JP2004097963A - 硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法 - Google Patents

硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法 Download PDF

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秋鹿 研一
Koji Inazu
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Abstract

【課題】硝酸アンモニウムを高濃度で含有する廃水を効率良く処理し、廃水からアンモニウムイオン及び硝酸イオン濃度を大幅に低下させる方法の提供。
【解決手段】硝酸アンモニウム含有廃水を、担体でありかつ分解反応において還元剤として作用する活性炭と、活性成分として白金よりなる担持触媒の存在下に、温度160℃〜200℃および初期圧力0.2Mpa〜0.7MPaという温和な条件下で処理することによりアンモニウムイオンと硝酸イオンを同時に分解させることを特徴とする硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法に関する。より詳しくは本発明は温和な条件下で、アンモニウムイオンと硝酸イオンとが共存する硝酸アンモニウム含有廃水を同時に湿式分解する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水環境保全の観点から廃水の処理に関しては、廃水中の化学的酸素要求物質のみならず、窒素成分(アンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素など)を効率的に除去することが大きな課題となっている。特に各種の産業より排出される廃水中に含まれる窒素成分は高濃度になることからその処理が重要になっている。また、地下水や河川水などのアンモニウムイオンや硝酸イオン、亜硝酸イオンなどによる汚染も重要な課題となりつつある。
これまでアンモニウムイオンや硝酸イオンを湿式分解する方法としては、それぞれ別々に分解する方法が多く検討されていたが、実際の廃水中には通常両イオンが共存し、これらを同時に分解処理する方法が求められている。特に生物処理に比較して、その適用可能範囲の広さや設備やプロセスの簡略さなどの観点から、固体触媒を用いる湿式分解に期待が寄せられている。
アンモニウムイオンと硝酸イオンを同時に処理する方法としては、硝酸アンモニウムの湿式分解処理方法が検討されており、貴金属を担持させた触媒の存在下に高温、高圧で処理する方法(例えば特許文献1参照)や、触媒存在下にメタノールやフェノール、アンモニアなどを添加する方法、さらには触媒存在下に硝酸アンモニウムを分解するのに必要な理論酸素量以上の大量の酸素を供給して分解する方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−047100号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特公平6−047101号公報(第1−3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術では、アンモニアイオンと硝酸イオンの同時分解は、かなりの高温や高圧(例えば200℃より高温、4MPa以上)が必要とされていた。
このような条件下では大がかりな設備を必要とし、また処理のための運転コストもかさむ。
従って、本発明の課題は、従来技術に比べてより温和な処理条件下で、かつ高い分解率で、硝酸アンモニウムを高濃度で含有する廃水を効率良く処理して、廃水中のアンモニウムイオン及び硝酸イオン濃度を同時に大幅に低下させる方法の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の如き現状に鑑み、アンモニウムイオンと硝酸イオンの効果的分解除去について、鋭意研究を重ねた。その結果、湿式分解反応に用いる、固体触媒として、活性炭に担持させた白金を用いると、この分解反応は160℃〜200℃程度、および初期圧力0.2〜0.7MPa程度の温和な条件下においても、上記両イオンの転化率が高いことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
従って、本発明は、硝酸アンモニウム含有廃水を、担体でありかつ分解反応において還元剤として作用する活性炭と、活性成分である白金よりなる担持触媒の存在下に、温度160℃〜200℃および初期圧力0.2MPa〜0.7MPaで処理することによりアンモニウムイオンと硝酸イオンを同時に分解させることを特徴とする硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が対象とする硝酸アンモニウム含有廃水は、アンモニウムイオンと硝酸イオンとが共存する廃水など硝酸アンモニウムを含むもの全てであり、特に硝酸アンモニウム濃度が1%以上の高濃度廃水が好適である。これらの廃水は例えば、産業廃水(各種プラント廃水、含油廃水、活性汚泥廃水等)または生活廃水(し尿、下水、下水汚泥等)である。
【0007】
ところで、アンモニウムイオンおよび硝酸イオンを触媒によって、本発明のような温和な条件下で相互酸化還元する場合、アンモニウムイオンと硝酸イオンとの1対1の量論反応では、余剰酸素が生じその結果、NOが生成する。
【化1】
Figure 2004097963
このNOはNHやNOのように水環境保全上の問題とはならないが、環境下に排出するためにはNまで分解することが求められている。そしてこのNOをNに分解するためには、還元剤が必要である。
【化2】
Figure 2004097963
本発明者らは、この事実にも着目し、硝酸アンモニウム含有廃水の処理において様々な触媒を検討した。その結果、都合の良いことに、触媒担体として活性炭を使用する場合、この活性炭は、さらに還元剤としても作用し、その結果、還元剤を特に添加しなくても、下記のような反応が起こり、アンモニウムイオンと硝酸イオンを同時に高率で、Nにまで分解できることが判った。
【化3】
Figure 2004097963
なお、このような検討は上記先行技術文献のいずれにおいてもなされていない。
【0008】
上述のとおり本発明の湿式分解で使用する触媒は、活性成分である白金と、分解反応中に還元剤として作用することのできる担体成分である活性炭とからなるものである。
これらの触媒において、活性成分である白金は、触媒として慣用の水に対して不溶ないし難溶性の白金の化合物、例えば二塩化白金を含む。
白金またはその化合物は常法に従って担体でありかつ還元剤として作用する活性炭に担持して使用する。例えば、担持は活性炭にHPtClを前駆体とした含浸法によって行う。担持量は、通常担体重量の0.05〜25%、好ましくは0.5〜5%、特に2〜3%である。
還元剤としても作用する担体成分としての活性炭はその表面を水素還元前処理することによりさらに好ましいものになるが、水素還元処理の有無に関わらず使用可能である。水素還元処理をする場合には例えば、900℃で48時間行う。
また、本発明で使用する触媒は、バッチ処理や連続処理などの廃水の処理方法に適した形状で使用でき、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム状などの公知の形態の担体に担持した状態で使用可能である。また、処理装置中で固定床として、または流動床として使用できる。
さらに、本発明で使用する白金の活性炭担持触媒は、また活性の低下が少ないので、連続処理が可能であり、交換サイクルが長いため運転コストを抑えることができる。
【0009】
本発明の最大の特徴は本発明の処理における湿式分解反応が極めて温和な条件下で高効率の分解が達成できることである。その反応温度は、通常160℃〜200℃、より好ましくは170〜180℃である。この反応時の温度が160℃より低いと、アンモニウムイオン及び硝酸イオンの分解効率が極端に低くなり、また200℃よりも高温では、分解効率があまり向上しないにもかかわらず、処理装置に対しより耐熱性の高い材料を必要とし、また処理時にはより大きいエネルギーが必要となるので運転コストがかかる。
また、反応時の圧力は、最低限所定温度に於て廃水が液相を保つ圧力であれば良く、その初期圧力は、0.2MPa〜0.7MPaであり、好ましくは0.25MPa〜0.5MPaであって極めて温和な条件である。ここで、初期圧力が0.2MPa未満である場合には、アンモニウムイオン及び硝酸イオンの分解率は低くなる。或いはまた0.7MPaを超えて高くなるにつれて、アンモニウムイオン及び硝酸イオンの分解率は低くなる。
【0010】
【実施例】
以下実施例及び比較例を示し、上述の本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
実施例1
pH5.4、NHNO濃度1%の廃水100ml、水素処理しない活性炭(AC)に白金(Pt)を2重量%担持させた触媒2gを容量250mlのステンレス製攪拌式オートクレーブに収め、窒素ガスにより0.5MPaまで加圧した後、昇温し、180℃で2時間処理した。
処理反応後の水中に残存する硝酸イオンとアンモニウムイオンの濃度は、処理液から触媒粒子をメンブランフィルターによりろ別した後、イオンクロマトグラフィー法により測定した。
処理前後の廃水中のアンモニウムイオン、硝酸イオンの濃度から、アンモニウムイオン、硝酸イオン分解率並びに全窒素成分の分解率を算出した。結果を第1表に示す。
【0011】
実施例2
実施例1の窒素ガスの代わりに空気を使用して同様に処理した。結果を第1表に示す。
これらの結果より明らかなように、アンモニウムイオン、硝酸イオンは、酸素の有無に関わらず、高い効率で分解除去できることが判る。
【0012】
実施例3
実施例2で使用した触媒の代わりに、900℃で45時間水素処理した活性炭に白金を2重量%担持させた触媒を用いた他は、実施例2と同様に処理した。結果を第1表に示す。
この結果より、活性炭の水素処理により処理効率はわずかに向上するが、その有無に関わらず活性炭を担体として用いた触媒は、本処理方法において使用可能であり、高い処理効率を示す。
【表1】
Figure 2004097963
【0013】
実施例4〜5
処理温度を160〜170℃に変えて、実施例2と同様に処理した。結果を第2表に示す。
実施例6および7
初期圧力が0.25MPa、0.7MPa になるように空気を用いて圧力を調整した他は実施例2と同様に処理した。結果を第2表に示す。
実施例4〜6の結果より、より温和な処理条件でも高い処理効率を示すことが判る。
【表2】
Figure 2004097963
【0014】
比較例1
処理温度を150℃に変えて、実施例2と同様に処理した。結果を第3表に示す。
実施例2、4および5の結果とこの結果とを比較すれば、処理温度が160℃未満であると処理効率が極端に低下することが判る。
比較例2〜5
初期圧力が0.1MPa並びに1.0MPa、2.0MPa、3.0MPa になるように空気を導入した他は実施例2と同様に処理した。結果を第3表に示す。
実施例2および7の結果とこれらの結果との比較により、初期圧力が0.2MPaより低いと処理効率が低下し、また反対に初期圧力が0.7MPaより高く、さらにより高くなるに従って処理効率が低下することが判る。
【表3】
Figure 2004097963
【0015】
比較例6〜9
担体を活性炭からマグネシア(MgO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)およびジルコニア(ZrO)に変えた他は、実施例2と同様に処理した。結果を第4表に示す。
比較例3の結果とこれらの結果を比較することにより、活性炭に代えて、通常用いられる金属酸化物を担体とした場合には、同じ処理条件下では、処理効率の低いことが判る。
【表4】
Figure 2004097963
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、160℃〜200℃程度の温度でかつ0.2MPa〜0.7MPaという従来にない温和な処理条件下で、硝酸アンモニウムを高濃度で含有する廃水を効率良く処理し、廃水中のアンモニウムイオン及び硝酸イオン濃度をそこから同時に大幅に低下させることが出来る。従って、本発明によって、従来の湿式分解のように、高温および高圧下の処理に必要な大がかりな設備を必要とせず、かつ、使用するエネルギーも少ないので運転コストもより低いにもかかわらず、廃水を十分に湿式分解することができる方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. 硝酸アンモニウム含有廃水を、担体でありかつ分解反応において還元剤として作用する活性炭と、活性成分としての白金よりなる担持触媒の存在下に、温度160℃〜200℃および初期圧力0.2MPa〜0.7MPaで処理することによりアンモニウムイオンと硝酸イオンを同時に分解させることを特徴とする硝酸アンモニウム含有廃水の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010120815A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Kayaku Japan Co Ltd 排水からの硝酸アンモニウムの回収方法

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