JP2004098042A - 着色廃水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】染料廃水等の着色廃水に高分子化合物から脱色剤を添加する着色廃水の処理方法を提供する。
【解決手段】着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を少なくとも75〜100モル%含有し、10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sである高分子化合物を脱色剤として用いる。
【選択図】なし
【解決手段】着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を少なくとも75〜100モル%含有し、10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sである高分子化合物を脱色剤として用いる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は染料廃水等の着色廃水に高分子化合物からなる脱色剤を添加する着色廃水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば染色工場において洗浄時に発生する廃液は多種の顔料、染料、無機及び有機添加剤を多量に含んでいる。これら産業廃水による河川の汚染は環境汚染を助長し、また地域住民に著しく嫌悪感を与える。そのため、近年はこれらの廃水に対する色度などの規制も厳しくなってきている。
【0003】従来、これらを処理する技術としては無機系凝集剤及びカチオン性高分子を用いた凝集沈殿法が一般的であり、水可溶性シアナミド−ホルムアルデヒド系(特開昭36−23231)やポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(特開平6−126286)等の脱色剤が使用されてきた。しかしながら、従来のカチオン性高分子では脱色効果を示す染料が限られており、反応性染料、酸性染料、直接染料等のアニオン系染料が混在する廃水に対しては脱色性が十分ではない。
【0004】そこで、数種の脱色剤を併用して上記のような数種類の染料が混在する廃水の脱色を試みる場合がある。しかし相乗効果を望める場合は少なく、逆に性能を低下させる場合もある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭36−23231号公報
【特許文献2】
特開平6−126286号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような数種類のアニオン系染料が混在する着色廃水を効率的に脱色する脱色剤を開発し、それを用いた着色廃水の処理方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような課題を解決するために研究を重ねた結果、着色廃水に対してポリマー構造に(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を含む高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を染料廃水等の着色廃水に添加することにより効率的な脱色効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】本発明は着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%含有する高分子化合物で、且つ10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sからなる高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を添加する事により効率的な脱色効果が得られる着色廃水の処理方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本発明は着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%含有する高分子化合物、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%及び共重合可能なモノマー単位を0〜25モル%含有し、且つ10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sである高分子化合物、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を90〜100モル%及び共重合可能なモノマー単位を0〜10モル%含有し、且つ10%水溶液の粘度が25〜75mPa・sである高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を添加する事により効率的な脱色効果が得られる着色廃水の処理方法である。
【0010】共重合可能なモノマーとしてはカチオンモノマー、ノニオンモノマー、及びアニオンモノマーが挙げられる。カチオンモノマーの例としてはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級アミン塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物、ハロゲン化アリール付加物及びジメチル硫酸付加物等の4級アミン塩が挙げられる。
【0011】ノニオン性モノマーの例として(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
【0012】アニオン性モノマーの例として(メタ)アクリル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0013】重合方法としては水溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法によっても可能であり、そのためモノマー濃度としては10〜60重量%の範囲で重合可能であり、好ましくは30〜50重量%が良い。また、重合は10〜100℃の間で行なうことが可能である。
【0014】重合方法としてはラジカル重合が好ましく、重合開始剤としてはアゾ系、過酸化物、レドックス系のいずれでも重合可能である。
【0015】次に該重合物を用いた着色廃水の処理方法について説明する。本発明は着色廃水、特に染料廃水(特に反応性染料を含有するもの)に対して有効である。また、数種類の染料が混在しているような廃水に対して特に有効である。
【0016】染料廃水中の染料濃度は一定ではないため、その廃水により本発明に用いる脱色剤の添加量も加減する必要があるが、たいていの場合、その染料濃度は10〜1000ppmであることが多いので、本発明に用いる脱色剤を10〜2000ppm、好ましくは50〜500ppm添加することにより効果を発揮する。なお、添加形態としては1〜10重量%水溶液とすることが望ましい。また、廃水の温度やpHは脱色性に影響を及ぼすので廃水のpHは5〜8、温度は10〜40℃にすることが望ましい。
【0017】本発明は無機凝集剤を併用する事も可能であり、無機凝集剤の例としては硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第一鉄などが拳げられる。
【0018】本発明による処理方法の後、アニオン系もしくはノニオン系高分子凝集剤を添加しても良い。アニオン系もしくはノニオン系凝集剤としてはポリアクリル酸ソーダやポリアクリルアミド等のアクリル系重合物が望ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げることにより本発明の特徴をより一層明確なものにするが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】合成例1
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は45mPa・s(25℃)であった。これを合成物Aとする。
【0021】合成例2
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は50mPa・s(25℃)であった。これを合成物Bとする。
【0022】合成例3
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)149gとチオグリコール酸0.3gと精製水149gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は25mPa・s(25℃)であった。これを合成物Cとする。
【0023】合成例4
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)138gとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド8gとチオグリコール酸0.18gと精製水152gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は25mPa・s(25℃)であった。これを合成物Dとする。
【0024】合成例5
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)231gとアクリルアミド(40%品)23gと精製水46gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度50%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は110mPa・s(25℃)であった。これを合成物Eとする。
【0025】合成例6
攪拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)141gとアクリルアミド(40%品)5gとアクリル酸(80%品)3gと精製水150gを入れ、攪拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は33mPa・s(25℃)であった。これを合成物Fとする。
【0026】比較合成例1
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)147gとチオグリコール酸6gと精製水147gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は9mPa・s(25℃)であった。これを合成物Gとする。
【0027】比較合成例2
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)86gとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド47gとチオグリコール酸0.6gと精製水165gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は33mPa・s(25℃)であった。これを合成物Hとする。
【0028】比較合成例3
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジシアンジアミド102g、ホルマリン148gを混合し、次に塩化アンモニウム48gを加え、90℃で6時間反応させ、濃度60%の無色透明液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は9mPa・s(25℃)であった。これを合成物Iとする。
【0029】比較合成例4
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジアリルジメチルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを仕込み、均一に混合した後、過硫酸カリウム0.96g(10%水溶液)を投入し、80℃で5時間反応させ、濃度30%の淡黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は13mPa・s(25℃)であった。これを合成物Jとする。
【0030】モデル廃水1
1Lの水に対して反応性染料Sumifix Supra Yellow 3RF、Sumifix Supra Brill. Red 3BF及びSumifix Supra Blue BRFの1:1:1混合物を2g、芒硝50g、ソーダ灰20gを溶解した後、80℃で30分加熱し、冷却した後に染料濃度が200ppmになるように水で希釈し、染料濃度200ppmの反応性染料モデル廃水を調製した。
【0031】モデル廃水2
1Lの水に対して酸性染料Kayacyl Yellow GG,kayacyl Rubinol 3GS,Kayacyl Blue HRLの1:1:1混合物2gを加え、硫酸でpHを3.5に調製した後、95℃で60分加熱し、冷却した後に、染料濃度が200ppmになるように水で希釈し、染料濃度200ppmの酸性染料廃水を調製した。これにモデル廃水1で作った反応性染料モデル廃水を1:1で混合した。
【0032】実施例1
染料200ppmを含有する着色モデル廃水に硫酸バンド200ppmを添加し、次に脱色剤として合成物Aを125ppm加え、10%NaOH水溶液でpHを6〜7に調整し、ポリアクリルアミド(ハイセットP−713 第一工業製薬株式会社品)2ppmを加えて撹拌した。次にこれを濾過して固形分を除去した後、ろ液の可視領域における吸収スペクトルを測定して吸光度を求め、未処理の廃水と比較して(処理後の吸光度/未処理の吸光度)×100より染料の残存率(%)を算出した。結果を表−1に示す。また脱色性を目視で確認した。
【0033】実施例2
実施例1の合成物Aを合成物Bに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0034】実施例3
実施例1の合成物Aを合成物Cに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0035】実施例4
実施例1の合成物Aを合成物Dに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0036】実施例5
実施例1の合成物Aを合成物Eに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0037】実施例6
実施例1の合成物Aを合成物Fに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0038】比較例1
実施例1の合成物Aを加えない以外に実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0039】比較例2
実施例1の合成物Aを合成物Gに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0040】比較例3
実施例1の合成物Aを合成物Hに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0041】比較例4
実施例1の合成物Aを合成物Iに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0042】比較例5
実施例1の合成物Aを合成物Jに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0043】
【表−1】
【0044】
【発明の効果】本発明の処理方法を実施することにより染料を含有した着色廃水は効果的に脱色される。
【発明の属する技術分野】本発明は染料廃水等の着色廃水に高分子化合物からなる脱色剤を添加する着色廃水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば染色工場において洗浄時に発生する廃液は多種の顔料、染料、無機及び有機添加剤を多量に含んでいる。これら産業廃水による河川の汚染は環境汚染を助長し、また地域住民に著しく嫌悪感を与える。そのため、近年はこれらの廃水に対する色度などの規制も厳しくなってきている。
【0003】従来、これらを処理する技術としては無機系凝集剤及びカチオン性高分子を用いた凝集沈殿法が一般的であり、水可溶性シアナミド−ホルムアルデヒド系(特開昭36−23231)やポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(特開平6−126286)等の脱色剤が使用されてきた。しかしながら、従来のカチオン性高分子では脱色効果を示す染料が限られており、反応性染料、酸性染料、直接染料等のアニオン系染料が混在する廃水に対しては脱色性が十分ではない。
【0004】そこで、数種の脱色剤を併用して上記のような数種類の染料が混在する廃水の脱色を試みる場合がある。しかし相乗効果を望める場合は少なく、逆に性能を低下させる場合もある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭36−23231号公報
【特許文献2】
特開平6−126286号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような数種類のアニオン系染料が混在する着色廃水を効率的に脱色する脱色剤を開発し、それを用いた着色廃水の処理方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような課題を解決するために研究を重ねた結果、着色廃水に対してポリマー構造に(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を含む高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を染料廃水等の着色廃水に添加することにより効率的な脱色効果が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】本発明は着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%含有する高分子化合物で、且つ10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sからなる高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を添加する事により効率的な脱色効果が得られる着色廃水の処理方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本発明は着色廃水に対して(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%含有する高分子化合物、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を75〜100モル%及び共重合可能なモノマー単位を0〜25モル%含有し、且つ10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sである高分子化合物、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を90〜100モル%及び共重合可能なモノマー単位を0〜10モル%含有し、且つ10%水溶液の粘度が25〜75mPa・sである高分子化合物を脱色剤とし、その脱色剤を添加する事により効率的な脱色効果が得られる着色廃水の処理方法である。
【0010】共重合可能なモノマーとしてはカチオンモノマー、ノニオンモノマー、及びアニオンモノマーが挙げられる。カチオンモノマーの例としてはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級アミン塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物、ハロゲン化アリール付加物及びジメチル硫酸付加物等の4級アミン塩が挙げられる。
【0011】ノニオン性モノマーの例として(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
【0012】アニオン性モノマーの例として(メタ)アクリル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0013】重合方法としては水溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法によっても可能であり、そのためモノマー濃度としては10〜60重量%の範囲で重合可能であり、好ましくは30〜50重量%が良い。また、重合は10〜100℃の間で行なうことが可能である。
【0014】重合方法としてはラジカル重合が好ましく、重合開始剤としてはアゾ系、過酸化物、レドックス系のいずれでも重合可能である。
【0015】次に該重合物を用いた着色廃水の処理方法について説明する。本発明は着色廃水、特に染料廃水(特に反応性染料を含有するもの)に対して有効である。また、数種類の染料が混在しているような廃水に対して特に有効である。
【0016】染料廃水中の染料濃度は一定ではないため、その廃水により本発明に用いる脱色剤の添加量も加減する必要があるが、たいていの場合、その染料濃度は10〜1000ppmであることが多いので、本発明に用いる脱色剤を10〜2000ppm、好ましくは50〜500ppm添加することにより効果を発揮する。なお、添加形態としては1〜10重量%水溶液とすることが望ましい。また、廃水の温度やpHは脱色性に影響を及ぼすので廃水のpHは5〜8、温度は10〜40℃にすることが望ましい。
【0017】本発明は無機凝集剤を併用する事も可能であり、無機凝集剤の例としては硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第一鉄などが拳げられる。
【0018】本発明による処理方法の後、アニオン系もしくはノニオン系高分子凝集剤を添加しても良い。アニオン系もしくはノニオン系凝集剤としてはポリアクリル酸ソーダやポリアクリルアミド等のアクリル系重合物が望ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げることにより本発明の特徴をより一層明確なものにするが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】合成例1
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は45mPa・s(25℃)であった。これを合成物Aとする。
【0021】合成例2
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は50mPa・s(25℃)であった。これを合成物Bとする。
【0022】合成例3
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)149gとチオグリコール酸0.3gと精製水149gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は25mPa・s(25℃)であった。これを合成物Cとする。
【0023】合成例4
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)138gとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド8gとチオグリコール酸0.18gと精製水152gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は25mPa・s(25℃)であった。これを合成物Dとする。
【0024】合成例5
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)231gとアクリルアミド(40%品)23gと精製水46gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度50%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は110mPa・s(25℃)であった。これを合成物Eとする。
【0025】合成例6
攪拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)141gとアクリルアミド(40%品)5gとアクリル酸(80%品)3gと精製水150gを入れ、攪拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は33mPa・s(25℃)であった。これを合成物Fとする。
【0026】比較合成例1
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)147gとチオグリコール酸6gと精製水147gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は9mPa・s(25℃)であった。これを合成物Gとする。
【0027】比較合成例2
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(60%品)86gとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド47gとチオグリコール酸0.6gと精製水165gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて2時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は33mPa・s(25℃)であった。これを合成物Hとする。
【0028】比較合成例3
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジシアンジアミド102g、ホルマリン148gを混合し、次に塩化アンモニウム48gを加え、90℃で6時間反応させ、濃度60%の無色透明液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は9mPa・s(25℃)であった。これを合成物Iとする。
【0029】比較合成例4
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジアリルジメチルアンモニウムクロライド(60%品)150gと精製水150gを仕込み、均一に混合した後、過硫酸カリウム0.96g(10%水溶液)を投入し、80℃で5時間反応させ、濃度30%の淡黄色液体反応物を得た。この反応物のポリマー10%水溶液の粘度は13mPa・s(25℃)であった。これを合成物Jとする。
【0030】モデル廃水1
1Lの水に対して反応性染料Sumifix Supra Yellow 3RF、Sumifix Supra Brill. Red 3BF及びSumifix Supra Blue BRFの1:1:1混合物を2g、芒硝50g、ソーダ灰20gを溶解した後、80℃で30分加熱し、冷却した後に染料濃度が200ppmになるように水で希釈し、染料濃度200ppmの反応性染料モデル廃水を調製した。
【0031】モデル廃水2
1Lの水に対して酸性染料Kayacyl Yellow GG,kayacyl Rubinol 3GS,Kayacyl Blue HRLの1:1:1混合物2gを加え、硫酸でpHを3.5に調製した後、95℃で60分加熱し、冷却した後に、染料濃度が200ppmになるように水で希釈し、染料濃度200ppmの酸性染料廃水を調製した。これにモデル廃水1で作った反応性染料モデル廃水を1:1で混合した。
【0032】実施例1
染料200ppmを含有する着色モデル廃水に硫酸バンド200ppmを添加し、次に脱色剤として合成物Aを125ppm加え、10%NaOH水溶液でpHを6〜7に調整し、ポリアクリルアミド(ハイセットP−713 第一工業製薬株式会社品)2ppmを加えて撹拌した。次にこれを濾過して固形分を除去した後、ろ液の可視領域における吸収スペクトルを測定して吸光度を求め、未処理の廃水と比較して(処理後の吸光度/未処理の吸光度)×100より染料の残存率(%)を算出した。結果を表−1に示す。また脱色性を目視で確認した。
【0033】実施例2
実施例1の合成物Aを合成物Bに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0034】実施例3
実施例1の合成物Aを合成物Cに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0035】実施例4
実施例1の合成物Aを合成物Dに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0036】実施例5
実施例1の合成物Aを合成物Eに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0037】実施例6
実施例1の合成物Aを合成物Fに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0038】比較例1
実施例1の合成物Aを加えない以外に実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0039】比較例2
実施例1の合成物Aを合成物Gに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0040】比較例3
実施例1の合成物Aを合成物Hに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0041】比較例4
実施例1の合成物Aを合成物Iに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0042】比較例5
実施例1の合成物Aを合成物Jに変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を行った。結果を表−1に示す。
【0043】
【表−1】
【0044】
【発明の効果】本発明の処理方法を実施することにより染料を含有した着色廃水は効果的に脱色される。
Claims (1)
- 着色廃水の処理方法において(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド単位を少なくとも75〜100モル%含有する高分子化合物で、且つ10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sからなる高分子化合物を脱色剤としその脱色剤を着色廃水に添加することを特徴とする着色廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002301117A JP2004098042A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 着色廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=32289242
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-
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- 2002-09-06 JP JP2002301117A patent/JP2004098042A/ja active Pending
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