JP2000342250A - 重油分解能を有する新規細菌株、その細菌混合物、重油分解菌生育用組成物、石油成分の処理方法およびその被処理物を含む建築土木材料 - Google Patents

重油分解能を有する新規細菌株、その細菌混合物、重油分解菌生育用組成物、石油成分の処理方法およびその被処理物を含む建築土木材料

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JP2000342250A
JP2000342250A JP2000065763A JP2000065763A JP2000342250A JP 2000342250 A JP2000342250 A JP 2000342250A JP 2000065763 A JP2000065763 A JP 2000065763A JP 2000065763 A JP2000065763 A JP 2000065763A JP 2000342250 A JP2000342250 A JP 2000342250A
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heavy oil
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fermbp
belonging
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JP2000065763A
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Tokio Fujita
藤樹夫 藤田
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GIJUTSU ITEN KIKO KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に調製でき、分解除去作業および保存・
輸送等が簡便に行える重油分解菌、重油分解菌混合物、
その生育用組成物、上記細菌を用いる重油分解方法並び
に重油分解産物を含む建築土木材料を提供する。 【解決手段】 アシネトバクター(Acinetobacter )属
に属するFERMBP−7046菌株、アシネトバクタ
ー(Acinetobacter )属に属するFERMBP−704
9菌株、シュドモナス(Pseudomonas)属に属するFER
MBP−7047菌株、アルカリジェネス(Alcaligene
s)属に属するFERMBP−7048菌株をそれぞれ単
独で、または少なくとも一種を含む細菌混合物を被処理
物に対し作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重油分解に使用さ
れる新規細菌株、細菌混合物、重油分解菌生育用組成
物、石油成分の処理方法およびその被処理物を含む建築
土木材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界各海域において、大型タンカ
ー事故、海底油田開発等に伴う重油、原油流出による海
洋汚染が進み、地球環境悪化の原因の一つとなってい
る。
【0003】従来より、海洋に流出した重油、原油等の
石油類を、これらの含有成分である主に炭化水素等に対
する分解能を有する微生物を利用して分解除去する手段
が用いられている。具体的には、まず、石油成分である
飽和炭化水素・芳香族炭化水素等を資化・分解できる微
生物を自然界よりスクリーニングした後、単離して生育
させ、その培養液を調製して利用に供する方法が一般的
に行われる。
【0004】また、分解除去過程において、微生物の生
育に必要とされる栄養分を同時に加えることにより、上
記微生物の分解能を最大限に引き出すことが可能であ
る。さらには、微生物を含まない上記栄養分のみを重油
等の被処理物に対し加え、被処理物周辺に元来存在して
いる他の微生物の分解能を利用して、石油類を分解除去
する手段を採用することが可能である。
【0005】たとえば、炭化水素に対する分解能を有す
る細菌は、通常の海岸において常在している。これを利
用して、該細菌に対して上記栄養分を加えることによ
り、細菌が本来有する炭化水素分解能を活性化させるこ
とができれば、生態系に悪影響を及ぼすことなく、重油
等を分解除去でき、環境保全上有用である。
【0006】一方、大型タンカー事故等により流出した
重油を分解除去するに際しては、重油が付着した状態で
の土砂を、重油と同時に処理せざるを得ない場合が多々
ある。たとえば、海岸に打ち上げられた重油を、砂浜に
て分解除去する場合は、重油と土砂とを分離することな
く分解除去作業が行われることが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の炭化水素等に対する分解能を有する微生物を用いて
石油等を分解除去する場合、種々の栄養分を使用して、
微生物の生育条件を調整する必要がある。
【0008】すなわち、微生物を用いた石油成分の分解
除去は、炭化水素等に対する分解能が最も高くなる定常
期の生育菌体を用いて行うことが最も効率的である。こ
のことから、上記定常期における生育菌体を調製するた
めに、高コストの栄養分を含有する培養液が必要となる
とともに、生育条件の設定を厳密に行うための調製作業
に労力を要するという問題がある。具体的には、重油等
の分解除去作業においては、大規模なスケールでの生育
菌体が必要となるため、培養液単位体積当たりに用いる
栄養分(栄養塩)の必要量および単価が高い場合には、
高コストとなり、また、生育時期を調節するために多大
な労力が必要になるという問題点を有している。
【0009】また、培養液中の生育菌体を分解作業に用
いる場合は、培養液の保存・運搬等に特別な設備を必要
とするため、準備、操作が煩雑となるという問題点があ
る。
【0010】一方、上記重油が付着した状態での土砂
を、重油と分離させることなく微生物の分解除去作用に
供した後、分解産物およびアスファルト等の残存成分を
含有した土砂を処理する場合にもコストがかかるという
問題点がある。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、その目的は、安価に調製でき、分解除去作
業および保存・輸送等が簡便に行える重油分解菌、重油
分解菌混合物、その生育用組成物、その重油分解菌生育
用組成物を含む製剤、上記細菌を用いる重油分解方法、
石油成分の処理方法および重油分解被処理物を含む建築
土木材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の諸
問題を解決するために鋭意研究を続けてきた。その結
果、海水よりスクリーニングにより採取した菌株(細
菌)およびそれら細菌混合物を用いることによって上記
の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0013】請求項1に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、アシネトバクター
(Acinetobacter)属に属するFERMBP−7046菌
株であることを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、アシネトバクター
(Acinetobacter)属に属するFERMBP−7049菌
株であることを特徴としている。
【0015】請求項3に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、シュドモナス(Ps
eudomonas)属に属するFERMBP−7047菌株であ
ることを特徴としている。
【0016】請求項4に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、アルカリジェネス
(Alcaligenes)属に属するFERMBP−7048菌株
であることを特徴としている。
【0017】請求項5に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、フラボバクテリウ
ム(Flavobacterium)属に属するFERMBP−705
0菌株であることを特徴としている。
【0018】請求項6に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、フラボバクテリウ
ム(Flavobacterium)属に属するFERMBP−705
1菌株であることを特徴としている。
【0019】請求項7に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、フラボバクテリウ
ム(Flavobacterium)属に属するFERMBP−705
2菌株であることを特徴としている。
【0020】請求項8に記載の菌株は、上記の課題を解
決するために、重油分解能を有する、モラキセラ(Mora
xella)属に属するFERMBP−7053菌株であるこ
とを特徴としている。
【0021】請求項9に記載の細菌混合物は、上記の課
題を解決するために、アシネトバクター(Acinetobacte
r)属に属するFERMBP−7046菌株、アシネトバ
クター(Acinetobacter)属に属するFERMBP−70
49菌株、シュドモナス(Pseudomonas ) 属に属するF
ERMBP−7047菌株、アルカリジェネス(Alcali
genes)属に属するFERMBP−7048菌株からなる
群より選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する細
菌を含むことを特徴としている。
【0022】尚、この結果、本発明には、上記群より選
ばれる少なくとも一種の細菌と、この群に含まれない他
の細菌とを含む細菌混合物となる場合も含まれることと
なる。
【0023】請求項10に記載の細菌混合物は、上記の
課題を解決するために、フラボバクテリウム(Flavobac
terium)属に属するFERMBP−7050菌株、フラ
ボバクテリウム(Flavobacterium)属に属するFERM
BP−7051菌株、フラボバクテリウム(Flavobacte
rium)属に属するFERMBP−7052菌株、モラキ
セラ(Moraxella)属に属するFERMBP−7053菌
株からなる群より選ばれる少なくとも一種の重油分解能
を有する細菌を含むことを特徴としている。
【0024】請求項11に記載の細菌混合物は、上記の
課題を解決するために、請求項10に記載の細菌混合物
の構成に加えて、アシネトバクター(Acinetobacter)属
に属するFERMBP−7046菌株、アシネトバクタ
ー(Acinetobacter)属に属するFERMBP−7049
菌株、シュドモナス(Pseudomonas ) 属に属するFER
MBP−7047菌株、アルカリジェネス(Alcaligene
s)属に属するFERMBP−7048菌株からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する細菌を
含むことを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、上記細菌または、細
菌混合物は、天然界に近い貧栄養状態で炭化水素分解能
を有する菌株を見出すべく海水から単離したものであ
る。このため、安価な栄養源により簡便に生育すること
ができ、炭化水素を効率的に分解することができる。し
たがって、たとえば、流出した石油成分を、安価、簡
便、かつ効率的に分解除去することができる。
【0026】特に、上記細菌混合物によれば、上記細菌
をそれぞれ単独で使用した場合と比較して、特に優れた
重油分解能を発揮するため、さらに効率的に重油を分解
除去することができる。
【0027】また、上記細菌混合物において、フラボバ
クテリウム属に属するFERMBP−7050菌株、フ
ラボバクテリウム属に属するFERMBP−7051菌
株、フラボバクテリウム属に属するFERMBP−70
52菌株、およびモラキセラ属に属するFERMBP−
7053菌株からなる群より選ばれる少なくとも一種の
重油分解能を有する細菌を用いることで、重油分解をさ
らに促進することができる。
【0028】請求項12に記載の重油分解菌生育用組成
物は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし8
のいずれか1項に記載の菌株からなる群より選ばれる少
なくとも1種の細菌を生育すべく、硝酸アンモニウム4
0〜90重量%、リン酸第二カリウム1〜50重量%、
硫酸マグネシウム2〜50重量%、塩化鉄(III )1〜
20重量%、塩化カルシウム0.2〜15重量%、およ
び酵母エキス0.1〜10重量%を有効成分として含む
ことを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、重油分解菌生育用組
成物は、安価に調製でき、かつ、重油分解菌の生育およ
び重油分解能の活性化を促進することができる。このた
め、たとえば、流出した石油成分に対して、重油分解菌
生育用組成物を、そのままの状態で、または、海水等で
500倍ないし2000倍に溶解した水溶液の状態で、
あるいは、これらに細菌混合物を添加した状態で散布等
により作用させることで、該石油成分を安価、簡便、か
つ効率的に分解除去することができる。
【0030】請求項13に記載の重油分解菌生育用組成
物は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし8
のいずれか1項に記載の菌株からなる群より選ばれる少
なくとも1種の細菌を生育すべく、硝酸アンモニウム4
0〜90重量%、リン酸第二カリウム1〜50重量%、
硫酸マグネシウム2〜50重量%、塩化鉄(III )1〜
20重量%、塩化カルシウム0.2〜15重量%、およ
び酵母エキス0.1〜10重量%を有効成分として含
み、かつ、これらを、ペレット状に成形し、または、シ
ート状の有機基材に染み込ませてなることを特徴として
いる。
【0031】上記の構成によれば、上記菌株をペレット
状に成形し、またははシート状の有機基材に染み込ませ
ることにより調製し、たとえば、製剤の形状とした重油
分解菌生育用組成物を、砂等の被処理物上に散布すると
いう簡便な作業によって、被処理物の石油成分分解を行
うことができる。また、上記の場合、重油分解菌生育用
組成物は、固形物となっているため、保存、運搬を簡便
に行うことができる。
【0032】請求項14に記載の石油成分の処理方法
は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の菌株から
なる群より選ばれる少なくともいずれか1つを用いるこ
とを特徴としている。
【0033】上記の方法によれば、上記菌株が、安価な
栄養源により簡便に生育することができ、炭化水素を効
率的に分解することができるため、たとえば、流出した
石油成分を、安価、簡便、かつ効率的に分解除去するこ
とができる。
【0034】請求項15に記載の建築土木材料は、請求
項1ないし8のいずれか1項に記載の菌株からなる群よ
り選ばれる少なくともいずれか1つを用いて重油付着土
砂を処理した被処理物を含むことを特徴としている。
【0035】上記の構成によれば、重油が付着した土砂
を本発明にかかる上記菌株からなる群より選ばれる少な
くともいずれか1つを用いて処理した後の被処理物は、
重油分が分解されたものであり、土砂として再生された
ものである。さらに、この再生された土砂は、建築土木
材料に適用される。
【0036】これにより、タンカーの座礁事故等にて流
出し、海岸の砂浜に到達した重油混じりの土砂を、上記
菌株、細菌混合物、重油分解菌生育用組成物、製剤から
なる群より選ばれる少なくともいずれか1つを用いて処
理した後、道路舗装用のアスファルトコンクリートやセ
メントモルタル等の建築土木材料として使用することが
可能となる。
【0037】この結果、従来では焼却して埋め立てる等
しか用途がなかった重油付着土砂を再生利用すべく建築
土木材料として提供することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明のアシネ
トバクター(Acinetobacter)属に属するFERMBP−
7046菌株、アシネトバクター(Acinetobacter)属に
属するFERMBP−7049菌株、シュドモナス(Ps
eudomonas)属に属するFERMBP−7047菌株、ア
ルカリジェネス(Alcaligenes)属に属するFERMBP
−7048菌株は、いずれも、スクリーニングにより天
然界から採取した新規の菌株であり、たとえば、重油等
の石油成分分解能に代表される炭化水素分解能を有する
有用微生物として単離されたものである。
【0039】本発明において、重油分解能を有すると
は、重油中に含まれる比較的高分子の炭化水素を分解す
る能力のみならず、上記高分子の炭化水素が分解されて
生成した比較的低分子の炭化水素を分解する能力をも含
む意である。
【0040】また、上記4菌株からなる群より選ばれる
少なくとも一種の細菌を含む細菌混合物、およびフラボ
バクテリウム(Flavobacterium) 属に属する菌株および
/またはアシネトバクター(Acinetobacter )属に属す
る菌株を含む細菌群をさらに含む上記細菌混合物は、本
発明の上記4菌株をそれぞれ単独で被処理物に対し作用
させた場合と比較して、さらに高い炭化水素分解能を有
する。
【0041】以下において、本発明にかかる上記細菌を
単離した経過について説明する。
【0042】本発明にかかるアシネトバクター属に属す
るFERMBP−7046菌株(TFBOL−1)、ア
シネトバクター属に属するFERMBP−7049菌株
(TFBOL−7)、シュドモナス属に属するFERM
BP−7047菌株(TFBOL−2)、およびアルカ
リジェネス属に属するFERMBP−7048菌株(T
FBOL−3)は、いずれも天然海水より単離した細菌
である。
【0043】1次スクリーニングは、以下の方法により
行った。
【0044】上記海水およびその他、日本国内各港湾、
近海、および河川より採取した水または堆積物計50種
類よりなる供試料から細菌を分離するための分離培地と
しては、できるだけ天然界に近い貧栄状態で炭化水素分
解能を有する菌株を分離するため、炭素源として流動パ
ラフィン(ナカライテスク(株))を用いるべく、以下
の表1に示す組成の培地を用いた。ここで、流動パラフ
ィンとは、炭素数15〜30程度の飽和炭化水素混合物
である。
【0045】
【表1】
【0046】上記海水等の供試料をフィルター濾過(孔
径0.45μm)して分離した供試料が液体である場合
は、その1ml、固体である場合はその1gを、湿熱殺
菌処理(121℃、20min)した上記分離培地10
0mlと共に500ml容振とうフラスコ中に添加し
た。
【0047】上記供試料および分離培地混合物を、7〜
10日間振とう培養(30℃、120ストローク/分、
5cm)し、その培養液1mlを新しい分離培地に植え
継ぐ培養を4回繰り返すことにより、集積培養を行い、
4回目の集積培養液中に生存する微生物を飽和炭化水素
分解菌の混合菌として得た。
【0048】次に、2次スクリーニングとして、上記混
合菌を含有する集積培養液を分離培地に体積比1:1の
割合で混合した後、振とう培養(120ストローク/
分、5cm、30℃)し、肉眼による観察によって、流
動パラフィンの乳化、分散の速度が一定値以上であり、
かつ、7日間培養後のn−ヘキサン抽出画分量が最も少
ない培養液を優良混合菌株として得た。この2次スクリ
ーニングについて以下に説明する。
【0049】まず、上記集積培養により得た飽和炭化水
素分解菌の混合菌を、以下の表2に示す前培養培地中で
4日間振とう培養(120ストローク/分、5cm、2
5℃)した前培養液を、遠心分離(3500rpm、2
0min)して集菌した後、上記前培養培地により2回
洗浄し、菌懸濁液1mlを得た。次に、本培養として、
上記菌懸濁液1ml(細菌数として、109 個/ml)
を500ml容振とうフラスコ中で、以下の表3に示す
基礎塩培地100mlに接種し、振とう培養(120ス
トローク/分、5cm、30℃)した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】上記本培養液を適宜採取し、610nmに
おける吸光度を分光光度計(島津製作所、UV−120
0)を用いて測定することにより、7日間培養後の定常
期にある混合菌を得た。得られた混合菌の菌数は、上記
分光光度計により菌懸濁液の610nmにおける吸光度
を測定することにより算出した。
【0053】n−ヘキサン抽出画分量すなわち、培養液
中に残存する流動パラフィン由来の飽和炭化水素量は、
以下の方法により測定した。
【0054】まず、培養液を100mlのn−ヘキサン
で2回抽出し、該抽出液100mlを無水硫酸ナトリウ
ムのカラム中を通過させて脱水、菌体除去後濃縮した。
次に、活性アルミナクロマトグラフィー(活性アルミ
ナ:200mesh 60ml、(株)和光純薬工業、
ガラスカラム:20×600mm Pyrex gla
ss、流速20ml/h)により精製し、脂肪酸等の代
謝物を除去した後、恒量になるまで乾燥処理(60℃、
空気流入下)し、該乾燥重量をn−ヘキサン抽出画分量
すなわち、残存飽和炭化水素量として求めた。
【0055】上記n−ヘキサン抽出画分量は、ガスクロ
マトグラフィーにより定量した。ガスクロマトグラフィ
ーの分析条件は、カラム:SUPORT PETROC
OLB カラム(SUPELCO)、オーブン温度:5
0℃〜350℃、10℃/分,インジェクター温度:3
00℃、検出温度:360℃、検出器:FID、キャリ
アガス:ヘリウムとした。
【0056】また、流動パラフィンの培養液中への乳化
度測定は、培養液を遠心分離(3500rpm、20m
in)して菌体を除去した上澄み液の610nmにおけ
る吸光度を測定することにより行った。
【0057】以上の方法により、2次スクリーニングを
行った各種供試料5種類より、最も流動パラフィンの乳
化が速く、かつ、培養7日後におけるn−ヘキサン抽出
各分量が最も少ない混合菌として、上記海水より得た、
アシネトバクター(Acinetobacter )属に属するFER
MBP−7046菌株(TFBOL−1)、アシネトバ
クター(Acinetobacter )属に属するFERMBP−7
049菌株(TFBOL−7)、シュドモナス(Pseudo
monas)属に属するFERMBP−7047菌株(TFB
OL−2)、およびアルカリジェネス(Alcaligenes)属
に属するFERMBP−7048菌株(TFBOL−
3)を含む飽和炭化水素分解菌群を得た。
【0058】次に、上記のようにして得た飽和炭化水素
分解菌群からの各菌株の単離を行った。単離用の培地と
して、Baruahらの方法(「微生物の分離法」、R
&Dプランニング社出版、児玉徹著)によるハイドロカ
ーボンプレート培地および普通寒天培地を使用した。ハ
イドロカーボンプレート培地とは、流動パラフィンをシ
リカゲルに予め吸着させて粉末状とした後、少量の水に
懸濁してスラリー状とし、上記表2に示す基礎塩培地に
対し寒天を2重量%添加した寒天培地と完全に混合させ
た培地である。
【0059】上記単離用の培地上に飽和炭化水素分解菌
群を含む培養液を塗沫法で塗布し、27℃、48時間培
養した後、出現したコロニーを採取し、37℃、2〜3
日培養した結果、細菌類TFBOL−1、2、3、7の
4菌株を本発明にかかる各菌株として得た。
【0060】次に、単離した本発明にかかる各菌株の同
定は、「Bergey’s Manual of de
terminative Bacteriology
(第9版)」に基づき行った。
【0061】細菌類TFBOL−1〜8の8菌株の同定
方法は、形態的特徴としての栄養細胞の形態、細胞の多
形性、運動性、芽胞の有無、さらに生理学的特徴として
のグラム染色性、カタラーゼ反応、オキシダーゼ反応、
発酵性(糖類からの酸、ガスの生成)の他、嫌気および
好気条件下での発育性等、それぞれの特徴について生理
試験を行うことにより、属、種の検索を行った。結果を
表4に示す。
【0062】
【表4】
【0063】表4に示すように、TFBOL−1、7株
は、いずれもグラム陰性の短桿菌で運動性がなく、嫌気
条件下で発育せず、カタラーゼ反応陽性、オキシダーゼ
反応陰性、発酵性テスト(OFテスト、Oxidati
on−Fermentation test)は、Oで
あった。この結果により、アシネトバクター(Acinetob
acter )属に同定した。
【0064】上記TFBOL−1、7株は、平成11年
2月24日付で、工業技術院生命工学工業技術研究所
(郵便番号305茨城県つくば市東一丁目1番3号)に
国内寄託され、受託番号FERMBP−17233およ
びFERMBP−17236がそれぞれ付与されてい
る。
【0065】その後、上記TFBOL−1、7株は、2
000年2月23日付で、上記工業技術院生命工学工業
技術研究所に国際寄託され、受託番号FERMBP−7
046およびFERMBP−7049がそれぞれ付与さ
れている。
【0066】TFBOL−2株は、グラム陰性の短桿菌
で運動性があり、嫌気条件下で発育し、カタラーゼ反応
陽性、オキシダーゼ反応陽性、OFテストは、Oであっ
た。この結果により、シュドモナス(Pseudomonas)属に
同定した。
【0067】上記TFBOL−2株は、上記同様に国内
寄託され、受託番号FERMP−17234が付与され
ている。
【0068】その後、上記TFBOL−2株は、200
0年2月23日付で、上記同様に国際寄託され、受託番
号FERMBP−7047がそれぞれ付与されている。
【0069】TFBOL−3株は、グラム陰性の短桿菌
で運動性があり、嫌気条件下で発育せず、カタラーゼ反
応陽性、オキシダーゼ反応陽性、グルコースからの酸の
生産をしないことからアルカリジェネス(Alcaligenes)
属に同定した。
【0070】上記TFBOL−3株は、上記同様に国内
寄託され、受託番号FERMP−17235が付与され
ている。
【0071】その後、上記TFBOL−3株は、200
0年2月23日付で、上記同様に国際寄託され、受託番
号FERMBP−7048が付与されている。
【0072】TFBOL−4、5、6株は、グラム陰性
の短桿菌で運動性がなく、嫌気条件下で発育せず、カタ
ラーゼ反応陽性、オキシダーゼ反応陽性、OFテスト
は、Oであった。この結果により、フラボバクテリウム
(Flavobacterium)属に同定した。
【0073】TFBOL−4、5、6株は、2000年
2月23日付で、上記工業技術院生命工学工業技術研究
所に国際寄託され、受託番号FERMBP−7050、
受託番号FERMBP−7051、および受託番号FE
RMBP−7052がそれぞれ付与されている。
【0074】TFBOL−8株は、グラム陰性の短桿菌
で運動性がなく、嫌気条件下で発育せず、カタラーゼ反
応陽性、オキシダーゼ反応陽性、グルコースからの酸の
生産をしなかった。この結果により、モラキセラ(Mora
xella)属に同定した。
【0075】TFBOL−8株は、2000年2月23
日付で、上記同様に国際寄託され、受託番号FERMB
P−7053が付与されている。
【0076】上記細菌のうち、本発明にかかる菌株であ
る、アシネトバクター属FERMBP−7046(TF
BOL−1)、シュドモナス属FERMBP−7047
(TFBOL−2)、アルカリジェネス属FERMBP
−7048(TFBOL−3)、およびアシネトバクタ
ー属FERMBP−7049(TFBOL−7)は、そ
れぞれ単独で用いて重油等の石油成分中に存在する飽和
炭化水素分解活性を示すと共に、必要に応じて、混合さ
れた細菌混合物として用いた場合も上記分解活性を示
す。
【0077】また、上記細菌のうち、本発明にかかる菌
株である、フラボバクテリウム属FERMBP−705
0(TFBOL−4)、フラボバクテリウム属FERM
BP−7051(TFBOL−5)、フラボバクテリウ
ム属FERMBP−7052(TFBOL−6)、およ
びモラキセラ属FERMBP−7053(TFBOL−
8)は、上記TFBOL−1〜3、7のうち少なくとも
いずれか1つと混合された細菌混合物として用いた場合
に、優れた上記分解活性を示す。
【0078】特に、重油等の石油成分中に存在する飽和
炭化水素分解を行うに際し、上記TFBOL−4、5、
6、8および上記TFBOL−1〜3、7を全て含む細
菌混合物を用いることが最も好ましい。
【0079】ここで、細菌混合物とは、細菌を二種以上
含む混合物をいう。
【0080】すなわち、上記本発明の菌株の混合物であ
る、細菌混合物には、必要に応じて、フラボバクテリウ
ム属に属する菌株(TFBOL−4)、フラボバクテリ
ウム属に属する菌株(TFBOL−5)、フラボバクテ
リウム属に属する菌株(TFBOL−6)、モラキセラ
属に属する菌株(TFBOL−8)が、混合して添加さ
れていてもよい。また、上記菌株を一種使用しかつ他の
異なる菌株を添加して二種以上の細菌混合物とすること
も可能である。
【0081】上記TFBOL−4、TFBOL−5、T
FBOL−6、TFBOL−8の菌株は、それぞれ単独
では、飽和炭化水素を分解する活性が低いが、上記本発
明にかかる細菌または細菌混合物に添加して用いた場
合、全体としての飽和炭化水素分解活性が、総細菌数を
同じにして比較した場合であって、これらを添加しない
ときと比較して高くなることが判明した。
【0082】TFBOL−4、TFBOL−5、TFB
OL−6、TFBOL−8を添加することにより上記分
解活性の上昇がもたらされる機構については、明らかで
はないが、飽和炭化水素が本発明にかかる細菌または細
菌混合物により分解される過程で、芳香族炭化水素等、
他の石油成分の分解をこれらの細菌が担っていると考え
られる。
【0083】本発明の重油分解菌生育用組成物は、硝酸
アンモニウム40〜90重量%、リン酸第二カリウム1
〜50重量%、硫酸マグネシウム2〜50重量%、塩化
鉄(III )1〜20重量%、塩化カルシウム0.2〜1
5重量%、および酵母エキス0.1〜10重量%を必須
の有効成分として含む。
【0084】硝酸アンモニウムの濃度は、60〜80重
量%であることが好ましく、70〜75重量%の範囲内
であることが最も好ましい。
【0085】リン酸第二カリウムの濃度は、2〜25重
量%であることが好ましく、5〜10重量%の範囲内で
あることが最も好ましい。
【0086】硫酸マグネシウムの濃度は、4〜25重量
%であることが好ましく、10〜20重量%の範囲内で
あることが最も好ましい。
【0087】塩化鉄(III )の濃度は、2〜10重量%
であることが好ましく、3〜5重量%の範囲内であるこ
とが最も好ましい。
【0088】塩化カルシウムの濃度は、0.6〜5重量
%であることが好ましく、1〜3重量%の範囲内である
ことが最も好ましい。
【0089】酵母エキスの濃度は、0.2〜3重量%で
あることが好ましく、0.5〜1重量%の範囲内である
ことが最も好ましい。
【0090】上記重油分解菌生育用組成物は、重油分解
能等の炭化水素分解能を有する細菌、放線菌、酵母等の
微生物の培養および保存用の栄養塩培地の成分として好
適に用いられる。重油分解菌生育用組成物は、特に、本
発明の細菌および細菌混合物を培養および保存するため
の栄養塩培地に含有させることにより好適に用いること
ができる。
【0091】たとえば、本発明の細菌および細菌混合物
を重油分解菌として用いる場合、上記重油分解菌生育用
組成物を水、海水等で重量比にてたとえば、500倍な
いし2000倍となるように希釈した水溶液の状態とす
る。該水溶液に対し、重油分解活性を発現できる濃度、
量となるように細菌または細菌混合物を同水溶液中にお
いて培養し、または添加して、重油等の被処理物に作用
させることにより、重油を分解除去することができる。
上記水溶液とする場合の重油分解菌生育用組成物の濃度
は特に限定されないが、上記したように、水または海水
で重量比にて500倍ないし2000倍となるように溶
解、希釈して用いることが好ましい。
【0092】また、上記細菌または、細菌混合物を添加
せず、重油分解菌生育用組成物をそのまま、または上記
水溶液の状態で、直接、重油が付着した土砂等に作用さ
せることにより、重油の分解除去を行うこともできる。
すなわち、土砂等に含まれる微生物を、重油分解菌生育
用組成物により生育、活性化させることによって、重油
中に含まれる炭化水素類の分解を進行させてもよい。
【0093】また、上記必須成分は、上記に例示したよ
うに、微量で機能を発揮する。また、重油分解菌の生育
には、炭素源として重油自体を利用することが可能であ
り、ペプトン等の他の炭素源は必要とならない。このた
め、従来と比較して安価に調製でき、特に、大容量で使
用される重油分解菌の生育、保存用培地として有用であ
る。
【0094】重油分解菌生育用組成物を用いた栄養塩培
地には、必要に応じて食塩その他の無機化合物または、
たとえば、流動パラフィン等の有機化合物が添加されて
いてもよい。
【0095】また、重油分解菌生育用組成物を溶解、希
釈した水溶液の状態で用いる場合のpHは、対象となる
微生物の種類に応じて適宜決定することができるが、p
H5.0〜8.0の範囲内であることが好ましく、pH
6.0〜7.5の範囲内であることがさらに好ましく、
pH6.5〜7.0の範囲内であることが最も好まし
い。
【0096】本発明の細菌、細菌混合物、重油分解菌生
育用組成物、および製剤を使用して処理する被処理物と
しては、炭素数17〜40の飽和炭化水素;ベンゼン、
トルエン、ナフタレン等の芳香族炭化水素;上記飽和炭
化水素または芳香族炭化水素を含む重油その他の石油成
分;等が挙げられる。
【0097】上記製剤とは、上記重油分解菌生育用組成
物を単独で、または、上記細菌または細菌混合物その
他、たとえば、重油分解能を有する微生物、水等を含ん
だ状態で成形された製剤をいう。製剤の形態としては、
特に限定されず、たとえば、ペレット状、シート状、団
子状等を挙げることができる。
【0098】具体的には、たとえば、でんぷん、セルロ
ース、ゼオライト、バーミキュライト、海綿等に上記重
油分解菌生育用組成物水溶液および細菌または細菌混合
物を含浸させてペレット状、またはシート状としたもの
や、団子状に成形し固形物としたもの、生分解性を有す
るカプセル中に封入したものを挙げることができる。
【0099】上記製剤の使用方法としては、たとえば、
ペレット状または団子状に成形された製剤を、重油が漂
着した海岸の砂浜に散布等により敷設し、重油の分解が
進行するに十分な時間放置することによって、重油の分
解除去を行う方法等が挙げられる。また、ペレット状、
団子状、またはカプセル状に成形された製剤を用いるこ
とで、製剤により固定された重油分解菌生育用組成物お
よび細菌または細菌混合物が、徐々に被処理物に対し流
出、浸透していくことから、重油等に対する分解作用を
長期間持続させることができる。
【0100】以上のように、上記の製剤を用いることに
より、きわめて簡便な作業により、広範囲にわたって、
効率的に重油分解除去を行うことができる。
【0101】上記製剤を散布する方法としては、手作業
で行う他、種まき機等の機械を適宜用いてもよい。
【0102】本発明にかかる細菌、細菌混合物、重油分
解菌生育用組成物、および製剤を使用して、重油等の石
油成分を分解除去する被処理物の形態は、特に限定され
ないが、たとえば、船舶事故等により海面に流出した重
油、該重油等が付着した土砂、該重油等が付着した船体
等の各種建造物の他、該重油等が付着した岩礁等を挙げ
ることができる。
【0103】本発明の石油成分の処理方法としては、た
とえば、上記細菌、細菌混合物、重油分解菌生育用組成
物、および製剤のうち、少なくともいずれか一つを用い
て重油等の石油成分を有する被処理物に対し直接添加
し、重油の分解が進行するに十分な時間放置する方法の
他、重油等が付着した、たとえば土砂等を予め、カラム
に充填し、上記細菌、細菌混合物、重油分解菌生育用組
成物を含む溶液を上方より添加することによって、被処
理物を処理する方法等が挙げられる。
【0104】上記処理する場合における温度としては、
15℃〜45℃の範囲内が好ましく、20℃〜35℃の
範囲内がさらに好ましく、22℃〜28℃の範囲内が最
も好ましい。
【0105】より具体的には、定常期にまで生育した上
記細菌または細菌混合物を含む培養液を、直接被処理物
に対し添加する方法、上記重油分解菌生育用組成物を含
む溶液のみを直接被処理物に対し添加する方法、上記重
油分解菌生育用組成物にさらに上記細菌または細菌混合
物を加えた溶液を直接被処理物に対し添加する方法、上
記例示の溶液を土砂等の被処理物を充填した容器中に添
加する方法等が挙げられる。
【0106】また、重油等の石油成分を分解除去する場
合において、上記本発明の細菌または細菌混合物として
含まれる細菌数の範囲は、特に限定されないが、たとえ
ば、重油が付着した1gの被処理物に対して用いる場
合、1×106 個〜1×109個の範囲内であることが
好ましい。
【0107】〔実施の形態2〕前記実施の形態1に示し
たように、重油等の石油成分が付着した土砂を本発明に
かかる細菌、細菌混合物、重油分解菌生育用組成物、製
剤の少なくともいずれか一つを用いて処理した後の被処
理物は、重油分が分解されたものであり、土砂として再
生されたものである。
【0108】そこで、本実施の形態では、被処理物とし
ての砂(以下、「再生砂」という)をたとえば道路舗装
用のアスファルトコンクリートあるいはセメントモルタ
ル中の骨材、またはその補助材、つまり建築土木材料と
して実用に供することができるか否かについて検討し
た。具体的検討については、後述する実施例にて示す。
【0109】その結果、まず、道路舗装用のアスファル
トコンクリートへの適用について以下の結果が得られ
た。
【0110】すなわち、重油7重量%付着砂を前記重油
分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混
合物により56日間で処理した再生砂Aと、重油7重量
%付着砂を前記重油分解菌生育用組成物を含有する栄養
塩培地のみにより56日間で処理した再生砂Bとに対し
て、大型乾燥機にて乾燥した後、道路舗装用のアスファ
ルトコンクリートへの骨材として15%添加混入したも
のについて、充分、道路舗装用のアスファルトコンクリ
ートの規格値を満足することが確認できた。
【0111】なお、実施例の結果からすると、余裕をも
って道路舗装用のアスファルトコンクリートの規格値を
満足しているので、再生砂Aまたは再生砂Bを骨材全体
の20〜30%添加混入したものにおいても、充分に道
路舗装用のアスファルトコンクリートへの適用が可能で
あると考えられる。
【0112】また、道路舗装用のアスファルトコンクリ
ートとして適用する場合には、使用に際して道路舗装用
のアスファルトコンクリートは通常160℃以上に加熱
される。このため、土砂等の処理後の被処理物中に含ま
れる生育状態にある細菌または細菌混合物は、道路舗装
用のアスファルトコンクリート形成時の上記加熱によ
り、完全に死滅する。すなわち、細菌または細菌混合物
は、通常では約60℃にて死滅する。また、胞子の状態
となったとしても120℃以上では死滅する。したがっ
て、160℃以上では、細菌または細菌混合物は、完全
に死滅していると考えられる。
【0113】この結果、道路舗装用のアスファルトコン
クリートに適用する場合において、衛生的であり、細菌
または細菌混合物が道路舗装用のアスファルトコンクリ
ートに及ぼす生物的な影響は皆無とすることができる。
【0114】次に、再生砂のセメントモルタルへの適用
については、以下の結果が得られた。
【0115】すなわち、重油7重量%付着砂を前記重油
分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混
合物により56日間で処理した再生砂Aと、重油7重量
%付着砂を前記重油分解菌生育用組成物を含有する栄養
塩培地のみにより56日間で処理した再生砂Bとに対し
て、大型乾燥機にて乾燥した後、セメントモルタルの骨
材として100%使用したものについて、一軸圧縮試験
および曲げ試験等を行って、性能を確かめた。
【0116】その結果、中質のセメントモルタルとして
充分に使用できることが確認できた。したがって、上質
のセメントモルタルに対しても補助的骨材への適用が可
能であると考えられる。
【0117】なお、再生砂Aと再生砂Bとの関係では、
若干再生砂A(栄養塩培地および細菌混合物を用いて処
理した砂)を用いたセメントモルタルの品質が良かっ
た。
【0118】また、本実施の形態においては、再生砂と
して、重油7重量%付着砂を重油分解菌生育用組成物を
含有する栄養塩培地および細菌混合物、または重油分解
菌生育用組成物を含有する栄養塩培地のみにより56日
間で処理したものの適用について説明したが、本発明に
おいては、必ずしもこれに限らず、図2に基づいて、2
1日間程度で処理したものについても適用が可能であ
る。
【0119】さらに、重油3重量%付着砂を重油分解菌
生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物、
または重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地の
みにより56日間で処理したものの適用については、重
油7重量%付着砂よりもさらに効果的に処理できること
はいうまでもない。
【0120】なお、砂に付着する重油の最大付着量は、
重油10重量%程度であり、それ以上は付着せずに流れ
るのみである。したがって、重油7重量%付着砂におけ
る再生砂の検討により、実用的には充分であると考えら
れる。また、重油10重量%程度においても、重油成分
は分解されるので、建築土木材料としての適用は可能で
ある。
【0121】さらに、本実施の形態では、重油分解菌生
育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物、ま
たは重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地のみ
についての適用について説明したが、菌株、細菌混合
物、製剤からなる群より選ばれる少なくともいずれか1
つを用いて重油付着土砂を処理した被処理物に対して
も、道路舗装用のアスファルトコンクリートあるいはセ
メントモルタル中の骨材またはその補助材、つまり建築
土木材料として実用に供することができる。
【0122】
【実施例】本発明にかかる細菌TFBOL−1、2、
3、7それぞれについて、石油成分分解量を、分解基質
として原油(Arabian light oil)を
用い、上記表2に示す前培養培地または、以下の表5に
示す栄養塩培地を、本発明にかかる重油分解菌生育用組
成物を含有する培地として用いて以下のように測定し
た。
【0123】
【表5】
【0124】〔実施例1〕まず、上記表2に示す前培養
培地に、細菌TFBOL−1を植菌し、25℃で4日間
振とう培養(120ストローク/分、5cm)して前培
養液を得た。次に、該前培養液を遠心分離(3500r
pm、20分)により集菌した後、滅菌済の前培養培地
で2回洗浄して同前培養培地1ml中に懸濁した細菌懸
濁液1ml(細菌数として109 個/ml)を得た。
【0125】本培養液は、上記表5に示す栄養塩培地
に、上記原油を1重量%となるように添加した培地を1
21℃で20分間オートクレーブ滅菌したものを用い
た。該本培養液100ml(500ml容振とうフラス
コ)に上記細菌懸濁液1mlを接種し、30℃で10日
間振とう培養(120ストローク/分、5cm)した。
10日間培養後の上記細菌TFBOL−1は、細菌数と
して6.5×109 個であった。
【0126】10日間培養後における本培養液を、培養
液100ml当たり、クロロホルム各100mlで2回
抽出した抽出液を、無水硫酸ナトリウムを充填したカラ
ムに通過させて脱水および菌体除去を行い、クロロホル
ム抽出画分を得た。該クロロホルム抽出画分を恒量にな
るまで乾燥処理(60℃、空気流入下)し、乾燥重量を
残存原油量とした。
【0127】生分解率は、細菌接種前における分解基質
量、すなわち、原油量を100%とした場合における分
解により消失した分解基質量(%)として求めた。
【0128】細菌TFBOL−1にかえて、細菌TFB
OL−2〜8をそれぞれ用いて上記の方法により生分解
率を求めた。結果を表6に示す。
【0129】
【表6】
【0130】表6より明らかなように、細菌TFBOL
−1、TFBOL−2、TFBOL−3、およびTFB
OL−7が、生分解率10%以上の高い数値を示し、重
油分解活性が高いことがわかる。尚、表6において、比
較的高分子の炭化水素分解能が低く、生分解率が10%
未満となった細菌については、数値を省略した。
【0131】〔実施例2〕細菌懸濁液を、前培養培地1
ml中に上記TFBOL−1、TFBOL−2、TFB
OL−3、およびTFBOL−7をそれぞれ、菌数とし
て、0.5×109 個ずつ含む細菌懸濁液とする以外
は、実施例1と同様の操作をして、生分解率を測定し
た。結果を表7に示す。
【0132】
【表7】
【0133】〔実施例3〕細菌懸濁液を、基礎塩培地1
ml中に細菌TFBOL−1〜8全てを各0.7×10
9 個ずつ含む細菌懸濁液とする以外は、実施例1と同様
の操作をして、生分解率を測定した。結果を表7に示
す。
【0134】表7より明らかなように、生分解率10%
以上の高い数値を示した細菌TFBOL−1、TFBO
L−2、TFBOL−3、およびTFBOL−7を含む
細菌混合物は生分解率10%以上と、高い重油分解活性
を有することがわかる。また、細菌TFBOL−1〜8
全てを含む細菌混合物は、さらに高い生分解率を示し、
重油分解活性が高いことがわかる。
【0135】〔実施例4〕実施例2と同様の操作を行っ
て、本発明にかかる細菌混合物を用いたクロロホルム抽
出画分を得た。該クロロホルム抽出画分中に残存する原
油を活性アルミナクロマトグラフィー(活性アルミナ:
200mesh 60ml、(株)和光純薬工業、ガラ
スカラム:20×600mm Pyrex glas
s、流速20ml/h)により分離し、飽和炭化水素、
芳香族炭化水素、アスファルテン、カラム残さ(以下、
各々Sa,Ar,As,Reと略す)に分画した。得ら
れたSa画分をガスクロマトグラフィーにて定法により
分析した。ガスクロマトグラフィーの分析条件は、カラ
ム:Ultra ALLOY Capillary C
olumn DX30(15m、0.5m)、オーブン
温度:100℃(0分)〜250℃(30分)、4℃/
分、インジェクター温度250℃、検出温度:250
℃、検出器:FID、キャリアガス:ヘリウムとした。
【0136】図1(a)(b)は、上記ガスクロマトグ
ラフィー分析による、それぞれ処理前および処理後にお
ける同一量のSa画分についての溶出パターンを、縦軸
に同一スケールの強度を取って示した説明図である。図
1に示すように、本発明にかかる細菌混合物を用いるこ
とにより、炭素数35以下の原油成分である飽和炭化水
素が全て分解されることがわかる。
【0137】〔実施例5〕重油として、C重油を用い、
3重量%重油を含有する砂1kgに対し、本発明にかか
る重油分解菌生育用組成物を含有する培地として、10
0mlの上記表5に示す組成からなる栄養塩培地と、本
発明にかかる細菌混合物として、各菌数1×109 個か
らなるTFBOL−1〜8とを添加して混合した。混合
後の砂を袋詰めにして砂浜に埋設し、7日毎に所定量採
取して残存する重油量(残存油量)を、実施例1におけ
る残存原油量と同様の方法で測定した。未処理の、3重
量%重油を含有する砂1kgの0日目における残存油量
を100%とした場合の残存油量(%)を算出し、残存
油量の経時的変化を調べた結果を図2(a)に示す。ま
た、7日目および56日目に採取した砂について、実施
例4と同様の操作を行って、飽和炭化水素画分を得た後
ガスクロマトグラフィーにより分析した。尚、コントロ
ールとして、未処理の同量の砂についても、経時的変化
を調べた。結果を図3(a)〜(c)に示す。尚、図3
(a)〜(c)および以下の図4(a)〜(c)は、上
記図1と同様に、同一スケールの強度を縦軸にとって比
較した説明図である。
【0138】〔実施例6〕上記細菌混合物を添加しない
他は、実施例5と同様にして残存油量の経時的変化、お
よび飽和炭化水素画分のガスクロマトグラフィーにより
分析を行った。結果を図2(a)、図4(a)〜(c)
に示す。
【0139】〔実施例7、8〕重油濃度を7重量%とす
る以外は、実施例5〜6と同様の操作を行ってそれぞれ
残存油量の経時的変化、および飽和炭化水素画分のガス
クロマトグラフィーにより分析を行った。結果を図2
(b)に示す。
【0140】図2(a)に示すように、未処理の3重量
%重油を含有する砂は、試験開始から14日目の時点に
おいて、僅かに3.1%の重油が減少していた。これに
対し、重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地の
みにより処理した場合は34%、また、重油分解菌生育
用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物により
処理した場合は44%の重油の急激な減少が認められ
た。
【0141】また、図2(b)に示すように、未処理の
7重量%重油を含有する砂は、試験開始から21日目の
時点において、僅かに2.3%の重油が減少していた。
これに対し、重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩
培地のみにより処理した場合は28%、また、重油分解
菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物
により処理した場合は46.7%の重油の急激な減少が
認められた。
【0142】これらの結果より、砂浜での重油分解速度
は、重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地およ
び細菌混合物により処理した場合が最も速く、重油分解
菌生育用組成物を含有する栄養塩培地のみにより処理し
た場合においても、これに次ぐ高い重油分解速度を示し
た。このことから、重油分解菌生育用組成物を含有する
栄養塩培地および細菌混合物により処理した場合は、細
菌混合物により、また、重油分解菌生育用組成物を含有
する栄養塩培地のみにより処理した場合は、砂浜に常在
する炭化水素分解細菌の生育、活性が重油分解菌生育用
組成物により促進されることによって、高速度での重油
分解が行われたことがわかる。
【0143】尚、上記試験において使用したC重油は、
水に溶解し、または蒸発する低沸点の飽和炭化水素、芳
香族炭化水素の含有量が無視できる程度に少ない。この
ため、これら水への溶解または蒸発による低沸点の飽和
炭化水素、芳香族炭化水素の消失量は無視することがで
きる。
【0144】また、図3、図4に示すように、重油分解
菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物
による処理または、重油分解菌生育用組成物を含有する
栄養塩培地のみによる処理で、炭素数35以下の原油成
分である飽和炭化水素が分解され、特に、重油分解菌生
育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物によ
る処理を行うことにより、上記飽和炭化水素の分解が急
激に進行することがわかる。
【0145】〔実施例9〕重油として、C重油を用い、
3重量%重油を含有する砂1kgに対し、100ml
の、重油分解菌生育用組成物を含有する上記表5に示す
組成からなる栄養塩培地、および、本発明にかかる細菌
混合物として、各菌数1×109 個からなるTFBOL
−1、2、3、7を添加して混合した。混合後の砂を袋
詰めにして砂浜に埋設し、14日目において各所定量の
砂を採取した。
【0146】採取した各砂について、実施例4と同様の
操作を行って、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、アスフ
ァルテン、カラム残さ(以下、各々Sa,Ar,As,
Reと略す)に分画し、得られたSa,Ar,As,R
e画分をガスクロマトグラフィーにより分析することに
よって、3重量%重油を含有する砂における重油成分組
成の変化を測定した。ガスクロマトグラフィーの分析条
件は、カラム:Ultra ALLOY Capill
ary Column DX30(15m,0.5
m),オーブン温度:100℃(0分)〜250℃(3
0分)、4℃/分、インジェクター温度250℃、検出
温度:250℃、検出器:FID、キャリアガス:ヘリ
ウムとした。
【0147】〔実施例10〕細菌混合物を添加しない以
外は、実施例9と同様の操作を行って本発明にかかる重
油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地を作用させ
た場合の3重量%重油を含有する砂における重油成分組
成の変化を測定した。
【0148】図5(a)に示すように、本発明にかかる
細菌混合物を用いることにより、試験開始14日目にお
いて、飽和炭化水素画分が急激に分解されることがわか
る。また、本発明の重油分解菌生育用組成物を含有する
栄養塩培地のみにより処理した場合も、細菌混合物を用
いる場合に次いで、飽和炭化水素が高速度で分解される
ことがわかる。
【0149】〔実施例11〕重油濃度を7重量%とする
以外は、実施例9と同様の操作を行って成分組成の変化
を測定した。結果を図5(b)に示す。
【0150】〔実施例12〕細菌混合物を添加しない以
外は、実施例11と同様の操作を行って本発明にかかる
重油分解菌生育用組成物を作用させた場合の7重量%重
油を含有する砂における重油成分組成の変化を測定し
た。
【0151】図5(a)(b)に示すように、本発明に
かかる細菌混合物を用いることにより、試験開始14日
目または21日目において、飽和炭化水素画分が急激に
分解されることがわかる。また、本発明の重油分解菌生
育用組成物のみにより処理した場合も、細菌混合物を用
いる場合に次いで、飽和炭化水素が高速度で分解される
ことがわかる。
【0152】〔実施例13〕本実施例では、重油の付着
した砂を前記重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩
培地および細菌混合物、または前記重油分解菌生育用組
成物を含有する栄養塩培地のみにより処理した砂(以
下、「再生砂」という)を道路舗装用のアスファルトコ
ンクリートとして利用できるか否かについての検討結果
を示す。
【0153】検討方法として、道路舗装用のアスファル
トコンクリートの補助的骨材として、再生砂を使用した
ときに、道路舗装用のアスファルトコンクリートの規格
を満足するかについて実験を行った。
【0154】再生砂としては、重油7重量%付着砂を重
油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌
混合物により56日間で処理した再生砂Aと、重油7重
量%付着砂を重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩
培地のみにより56日間で処理した再生砂Bとの2種類
を使用した。
【0155】骨材の配合条件は表8の通りとした。すな
わち、配合条件1は再生砂Aを骨材全体の15%混入し
た場合であり、配合条件2は再生砂Bを骨材全体の15
%混入した場合を示している。また、配合条件3は、再
生砂Aおよび再生砂Bのいずれも使用しない場合であ
り、道路舗装用のアスファルトコンクリートに適用され
る一般的な骨材の配合条件を示している。なお、今回使
用した再生砂Aおよび再生砂Bは、大型乾燥機にて11
℃、24時間乾燥し、かつ180℃にて16時間加熱し
たものを使用した。
【0156】
【表8】
【0157】ここで、上記各骨材種別における配合前の
各粒度分布は、表9に示す通りであった。
【0158】
【表9】
【0159】また、表9の各粒度分布を示す各骨材種別
について各配合条件1、配合条件2および配合条件3に
て混合した骨材の粒度分布は表10の通りであった。こ
れらはいずれも、同表最右欄に示す道路舗装用のアスフ
ァルトコンクリートの要綱を満足するものである。
【0160】
【表10】
【0161】次に、道路舗装用のアスファルトコンクリ
ートとしての混合条件および締め固め条件は、表11と
した。なお、アスファルトは、JIS K 2207
「石油アスファルト」に規定するストレートアスファル
ト60〜80を使用した。このストレートアスファルト
60〜80とは、25℃における針入度が40を超え6
0以下となっているものである。
【0162】
【表11】
【0163】試験項目は、見掛け密度の他、道路舗装用
のアスファルトコンクリートの要綱に定められるフロー
試験、マーシャル安定度試験および残留安定度試験と
し、マーシャル安定度試験および残留安定度試験の条件
は表12に示す通りとした。
【0164】
【表12】
【0165】上記の各試験条件の下に行った試験結果
は、表13に示す通りとなった。
【0166】
【表13】
【0167】表13の結果、再生砂Aを使用した配合条
件1および再生砂Bを使用した配合条件2のものは、い
ずれも道路舗装用のアスファルトコンクリートの品質規
格値を満足していることが分かった。
【0168】これにより、重油7重量%付着砂を重油分
解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合
物により56日間で処理した再生砂Aを道路舗装用のア
スファルトコンクリートの補助的骨材として15%使用
したもの、および重油7重量%付着砂を重油分解菌生育
用組成物を含有する栄養塩培地のみにより56日間で処
理した再生砂Bを道路舗装用のアスファルトコンクリー
トの補助的骨材として15%使用したもののいずれも、
道路舗装用のアスファルトコンクリートとして利用でき
ることが確認できた。
【0169】〔実施例14〕本実施例では、重油の付着
した砂を前記細菌または細菌混合物にて処理した再生砂
をセメントモルタルへ適用が可能か否かについての検討
結果について説明する。
【0170】検討として、前記実施例13で使用した2
種類の再生砂、つまり重油7重量%付着砂を重油分解菌
生育用組成物を含有する栄養塩培地および細菌混合物に
より56日間で処理した再生砂Aと、重油7重量%付着
砂を重油分解菌生育用組成物を含有する栄養塩培地のみ
により56日間で処理した再生砂Bとを用いてセメント
モルタルへの適用を図るため、再生砂A・Bを骨材とし
て用いてセメントと共に混練りを施し、強度試験用の試
験体を作成し、一軸圧縮強度および曲げ強度について測
定を行った。なお、試験はJIS R 5201「セメ
ントの物理試験方法」に準拠して行った。
【0171】上記再生砂Aおよび再生砂Bの粒度分布は
それぞれ表14に示す通りである。
【0172】
【表14】
【0173】また、強度試験方法について、試験体を作
製するための型枠は、4×4×16cm3連形の型枠を
使用した。また、試験体は、普通ポルトランドセメント
を用いて骨材セメント比(S/C)=2、および水セメ
ント比(W/C)=65%にて混練りした。なお、型枠
に入れる前に、混練りしたセメントモルタルについてフ
ロー試験を行った。
【0174】さらに、上記型枠を用いて試験体を作製
し、翌日に脱型し、重量測定した後、水温20±3℃の
水槽にて水中養生を開始した。そして、7日、および2
8日経過後に取出したものについてそれぞれ重量測定、
一軸圧縮試験および曲げ試験を行った。
【0175】試験結果として、表15にフロー試験結果
を示すと共に、表16に強度試験結果を示した。なお、
表15に示すフロー値とは、フローコーンに混練りした
セメントを充填し、該フローコーンを上方に引き上げた
ときの下に広がったモルタルの径をmmを単位とする無
名数で表したものである。
【0176】
【表15】
【0177】
【表16】
【0178】ここで、JISで定める上質のセメントモ
ルタルの圧縮強度に関する規格値は、材令7日における
圧縮強度が14.71N/mm2 以上であり、材令28
日における圧縮強度が29.42N/mm2 以上であ
る。また、一般的な圧縮強度の試験値は、材令7日にお
ける圧縮強度が25N/mm2 程度であり、材令28日
における圧縮強度が41N/mm2 程度である。さら
に、一般的な曲げ強度は、材令7日における曲げ強度が
5N/mm2 程度であり、材令28日における曲げ強度
が7N/mm2 程度である。
【0179】上記のことを踏まえた表15の結果は、再
生砂Aを使用した配合条件1および再生砂Bを使用した
配合条件2のものは、いずれも材令7日における圧縮強
度の規格値14.71N/mm2 以上を満足している。
ただし、材令28日における圧縮強度の規格値29.4
2N/mm2 以上に対しては、いずれも若干規格を下回
った。
【0180】一方、曲げ強度については、いずれも材令
7日における一般的な曲げ強度約5N/mm2 程度、材
令28日における一般的な曲げ強度約7N/mm2 程度
を若干下回った。
【0181】また、再生砂Aと再生砂Bとの関係では、
再生砂Aが若干強度が大きかった。
【0182】これらの結果から判断できることは、再生
砂Aまたは再生砂Bを骨材の全てとしてセメントモルタ
ルに適用した場合においては、上質のモルタルセメント
としてではなく、中質のモルタルセメントとしては充分
利用できることが分かった。
【0183】なお、上記の試験は、骨材として再生砂A
または再生砂Bのみを使用したものであるので、前記道
路舗装用のアスファルトコンクリートへの適用形態のよ
うに、補助的な骨材として使用するときには、充分に上
質のモルタルセメントとしても使用できるものと思われ
る。
【0184】
【発明の効果】請求項1に記載の菌株は、以上のよう
に、重油分解能を有する、アシネトバクター(Acinetob
acter)属に属するFERMBP−7046菌株である構
成である。
【0185】請求項2に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、アシネトバクター(Acinetobacte
r)属に属するFERMBP−7049菌株である構成で
ある。
【0186】請求項3に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、シュドモナス(Pseudomonas)属に
属するFERMBP−7047菌株である構成である。
【0187】請求項4に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、アルカリジェネス(Alcaligenes)
属に属するFERMBP−7048菌株である構成であ
る。
【0188】請求項5に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、フラボバクテリウム(Flavobacte
rium)属に属するFERMBP−7050菌株である構
成である。
【0189】請求項6に記載の菌株は、以上のように解
決するために、重油分解能を有する、フラボバクテリウ
ム(Flavobacterium)属に属するFERMBP−705
1菌株である構成である。
【0190】請求項7に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、フラボバクテリウム(Flavobacte
rium)属に属するFERMBP−7052菌株である構
成である。
【0191】請求項8に記載の菌株は、以上のように、
重油分解能を有する、モラキセラ(Moraxella)属に属す
るFERMBP−7053菌株である構成である。
【0192】請求項9に記載の細菌混合物は、以上のよ
うに、アシネトバクター(Acinetobacter)属に属するF
ERMBP−7046菌株、アシネトバクター(Acinet
obacter)属に属するFERMBP−7049菌株、シュ
ドモナス(Pseudomonas ) 属に属するFERMBP−7
047菌株、アルカリジェネス(Alcaligenes)属に属す
るFERMBP−7048菌株からなる群より選ばれる
少なくとも一種の重油分解能を有する細菌を含む構成で
ある。
【0193】請求項10に記載の細菌混合物は、以上の
ように、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属に属
するFERMBP−7050菌株、フラボバクテリウム
(Flavobacterium)属に属するFERMBP−7051
菌株、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属に属す
るFERMBP−7052菌株、モラキセラ(Moraxell
a)属に属するFERMBP−7053菌株からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する細菌を
含む構成である。
【0194】請求項11に記載の細菌混合物は、以上の
ように、請求項10に記載の細菌混合物の構成に加え
て、アシネトバクター(Acinetobacter)属に属するFE
RMBP−7046菌株、アシネトバクター(Acinetob
acter)属に属するFERMBP−7049菌株、シュド
モナス(Pseudomonas ) 属に属するFERMBP−70
47菌株、アルカリジェネス(Alcaligenes)属に属する
FERMBP−7048菌株からなる群より選ばれる少
なくとも一種の重油分解能を有する細菌を含む構成であ
る。
【0195】それゆえ、上記細菌または、細菌混合物
は、天然界に近い貧栄養状態で炭化水素分解能を有する
菌株を見出すべく海水から単離したものである。このた
め、安価な栄養源により簡便に生育することができ、炭
化水素を効率的に分解することができる。したがって、
たとえば、流出した石油成分を、安価、簡便、かつ効率
的に分解除去できるという効果を奏する。
【0196】特に、上記細菌混合物によれば、上記細菌
をそれぞれ単独で使用した場合と比較して、特に優れた
重油分解能を発揮するため、さらに効率的に重油を分解
除去できるという効果を奏する。
【0197】請求項12に記載の重油分解菌生育用組成
物は、以上のように、請求項1ないし8のいずれか1項
に記載の菌株からなる群より選ばれる少なくとも1種の
細菌を生育すべく、硝酸アンモニウム40〜90重量
%、リン酸第二カリウム1〜50重量%、硫酸マグネシ
ウム2〜50重量%、塩化鉄(III )1〜20重量%、
塩化カルシウム0.2〜15重量%、および酵母エキス
0.1〜10重量%を有効成分として含む構成である。
【0198】それゆえ、重油分解菌生育用組成物は、安
価に調製でき、かつ、重油分解菌の生育および重油分解
能の活性化を促進することができる。このため、たとえ
ば、流出した石油成分に対して、重油分解菌生育用組成
物を、そのままの状態で、または、海水等で500倍な
いし2000倍に溶解した水溶液の状態で、あるいは、
これらに細菌混合物を添加した状態で散布等により作用
させることで、該石油成分を安価、簡便、かつ効率的に
分解除去できるという効果を奏する。
【0199】請求項13に記載の重油分解菌生育用組成
物は、以上のように、請求項1ないし8のいずれか1項
に記載の菌株からなる群より選ばれる少なくとも1種の
細菌を生育すべく、硝酸アンモニウム40〜90重量
%、リン酸第二カリウム1〜50重量%、硫酸マグネシ
ウム2〜50重量%、塩化鉄(III )1〜20重量%、
塩化カルシウム0.2〜15重量%、および酵母エキス
0.1〜10重量%を有効成分として含み、かつ、これ
らを、ペレット状に成形し、または、シート状の有機基
材に染み込ませてなる構成である。
【0200】それゆえ、上記菌株をペレット状に成形
し、またははシート状の有機基材に染み込ませることに
より調製し、たとえば、製剤の形状とした重油分解菌生
育用組成物を、砂等の被処理物上に散布するという簡便
な作業によって、被処理物の石油成分分解を行うことが
できる。また、重油分解菌生育用組成物は、固形物とな
っているため、保存、運搬を簡便に行えるという効果を
奏する。
【0201】請求項14に記載の石油成分の処理方法
は、以上のように、請求項1ないし8のいずれか1項に
記載の菌株からなる群より選ばれる少なくともいずれか
1つを用いる構成である。
【0202】それゆえ、上記菌株が、安価な栄養源によ
り簡便に生育することができ、炭化水素を効率的に分解
することができるため、たとえば、流出した石油成分
を、安価、簡便、かつ効率的に分解除去できるという効
果を奏する。
【0203】請求項15に記載の建築土木材料は、請求
項1ないし8のいずれか1項に記載の菌株からなる群よ
り選ばれる少なくともいずれか1つを用いて重油付着土
砂を処理した被処理物を含む構成である。
【0204】それゆえ、従来では焼却して埋め立てる等
しか用途がなかった重油付着土砂を再生利用すべく、道
路舗装用のアスファルトコンクリートやセメントモルタ
ル等の建築土木材料に適用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる細菌混合物による、重油中に含
まれる飽和炭化水素成分の分解除去を、ガスクロマトグ
ラフィー分析による溶出パターンにより示すものであ
り、(a)は分解前の状態を示す説明図、(b)は分解
後の状態を示す説明図である。
【図2】図2(a)は、重油濃度3重量%の重油が付着
した砂に対し、本発明にかかる細菌混合物または重油分
解菌生育用組成物を作用させた場合の残存油量の経日変
化を示すグラフである。図2(b)は、重油濃度7重量
%の重油が付着した砂に対し、本発明にかかる細菌混合
物または重油分解菌生育用組成物を作用させた場合の残
存油量の経日変化を示すグラフである。
【図3】図3(a)〜(c)は、重油濃度3重量%の重
油が付着した砂に対し、本発明にかかる細菌混合物と重
油分解菌生育用組成物とを作用させた場合の飽和炭化水
素画分の経時的変化をガスクロマトグラフィー分析によ
る溶出パターンにより示す説明図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、重油濃度3重量%の重
油が付着した砂に対し、本発明にかかる重油分解菌生育
用組成物を作用させた場合の飽和炭化水素画分の経時的
変化をガスクロマトグラフィー分析による溶出パターン
により示す説明図である。
【図5】図5(a)は、3重量%重油を含有する砂に対
する本発明にかかる細菌混合物または重油分解菌生育用
組成物を用いた処理による重油成分組成の変化を説明す
るグラフである。図5(b)は、7重量%重油を含有す
る砂に対する本発明にかかる細菌混合物または重油分解
菌生育用組成物を用いた処理による重油成分組成の変化
を説明するグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B09C 1/10 ZAB B09B 3/00 ZABE (C12N 1/20 C12R 1:01) (C12N 1/20 C12R 1:38) (C12N 1/20 C12R 1:05) (C12N 1/20 C12R 1:20)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重油分解能を有する、アシネトバクター
    (Acinetobacter)属に属するFERMBP−7046菌
    株。
  2. 【請求項2】重油分解能を有する、アシネトバクター
    (Acinetobacter)属に属するFERMBP−7049菌
    株。
  3. 【請求項3】重油分解能を有する、シュドモナス(Pseu
    domonas)属に属するFERMBP−7047菌株。
  4. 【請求項4】重油分解能を有する、アルカリジェネス
    (Alcaligenes)属に属するFERMBP−7048菌
    株。
  5. 【請求項5】重油分解能を有する、フラボバクテリウム
    (Flavobacterium)属に属するFERMBP−7050
    菌株。
  6. 【請求項6】重油分解能を有する、フラボバクテリウム
    (Flavobacterium)属に属するFERMBP−7051
    菌株。
  7. 【請求項7】重油分解能を有する、フラボバクテリウム
    (Flavobacterium)属に属するFERMBP−7052
    菌株。
  8. 【請求項8】重油分解能を有する、モラキセラ(Moraxe
    lla)属に属するFERMBP−7053菌株。
  9. 【請求項9】アシネトバクター(Acinetobacter)属に属
    するFERMBP−7046菌株、アシネトバクター
    (Acinetobacter)属に属するFERMBP−7049菌
    株、シュドモナス(Pseudomonas ) 属に属するFERM
    BP−7047菌株、アルカリジェネス(Alcaligenes)
    属に属するFERMBP−7048菌株からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する細菌を含
    むことを特徴とする細菌混合物。
  10. 【請求項10】フラボバクテリウム(Flavobacterium)
    属に属するFERMBP−7050菌株、フラボバクテ
    リウム(Flavobacterium)属に属するFERMBP−7
    051菌株、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属
    に属するFERMBP−7052菌株、モラキセラ(Mo
    raxella)属に属するFERMBP−7053菌株からな
    る群より選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する
    細菌を含むことを特徴とする細菌混合物。
  11. 【請求項11】アシネトバクター(Acinetobacter)属に
    属するFERMBP−7046菌株、アシネトバクター
    (Acinetobacter)属に属するFERMBP−7049菌
    株、シュドモナス(Pseudomonas ) 属に属するFERM
    BP−7047菌株、アルカリジェネス(Alcaligenes)
    属に属するFERMBP−7048菌株からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の重油分解能を有する細菌を含
    むことを特徴とする請求項10記載の細菌混合物。
  12. 【請求項12】請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の菌株からなる群より選ばれる少なくとも1種の細菌を
    生育すべく、硝酸アンモニウム40〜90重量%、リン
    酸第二カリウム1〜50重量%、硫酸マグネシウム2〜
    50重量%、塩化鉄(III )1〜20重量%、塩化カル
    シウム0.2〜15重量%、および酵母エキス0.1〜
    10重量%を有効成分として含むことを特徴とする重油
    分解菌生育用組成物。
  13. 【請求項13】請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の菌株からなる群より選ばれる少なくとも1種の細菌を
    生育すべく、硝酸アンモニウム40〜90重量%、リン
    酸第二カリウム1〜50重量%、硫酸マグネシウム2〜
    50重量%、塩化鉄(III )1〜20重量%、塩化カル
    シウム0.2〜15重量%、および酵母エキス0.1〜
    10重量%を有効成分として含み、かつ、これらを、ペ
    レット状に成形し、または、シート状の有機基材に染み
    込ませてなることを特徴とする重油分解菌生育用組成
    物。
  14. 【請求項14】請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の菌株からなる群より選ばれる少なくともいずれか1つ
    を用いることを特徴とする石油成分の処理方法。
  15. 【請求項15】請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の菌株からなる群より選ばれる少なくともいずれか1つ
    を用いて重油付着土砂を処理した被処理物を含むことを
    特徴とする建築土木材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004097962A (ja) * 2002-09-10 2004-04-02 Nippon Steel Corp 汚染土壌の浄化方法
CN100366725C (zh) * 2005-01-26 2008-02-06 清华大学 治理油污土壤的方法及其专用菌群
JP2010022214A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Toyama Univ 新規微生物およびその利用
JP2012228191A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Ishikawa Prefecture 燃料油分解能を有する新規微生物、環境浄化剤、及びそれを用いた環境浄化方法
JP2015012822A (ja) * 2013-07-04 2015-01-22 大和ハウス工業株式会社 嫌気条件下において炭化水素化合物または油分を分解する能力を有する新規微生物

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