔壁保護用安定液が不要であり、地盤性状や地下水の有無にかかわらず地中障害物撤去工が実施可能であることは勿論のこと、障害物の孔外排出に際して、ケリーバロッドなどの掘削装置のシャフト部に掘削孔が占有されることがないため、それらの装置の継ぎ足し、切り離しが不要である(それに対して、アースドリル工法では、一回の排出のたびにシャフト部全長を一旦孔外へ回収しなければならない)ため、場所打ち杭などの長尺の地下構造物の撤去に好適である。
更に、ケーシング掘削の原理で障害物の撤去を行うことにより、アースオーガ工法や、アースドリル工法などの掘削孔径よりも小径(多くの場合、掘削径の半分以下)となるシャフト部で掘削装置の回転部を駆動する工法よりも、掘削径とほぼ等しい径のケーシングを介して回転を行うため、大きな回転トルクを安定して対象となる障害物に印加できるとともに、掘削の直進性が確保できるため、安定した撤去作業が行える。
更に、ケーシング掘削の原理で障害物の撤去を行うことにより、アースオーガ工法や、アースドリル工法などの掘削孔径よりも小径(多くの場合、掘削径の半分以下)となるシャフト部で掘削装置の回転部を駆動する工法よりも、掘削径とほぼ等しい径のケーシングを介して回転を行うため、大きな回転トルクを安定して対象となる障害物に印加できるとともに、掘削の直進性が確保できるため、安定した撤去作業が行える。
また地中障害物撤去工法において、ケーシングを回転させながら同時に切削ビットを押し出すことで、たとえ堅牢な場所打ち杭を撤去する場合であっても、分割工程に先行して鉄筋を確実に切断できる。またこの工程で、ケーシングを高速で回転させつつ、切削の進捗に応じて切削ビットを徐々に押し出すことで、硬質の鉄筋であっても、切削ビットへの過負荷を避けて、該鉄筋を確実に断ち切ることができるようになる。
また地中障害物撤去工法において、地中障害物を掴んだ把持装置をケーシングと一体回転させ、全周回転掘削機の回転トルクを地中障害物に印加することで、確実に地中障害物を排出可能単位に分割できる。また、このような分割に際して把持装置をクレーンで引っ張る必要がないので、クレーンへの負荷が少なくて済む。
また本発明では、場所打ち杭からなる地中障害物の撤去を行う場合に、ファーストチューブのインナービットで鉄筋カゴ周囲のコンクリート部分およびその周囲の土砂を切削しながら、ケーシングを回転圧入するようになっている。このように、切削ビットによる鉄筋切断に先行して、既存杭の鉄筋カゴ周囲にあるコンクリート部分およびその外周の土砂部を切削することで、鉄筋群を切断するための切削ビットと、その切削ビットをケーシング内側の地中障害物へ向けて張り出させる押し出し手段からなる装置一式がケーシング内空断面に張り出すように占有する断面積に相当する空隙が確保でき、更に切削ビットが鉄筋群に到達するまでの切削を伴う推進距離が短くなる。その結果、切削ビットの突出量が少なくて済むようになり、短い突出量の切削ビットをファーストチューブに設ければ足りるようになる。切削ビットの突出量が短くて済めば、剛性向上と構造上の安定が図れ、該切削ビットおよびその押し出し手段への負荷が軽減でき、また、切削量が少なく済むことで摩耗量を軽減でき、より短時間で確実に鉄筋群を切断できるようになるとともに、該切削ビットの取替え回数も少なく済むため、杭1本当りで切断する鉄筋断面の総量の大きい(従って、杭1本の撤去に際し、摩耗した切削ビットの取替作業およびそれに伴うケーシング引抜き〜土砂埋め戻し〜再掘削という付帯作業による大幅に工期を増大させる作業中断の発生リスクを伴う)大口径、大深度、大径鉄筋の場所打ち杭の撤去が中断なく速やかに行えるようになる。
また本発明において、ケーシングの回転圧入には全周回転掘削機(全回転型オールケーシング掘削機)を用いることが好ましい。この種の掘削機は地盤に据え付けられて固定され、その回転駆動部は一定の低い重心位置にあるので、リーダーを具備する三点支持式杭打ち機スタイルの掘削機(すなわち転倒の危険性のある重機)を用いる場合に比べて安全性が高い。
また本発明のファーストチューブは、ケーシングチューブへ接続可能であって、地中障害物切削用の切削ビットを具備している。このようなファーストチューブを提供することで、全周回転掘削機(全回転型オールケーシング掘削機)の用途が、場所打ち杭工などに加え地中障害物撤去工にも広がり、その汎用性を高めることができる。
本発明は、地中障害物撤去方法とこれに用いるケーシングのファーストチューブに関する発明である。以下、撤去対象である地中障害物の代表例として場所打ちコンクリート杭を挙げて、本発明の実施形態について説明する。
(ファーストチューブ)
はじめに、図1に基づいて、地中障害物撤去に用いるケーシングのファーストチューブの構成について説明する。
はじめに、図1に基づいて、地中障害物撤去に用いるケーシングのファーストチューブの構成について説明する。
図1は、地中障害物撤去に用いるファーストチューブ1を示す透視図であり、図1(a)(b)はそれぞれ切削ビット21が引っ込んだ状態および張り出した状態を示している。なお、同図では、ファーストチューブ1の機能が分かり易いように、撤去対象である場所打ち杭が例示してある。
ファーストチューブ1は、図1に示すように、ケーシングチューブへの接続部11と、地盤掘削用の掘削ビット13と、鉄筋カゴ外側のコンクリート部分およびその周囲にある土砂を切削するためのインナービット15と、主として鉄筋カゴの主筋群及びその近傍のコンクリートを横切断するための切断装置20を有している。
接続部11は、ファーストチューブ1の頭部に設けられ、ここにケーシングチューブが継ぎ足される。ファーストチューブ1とこれに継ぎ足されるケーシングチューブで1本のケーシングが構成される。
掘削ビット13は、ファーストチューブ1の先端(下端)に設けられている。この掘削ビット13は、全周回転掘削機(全回転型オールケーシング掘削機)でケーシングを掘進させるときに、地盤を掘削する役割を担っている。
インナービット15は、ファーストチューブ1の先端側の内壁に固設されている。このインナービット15は、ケーシング6が掘進している間、杭内部の鉄筋カゴの外側を螺旋軌跡を描くように周回しながら降下し、該鉄筋の外側にあるコンクリートを所定厚さ削り取るとともに、その周囲近傍の土砂を切削する役割を担っている。このように杭表層領域のコンクリートおよびその周囲の土砂を切削することで、後述する把持装置3で杭頭部を掴むための掴み代17がケーシング内壁との間に確保される。
なお、図1に示す実施形態ではインナービット15は、鉄筋カゴ周囲のコンクリート部分および更にその周囲近傍の土砂を切削することを目的として取り付けられているが、インナービットの機能は必ずしもこれに限定されない。例えば、図2に示すように、(コンクリート部分の切削なしで)杭の周囲近傍の土砂だけを所定厚さで切削するように、ファーストチューブ内壁にインナービット15を固設するようにしてもよい。
切断装置20は、図1に示すように、ファーストチューブ1の内壁側であってインナービット15の上方に設けられている。この切断装置20は、主として鉄筋カゴの主筋群を横切断するための切削ビット21と、該切削ビットを出没可能に収容するハウジングと、該切削ビットに連結されたシリンダロッドを具備する油圧ジャッキ25と、該油圧ジャッキ駆動用の油圧流路27を有している。
切断装置20の油圧ジャッキ25は、切削ビット21をチューブ内に捕獲された杭へ向けて張り出させる押し出し手段(張り出し手段)として機能する。その油圧流路27は、ファーストチューブ1に接続されるケーシングチューブ内側を介して地表側まで延びている。
切断装置20の切削ビット21は、水平方向であってチューブ内側に張り出し可能に設けられている。この切削ビット21は、ファーストチューブを具備するケーシングを回転圧入している間は、図1(a)に示すように引っ込んだ状態、すなわちハウジング内に収納された突出量の少ない状態にあり、切削手段として機能しない。一方、ファーストチューブが目標深度に達したら、ケーシングを高速回転させるとともに、同時に、油圧ジャッキ25を作動させて図1(b)に示すように切削ビット21を徐々に張り出させる。この間、切削ビット21は徐々に押し出されつつ周回して、鉄筋カゴの主筋群及びその近傍にあるコンクリートを横切断する。なお、切削ビット21は、その押し出し手段である油圧ジャッキ25に対し、ボルトやピンなどを介して着脱自在に構成されており、切削対象に応じて設計上任意に刃先の形状、材質、大きさ、個数などの組み合わせを選択でき、例えば、好ましくは簡易な形状で最小限の大きさの切削ビットを施工に最適な個数取り付けるなどして、施工性、経済性に優れた構成とすることができる。
上記構成の切断装置20の真下には、インナービット15が固設されている。ケーシング回転圧入の際には、切断装置20に先行してインナービット15が周回しながら切削を行い、これによって切断装置20が降下するためのスペースがケーシング内に確保される。したがって、掘削工程において切断装置20がケーシング圧入の妨げになることはなく、また、ケーシング掘削時の圧入力や衝撃が切断装置20に直接作用するのを防ぐことができる。
なお、図示する実施形態では、切断装置20及びインナービット15を一例として2組設けているが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではなく、撤去対象物の大きさやファーストチューブの規模に応じて増設してもよい。
(把持装置)
次に、図3に基づいて、本発明の地中障害物撤去工法で用いる把持装置の構成について説明する。
次に、図3に基づいて、本発明の地中障害物撤去工法で用いる把持装置の構成について説明する。
把持装置3は、ケーシング内に挿入して既存杭を排出可能な単位に小分けし、その分割部分をケーシング外部に排出するために用いられる。
クレーン吊り下げ式の把持装置3は、図3に示すように、杭頭部を把持するための4枚一対のブレード31と、各ブレードを回動させるための油圧シリンダ32と、杭分割の際に把持装置3を周囲のケーシングに固定するための油圧グリップ式姿勢固定装置35を有している。
ブレード31は等間隔に配置され、杭頭部を鷲掴み状に把持できるように回動可能に設けられている。各ブレードには、回動方向に押し引きするための油圧シリンダ32のロッドが連結されている。
姿勢固定装置35は、外方へ張り出し可能な4つの圧着部材36と、該圧着部材を押し引きする油圧シリンダ(図示せず)とを含んで構成されている。この姿勢固定装置35は、全周回転掘削機の回転トルクをケーシングを介して杭頭部に印加する際に用いられる。
(地中障害物撤去工法)
本発明の地中障害物撤去工法の概要は、図4のフローチャートに示すとおりである。
本発明の地中障害物撤去工法の概要は、図4のフローチャートに示すとおりである。
場所打ちコンクリート杭を撤去する場合には、ケーシング内に既存杭の頭部が進入するようにケーシングを回転圧入して掘進させる。ケーシングが目標深度に達したらその圧入を停止して、ケーシングを高速回転させるとともに、同時に、ファーストチューブの切削ビットを杭へ向けて徐々に押し出して、その内部の鉄筋カゴの主筋群を横切断する。次いで、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、杭の鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切って(或いはもぎ取って)ケーシング外へ排出する。杭頭部の捩じ切りの際には、杭を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、該把持装置で鉄筋切断位置より上の杭頭部を把持し、その状態で把持装置をケーシングに対し固定して両者を一体化させ、次いで、ケーシングを介して回転トルクを杭頭部に印加し、これにより鉄筋切断位置より上の杭頭部を捩じ切るようにする。捩じ切った杭頭部は、把持装置で掴んだ状態でクレーンで吊り上げ、ケーシング外へ排出する。
以下、場所打ちコンクリート杭からなる地中障害物を撤去する際の具体的手順を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
1.全周回転掘削機の据え付け,ケーシングの挿入セット
クレーンにより、全周回転掘削機5(以下「掘削機」と略称)を、図5Aに示すように撤去対象となる既存杭の杭心位置真上の地盤に据え付ける。続いて、前述したファーストチューブ1をケーシングチューブに接続してなるケーシング6を掘削機に挿入、セットする。
クレーンにより、全周回転掘削機5(以下「掘削機」と略称)を、図5Aに示すように撤去対象となる既存杭の杭心位置真上の地盤に据え付ける。続いて、前述したファーストチューブ1をケーシングチューブに接続してなるケーシング6を掘削機に挿入、セットする。
例えば、撤去対象となる場所打ち杭φ1500mmを撤去する場合には、それを上回る口径φ2000mmのケーシング(ファーストチューブ及びケーシングチューブ)を起用し、図5Aに示すように、円形の杭断面とケーシング断面が同心円となるように配置する。
2.ケーシング回転圧入
掘削機5によりケーシング6を回転圧入し、必要に応じてケーシングチューブを継ぎ足して、該ケーシングを目標深度まで掘進させる。掘進に伴って、図5Aに示すように地中の既存杭が相対的にファーストチューブに進入して、杭頭部がケーシング内に捕獲される。
掘削機5によりケーシング6を回転圧入し、必要に応じてケーシングチューブを継ぎ足して、該ケーシングを目標深度まで掘進させる。掘進に伴って、図5Aに示すように地中の既存杭が相対的にファーストチューブに進入して、杭頭部がケーシング内に捕獲される。
ケーシング6の先端が目標深度に到達したら、該ケーシングの圧入を停止する。目標深度とは、クレーンに過負荷をかけることなく安全に吊り上げて排出できる程度の質量の杭部分(すなわち杭の一部分からなる排出可能単位)がケーシング内に進入する深度である。この排出可能単位の部分を後の工程で捩じ切り又はもぎ取って、すなわち分割して、クレーンで吊り上げてケーシング外へ排出する。
目標深度まで圧入されたケーシング6は、杭を孔外へ排出するための排出経路として機能するとともに、孔壁保護管としても機能する。杭の撤去が完了するまで該ケーシングは引き抜かず、孔壁保護状態を維持する。
ケーシング回転圧入による掘進過程では、掘削ビット13が掘進方向の地盤を掘削するとともに、図1(a)及び図5Aに示すようにインナービット15が杭表層領域のコンクリート(鉄筋カゴの外側にあるコンクリート部分)を所定厚さ削り取るとともに、その周囲であってケーシング内側の土砂部分を切削する。このインナービット15によるコンクリート切削によって、ケーシング内に捕獲された杭部分が図示するように縮径し、併せてその周囲の土砂も切削されるため、後述する把持装置3のブレード31で杭頭部を掴むためのスペース(掴み代17)がケーシング内壁との間に確保される。
なお、ケーシング回転圧入による掘削の間、図1(a)に示すように切削ビット21は切断装置20のハウジング内に収納されて引っ込んだ状態にあるため、該切削ビットに損壊を招く虞はなく、また該切削ビットがケーシング掘削を妨げることはない。また、切断ビットを具備する切断装置20の真下にはインナービット15が固設されており、切断装置20に先行してインナービット15がコンクリートおよび土砂を切削するとともに切削屑を逃がしている。すなわち、切断装置20が下降するためのスペースがインナービット15の切削によって先行して確保されるので、ケーシング回転圧入の過程で切断装置20に損壊を招く虞はない。
3.ケーシング高速回転による鉄筋の横切断
ケーシング先端が目標深度に到達したら該ケーシングの圧入を停止するとともに、掘削機5でケーシングを回転させる。続いて、ケーシング6の回転速度を徐々に上げながら、図1(b)及び図5Bに示すように、切断装置20の油圧ジャッキ25を作動させて切削ビット21を杭心へ向けて水平方向に徐々に張り出させる。
ケーシング先端が目標深度に到達したら該ケーシングの圧入を停止するとともに、掘削機5でケーシングを回転させる。続いて、ケーシング6の回転速度を徐々に上げながら、図1(b)及び図5Bに示すように、切断装置20の油圧ジャッキ25を作動させて切削ビット21を杭心へ向けて水平方向に徐々に張り出させる。
この過程で、ケーシング6の回転に伴って周回する切削ビット21の先端が、旋回径を徐々に狭めながら既存杭の周面に圧接し、やがて杭表層部のコンクリート部分(鉄筋カゴ周囲に僅かに残っているコンクリート)を切削し、該コンクリートに食い込み始める。ケーシング6の回転速度を上げつつ、徐々に旋回径を狭めながら切削を継続していると、やがて、押し出されながら周回する切削ビット21の先端が鉄筋カゴの主筋に達する。
そして、ケーシング6が高速回転している状況下で、油圧ジャッキ25で徐々に押し出される切削ビット21が、鉄筋カゴの主筋群を横切削し始める。このようにケーシング6を高速回転させる状況下で切削ビット21を徐々に押し出すことで、周回する切削ビットに過負荷をかけることなく主筋群が徐々に横切削され、遂には主筋群、すなわち鉄筋カゴが輪切り状に切断される。
本工程における切削ビットの押し出しは、定量で徐々に押し出すようにしてもよい。或いは、切削の進捗に従って漸進的に押し出すようにしてもよい。進捗に従って漸進的に押し出すことで、最適な切断シロが確保でき、切削ビットの不要な摩滅や折損を防ぎつつ、主筋群を確実に切断できるようになる。
また、切削の進捗に従って漸進的に押し出す場合には、例えば、油圧ジャッキで一定の押し出し力を切削ビットに印加し、常に切削ビット先端が一定の圧力でコンクリート及び主筋群に圧接するようにしてもよい。これにより、切削ビットへの過負荷を確実に回避できる。
また、切削の進捗に従って漸進的に押し出す場合には、例えば、油圧ジャッキで一定の押し出し力を切削ビットに印加し、常に切削ビット先端が一定の圧力でコンクリート及び主筋群に圧接するようにしてもよい。これにより、切削ビットへの過負荷を確実に回避できる。
なお、上述した横切断工程におけるケーシング6の回転速度は、ケーシング回転圧入時の回転速度によりも高速に設定する。このように高速回転させると同時に、切削ビット21を微量長さ押し出し続けることで、該切削ビットへの負荷や切削抵抗を過度に増すことなく鉄筋を速やかに確実に切断できる。
周回する切削ビット21の突出幅が所定量に達し、主筋群の切断が完了したら、ケーシング6の回転を停止する。以上の工程を経て、既存杭の鉄筋カゴは上下に切断され、その内側近傍のコンクリート部分も環状に切削される。この工程で切削ビット21を突出させる長さは任意設定でき、必ずしも常に最大量突出させる必要はない。
なお、標準的な場所打ち杭の主筋は、杭の円形断面視で、その外周に沿い150〜200mm程度内側に円を成すようにのみ配置されている。この円形配列された主筋群を切断できてしまえば、その内側のコンクリートによってのみ構成される部分は後工程で容易に切断できる。したがって、場所打ち杭を撤去する際は、本工程では、杭の外径位置から150〜200mm程度の切削(すなわち、主筋群が切断される程度までの切削)を行えば足り、これをもって後工程での杭分割のための十分な効果が得られる。
4.把持装置セット
次に、図5Cに示すように、クレーンに装備した把持装置3をケーシング6内に挿入する。そのブレード31が杭頭部とケーシングの間の掴み代17に入り込んだら、油圧シリンダ32を作動させて、ブレード31で杭頭部(切削ビット21による鉄筋切断位置より上の杭部分)を鷲掴み状に強固に把持する。ブレード31がこの杭頭部を確りと掴むと、地表側にある操作盤の圧力計の針が所定値(最大値)を指し留まるので、これをもって把持完了を把握できる。
次に、図5Cに示すように、クレーンに装備した把持装置3をケーシング6内に挿入する。そのブレード31が杭頭部とケーシングの間の掴み代17に入り込んだら、油圧シリンダ32を作動させて、ブレード31で杭頭部(切削ビット21による鉄筋切断位置より上の杭部分)を鷲掴み状に強固に把持する。ブレード31がこの杭頭部を確りと掴むと、地表側にある操作盤の圧力計の針が所定値(最大値)を指し留まるので、これをもって把持完了を把握できる。
続いて、油圧グリップ式の姿勢固定装置35を作動させて圧着部材36を外方へ押し出す。すると、図5Cに示すように、張り出した各圧着部材36がケーシング内壁に圧接し、その結果、杭頭部を強固に掴んでいる把持装置3がケーシング6と一体化する。以後、姿勢固定装置35の圧着状態を解除するまでの間、把持装置3はケーシング6と一体となって動作(回転、揺動、昇降動)することが可能である。
5.杭分割
次に、図5Cに示すように把持装置3で杭頭部を掴んだ状態で、掘削機5によりケーシング6を回転又は揺動させる。すると、その回転トルクがケーシング6及び把持装置3を介して杭頭部に印加され、その結果、該杭頭部を捩じ切る方向の外力が作用する。
次に、図5Cに示すように把持装置3で杭頭部を掴んだ状態で、掘削機5によりケーシング6を回転又は揺動させる。すると、その回転トルクがケーシング6及び把持装置3を介して杭頭部に印加され、その結果、該杭頭部を捩じ切る方向の外力が作用する。
これにより、鉄筋切断位置(切削ビット21により環状に切削された切削位置)の内側のコンクリート部分にクラックが生じ、やがて、クラックが水平方向に拡がって、鉄筋切断位置を境に既存杭が上下に切り離される。鉄筋切断位置より上の杭頭部が捩じ切られると、掘削機の圧力計に大きな針振動が発生するので、これをもって地表側で杭頭部の切り離し完了を把握できる。
本工程では、杭頭部に捩る作用だけを与えているが、これに加えて、必要であれば掘削機5でケーシング6に昇降動(引き抜き/押込み力)を印加してもよい。このようにケーシング6を多方向に動かして複合動作を与えることで、杭頭部を捩りながら引っ張る、いわゆるもぎ取る作用を与えることができる。
なお、本工程開始の際には、すでに鉄筋カゴは切削位置において輪切り状に切断されているので、該鉄筋が杭頭部の切り離しを妨げることはない。
6.杭分割部分の排出
排出可能単位である杭頭部の切り離しが完了したら、把持装置3の姿勢固定装置35の圧着状態を解除する。次いで、図5Dに示すように、杭頭部を掴んだ状態の把持装置3をクレーンで吊り上げ、ケーシング外へ排出する。このとき、杭頭部は前工程ですでに切り離されているので、クレーンに過負荷をかけることなく分割部分(切り離された杭頭部)容易に排出できる。
排出可能単位である杭頭部の切り離しが完了したら、把持装置3の姿勢固定装置35の圧着状態を解除する。次いで、図5Dに示すように、杭頭部を掴んだ状態の把持装置3をクレーンで吊り上げ、ケーシング外へ排出する。このとき、杭頭部は前工程ですでに切り離されているので、クレーンに過負荷をかけることなく分割部分(切り離された杭頭部)容易に排出できる。
7.手順2〜6の繰り返し
上述した一連の手順2〜6による「杭からの排出可能単位の小分け」と「小分けした排出可能単位の吊り上げ排出」を、深度を変えて、ケーシング6による孔壁保護を維持した状態で必要回数繰り返す。なお、これらの一連の手順の途中で、掘削ずりや切削屑がケーシング内に貯まった場合には、必要に応じて、クレーンに装備した把持装置3を油圧式グラブ(又は機械式グラブ)に付け替えて掘削ずりや切削屑をケーシング外へ排出する。
上述した一連の手順2〜6による「杭からの排出可能単位の小分け」と「小分けした排出可能単位の吊り上げ排出」を、深度を変えて、ケーシング6による孔壁保護を維持した状態で必要回数繰り返す。なお、これらの一連の手順の途中で、掘削ずりや切削屑がケーシング内に貯まった場合には、必要に応じて、クレーンに装備した把持装置3を油圧式グラブ(又は機械式グラブ)に付け替えて掘削ずりや切削屑をケーシング外へ排出する。
8.杭残部の排出
そして上記工程を繰り返し、地中に残っている杭残部が、分割することなく残り一回で排出可能になったときには、上記手順2と同様にケーシング6を目標深度まで更に掘進させ、把持装置3をケーシング内に挿入し、続いて、(鉄筋切断工程や切り離し工程なしで)そのまま杭残部全体をクレーンで吊り上げて排出する。上述した手順を経て杭の撤去が完了したら、ケーシング6を通じて孔内に砂を埋戻し、最後に掘削機で該ケーシングを引き抜く。すなわち、杭の撤去完了まで孔壁はケーシングによって継続して保護されている。
そして上記工程を繰り返し、地中に残っている杭残部が、分割することなく残り一回で排出可能になったときには、上記手順2と同様にケーシング6を目標深度まで更に掘進させ、把持装置3をケーシング内に挿入し、続いて、(鉄筋切断工程や切り離し工程なしで)そのまま杭残部全体をクレーンで吊り上げて排出する。上述した手順を経て杭の撤去が完了したら、ケーシング6を通じて孔内に砂を埋戻し、最後に掘削機で該ケーシングを引き抜く。すなわち、杭の撤去完了まで孔壁はケーシングによって継続して保護されている。
(本発明のメリット)
上述した本発明の地中障害物撤去工法によれば、場所打ち杭のように深度方向に長く(深く)伸び、その伸張(長手)方向には鉄筋が配筋されている構造となっている地中障害物を、安全・高効率・低騒音・低振動で撤去できる。
上述した本発明の地中障害物撤去工法によれば、場所打ち杭のように深度方向に長く(深く)伸び、その伸張(長手)方向には鉄筋が配筋されている構造となっている地中障害物を、安全・高効率・低騒音・低振動で撤去できる。
また本発明の地中障害物撤去工法では、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、地中障害物を分割、排出するようになっている。すなわち、地中障害物の撤去が完了するまでの間、ケーシングで孔壁が保護された状態が維持されているので、固結性の乏しい地盤であっても孔壁崩壊を招く虞はなく、また、ケーシング内空部断面により地中障害物を排出するに際して必要な経路が常時空洞として確保されており、孔外への排出が容易に行える。したがって、アースドリル工法などに見られるような孔壁保護用安定液が不要であり、地盤性状や地下水の有無にかかわらず地中障害物撤去工が実施可能であることは勿論のこと、障害物の孔外排出に際して、ケリーバロッドなどの掘削装置のシャフト部に掘削孔が占有されることがないため、それらの装置の継ぎ足し、切り離しが不要である(アースドリル工法では、排出のたびにシャフト部全長を一旦孔外へ回収しなければならない)ため、場所打ち杭などの長尺の地下構造物の撤去に好適である。
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態では、撤去対象として場所打ちコンクリート杭を代表例として挙げたが、本発明を利用して撤去できる地中構造物はこれに限定されない。例えば、構真柱や鋼管などの鋼材を含んでなる長尺地中構造物を撤去する際にも本発明を利用することが可能である。
上述した実施形態では、撤去対象として場所打ちコンクリート杭を代表例として挙げたが、本発明を利用して撤去できる地中構造物はこれに限定されない。例えば、構真柱や鋼管などの鋼材を含んでなる長尺地中構造物を撤去する際にも本発明を利用することが可能である。
例えば、地中にある構真柱(H形鋼またはクロスH形鋼を含んでなる長尺の地中構造物)を撤去する場合には、目標深度までケーシングを回転圧入して、図5Aに示す要領で所定長さの柱頭部をケーシング内に捕獲する。次いで目標深度において、図5Bに示す要領でケーシングを高速回転しつつ、同時に、切削ビットを徐々に押し出してゆく。ケーシングの回転に伴って周回する切削ビットは、その先端部で構真柱のフランジ部分を切削し始め、該切削の進捗に従って漸進的に押し出される。切削ビット先端の旋回軌跡が、構真柱のフランジ部分を超えて該フランジ部分が完全に切断されたら、ケーシングの回転を停止する。
上述した手順でフランジ部分を切断できたら、続いて、図5Cに示す要領で把持装置をケーシング内に挿入して柱頭部を掴み、該把持装置とケーシングを一体化させて、圧入装置の回転トルクで残りの部分(鋼材のウェブ部分)を捩じ切る。次いで、図5Dに示す要領で、捩じ切った柱頭部を把持装置とともに吊り上げて孔外へ排出する。
以上の手順を深度を変えて繰り返して、構真柱を小分けして地中から撤去する。
このような構真柱撤去方法によれば、構真柱をなすH形鋼やクロスH形鋼のフランジ部分(多くの場合、ウエブ部よりも肉厚で、ねじりに対しても強靭で障害となる部分)を切断してしまうことができるため、あとは肉薄のウエブ部分のみを残すばかりのところまで、鋼材に切れ目を入れることができる。その結果、堅牢、強靭な基礎構造であっても、圧入装置の動力を利用してもぎ取ることができるようになり、スムーズに分割撤去することが可能になる。
このような構真柱撤去方法によれば、構真柱をなすH形鋼やクロスH形鋼のフランジ部分(多くの場合、ウエブ部よりも肉厚で、ねじりに対しても強靭で障害となる部分)を切断してしまうことができるため、あとは肉薄のウエブ部分のみを残すばかりのところまで、鋼材に切れ目を入れることができる。その結果、堅牢、強靭な基礎構造であっても、圧入装置の動力を利用してもぎ取ることができるようになり、スムーズに分割撤去することが可能になる。
このように本発明は、場所打ちコンクリート杭などの杭基礎は勿論のこと、構真柱や鋼管など、ケーシング内に捕獲可能なあらゆる地中構造物の分割撤去に利用することができる。
1 ファーストチューブ
3 把持装置
5 全周回転掘削機(全回転型オールケーシング掘削機)
6 ケーシング
11 接続部
13 掘削ビット
15 インナービット(内刃)
17 掴み代
20 切断装置
21 切削ビット
25 油圧ジャッキ(押し出し手段/張り出し手段)
27 油圧流路
31 ブレード
32 油圧シリンダ
35 姿勢固定装置
36 圧着部材
3 把持装置
5 全周回転掘削機(全回転型オールケーシング掘削機)
6 ケーシング
11 接続部
13 掘削ビット
15 インナービット(内刃)
17 掴み代
20 切断装置
21 切削ビット
25 油圧ジャッキ(押し出し手段/張り出し手段)
27 油圧流路
31 ブレード
32 油圧シリンダ
35 姿勢固定装置
36 圧着部材
Claims (7)
- 地中障害物の撤去に用いるケーシングのファーストチューブにおいて、
ケーシングチューブへ接続するための接続部と、
チューブ内側方向へ張り出し可能に設けられた、地中障害物切削用の切削ビットと、
前記切削ビットを、ケーシング内側の地中障害物へ向けて張り出させる押し出し手段と、を有することを特徴とするファーストチューブ。 - 場所打ちコンクリート杭からなる地中障害物の撤去に用いるケーシングのファーストチューブにおいて、
ケーシングチューブへ接続するための接続部と、
ファーストチューブ内壁側に設けられ、地中障害物の鉄筋群の外側にあるコンクリート部分および/またはその周囲にある土砂を切削するためのインナービットと、
チューブ内側方向へ張り出し可能に設けられ、主として地中障害物の鉄筋を切断するための切削ビットと、
前記切削ビットを、ケーシング内側の地中障害物へ向けて張り出させる押し出し手段と、を有することを特徴とするファーストチューブ。 - 請求項1又は2記載のファーストチューブを具備するケーシングを用いて、地中障害物の撤去を行う工法において、
ケーシング内に地中障害物が進入するようにケーシングを掘進させる工程(a)と、
ケーシングが目標深度に達したら、ケーシングを回転させつつファーストチューブの切削ビットを地中障害物へ向けて押し出して、地中障害物を横切削する工程(b)と、
ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で、前記地中障害物の切削位置より上部を下部から切り離して排出する工程(c)と、を含むことを特徴とする地中障害物撤去工法。 - 前記工程(b)において、ケーシングを高速回転させつつ、同時に、切削の進捗に従って切削ビットを徐々に押し出すことを特徴とする請求項3に記載の地中障害物撤去工法。
- 前記工程(c)において、
地中障害物を把持するための把持装置をケーシング内に挿入し、
前記工程(b)における地中障害物の切削位置より上部を前記把持装置で把持し、
前記把持装置をケーシングに対し固定した状態で、該ケーシングを回転又は揺動させ、
その動力で切り取った地中障害物の上部を前記把持装置で掴んだ状態で吊り上げる、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の地中障害物撤去工法。 - 場所打ちコンクリート杭からなる地中障害物の撤去を行う場合において、
前記工程(a)で、ファーストチューブのインナービットが鉄筋カゴ周囲のコンクリート部分および/またはその周囲にある土砂を切削するように、ケーシングを回転圧入することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の地中障害物撤去工法。 - 前記工程(a)(b)(c)を深度を変えて複数回繰り返し、ケーシングによる孔壁保護を維持した状態で地中障害物を地中から撤去することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の地中障害物撤去工法。
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JP2012131241A JP2013253455A (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | ファーストチューブ及び地中障害物撤去工法 |
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-
2012
- 2012-06-08 JP JP2012131241A patent/JP2013253455A/ja not_active Withdrawn
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