JPH09323005A - 重金属含有廃液の処理剤及びその処理方法 - Google Patents
重金属含有廃液の処理剤及びその処理方法Info
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- JPH09323005A JPH09323005A JP14187996A JP14187996A JPH09323005A JP H09323005 A JPH09323005 A JP H09323005A JP 14187996 A JP14187996 A JP 14187996A JP 14187996 A JP14187996 A JP 14187996A JP H09323005 A JPH09323005 A JP H09323005A
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Abstract
ド系高分子凝集剤とを有効成分として含有することを特
徴とする重金属含有廃液の処理剤、及び重金属含有廃液
に、前記処理剤を同時に又は別々に添加することにより
非水溶性の重金属含有フロックを形成し、該フロックを
沈殿除去することを特徴とする重金属含有廃液の処理方
法を提供する。 【効果】 従来の処理方法において困難であった重金属
含有廃液、特にニッケル、バナジウム等を簡易な凝集沈
殿法により効率的に除去することができる。特に、ニッ
ケル、バナジウム等の重金属イオンを排出基準以下まで
低減することができる。
Description
の処理剤及びその処理方法に関する。更に詳しくは、こ
の発明は、重金属含有廃液中の重金属、特に従来より廃
液からの除去処理が困難とされているニッケル、バナジ
ウム等を簡易な凝集沈殿法により効率的に除去するため
の処理剤及びその処理方法に関する。
化合物含有廃液の処理方法としては、重金属含有フロッ
クを形成しこれを凝集沈殿法、加圧浮上法、限外濾過等
により分離除去する方法、及び重金属イオンをイオン交
換樹脂を用いて吸着除去する方法〔丸善発行(平成2年
4月25日)「改訂二版 用水廃水便覧」、第350〜
357頁参照〕が知られている。
脂を用いる方法は、処理設備が大規模になるとともに操
作が煩雑になるため、既存の設備(例えば、シックナ
ー)を用いることができる凝集沈殿法が実用上有利とさ
れている。凝集沈殿法の重金属含有フロックの形成方法
としては、pHコントロールやジチオカルバミン酸化合
物、メルカプトベンゾチアゾール化合物、硫化ナトリウ
ム等の硫黄含有化合物の添加により難溶性の水酸化物や
硫化物の沈殿物を形成させ、次いで無機又は有機凝集剤
の添加によりフロックを形成する方法が知られている
〔特開昭50−136279号公報、特開昭60−18
7394号公報、特公昭64−3549号公報及び日本
水処理技術研究会発行(平成3年3月15日)「水処理
技術」第32巻、第3号、第1〜10頁参照〕。
廃液にメルカプトベンズチアゾール又はその水溶性塩と
ポリエチレンイミンとからなる処理剤(商品名フロクラ
ン:(株)片山化学工業研究所製)を添加することによ
り重金属含有フロックを形成する方法は、形成フロック
が比較的大きく、pH値を厳格に管理することが不要
で、かつ重金属がアンミン錯塩の形態であってもフロッ
クを形成することができる(特開平4−330991号
公報参照)。
ジウム、又はニッケル及びバナジウム含有廃液、例えば
ニッケルメッキ工場から排出されるニッケル含有廃液や
排煙脱硫廃液等は、pHが低く、ニッケルをピロリン酸
ニッケル等の重合リン酸ニッケル錯塩の形態で含有する
ため、フロックを形成せず、処理が困難とされていた。
ル、バナジウム等を含有する廃液を簡易な凝集沈殿法に
より、更に効率的に処理する方法が望まれていた。
記観点より非水溶性のニッケル塩及びバナジウム塩を迅
速に形成し、フロックを形成し得る高分子化合物につい
て研究を行った。その結果、有機高分子凝集剤の一つで
あるポリエチレンイミンがニッケル及びバナジウムと非
水溶性の錯塩を形成する事実、これらの形成反応が廃液
中の重合リン酸ニッケル錯塩に対しても迅速に進行する
事実を意外にも見出した。
エチレンイミン錯塩のフロック形成が、特定の高分子カ
チオン凝集剤との併用により促進され、凝集沈殿法によ
る処理に適する大きな沈降性フロックが形成され、凝集
沈殿により効率的に除去できることを確認し、この発明
に至った。かくして、この発明によれば、ポリエチレン
イミンとポリアクリルアミド系高分子凝集剤とを有効成
分として含有することを特徴とする重金属廃液の処理剤
が提供される。
に、ポリエチレンイミンとポリアクリルアミド系高分子
凝集剤とを同時に又は別々に添加することにより非水溶
性の重金属含有フロックを形成し、該フロックを沈殿除
去することを特徴とする重金属含有廃液の処理方法が提
供される。
ンイミンとしては、重量平均分子量(以下、Mwと略
記)300〜750,000の水溶性ポリエチレンイミ
ンが適している。中でも、Mw50,000以上のもの
を使用するのが、形成されたフロックが大きくなり、沈
降性がよくなるため重金属類の除去効果の点で特に好ま
しい。
ニッケル及びバナジウムと不溶性の錯塩を形成する作用
を有する。また、この発明に用いられるポリアクリルア
ミド系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリルアミドのカチオン化変成物、例えばポリアク
リルアミドのマンニッヒ変成物やホフマン分解物、及び
ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリレートとアクリ
ルアミドの共重合体が適している。この高分子凝集剤の
Mwは、単独重合体、共重合体共に5,000,000
〜20,000,000が適している。
チルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例
えばジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリ
レート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げ
られ、ジメチルアミノエチルメタクリレートが好まし
い。またアクリルアミドとの共重合比は99:1〜2
0:80程度が適している。
ポリアクリルアミド系高分子凝集剤とを重金属含有廃液
に添加する場合、別々に又は同時に添加してもよい。別
々に添加する場合には、ポリエチレンイミンを先に添加
し、撹拌後、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤を添加
するのが、不溶性の重金属フロックが速やかに形成され
るので好ましい。
が、作業性の点で好ましい。この発明の処理剤のポリエ
チレンイミンとポリアクリルアミド系高分子凝集剤との
配合割合は、重量比で100:1〜1:1(好ましくは
30:1〜10:1)である。前記配合割合以外では、
処理剤の構成成分の一方が無駄になり添加量が増加する
ため好ましくない。
エチレンイミンが廃液中に存在する重金属イオンの総量
に対して、0.1〜5倍モル、好ましくは0.2〜3倍
モルである。添加量が前記範囲より少ないと重金属類の
除去効果が充分ではなくなるため好ましくなく、添加量
を上記範囲より多くしても重金属類の除去効果に変化は
なく経済的ではないので好ましくない。
上(特に9以上)であるのが重金属類の除去効果の点で
好ましい。一般にメッキ工場廃液のpHは、9以上とな
っているため特にpH調整を行う必要がない。また排煙
脱硫廃液のpHは、5以下となっているため、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物を添加
してpH6以上(好ましくはpH9〜12)に液性調整
した後、この発明の処理を行ってもよい。
ては、(1)ニッケル金属鉱山の坑内水、ニッケル精錬工
場廃液、ニッケルメッキ廃液、(2)排煙脱硫廃液又は該
廃液から硫酸ナトリウムの回収工程液、(3)その他、化
学工場、電気機器工場等の廃液等のニッケル又はバナジ
ウム、若しくはそれらの混合物の含有廃液が挙げられ
る。
明するが、これによりこの発明の範囲を限定するもので
はない。
金属含有廃液500ミリリットルをビーカーに採取し、
下記供試薬剤を所定量添加して、1分間(比較例では1
5分間)120rpm(回毎分)で撹拌した後、5分間
静置した。この時、形成されたフロック径を目測した。
で存在) (供試薬剤) No.1(比較例):Mw10,000,000のジメチ
ルアミノエチルメタクリレートとアクリルアミドとの共
重合体(共重合比5:95、高分子と略記) No.2(比較例):Mw500,000のポリエチレン
イミン(PEIと略記) No.3〜7(実施例):Mw500,000のポリエチ
レンイミン(PEIと略記)と、Mw10,000,0
00のジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリル
アミドとの共重合体(共重合比5:95、高分子と略
記))との一液製剤(水溶液) No.8〜10(実施例):Mw1,500のポリエチレ
ンイミン(PEIと略記)とMw10,000,000
のジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリルアミ
ドとの共重合体(共重合比50:50、高分子と略記)
との一液製剤(水溶液) No.11(比較例): No.8〜10と同様 次いで、処理した廃液の上澄液100ミリリットルを採
取し、その外観を観察し、SS濃度及び原子吸光法によ
る液中の重金属イオン濃度を測定した。その結果を供試
薬剤及び添加量、フロック径と共に表1に示す。
とがわかる。
バナジウム含有廃液500ミリリットルをビーカーに採
取し、供試薬剤として、Mw100,000のポリエチ
レンイミン(PEIと略記)と、Mw10,000,0
00のジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリル
アミドとの共重合体(共重合比10:90、PAMと略
記)との一液製剤(水溶液)を所定量添加して、1分間
120rpmで撹拌した後、5分間静置した。この時、
形成されたフロック径を目測した。
取し、その外観を観察し、SS濃度及び原子吸光法によ
る液中の重金属イオン濃度を測定した。その結果を供試
薬剤及び添加量、フロック径と共に表2に示す。
理に有効であることがわかる。
廃液500ミリリットルをビーカーに採取し、水酸化カ
ルシウムを添加して該廃液のpHを10に調整した。次
いで、供試薬剤として、Mw50,000のポリエチレ
ンイミン(PEIと略記)とMw6,000,000の
ポリアクリルアミド(PAMと略記)との一液製剤(水
溶液)を所定量添加して、10分間120rpmで撹拌
した後、5分間静置した。この時、形成されたフロック
径を目測した。
取し、その外観を観察し、SS濃度及び原子吸光法によ
る液中の重金属イオン濃度を測定した。その結果を供試
薬剤及び添加量、フロック径と共に表3に示す。
とがわかる。
廃液500ミリリットルをビーカーに採取し、供試薬剤
として、Mw500,000のポリエチレンイミン(P
EIと略記)とMw8,000,000のポリアクリル
アミド(PAMと略記)との一液製剤(水溶液)を所定
量添加して、10分間120rpmで撹拌した後、5分
間静置した。この時、形成されたフロック径を目測し
た。但し、No.4及び5は、供試薬剤として、それぞれ
硫酸バンド3000mg/リットル及び塩化第2鉄300
0mg/リットルを用いた。
存在) 次いで、処理した廃液の上澄液100ミリリットルを採
取し、その外観を観察し、SS濃度及び原子吸光法によ
る液中の重金属イオン濃度を測定した。その結果を供試
薬剤及び添加量、フロック径と共に表4に示す。
有効であることがわかる。
いて困難であった重金属含有廃液中の重金属、特にニッ
ケル、バナジウム等を簡易な凝集沈殿法、例えばシック
ナーにより効率的に除去することができ、これらニッケ
ル、バナジウム等の重金属イオンを排出基準以下まで低
減することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンイミンとポリアクリルアミ
ド系高分子凝集剤とを有効成分として含有することを特
徴とする重金属含有廃液の処理剤。 - 【請求項2】 重金属含有廃液に、ポリエチレンイミン
とポリアクリルアミド系高分子凝集剤とを同時に又は別
々に添加することにより非水溶性の重金属含有フロック
を形成し、該フロックを沈殿除去することを特徴とする
重金属含有廃液の処理方法。 - 【請求項3】 重金属含有廃液が、ニッケル、バナジウ
ム、又はニッケル及びバナジウム含有廃液である請求項
2記載の処理方法。
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