JP2002045841A - 地下汚染修復方法 - Google Patents
地下汚染修復方法Info
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- JP2002045841A JP2002045841A JP2000231137A JP2000231137A JP2002045841A JP 2002045841 A JP2002045841 A JP 2002045841A JP 2000231137 A JP2000231137 A JP 2000231137A JP 2000231137 A JP2000231137 A JP 2000231137A JP 2002045841 A JP2002045841 A JP 2002045841A
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚染した不飽和帯部分での微生物活動を効率
的に活性化することができる、地下汚染修復方法の提
供。 【解決手段】 有害物質により汚染された地下領域を微
生物の活動を利用して原位置修復する際、注入井のスト
レーナーと、真空抽出井のストレーナーが、不飽和帯汚
染領城中または周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施
工することを特徴とする。
的に活性化することができる、地下汚染修復方法の提
供。 【解決手段】 有害物質により汚染された地下領域を微
生物の活動を利用して原位置修復する際、注入井のスト
レーナーと、真空抽出井のストレーナーが、不飽和帯汚
染領城中または周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施
工することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質により汚
染された地下領域を微生物の活動を利用して原位置修復
する方法に関する。
染された地下領域を微生物の活動を利用して原位置修復
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下汚染の修復手段として現在一般的に
行われている方法の大半は、物理的または化学的手法を
用いた方法であるが、最近では、微生物活動による有害
物質の分解または改質を利用する生物学的修復法、すな
わちバイオレメディエーションによる浄化処理が検討さ
れている。特に原位置処理としてのバイオレメディエー
ション(以下「原位置バイオレメディエーション」と称
する)は、汚染物質を地上に取り出すことなく原位置に
おいて恒久的に分解除去または無害化することができる
利点を有している。また、この方法は、物理的手法や化
学的手法で認められる有害成分濃度が低濃度域になるま
で修復が進むと修復スピ一ドが著しく低下する現象に対
する、対策としても有効とされている。
行われている方法の大半は、物理的または化学的手法を
用いた方法であるが、最近では、微生物活動による有害
物質の分解または改質を利用する生物学的修復法、すな
わちバイオレメディエーションによる浄化処理が検討さ
れている。特に原位置処理としてのバイオレメディエー
ション(以下「原位置バイオレメディエーション」と称
する)は、汚染物質を地上に取り出すことなく原位置に
おいて恒久的に分解除去または無害化することができる
利点を有している。また、この方法は、物理的手法や化
学的手法で認められる有害成分濃度が低濃度域になるま
で修復が進むと修復スピ一ドが著しく低下する現象に対
する、対策としても有効とされている。
【0003】この原位置バイオレメディエーションで
は、汚染箇所である地下領域に、修復対象となる有害物
質の分解能力または改質能力を持つ微生物を増殖させる
ことが要求されるため、地上から地下へ栄養成分類等を
補給する必要がある。微生物が必要とする栄養成分類等
を地中に注入しそれらを行き渡らせる場合、単に注入井
を設置してそこから地下に注入するのみでは、自然の地
下水流によって運ばれたり、自然拡散によって四方に広
がっていくだけであるが、別に揚水井を適切な揚水地点
に設けることにより、水の汲み上げに伴った新たな地下
水流動が起こり、栄養成分類等を対象地下領域に迅速に
行き渡らせることが可能であると考えられてきた。この
場合、いったん地中に入った注入水は揚水井から再び地
上に取り出されることになるので、地下で緊殖した汚染
物質分解微生物の活動範囲を汚染場所のみに限定して他
の自然環境への影響を少なくすることもできる。また、
地中に注入する成分にいわゆる環境負荷型物質が含まれ
ているような場合、例えば、微生物の繁殖に必要な窒素
源として硝酸態窒素を用いる場合にも、これを深い地下
に逃がして環境負荷をかけてしまうことなく地上に回収
することも可能である。
は、汚染箇所である地下領域に、修復対象となる有害物
質の分解能力または改質能力を持つ微生物を増殖させる
ことが要求されるため、地上から地下へ栄養成分類等を
補給する必要がある。微生物が必要とする栄養成分類等
を地中に注入しそれらを行き渡らせる場合、単に注入井
を設置してそこから地下に注入するのみでは、自然の地
下水流によって運ばれたり、自然拡散によって四方に広
がっていくだけであるが、別に揚水井を適切な揚水地点
に設けることにより、水の汲み上げに伴った新たな地下
水流動が起こり、栄養成分類等を対象地下領域に迅速に
行き渡らせることが可能であると考えられてきた。この
場合、いったん地中に入った注入水は揚水井から再び地
上に取り出されることになるので、地下で緊殖した汚染
物質分解微生物の活動範囲を汚染場所のみに限定して他
の自然環境への影響を少なくすることもできる。また、
地中に注入する成分にいわゆる環境負荷型物質が含まれ
ているような場合、例えば、微生物の繁殖に必要な窒素
源として硝酸態窒素を用いる場合にも、これを深い地下
に逃がして環境負荷をかけてしまうことなく地上に回収
することも可能である。
【0004】この注入井と揚水井の数や配置および運転
方法を最適化することにより、栄養成分類等を対象地下
の適切な領域により迅速に行き渡らせ、地下水帯水層中
での微生物活動を効率的に活性化する工夫は、例えば特
開平10−314775等に見受けられるように、各種
試みられている。ただし、これら従来技術における微生
物活動活性化領域は帯水層に限られており、地下水面上
の不飽和帯に分布する汚染部に対しては作用が及ばな
い。不飽和層での微生物活動を活性化しようとする場
合、不飽和帯に栄養成分等を単に注入するだけでは、液
は注入点から下方に浸透するのみで水平方向に殆ど拡散
せず、微生物活動の迅速な活性化は望めない。
方法を最適化することにより、栄養成分類等を対象地下
の適切な領域により迅速に行き渡らせ、地下水帯水層中
での微生物活動を効率的に活性化する工夫は、例えば特
開平10−314775等に見受けられるように、各種
試みられている。ただし、これら従来技術における微生
物活動活性化領域は帯水層に限られており、地下水面上
の不飽和帯に分布する汚染部に対しては作用が及ばな
い。不飽和層での微生物活動を活性化しようとする場
合、不飽和帯に栄養成分等を単に注入するだけでは、液
は注入点から下方に浸透するのみで水平方向に殆ど拡散
せず、微生物活動の迅速な活性化は望めない。
【0005】図3、図4は従来法の一実施例を示したも
ので、不飽和帯汚染部に設置した注入井から、栄養成分
等を水に溶解または溶存させた注入液を単に地下に供給
した場合を模式的に示したものであり、図3は断面図、
図4は平面図であり、1、2、3、4は注入井、12は
地表面、13は不飽和帯、14は地下水面、15は不飽
和帯汚染部、16は注入液拡散範囲をそれぞれ示す。
ので、不飽和帯汚染部に設置した注入井から、栄養成分
等を水に溶解または溶存させた注入液を単に地下に供給
した場合を模式的に示したものであり、図3は断面図、
図4は平面図であり、1、2、3、4は注入井、12は
地表面、13は不飽和帯、14は地下水面、15は不飽
和帯汚染部、16は注入液拡散範囲をそれぞれ示す。
【0006】図3から明らかなごとく、注入井1、2、
3、4から注入された注入液は、注入井設置場所の下方
に浸透するのみで水平方向に広がらず、不飽和帯汚染部
15のほんの一部にしか行き渡らない。従って、不飽和
帯汚染部15の殆どの部分では微生物活動が活性化され
ることはない。
3、4から注入された注入液は、注入井設置場所の下方
に浸透するのみで水平方向に広がらず、不飽和帯汚染部
15のほんの一部にしか行き渡らない。従って、不飽和
帯汚染部15の殆どの部分では微生物活動が活性化され
ることはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するため、汚染した不飽和帯部分での微生物活
動を効率的に活性化することができる、地下汚染修復方
法を提供することを目的とするものである。
点を解決するため、汚染した不飽和帯部分での微生物活
動を効率的に活性化することができる、地下汚染修復方
法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る地下汚染修
復方法は、少なくとも1つの注入井のストレーナーと、
少なくとも2つの真空抽出井のストレーナーが、汚染領
域中または周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施工す
ることを特徴とし、また、好ましくは前記真空抽出井に
よる吸引を間欠的に運転したり、前記注入井のストレー
ナーを複数の深度に設置したりするものである。
復方法は、少なくとも1つの注入井のストレーナーと、
少なくとも2つの真空抽出井のストレーナーが、汚染領
域中または周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施工す
ることを特徴とし、また、好ましくは前記真空抽出井に
よる吸引を間欠的に運転したり、前記注入井のストレー
ナーを複数の深度に設置したりするものである。
【0009】本発明における修復対象の有害物質として
は、炭化水素、有機塩素化合物、油脂類およびシアン化
合物等が挙げられ、炭化水素としては、べンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、キシレン、ケトン類などを、有
機塩素化合物としては、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、ジクロロエチレン、ダイオキシ、PC
B、PCP(ペンタクロロフェノール)、などを、油脂
類としては、ガソリン、軽油、灯油、重油、機械油、潤
滑油などの石油化学製品を、シアン化合物としては、各
種シアン化物、おょび鉄、ニッヶル、銅等各種金属のシア
ン錯体を、それぞれ含むものである。
は、炭化水素、有機塩素化合物、油脂類およびシアン化
合物等が挙げられ、炭化水素としては、べンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、キシレン、ケトン類などを、有
機塩素化合物としては、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、ジクロロエチレン、ダイオキシ、PC
B、PCP(ペンタクロロフェノール)、などを、油脂
類としては、ガソリン、軽油、灯油、重油、機械油、潤
滑油などの石油化学製品を、シアン化合物としては、各
種シアン化物、おょび鉄、ニッヶル、銅等各種金属のシア
ン錯体を、それぞれ含むものである。
【0010】本発明における注入井とは、栄養成分類等
を溶解または溶存させた水を地下に供給するために設置
された井戸を指し、真空抽出井とは、地上に設けた吸引
ポンプ等で構成される減圧生成設備に接続された、地下
気体を吸引抽出するために設置された井戸を指す。な
お、前記栄養成分類等とは、微生物が生育するうえで必
要な物質、例えば窒素源およびりン源となるイオン化合
物それぞれを、また炭素源となる有機物質を、当該微生
物が好気性菌の場合は呼吸活動に必要な酸素を、それぞ
れ含むものである。
を溶解または溶存させた水を地下に供給するために設置
された井戸を指し、真空抽出井とは、地上に設けた吸引
ポンプ等で構成される減圧生成設備に接続された、地下
気体を吸引抽出するために設置された井戸を指す。な
お、前記栄養成分類等とは、微生物が生育するうえで必
要な物質、例えば窒素源およびりン源となるイオン化合
物それぞれを、また炭素源となる有機物質を、当該微生
物が好気性菌の場合は呼吸活動に必要な酸素を、それぞ
れ含むものである。
【0011】本発明においては、少なくとも1つの注入
井のストレーナーが汚染領域中の不飽和帯部分に位置す
る状態に施工して、そこから栄養成分等を溶解または溶
存させた水を地下に供給しつつ、この注入地点に減圧影
響の及ぶ範囲内の少なくとも2ケ所に設置した真空抽出
井を運転することにより、毛細管現象による作用が増幅
され、汚染した不飽和帯内で注入液を広く拡撤させるこ
とができる。このとき注入井のストレーナーを複数の深
度に設置し、同時に真空抽出井による吸引を注入井から
の液注入速度や対象不飽和帯での液浸透速度に応じて間
欠的に運転することにより、より広い範囲に注入成分を
拡散させることができる。なお、本発明は、地下水面以
下の飽和帯を対象とする汚染修復方法と併用することに
より、更に迅速で周辺環境への影響が少ない修復が可能
となる。
井のストレーナーが汚染領域中の不飽和帯部分に位置す
る状態に施工して、そこから栄養成分等を溶解または溶
存させた水を地下に供給しつつ、この注入地点に減圧影
響の及ぶ範囲内の少なくとも2ケ所に設置した真空抽出
井を運転することにより、毛細管現象による作用が増幅
され、汚染した不飽和帯内で注入液を広く拡撤させるこ
とができる。このとき注入井のストレーナーを複数の深
度に設置し、同時に真空抽出井による吸引を注入井から
の液注入速度や対象不飽和帯での液浸透速度に応じて間
欠的に運転することにより、より広い範囲に注入成分を
拡散させることができる。なお、本発明は、地下水面以
下の飽和帯を対象とする汚染修復方法と併用することに
より、更に迅速で周辺環境への影響が少ない修復が可能
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1、図2は図3、図4に示す不
飽和帯汚染部に本発明法を適用した場合の実施例を示し
たもので、図1は図3に示す場合と同様に、注入井から
注入液を地下に供給すると同時に、これら注入地点に減
圧影響の及ぶ範囲内に設置した複数の真空抽出井を運転
した場合を模式的に示す断面図、図2は同上実施例にお
ける各種井戸および土壌サンプリング地点を示す平面分
布図であり、5、6、7は真空抽出井、10は注入用ス
トレーナー、11は吸引用ストレーナーをそれぞれ示
す。
飽和帯汚染部に本発明法を適用した場合の実施例を示し
たもので、図1は図3に示す場合と同様に、注入井から
注入液を地下に供給すると同時に、これら注入地点に減
圧影響の及ぶ範囲内に設置した複数の真空抽出井を運転
した場合を模式的に示す断面図、図2は同上実施例にお
ける各種井戸および土壌サンプリング地点を示す平面分
布図であり、5、6、7は真空抽出井、10は注入用ス
トレーナー、11は吸引用ストレーナーをそれぞれ示
す。
【0013】図1から明らかなごとく、本発明法によれ
ば、注入井1、2、3、4設置地点から真空抽出井5、
6、7設置地点へ向かう方向ヘの毛細管現象による作用
が増幅されることにより、汚染した不飽和帯13内のよ
り広い範囲に注入液が拡散する。また、複数の真空抽出
井5、6、7を、同時に、または交互に、問欠運転する
ことにより、更に広い範囲に注入液が拡散する。なお、
真空抽出井5、6、7を運転することにより、地下に地
表面から空気が供給される副次的効果もある。
ば、注入井1、2、3、4設置地点から真空抽出井5、
6、7設置地点へ向かう方向ヘの毛細管現象による作用
が増幅されることにより、汚染した不飽和帯13内のよ
り広い範囲に注入液が拡散する。また、複数の真空抽出
井5、6、7を、同時に、または交互に、問欠運転する
ことにより、更に広い範囲に注入液が拡散する。なお、
真空抽出井5、6、7を運転することにより、地下に地
表面から空気が供給される副次的効果もある。
【0014】
【実施例】実施例1 図1に示す不飽和帯13部分が炭化水素系成分で汚染さ
れているサイトAを模した縮尺10分の1スケ−ルのライ
シメータ試験を実施した。本実施例では、図2に示すよ
うに、注入井1を中心にして、注入井2、注入井3、注
入井4を一辺3m相当の等の正三角形状に設置し、更に
注入井2および注入井4から8m相等離れた地点に真空
抽出井5を、注入井4および注入井3から8m相等離れ
た地点に真空抽出井6を、注入井2および注入井3から
8m相等離れた地点に真空抽出井7を、それぞれ設置し
た。これら注入井および真空抽出井のそれぞれのストレ
ーナー10、11の設置深さを表1に示す。これら4本
の注入井から毎分1リットル相等ずつ注入液を30日間連
続注入しつつ、3本の真空抽出井5、6、7をそれぞれ
1時間問隔で交互に常時1つの真空抽出井のみ運転する
形で行った。注入液にはグルコース2%水溶液を用い
た。そして、実施前後に図1に示す土壌粋サンプリング
地点hおよびiの5.5m相等の深度から土壌サンプルを
採取し、これらのノルマルヘキサン抽出物含有量、溶出
試験検液中TOC濃度、好気性従属栄養細菌数の測定を
行い、それぞれ炭化水素系汚染度、注入液拡散度、微生
物活動活性の指標とした。結果を表2に示す。
れているサイトAを模した縮尺10分の1スケ−ルのライ
シメータ試験を実施した。本実施例では、図2に示すよ
うに、注入井1を中心にして、注入井2、注入井3、注
入井4を一辺3m相当の等の正三角形状に設置し、更に
注入井2および注入井4から8m相等離れた地点に真空
抽出井5を、注入井4および注入井3から8m相等離れ
た地点に真空抽出井6を、注入井2および注入井3から
8m相等離れた地点に真空抽出井7を、それぞれ設置し
た。これら注入井および真空抽出井のそれぞれのストレ
ーナー10、11の設置深さを表1に示す。これら4本
の注入井から毎分1リットル相等ずつ注入液を30日間連
続注入しつつ、3本の真空抽出井5、6、7をそれぞれ
1時間問隔で交互に常時1つの真空抽出井のみ運転する
形で行った。注入液にはグルコース2%水溶液を用い
た。そして、実施前後に図1に示す土壌粋サンプリング
地点hおよびiの5.5m相等の深度から土壌サンプルを
採取し、これらのノルマルヘキサン抽出物含有量、溶出
試験検液中TOC濃度、好気性従属栄養細菌数の測定を
行い、それぞれ炭化水素系汚染度、注入液拡散度、微生
物活動活性の指標とした。結果を表2に示す。
【0015】比較例 実施例1と同様、不飽和帯部分が炭化水素系成分で汚染
されているサイトAを模した縮尺10分の1スケールの
ライシメータ試験で、図2に準じ、実施例1と同じ配置
に設置した3本の真空抽出井5、真空抽出井6、真空抽
出井7のストレーナーを実施例1同様、表1に示す深さ
に設置した。本実施例では3本の真空抽出井をそれぞれ
1時間間隔で交互に常時1つの真空抽出井のみ運転する
操作を30日問連続して行った。この一連の運転前後に土
壌サンプリング地点hおよびiの5.5m相等の深度か
ら土壌サンプルを採取し、これらのノルマルヘキサン抽
出物含有量および好気性従属栄養細菌数の測定を行い、
それぞれ炭化水素系汚染度および微生物活動活性の指標
とした。結果を表2に併せて示す。注入液の注入は行わ
なかった。
されているサイトAを模した縮尺10分の1スケールの
ライシメータ試験で、図2に準じ、実施例1と同じ配置
に設置した3本の真空抽出井5、真空抽出井6、真空抽
出井7のストレーナーを実施例1同様、表1に示す深さ
に設置した。本実施例では3本の真空抽出井をそれぞれ
1時間間隔で交互に常時1つの真空抽出井のみ運転する
操作を30日問連続して行った。この一連の運転前後に土
壌サンプリング地点hおよびiの5.5m相等の深度か
ら土壌サンプルを採取し、これらのノルマルヘキサン抽
出物含有量および好気性従属栄養細菌数の測定を行い、
それぞれ炭化水素系汚染度および微生物活動活性の指標
とした。結果を表2に併せて示す。注入液の注入は行わ
なかった。
【0016】従来例 実施例1と同様の、不飽和帯部分が炭化水素系成分で汚
染されているサイトAを模した縮尺10分のIスケール
のライシメータ試験で、図4に準じ、注入井1を中心に
して、注入井2、注入井3、注入井4を一辺3m相等の
正三角形状に設置した。これら注入井のストレーナー設
置深さは実施例1同様、表1に示す通りであった。これ
ら4本の注入井から毎分1リットル相等ずつ注入液を3
0日間連続注入した。注入液には実施例1と同様、グル
コ−ス2%水溶液を用いた。連続注入前と後に土壌サン
プリング地点hおよびiの5.5m相等の深度から土壌
サンプルを採取し、これらのノルマルヘキサン抽出物含
有量、好気性従属栄養細菌数の測定を行い、それぞれ炭
化水素系汚染度、注入液拡散度、微生物活動活性の指標
とした。結果を表2に併せて示す。真空抽出井は設置し
なかった。
染されているサイトAを模した縮尺10分のIスケール
のライシメータ試験で、図4に準じ、注入井1を中心に
して、注入井2、注入井3、注入井4を一辺3m相等の
正三角形状に設置した。これら注入井のストレーナー設
置深さは実施例1同様、表1に示す通りであった。これ
ら4本の注入井から毎分1リットル相等ずつ注入液を3
0日間連続注入した。注入液には実施例1と同様、グル
コ−ス2%水溶液を用いた。連続注入前と後に土壌サン
プリング地点hおよびiの5.5m相等の深度から土壌
サンプルを採取し、これらのノルマルヘキサン抽出物含
有量、好気性従属栄養細菌数の測定を行い、それぞれ炭
化水素系汚染度、注入液拡散度、微生物活動活性の指標
とした。結果を表2に併せて示す。真空抽出井は設置し
なかった。
【0017】表2に示す結果より明らかなごとく、注入
井と真空抽出井の両方を運転した本発明法の場合は、注
入井からの注入液の注入は行わず、真空抽出井のみ運転
した場合(比較例)と、真空抽出井は設置せずに、注入
井からのみ注入液を注入した場合(従来例)と比較し
て、ノルマルヘキサン抽出物含有量、溶出試験検液中T
OC濃度および好気性従属栄養細菌数は良好な値を示
し、汚染された不飽和帯部分での微生物活動を効率的に
活性化できることが確認された。
井と真空抽出井の両方を運転した本発明法の場合は、注
入井からの注入液の注入は行わず、真空抽出井のみ運転
した場合(比較例)と、真空抽出井は設置せずに、注入
井からのみ注入液を注入した場合(従来例)と比較し
て、ノルマルヘキサン抽出物含有量、溶出試験検液中T
OC濃度および好気性従属栄養細菌数は良好な値を示
し、汚染された不飽和帯部分での微生物活動を効率的に
活性化できることが確認された。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明法によれ
ば、少なくとも1つの注入井のストレーナーと少なくと
も2つの真空抽出井のストレーナーが、汚染領域中また
は周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施工すること、
好ましくは前記真空抽出井による吸引を問欠的に運転す
ること、および前記注入井のストレーナーを複数の深度
に設置することにより、従来の技術では活性化できなか
った、不飽和帯部分での微生物活動を効率的に活性化す
ることが可能となり、従來の技術では浄化できなかった
不飽和帯部分の汚染を効率的に浄化することができると
いう優れた効果を奏する。また、汚染浄化途中で有害成
分が土壌ガスとして蓄積する恐れのある際には、これの
回収も同時に行うことができる副次的効果もあるなど、
地下汚染の修復に大きく寄与するものである。
ば、少なくとも1つの注入井のストレーナーと少なくと
も2つの真空抽出井のストレーナーが、汚染領域中また
は周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施工すること、
好ましくは前記真空抽出井による吸引を問欠的に運転す
ること、および前記注入井のストレーナーを複数の深度
に設置することにより、従来の技術では活性化できなか
った、不飽和帯部分での微生物活動を効率的に活性化す
ることが可能となり、従來の技術では浄化できなかった
不飽和帯部分の汚染を効率的に浄化することができると
いう優れた効果を奏する。また、汚染浄化途中で有害成
分が土壌ガスとして蓄積する恐れのある際には、これの
回収も同時に行うことができる副次的効果もあるなど、
地下汚染の修復に大きく寄与するものである。
【図1】本発明の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】同上実施例における各種井戸および土壌サンプ
リング地点を示す概略平面図である。
リング地点を示す概略平面図である。
【図3】従来法の一実施例を示す概略断面図である。
【図4】同上実施例における井戸および土壌サンプリン
グ地点を示す概略平面図である。
グ地点を示す概略平面図である。
1、2、3、4 注入井 5、6、7 真空抽出井 10 注入用ストレーナー 11 吸引用ストレーナー 12 地表面 13 不飽帯 14 地下水面 15 不飽和帯汚染部 16 注入液拡散範囲 h、i 土壌サンプリング地点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 明子 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 牛尾 亮三 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 2D043 DA04 4B029 AA27 BB02 CC02 DG06 DG10 4B065 AA01X BB02 BB04 BB10 BB12 BC50 CA56 4D004 AA41 AB02 AB05 AB06 AB07 AC07 CA18 CA50 CB42 CB43 CB50 CC07 CC15 DA01 DA10 DA20
Claims (6)
- 【請求項1】 有害物質により汚染された地下領域を微
生物の活動を利用して原位置修復する方法において、少
なくとも1つの注入井のストレーナーと、少なくとも2
つの真空抽出井のストレーナーが、不飽和帯汚染領城中
または周辺の不飽和帯部分に位置する状態に施工するこ
とを特徴とする地下汚染修復方法。 - 【請求項2】 前記真空抽出井による吸引を問欠的に運
転することを特徴とする請求項1記載の地下汚染修復方
法。 - 【請求項3】 前記注入井のストレーナーを、複数の深
度に設置することを特徴とする請求項1または2記載の
地下汚染修復方法。 - 【請求項4】 前記有害物質が、炭化水素、有機塩素化
合物、油脂類およびシアン化合物であることを特徴とす
る請求項1または2および3記載の地下汚染修方法。 - 【請求項5】 前記油脂類が、燃料油、機械油、潤滑
油、などの石油化学製品由来であることを特徴とする請
求項4記載の地下汚染修復方法。 - 【請求項6】 前記有機塩素化合物が、トリクロロエチ
レンまたはテトラクロロエチレン、PCB、ダイオキシ
ン等であることを特徴とする請求項4記載の地下汚染修
復方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000231137A JP2002045841A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 地下汚染修復方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000231137A JP2002045841A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 地下汚染修復方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002045841A true JP2002045841A (ja) | 2002-02-12 |
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ID=18724006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000231137A Withdrawn JP2002045841A (ja) | 2000-07-31 | 2000-07-31 | 地下汚染修復方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2002045841A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004097962A (ja) * | 2002-09-10 | 2004-04-02 | Nippon Steel Corp | 汚染土壌の浄化方法 |
JP2005161183A (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-23 | Fudo Constr Co Ltd | 汚染地盤の浄化方法 |
JP2009090183A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Japan Organo Co Ltd | 土壌、地下水の浄化方法、微生物の培養方法及び栄養剤 |
-
2000
- 2000-07-31 JP JP2000231137A patent/JP2002045841A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004097962A (ja) * | 2002-09-10 | 2004-04-02 | Nippon Steel Corp | 汚染土壌の浄化方法 |
JP2005161183A (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-23 | Fudo Constr Co Ltd | 汚染地盤の浄化方法 |
JP2009090183A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Japan Organo Co Ltd | 土壌、地下水の浄化方法、微生物の培養方法及び栄養剤 |
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