JP3695276B2 - 排液処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性カチオンポリマーを沈降剤として用いた排液処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して混合曝気し、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、被処理液の急激な増加または汚泥沈降不良などに起因し、処理水へ活性汚泥が流出する場合がある。従来、このような活性汚泥の処理水への流出を防止するため、沈降剤が添加されている。
例えば、特開昭55−51494号には、沈降剤としてポリエチレンイミンまたはアルキレンジハライド・アルキレンポリアミン重縮合物などのカチオン性のポリマーが記載され、これらを液状または粉末状で添加することが記載されている。また特開平2−17998号には、沈降剤としてカチオン系有機高分子凝集剤と無機剤とを併用し、これらを粉末状または溶液状で添加することが記載されている。
【0003】
しかし上記公報で使用されている、カチオンポリマーは通常溶液重合法により製造されたものであり、沈降性の改善効果は小さい。一般に同じ組成の原料モノマーを用いて水溶性カチオンポリマーを製造しても、製造方法により得られるポリマーの沈降能が大きく異なることは知られていない。従来の方法では、沈降剤として溶液重合法で製造されるカチオンポリマーを使用しているため、沈降性の良好なフロックを形成させることができず、被処理液の急激な増加や汚泥沈降不良などに対して迅速に対応することが困難であり、このため処理水に活性汚泥が流出するのを防止することができず、また多量の沈降剤を使用する必要がありコスト高になるという問題点がある。
【0004】
一方、特開昭61−123610号、特開昭62−20502号、特開昭62−20511号、特開平2−105809号には、水溶性カチオンポリマーのシード重合法が記載され、得られた水溶性カチオンポリマーが廃水処理用の凝集剤として使用できることが記載されている。しかし、これらの公報では、得られる水分散液が溶解することなくそのまま添加できることに着目されているだけであり、排液の生物処理における活性汚泥の沈降剤として利用することは記載されていない。またシード重合法で得られた水溶性カチオンポリマーが、他の重合法で重合したポリマーに比べて、排液の生物処理における活性汚泥の沈降性能に優れていることは記載されていない。
【0005】
また特開平6−296977号には、シード重合法で得られた水溶性カチオンポリマーを用いた油の除去または回収方法が記載されている。しかし、この公報は油の除去または回収に関する方法であり、シード重合法で得られた水溶性カチオンポリマーを排液の生物処理における活性汚泥の沈降剤として利用することは記載されていない。またシード重合法で得られた水溶性カチオンポリマーが他の重合法で重合したポリマーに比べて活性汚泥の沈降性能に優れていることは記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して混合曝気し、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、排液を生物処理した処理水への活性汚泥の流出を迅速にかつ簡単な操作で効率よく防止することができ、しかも薬剤使用量を少なくして低コストで処理することができる排液処理方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の排液処理方法である。
(1) 活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して混合曝気し、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、
気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として、
下記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、シード重合法またはエマルション重合法により重合された水溶性カチオンポリマーを添加する排液処理方法。
【化3】
Figure 0003695276
(式〔1〕中、R 1 は水素原子またはメチル基、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基、R 4 は水素原子、メチル基、エチル基またはベンジル基、Xは酸素原子またはNH、Yは炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンである。)
(2) 水溶性カチオンポリマーが、少なくとも前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、塩水溶液を反応媒体としてシード重合法により重合させて得られるものであるか、またはエマルション重合法により重合させて得られるものであり、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5モル%以上の水溶性カチオンポリマーである上記(1)記載の排液処理方法。
(3) 水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜95モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜95モル%である上記(2)記載の排液処理方法。
(4) 水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%であって、R4がベンジル基であるアクリル系カチオンモノマーの含有量が全アクリル系カチオンモノマーの含有量の30モル%以上である上記(2)記載の排液処理方法。
(5) 前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーが下記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーであり、水溶性カチオンポリマー中の下記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%である上記(2)記載の排液処理方法。
【化4】
Figure 0003695276
(式〔2〕中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基、Yは炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンである。)
【0008】
本発明の排液処理方法において処理の対象となる排液は有機物を含有する排液であり、難生物分解性の有機物または無機物が含有されていてもよく、またアンモニア性窒素等が含有されていてもよい。このような有機性排液としては、下水、し尿、水産加工排水、食品工場排水その他の産業排液などがあげられる。
【0009】
本発明の排液処理方法は、有機性排液を曝気槽で活性汚泥と混合して曝気し、混合液を沈殿槽において固液分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する標準活性汚泥処理法が一般的であるが、これを変形した他のものでもよい。本発明の排液処理方法は、上記のような処理系において、曝気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として、前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、シード重合法またはエマルション重合法により重合された水溶性カチオンポリマー、好ましくはシード重合法により重合された水溶性カチオンポリマーを添加する。
【0010】
シード重合法により重合された水溶性カチオンポリマーの具体的なものとしては、少なくとも前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、塩水溶液を反応媒体として、シード重合法により重合させて得られるものであり、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5モル%以上であるものがあげられる。
【0011】
前記式〔1〕においてR4で示される原子または基の中ではベンジル基が好ましい。R4がベンジル基である場合、得られる水溶性カチオンポリマーの疎水性の付与または調節をすることができる。
前記式〔1〕においてYで示される炭素数2〜4のアルキレン基の具体的なものとしては、CH2CH2、CH2CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH2CH2CH2CH2などがあげられる。また炭素数2〜4のヒドロキシアルキレン基の具体的なものとしては上記アルキレン基の水素原子がOH基に置換した基などがあげられる。
【0012】
前記式〔1〕においてZで示される対アニオンはイオン対を形成することができるイオンであれば特に制限されず、塩素イオン、硫酸イオンなどがあげられる。硫酸イオンなどの2価のイオンの場合、2個のカチオンとイオン対を形成する。
【0013】
前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの中で好ましいものは、前記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーである。前記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーは、前記式〔1〕のXが酸素原子、R4がベンジル基の化合物である。
【0014】
原料モノマーとしては、前記式〔1〕で示されるアクリル系カチオンモノマーを一種単独で用いることもできるし、二種以上の混合物であってもよいし、これらと共重合可能な一種以上の他の化合物との混合物であってもよい。他の化合物としてはアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどがあげられる。これらの中では、アクリルアミド、メタクリルアミドが好ましい。原料モノマー中の前記式〔1〕で示されるアクリル系カチオンモノマーの含有量は5モル%以上、好ましくは50モル%以上であるのが望ましい。
【0015】
好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜95モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜95モル%の水溶性カチオンポリマーであり、さらに好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%であって、R4がベンジル基であるアクリル系カチオンモノマーの含有量が全アクリル系カチオンモノマーの含有量の30モル%以上である水溶性カチオンポリマーであり、最も好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%の水溶性カチオンポリマーである。
【0016】
水溶性カチオンポリマーのシード重合法において使用される塩としては水に可溶な塩が制限なく使用でき、例えば塩化ナトリウム;硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム硫酸塩等の硫酸塩;リン酸水素アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム等のリン酸塩;これらの混合物などがあげられる。塩の使用量は、重合により生成する水溶性カチオンポリマーを析出させることができる濃度であればよく、通常反応媒体中の濃度として15重量%以上であるのが好ましい。
【0017】
シード重合の具体的な方法としては、原料モノマーを塩水溶液に仕込み、重合開始剤を添加し、不活性ガス雰囲気下に撹拌しながら重合させる方法が例示できる。原料モノマーは塩水溶液に溶解してもよいし、溶解しなくてもよい。重合が進行するに伴って、生成した水溶性カチオンポリマーが析出し、分散液が得られる。上記重合開始剤としては、レドックス系、アゾ系などの公知の重合開始剤が使用できる。また反応媒体には、重合に使用する塩水溶液に可溶なポリマー、多価アルコール、分散剤などを添加することもできる。塩水溶液に可溶なポリマーとしては、R4が水素原子、メチル基またはエチル基である前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの単独重合体または共重合体などがあげられる。また多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、低分子量のポリエチレングリコール、低分子量のポリプロピレングリコールなどがあげられる。
【0018】
このようにして得られる水溶性カチオンポリマーの分散液はそのまま沈降剤として使用することもできるし、水で希釈して使用することもできるし、水に溶解して使用することもできる。
【0019】
シード重合法により重合された水溶性カチオンポリマーとしては市販品を使用することもできる。市販品の具体的なものとしては、栗田工業(株)製クリフィックス DC305(商標)、ハイモ(株)製ハイモロック E775(商標)などがあげられる。
【0020】
エマルション法により重合された水溶性カチオンポリマーの具体的なものとしては、少なくとも前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、エマルション重合法により重合させて得られるものであり、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5モル%以上のものがあげられる。エマルションの形態はW/O型である。
【0021】
前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの中で、好ましいものは前記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーである。
原料モノマーとしては、前記式〔1〕で示されるアクリル系カチオンモノマーを一種単独で用いることもできるし、二種以上の混合物であってもよいし、これらと共重合可能な一種以上の他の化合物との混合物であってもよい。他の化合物としてはアクリルアミドおよびメタクリルアミドなどがあげられる。原料モノマー中の前記式〔1〕で示されるアクリル系カチオンモノマーの含有量は5モル%以上、好ましくは50モル%以上であるのが望ましい。
【0022】
好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜95モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜95モル%の水溶性カチオンポリマーであり、さらに好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%であって、R4がベンジル基であるアクリル系カチオンモノマーの含有量が全アクリル系カチオンモノマーの含有量の30モル%以上である水溶性カチオンポリマーであり、最も好ましい水溶性カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%の水溶性カチオンポリマーである。
【0023】
エマルション重合の具体的な方法としては、原料モノマー、水、疎水性炭化水素液体および界面活性剤(反転剤を含む)をW/O型エマルションとし、エマルション重合する方法が例示できる。これにより水溶性カチオンポリマーの油中水型エマルションが得られる。反応系には必要に応じて連鎖移動剤、pH調整剤、キレート剤などを添加することもできる。
【0024】
このようにして得られる水溶性カチオンポリマーのエマルションはそのまま沈降剤として使用することもできるし、水で希釈して使用することもできるし、水に溶解して使用することもできる。
【0025】
エマルション法により重合された水溶性カチオンポリマーのエマルションとしては市販品を使用することもできる。市販品の具体的なものとしては、栗田工業(株)製クリフィックス EC355、クリフィックス EC253(いずれも商標)などがあげられる。
【0026】
シード重合法またはエマルション重合法で重合された水溶性カチオンポリマーの分子量は100万〜5000万、好ましくは500万〜5000万であるのが望ましい。このような分子量の場合、添加量を少なくすることができる。またコロイド当量値は2〜5.5meq/g、好ましくは2.5〜5.5meq/gであるのが望ましい。
【0027】
シード重合法またはエマルション重合法以外の重合法、例えば溶液重合法を採用して水溶性カチオンポリマーを製造し、この水溶性カチオンポリマーを固体または水溶液の状態で沈降剤として使用しても、シード重合法またはエマルション重合法で得られる水溶性カチオンポリマーを添加した場合のような優れた沈降性の改善効果は得られない。この理由は明確ではないが、同じ原料モノマーまたはモノマー混合物を用いて重合しても、合成法の違いにより分子量分布、分岐度などが異なるポリマーができるためではないかと推測される。
【0028】
本発明で使用する水溶性カチオンポリマーは水で任意の割合で容易に希釈または溶解され、かつ添加後すぐに効果を発揮するので、排液処理における被処理液の急激な増加や汚泥沈降不良などに対して迅速に対応することができ、処理水への活性汚泥の流出を迅速に防止することができる。また形成されるフロックは緻密で沈降性および圧密性に優れているので、固液分離を容易に行うことができ、このため処理水への活性汚泥の流出を簡単な操作で効率よく防止することができる。さらに少量の薬剤添加量で優れた沈降性改善効果を発揮するので、薬剤の使用量を少なくして低コストで処理することができる。
【0029】
水溶性カチオンポリマーの添加位置は曝気槽から沈殿槽に至る系路であれば特に限定されず、例えば曝気槽;曝気槽から沈殿槽までの間の連絡路;沈殿槽のセンターコア部などで添加することができる。また、曝気槽から沈殿槽までの間に凝集槽を設けて添加することができる。曝気槽に添加する場合は曝気により撹拌されるので特別な撹拌を行う必要はなく、また曝気槽から沈殿槽までの間の連絡路に添加する場合も水が移送される際の撹拌で十分であるので特別な撹拌は必要ない。
【0030】
水溶性カチオンポリマーの添加は連続的に行うこともできるし、間欠的に行うこともできる。また、活性汚泥の沈降性が悪化した場合、または悪化が予想される場合に添加することができる。
【0031】
水溶性カチオンポリマーは、分散液またはエマルションの状態で添加することもできるし、水で希釈して添加することもできるし、水に溶解して添加することもできるし、固体状態で添加することもできるが、水に溶解した溶液状態で添加すると直ちに汚泥と反応するため、新たに撹拌装置などを設けることなく、そのまま液の流動する系路に添加しても十分な沈降促進効果が得られるので好ましい。
【0032】
水に溶解した溶液状態で添加する場合、この水溶液中の水溶性カチオンポリマーの濃度は、純分として通常0.02〜1.5重量%、好ましくは0.1〜0.6重量%であるのが望ましい。
【0033】
水溶性カチオンポリマーの添加量は、被処理液のSS濃度などにより異なるが、被処理液に対して通常1〜50mg/L、好ましくは2〜20mg/Lとするのが望ましい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の排液処理方法は、沈降剤として前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、シード重合法またはエマルション重合法により重合された水溶性カチオンポリマーを添加しているので、排液を生物処理する際の被処理液の急激な増加や汚泥沈降不良などに起因する処理水への活性汚泥の流出を迅速にかつ簡単な操作で効率よく防止することができ、しかも薬剤使用量を少なくして低コストで処理することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について説明する。実施例および比較例で使用した沈降剤は次の通りである。またこれらの物性を表1に示す。
【0036】
●A−1:シード重合法で得られた水溶性カチオンポリマー
アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(前記式〔1〕において、R1が水素、R2およびR3がメチル基、R4がベンジル基、Xが酸素、YがCH2CH2、Zが塩素のアクリル系カチオンモノマー)とアクリルアミドとが、20重量%濃度の硫酸アンモニウム水溶液中でシード重合により重合されて得られた水溶性カチオンポリマー。ポリマー中のアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドの含有量は90モル%、アクリルアミドの含有量は10モル%である。このものは水溶性カチオンポリマーの分散液であり、使用に際しては水に溶解して溶液状態で使用した。
【0037】
●A−2:エマルション重合法で得られた水溶性カチオンポリマー
メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(前記式〔1〕において、R1がメチル基、R2およびR3がメチル基、R4がメチル基、Xが酸素、YがCH2CH2、Zが塩素のアクリル系カチオンモノマー)の単独重合体。このものは鉱物油中に水溶性カチオンポリマーが界面活性剤により乳化されている。使用に際しては、このエマルションを水に溶解して溶液状態で使用した。
【0038】
●A−3:エマルション重合法で得られた水溶性カチオンポリマー
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(前記式〔1〕において、R1が水素、R2およびR3がメチル基、R4がメチル基、Xが酸素、YがCH2CH2、Zが塩素のアクリル系カチオンモノマー)とアクリルアミドとが、エマルション重合法で重合されて得られた水溶性カチオンポリマー。ポリマー中のアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの含有量は90モル%、アクリルアミドの含有量は10モル%である。このものは鉱物油中に水溶性カチオンポリマーが界面活性剤により乳化されている。使用に際しては、このエマルションを水に溶解して溶液状態で使用した。
【0039】
a−1:ジメチルアミン/エピクロロヒドリン縮合物
このものはジメチルアミン/エピクロロヒドリン縮合物の水溶液である。使用に際しては、この水溶液に水を添加して溶液状態で使用した。
【0040】
a−2:溶液重合法で得られた水溶性カチオンポリマー
アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとが、水中で溶液重合されて得られた水溶性カチオンポリマー。ポリマー中のアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドの含有量は90モル%、アクリルアミドの含有量は10モル%である。このものは粉末状である。使用に際しては、この粉末を水に溶解して溶液状態で使用した。
【0041】
a−3:溶液重合法で得られた水溶性カチオンポリマー
メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの単独重合体。このものは粉末状である。使用に際しては、この粉末を水に溶解して溶液状態で使用した。
【0042】
a−4:無機凝集剤
塩化第二鉄
【0043】
【表1】
Figure 0003695276
【0044】
実施例1〜3および比較例1〜5
表1の沈降剤を、表2の濃度になるように水を添加して溶解し、この沈降剤水溶液を沈降試験に用いた。
水産加工排水の活性汚泥曝気槽の槽内液(pH=6.8、SS=3900mg/L、VSS/SS=86.3%)を1 literのシリンダーに入れ、ここに表2の沈降剤水溶液を添加し、シリンダーの転倒を3回行い撹拌した。次に、5分間静置した後、沈降界面容積を測定した。またフロックの形成状態を目視で判定した。結果を表3に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003695276
【0046】
【表3】
Figure 0003695276
【0047】
以上の結果からわかるように、実施例1〜3では転倒撹拌3回以内でフロックが形成され、沈降界面が低いことがわかる。特に、実施例1は転倒撹拌1回でフロックが形成され、沈降界面が最も低い。また分子量が大きいため少ない添加量で効果を示した。このように各実施例は、形成フロックが緻密なため、静置後の沈降界面が低く、圧密性が良好である。これに対して比較例は転倒撹拌が1回でフロックが形成される場合もあるが、沈降界面が高く、圧密性が悪い。

Claims (5)

  1. 活性汚泥を保持する曝気槽に排液を導入して混合曝気し、混合液を沈殿槽に導いて沈殿分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する排液処理方法において、
    気槽から沈殿槽に至る系路に沈降剤として、
    下記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、シード重合法またはエマルション重合法により重合された水溶性カチオンポリマーを添加する排液処理方法。
    Figure 0003695276
    (式〔1〕中、R 1 は水素原子またはメチル基、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基、R 4 は水素原子、メチル基、エチル基またはベンジル基、Xは酸素原子またはNH、Yは炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンである。)
  2. 水溶性カチオンポリマーが、少なくとも前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーを含有する原料モノマーを、塩水溶液を反応媒体としてシード重合法により重合させて得られるものであるか、またはエマルション重合法により重合させて得られるものであり、水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5モル%以上の水溶性カチオンポリマーである請求項1記載の排液処理方法。
  3. 水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が5〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜95モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜95モル%である請求項2記載の排液処理方法。
  4. 水溶性カチオンポリマー中の前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%であって、R4がベンジル基であるアクリル系カチオンモノマーの含有量が全アクリル系カチオンモノマーの含有量の30モル%以上である請求項2記載の排液処理方法。
  5. 前記式〔1〕で表されるアクリル系カチオンモノマーが下記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーであり、水溶性カチオンポリマー中の下記式〔2〕で表されるアクリル系カチオンモノマーの含有量が50〜100モル%、アクリルアミドの含有量が0〜50モル%およびメタクリルアミドの含有量が0〜50モル%である請求項2記載の排液処理方法。
    Figure 0003695276
    (式〔2〕中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR3はそれぞれ独立にメチル基またはエチル基、Yは炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、Zは対アニオンである。)
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