JP2004097962A - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌粒度の小さな汚染土壌から油分、芳香族系炭化水素、ハロゲン系溶剤、シアンを効率的に安定して除去する。
【解決手段】汚染土壌に添加液を添加して洗浄処理する方法であって、汚染土壌に添加する添加液の電気伝導度を調整することを特徴とする汚染土壌の浄化方法である。汚染土壌に添加液を添加して土壌スラリーとして、該土壌スラリー中の汚染物質を微生物分解処理により浄化する方法であって、汚染土壌に添加する添加液および/または土壌スラリーの電気伝導度を調整することを特徴とする汚染土壌の浄化方法である。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油分や油分に含まれるナフタレンなどの芳香族系炭化水素、油分の溶剤である有機ハロゲン化合物、およびシアンに汚染された土壌の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素(Mono aromatic Hydrocarbons)やコールタールの主成分であるナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(Polycyclicaromatic Hydrocarbons、以降PAHsと記す)で汚染された土壌に関して、米国を中心に数多く報告されている。これらの土壌汚染は、土壌がガソリンなどの石油製品やコールタールなどの石炭製品で汚染されることによって発生し、主として工場跡地などでみられる。これらの物質は環境上好ましくないため、土壌や地下水が汚染された場合には、除去が必要である。
【0003】
また、油分の洗浄剤として広く用いられてきたトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物に代表される有機ハロゲン化合物による土壌・地下水汚染は、相当数にのぼると考えられており、その対策が急務となっている。
【0004】
このような油分や油分の主成分である芳香族炭化水素によって汚染された土壌の浄化方法は、大別すると以下のような方法がある。
【0005】
1) 洗浄法
2) 加熱(揮発・脱離)処理法、熱分解法、溶融法
3) 吸着法
4) 化学分解法
5) 生物分解法
洗浄法は、土壌に含有・吸着している油分や芳香族炭化水素を水中に分散または溶解させる方法であり、芳香族炭化水素を分解するものではない。処理というよりも、前処理操作に位置づけられる。また、洗浄の効率は土粒子の粒径に関係する。洗浄法では、一般的に、砂(粒径:2〜0.2mm)などの粗粒子からは汚染物質の除去はしやすいが、細粒子からの除去は難しく、粘土(粒径:2μm以下)やシルト(粒径:2〜20μm)の割合が40%以下の土壌のみで適用可能とされている(非特許文献1を参照のこと。)。
【0006】
また、汚濁成分は、このような粘土分やシルト分に強固に吸着されやすいため、再利用されず、脱水処理の後、廃棄されることが多い。したがって、このような細粒子の割合が大きな土壌への適用は困難とされている。
【0007】
加熱処理法は、土壌中の芳香族炭化水素を揮発化する効果は高いが、加熱により土壌から揮発させた芳香族炭化水素は、そのまま大気に放出できず、最終的にはトラップして分解し、無害化する必要がある。さらに、処理コストが高いこと、装置コストが大きくなること、土壌性状が加熱により大幅に変化すること、臭気の発生などの理由から、ほとんど採用されていない。
【0008】
活性炭などによる芳香族有機物の吸着法は、洗浄法との併用になる。活性炭は芳香族炭化水素に対しては吸着効果があるものの、再生に膨大な費用がかかる欠点がある。
【0009】
また、過マンガン酸カリウムなどの薬剤を用いる芳香族系炭化水素の化学分解法は、通常、過剰の薬品添加量を必要とするため、処理コストが大きくなることに加え、残留薬品による2次汚染の可能性がある。
【0010】
生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないなどの利点がある。微生物を用いた生物分解法は、バイオレメディエーションと通称されている。
【0011】
上記の主な方法の中で、欧米を中心にバイオレメディエーションが一般的となってきている。
【0012】
バイオレメディエーションは、微生物による有機物分解の原理を有害化学物質で汚染された土壌や地下水の処理に適用するものであり、本質的には、生物化学的廃水処理プロセスと土壌中の有害化学物質のバイオレメディエーションプロセスに大きな差は無い。対象とする有害化学物質は、石油等の油分もしくは単環芳香族炭化水素(ベンゼン等)、多環芳香族系化合物(ナフタレン等)であり、有害化学物質は、最終的には炭酸ガスまで分解され、土壌及び水中から除去される。
【0013】
バイオレメディエーションプロセスには、主として、ランドファーミング法、スラリー法、バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法の3法がある。
【0014】
ランドファーミング法(ランドパイル法などを含む)は、土壌表面近くの汚染物質対策として、米国等で広く用いられている。油性汚泥や石油精製廃棄物の管理処分、炭化水素や農薬で汚染された表面土壌処理などが処理対象である。浄化に時間を要するが、処理費用が安価、土壌の再利用が容易などの利点がある。この方法は、処理対象の土壌自体を微生物の種として用い、好気性の微生物を利用して、汚染物の分解を最適化するように設計される。好気性の微生物分解を促進させるために、以下の対策が必要である。
【0015】
1)空気の供給(耕作機械による通気、バルキング剤添加による土壌空隙率確保)
2)栄養塩添加(肥料等)
3)乾燥防止(定期的な水分の添加)
4)土壌のpH調整(石灰等の添加により中性に維持)
さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合があり、下水汚泥、牛糞、コンポストなどの使用報告例もある。処理設備としては、掘り返した汚染土壌を処分するベッド、ベッドからの浸出水処理設備、再利用設備のほか、場合によっては、覆蓋施設などが必要となる。
【0016】
スラリー法は、土壌に水を添加しスラリー状(スラリーリアクターまたはスラリーラグーン)として、汚染物の微生物分解を図る方法であり、米国等で適用事例がある。処理コストはランドファーミング法よりも高いが、処理速度や汚染物除去性能が優れている。スラリー法の微生物反応槽は、開放式タンクあるいは密閉式タンク、あるいはラグーンとなり、以下の設備が必要となる。
【0017】
1)スラリー調整槽
2)微生物反応槽(リアクターまたはラグーン)
3)濃縮槽(沈澱池)
4)脱水機
5)脱水機等から発生する廃水の処理設備
また、反応槽等においては、空気供給(ブロアーによる空気供給)、スラリーの沈殿防止(攪拌機による攪拌)、pH調整(中性に維持)、栄養塩添加、固液分離促進、等の操作が必要である。さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合がある。また、濃縮槽や脱水機から発生する廃水については、廃水基準を遵守できるまで処理する必要がある。
【0018】
バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法は、土壌を洗浄し、洗浄水中に大半の汚染物を溶解させた後、洗浄水中の汚染物を微生物で処理するものであり、土壌洗浄設備と廃水処理設備が必要となる。洗浄水中に、汚染物の大半をいかに効率良く溶解させるかが課題となる。汚染土壌が高濃度で汚染されており、洗浄法だけで汚染物を溶解せしめ得ない場合、洗浄後の土壌をランドファーミング法やスラリー法で処理するものである。
【0019】
例えば、オランダで土壌洗浄と洗浄水を浄化した報告がある。これは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素やナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)で汚染されているアスファルト製造工場跡地の土壌と地下水から、前記汚染物質を除去するために微生物分解を検討したものである(非特許文献2を参照のこと。)。ここでは、土壌を洗浄し、洗浄水中に汚染物質を溶解させた後、前記土壌を洗浄した水を生物反応槽で循環し処理を行っている。この結果、洗浄水中のベンゼン濃度は当初2.5mg/Lであったが、37日後には94質量%、92日後には100質量%除去できた。また、洗浄水中のPAHs濃度は当初4.4mg/Lであったが、37日後には99質量%、92日後には100質量%除去できた。しかし、土壌からの除去率でみると、140日後で土壌中のベンゼンは95質量%以上減少したが、PAHsは土壌に強く吸着されていて除去率は40質量%程度であり、土壌洗浄法ではPAHsの除去がかなり難しい。
【0020】
このように、油分やベンゼンなどの単環芳香族炭化水素及びナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)に関しては、生物分解法(バイオレメディエーション)を用いて処理する方法が広く開発されつつある。
【0021】
また、油分の洗浄剤として広く用いられてきたトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物に代表される有機ハロゲン化合物の対策であるが、これまで、有機塩素系化合物であるトリクロロエチレンは、微生物分解されにくいと考えられてきたが、メタン資化細菌のメタンモノオキシゲナーゼという酵素が、メタンをメタノールに酸化する以外に、種々の有機化合物を酸化できることが発見されてから、この見方は変わってきた。すなわち、メタン資化細菌によるトリクロロエチレン分解については、ベンチ実験、パイロット実験、現場での適用実験等、非常に多くの研究が行われている。
【0022】
このことから、メタン資化細菌を用いて、前述したようなバイオレメディエーションプロセスによる土壌浄化を行うことは、基本的には可能と思われるが、実際には、反応の制御の難しさがあり、必ずしもうまくいっていない。例えば、1993年に行われたアメリカ南カロライナ州での現場実験では、井戸を数本設置し、メタンを注入したが、メタンは検出されたもののトリクロロエチレンの減少は認められなかったと報告されている(非特許文献3を参照のこと。)。
【0023】
さらに、シアンによる土壌汚染例も数多く報告されている。シアンは、メッキ工業、金属精錬工業、石油工業(アクリルニトリル製造)、コークスガス工業などの廃水中に含まれる。シアンは毒性が強く、掘削除去や封じ込め対策が主であり、化学あるいは生物分解法による処理事例としては、熱分解や過酸化水素などの化学薬品による酸化事例が見られる程度であり、バイオレメディエーションプロセスは、適用が困難とされている。
【0024】
このように、生物学的な方法もいまだ完成された技術とはいいがたい。しかし、生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないこと、などの多くの利点があるため、今後の技術の発展が最も期待される方法である。
【0025】
【非特許文献1】
土壌・地下水汚染ガイドブック、土壌環境センター、105、平成10年
【非特許文献2】
Environ Technology, Vol.10, No.2, 185−189, 1989
【非特許文献3】
廃棄物のバイオコンバージョン、地人書館、p187
【非特許文献4】
バイオレメディエーションエンジニアリング、p296、NTS、1997
【非特許文献5】
土壌環境分析法、博友社、p27
【特許文献1】
特願2002−130548号
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバイオレメディエーションプロセスには、以下の課題が残されている。
【0027】
1) 浄化期間が長く、特に、汚染土壌の粒度の影響を強く受ける。例えば、土壌の粒度が小さいシルトおよび粘土になると、汚濁成分の分解速度が極端に低下する。例えば、Hicksによると、ガソリンの分解の場合、細砂であれば50日の浄化期間であるが、シルトになると約70日、粘土になると約100日と、さらに浄化期間が延長されてしまう(非特許文献4を参照のこと。)。
【0028】
2) PAHsの除去率が悪い。
【0029】
3) 微生物に阻害がある物質(特にシアン)が含まれる場合、適用が困難である。
【0030】
4) 土壌の粒度が小さいシルト、粘土になると、沈降速度が極めて小さくなり、固液分離性が極端に低下する。例えば粒径2μmの粘土の場合、10cm沈降するのに必要とされる時間は、水温20℃で8時間程度である(非特許文献5を参照のこと。)。したがって、自然沈降分離は困難である。また、脱水機の場合、ろ布を用いるタイプのものは、ろ布の目詰まりが激しいため使用が困難である。
【0031】
まず、汚染土壌浄化に長期間を要する理由としては、特定の汚染物質に対して分解機能を有する微生物の育成が進んでおらず、該微生物濃度が極めて低いことが第一に挙げられる。例えば、芳香族炭化水素の分解において、都市下水処理場や食品工業廃水処理場の活性汚泥では、分解機能を有する微生物の濃度が低いため、芳香族炭化水素の分解はほとんど進まないが、芳香族炭化水素の分解機能を有する微生物の濃度が高い活性汚泥、例えば化学工場廃水やコークス工場廃水(安水)の活性汚泥を高濃度に維持できれば、処理期間の短縮の可能性が高くなる。
【0032】
また、微生物の濃度ばかりでなく、これらの微生物が十分に機能を発揮できる環境条件が整っていなければならない。例えば、環境条件としては、汚染物質負荷、pH、DO(溶存酸素)、温度、水分、微量栄養源、毒性物質の有無、微生物と空気と汚染物質の接触効率などが挙げられ、これらの環境条件が整ってから、微生物の高濃度の維持や、分解に要する期間の短縮が初めて可能となるのである。例えば、汚染物質が適当な負荷であれば、汚染物質除去は微生物分解が主となるが、汚染物質の負荷が高すぎると、微生物分解よりも汚染物質が空気中に気散しやすくなる、または、水中に残留する傾向がより強くなる。
【0033】
更に、汚染物の中でも、PAHsは、ベンゼンなどの単環芳香族炭化水素と比較すると、除去率が一般的に低い。これは、微生物によるPAHsの分解性が低いというよりも、PAHsの土壌への吸着性がベンゼンなどより高く、土壌から分離ができない影響が大きいためである。汚染物質の吸着性は、特に、汚染土壌の粒度の影響を強く受ける。土壌の粒度が小さいシルトや粘土になるほど、汚濁成分の分解速度が極端に低下するとされているのは、微生物による分解律速ではなく、物質移動律速になっているためであると思われる。
【0034】
この仮説から考えると、ランドファーミング法(ランドパイル法などを含む)は、その性質上、連続均一混合が難しいため、特に、粒度の小さな土壌の効率的浄化には適さないと思われる。一方、スラリー法は、粒度の小さい土壌に適用した場合には、むしろ、均一混合がより容易となる利点があり、処理速度の向上がさらに期待できるものと思われる。しかし、粒度が小さくなると、土壌スラリーの固液分離性は逆に悪化するため、沈殿設備、脱水設備、廃水処理設備などの付帯設備の仕様が巨大化する。このため、上述のメリットを十分に発揮できない課題がある。
【0035】
また、汚染土壌中に微生物に阻害があるシアンなどの物質が含まれる場合、シアンイオンの微生物阻害は公知であり、バイオレメディエーションプロセスをそのまま適用できず、事前にシアンを無害化する処理を行う必要がある。
【0036】
本発明は、上記の問題を解決して、油分やPAHsや有機ハロゲン化合物を高濃度に含有する土壌が、粒度が極めて小さく、かつ、特にシアンを含む場合であっても、より低コストで、油分やPAHsの高い除去率を得る汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特願2002−130548号(特許文献1)において、汚染土壌の浄化方法を提案した。該浄化方法は、コールタール、ガソリン、重油などの石油製品に起因する油分、特にベンゼンなどのPAHs、及びシアンで高濃度に汚染された土壌を生物化学的に浄化する方法であり、具体的には、土壌スラリー調整槽、土壌スラリー反応槽またはラグーン、固液分離槽、活性汚泥処理槽等による工程を経て連続的に浄化を行う方法である。しかし、特願2002−130548号では、粒度の小さい粘土やシルトを多量に含む土壌への適用は未知数であり、汚染土壌浄化プロセス全体の最適化に課題を残していた。
【0038】
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、汚染土壌がシルト、粘土を40質量%以上含む土壌、すなわち粒径20μm以下の土壌の割合が40質量%以上である土壌を水で洗浄処理する際、あるいは、水を添加し土壌スラリーとして生物学的に汚染物を浄化する際の、汚染土壌への添加液や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度を測定した結果、電気伝導度が固液分離性に極めて強い影響を与え、電気伝導度を上昇させることにより、シルト、粘土の固液分離性が格段に改善されることを見出した。すなわち、電気伝導度に応じて添加液の性状や添加量を調整することにより、粒度の小さい粘土やシルトを多量に含む土壌の油分や芳香族系炭化水素を安定して効率的に処理できることを新たに見出した。
【0039】
また、さらに、洗浄法では、細粒子の割合が大きな土壌への適用は困難とされてきたが、本発明者らが新たに得た知見を用いると、容易に洗浄法の課題を解決できることも見出し、本発明を完成したものである。
【0040】
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 汚染土壌に添加液を添加して洗浄処理する方法であって、上記汚染土壌に添加する上記添加液の電気伝導度を調整することを特徴とする前記方法。
(2) 汚染土壌に添加液を添加して土壌スラリーとして、該土壌スラリー中の汚染物質を微生物分解処理により浄化する方法であって、上記汚染土壌に添加する上記添加液および/または上記土壌スラリーの電気伝導度を調整することを特徴とする前記方法。
(3) 前記汚染土壌が、シルトおよび/または粘土を40質量%以上含むことを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記土壌スラリーの電気伝導度が、1.5dS/m以上であることを特徴とする、前記(2)または(3)に記載の方法。
(5) 前記添加液として、海水、感潮域河川水、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水の1種以上、および/または淡水を用いることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記土壌スラリーに、凝集剤および/または高分子凝集剤を添加することを特徴とする、前記(2)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記土壌スラリーのpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする、前記(2)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が、0mV以上+200mV未満であることを特徴とする、前記(2)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 前記土壌スラリーの固液分離操作後の上澄液中の浮遊物濃度および/または化学的酸素要求量に基づいて、前記添加液および/または土壌スラリーの電気伝導度を調整することを特徴とする、前記(2)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 土壌と水の固液分離方法として、遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いることを特徴とする、前記(2)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11) 前記汚染土壌中の汚染物質が、コールタール、ガソリン、および重油に起因する油分のいずれか1種以上を含有することを特徴とする、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12) 前記汚染土壌中の汚染物質が、有機ハロゲン化合物を含有することを特徴とする、前記(11)に記載の方法。
(13) 前記汚染土壌中の汚染物質が、シアンを含むことを特徴とする、前記(11)または(12)に記載の方法。
(14) 前記汚染土壌中の汚染物質が、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、ナフタレンを主体とする多環芳香族炭化水素の1種または2種以上を含むことを特徴とする、前記(11)〜(13)のいずれかに記載の方法。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明は、粒度の小さい粘土やシルトを40質量%以上含む土壌からも、油分や芳香族系炭化水素を安定して効率的に処理する方法である。従来の知見(例えば、非特許文献1を参照のこと。)では、シルトや粘土を40質量%以上含む土壌、すなわち粒径20μm以下の土壌の割合が40質量%以上である土壌は、洗浄法の適用が困難であると報告されている。すなわち、このような細粒分は、洗浄や分級操作が困難であるため廃棄せざるを得ず、従って、細粒分を40質量%以上含む土壌は、経済性、回収効率の観点から処理が困難である。しかし、本発明法では、対象とする土壌について、粒径20μm以下の土壌の割合が40質量%未満の場合はもちろん可能であるが、40質量%以上であっても全く問題ない。
【0042】
本発明は、汚染土壌を水で洗浄処理する方法や、汚染土壌に水を添加し土壌スラリーとして生物学的に汚染物を浄化する方法に関して、汚染土壌への添加液や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度を測定し、該値に応じて添加液の種類や添加量を調整することにある。
【0043】
電気伝導度により、水や土壌スラリー中の溶解性塩類の傾向を概略的に知ることが可能である。例えば、海水は45〜50dS/m程度、河川水は0.1〜1dS/m程度、水道水は0.1〜0.3dS/m程度である。
【0044】
本発明の添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度を測定し、該値に応じて添加液の種類や添加量を調整する方法(以下、電気伝導度調整法と略記する)と、以下の表1に示すような従来の洗浄法やスラリー法等のプロセスと組み合わせることにより、従来法単独では処理が困難であった汚染土壌、特にシルトや粘土を40質量%以上含む土壌、すなわち粒径20μm以下の土壌の割合が40質量%以上である土壌の油分や芳香族系炭化水素を安定して浄化することを可能とするものである。
【0045】
【表1】
Figure 2004097962
【0046】
本発明では、汚染土壌への添加液や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度に基づいて、汚染土壌に添加する水の性状や添加量を調整した後、前述の表1や図1に示すような汚染土壌処理プロセスで処理を行えばよい。図1に、本発明の電気伝導度調整法と土壌スラリー法を組み合わせた汚染土壌処理プロセスの例を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の本質は、汚染土壌への添加液や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度に基づいて、汚染土壌に添加する添加液の性状や添加量を調整して、粒度の小さい粘土やシルトを40質量%以上含む土壌からも、油分や芳香族系炭化水素を安定して効率的に処理する方法にある。
【0047】
まず、汚染土壌1に添加液2を添加し、スラリー調整槽3において、攪拌機を用いて攪拌しスラリー化する。土壌スラリーの電気伝導度は、電気伝導度計4で管理する。
【0048】
汚染土壌1への添加液2や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度は、固液分離性に極めて強い影響を与え、電気伝導度を上昇させることにより、シルト、粘土の固液分離性が格段に改善する。汚染土壌1の化学的性状や粒度構成により、固液分離に最適な土壌スラリーの電気伝導度は変動するが、一般的には1.5dS/m以上となるように、添加する水の性状や添加量を調整すればよい。該値が1.5dS/m未満では、上澄水中に多量の細粒土が残留してしまう。一方、上限は特に無く、100%海水(45〜50dS/m程度)を添加液として用いた場合であっても問題はないが、10dS/m以上では固液分離性はほぼ一定となる。
【0049】
土壌スラリーの電気伝導度は、土壌中の水分量や水質によって、添加液の電気伝導度とは異なってくる。この影響が大きい場合、添加液の電気伝導度よりも、土壌スラリーの電気伝導度により、固液分離性能に与える影響を整理する方がより望ましい。
【0050】
固液分離性をより厳密に制御するには、添加液や土壌スラリーの電気伝導度を変動させ凝集実験を実施して、土壌と水の固液分離操作後の上澄液中の浮遊物濃度(SS濃度)を測定し、添加する水の性状や添加量を調整すれば、固液分離の最適点を容易に導き出すことができる。SS濃度の排水基準は、地方によって異なるが、国レベルの廃水基準は200mg/lであり、本数値を目処に考えればよい。
【0051】
さらに、本発明法では、添加する水や土壌スラリーの電気伝導度を調整するために、河川水などの淡水に、海水や工場廃水処理水を添加して調整すればよい。感潮域(海域との接点で海水が混合する河川)の河川水を用いてもかまわない。添加水に海水を加えることにより、固液分離の改善以外に、例えば、微生物処理に必要な微量栄養源を含有していること、pH緩衝能があること、安価であること、水温がほぼ一定であることなど、さまざまなメリットが生じる。
【0052】
本発明法では、工場廃水処理水も微生物阻害成分を含んでいなければ、電気伝導度調整用に用いてもかまわない。例えば、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水を用いてもかまわない。製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、元々、海水を混合させて処理しているため、海水を50〜70容積%程度含有している。また、水温も30〜38℃近くで一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。また、微生物の栄養源である窒素、リンなども大量に含有している。
【0053】
汚染土壌1と添加液2との混合比は、土壌スラリー濃度が10質量%以上50質量%未満に入るように、土壌の含水率を測定後決定する。土壌スラリー濃度が50質量%以上の場合は、攪拌動力が過大となり攪拌を維持することが難しく、一方、10質量%未満では水使用量が増大してしまい経済的でない。
【0054】
続いて、土壌スラリーを、土壌スラリー反応槽9に通水する。
【0055】
本発明では、必要に応じて、土壌スラリーに凝集剤や高分子凝集剤を添加する。本発明に用いる凝集剤としては、スラリー法でスラリー反応槽9に添加する場合には、シアンに対して無害化効果のある鉄系凝集剤を用いることが望ましく、鉄シアン錯塩(2価の鉄イオンの場合はフェロシアン([Fe(CN)4−)、3価の鉄イオンの場合はフェリシアン([Fe(CN)3−))を形成させることにより、微生物反応阻害物質であるシアンイオン(CN)を無害化できる。本発明に用いる鉄系凝集剤としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などが好ましい。鉄系凝集剤の添加量は、シアンイオンの濃度にもよるが、通常、鉄とシアンの理論モル比の2倍以上3倍未満添加すればよい。シアンイオンの毒性は、シアンと鉄が安定なキレート結合をすることにより各段に弱くなる。汚染土壌に鉄分がかなり含まれる場合は、既に鉄シアン錯体を形成しているため、鉄系凝集剤の添加が不要の場合もある。汚染土壌中の微生物は、フェロシアンまたはフェリシアンであれば、分解することができるものもあり、分解過程で発生するNH−Nを窒素源、HCOOを有機炭素源として増殖できる。
【0056】
また、本発明に用いる凝集剤として、洗浄法、あるいは、固液分離前に添加する場合には、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム系の凝集剤を用いてもかまわない。
【0057】
本発明に用いる高分子凝集剤としては、スラリー反応槽9に添加する場合は、微生物に対して阻害性が少ないアニオン系の高分子凝集剤、例えばアルギン酸ナトリウムの使用が望ましい。カチオン系、ノニオン系の中には強い殺菌力を示すものがある。また、洗浄法、あるいは、固液分離前に添加する場合には、前記凝集剤のいずれを用いてもかまわない。
【0058】
また、一般に、凝集作用は中性域が良く、pHも固液分離性に大きな影響を与える。油分の土壌粒子からの洗浄法効果のみを考えると、pHは高い方が望ましいことは公知であるが、pHが9.0以上では油分の洗浄効果は増大しても、固液分離性が低下するので、本発明法ではpHは9.0未満であることが必要である。
【0059】
土壌スラリー反応槽9においては、好気性細菌によって、土壌中の油分、PAHs、ベンゼン、トリクロロエチレン、シアンが酸化される。
【0060】
汚染土壌中の汚染物質は、好気性微生物を用いて分解するため、土壌スラリー反応槽9は、ブロアー8によって連続的に空気で曝気される。水中攪拌機や超音波攪拌をブロアー8と併用しても良く、水中攪拌の強化によって、汚染物の土壌付着防止や気固液の接触頻度が増加し、汚染物の分解速度が向上する。超音波周波数は、汚濁物質の種類によって異なるが、20〜200kHzが望ましい。
【0061】
土壌粒子から分離された汚染物質は、汚染土壌中に生息していた微生物および/または汚染物質で馴養した好気性微生物を用いて分解処理される。通常、汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質、例えば芳香族炭化水素で既に馴養されていることが多く、これを微生物利用スラリー反応槽9で増殖させて用いればよい。微生物と汚染物質の反応速度をさらに上げる必要がある場合は、汚染物質である芳香族炭化水素で馴養された微生物を添加すればよい。この場合、芳香族炭化水素で馴養された微生物であれば特に種類は問わないが、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥が望ましい。安水の活性汚泥は、安水に含まれる多種類の芳香族炭化水素で十分に馴養されており、また、海水にも馴養されているため、反応槽での芳香族炭化水素の分解を加速することができる。安水の活性汚泥の添加量は、土壌に対して1質量%以上添加すればよく、1質量%未満では添加効果は顕著に現れない。添加量の上限は特にはないが、経済性を考えると50質量%以下が望ましい。
【0062】
土壌スラリー反応槽9のpHは、微生物の生育に適した6.0以上9.0未満に維持されることが望ましい。pHが9.0以上では油分の洗浄効果は増大しても、微生物の活性が急激に低下するので、pHは9.0未満であることが望ましい。また、pHが6.0未満では洗浄効果が小さく、また微生物の活性も衰えるため、pHは6.0以上であることが望ましい。このように、スラリー反応槽9のpHは、洗浄促進効果と微生物による分解促進効果の両面から決定すべきである。また、汚濁物質の種類、微生物の種類により、pHの最適値はやや変動するが、いずれにせよpHは6.0以上9.0未満であることが望ましい。本発明では、pH調整剤としては、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液を用いればよいが、海水を用いたスラリーであれば、pH緩衝作用があるため、薬品費も削減できる利点がある。
【0063】
さらに、土壌スラリー反応層9における汚染物質の分解を促進するためには、スラリー反応槽9の酸化還元電位(ORP)(銀/塩化銀複合電極基準)が、0mV以上+200mV未満に維持されるように、ブロアーおよび/または攪拌機の回転数を制御し、空気を供給することが望ましい。ORP値が0mV以上であれば、微生物による分解反応は進行していることを示しているが、汚染物の分解程度を上昇させ、より高度な処理結果を得るためには、ORP値を+100mV以上+200mV未満とすることがより好ましい。しかし、微生物反応の結果、すべての汚染物が炭酸ガスまで分解されるとは限らず、難分解の中間生成物が残留する場合がある。この場合、ORPを+200mV以上にすることが有効であると考えられるものの、ORP値を微生物処理の段階で+200mV以上に制御・維持することは困難であり、この段階で、いたずらにORP値をあげようとしても、ORPは上昇せず、ブロアーのランニングコストが上昇してしまう。
【0064】
続いて、土壌スラリーを固液分離槽10に通水する。水と土壌の固液分離方法としては、ろ布を用いる真空ろ過装置や加圧ろ過型の脱水機の使用は目詰まりが激しく、その使用は好ましくない。本発明法では、ろ布を用いない遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いることが望ましい。
【0065】
一般に、遠心脱水機を用いて土壌スラリーの固液分離性能を上昇させるためには、大きな回転速度が必要となるが、本発明により、より小さな遠心力で土壌と水を分離できるようになる。例えば、土壌スラリーの電気伝導度が1.5dS/m未満では、3000rpm、10分間の遠心分離操作で全く固液分離はなされなかったが、該値が1.5dS/m以上になると上澄水と土壌に分離が可能となった。このように本発明により、遠心脱水機の土壌スラリーへの適用が容易となるのである。
【0066】
また、スクリュープレス型脱水機は、円筒状のスクリーンとその内部で回転するスクリューコンベアにより、水を外部に排出するタイプの脱水機である。遠心脱水機と比較して、低速回転(1〜2rpm)で脱水が可能となる特徴がある。圧入された土壌スラリーは、初めに重力ろ過され、その後スクリューで圧搾され、脱水された土壌となる。スクリュープレス型脱水機においても、土壌スラリーの固液分離性が処理の可能性に大きく影響するが、本発明により、土壌スラリーの固液分離性は格段に改善され、適用が容易となるのである。
【0067】
汚染土壌への添加液や、添加液混合後の土壌スラリーの電気伝導度の調整に加え、凝集剤や高分子凝集剤を添加すれば、さらに固液分離は容易となる。
【0068】
また、本発明では、土壌スラリーの固液分離操作後の上澄液中の浮遊物濃度(SS)や化学的酸素要求量(COD)に基づいて、添加液や土壌スラリーの電気伝導度を調整することも可能である。
【0069】
なお、固液分離槽10から発生する上澄液13、脱水機11から発生する脱離液14のCODが廃水基準を満たさない場合には、水処理操作による処理を行えばよい。
【0070】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は本実施例の諸条件に限定されるものではない。
(実施例)
以下の表2に示す石油系汚染土に、本発明法を適用した。
【0071】
【表2】
Figure 2004097962
【0072】
表2に示すように、汚染土壌は、油分を2000mg/kg−乾燥質量(ノルマルヘキサン〜ソックスレー抽出重量法で測定)、ナフタレン及びフェナンスレンなどの16種類のPAHsの和であるTotal−PAHsも100mg/kg−乾燥質量(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)含んでいる。ベンゼン、トリクロロエチレン、シアンも溶出試験で、それぞれ1〜2mg/L、1〜2mg/L、0.1〜0.2mg/L程度検出され、土壌環境基準をオーバーしていた。
【0073】
しかし、本土壌は粒度分布が1〜50μm(平均粒径:10μm)の土壌であり、20μm以下の粒度が60質量%以上を占めていた。このため、従来法による処理は不可能と判断し、本方法の適用を検討した。なお、含水率は44%であった。
【0074】
まず、本発明の電気伝導度調整法により、実験室レベルで固液分離性能を詳細に検討した後、スラリー法により処理を行った。
【0075】
まず、実験室レベルで実施した電気伝導度法による固液分離性能改善調査について以下に述べる。1Lビーカーに土壌100gを入れ、水(純水に海水を種々の割合で混合したもの)400mLを添加し、土壌スラリーとした。攪拌機で急速攪拌(120rpm×5分間)を行った後、緩速攪拌(40rpm×10分間)を行い、1時間静置した。その後、沈降分離した上澄み液を採取し、pH、電気伝導度、SS、CODを測定した。
【0076】
以下の表3に、汚染土壌に添加する液中に含まれる海水割合と土壌スラリーの電気伝導度との関係を示す。添加液量は、土壌100gに対して400mlであったが、用いた土壌の含水率は44質量%であるから、実際には、乾土壌量は56gに対して液量は444ml程度となる。
【0077】
【表3】
Figure 2004097962
【0078】
図2に、土壌スラリーの電気伝導度と固液分離後の上澄み液中のSS濃度の関係を示す。この図から、添加液中の海水割合が増えて、土壌スラリーの電気伝導度が増加すると、上澄液中のSSが急減することがわかる。具体的には、土壌スラリーの電気伝導度が1.5dS/m以上になると上澄液中のSS濃度が急減し、固液分離性能が優れていた。特に、2.0dS/m程度で、上澄み液中のSS濃度は最低値(20mg/l)となり、固液分離性能は特に優れていた。また、1時間の静置により、20μm未満の細粒土壌もほぼ完全に分離されることが確認された。
【0079】
従って、この結果から、河川水程度の淡水を用いても固液分離性能は全く改善されず、添加液中の海水割合としては、1容量%以上が必要であることが、より好ましくは2容量%以上が必要であることがわかった。
【0080】
図3に、土壌スラリーの電気伝導度と上澄み液中のCODの関係を示す。この図から、添加液中の海水割合が増え、土壌スラリーの電気伝導度が微増すると、上澄み液中のCODも急減することがわかる。土壌スラリーの電気伝導度が1.5dS/m以上であれば、上澄液中のCODは10mg/l以下となり、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要は無い。なお、添加液が、海水100%で電気伝導度44.5dS/mの系であっても、SSおよびCODは国レベルの廃水基準である200mg/lおよび160mg/l以下を満足しており、海水そのものを添加液に用いても問題はなかった。
【0081】
これらの結果から、本土壌スラリーの電気伝導度は1.5dS/m以上に制御することが、固液分離の観点から望ましいことがわかった。
【0082】
次に、図1に示す土壌スラリー処理プロセスにより、本汚染土壌の処理を行った。
【0083】
まず、汚染土壌1に、土壌容量の4倍量の海水と淡水の混合水2(海水混合率4容量%)を添加し、スラリー調整槽3において、攪拌機を用いて攪拌しスラリー化する。スラリー調整槽3で電気伝導度計4により電気伝導度を測定すると、2.3dS/mとなっており、適正な調整と判断された。更に、土壌スラリーに、鉄系凝集剤4として硫酸第一鉄を鉄として0.05mM添加して、土壌中のシアンイオンをフェリシアンとし、シアンの微生物阻害性を除去した。
【0084】
続いて、土壌スラリーを、土壌スラリー反応槽9に通水した。土壌スラリー反応槽9においては、好気性細菌によって、土壌中の油分、PAHs、ベンゼン、トリクロロエチレン、シアンが酸化される。土壌スラリー反応槽9の水理学的滞留時間(HRT)は、20日の条件で通水し、汚染物質の除去率の評価を行った。反応槽9のpHはpHセンサー5により測定し、酸および/またはアルカリ添加装置6により、水酸化ナトリウム水溶液および希硫酸を添加し、土壌スラリーのpHを7.0〜8.0(目標値:7.5)に維持した。りん、窒素は特に添加しなかった。
【0085】
また、反応槽9には、ORPセンサー7とブロアー8を設置し、反応槽9の酸化還元電位(ORP)が+150mVに維持されるように、ブロアーの回転数を制御して、空気曝気量の制御を行った。
【0086】
以下の表4に、土壌スラリーの滞留時間(HRT)が20日の場合における油分除去率を示す。
【0087】
【表4】
Figure 2004097962
【0088】
処理前の油分濃度は2000mg/kg−乾燥質量であったが、滞留時間の増加につれて急速に減少し、20日後で除去率95%(油分濃度100mg/kg−乾燥質量)まで減少した。土壌から油分臭もほとんど消失した。また、土壌からのベンゼン溶出濃度およびトリクロロエチレン濃度は、それぞれ当初1〜2mg/Lであったが、1日後の測定で既に土壌環境基準の0.01mg/L、0.03mg/Lを下回っており、さらに、土壌からのシアン溶出濃度は、1日後の測定で既に検出限界以下であった。さらに、表4に示すように、多環芳香族炭化水素濃度も減少していることが確認された。
【0089】
続いて、土壌スラリーを、固液分離槽10に通水した。固液分離槽10から発生する上澄液13、及び、遠心脱水機11から発生する脱離液14は、COD(化学的酸素要求量)が10mg/Lと以下となっていたため、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要は無く、添加液として再利用した。
【0090】
【発明の効果】
本発明により、油分、芳香族炭化水素、有機シアン、さらに有機ハロゲン化合物を含有する土壌、特に、従来は処理が困難とされてきたシルトや粘土を40質量%以上含む土壌、すなわち粒径20μm以下の土壌の割合が40質量%以上である土壌でも、安価に簡便に安定して高速かつ高度に浄化処理することが可能となり、油分、芳香族炭化水素、有機ハロゲン化合物、及びシアンの高い除去率を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】開発プロセス概略図である。
【図2】土壌スラリーの電気伝導度と上澄液のSSの関係を示す図である。
【図3】土壌スラリーの電気伝導度と上澄液のCODの関係を示す図である。
【符号の説明】
1…汚染土壌
2…添加液(海水+淡水)
3…スラリー調整槽
4…電気伝導度計
5…pHセンサー
6…酸および/またはアルカリ添加装置
7…ORPセンサー
8…ブロアー
9…微生物利用土壌スラリー反応槽
10…固液分離槽
11…遠心脱水機
12…処理土壌
13…上澄液
14…脱離液

Claims (14)

  1. 汚染土壌に添加液を添加して洗浄処理する方法であって、
    上記汚染土壌に添加する上記添加液の電気伝導度を調整することを特徴とする、前記方法。
  2. 汚染土壌に添加液を添加して土壌スラリーとして、該土壌スラリー中の汚染物質を微生物分解処理により浄化する方法であって、
    上記汚染土壌に添加する上記添加液および/または上記土壌スラリーの電気伝導度を調整することを特徴とする、前記方法。
  3. 前記汚染土壌が、シルトおよび/または粘土を40質量%以上含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記土壌スラリーの電気伝導度が、1.5dS/m以上であることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記添加液として、海水、感潮域河川水、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水の1種以上、および/または淡水を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記土壌スラリーに、凝集剤および/または高分子凝集剤を添加することを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記土壌スラリーのpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が、0mV以上+200mV未満であることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記土壌スラリーの固液分離操作後の上澄液中の浮遊物濃度および/または化学的酸素要求量に基づいて、前記添加液および/または土壌スラリーの電気伝導度を調整することを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 土壌と水の固液分離方法として、遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いることを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記汚染土壌中の汚染物質が、コールタール、ガソリン、および重油に起因する油分のいずれか1種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記汚染土壌中の汚染物質が、有機ハロゲン化合物を含有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記汚染土壌中の汚染物質が、シアンを含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記汚染土壌中の汚染物質が、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、ナフタレンを主体とする多環芳香族炭化水素の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
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