JP2004098902A - タイヤモデル、このタイヤモデルを用いたタイヤ性能予測方法およびタイヤ性能予測プログラム並びに入出力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともタイヤモデル3の接地領域におけるタイヤケーシングモデル1を構成する要素の最大エッジ長Lcとタイヤ外形Dとの比Lc/Dが、4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2であるトレッドパターンモデル2及びタイヤケーシングモデル1を結合してなるタイヤモデルを用いてタイヤ性能の予測を行う。
【選択図】 図13
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤモデル、このタイヤモデルを用いたタイヤ性能予測方法およびタイヤ性能予測プログラム並びに入出力装置に関し、さらに詳しくは、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデル、このタイヤモデルを用いたタイヤ性能予測方法およびタイヤ性能予測プログラム並びに入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来タイヤは、試作品を走行試験や搬送試験等に供して得られた結果を元に、さらに改良を加えて試作品を試作するという繰返しによって開発されていた。このような開発手法は、試作と試験との繰返しになるので、開発効率が悪いという問題点があった。この問題点を解決するために、近年では数値解析を用いたコンピュータシミュレーションによって、試作品を作らなくともタイヤの性能を予測することができる方法が提案されている。
【0003】
上記タイヤの性能の予測を行うためには、主にFEM(Finite Element Method:有限要素法)が用いられている。このFEMは、実際のタイヤの3次元形状を有限個の要素に分割することで、実際のタイヤに近似したタイヤモデルを作成し、このタイヤモデルに荷重によって生じる垂直応力や剪断応力等を外力として与えた場合におけるタイヤの性能を予測するものである。ここで、自動車用(乗用車、トラックなど)や自動二輪車用のタイヤは、タイヤと路面との接触部であるトレッド部の表面にトレッドパターン(複数の溝)が刻まれている。従って、上記FEMによりタイヤの性能の予測を行うために、トレッドパターンの部分を除いたタイヤ自体であるタイヤケーシングモデルとトレッドパターンモデルとを結合したタイヤモデルが作成されていた。
【0004】
ここで、数年前までは、トレッドパターンを有するタイヤの性能の予測は、トレッドパターンを簡略化したトレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合したタイヤモデル、あるいはトレッドパターンモデルを有せずタイヤケーシングモデルのみからなるタイヤモデルにより行われていた。実際のタイヤのトレッドパターンは、複数の溝を刻むことで形成されており、その形状が複雑であるため、このトレッドパターンに近似するトレッドパターンモデルは膨大な数の要素から構成される。つまり、タイヤモデルを構成する要素が多くなるので、コンピュータによりタイヤの予測を行うことが不可能であった。しかし、現在ではコンピュータの急速な発達により、トレッドパターンに近似したトレッドパターンモデルを作成し、タイヤの性能の予測を行うことが可能となった(例えば、非特許文献1)。
【0005】
【非特許文献1】
白石(M.shiraishi)外3名,「回転するタイヤの動的シミュレーション(Simulation of Dynamically Rolling Tire)」,タイヤ・サイエンス・アンド・テクノロジー(Tire Science and Technology),ザ・タイヤ・ソサエティー(The Tire Society),2000年,第28巻(Vol.28),第4号(No.4),p.264−276
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タイヤの物理的性能の予測は、実際のタイヤのトレッドパターンに近似して作成されたトレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合したタイヤモデルを、FEMにより解析することで行われる。タイヤケーシングモデルを作成する際には、タイヤ自体であるタイヤケーシングをその周方向に有限個の要素に分割するが、このタイヤケーシングモデルを構成する要素の大きさがトレッドパターンモデルを構成する要素の大きさよりも大きい場合は、トレッドパターンに近似してトレッドパターンモデルを作成しても、タイヤの性能の予測を精度良く行えないという問題がある。つまり、形状が複雑なトレッドパターンに近似するように形成されたトレッドパターンモデルは滑らかに形成されているのに対して、タイヤケーシングモデルが粗く形成されていると、タイヤモデルとしては粗いタイヤケーシングモデルに依存してしまうからである。また、タイヤモデルを回転させることでタイヤの動的性能の予測を行う場合も同様に、実際のタイヤには発生しない振動が発生し、タイヤの性能の予測を精度良く行えないという問題もある。
【0007】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タイヤの性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度を向上することができるタイヤモデル、このタイヤモデルを用いたタイヤ性能予測方法およびタイヤ性能予測プログラム並びに入出力装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明では、性能を予測するトレッドパターンとタイヤケーシングからなるタイヤを有限個の要素に分割し、トレッドパターンモデル及びタイヤケーシングモデルを形成し、当該トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルにおいて、少なくともタイヤモデルの接地領域におけるタイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとタイヤ外径Dとの比Lc/Dが、4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2であることを特徴とする。ここで、タイヤケーシングとは、カーカス、ベルトなどの補強コード及びビードなど有するゴム材からなる構造体である。また、タイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとは、タイヤケーシングモデルを構成する要素の一辺の長さが最も長い要素における一辺の長さをいう。タイヤ外径Dは、性能を予測するタイヤの外形をいう(以下同様)。
【0009】
この発明によれば、少なくともタイヤモデルの接地領域におけるタイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとタイヤ外径Dとの比Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2とする、すなわちタイヤケーシングモデルを構成する要素を小さくするので、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルの表面に対するタイヤケーシングモデルの影響を低下させることができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度を向上することができる。
【0010】
また、この発明では、請求項1に記載のタイヤモデル作成方法において、少なくともタイヤモデルの接地領域におけるトレッドパターンモデルを構成する要素の最大エッジ長Lpと最大エッジ長Lcとの比Lp/Lcが、0.1≦Lp/Lc≦1.0であることを特徴とする。ここで、トレッドパターンモデルを構成する要素の最大エッジ長Lpとは、トレッドパターンモデルを構成する要素の一辺の長さが最も長い要素における一辺の長さをいう(以下同様)。
【0011】
この発明によれば、トレッドパターンモデルを構成する要素の最大エッジ長Lpとタイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとの比Lp/Lcを0.1≦Lp/Lc≦1.0とするので、タイヤのトレッドパターンに近似したトレッドパターンモデルを形成しても、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルの表面に対するタイヤケーシングモデルの影響を低下させることができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度を向上することができる。
【0012】
また、この発明では、請求項1又は2に記載のタイヤモデルにおいて、タイヤケーシングモデルは、タイヤケーシングを周方向に有限個の要素に等分割して形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明では、請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤモデルにおいて、トレッドパターンモデルは、トレッドパターンの全周を有限個の要素に分割して形成されていることを特徴とする。
【0014】
これら発明によれば、タイヤケーシングを周方向に有限個の要素に等分割してタイヤケーシングモデルを形成し、又は/及びトレッドパターンの全周を有限個の要素に分割してトレッドパターンモデルを形成するので、実際のタイヤには存在しない質量や剛性の不均衡による振動が発生することを抑制することができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度をさらに向上することができる。
【0015】
また、この発明では、請求項1〜4のいずれか一つに記載のタイヤモデルにおいて、少なくともトレッドパターンモデルは、少なくとも100Hz〜1000Hzの周波数領域で粘性を有する粘弾性材料モデルであることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、少なくともトレッドパターンモデルは、少なくとも100Hz〜1000Hzの周波数領域で粘性を有する粘弾性材料モデルであるので、トレッドパターンモデルが仮想路面に接地、離地を繰り返す際に発生する振動を減衰することができるので、タイヤ性能の予測の精度をさらに向上することができる。
【0017】
また、この発明では、トレッドパターンとタイヤケーシングからなるタイヤを有限個の要素に分割し、当該タイヤに近似したタイヤモデルを用いて有限要素法により、タイヤの性能の予測を行うタイヤ性能予測方法において、タイヤモデルには請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤモデルを用いることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤモデルを用いてタイヤの性能の予測を行うので、タイヤ性能の予測の精度を向上することができる。
【0019】
また、この発明では、請求項6に記載のタイヤ性能予測方法において、タイヤモデルを回転させ、タイヤの動的性能を予測することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、タイヤモデルを回転させ、タイヤの動的性能を予測するので、タイヤの動的性能の予測についても精度を向上することができる。
【0021】
また、この発明のタイヤ性能予測プログラムは、請求項6又は7に記載のタイヤ性能予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項6又は7に記載のタイヤ性能予測方法をコンピュータを利用して実現することができ、これらの各方法と同様の効果を得ることができる。
【0023】
また、この発明では、請求項8に記載のタイヤ性能予測プログラムをコンピュータに実行させる際に使用する入出力装置であって、コンピュータにトレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルを作成するのに必要な各値及び境界条件その他のデータを与える入力手段と、入力の際には最大エッジ長Lc及び比Lc/Dを表示し、タイヤ性能予測結果を出力する際にはコンピュータから送られてくるタイヤ性能予測結果を出力する表示手段とを備えたことを特徴とする。ここで、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルを作成するのに必要な各値とは、トレッドパターンの平面のCADデータ、タイヤケーシングの断面のCADデータ、トレッドパターンの表面の輪郭データ、タイヤケーシングの表面の輪郭データ、材料データ等である。特に最大エッジ長Lc及び比Lc/Dを表示するのに必要な各値としては、実際のタイヤ外径、実際のタイヤケーシング外径、タイヤケーシング周方向分割の角度、その繰り返し数などである。
【0024】
この発明によれば、入力の際には最大エッジ長Lc及び比Lc/Dを表示するので、タイヤ性能予測の演算を行う前に作成したタイヤケーシングモデルにおける比Lc/Dを確認することができ、入力ミスを防止できる。これにより、タイヤ性能の予測の精度を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0026】
本実施形態は、タイヤモデルを作成し、このタイヤモデルを用いて実際のタイヤの性能をFEM(有限要素法)により予測するものである。図1は、性能を予測する対象である実際の自動車用のタイヤの一部断面図である。同図に示すように、自動車用のタイヤ(以下、タイヤという。)10は、トレッドパターン11とタイヤケーシング12とにより構成されている。トレッドパターン11は、タイヤ10が路面と接地する部分に設けられており、主にキャップトレッド13に複数の溝13aを刻むことで構成されている。ここで、キャップトレッド13は、ベルト16、カーカス17及び図示しないブレーカの外側を覆うゴム層であり、路面との摩擦により制動力、駆動力、旋回力を伝達するとともに、タイヤ10が受けるカット衝撃に対してベルト16やカーカス17を保護する役目を持っている。
【0027】
一方、タイヤケーシング12は、主にアンダトレッド14、サイドトレッド15、ベルト16、カーカス17、ビード18、ビードフィラ19などにより構成されている。つまり、このタイヤケーシング12は、タイヤ10のトレッドパターン11を構成する要素(キャップトレッド13、溝13aなど)以外の要素で構成されている。アンダトレッド14は、キャップトレッド13とベルト16との間に配置されているゴム層であり、発熱性、接着性等を向上させる機能を有している。サイドトレッド15は、タイヤ10の図示しないサイドウォール部分の最も外側に配置されており、このタイヤ10のサイドウォール部の傷がカーカス17に達することを防止する。また、サイドトレッド15は、タイヤ10がラジアルタイヤの場合において、図示しない車軸からの駆動力をキャップトレッド13を介して路面に伝達する補助的機能を有している。
【0028】
ベルト16は、キャップトレッド13とカーカス17との間に配置されたゴム引きコード層である。ここで、タイヤ10がバイアスタイヤの場合は、ブレーカと呼ばれるものである。このベルト16は、タイヤ10がラジアルタイヤの場合においては、形状保持及び強度メンバーとしての機能を有している。カーカス17は、タイヤ10の骨格をなすゴム引きコード層である。このカーカス17は、タイヤ10に気体(空気、窒素など)を充填した際に圧力容器としての機能を有する強度メンバーであり、その内圧によってタイヤ10にかかる荷重を支えるとともに、走行時の動的荷重に耐える構造を有している。
【0029】
ビード18は、上記内圧によって発生するカーカス17のコード張力を支えているスチールワイヤの束を硬質ゴムにより固めたリングである。タイヤ10を図示しないホイールのリムに固定させる機能を有するとともに、ベルト16、カーカス17及びサイドトレッド15などとともにタイヤ10の強度を確保する部材である。ビードフィラ19は、カーカス17をビード18のスチールワイヤに巻きこむ際に生じる空間に充填するゴムである。また、ビードフィラ19は、カーカス17をビード18に固定するとともに、その部分の形状を整え、ビード18全体の剛性を高めるものである。上記のようにタイヤ10はゴム(キャップトレッド13、アンダトレッド14、サイドトレッド15など)をベルト16、カーカス17等の補強コードによって補強した構造体である。
【0030】
次に、タイヤモデルを作成しタイヤ性能予測方法を実行するタイヤ性能予測装置について説明する。図2は、この発明にかかるタイヤ性能予測方法を実行するタイヤ性能予測装置の構成例を示す図である。同図に示すように、タイヤ性能予測装置50は、処理部52と記憶部54とにより構成されている。なお、このタイヤ性能予測装置50には、入出力装置51が接続されており、この入出力装置51の入力手段53により、後述するタイヤ外形D、タイヤケーシング外形Dc等をタイヤ性能予測装置50に入力する。ここで、入力手段53には、キーボード、マウス、マイク等の入力デバイスを使用することができる。
【0031】
記憶部54は、この発明にかかるタイヤ性能予測方法が組み込まれたFEMのプログラムが格納されている。ここで、記憶部54は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段等の組み合わせにより構成されている。
【0032】
また、上記プログラムは、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、コンピュータシステムにすでに記憶されているプログラム、例えばOS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものであっても良い。また、図2における処理部52の機能を実現するための上記プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりこの発明にかかるタイヤモデルを作成し、タイヤ性能予測方法を実行しても良い。なお、「コンピュータシステム」とは、上記OSや周辺機器などのハードウェアを含むものである。
【0033】
処理部52は、RAM、ROM等のメモリとCPU(Central Processing Unit)とにより構成されている。タイヤ性能予測の際には、後述するタイヤモデルを作成するためのデータ及び入力データに基づいて、この処理部52が上記プログラムを処理部52の図示しないメモリに読み込んで演算を行う。なお、処理部52は、適宜演算途中の数値を記憶部54に格納し、格納した数値を適宜記憶部54から取り出して演算を行う。なお、この処理部52は、上記プログラムの替わりに専用のハードウェアにより実現されるものであっても良い。処理部52が演算することで求められたタイヤ性能予測結果は、入出力装置51の表示手段55により表示される。ここで、表示手段55には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等を使用することができる。また、このタイヤ性能予測結果は、図示しないプリンタに出力することができる。また、記憶部54は、処理部52内に設けられていても良いし、他の装置(例えば、データベースサーバ)内に設けられていても良い。また、入出力装置51を備えた図示しない端末装置から、タイヤ性能予測装置50に有線、無線のいずれかの方法でアクセスすることができる構成であっても良い。
【0034】
次に、タイヤ性能予測方法について説明する。図3は、この発明のタイヤ性能予測方法のフローチャートを示す図である。同図に示すように、この発明にかかるタイヤ性能予測方法は、まずタイヤケーシングモデルの作成(ステップS101)を行う。図4は、タイヤケーシングモデルの作成方法のフローチャートを示す図である。同図に示すように、まず実際のタイヤ10のタイヤケーシング12(図1参照)の断面のCADデータを作成する(ステップS201)。なお、タイヤケーシング12の断面のCADデータは、タイヤ10の設計時に作成されたCADデータを用いても良い。
【0035】
次に、このCADデータに基づいてタイヤケーシング12の断面の2次元メッシュを作成する(ステップS202)。この2次元メッシュは、タイヤケーシング12の断面(CADデータ)を微小要素に分割するものであり、タイヤケーシング12を構成するアンダトレッド14、サイドトレッド15、ベルト16、カーカス17などを三角形要素、四辺形要素等の2次元要素に分割するものである。ここで、タイヤケーシング12の断面を忠実に再現して2次元メッシュとすることは、タイヤケーシングモデルの作成やタイヤ性能予測の際の計算量の増大を招くため、単純化する必要がある。
【0036】
図5は、補強コードを単純化した構成例を示す図であり、同図(a)は実際の補強コードの構成例、同図(b)は補強コードを単純化した構成例、同図(c)は補強コードを単純化した構成例を示す図である。ゴム層21(アンダトレッド14も含まれる)内に設けられているベルト16、カーカス17等の補強コード20は、同図(a)に示すような撚り線、図示しないモノフィラメントにスパライル状又は平板状の波付けをしたものが使用されている。従って、この補強コード20の断面形状は、補強コード20の長さ方向に対して変化しており、その形状が複雑である。このまま、ベルト16、カーカス17等の補強コード20の2次元メッシュを作成することは困難であるため、同図(b)又は(c)に示すように補強コード20の断面形状がこの補強コード20の長さ方向に対して変化しないものとして、すなわち単純化して補強コード20の2次元メッシュを作成する。これにより、タイヤケーシングモデルの作成やタイヤ性能予測の際の計算量を軽減することができ、CPUやメモリ等のハードウェア資源の負担を軽減することができる。
【0037】
なお、補強コード20は図5(a)に示すように、ゴム層21内に複数本設けられているので、図5(b)又は(c)に示すように補強コード20を単純化した場合でも、この単純化した補強コード20を複数本有するタイヤケーシングの断面の2次元メッシュを作成する必要がある。図6は、補強コードをさらに単純化した構成例を示す図であり、同図(a)は補強コードをさらに単純化した構成例、同図(b)は補強コードをさらに単純化した構成例を示す図である。同図(a)に示すように、複数の補強コード20を均一なソリッド要素22として単純化しても良い。また、同図(b)に示すように、複数の補強コード20を均一なシェル要素22´としても良い。このように、複数の補強コード20を均一な要素とすることで単純化して補強コード20の2次元メッシュを作成する。これにより、タイヤケーシングモデルの作成やタイヤ性能予測の際の計算量をさらに軽減することができ、CPUやメモリ等のハードウェア資源の負担をさらに軽減することができる。
【0038】
次に、作成されたタイヤケーシングの断面の2次元メッシュの材料データを設定する(ステップS203)。これは、タイヤケーシング12を構成するアンダトレッド14、サイドトレッド15、ベルト16、カーカス17等に対応する2次元メッシュ、すなわち分割された2次元要素に材料(例えば、ゴム材、スチール材)のデータを設定するものである。
【0039】
次に、材料データを設定したタイヤケーシング12の断面の2次元メッシュを周方向に展開するためのデータを設定する(ステップS204)。図7は、2次元メッシュを周方向に展開するためのデータの設定時の入力画面である。同図に示すように、タイヤ性能予測装置50は、2次元メッシュを周方向に展開するためのデータの入力を促す画面を入出力装置51の表示手段55に表示する。ユーザーは、この表示手段55に表示される入力画面に基づいて、実際のタイヤ10のタイヤ外径D、タイヤケーシング外径Dc(図8参照)、タイヤケーシングを周方向に分割する際の角度、その繰り返し数を入力手段53から順次入力する。タイヤ性能予測装置50は、入力された上記各値から、総分割数、総分割角度と360°との差、作成されたタイヤケーシングモデル1を構成する要素(1a、1b等)の周方向の最大エッジ長Lc(図8参照)及び比Lc/Dを求め、表示手段55の上記入力画面に総分割数、総分割角度と360°との差、最大エッジ長Lc及び比Lc/Dを表示する。
【0040】
ここで、ユーザーは、表示手段55に表示される比Lc/Dが4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2となっているかを確認する。比Lc/Dが、4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2でない場合は、上記各値を再入力し、4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2となるようにする。ここで、比Lc/Dを4.36×10−3以上としたのは、比Lc/Dがこれ以下の値であるとタイヤケーシングモデルを構成する要素が多くなり過ぎ、タイヤ性能予測の精度が向上しても、計算量やタイヤ性能予測装置50の記憶部54に記憶されるタイヤケーシングモデルの記憶容量が増大するからである。なお、タイヤ性能予測装置50は、ユーザーが入力した上記各値から求められた比Lc/Dが4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2となっていない場合に、ユーザーに各値の再入力を促す画面を表示手段55に表示しても良い。あるいは、タイヤ性能予測装置50からの指令により音声で再入力を促しても良い。あるいは、画面と音声との両方で再入力を促すようにしても良い。
【0041】
2次元メッシュを周方向に展開するためのデータを設定(入力)されたタイヤ性能予測装置50は、タイヤケーシングの断面の2次元メッシュを周方向に展開し、タイヤケーシングモデルを作成する(ステップS205)。図8は、タイヤケーシングモデルの構成例を示す図である。同図に示すタイヤケーシングモデル1は、Lc/Dが1.75×10−2(等分割において180分割)である。この作成されたタイヤケーシングモデル1は、有限個の微小要素1a、1b等に分割される。ここで、微小要素1a、1b等は、3次元体であり四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素、三角形シェル要素、四角形シェル要素等の3次元要素である。また、上記微小要素1a、1bは、タイヤの性能の予測を行う際には、3次元座標を用いて逐一特定される。
【0042】
なお、タイヤ10を回転させた場合のタイヤの性能予測、すなわちタイヤの動的性能を予測する場合では、タイヤケーシング12を周方向に有限個の要素に等分割したタイヤケーシングモデル1を作成することが好ましい。これは、実際のタイヤには存在しない質量や剛性の不均衡による振動が発生することを抑制するためである。
【0043】
次に、図3に示すこの発明のタイヤ性能予測方法のフローチャートに戻って、トレッドパターンモデルの作成(ステップS102)を行う。図9は、トレッドパターンモデルの作成方法のフローチャートを示す図である。また、図10(a)はトレッドパターンのCADデータの構成例、図10(b)はトレッドパターンの2次元メッシュ構成例、図11(a)はトレッドパターンの2次元メッシュの構成例、図11(b)はトレッドパターンの2次元メッシュの構成例を示す図である。
【0044】
図9に示すように、まず実際のタイヤ10のトレッドパターン11(図1参照)を図10(a)に示すような平面の2次元CADデータ11´を作成する(ステップS301)。なお、トレッドパターン11の2次元CADデータ11´は、タイヤ10の設計時に作成されたCADデータを用いて良い。次に、図10(b)に示すように、この2次元CADデータ11´に基づいてトレッドパターン11を構成する最小単位のみの2次元メッシュ11aを作成する。次に、図11(a)に示すように、この2次元メッシュ11aの一部を反転複写し、所定の位置に移動することで、2次元メッシュ11bを作成する。そして、図11(b)に示すように、この2次元メッシュ11bをトレッドパターン11の周方向に複写することで、トレッドパターン11の2次元メッシュ11cを作成する(ステップS302)。この2次元メッシュ11cは、トレッドパターン11(CADデータ)を微小要素に分割したものであり、トレッドパターン11を構成するキャップトレッド13を三角形要素、四辺形要素等の2次元要素に分割するものである。
【0045】
次に、実際のタイヤ10のトレッドパターン11の表面の輪郭データを作成する(ステップS303)。次に、実際のタイヤ10のタイヤケーシング12の表面の輪郭データを作成する(ステップS304)。そして、上記トレッドパターン11の2次元メッシュをトレッドパターン11の表面の輪郭に投影し、タイヤケーシング12の表面の輪郭との間にトレッドパターンモデルを作成する(ステップS305)。つまり、3次元座標におけるトレッドパターン11の表面の輪郭とタイヤケーシング12の表面の輪郭との間の空間に、トレッドパターン11の表面の輪郭に投影されたトレッドパターン11の2次元メッシュ11cからトレッドパターンモデルを作成する。なお、CADデータ11´に基づいて作成された最小単位のみの2次元メッシュ11a(図10(a)参照)からトレッドパターンモデルの一部を作成し、このトレッドパターンの一部を反転複写、移動、周方向に複写することでトレッドパターンモデルを作成しても良い。
【0046】
図12は、トレッドパターンモデルの構成例を示す図である。同図に示すように、作成されたトレッドパターンモデル2は、有限個の微小要素2a、2b等に分割される。ここで、微小要素2a、2bは、3次元体であり四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素である。また、必要に応じて、三角形シェル要素、四角形シェル要素等の3次元シェル要素を3次元ソリッド要素の表面に設けても良い。また、上記微小要素2a、2b等は、タイヤの性能の予測を行う際には、3次元座標を用いて逐一特定される。
【0047】
次に、作成されたトレッドパターンモデル2の材料データを設定する(ステップS306)。これは、タイヤ10のトレッドパターン11を構成するキャップトレッド13に対応する3次元メッシュ、すなわち分割された3次元要素に材料(例えば、ゴム材)のデータを設定するものである。
【0048】
ここで、タイヤ性能予測装置50は、作成されたトレッドパターンモデル2を構成する要素(2a、2b等)の周方向の最大エッジ長Lpと上述した最大エッジ長Lcとの比Lp/Lcが、0.1≦Lp/Lc≦1.0となっていることを判断してもよい。これは、タイヤ10のトレッドパターン11に近似したトレッドパターンモデル2を形成した際に、トレッドパターンモデル2とタイヤケーシングモデル1とを結合してなるタイヤモデル3(図13参照)の表面に対するタイヤケーシングモデル1の影響を低下させるためである。この場合、タイヤ性能予測装置50は、比Lp/Lcが、0.1≦Lp/Lc≦1.0となっていないことをユーザーに認識させ、認識したユーザーはタイヤケーシングモデル1又は/及びトレッドパターンモデル2の作成を再度行う。なお、ユーザーに認識させる方法としては、タイヤケーシングモデル1の作成に必要な各値の再入力を促す画面を表示手段55に表示することで行う。あるいは、タイヤ性能予測装置50からの指令により音声で再入力を促しても良い。あるいは、画面と音声との両方で再入力を促すようにしても良い。
【0049】
なお、タイヤ10を回転させた場合のタイヤの性能予測、すなわちタイヤ10の動的性能を予測する場合は、トレッドパターン11の全周を有限個の要素に分割したトレッドパターンモデル2を作成することが好ましい。これは、実際のタイヤ10には存在しない質量や剛性の不均衡による振動が発生することを抑制するためである。また、同様にタイヤ10の動的性能を予測する場合は、トレッドパターンモデル2の材料データを設定する際に、このトレッドパターンモデル2の3次元要素を粘弾性材料として設定することが好ましい。これは、トレッドパターンモデル2が仮想路面に接地、離地を繰り返す際に発生する振動を減衰させるためである。なお、この粘弾性材料は、少なくとも100Hz〜1000Hzの周波数領域で粘性を有することが好ましい。これは、タイヤ10の固有振動数が150Hz近傍にあり、タイヤ10のトレッドパターン11の固有振動数が800〜1000Hzにあるためである。
【0050】
次に、図3に示すこの発明のタイヤ性能予測方法のフローチャートに戻って、タイヤケーシングモデル1とトレッドパターンモデル2とを結合して、図13に示すようなタイヤモデル3を作成する(ステップS103)。次に、図13に示すタイヤモデル3に対する境界条件を設定する(ステップS104)。この境界条件としては、タイヤ10の内圧、タイヤ10にかかる荷重、スリップ角、回転させる場合は回転速度、タイヤ10を装着するホイールのリム幅などがある。ここで、上記内圧は、このタイヤモデル3の内側面に実際のタイヤ10の内圧に相当する等分布荷重を作用させることで設定することができる。また、スリップ角とは、路面の進行方向とタイヤの周方向の中心線とのなす角のことをいう。
【0051】
次にタイヤの性能の予測を行う(ステップS105)。このタイヤの性能の予測は、FEMによりタイヤ10の挙動を解析し、タイヤの性能(例えば、タイヤ10の接地圧力分布など)を予測する。つまり、タイヤ10は、図13に示すように微小要素に分割されたタイヤモデル3として、タイヤ性能予測装置50の記憶部54に3次元座標のデータとして格納されている。そして、タイヤ性能予測装置50の処理部52は、このタイヤモデル3の微小要素の座標データと上記境界条件とから、各時間における各微小要素のひずみや応力等を演算し、タイヤ10全体の挙動を求める。なお、FEMでは、各微小要素内におけるひずみや応力は要素内の代表点、例えば数値積分点において各微小要素の応力状態を演算する。
【0052】
上記のように、最大エッジ長Lcとタイヤ外径Dとの比Lc/Dが4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2となるように作成されたタイヤケーシングモデル1とトレッドパターンモデル2とを結合したタイヤモデル3を用いてタイヤの性能の予測を行うので、タイヤモデル3の表面に対するタイヤケーシングモデル1の影響を低下させることができ、精度の良いタイヤ性能予測を行うことができる。
【0053】
上記実施形態では、比Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2としたが、タイヤ性能予測の精度をさらに向上させるためには、比Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦1.96×10−2とすることが好ましい。また、タイヤモデル3を回転させ、タイヤの動的性能を予測する際には、比Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦1.96×10−2とすることが好ましく、タイヤの動的性能を予測の精度をさらに向上させるためには、Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦1.75×10−2とすることが好ましい。また、上記実施形態では、比Lp/Lcを0.1≦Lp/Lc≦1.0としたが、タイヤ性能予測の精度の向上とタイヤモデルの作成やタイヤ性能予測の際の計算量とを考慮すると比Lp/Lcを0.2≦Lp/Lc≦0.5とすることが好ましい。
【0054】
〔実施例1〕
ここでは、サイズが225/50R16である乗用車用のラジアルタイヤのタイヤモデルを作成し、この発明にかかるタイヤ性能予測方法を用いて、路面に対する接地圧分布を予測した。ここで、上記ラジアルタイヤの負荷条件は内圧を240kPa、荷重を4.7kNとする。図14は、Lc/D=3.50×10−2(90等分割、Lp/Lc=0.25)の場合の接地圧分布を示す図である。図15は、Lc/D=2.62×10−2(120等分割、Lp/Lc=0.333)の場合の接地圧分布を示す図である。図16は、Lc/D=2.18×10−2(144等分割、Lp/Lc=0.4)の場合の接地圧分布を示す図である。図17は、Lc/D=1.96×10−2(160等分割、Lp/Lc=0.444)の場合の接地圧分布を示す図である。図18は、Lc/D=1.75×10−2(180等分割、Lp/Lc=0.5)の場合の接地圧分布を示す図である。なお、本実施例に用いるタイヤモデルのトレッドパターンモデルは、上記乗用車用のラジアルタイヤのトレッドパターンを周方向の主溝のみ再現したものである。また、路面に対する接地圧分布は、図示しないが色彩の変化により表現されている。
【0055】
比Lc/Dが3.50×10−2の場合は、図14に示すように、タイヤケーシングモデルを構成する要素がトレッドパターンモデルの表面、すなわちタイヤモデルの表面に影響を与えていることが分かる。比Lc/Dが2.62×10−2の場合は、図15に示すように、図14に示すタイヤモデルと比較して、タイヤケーシングモデルを構成する要素がタイヤモデルの表面に与える影響は小さくなっていることが分かる。さらに、図16又は図17に示すように、比Lc/Dが2.18×10−2又は比Lc/Dが1.96×10−2の場合は、タイヤケーシングモデルを構成する要素がタイヤモデルの表面に与える影響はさらに小さくなっていることが分かる。そして、図18に示すように、比Lc/Dが1.75×10−2の場合には、タイヤケーシングモデルを構成する要素がタイヤモデルの表面にほとんど影響を与えなくなっていることが分かる。従って、タイヤケーシングモデルを構成する要素が小さくなる(比Lc/Dが2.62×10−2以下、好ましくは比Lc/Dが1.75×10−2以下である)と、タイヤの性能の予測を精度良く行うことができる。
【0056】
〔実施例2〕
ここでは、サイズが215/45R17である乗用車用のラジアルタイヤのタイヤモデルを作成し、この発明にかかるタイヤ性能予測方法を用いて、路面に対する接地圧分布を予測した。ここで、上記ラジアルタイヤの負荷条件は内圧を200kPa、荷重を4.0kNとする。図19は、Lc/D=1.75×10−2(180等分割、Lp/Lc=0.42)の場合の接地圧分布を示す図である。なお、本実施例に用いるタイヤモデルのトレッドパターンモデルは、上記乗用車用のラジアルタイヤのトレッドパターンを正確に再現したものである。また、路面に対する接地圧分布は図示しないが色彩の変化により表現されている。
【0057】
同図に示すように、本実施例では接地圧分布が一様に表れているので、タイヤケーシングモデルを構成する要素がトレッドパターンモデルの表面、すなわちタイヤモデルの表面に影響を与えていないことが分かる。従って、タイヤケーシングモデルを構成する要素が小さい(比Lc/Dが1.75×10−2程度である)と、タイヤの性能の予測を精度良く行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、少なくともタイヤモデルの接地領域におけるタイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとタイヤ外径Dとの比Lc/Dを4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2とする、すなわちタイヤケーシングモデルを構成する要素を小さくするので、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルの表面に対するタイヤケーシングモデルの影響を低下させることができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度を向上することができる。
【0059】
また、請求項2に記載の発明によれば、トレッドパターンモデルを構成する要素の最大エッジ長Lpとタイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとの比Lp/Lcを0.1≦Lp/Lc≦1.0とするので、タイヤのトレッドパターンに近似したトレッドパターンモデルを形成しても、トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルの表面に対するタイヤケーシングモデルの影響を低下させることができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度を向上することができる。
【0060】
また、請求項3又は4に記載の発明によれば、タイヤケーシングを周方向に有限個の要素に等分割してタイヤケーシングモデルを形成し、又は/及びトレッドパターンの全周を有限個の要素に分割してトレッドパターンモデルを形成するので、実際のタイヤには存在しない質量や剛性の不均衡による振動が発生することを抑制することができ、タイヤ性能、特にタイヤの接地挙動に関する性能の予測の精度をさらに向上することができる。
【0061】
また、請求項5に記載の発明によれば、少なくともトレッドパターンモデルは、少なくとも100Hz〜1000Hzの周波数領域で粘性を有する粘弾性材料モデルであるので、トレッドパターンモデルが仮想路面に接地、離地を繰り返す際に発生する振動を減衰することができるので、タイヤ性能の予測の精度をさらに向上することができる。
【0062】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤモデルを用いてタイヤの性能の予測を行うので、タイヤ性能の予測の精度を向上することができる。
【0063】
また、請求項7に記載の発明によれば、タイヤモデルを回転させ、タイヤの動的性能を予測するので、タイヤの動的性能の予測についても精度を向上することができる。
【0064】
また、請求項8に記載の発明によれば、プログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、請求項6又は7に記載のタイヤ性能予測方法をコンピュータを利用して実現することができ、これらの各方法と同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、請求項9に記載の発明によれば、入力の際には最大エッジ長Lc及び比Lc/Dを表示するので、タイヤ性能予測の演算を行う前に作成したタイヤケーシングモデルにおける比Lc/Dを確認することができ、入力ミスを防止できる。これにより、タイヤ性能の予測の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
自動車用のタイヤの断面図である。
【図2】
この発明にかかるタイヤ性能予測を行うタイヤ性能予測装置の構成例を示す図である。
【図3】
この発明のタイヤ性能予測方法のフローチャートを示す図である。
【図4】
タイヤケーシングモデルの作成方法のフローチャートを示す図である。
【図5】
補強コードを単純化した構成例を示す図であり、同図(a)は実際の補強コードの構成例、同図(b)は補強コードを単純化した構成例、同図(c)は補強コードを単純化した構成例を示す図である。
【図6】
補強コードをさらに単純化した構成例を示す図であり、同図(a)は補強コードをさらに単純化した構成例、同図(b)は補強コードをさらに単純化した構成例を示す図である。
【図7】
2次元メッシュを周方向に展開するためのデータの設定時の入力画面を示す図である。
【図8】
タイヤケーシングモデルの構成例を示す図である。
【図9】
トレッドパターンモデルの作成方法のフローチャートを示す図である。
【図10】
同図(a)はトレッドパターンのCADデータの構成例、同図(b)はトレッドパターンの2次元メッシュ構成例を示す図である。
【図11】
同図(a)はトレッドパターンの2次元メッシュの構成例、同図(b)はトレッドパターンの2次元メッシュの構成例を示す図である。
【図12】
トレッドパターンモデルの構成例を示す図である。
【図13】
タイヤモデルの構成例を示す図である。
【図14】
Lc/D=3.50×10−2(90等分割、Lp/Lc=0.25)の場合の接地圧分布を示す図である。
【図15】
Lc/D=2.62×10−2(120等分割、Lp/Lc=0.333)の場合の接地圧分布を示す図である。
【図16】
Lc/D=2.18×10−2(144等分割、Lp/Lc=0.4)の場合の接地圧分布を示す図である。
【図17】
Lc/D=1.96×10−2(160等分割、Lp/Lc=0.444)の場合の接地圧分布を示す図である。
【図18】
Lc/D=1.75×10−2(180等分割、Lp/Lc=0.5)の場合の接地圧分布を示す図である。
【図19】
Lc/D=1.75×10−2(180等分割、Lp/Lc=0.42)の場合の接地圧分布を示す図である。
【符号の説明】
1 タイヤケーシングモデル
2 トレッドパターンモデル
3 タイヤモデル
10 タイヤ
50 タイヤ性能予測装置
51 入出力装置
52 処理部
53 入力手段
54 記憶部
55 表示手段
Claims (9)
- 性能を予測するトレッドパターンとタイヤケーシングからなるタイヤを有限個の要素に分割し、トレッドパターンモデルおよびタイヤケーシングモデルを形成し、当該トレッドパターンモデルとタイヤケーシングモデルとを結合してなるタイヤモデルにおいて、
少なくとも前記タイヤモデルの接地領域における前記タイヤケーシングモデルを構成する要素の最大エッジ長Lcとタイヤ外径Dとの比Lc/Dが、4.36×10−3≦Lc/D≦2.62×10−2であることを特徴とするタイヤモデル。 - 少なくとも前記タイヤモデルの接地領域における前記トレッドパターンモデルを構成する要素の最大エッジ長Lpと前記最大エッジ長Lcとの比Lp/Lcが、0.1≦Lp/Lc≦1.0であることを特徴とするタイヤモデル。
- 前記タイヤケーシングモデルは、前記タイヤケーシングを周方向に有限個の要素に等分割したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤモデル。
- 前記トレッドパターンモデルは、前記トレッドパターンの全周を有限個の要素に分割して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のタイヤモデル。
- 少なくとも前記トレッドパターンモデルは、少なくとも100Hz〜1000Hzの周波数領域で粘性を有する粘弾性材料モデルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のタイヤモデル。
- トレッドパターンとタイヤケーシングからなるタイヤを有限個の要素に分割し、当該タイヤに近似したタイヤモデルを用いて有限要素法により、タイヤの性能予測を行うタイヤ性能予測方法において、
前記タイヤモデルには前記請求項1〜5のいずれか一つに記載のタイヤモデルを用いることを特徴とするタイヤ性能予測方法。 - 前記タイヤモデルを回転させ、タイヤの動的性能を予測することを特徴とする請求項6に記載のタイヤ性能予測方法。
- 請求項6または7に記載のタイヤ性能予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤ性能予測プログラム。
- 請求項8に記載のタイヤ性能予測プログラムをコンピュータに実行させる際に使用する入出力装置であって、
前記コンピュータに前記トレッドパターンモデルと前記タイヤケーシングモデルを作成するのに必要な各値および境界条件その他のデータを与える入力手段と、
入力の際には前記最大エッジ長Lcおよび前記比Lc/Dを表示し、タイヤ性能予測結果を出力する際には前記コンピュータから送られてくるタイヤ性能予測結果を出力する表示手段と、
を備えたことを特徴とする入出力装置。
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