JP7281845B1 - 既存杭の切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤10に埋設された既存杭19の外周に、重機11に連結された掘進機14で円筒形のケーシング12を回転して引き抜き穴16を掘削し、前記既存杭19の切断個所における前記ケーシング12に突出孔30を穿設し、この突出孔30に臨ませて切断ビット29を具備した切断装置38を設け、この切断装置38を取り付けた前記ケーシング12に、前記切断ビット29を前記突出孔30の外方から内方に進退駆動する駆動部39を設け、前記切断ビット29を前記突出孔30から前記既存杭19に押圧しつつ前記ケーシング12を回転して前記既存杭19を切断する。
【選択図】図1
Description
このような既存杭を引き抜くには、図9(a)に示すような工法(引用文献1)や図9(b)に示すような工法(引用文献2)が知られていた。
しかし、既存杭19が長い場合には、一気に引き抜くのにケーシング12も既存杭19を超えるような長さに連結しなければならず、引き抜き穴16の掘削と既存杭19の引き抜き作業が困難を極める。
また、既存杭19が長い場合には、新規に構造物を構築するために既存杭19を根元からすべて引き抜かなくても、上端の一部だけ切断除去すればよい場合や、長い既存杭19を多段階に切断して引き抜くような場合には、既存杭19を所定の長さに切断して順次引き抜くことが望まれる。
地盤10に埋設された既存杭19の外周に、重機11に連結された掘進機14で円筒形のケーシング12を回転して引き抜き穴16を掘削して、前記既存杭19を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭19の切断個所における前記ケーシング12に突出孔30を穿設し、この突出孔30に臨ませて切断ビット29を具備した切断装置38を設け、この切断装置38を取り付けた前記ケーシング12に、前記切断ビット29を前記突出孔30の外方から内方に進退駆動する駆動部39を設け、前記切断ビット29を前記突出孔30から前記既存杭19に押圧しつつ前記ケーシング12を回転して前記既存杭19を切断するようにしたことを特徴とする。
地盤に埋設された既存杭の外周に、重機に連結された掘進機で円筒形のケーシングを回転して引き抜き穴を掘削して、前記既存杭を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭の切断個所における前記ケーシングに突出孔を穿設し、この突出孔に臨ませて切断ビットを具備した切断装置を設け、この切断装置を取り付けた前記ケーシングに、前記切断ビットを前記突出孔の外方から内方に進退駆動する駆動部を設け、前記切断ビットを前記突出孔から前記既存杭に押圧しつつ前記ケーシングを回転して前記既存杭を切断するようにし、
前記切断装置は、一端部に前記切断ビットを取り付けた切断アームと、この切断アームを前記突出孔に誘導する誘導枠と、前記切断アームの他端部に屈曲自在に連結された摺動自在のクランクロッドとを具備し、
前記切断アームは、円弧状をなし、前記誘導枠は、弧状枠からなり、前記切断アームの一端部の切断ビットが前記弧状枠に誘導されて前記突出孔に進退するように構成したことを特徴とする既存杭の切断装置。
したので、以下の効果を有する。
(1)既存杭が長い場合には、新規に構造物を構築するために既存杭を根元からすべて引き抜かなくても、上端の邪魔になる一部だけ切断除去することができる。
(2)長い既存杭であっても所定の長さに切断して順次引き抜くことができるので、引き抜き作業性に優れている。
(3)切断ビットの突出孔からの進退動をケーシングの外側の狭い空間で可能になる。
(4)切断アームのケーシングの外周における往復動を切断ビットの突出孔への進退動に変換できる。
前記駆動部は、油圧ジャッキと、この油圧ジャッキのピストンロッドに一端部が連結され、他端部が前記クランクロッドに連結された摺動自在のプッシュロッドとを具備したので、油圧ジャッキの往復動を切断ビットに円滑に伝達できる。
前記ケーシングは、前記掘進機に取り付けられて地上に位置したトップケーシングと、前記既存杭の切断位置の先端ケーシングと、これらの間を連結する中間ケーシングとを有し、前記先端ケーシングに、前記切断装置と前記駆動部を設け、前記トップケーシングに、前記油圧ジャッキを制御するストローク指示シリンダーを設け、これらの油圧ジャッキとストローク指示シリンダーとを油送パイプで接続したので、地中にて駆動する切断装置と前記駆動部の動きを地上のストローク指示シリンダーで目視確認ができる。
前記駆動部は、モーターと、このモーターの回転軸に連結されたねじロッドと、このねじロッドの回転を往復動に変換する移動ナットと、一端部を前記移動ナットに連結され、他端部を前記クランクロッドに連結した連結アームとからなるので、切断装置の切断ビット等のストロークをモーターの回転で操作できる。
地盤に埋設された既存杭の外周に、重機に連結された掘進機で円筒形のケーシングを回転して引き抜き穴を掘削して、前記既存杭を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭の切断個所における前記ケーシングに突出孔を穿設し、この突出孔に臨ませて切断ビットを具備した切断装置を設け、この切断装置を取り付けた前記ケーシングに、前記切断ビットを前記突出孔の外方から内方に進退駆動する駆動部を設け、前記切断ビットを前記突出孔から前記既存杭に押圧しつつ前記ケーシングを回転して前記既存杭を切断するようにし、
前記切断装置は、前記突出孔を含む前記ケーシングの外側の前記ケーシングの長手方向に設けたガイド枠内を摺動するスライダーを設け、このスライダーに形成した傾斜溝に、前記切断ビットに設けたピンを係合し、前記スライダーを前記駆動部に連結し、前記スライダーの往復動により前記切断ビットを前記突出孔に進退自在に設けたことを特徴とする既存杭の切断装置。
ので、切断ビットを既存杭の表面に垂直に押圧して切断できる。
前記切断装置は、前記ケーシングの外周に、略同一中心角をもって複数個設けたので、既存杭がケーシングの中心からずれていても複数の切断ビットを略等しく押圧して、既存杭がケーシングの中心位置に調整して効率よく既存杭を切断できる。
前記切断装置は、前記ケーシングの外周に、略同一中心角をもって複数個設けたので、既存杭がケーシングの中心からずれていても複数の切断ビットを略等しく押圧して、既存杭がケーシングの中心位置に調整して効率よく既存杭を切断できる。
地盤10に埋設された既存杭19の外周に、重機11に連結された掘進機14で円筒形のケーシング12を回転して引き抜き穴16を掘削して、前記既存杭19を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭19の切断個所における前記ケーシング12に突出孔30を穿設し、この突出孔30に臨ませて切断ビット29を具備した切断装置38を設け、この切断装置38を取り付けた前記ケーシング12に、前記切断ビット29を前記突出孔30の外方から内方に進退駆動する駆動部39を設け、前記切断ビット29を前記突出孔30から前記既存杭19に押圧しつつ前記ケーシング12を回転して前記既存杭19を切断する。
なお、従来例と同一部分については同一符号とする。
図1において、14は、図9と同様の重機11のガイド柱13に支持された掘進機である。この掘進機14には、地盤10に埋設されている既存杭19の周りに引き抜き穴16を掘削するためのケーシング12が回転自在に取り付けられる。このケーシング12は、前記引き抜き穴16の深さに応じて複数本が連結され、上端のトップケーシング12aと、下端の先端ケーシング12cと、これらの間の中間ケーシング12bとからなる。
前記先端ケーシング12cには、また、先端部に切断装置38が設けられ、この切断装置38の上部に前記切断装置38を駆動する駆動部39が設けられる。この駆動部39は、実施例1では、油圧ジャッキ20を主体として構成される。前記トップケーシング12aには、前記駆動部39の油圧ジャッキ20を制御するストローク指示シリンダー21が取り付けられ、このストローク指示シリンダー21と前記油圧ジャッキ20との油口間は、Aポート、Bポート、Cポートで連結されている。詳しくは、前記ストローク指示シリンダー21の圧油口52に、Aポートの油送パイプが接続され、前記ストローク指示シリンダー21の圧油口53と前記油圧ジャッキ20の圧油口54の間にCポートが接続され、前記油圧ジャッキ20の圧油口55にBポートが接続される。51は、シーケンスバルブである。
前記切断装置38と駆動部39は、図2(b)に示すように、引き抜き穴16の掘削時に破損、泥土の侵入等から保護するためにカバー37で保護される。
前記駆動部39の油圧ジャッキ20は、前記先端ケーシング12cの上端部に固定的に取り付けられる。この油圧ジャッキ20のピストンロッド22は、前記先端ケーシング12cの側面に固定的に取り付けられたロッドガイド24内を進退するプッシュロッド23に連結されている。
前記切断装置38には、前記先端ケーシング12cの下端部に固定的に誘導枠28が取り付けられている。この誘導枠28は、弧状枠28aと直線枠28bからなり、前記弧状枠28aには、ピン33aが摺動する弧状溝32aが形成され、前記直線枠28bには、ピン33bが摺動する直線溝32bが形成されている。
前記プッシュロッド23の先端部に取り付けられた2枚の原節フレーム25でクランクロッド26の一端部を遊嵌して前記ピン33bで屈曲自在に連結されている。また、前記クランクロッド26の他端部は、円弧状の切断アーム27の一端部の溝57に遊嵌して前記ピン33aで屈曲自在に連結されている。
この切断ビット29は、図4、図5に示すように、台座56の先端部に超硬チップ34を埋め込み、この台座56をビットホルダー35にねじなどで交換できるように組み込み、前記切断アーム27の先端部に嵌め込み固定する。前記超硬チップ34の先端部の角度は、切断する既存杭19の材質により決定する。例えば、既存杭19が鋼管等の金属単体部材の場合には、先端角度の鋭角なものが用いられる。PC杭などの鉄筋、コンクリート混合の場合には、先端角度をやや鈍角にすることにより超硬チップ34の欠損を少なくできる。前記既存杭19の切断時の角度Xは、図4(a)に示すように、既存杭19の垂直線aに対して10~40度の角度に侵入するようにして切断する。この角度Xは、前記弧状枠28aの誘導溝角度により調整する。前記既存杭19の切断時の先端ケーシング12cの回転速度は、既存杭19の材質や引き抜き穴16の掘削時のトルクにより設定されるが、概ね5~20rpm/minとする。
切断し、引き抜こうとする既存杭19の近くに重機11を設置し、ガイド柱13に吊り下げたケーシング12を掘進機14で回転しながら、掘削刃31にて引き抜き穴16を掘削する。
引き抜き穴16の深さに応じてトップケーシング12aと先端ケーシング12cの間に複数の中間ケーシング12bを順次つなぎ合わせながら既存杭19の切断位置まで引き抜き穴16を掘削する。
このとき、トップケーシング12aに取り付けたストローク指示シリンダー21は、地上に露出した位置にする。
2個所の切断ビット29に略同一負荷がかかるように調整したら、ケーシング12を図4(b)の方向に5~20rpm/minで回転しつつ、2個所の切断ビット29を図4(a)のように押し出して、既存杭19を切削する。図4(a)では、一方の切断ビット29が既存杭19に届いており、他方の切断ビット29が既存杭19に届いていないが、切断ビット29の動きを説明するためにこのような記載になっているが、既存杭19の切断時には、両方の切断ビット29が同様の力で接触する。他の図面についても同様である。
ケーシング12の回転により、既存杭19が切断される。切断図が図6に示されるように、切断面36には、既存杭19を構成するコンクリートと鉄筋が切断されていることが示されている。
引き抜きには、図9(a)に示す工法(引用文献1)や図9(b)に示す工法(引用文献2)、その他公知の方法により行われる。
前記スライダー47を押し出すと、切断ビット29は突出孔30から引き抜かれる。
Claims (7)
- 地盤に埋設された既存杭の外周に、重機に連結された掘進機で円筒形のケーシングを回転して引き抜き穴を掘削して、前記既存杭を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭の切断個所における前記ケーシングに突出孔を穿設し、この突出孔に臨ませて切断ビットを具備した切断装置を設け、この切断装置を取り付けた前記ケーシングに、前記切断ビットを前記突出孔の外方から内方に進退駆動する駆動部を設け、前記切断ビットを前記突出孔から前記既存杭に押圧しつつ前記ケーシングを回転して前記既存杭を切断するようにし、
前記切断装置は、一端部に前記切断ビットを取り付けた切断アームと、この切断アームを前記突出孔に誘導する誘導枠と、前記切断アームの他端部に屈曲自在に連結された摺動自在のクランクロッドとを具備し、
前記切断アームは、円弧状をなし、前記誘導枠は、弧状枠からなり、前記切断アームの一端部の切断ビットが前記弧状枠に誘導されて前記突出孔に進退するように構成したことを特徴とする既存杭の切断装置。 - 前記駆動部は、油圧ジャッキと、この油圧ジャッキのピストンロッドに一端部が連結され、他端部が前記クランクロッドに連結された摺動自在のプッシュロッドとを具備したことを特徴とする請求項1記載の既存杭の切断装置。
- 前記ケーシングは、前記掘進機に取り付けられて地上に位置したトップケーシングと、前記既存杭の切断位置の先端ケーシングと、これらの間を連結する中間ケーシングとを有し、前記先端ケーシングに、前記切断装置と前記駆動部を設け、前記トップケーシングに、前記油圧ジャッキを制御するストローク指示シリンダーを設け、これらの油圧ジャッキとストローク指示シリンダーとを油送パイプで接続したことを特徴とする請求項2記載の既存杭の切断装置。
- 前記駆動部は、モーターと、このモーターの回転軸に連結されたねじロッドと、このねじロッドの回転を往復動に変換する移動ナットと、一端部を前記移動ナットに連結され、他端部を前記クランクロッドに連結した連結アームとからなることを特徴とする請求項1記載の既存杭の切断装置。
- 地盤に埋設された既存杭の外周に、重機に連結された掘進機で円筒形のケーシングを回転して引き抜き穴を掘削して、前記既存杭を引き抜き除去する既存杭の切断装置において、
前記既存杭の切断個所における前記ケーシングに突出孔を穿設し、この突出孔に臨ませて切断ビットを具備した切断装置を設け、この切断装置を取り付けた前記ケーシングに、前記切断ビットを前記突出孔の外方から内方に進退駆動する駆動部を設け、前記切断ビットを前記突出孔から前記既存杭に押圧しつつ前記ケーシングを回転して前記既存杭を切断するようにし、
前記切断装置は、前記突出孔を含む前記ケーシングの外側の前記ケーシングの長手方向に設けたガイド枠内を摺動するスライダーを設け、このスライダーに形成した傾斜溝に、前記切断ビットに設けたピンを係合し、前記スライダーを前記駆動部に連結し、前記スライダーの往復動により前記切断ビットを前記突出孔に進退自在に設けたことを特徴とする既存杭の切断装置。 - 前記切断装置は、前記ケーシングの外周に、略同一中心角をもって複数個設けたことを特徴とする請求項1記載の既存杭の切断装置。
- 前記切断装置は、前記ケーシングの外周に、略同一中心角をもって複数個設けたことを特徴とする請求項5記載の既存杭の切断装置。
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