JP2005205261A - 廃水の全窒素低減剤及び廃水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 懸濁物質を含む、下水、屎尿、産業廃水等の廃水の処理において、処理後の廃水の全窒素を低減することができる廃水の全窒素低減剤およびこれを用いた廃水処理方法を提供する。
【解決手段】 廃水の全窒素低減剤は、アクリロイルオキシエチルジアルキルベンジルアンモニウム塩構造単位、及びメタクリロイルオキシエチルジアルキルベンジルアンモニウム塩構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を30〜100モル%含む重合体からなる。また、廃水処理方法は、廃水に、凝集剤と全窒素低減剤とを添加し、廃水中の懸濁物質を凝集させて、この凝集物を除去する。
【選択図】 なし
【解決手段】 廃水の全窒素低減剤は、アクリロイルオキシエチルジアルキルベンジルアンモニウム塩構造単位、及びメタクリロイルオキシエチルジアルキルベンジルアンモニウム塩構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を30〜100モル%含む重合体からなる。また、廃水処理方法は、廃水に、凝集剤と全窒素低減剤とを添加し、廃水中の懸濁物質を凝集させて、この凝集物を除去する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、下水、屎尿、産業廃水等の廃水の全窒素を低減することができる廃水の全窒素低減剤及びこれを用いた廃水処理方法に関する。
従来、懸濁物質を含む、下水、屎尿、産業廃水等の廃水の処理としては、水処理剤として硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム等の無機系凝集剤を使用することにより、懸濁物質を凝集させて除去する方法が古くから知られている。これらの方法については、通用の技術であるため先行技術文献は記載できない。
廃水処理として無機系凝集剤を使用する場合には、凝集力が弱いため多量の凝集剤を添加する必要があった。このため、廃水処理のコストが高くなることやスラッジの発生量が大幅に増加する等の問題があった。
上記問題に対しては、無機系凝集剤に比べて添加量を少なくすることができ、またスラッジの発生量も減少させることができる有機系凝結剤(水溶性ポリカチオン)を使用する方法(例えば、特許文献1参照)や、無機系凝集剤と高分子凝集剤とを併用することにより、無機系凝集剤の使用量を抑えつつ、沈降性能を高める方法(例えば、非特許文献1参照)が提案されている。有機系凝結剤としては、アルキルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、メラミン−ホルマリン縮合物、ポリジメチルジアリルアンモニウム塩等が知られている。
一方、近年、廃水処理に関し、環境保護の観点から処理水に対する規制が強化されつつあり、水質基準において化学的酸素要求量(COD)だけでなく、廃水中の全窒素についても注目され、その低減が求められている。
「水処理剤と水処理技術(普及版)」、株式会社 シーエムシー 2001年、P49
しかし、前記有機系凝結剤を廃水処理に使用する方法は、有機系凝結剤が廃水中の懸濁物質に対して優れた凝集力を有するため廃水処理方法としては有効な方法であるものの、上記の通り有機系凝結剤自身が窒素を含有する場合が多いため、廃水中の全窒素という観点からは、処理後の廃水ではむしろ増加する傾向があるという問題があった。
また、前記無機系凝集剤と高分子凝集剤とを併用する方法においては、廃水の処理前後において全窒素の低減は見られるものの、その低減量は環境保護の観点からは不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、懸濁物質を含む、下水、屎尿、産業廃水等の廃水の処理において、処理後の廃水の全窒素を低減することができる廃水の全窒素低減剤およびこれを用いた廃水処理方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明に係る廃水の全窒素低減剤の特徴構成は、下記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を30〜100モル%含む重合体からなる点にある。
(但し、式中のR1はHまたはCH3であり、R2およびR3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基から選ばれた1種であり、X-はアニオン性対イオンを示す。)
つまり、この構成によれば、窒素含有物質を除去することができるので、廃水の全窒素を低減することができる。
本発明に係る廃水処理方法の第1の特徴手段は、廃水に、凝集剤と前記全窒素低減剤とを添加し、前記廃水中の懸濁物質を凝集させて、この凝集物を除去する点にある。
つまり、この手段によれば、窒素含有物質を懸濁物質と共に凝集させて除去することができるため、廃水の全窒素を低減することができる。
本発明に係る廃水処理方法の第2の特徴手段は、前記凝集剤は、無機系凝集剤及び高分子凝集剤であって、前記無機系凝集剤を添加し、前記廃水中の懸濁物質を凝集させて、一次凝集物を生成させた後、前記高分子凝集剤を添加し、前記一次凝集物を凝集させて、二次凝集物を生成させ、前記全窒素低減剤は、前記高分子凝集剤を添加する前のいずれかの工程において添加する点にある。
つまり、この手段によれば、廃水中の懸濁物質をより除去し易くすることができるため、廃水の全窒素をさらに低減することができる。
本発明に係る廃水の全窒素低減剤は、上記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を30〜100モル%含む重合体からなるものであり、後述する方法によって製造することができる。これにより、本発明に係る廃水の全窒素低減剤は、廃水の全窒素を低減することができる。
本発明者らは、上記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を30〜100モル%有する重合体が、廃水の全窒素を低減させることができることを見出した。本発明の全窒素低減剤が廃水中でどのように全窒素を低減させるのかは、鋭意検討中であり、依然として不明である。しかし、廃水を本発明の全窒素低減剤で処理することにより、全窒素を低減させているのは後述する実施例に示すとおり事実である。そして、廃水の全窒素低減効果には、上記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位のように特定の構造単位による寄与が大きいようである。
すなわち、廃水の全窒素低減剤を構成する重合体には、上記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位を有することが必要であり、特に廃水の全窒素低減効果を良好に発揮するためには、30〜100モル%含有することが好ましく、50〜100モル%含有することがより好ましい。また、含有する構造単位としては、上記式(I)で表される構造単位であれば1種類でも複数種類でもよく、また、上記式(I)で表されるそれぞれの構造単位が含有する割合も、任意に決めることができる。例えば、構造単位として、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位及びメタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩構造単位のうち少なくともいずれか一方を含む重合体を適用することは、取り扱いが容易となるため好ましい態様である。また、上記式(I)のR2及びR3がそれぞれ炭素数3または4のアルキル基の場合には、直鎖状であっても、分岐していてもよい。尚、アニオン性対イオンの種類は、本発明の効果に直接影響を及ぼすものではないため、特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲンイオン等、任意に選択することができる。
本発明の廃水の全窒素低減剤を、上記式(I)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含む構造単位のみからなる重合体で構成することにより、好ましく本発明の効果を発揮することができるが、他の物質と共重合することもでき、その場合には、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー、ノニオン性モノマー、及びこれらの重合体が好ましく適用できる。これらは1種だけでなく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カチオン性モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートや、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのハロゲン化アルキル付加物、ジメチル硫酸付加物等が適用できる。また、アニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が適用でき、ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等が適用することができる。
また、本発明の廃水の全窒素低減剤を構成する重合体の重合度は、特に限定されるものではなく、任意の重合度のものを適用することができる。重合体の重合度は溶液の粘度によっても制御することができ、その値としては特に制限はないが、例えば、重合体の10%水溶液の粘度とした場合には、10〜2000mPa・sとなるよう制御にして重合体を調製することが好ましく、10〜1500mPa・sとなるように制御することがより好ましい。
本発明の廃水の全窒素低減剤は、前述の通り、廃水の全窒素を低減することができるため、様々な廃水処理において、適用できるものである。以下には、まず、本発明の廃水の全窒素低減剤の製造方法の一例を示す。さらに、本発明の全窒素低減剤の適用例を述べる。
本発明の全窒素低減剤を構成する重合体は、従来公知の重合方法によって作製することができる。例えば、水溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等のラジカル重合法が好ましく適用することができる。また、ラジカル重合法において使用する重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物、レドックス系等、任意に選択することができる。
重合温度は、重合可能であれば特に制限はないが、上記重合開始剤を使用する場合には、その機能の観点から0〜100℃の温度範囲で重合することが好ましく、10〜90℃の温度範囲であることがより好ましい。重合する際、モノマーは、その濃度が10〜60重量%の溶液として使用するのが好ましく、30〜50重量%の溶液とすることがより好ましい。重合時間においては、特に限られず、重合するモノマーの種類や、製造する重合体の平均分子量等に合わせて任意に決めることができる。
以上のように製造された廃水の全窒素低減剤は、様々な従来公知の廃水処理に適用することができる。本発明の廃水の全窒素低減剤の使用方法として、好ましい一例を示すと、廃水に対して、凝集剤と共に使用することができる。すなわち、下水、屎尿、産業廃水等、懸濁物質を含んだ廃水に、凝集剤と本発明の廃水の全窒素低減剤とを添加する方法である。凝集剤と全窒素低減剤とを併用することにより、窒素含有物質を廃水中の懸濁物質と共に凝集して、除去することができるため、非常に高い全窒素除去効果を発揮することができる。もちろん、凝集剤を使用せず、全窒素低減剤のみの使用や中和剤等の他の処理剤と共に使用しても、好ましい全窒素低減効果を得ることができる。
本発明の廃水の全窒素低減剤と共に凝集剤を使用する場合には、凝集剤は無機系凝集剤、高分子凝集剤等、特に限定されず、また、1種類でも複数種類でもよい。例えば、廃水処理において、無機系凝集剤と高分子凝集剤とを併用することは好ましい態様である。無機系凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第一鉄等が好ましく適用できる。また、高分子凝集剤としては、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤等、例えば、ポリアクリル酸ソーダやポリアクリルアミド等のアクリル系重合物を用いることが好ましい。
この場合、無機系凝集剤を添加した後に高分子凝集剤を添加することが好ましい。すなわち、無機系凝集剤により、懸濁物質を凝集させて、一次凝集物を生成させ、その後に高分子凝集剤を添加して、一次凝集物が凝集した二次凝集物を生成させて、懸濁物質を沈降、除去し易くすることにより、全窒素低減効果を向上させることが可能となる。全窒素低減剤の添加のタイミングとしては、無機系凝集剤の添加と同時、もしくはその前後に添加することが好ましく、高分子凝集剤の添加よりも前に添加することにより、本発明の効果をより発揮させることができる。
本発明の廃水の全窒素低減剤は、任意の状態で廃水に添加することができ、例えば、任意の割合に希釈した水溶液として添加してもよい。全窒素低減剤の廃水に対する添加量は、50〜2000ppmが好ましい。また、全窒素低減剤は、従来公知の廃水処理における任意の工程において、添加することができるが、特に沈殿又は浮上による固液分離処理の前工程の凝集攪拌槽で使用可能であり、また活性汚泥の曝気槽から沈殿槽への乱流に添加し、沈殿槽で沈降・除去することも可能である。
以下、本発明の廃水の窒素低減剤の実施例について説明する。本発明の廃水の全窒素低減剤を廃水に添加して、廃水の処理前後における全窒素を測定した。さらに、処理後の廃水の脱色性についても測定した。尚、全窒素の測定は、JIS K 0102−45.1に準じて行った。また、脱色性の測定は、処理前後の廃水の可視領域における吸収スペクトルを測定して吸光度を求め、(処理後の吸光度/処理前の吸光度)×100の式により、着色物質の残存率を測定し、脱色性を目視で調べた。
(合成例1)
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中に表1におけるモノマー(a)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて5時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体合成物Aを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は45mPa・sであった。
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中に表1におけるモノマー(a)150gと精製水150gを入れ、撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて5時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体合成物Aを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は45mPa・sであった。
(合成例2)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)138gとアクリルアミド(40%水溶液)18gと精製水144gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Bを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は62mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)138gとアクリルアミド(40%水溶液)18gと精製水144gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Bを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は62mPa・sであった。
(合成例3)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)93gとアクリルアミド(40%水溶液)86gと精製水121gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Cを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は170mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)93gとアクリルアミド(40%水溶液)86gと精製水121gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Cを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は170mPa・sであった。
(合成例4)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(b)129gとアクリルアミド(40%水溶液)32gと精製水129gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Dを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は68mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(b)129gとアクリルアミド(40%水溶液)32gと精製水129gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Dを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は68mPa・sであった。
(合成例5)
合成例1とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)200gと精製水100gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度40%の黄色液体合成物Eを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は147mPa・sであった。
合成例1とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)200gと精製水100gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度40%の黄色液体合成物Eを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は147mPa・sであった。
(合成例6)
合成例1とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)250gと精製水50gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度50%の黄色液体合成物Fを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は204mPa・sであった。
合成例1とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)250gと精製水50gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度50%の黄色液体合成物Fを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は204mPa・sであった。
(合成例7)
ノルマルパラフィン84gにソルビタンモノオレート6gを溶解した。これに表1におけるモノマー(c)150gと精製水144gとチオグリコール酸9gの混合液を添加し、強撹拌により乳化を行なった。これを撹拌装置と温度計および窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、アゾビスイソブチロニトリル1.5g(10%溶液)を加えて窒素雰囲気下60℃にて4時間反応させた。これにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル9gを撹拌混合し、濃度30%淡黄色液体合成物Gを得た。これを10%水溶液に溶解した時の粘度は1520mPa・sであった。
ノルマルパラフィン84gにソルビタンモノオレート6gを溶解した。これに表1におけるモノマー(c)150gと精製水144gとチオグリコール酸9gの混合液を添加し、強撹拌により乳化を行なった。これを撹拌装置と温度計および窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、アゾビスイソブチロニトリル1.5g(10%溶液)を加えて窒素雰囲気下60℃にて4時間反応させた。これにポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル9gを撹拌混合し、濃度30%淡黄色液体合成物Gを得た。これを10%水溶液に溶解した時の粘度は1520mPa・sであった。
(合成例8)
合成例7とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)150gと精製水141gとチオグリコール酸6gとを加えた以外は合成例7と同様の反応を行い、濃度30%淡黄色液体合成物Hを得た。これを10%水溶液に溶解した時の粘度は2040mPa・sであった。
合成例7とは、重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)150gと精製水141gとチオグリコール酸6gとを加えた以外は合成例7と同様の反応を行い、濃度30%淡黄色液体合成物Hを得た。これを10%水溶液に溶解した時の粘度は2040mPa・sであった。
(合成例9)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)141gとアクリルアミド(40%水溶液)13gと精製水146gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Iを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は56mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)141gとアクリルアミド(40%水溶液)13gと精製水146gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Iを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は56mPa・sであった。
(合成例10)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)120gとアクリルアミド(40%水溶液)45gと精製水135gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Jを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は88mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)120gとアクリルアミド(40%水溶液)45gと精製水135gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Jを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は88mPa・sであった。
(合成例11)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)83gとアクリルアミド(40%水溶液)95gと精製水122gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Kを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は154mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)83gとアクリルアミド(40%水溶液)95gと精製水122gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Kを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は154mPa・sであった。
(合成例12)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(d)130gとアクリルアミド(40%水溶液)30gと精製水140gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Lを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は66mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(d)130gとアクリルアミド(40%水溶液)30gと精製水140gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Lを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は66mPa・sであった。
(合成例13)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(e)132gとアクリルアミド(40%水溶液)27gと精製水141gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Mを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は63mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(e)132gとアクリルアミド(40%水溶液)27gと精製水141gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Mを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は63mPa・sであった。
(合成例14)
合成例1とは、モノマー種類、モノマーの数及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)62gとモノマー(c)66gとアクリルアミド(40%水溶液)33gと精製水139gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Nを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は77mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類、モノマーの数及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)62gとモノマー(c)66gとアクリルアミド(40%水溶液)33gと精製水139gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Nを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は77mPa・sであった。
(合成例15)
合成例1とは、モノマー種類、モノマーの数及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)55gとモノマー(c)38gとモノマー(d)42gとアクリルアミド(40%水溶液)22gと精製水143gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Oを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は61mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類、モノマーの数及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)55gとモノマー(c)38gとモノマー(d)42gとアクリルアミド(40%水溶液)22gと精製水143gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Oを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は61mPa・sであった。
(比較合成例1)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(f)132gとアクリルアミド(40%水溶液)28gと精製水141gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Pを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は64mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(f)132gとアクリルアミド(40%水溶液)28gと精製水141gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Pを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は64mPa・sであった。
(比較合成例2)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)73gとアクリルアミド(40%水溶液)115gと精製水112gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Qを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は184mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(a)73gとアクリルアミド(40%水溶液)115gと精製水112gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Qを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は184mPa・sであった。
(比較合成例3)
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)46gとアクリルアミド(40%水溶液)156gと精製水98gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Rを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は191mPa・sであった。
合成例1とは、モノマー種類及び重合割合が異なる。すなわち、モノマー(c)46gとアクリルアミド(40%水溶液)156gと精製水98gとを加えた以外は合成例1と同様の反応を行い、濃度30%の黄色液体合成物Rを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は191mPa・sであった。
(比較合成例4)
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド113g、精製水187gとを撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて5時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体合成物Sを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は38mPa・sであった。
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド113g、精製水187gとを撹拌して均一に混合した後、過硫酸アンモニウム(10%水溶液)0.6gを加え、80℃にて5時間30分反応させ、濃度30%の黄色液体合成物Sを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は38mPa・sであった。
(比較合成例5)
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジシアンジアミド102g、ホルマリン148gを混合し、次に塩化アンモニウム48gを加え、90℃で6時間反応させ、濃度60%の透明液体合成物Tを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は9mPa・sであった。
撹拌装置および温度計を備えた反応容器中にジシアンジアミド102g、ホルマリン148gを混合し、次に塩化アンモニウム48gを加え、90℃で6時間反応させ、濃度60%の透明液体合成物Tを得た。これを10%水溶液に希釈した時の粘度は9mPa・sであった。
(実施例1)
反応染料を含む染料廃水400mlに対して、硫酸アルミニウム(10%水溶液)を300ppm添加して、水酸化ナトリウムの10%水溶液でpHを6〜7に調整し、本発明の廃水の全窒素低減剤として上記合成物Aを希釈した1%水溶液を200ppm加えた後、アニオン系の高分子凝集剤(センカフロックDS1720A(センカ(株)製))(0.1%水溶液)を2ppm加えて攪拌した。次いで、凝集した固形分を濾過して除去し、全窒素を測定したところ、処理前に比べて、大幅に全窒素が低減していることが分かった。その結果を表3に示した。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べたところ、その値は低く、脱色性も良好であり、本発明の全窒素低減剤は、廃水の脱色剤としても適用できることが分かった。その結果を表4に示した。
反応染料を含む染料廃水400mlに対して、硫酸アルミニウム(10%水溶液)を300ppm添加して、水酸化ナトリウムの10%水溶液でpHを6〜7に調整し、本発明の廃水の全窒素低減剤として上記合成物Aを希釈した1%水溶液を200ppm加えた後、アニオン系の高分子凝集剤(センカフロックDS1720A(センカ(株)製))(0.1%水溶液)を2ppm加えて攪拌した。次いで、凝集した固形分を濾過して除去し、全窒素を測定したところ、処理前に比べて、大幅に全窒素が低減していることが分かった。その結果を表3に示した。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べたところ、その値は低く、脱色性も良好であり、本発明の全窒素低減剤は、廃水の脱色剤としても適用できることが分かった。その結果を表4に示した。
(実施例2〜15)
廃水に添加する合成物Aを合成物B〜Oに替えて、実施例1と同様の方法により処理した後、それぞれについて全窒素を測定した。その結果、表3に示した通りいずれの場合にも、処理により窒素が低減していることが分かった。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べたところ、表4に示した通り、残存率が低く、脱色性も良好である場合があった。すなわち、本発明の構造単位を100〜75モル%含んでおり、10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sの場合に、特に脱色性の効果が高いことが分かった。
廃水に添加する合成物Aを合成物B〜Oに替えて、実施例1と同様の方法により処理した後、それぞれについて全窒素を測定した。その結果、表3に示した通りいずれの場合にも、処理により窒素が低減していることが分かった。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べたところ、表4に示した通り、残存率が低く、脱色性も良好である場合があった。すなわち、本発明の構造単位を100〜75モル%含んでおり、10%水溶液の粘度が10〜150mPa・sの場合に、特に脱色性の効果が高いことが分かった。
(比較例1)
合成物Aを廃水に添加せずに、その他については、実施例1と同様の方法により処理し、全窒素を測定したところ、合成物を添加した実施例に比べて、廃水の全窒素がほとんど低減していなかった。その結果を表3に示した。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べた。その結果、表4に示した通り、残存率は高く、脱色性も不良であった。
合成物Aを廃水に添加せずに、その他については、実施例1と同様の方法により処理し、全窒素を測定したところ、合成物を添加した実施例に比べて、廃水の全窒素がほとんど低減していなかった。その結果を表3に示した。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べた。その結果、表4に示した通り、残存率は高く、脱色性も不良であった。
(比較例2〜6)
廃水に添加する合成物Aを合成物P〜Tに替えて、実施例1と同様の方法により処理した後、それぞれについて全窒素を測定した。その結果、表3に示した通り、実施例に比べて、処理後の廃水の全窒素が多かった。特に、合成物Pを添加した比較例6では、処理前に比べて、全窒素が増加していた。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べた。その結果、表4に示した通り、残存率は高く、脱色性も不良であった。
廃水に添加する合成物Aを合成物P〜Tに替えて、実施例1と同様の方法により処理した後、それぞれについて全窒素を測定した。その結果、表3に示した通り、実施例に比べて、処理後の廃水の全窒素が多かった。特に、合成物Pを添加した比較例6では、処理前に比べて、全窒素が増加していた。また、処理後の廃水について染料の残存率を調べた。その結果、表4に示した通り、残存率は高く、脱色性も不良であった。
本発明の廃水の全窒素低減剤およびこれを用いた廃水処理方法は、下水、屎尿、産業廃水等の様々な廃水の処理に適用することができる。また、本発明の廃水の全窒素低減剤およびこれを用いた廃水処理方法は、廃水の脱色剤としても適用可能である。
Claims (3)
- 廃水に、凝集剤と請求項1に記載の全窒素低減剤とを添加し、前記廃水中の懸濁物質を凝集させて、この凝集物を除去する廃水処理方法。
- 前記凝集剤は、無機系凝集剤及び高分子凝集剤であって、前記無機系凝集剤を添加し、前記廃水中の懸濁物質を凝集させて、一次凝集物を生成させた後、前記高分子凝集剤を添加し、前記一次凝集物を凝集させて、二次凝集物を生成させ、
前記全窒素低減剤は、前記高分子凝集剤を添加する前のいずれかの工程において添加する請求項2に記載の廃水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004012036A JP2005205261A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 廃水の全窒素低減剤及び廃水処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008260004A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Senka Kk | (亜)硝酸性窒素低減剤の製造方法及び該製造方法で得られた(亜)硝酸性窒素低減剤による水中の(亜)硝酸性窒素濃度の低減方法 |
-
2004
- 2004-01-20 JP JP2004012036A patent/JP2005205261A/ja active Pending
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