JP2003102469A - 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法 - Google Patents

油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法

Info

Publication number
JP2003102469A
JP2003102469A JP2001301979A JP2001301979A JP2003102469A JP 2003102469 A JP2003102469 A JP 2003102469A JP 2001301979 A JP2001301979 A JP 2001301979A JP 2001301979 A JP2001301979 A JP 2001301979A JP 2003102469 A JP2003102469 A JP 2003102469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
strain
microorganism
ferm
soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001301979A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiko Hasumi
文彦 蓮実
Miki Kubo
幹 久保
Ichiro Okura
一郎 大倉
Naoya Ichimura
直也 市村
Masatetsu Kuromoto
雅哲 黒本
Hisami Matsumoto
久美 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Research Institute KRI Inc
Original Assignee
Kansai Research Institute KRI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Research Institute KRI Inc filed Critical Kansai Research Institute KRI Inc
Priority to JP2001301979A priority Critical patent/JP2003102469A/ja
Publication of JP2003102469A publication Critical patent/JP2003102469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】土壌、環境水や生ゴミ中の油分を分解する微生
物およびその微生物を用いた油分分解方法 【解決手段】重油資化率が50重量%以上である、油分
分解性を有するロドコッカス属に属する微生物及び該微
生物を用いた油分分解方法。特に、C2株(FERM P-1850
9)、C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-18511)、C
12株(FERM P-18513)及びC15株(FERM P-18514)から
なる群から選択される菌株の少なくとも1種を用いる、
油分分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油分分解性を有す
る微生物、油分乳化能を有する微生物並びに油分分解方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉱物油、石油、原油、燃料油、潤
滑油、エンジンオイル、動植物油等の油分による土壌・
地下水等の汚染は非常に深刻な環境問題となっている。
このような汚染は、油分精製施設や貯留施設の施設稼動
に伴う漏洩や、施設老朽化に伴う漏洩、大型タンカーの
海難事故や油田事故、各種工業プラントの事故等の産業
活動によるもの、家庭から排出される排水や生ゴミに含
まれる食物残渣中の油分によるものなどで引起こされ、
油分が土壌・地下水・河川・湖沼・海に漏洩・流出・浸
透することになり環境被害をもたらす。このような漏洩
・流出・浸透した油分の除去処理には困難を要し、その
有効な処理技術の確立は非常に重要な技術課題である。
【0003】土壌に漏洩・流出・浸透した油による汚染
土壌の浄化処理法の従来技術は、物理化学的処理法であ
り、具体的には、(1)焼却・熱脱着、(2)洗浄・抽出、
(3)固化・安定化である。物理化学的処理は、エンジニ
アリング的対応ができ、汚染サイトの事情・状況によら
ず、短期間の施工に対応出来るというメリットがあるた
め、従来の処理法として採用されてきた。しかしなが
ら、製油所跡地などの広大な土地の浄化施工する処理コ
ストは高く、また、処理施工に投入するエネルギー量は
膨大となること、処理に伴い発生する処理物、および副
生成物は産業廃棄物処理または、別途の無害化が必要で
あること、固化安定化した汚染土壌を受け入れる管理型
処分場などは、受け入れ余地が無くなっている状況であ
ることなどの理由から、物理化学的処理以外の処理方法
が求められている。物理化学的方法以外の方法であり、
土壌中の汚染化合物を無毒化でき、かつ、処理土壌を再
利用できうる方法として、微生物による有害有機物分解
処理法である、バイオレメディエーションが注目されて
きている。
【0004】土壌汚染の浄化処理と同様に地下水・河川
・湖沼・海を汚染した油分を浄化する方法としても、バ
イオレメディエーションが期待されている。
【0005】従来から、このような土壌や地下水の油汚
染を微生物により分解浄化しようとするバイオレメディ
エーションは多数試みられてきている。その検討の結
果、バイオレメディエーションは、処理工期が長い工法
であるという位置付けがなされてきた。また、この工期
短縮を目的とした検討が多くなされてきているが、有効
な対策が無い状況であった。
【0006】加えて、油汚染土壌中に、あるいは、地下
水中に油分を分解する微生物が存在しないか、あるい
は、存在数が非常に少ない場合には、バイオレメディエ
ーション法の適用ができないという問題点があった。
【0007】このバイオレメディエーションの工期が長
いという問題点および、油分解微生物の土壌中あるい
は、地下水中の存在により該工法適用の範囲・ケースが
限定されるという2つの問題点が、バイオレメディエー
ション実用化の大きな障壁になっている。
【0008】また、元来疎水性である油分を、水に溶解
あるいは分散させ、微生物と油分との接触頻度を高め
て、微生物が有する優れた油分分解活性をさらに高める
方法の提供が望まれている。さらに、土壌等におけるバ
イオレメディエーションについては、油分分解微生物
を、油分を含む土壌あるいは油分中に拡散させ、微生物
のもつ油分分解能力を広範囲に発揮させる方法の提供が
望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油分分解性
を有する微生物、油分乳化能を有する微生物並びに油分
分解方法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ロドコッカス
属に属する微生物が、培養液中の油分を高効率に、かつ
短期間に分解することを見出した。また、該微生物は、
培養液中の油分だけでなく、土壌に含まれる油分をも高
効率に、かつ短期間に浄化できることを見出した。さら
に、バチルス属に属し、油分を乳化する成分を分泌する
微生物を見出し、該微生物を前述のロドコッカス属に属
する油分分解性を有する微生物とともに用いることによ
って、油分をより高効率に、かつ短期間に浄化できるこ
とを見出した。
【0011】すなわち、本発明は、以下の微生物及び油
分分解方法を提供するものである。 項1.重油資化率が50重量%以上である、油分分解性
を有するロドコッカス属に属する微生物。 項2.軽油資化率が70重量%以上である、油分分解性
を有するロドコッカス属に属する微生物。 項3.油分分解性を有するC2株(FERM P-18509)。 項4.油分分解性を有するC4株(FERM P-18510)。 項5.油分分解性を有するC6株(FERM P-18511)。 項6.油分分解性を有するC12株(FERM P-18513)。 項7.油分分解性を有するC15株(FERM P-18514)。 項8.油分乳化能を有するバチルス属に属する微生物。 項9.油分乳化能を有するC9株(FERM P-18512)。 項10.項1〜7のいずれかに記載の微生物を油分含有
処理対象物に作用させることを特徴とする特徴とする油
分分解方法。 項11.前記微生物が、C2株(FERM P-18509)、C4株
(FERM P-18510)、C6株(FERM P-18511)、C12株(FER
M P-18513)及びC15株(FERM P-18514)からなる群から
選択される菌株の少なくとも1種である項10に記載の
方法。 項12.油分含有処理対象物が油分含有土壌である項1
0に記載の方法。 項13.油分分解性を有する微生物と油分乳化能を有す
る微生物を併用して油分含有処理対象物中の油分を分解
することを特徴とする油分分解方法。 項14.油分分解性を有する微生物が、ロドコッカス属
に属する微生物である項13に記載の方法。 項15.油分乳化能を有する微生物がバチルス属に属す
る微生物である項13に記載の方法。 項16.油分分解性を有する微生物が、C2株(FERM P-1
8509)、C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-1851
1)、C12株(FERM P-18513)及びC15株(FERM P-1851
4)からなる群から選択される菌株の少なくとも1種で
ある項13〜15のいずれかに記載の方法。 項17.油分分解性を有する微生物が、C2株(FERM P-1
8509)、C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-1851
1)、C12株(FERM P-18513)及びC15株(FERM P-1851
4)からなる群から選択され、油分乳化能を有する微生
物がC9株(FERM P-18512)である項13に記載の方法。 項18.油分含有処理対象物が油分含有土壌である項1
3に記載の方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の特に好適な油分分解性を
有するロドコッカス属に属する微生物(C2株、C4株、C6
株、C12株、C15株)および本発明の特に好適な油分乳化
性を有する微生物(C9株)は、日本国の土壌から分離さ
れたものである。
【0013】本発明の油分分解性を有する微生物は、培
養液中のみならず土壌中に含まれる油分を効率的に分解
することができる。油分とは、一般に、n−ヘキサンや
四塩化炭素等で抽出される炭化水素、炭化水素誘導体を
いうが、ここではさらに広義の、原油、重油、軽油、灯
油、ガソリン等の燃料油、エンジンオイル、潤滑油等の
鉱物油、ラード、サラダ油等の食品の動植物油等に由来
する脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素、芳香族炭化水
素、多環式芳香族炭化水素(PAHs)等の炭化水素及び炭
化水素誘導体等も含まれる。また、油分を分解すると
は、油分が酸化的分解、または加水分解等により、より
低分子の化合物に分解され、好適には二酸化炭素まで分
解されることであり、油膜を形成せず、油臭気がなくな
り、または/かつ、ガスクロマトグラフィーまたは、機
器分析(IR、HPLC、質量分析装置など)またはバイオ的
分析(抗体など)によって検出される油分が、油分分解
前と比較して、減少している事が確認できること、また
は、検出されなくなる事であり、または/かつ、重量と
して、油分分解前と比較して、減少する事である。本発
明により効率的に分解される油分は、アスファルト成分
やレジン成分以外の脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素
系化合物である。しかしながらこれらアスファルト成分
やレジン成分は揮発性及び溶解性が乏しく、ヒトに吸収
されないので、その毒性は限られている。
【0014】上記油分は、どのような場所に存在して
も、本発明微生物により分解が可能である限り本発明の
微生物の分解対象となる。したがって、例えば、土壌、
環境水(排水、地下水、河川水、湖沼水、海水など)、
廃棄物(産業廃棄物や一般家庭廃棄物(生ゴミ等)な
ど)、工場排水等に含有される油分も分解の対象とな
る。また、燃料油や鉱物油自体の分解処分に加え、油分
精製施設や貯留施設の施設稼動に伴う漏洩や、施設老朽
化に伴う漏洩、使用済みエンジンオイルの漏洩、大型タ
ンカーの海難事故や油田事故、各種工業プラントの事故
等の産業活動により汚染された土壌、海岸や水(地下
水、淡水、海水等の環境水)に含まれる油分や、家庭か
ら排出される排水や生ゴミに含まれる食物残渣中の油分
なども分解の対象となる。従来の油分分解性微生物は、
油分含有培養液などの微生物にとって良好な環境下では
良好な油分分解性を示すものが知られているが、本発明
の油分分解菌は、汚染土壌中の油分などの微生物にとっ
て劣悪な環境下においても油分を効率的に分解すること
ができる。具体的には、例えば、石油精製の原料である
原油、および精製工程過程の油分、精製工程で生じる廃
油成分、および精製された石油の漏洩などにより土壌が
長期に渡り汚染された結果、石油精製設備の土地の地下
が、油分により汚染している場合において、石油精製設
備の廃棄とその土地の転用を検討するためには、地下の
汚染、すなわち、地下水の汚染および土壌の汚染を浄化
する必要が生じる。精製設備が立地する広範な土地の土
壌中の油分を分解処理する必要が生じ、膨大な土壌を対
象とした処理となるため、莫大な費用を要する事とな
る。あるいは、例えば、空港の土壌が、航空機の燃料や
潤滑油により汚染している場合であって、空港の滑走路
の地下を汚染している場合には、滑走路を航空機の離着
陸に運用しながら、地下の土壌の汚染を浄化する必要が
生じる。すなわち、地上の設備は、そのままとし、土地
の表土部分を掘削することなく、地下の油分汚染を浄化
する必要がある。このような場合においても、本発明に
よれば問題となる油分を迅速に分解除去することができ
る。
【0015】本発明において、油分含有処理対象物は、
上記の油分を含有し、本発明の微生物の作用で油分が分
解される限り特に制限されない。例えば、油分含有土
壌、油分含有水(排水、地下水、海水等)、油分含有の
産業廃棄物等が挙げられる。好ましくは油分含有土壌、
油分含有排水である。
【0016】本発明の特に好ましい油分分解菌であるC2
株、C4株、C6株、C12株及びC15株は、上記油分に対して
顕著な分解活性を有する。また、塩分濃度が高い状況で
も高い油分分解性を保持することができる。具体的には
塩分濃度が2重量%以上でも油分分解性を保持すること
ができる。好ましくは塩分濃度は0〜5重量%、さらに
好ましくは0〜4重量%である。この高塩分濃度での油
分分解能は、特に臨海工業地帯などの土地で海水に起因
する高塩分の土壌における油分分解に効果を発揮する。
【0017】本発明のC9株は、油分乳化性を有する。油
分乳化性としては、油分を乳化する成分を分泌する性質
が挙げられる。本発明の油分乳化性を有する微生物は、
界面活性物質の産生能に優れる。界面活性物質とは、親
水基と疎水基の両親媒性構造を有する物質であって、通
常の界面活性剤のように、水と油の界面に吸着してミセ
ルを形成し、水に溶解しにくい油を水に溶解しやすくす
る。こうした界面活性物質の産生により、油分が水に溶
解あるいは分散し、油分分解性微生物と油分との接触頻
度が高まって、油分分解性微生物が油分を資化しやすく
なり、油分分解性微生物の有する優れた油分分解活性が
より発現しやすくなる。また、油分による土壌の汚染を
油分分解性微生物により分解除去する場合にあっては、
界面活性物質の生産により油分分解性微生物が油分を含
む土壌あるいは油分中に拡散しやすくなり、同様に微生
物と油分との接触頻度が高まって、優れた油分処理効果
を発現する。
【0018】油分の分解能力のある微生物C2株、C4株、
C6株、C12株およびC15株並びに油分を乳化する成分を分
泌する能力のある微生物C9株の分離および同定は次の方
法により行った。
【0019】内容量500mlの振盪培養フラスコに、表1
に示すSohngen最少培地100mlおよび使用済み自動車エン
ジンオイル1mlとを加え、集積培養用培地とした。
【0020】
【表1】
【0021】日本国で採取した土壌1gを集積培養用培
地に懸濁し、30℃恒温下、120rpmの条件で7日間振盪培
養を行った(1次集積培養)。7日間の培養終了後、同一
組成の新たな集積用培地100mlに、1次集積培養液1mlを
植菌し、同様の条件下で7日間の集積培養を行った(2次
集積培養)。集積培養後、最少平板培地上(Sohngenの
最小培地に1.5 %の寒天を添加し平板上にしたもの)に
希釈した2次集積培養液100μlを植菌後、エンジンオイ
ル廃油100μlを塗布し、静置培養を行った。静置培養終
了後、形成されたコロニーを、白金耳を用いてLB平板培
地(表2に示すLB培地に寒天15gを加え平板状にしたも
の)上に画線することにより、油分成分の分解能力のあ
る微生物C2株、微生物C4株、微生物C6株、微生物C12
株、および、微生物C15株を分離した。
【0022】
【表2】
【0023】同様に、エンジンオイル廃油100μlを塗布
した寒天平板培地上で生育したコロニー周辺の塗布油分
成分の乳化を指標として、集積培養を行った試料から油
分を乳化する成分を分泌する能力のある微生物C9株を分
離した。
【0024】分離した菌株の同定は、菌株の16SrRNA遺
伝子の一部の塩基配列を解析することにより行った。す
なわち、各菌株の16SrRNA遺伝子の一部をPCR法により増
幅処理したDNA断片をクローニングして、塩基配列の分
析を行った。
【0025】16SrRNA遺伝子の中央部分を増幅するプラ
イマーを用いて、以下の条件でPCR反応を行った。反応
組成を下記表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】PCR反応の条件は以下の通り行なった。反
応温度94℃反応時間5分処理を行い、変性反応(温度94
℃、1分間)+アニーリング反応(温度70℃、1分間)+
伸長反応(温度72℃、1分間)のサイクルを2サイクル繰
返し、反応条件のうちアニーリング反応温度を1℃さげ
たサイクルを2サイクル繰返し、以後、アニーリング反
応温度を1℃づつさげて、アニーリング反応温度が61℃
になるまで、2サイクルづつ繰り返した。引続き、変性
反応(温度94℃、1分間)+アニーリング反応(温度60
℃、1分間)+伸長反応(温度72℃、1分間)のサイクル
を20サイクル繰り返した。20サイクル終了後、温度72
℃、3分間インキュベートした。PCR反応終了後、PCR産
物の確認を1.5%アガロースゲル電気泳動により行っ
た。
【0028】DNA Ligation Kit Ver.2 (TAKARA)を用い
て、PCR反応にて得られた増幅DNA断片とクローニングベ
クターpT7Blue T-Vector only (Novagen社製品)の結合
反応を行った。つぎに、結合反応処理した試料を形質転
換用大腸菌Competent High DH5α(TOYOBO)に形質導入操
作を行った。選抜薬剤を含有したLB培地の寒天平板培地
に形質導入処理した大腸菌を塗布してコロニーを形成さ
せ、インジケータ色素を指標として、目的DNA断片が挿
入されたベクターを保持する大腸菌菌株を取り出した。
【0029】ベクターに目的DNA断片が挿入されている
事をミニプレップ法にて確認した後に、大腸菌からベク
ターを回収して、遺伝子配列分析用の試料とした。回収
したベクターDNAを鋳型としてpUC-M13(5’-GTTTTCCCAG
TCACGACG-3’)(配列番号7)及びT7-Pro(5’-TAATAC
GACTCACTATAGGG-3’)(配列番号8)の2種類のプライ
マーを用い、BigDye Terminator Cycle Sequencing FS
Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を使用して、DNA
配列分析装置で分析する試料を調製した。
【0030】調製した試料の塩基配列の分析は、遺伝子
配列解析装置ジェネティックアナライザ ABI PRISM 310
(ABI社製品)を用いて行った。油分の分解能力のある
微生物C2株、C4株、C6株、C12株及びC15株の16SrRNA領
域の中央部分の配列をそれぞれ配列番号1〜5に示し、
油分を乳化する成分を分泌する能力のある微生物C9株の
16SrRNA領域の配列を配列番号6に示す。
【0031】解析した16SrRNA遺伝子配列の配列データ
とDNAデータベースに収録されている16SrRNA遺伝子配列
情報との相同検索を行った結果、油分成分の分解能力の
ある微生物C2株、C4株、C6株、C12株およびC15株は、ロ
ドコッカス属に属する菌株であり、C2株、C4株、C6株、
C12株については、公知菌株の16SrRNA領域の配列と一致
せず、新規菌株であると考えられる。C15株は、ロドコ
ッカス属エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)
の配列と一致した。また、同様に16SrRNA領域の相同検
索の結果、油分乳化性を有する微生物C9株は、バチルス
属ズブチルス(Bacillus subtilis)の16SrRNA領域の配
列と一致した。C15株に関しては、油分分解性がロドコ
ッカス属エリスロポリスと相違したため、新菌株である
と同定した。また、C9株は油分乳化性がバチルス属ズブ
チルスと相違したため、新菌株と同定した。
【0032】本発明の6種の菌株の菌学的性質を表4に
示す。
【0033】
【表4】
【0034】C2株、C4株、C6株、C12株、C15株、C9株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、それぞれ受
託番号FERM P-18509、FERM P-18510、FERM P-18511、FE
RM P-18513、FERM P-18514、FERM P-18512として寄託さ
れている。
【0035】本発明の油分分解性を有するロドコッカス
属に属する微生物は重油資化率が50重量%以上である。
ここで重油資化率は、JIS規格のC-重油を2重量%含有す
る培養液中で微生物を3〜10日間培養した後の培養液中
の油分を計量し、実施例1中の「(4)重量資化率の測
定」に記載の方法で計算して得られる値をいう。なお、
培養液にはC-重油以外の油分を含めてはならない。
【0036】また、本発明の油分分解性を有するロドコ
ッカス属に属する微生物は軽油資化率が70重量%以上で
ある。ここで軽油資化率は、JIS規格の軽油を2重量%含
有する培養液中で微生物を3〜10日間培養した後の培養
液中の油分を計量し、実施例1中の「(4)重量資化率
の測定」に記載の方法で計算して得られる値をいう。な
お、培養液には軽油以外の油分を含めてはならない。
【0037】本発明の油分分解性を有する微生物による
処理対象が土壌の場合には、例えば、本発明の菌を含ん
だ液体(組成:LB培地、あるいは、土壌微生物の生育に
適した無機塩類を含む培地、あるいは、農業園芸用の肥
料液または、それらを溶解した液)を、土壌1m3あた
り菌数109〜1015となるように土壌に播種する方法や、
その液を地下に掘削挿入した井戸またはパイプから注入
・圧入する方法、その液を土壌中に埋設挿入したパイプ
から注入・圧入する方法、例えば、本発明の菌株を適当
なバインダー、または担体とともに、使用しやすい固形
形態(ペレット状、粉末状、繊維状等)に加工し、これ
を土壌に散布して、混合する方法、あるいは、土壌に水
を加えてスラリー状として、攪拌しながら、上記の菌液
または固形形態に加工した菌体または、培養した菌体培
養液を添加する方法が採用される。
【0038】また、本発明の油分分解性を有する微生物
による処理対象が水(地下水、海水、河川水、排水、湖
沼水等)の場合には、例えば、本発明の菌株を適当なバ
インダーとともに、使用しやすい固形形態(ペレット
状、粉末状等)に加工し、これを被処理水に供給する方
法;本発明の菌株を含んだカラムを作成し、このカラム
に被処理水を通過させる方法;本発明の菌株を含んだ液
体(組成:LB培地、あるいは、土壌微生物の生育に適し
た無機塩類を含む培地、あるいは、農業園芸用の肥料液
または、それらを溶解した液)を被処理水1m3あたり
菌数109〜1015となるようにを被処理水と混合する方法
などが採用される。
【0039】また、本発明の菌株による処理対象が潤滑
油、切削油、燃料油等の液体油分である場合には、例え
ば、鉄やガラスなどの耐有機溶媒性の素材で構築したリ
アクターに液体油分を投入し、培地で培養した本発明の
菌を含んだ液体(組成:LB培地、あるいは、土壌微生物
の生育に適した無機塩類を含む培地、あるいは、農業園
芸用の肥料液または、それらを溶解した液であって、菌
を1m3あたり109〜10 15含有する)を添加して、攪拌す
る方法が採用される。
【0040】また、本発明の菌株による処理対象が、固
体に付着した油分の場合には、例えば、直接本発明の菌
株を含んだ液体で固体を処理しても良いし、固体に付着
した油分を適切な有機溶媒(例えば、クロロホルム、あ
るいは、クロロホルムとメタノールの混合液 あるい
は、超臨界状態の二酸化炭素あるいはノルマルヘキサン
等)で抽出し、その抽出物を本発明の菌株で処理しても
良い。
【0041】また、本発明の菌株による処理対象が生ゴ
ミの場合、例えば、本発明の菌株を適当なバインダーと
ともに、使用しやすい固形形態(ペレット状、粉末状
等)に加工し、これを生ゴミに散布あるいは混合する方
法や、本発明の菌株を含んだ液体(組成:LB培地、ある
いは、土壌微生物の生育に適した無機塩類を含む培地、
あるいは、農業園芸用の肥料液または、それらを溶解し
た液であって、菌を1m 3あたり109〜1015含有する)を
生ゴミに、添加する、あるいは、噴霧するなどの方法が
採用される。
【0042】本発明の油分乳化能を有する微生物は、油
分分解性を有する微生物と併用されることによって、油
分の分解を促進する。例えば、油分分解性を有する微生
物に対して、該油分分解性を有する微生物の菌数の0.1
〜1000%、好ましくは0.1〜10%の油分乳化能を有する
微生物が併用される。併用方法、併用時期は、油分乳化
能が発揮される限り制限されない。併用時期は、例え
ば、油分分解性を有する微生物とともに被処理物に添加
しても良いし、油分乳化能を有する微生物を被処理物に
添加してから油分分解性を有する微生物を該被処理物に
添加しても良いし、油分分解性を有する微生物を被処理
物に添加してから油分乳化能を有する微生物を該被処理
物に添加しても良い。
【0043】また、併用方法は、例えば、油分分解性を
有する微生物を含んだ液体(組成:LB培地、あるいは、
土壌微生物の生育に適した無機塩類を含む培地、あるい
は、農業園芸用の肥料液または、それらを溶解した液)
に該油分乳化能を有する微生物を含む液体(組成:LB培
地、廃糖蜜を含有する培地など、バチルス属微生物が生
育するに好適な培地)を微生物数の比率で例えば100対1
0で混合して、散布または噴霧する。この場合、該油分
乳化能を有する微生物の菌数は、油分分解性を有する微
生物の菌数の0.1〜1000%で、適用する対象によって比
率を変えることが出来る。
【0044】また、該混合菌の液体を適当なバインダ
ー、または担体とともに、使用しやすい固形形態(ペレ
ット状、粉末状、繊維状等)に加工して、使用する事も
出来る。該油分乳化能を有する微生物を含む液体(組
成:LB培地、廃糖蜜を含有する培地など、バチルス属微
生物が生育するに好適な培地)を油分で汚染された土
壌、水、生ゴミ、産業廃棄物などに散布または噴霧し
て、油分を乳化させ、乳化油分を除去したのちに、油分
分解性を有する微生物を含む前述の液体または固形形態
の加工物を使用する事もできる。この場合には、該油分
乳化能を有する微生物を含む液体(組成:LB培地、廃糖
蜜を含有する培地など、バチルス属微生物が生育するに
好適な培地)から該油分乳化能を有する微生物を除去し
た液体を使用しても良い。さらには、油分分解性を有す
る微生物を含む前述の液体または固形形態の加工物を油
分で汚染された土壌、水、生ゴミはたは産業廃棄物に散
布、噴霧などをして、油分の分解を行なわせしめた後
に、該油分乳化能を有する微生物を含む液体(組成:LB
培地、廃糖蜜を含有する培地など、バチルス属微生物が
生育するに好適な培地)または、この液体を用いて作成
した固形形態の加工物を添加する事もできる。もちろ
ん、この場合においても、該油分乳化能を有する微生物
を含む液体(組成:LB培地、廃糖蜜を含有する培地な
ど、バチルス属微生物が生育するに好適な培地)から該
油分乳化能を有する微生物を除去した液体を使用しても
良い
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0046】実施例1 実験には、油分として、JIS規格に適合した市販の軽油
またはC-重油を用いた。また、市販の油分分解性微生物
剤として、OP(Oppenheimer biotechnology社製)及
びXII(Enviroflow社製)を使用した。
【0047】培養及び実験方法 前培養から油分の定量までの操作を図1に図示した。以
下、前培養〜GC分析までの各操作について手順、方法を
概説する。
【0048】液体培地による油分の分解性能の評価 (1)菌株の前培養 各実験の開始前には、LB平板培地(滅菌蒸留水1リット
ル中にペプトン10g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム5
g、寒天15gを加え平板状にした培地)上で培養を行っ
ている菌株(C2株、C4株、C6株、C12株、C15株)を、表
5に示す組成のLB培地に植菌し、30℃恒温下で18時間振
とう培養を行った。得られた培養液を前培養液とした。
【0049】
【表5】
【0050】(2)本培養 油分含有培地中で微生物を培養した。油分分解性能評価
用の液体培地には改変W培地を用いた。滅菌した各培地2
0mlに、培地に対して2wt%に相当する未滅菌の油分及び
1wt%の前培養液等を加え、VISION SCIENTIFIC社製の振
とう培養器(KMC-8480SFN)で、振とう速度120rpm、30
℃恒温下で3又は10日間の振とう培養を行った。培養容
器は、側面に3ヶ所のバッフル(凸部)を有するIWAKI社
製の100ml三角フラスコであり、滅菌処理を行って実験
に供した。培養数は同一条件についてn=3とした。液体
培養条件を表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】なお、改変W培地は、滅菌蒸留水中に、5%
の溶液A、20%の溶液B、0.1%のSS溶液、0.05%のポリ
ペプトン及び0.025%の乾燥酵母エキスを含む培地であ
る。溶液A、溶液B及びSS溶液の組成を表7〜9に示す。
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】(3)抽出(液体培地) 油分の抽出用溶媒として、容積9mlのクロロホルム:メ
タノール=3:1(容積比)混合溶媒(以下、CM混合溶媒
とする)を用いた。抽出手順は図2に示すとおりであ
る。なお、遠心チューブには、NALGEN社製のTeflon FEP
(fluorinated ethylene propylene) 30ml有機溶媒耐性
遠心管を用いた。 (4)重量資化率の測定 図2に示した手順により得られた抽出試料4mlを、重量
既知の試料ビンに計り取り、3日間室温で風乾させ、残
存する油分の質量(X)を計量した。
【0057】重量資化率は以下の式により算出した。油
分分解性能は、同一条件についてn=3で実施した結果の
平均値から評価した。
【0058】 消費量(g) = 油分添加量(g) − 残存油分量(g) 消費率(%) = (消費量(g)/油分添加量(g))×100 重量資化率(%) = 消費率(%) − コントロール消費率(%) ※・油分添加量: 0.4g(添加量を秤量) ・残存油分量: 風乾後の油分の質量(X) g/4 ml×(3
/4)×9 ml (g) ・コントロール消費率: 菌体(前培養液)を添加しな
い時の消費率 (%) (5)GC資化率の測定 軽油中に含まれる炭素数9〜26のn−アルカン成分をFID
付きキャピラリーガスクロマトグラフ(以下、GCとす
る)によって分析した。
【0059】良好な分離ピークを得るため、抽出試料
は、2,000ppmの内部標準(炭素数18のオレフィン、以下
1-C18とする)を添加したクロロホルムによって1/10に
希釈し、分析用の試料とし、内部標準によって補正を加
えた。
【0060】n−アルカン成分の分解活性は、炭素数9
〜26までの各ピーク面積の合計値を用い、同一条件につ
いてn=3で実施した実験結果の平均値から評価した。な
お、軽油に含まれる炭素数9〜26までのn-アルカンは、
軽油中の全炭化水素の約25%を占める。
【0061】GC分析条件は表10に示すとおりである。
【0062】
【表10】
【0063】軽油中のn−アルカンの分解活性(以下、
GC資化率)は以下の式により算出した。
【0064】GC資化率(%)=(培養後試料のTotal Area
×培養後試料の補正項)/(リファレンス試料のTotal
Area×培養後試料の補正項) ※・培養後試料のTotal Area=C9からC26までのピーク
面積の合計 ・リファレンス試料のTotal Area=菌体を添加しないで
培養した試料のC9からC26までのピーク面積の合計 ・培養後試料の補正項=(抽出内標(1-C18)単体のAre
a)/(培養後試料中の抽出内標(1-C18)のArea) ・リファレンス補正項=(抽出内標(1-C18)単体のAre
a)/(リファレンス試料中の抽出内標(1-C18)のArea) 軽油分解実験の結果、C2,C4,C6,C12,C15の菌株のGC資化
率および重量資化率を図3に示した。
【0065】重油分解実験の結果、C2,C4,C6,C12,C15の
菌株の重量資化率を図4に示した。
【0066】図3、図4に示されるように、本発明の各
油分分解菌は、公知の油分分解菌と比較して、極めて優
れた軽油資化性及び重油資化性を有することが明らかに
なった。 実施例2:接種菌株の実汚染土壌での競合特性 該実施例にて示した実験において用いた土壌は、廃棄さ
れる石油精製設備の撤去に伴い、土壌汚染が判明した土
地から採取した汚染土壌であって、石油精製設備から漏
洩した原油および精製過程の油分である重油、軽油など
により汚染された土壌であった。また、外見は、黒褐色
の油分が汚染している様子、すなわち重油油分に汚染し
ていることが、目視にて確認でき、また、油臭がある。
この実汚染土壌の含水率は7.16%であったので、この土
壌50g中の水分は3.58gと算出される。
【0067】この実汚染土壌50gをビーカーに入れ、土
壌中の水分3.58gを考慮して、改変W液体培地を添加し
た。すなわち、実施例1で使用した改変W培地の3倍濃度
の改変W培地を1.67g添加し、土壌中の水分と添加した液
体培地とを合わせると実施例1で使用した改変W培地と
ほぼ同じ濃度となるようにした。次に菌体数106の菌を
この実汚染土壌50gに対して添加した。培養温度は30
℃、培養期間は18日とした。菌株には、本発明菌株C4株
およびC12株を用いた。なお、リファレンス試料(Ref)
には、培地に変えて同量の滅菌蒸留水を添加した。ビー
カーの口は開放しておいた。
【0068】培養後、土壌0.5gに、リン酸ナトリウム緩
衝液1ml加え、振動攪拌破砕する装置にて土壌中の微
生物を破砕し、その試料を遠心処理して上清を取り出し
た。この上清を精製して、PCR用鋳型DNAを得た。このDN
Aを鋳型として、16SrRNA遺伝子の中央部分を増幅できる
プライマーを用いて増幅処理をおこなった。この増幅試
料を変性濃度勾配ゲル電気泳動(以下、DGGEとする)分
析にかけた。
【0069】DGGE分析の結果を図5に示す。図5中の"O
ri"は、C12株のDGGE分析結果であり、C4株についても同
一のバンドパターンが得られている。C12及びC4株に特
徴的なバンドは、図5に示す2ヶ所に現れ、このバンド
の存在によってC4又はC12株の存在が確認される。
【0070】"intl"は、本発明の菌株の植菌前の実汚染
土壌のDGGE分析結果である。C4株やC12株とは異なる位
置に複数のバンドが認められた。このことから、実汚染
土壌中には、C4株やC12株と遺伝子学的に近縁の菌株は
存在しておらず、その他の複数の菌株が存在しているこ
とがわかった。
【0071】"Ref"は、C4及びC12を植菌せず、培地に代
えて滅菌蒸留水を添加した土壌を対象として解析したDG
GE分析結果である。
【0072】培養5日目のDGGE分析結果から、C4及びC12
株を植菌した試料には、実汚染土壌に存在していた菌株
由来のバンドに加え、C4及びC12由来の特徴的なバンド
が強く現れ、C4及びC12の存在が確認される。培養18日
目の結果にも、培養5日目と同様、C4及びC12由来の特徴
的なバンドが現れ、C4及びC12の存在が確認される。こ
のことからC4株及びC12株は、栄養塩を添加して培養し
た場合にも、元々土壌に含まれていた菌株と競合して実
汚染土壌中で増殖可能であることが確認される。
【0073】なお、C4株とC12株を植菌した試料のバン
ドパターンはほぼ同等であるが、5日目と比較すると、1
8日目の試料のバンドパターンは若干異なり、実汚染土
壌に存在していた菌株については菌相が変化しているこ
とがわかる。 実施例3:塩分濃度の影響(液体培地での評価) 海岸における油汚染土壌、及び塩分濃度の高い地下水が
存在する場所等の塩分の存在する状況での適用を想定
し、塩分(塩化ナトリウム)濃度が軽油の重量資化率に
及ぼす影響を調査した。塩分濃度は培地の質量に対して
2wt%、軽油は培地の質量に対して2wt%、培地はsohnge
n培地、培養日数3日、培養温度30℃、前培養条件は
実施例1と同様として培養し、軽油の重量資化率を測定
した。菌株には、本発明の5株(実施例)、鉱物油で汚
染された海岸の土壌から分離され、耐塩性及び油分分解
性が期待されるC16〜C21株(比較例)、2株の市販製剤
(比較例)を使用した。
【0074】結果を図6に示す。図6から解るように、
C16〜C21株、及び市販製剤は2wt%の塩分存在下で軽油
の分解性能が失われた。本発明の各種菌株は2wt%の塩
分存在下で30%以上の軽油の重量資化率を保ってお
り、塩分存在下でも有効な軽油分解性能を発現できるこ
とが明らかになった。
【0075】培養日数3日では、30%強の軽油の重量
資化率であり、主として分解されやすい脂肪族直鎖炭化
水素と、脂肪族分枝鎖炭化水素及び脂環式炭化水素の一
部とが分解されていると推測されるが、培養日数を多く
すると、次第に脂肪族分枝鎖炭化水素、脂環式炭化水素
及び芳香族炭化水素が分解されていくと推測される。
【0076】実施例4:特定油分(多環状芳香族炭化水
素等)の分解特性 本発明菌株の油分に対する分解特性
を評価するため、直鎖炭化水素(n-オクタデカン)、環
状飽和炭化水素(n-ドデシルシクロヘキサン)、芳香環
含有炭化水素(n-ドデシルベンゼン)及び多環芳香族化
合物(アントラセン、フェナントレン)を含有する油分
(n-ヘキサデカン)の分解実験を行った。
【0077】GC分析用の試料には、培養後の抽出試料を
直接(クロロホルムでの希釈を行わない)使用し、培養
前後における各成分の濃度変化から分解状況を評価し
た。表11及び12は、特定油分の組成及び各成分のGC
分析におけるリテンションタイムを示す。
【0078】
【表11】
【0079】
【表12】
【0080】菌株には、軽油や重油の分解性能に優れた
5株(C2、C4、C6、C12、C15株:実施例)、C22菌株(比
較例)、および市販製剤XIIを用いた。なお、C22菌株
は、多環芳香族化合物で汚染された土壌から多環芳香族
化合物、例えば、ベンツピレン、アントラセン、ピレン
等を炭素源として培養し、分離した菌株であり、多環芳
香族化合物の分解に優れていることが期待される。
【0081】培地には実施例1で使用した改変W培地を
用い、特定油分(n-ヘキサデカン中に表11に示す5種
の特定成分を含む油分)の濃度は培地の質量に対して2w
t%とした。培養日数は10日である。
【0082】図7〜図9に、特定油分に含まれる各成分
のGC資化率の測定結果を示した。
【0083】図7Aに示すように、本発明菌株のn-ヘキ
サデカン(炭素数16の直鎖炭化水素:特定油分の溶媒)
のGC資化率は、約70〜90%に達しており、特にC6、C15
株等の分解性能が優れている。これに対し、C22株及びX
II株のGC資化率は10%にも満たなかった。なお、実施例
1と同様の条件で、C22株の軽油及び重油の分解性を評
価した結果、C22株は、軽油または重油をほとんど分解
できないことがわかった。比較対照のC22株は、純粋な
炭化水素を分解する性能を有しているが、実際の分解対
象となる軽油や重油を分解することができないことが示
された。その理由としては、軽油や重油に含まれるなん
らかの成分によって、菌株の増殖が阻害されることが考
えられる。
【0084】図7Bに、n-オクタデカン(炭素数18の直
鎖炭化水素:2500ppm)のGC資化率を示す。本発明の菌
株は、C22株やXII株よりもはるかに優れたn-オクタデカ
ン資化率を示した。 図8A及びBには、n-ドデシルシ
クロヘキサン及びn-ドデシルベンゼンのGC資化率を示し
た。本発明の菌株は、C22株やXII株よりもはるかに優れ
たn-ドデシルシクロヘキサン又はn-ドデシルベンゼン資
化率を示した。図7及び図8から、本発明菌株による環
状炭化水素と単環の芳香族炭化水素の分解速度はほぼ等
しいことが確認された 図9A及びBには、フェナントレン及びアントラセンの
GC資化率を示した。本発明の菌株は、C22株やXII株より
もはるかに優れたフェナントレン又はアントラセン資化
率を示した。
【0085】実施例5:C9株の界面活性能 洗浄したシャーレに蒸留水を20ml加え、その上に原油10
0μlを滴下した。蒸留水上に形成された油膜中央に、LB
液体培地により培養したC9株の菌液100μlを滴下し、滴
下後直ちに、菌液周囲に形成された廃油排除部分(ハロ
ー)の直径を測定し、ハロー面積を算出した。界面活性
物質産生能は、形成ハローの面積が大きいもの程優れて
おり、これを菌液1mlあたりの形成ハロー面積(cm2)で
評価した。すなわち、菌液1mlにより1cm2の油膜が排除
された場合を1ユニット/mlとして評価した。結果を表
13に示した。C9株の界面活性物質産生能は82ユニット
/mlであり、C9株が優れた界面活性物質生産性を有する
ことが示される。
【0086】
【表13】
【0087】実施例6:界面活性物質生産菌体との組み
合わせ 本実施例では、油分分解性能に優れた菌株C4株、界面活
性物質産生菌C9株組合せ効果を実験した。2%の軽油を
含ませた珪砂を模擬汚染土壌とした。菌数106のC4株を
含む改変W培地0.5ml、または、菌数106のC4株および
菌数106のC9株を含む改変W培地0.5mlを、それぞれ、5
0gの模擬汚染土壌に添加し、実験に供した。30℃、6
日間静置し、土壌に含まれる油分を実施例1と同様な方
法で抽出処理を行ない、軽油の重量資化率を測定した。
その結果、C4株単独で処理する場合と比較して、C4株と
C9株との混合接種は、16倍の油分を資化していることが
わかった。
【0088】
【発明の効果】本発明によって提供される微生物は、従
来の市販されている油分分解性微生物より優れた油分分
解性を有し、土壌中の環境でもその油分分解性を失うこ
とがない。油分などに含まれる脂肪族炭化水素に加え、
難分解性であるナフテン、アロマテックス、PAHsを含む
油分に対して優れた分解活性を有する。このため、本微
生物を様々な形態で利用することにより、土壌や地下
水、排水、廃棄物に含有される油分を高効率に、かつ短
期間に分解除去することが可能になる。また、本発明
は、優れた界面活性物質産生能を有する微生物も提供す
る。産生された界面活性物質は、分解の対象となる油分
を、水に容易に溶解あるいは分散させ、微生物と油分と
の接触頻度を高めて、あるいは、当該微生物を、油分を
含有する土壌あるいは油分中に容易に拡散させ、結果的
に、土壌や水、廃棄物中の油分をさらに短期間に分解除
去することを可能にする。
【0089】本発明によって提供される微生物は、汚染
土壌や汚染した水(地下水)や廃棄物に接種することが
でき、速やかに、高効率で油汚染を分解浄化できる。こ
のため、汚染サイトの汚染土壌・地下水中の油分分解菌
の存在の有無に関わらず、バイオレメディエーションの
様々な施工工法をサイトに適用することが可能となる。
【0090】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Knasai Research Institute, Inc. <120> Oil decomposing microorganism and method for oil decomposition thereby <130> 37601JP <140> <141> <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 567 <212> DNA <213> Rhodococcus sp. <400> 1 cctacgggag gcagcagtgg ggaatattgc acaatgggcg aaagcctgat gcagcgacgc 60 cgcgtgaggg atgacggcct tcgggttgta aacctctttc agcagggacg aagcgcaagt 120 gacggtacct gcagaagaag caccggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg taatacgtag 180 ggtgcaagcg ttgtccggaa ttactgggcg taaagagttc gtaggcggtt tgtcgcgtcg 240 tttgtgaaaa ccagcagctc aactgctggc ttgcaggcga tacgggcaga cttgagtact 300 gcaggggaga ctggaattcc tggtgtagcg gtgaaatgcg cagatatcag gaggaacacc 360 ggtggcgaag gcgggtctct gggcagtaac tgacgctgag gaacgaaagc gtgggcagcg 420 aacaggatta gataccctgg tagtccacgc cgtaaacggt gggcgctagg tgtgggttcc 480 ttccacggaa tccgtgccgt agctaacgca ttaagcgccc cgcctgggga gtacggccgc 540 aaggctaaaa ctcaaaggaa ttgacgg 567 <210> 2 <211> 567 <212> DNA <213> Rhodococcus sp. <400> 2 cctacgggag gcagcagtgg ggaatattgc acaatgggcg aaagcctgat gcagcgacgc 60 cgcgtgaggg atgacggcct tcgggttgta aacctctttc agcagggacg aagcgcaagt 120 gacggtacct gcagaagaag caccggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg taatacgtag 180 ggtgcaagcg ttgaccggaa ttactgggcg taaagagttc gtaggcggtt tgtcgcgtcg 240 tttgtgaaaa ccagcagctc aactgctggc ttgcaggcga tacgggcaga cttgagtact 300 gcaggggaga ctggaattcc tggtgtagcg gtgaaatgcg cagatatcag gaggaacacc 360 ggtggcgaag gcgggtctct gggcagtaac tgacgctgag gaacgaaagc gtgggtagcg 420 aacaggatta gataccctgg tagtccacgc cgtaaacggt gggcgctagg tgtgggttcc 480 ttccacggaa tccgtgccgt agctaacgca ttaagcgccc cgcctgggga gtacggccgc 540 aaggctaaaa ctcaaaggaa ttgacgg 567 <210> 3 <211> 567 <212> DNA <213> Rhodococcus sp. <400> 3 cctacgggag gcagcagtgg ggaatattgc acaatgggcg aaagcctgat gcagcgacgc 60 cgcgtgaggg atgacggcct tcgggttgta aacctctctc agcagggacg aagcgcaagt 120 gacggtacct gcagaagaag caccggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg taatacgtag 180 ggtgcaagcg ttgtccggaa ttactgggcg taaagagttc gtaggcggtt tgtcgcgtcg 240 tttgtgaaaa ccagcagctc aactgctggc ttgcaggcga tacgggcaga cttgagtact 300 gcaggggaga ctggaattcc tggtgtagcg gtgaaatgcg cagatatcag gaggaacacc 360 ggtggcgaag gcgggtctct gggcagtaac tgacgctgag gaacgaaagc gtgggtagcg 420 aacaggatta gataccctgg tagtccacgc cgtaaacggt gggcgctagg tgtgggttcc 480 ttccacggaa tccgtgccgt agctaacgca ttaagcgccc cgcctgggga gtacggccgc 540 aaggctaaaa ctcaaaggaa ttgacgg 567 <210> 4 <211> 566 <212> DNA <213> Rhodococcus sp. <400> 4 cctacgggag gcagcagtgg ggaatattgc acaatgggcg aaagcctgat gcagcgacgc 60 cgcgtgaggg atgacggcct tcgggttgta aacctctttc agcagggacg aagcgcaagt 120 gacggtacct gcagaagaag caccggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg taatacgtag 180 ggtgcaagcg ttgtccggaa ttactgggcg taaagagttc gtaggcggtt tgtcgcgtcg 240 tttgtgaaaa ccagcagctc aactgctggc ttgcaggcga tacgggcaga cttgagtact 300 gcaggggaga ctggaattcc tggtgtagcg gtgaaatgcg cagatatcag gaggaacacc 360 gtggcgaagg cgggtctctg ggcagtaact gacgctgagg aacgaaagcg tgggtagcga 420 acaggattag ataccctggt agtccacgcc gtaaacggtg ggcgctaggt gtgggttcct 480 tccacggaat ccgtgccgta gctaacgcat taagcgcccc gcctggggag tacggccgca 540 aggctaaaac tcaaaggaat tgacgg 566 <210> 5 <211> 567 <212> DNA <213> Rhodococcus sp. <400> 5 cctacgggag gcagcagtgg ggaatattgc acaatgggcg aaagcctgat gcagcgacgc 60 cgcgtgaggg atgacggcct tcgggttgta aacctctttc agcagggacg aagcgcaagt 120 gacggtacct gcagaagaag caccggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg taatacgtag 180 ggtgcaagcg ttgtccggaa ttactgggcg taaagagttc gtaggcggtt tgtcgcgtcg 240 tttgtgaaaa ccagcagctc aactgctggc ttgcaggcga tacgggcaga cttgagtact 300 gcaggggaga ctggaattcc tggtgtagcg gtgaaatgcg cagatatcag gaggaacacc 360 ggtggcgaag gcgggtctct gggcagtaac tgacgctgag gaacgaaagc gtgggtagcg 420 aacaggatta gataccctgg tagtccacgc cgtaaacggt gggcgctagg tgtgggttcc 480 ttccacggaa tccgtgccgt agctaacgca ttaagcgccc cgcctgggga gtacggccgc 540 aaggctaaaa ctcaaaggaa ttgacgg 567 <210> 6 <211> 588 <212> DNA <213> Bacillus sp. <400> 6 cctacgggag gcagcagtag ggaatcttcc gcaatggacg aaagtctgac ggagcaacgc 60 cgcgtgagtg atgaaggttt tcggatcgta aagctctgtt gttagggaag aacaagtacc 120 gttcgaatag ggcggtacct tgacggtacc taaccagaaa gccacggcta actacgtgcc 180 agcagccgcg gtaatacgta ggtggcaagc gttgtccgga attattgggc gtaaagggct 240 cgcaggcggt ttcttaagtc tgatgtgaaa gcccccggct caaccgggga gggtcattgg 300 aaactgggga acttgagtgc agaagaggag agtggaattc cacgtgtagc ggtgaaatgc 360 gtagagatgt ggaggaacac cagtggcgaa ggcgactctc tggtctgtaa ctgacgctga 420 ggagcgaaag cgtggggagc gaacaggatt agataccctg gtagtccacg ccgtaaacga 480 tgagtgctaa gtgttagggg gtttccgccc cttagtgctg cagctaacgc attaagcact 540 ccgcctgggg agtacggtcg caagactgaa actcaaagga attgacgg 588 <210> 7 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 7 gttttcccag tcacgacg 18 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer <400> 8 taatacgact cactataggg 20
【図面の簡単な説明】
【図1】前培養から油分の定量までの操作を示す図であ
る。
【図2】培養液から油分を抽出する操作手順を示す図で
ある。
【図3】本発明菌株及び市販菌株の軽油GC資化率および
軽油重量資化率を示す図である。
【図4】本発明菌株及び市販菌株の重油重量資化率を示
す図である。
【図5】C4及びC12株を植菌して培養した実汚染土壌に
おける微生物相の変化を示す図である
【図6】塩分2%存在下での本発明菌株及びその他の菌
株の軽油の重量資化率を示す図である。
【図7A】本発明菌株及びその他の菌株のn-ヘキサデカ
ンに対するGC資化率を示す図である。
【図7B】本発明菌株及びその他の菌株のn-オクタデカ
ンに対するGC資化率を示す図である。
【図8A】本発明菌株及びその他の菌株のn-ドデシルシ
クロヘキサンに対するGC資化率を示す図である。
【図8B】本発明菌株及びその他の菌株のn-ドデシルベ
ンゼンに対するGC資化率を示す図である。
【図9A】本発明菌株及びその他の菌株のフェナントレ
ンに対するGC資化率を示す図である。
【図9B】本発明菌株及びその他の菌株のアントラセン
に対するGC資化率を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) C12R 1:07 (C12N 1/20 B09B 3/00 ZABE C12R 1:07) (72)発明者 大倉 一郎 神奈川県横浜市緑区大場町930−77 (72)発明者 市村 直也 京都府京都市下京区中堂寺南町17京都リサ ーチパーク 株式会社関西新技術研究所内 (72)発明者 黒本 雅哲 京都府京都市下京区中堂寺南町17京都リサ ーチパーク 株式会社関西新技術研究所内 (72)発明者 松本 久美 京都府京都市下京区中堂寺南町17京都リサ ーチパーク 株式会社関西新技術研究所内 Fターム(参考) 4B065 AA15X AA45X AC12 AC20 BA23 BB01 BB03 BB04 BB23 BB29 BC03 BC26 BC31 BC41 BD50 CA56 4D004 AA41 AB02 AC07 CA18 CC07

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重油資化率が50重量%以上である、油分
    分解性を有するロドコッカス属に属する微生物。
  2. 【請求項2】軽油資化率が70重量%以上である、油分
    分解性を有するロドコッカス属に属する微生物。
  3. 【請求項3】油分分解性を有するC2株(FERM P-1850
    9)。
  4. 【請求項4】油分分解性を有するC4株(FERM P-1851
    0)。
  5. 【請求項5】油分分解性を有するC6株(FERM P-1851
    1)。
  6. 【請求項6】油分分解性を有するC12株(FERM P-1851
    3)。
  7. 【請求項7】油分分解性を有するC15株(FERM P-1851
    4)。
  8. 【請求項8】油分乳化能を有するバチルス属に属する微
    生物。
  9. 【請求項9】油分乳化能を有するC9株(FERM P-1851
    2)。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の微生物
    を油分含有処理対象物に作用させることを特徴とする油
    分分解方法。
  11. 【請求項11】前記微生物が、C2株(FERM P-18509)、
    C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-18511)、C12株
    (FERM P-18513)及びC15株(FERM P-18514)からなる
    群から選択される菌株の少なくとも1種である請求項1
    0に記載の方法。
  12. 【請求項12】油分含有処理対象物が油分含有土壌であ
    る請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】油分分解性を有する微生物と油分乳化能
    を有する微生物を併用して油分含有処理対象物中の油分
    を分解することを特徴とする油分分解方法。
  14. 【請求項14】油分分解性を有する微生物が、ロドコッ
    カス属に属する微生物である請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】油分乳化能を有する微生物がバチルス属
    に属する微生物である請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】油分分解性を有する微生物が、C2株(FE
    RM P-18509)、C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-1
    8511)、C12株(FERM P-18513)及びC15株(FERM P-185
    14)からなる群から選択される菌株の少なくとも1種で
    ある請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】油分分解性を有する微生物が、C2株(FE
    RM P-18509)、C4株(FERM P-18510)、C6株(FERM P-1
    8511)、C12株(FERM P-18513)及びC15株(FERM P-185
    14)からなる群から選択され、油分乳化能を有する微生
    物がC9株(FERMP-18512)である請求項13に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】油分含有処理対象物が油分含有土壌であ
    る請求項13に記載の方法。
JP2001301979A 2001-09-28 2001-09-28 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法 Pending JP2003102469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301979A JP2003102469A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301979A JP2003102469A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003102469A true JP2003102469A (ja) 2003-04-08

Family

ID=19122306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001301979A Pending JP2003102469A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003102469A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122885A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Kri Inc 汚染物質浄化方法
JP2007104936A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Tosoh Corp 新規微生物及びアルカン類の分解方法
JP2007135425A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Ritsumeikan 実汚染土壌を効率よく浄化する微生物および浄化方法
JP2009291679A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Iib:Kk 油含有土壌の浄化方法およびそれに用いる微生物
JP2011090974A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Kri Inc 微生物燃料電池
JP2011234737A (ja) * 2011-08-09 2011-11-24 Ritsumeikan 実汚染土壌を効率よく浄化する微生物および浄化方法
CN103789365A (zh) * 2014-01-20 2014-05-14 湖南大学 回收轻油生产微生物油脂的方法
CN110052493A (zh) * 2019-03-26 2019-07-26 中国矿业大学 一种多环芳烃污染土壤的生物泥浆修复方法及配套设备
WO2020009097A1 (ja) * 2018-07-06 2020-01-09 Igaバイオリサーチ株式会社 石油関連物質により汚染された環境の除染方法および使用する資材
CN112090954A (zh) * 2020-08-31 2020-12-18 山西大学 活化降解凝珠及其制备及多环芳烃污染土壤的降解方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122885A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Kri Inc 汚染物質浄化方法
JP4664716B2 (ja) * 2004-09-30 2011-04-06 株式会社Kri 汚染物質浄化方法
JP2007104936A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Tosoh Corp 新規微生物及びアルカン類の分解方法
JP2007135425A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Ritsumeikan 実汚染土壌を効率よく浄化する微生物および浄化方法
JP2009291679A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Iib:Kk 油含有土壌の浄化方法およびそれに用いる微生物
JP2011090974A (ja) * 2009-10-26 2011-05-06 Kri Inc 微生物燃料電池
JP2011234737A (ja) * 2011-08-09 2011-11-24 Ritsumeikan 実汚染土壌を効率よく浄化する微生物および浄化方法
CN103789365A (zh) * 2014-01-20 2014-05-14 湖南大学 回收轻油生产微生物油脂的方法
WO2020009097A1 (ja) * 2018-07-06 2020-01-09 Igaバイオリサーチ株式会社 石油関連物質により汚染された環境の除染方法および使用する資材
CN113195122A (zh) * 2018-07-06 2021-07-30 Iga生物研究股份有限公司 遭石油相关物质污染的环境的净化方法和所使用的材料
JPWO2020009097A1 (ja) * 2018-07-06 2021-08-26 Igaバイオリサーチ株式会社 石油関連物質により汚染された環境の除染方法および使用する資材
CN110052493A (zh) * 2019-03-26 2019-07-26 中国矿业大学 一种多环芳烃污染土壤的生物泥浆修复方法及配套设备
CN112090954A (zh) * 2020-08-31 2020-12-18 山西大学 活化降解凝珠及其制备及多环芳烃污染土壤的降解方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Díaz et al. Isolation and characterization of novel hydrocarbon-degrading euryhaline consortia from crude oil and mangrove sediments
Janikowski et al. Use of a two-phase partitioning bioreactor for degrading polycyclic aromatic hydrocarbons by a Sphingomonas sp.
WO2020009097A1 (ja) 石油関連物質により汚染された環境の除染方法および使用する資材
Mnif et al. Treatment of diesel‐and kerosene‐contaminated water by B. subtilis SPB1 biosurfactant‐producing strain
Pi et al. Bioremediation of the oil spill polluted marine intertidal zone and its toxicity effect on microalgae
Mahmoud et al. Microbial degradation of petroleum hydrocarbons
Abdulla et al. Bio-degradation of crude oil using local bacterial isolates
JP2003102469A (ja) 油分分解菌およびその菌株を用いた油分分解方法
Hocinat et al. Aerobic degradation of BTEX compounds by Streptomyces species isolated from activated sludge and agricultural soils
Priya et al. Mass culture strategy for bacterial yeast co-culture for degradation of petroleum hydrocarbons in marine environment
Ishaya et al. Degradation of used engine oil by alcaligenes sp. strain isolated from oil contaminated site: isolation, identification, and optimization of the growth parameters
Narmanova et al. Biological products for soil and water purification from oil and petroleum products
KR101332347B1 (ko) 유류 분해능을 가지는 슈도모나스 속 nr1 균주 및 이를 이용한 유류 분해 방법
KR100389689B1 (ko) 유류분해능을 가지는 신규 아시네토박터 캘코아세티쿠스에이취에스1 및 이를 이용한 유류 분해 방법
Dellagnezze et al. Microbes and petroleum bioremediation
JP5339339B2 (ja) 新規微生物およびその利用
Wang et al. Degradation of diesel with microorganisms in rhizosphere of Carex phacota Spr.
Kulkarni Bioremediation of petroleum hydrocarbon polluted sites for the conservation of soil microbial diversity
Onur Screening of biosurfactant producing and diesel oil degrading bacteria from petroleum hydrocarbon contaminated surface waters
Hassanshahian et al. Degradation of naphthalene by bacterial isolates from the Gol Gohar Mine, Iran
Aicha et al. Characterization of indigenous and adapted hydrocarbon degrading bacteria isolated from landfill leachate from ain temouchent engineered landfill, Algeria
KR20090030897A (ko) 유류 오염 토양의 정화용 미생물 액상 조성물, 이의제조방법 및 이를 이용한 유류 오염 토양의 정화방법
KR100421655B1 (ko) 신규한 원유분해 균주 및 그 생산방법
JP4664716B2 (ja) 汚染物質浄化方法
ORGANISMES DILMI Fatiha Pour obtenir le diplôme de DOCTORAT EN SCIENCES