JP2004097893A - 水処理用触媒および水処理方法 - Google Patents

水処理用触媒および水処理方法 Download PDF

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Tsuguo Koyanagi
小柳 嗣雄
Yusaku Arima
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Abstract

【課題】大量処理に優れ、分解除去効率の高い硝酸性窒素含有水のための水処理用触媒を提供する。
【解決手段】無機酸化物担体またはカーボン担体には、平均粒子径が5nm〜20μm、特に40nm〜5μmの範囲にある粒子を用いる。担体の平均粒子径が前記範囲にあれば、得られる触媒微粒子が水に分散した際に、容易に凝集したり沈降することなく安定して分散する。また、触媒微粒子の外部表面積が大きいので粒子径の大きな粒子や成形体に比べて高い活性を発現し、硝酸性窒素の還元分解に好適である。カーボン担体を用いると、得られる触媒微粒子の比表面積が大きく、金属微粒子が高分散して、硝酸性窒素の還元分解活性に優れる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水中に含まれる硝酸性窒素を分解除去するための水処理用触媒、および該水処理用触媒を用いる硝酸性窒素含有水の処理方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、人体等に重大な影響を及ぼす物質として知られる水中に含まれる硝酸性窒素を分解、除去する試みがなされている。硝酸性窒素の除去技術としては一般に、吸着法、イオン交換法、逆浸透膜法、電気透析法および生物学的脱窒法等が実用化されているものの、いずれの方法も飲料水等の大量処理および分解除去効率の点において十分な処理方法として完成されたものとはなっていない。
また、硝酸性窒素含有水のための水処理用触媒としては、金属パラジウムと銅−パラジウム合金との混合物からなる水処理用触媒が公知である(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、当該水処理用触媒による処理方法は大量処理の点では優れているものの、分解除去効率において必ずしも満足の行く処理方法ではなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−866号公報(特許請求の範囲の欄)
【0004】
【発明の目的】
本発明は、大量処理に優れ、分解除去効率の高い硝酸性窒素含有水のための水処理用触媒、並びに、該触媒を用いた硝酸性窒素を含む水の処理方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明の硝酸性窒素含有水処理用触媒は、無機酸化物担体および/またはカーボン担体に、Pt、Au、Ag、Pd、Ru、Cu、Ni、W、V、Mo、Feから選ばれる1種または2種以上の金属微粒子および/または合金微粒子が担持されてなり、平均粒子径が5nm〜20μmの範囲にあることを特徴とする。
前記無機酸化物担体はSiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、In2 3 、ZnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物または複合酸化物であることが好ましい。
前記金属微粒子および/または合金微粒子の平均粒子径は1〜50nmの範囲にあることが好ましい。
本発明の硝酸性窒素含有水処理方法は、下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とする。
(a)請求項1〜3のいずれか記載の水処理用触媒と硝酸性窒素含有水とを、還元剤の存在下で接触させる工程
(b)前記接触済の硝酸性窒素含有水から水処理用触媒を分離する工程
(c)必要に応じて前記分離した水処理用触媒を再生し、工程(a)に戻す工程本発明の硝酸性窒素含有水処理方法は、前記工程(a)〜(c)を繰り返すことが好ましい。また、前記工程(a)〜(c)を連続的に行うことが好ましい。
【0006】
【発明の具体的説明】
先ず、本発明に係る硝酸性窒素含有水処理用触媒について説明する。
本発明に係る水処理用触媒は、前記のように無機酸化物担体および/またはカーボン担体に、特定の金属微粒子および/または合金微粒子が担持されたものである。無機酸化物担体としては、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、In2 3 、ZnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物または複合酸化物であることが好ましい。複合酸化物としてはSiO2 −Al2 3 、SiO2 −TiO2 、SiO2 −Zr O2 、TiO2 −ZrO2 、SiO2 −Al2 3 −ZrO2 などが挙げられる。これらは無定型であっても、結晶性であってもよく、結晶性の複合酸化物としては結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)などが挙げられる。
前記無機酸化物担体またはカーボン担体の平均粒子径は、概ね5nm〜20μm、さらには40nm〜5μmの範囲にある粒子を用いることが好ましい。担体の平均粒子径が前記範囲にあれば、得られる触媒微粒子の平均粒子径が5nm〜20μmの範囲にあり、水に分散した際に、容易に凝集したり沈降することなく安定して分散する。また、触媒微粒子の外部表面積が大きいので粒子径の大きな粒子や成形体に比べて高い活性を発現し、硝酸性窒素の還元分解に好適である。さらに、還元剤による触媒の再生も効率的に行うことができる。
また、前記した無機酸化物は熱的にも化学的にも安定であり、さらに微細な触媒粒子の調製が容易である。
一方、カーボン担体を用いると、得られる触媒微粒子の比表面積が大きく、次述する金属微粒子が高分散して、硝酸性窒素の還元分解活性に優れる。
【0007】
前記無機酸化物担体またはカーボン担体にはPt、Au、Ag、Pd、Ru、Cu、Ni、W、V、Mo、Feから選ばれる1種または2種以上の金属微粒子および/または合金微粒子が担持される。このなかでもCuとPdおよび/またはPtからなる合金微粒子は、還元剤である水素の吸着能が高くかつ常温で硝酸性窒素をN2 とH2 Oに選択的に還元分解することができる。
好ましい2成分以上の組み合わせとしては、Pd−Cu、Pd−Au、Pd−W、Pd−V、Pd−Mo、Pd−Fe、Pd−Cu/Pd、Pd−Cu−Ru、Pd−Cu−Fe、Pd−Cu−Au、Pt−Cu、Pt−Au、Pt−W、Pt−V、Pt−Mo、Pt−Fe、Pt−Cu/Pd、Pt−Cu−Ru、Pt−Cu−Fe、Pt−Cu−Au等が挙げられる。
【0008】
上記において合金とは2種以上の金属成分が均一に混合している必要はなく、単に混合物である場合も含んで意味している。また、結晶性であっても非晶質であってもよい。
このような金属微粒子(以下、合金微粒子をも含む。)は、硝酸性窒素を還元して分解する活性が高く、且つ活性劣化が小さく、また再生によって容易に活性が復元し、長期にわたって活性を維持することができる。
【0009】
金属微粒子の平均粒子径は1〜50nm、特に1〜10nmの範囲にあることが好ましい。金属微粒子の平均粒子径が1nm未満の場合は、初期性能は高いが、再生等を繰り返すことによって移動して他の金属微粒子と凝集する傾向があり、長期にわたって初期性能を維持することが困難である。金属微粒子の平均粒子径が50nmを越えると、還元剤の吸着量が低下するとともに水素の活性化能も低下し、硝酸性窒素の還元分解活性が低下する。
水処理用触媒中の金属微粒子の担持量は、金属として1〜50重量%、特に2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。該担持量が金属として1重量%未満の場合は、還元分解活性が不充分であり、50重量%を越えると、担持することが困難であるとともに、仮に担持できてもさらに還元分解活性が向上することもないので経済性が低下する。また、金属微粒子同士が互いに合体して粒子成長することがあり、活性が低下することもある。
【0010】
本発明に係る水処理用触媒は、平均粒子径が5nm〜20μm、特に40nm〜5μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5nm未満の場合は、他の不純物を吸着して凝集することがあり、このため後述する限外濾過等により容易に分離できない場合があり、本発明に係るコロイド領域を含む触媒微粒子を用いた硝酸性窒素含有水の安定した処理が困難となる。水処理用触媒の平均粒子径が20μmを越えると、触媒微粒子が大きいために沈降することがあり、また硝酸性窒素との接触効率が低下して充分な還元分解活性が得られず、水中の硝酸性窒素の低減が不充分となる。また、還元剤との接触効率が低下するために再生が不充分となり運転効率が低下する。更に、触媒微粒子が沈降すると長期連続運転が困難となり、運転を停止してメインテナンスが必要となる。
【0011】
前記水処理用触媒の製造方法は、所定の粒子径範囲にあり、水に分散し、沈降、凝集等することなく硝酸性窒素と効率的に接触し、充分な還元分解活性が得られれば特に制限はなく、従来公知の方法を用いて製造することができる。
例えば、無機酸化物としては前記した無機酸化物の微粒子を用いる。このような無機酸化物微粒子として、本願出願人の出願による特開昭63−45114号公報、特開昭63−64911号公報、特開平7−10522号公報、等に開示したシリカゾル、シリカ系複合ゾル、特開平7−89717号公報等に開示したアルミナゾル、特開昭62−283817号公報に開示したチタニアゾルが好適である。
以下、本発明に係る水処理用触媒の製造方法について例示的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0012】
第1の方法としては、前記した無機酸化物微粒子および/またはカーボン微粒子の分散液を調製し、これに、所定量の1種または2種以上の金属塩水溶液を加え、無機酸化物微粒子および/またはカーボン微粒子に金属塩水溶液を吸収させ、次いで乾燥し、その後200〜600℃の温度で、還元ガス、例えばH2 、NH3 雰囲気下で通常0.5〜6時間程度還元処理することによって水処理用触媒を得ることができる。
金属塩としては、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム、塩化白金、硝酸銀、塩化銅、硝酸ニッケル、酢酸ルテニウムなど、前記した金属の塩で水に可溶な塩を用いることができる。
【0013】
乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、静置乾燥、ロータリーエバポレーター等、従来公知の方法を採用することができる。上記において、還元温度が200℃未満の時は、金属塩の還元が不充分となり、金属微粒子の生成が不充分となる。他方、還元温度が600℃を越えると、金属微粒子が粒子成長し過ぎたり、触媒微粒子が強く凝集して、分散性が低下し、限外濾過等により分離できない場合があり、本発明による粒子径の小さな触媒微粒子を用いた硝酸性窒素含有水の安定的な処理が困難となる。好ましい還元温度は250〜450℃の範囲である。
なお、本発明の水処理用触媒における金属微粒子の粒子径の測定方法は、FE−TEM(STEM−HAADF法)により測定することができる。
【0014】
第2の方法として、ゼオライトの分散液、必要に応じて予め前記金属イオン以外のアンモニウムイオン等でイオン交換したゼオライトの分散液を調製し、これに、所定量の1種または2種以上の金属塩水溶液を加えイオン交換し、次いでゼオライト粒子を濾過分離し、第1の方法と同様にして乾燥し、ついで還元処理することによって水処理用触媒を得ることができる。
【0015】
第3の方法として、前記した無機酸化物粒子および/またはカーボン微粒子の分散液を調製し、これに、所定量の1種または2種以上の金属塩水溶液を加え、ついで還元剤(水素化硼素ナトリウム(NaBH4 )、次亜リン酸ソーダ、ヒドラジン等)を加え、無機酸化物粒子上に金属を析出させる。ついで、必要に応じてオートクレーブ処理(100〜300℃)することができる。オートクレーブ処理することにより、溶液中に析出した金属微粒子を無機酸化物粒子上に析出させることができる。その後、濾過分離し、第1の方法と同様にして乾燥し、ついで加熱処理(好ましくは還元雰囲気下で加熱処理)することによって水処理用触媒を得ることができる。
【0016】
第4の方法として、硝酸パラジウムと硝酸銅との混合水溶液に、クエン酸水溶液に還元剤として硫酸第一鉄を溶解した溶液を添加してPd−Cu合金微粒子分散液を調製する。このPd−Cu合金微粒子分散液に無機酸化物粒子分散液を混合して、Pd−Cu合金微粒子を無機酸化物担体に担持した触媒微粒子を調製する。なお、このときの担持は、互いの粒子のゼータ電位の差により、無機酸化物粒子表面にPd−Cu合金微粒子が担持されるものである。その後、濾過分離し、第1の方法と同様にして乾燥し、ついで加熱処理(好ましくは還元雰囲気下で加熱処理)することによって水処理用触媒を得ることができる。
上述のようにして得られる水処理用触媒は、平均粒子径が5nm〜20μm、特に40nm〜5μmの範囲となるように、また、触媒中の金属微粒子の含有量が1〜50重量%、特に2〜20重量%の範囲となるように調整することが好ましい。
【0017】
続いて、本発明に係る硝酸性窒素を含む水の処理方法について、工程(a)から順に説明する。図1は本発明に係る水処理方法を示すフロー図の1例である。
工程(a
本発明の水処理方法に用いられる処理設備の方式には格別の制限はなく、工程(a)では、完全混合槽型、流通型、多段型、バッチ型等、固定床以外の種々の方式が採用可能である。
本発明が対象とする硝酸性窒素を含む水(以下、原水と言うこともある。)中の硝酸性窒素化合物の濃度は、Nとして50〜10,000ppm、特に、100〜5000ppmの範囲にある。濃度がNとして50ppm未満の場合は、還元分解処理することは可能であるが経済性が問題となることがある。他方、濃度がNとして10,000ppmを越えると、還元剤によっては必要量を共存させることができないために硝酸性窒素の還元分解が不充分となることがあり、また処理時間を長くするか、触媒微粒子濃度を高める必要があり、触媒微粒子濃度を高めた場合は触媒の分散安定性が低下して、凝集した場合は濾過分離が困難となって連続運転ができなくなったり、水中硝酸性窒素との接触効率が低下して還元分解活性が低下する等の問題がある。
【0018】
水処理用触媒は原水と混合して投入しても良いし、別に触媒微粒子の分散液を調製しておき、後述する工程(b)の分離触媒と、あるいは工程(c)の必要に応じて再生した触媒と混合して投入しても良い。
投入される原水中の硝酸性窒素Nの量をWN とし、水処理用触媒(分離触媒および/または補充用触媒も含む。)中の金属の量をWM で表した場合、原水と触媒の投入量比(WN /WM )は1〜500、さらには20〜100の範囲とすることが好ましい。前記比WN /WM が1未満の場合は、触媒の使用量が多過ぎて経済性が悪く、前記比WN /WM が500を越えると、処理温度が常温以下の場合に還元分解速度が不充分となり、硝酸性窒素を所望の濃度以下に低減することが困難となる。
【0019】
触媒とともに供給される還元剤としては、水素、ヒドラジン、水素化硼素ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、キノン、ヒドロキノン等を挙げることができるが、特に水素は電気分解等により容易に製造することができ、必要に応じて回収することができるので好適である。
還元剤は、後述する必要に応じて再生する工程で供給する場合は必ずしも工程(a)で供給する必要はなく、工程(a)において硝酸性窒素の分解に必要な還元剤が存在していればよい。
【0020】
水処理用触媒、還元剤および原水の投入は、夫々、連続的でも、断続的でもよい。触媒と原水との接触時間(滞留時間)は、処理を必要とする原水の量、原水中の硝酸性窒素の濃度、要求される処理水(以下、清浄水と言うことがある。)中のN濃度レベル、処理温度、触媒中の金属微粒子の量、粒子径、処理水のpHや不純物等によっても異なるが、概ね20時間以下、通常10分間〜5時間の範囲にあることが好ましい。 また、還元剤の投入量は、下記化学反応式(1)に示されるように、硝酸性窒素に対する量論量以上であればよいが、本発明の処理方法では、還元剤のモル数(MR )と硝酸性窒素のモル数(MN )の比(MR /MN )が3〜20、特に4〜10の範囲にあることが好ましい。
2NO3 +6H2 →N2 +6H2 O・・・(1)
前記モル比が3未満の場合は還元分解が不充分となり、得られる処理水中の硝酸性窒素濃度が高く、所期の目的を達成できないことがあり、モル比が20を越えると、NH3 の生成が増加したり還元剤の利用率が低下して、経済性が悪くなる。
なお、工程(a)では、必要に応じて、酸またはアルカリを添加してpHを調整することができる。
【0021】
工程(b
本工程は主として触媒の分離工程であり、分離装置としては限外濾過膜、セラミックフィルター等を用いることができる。特に流通式セラミックフィルターは口径を触媒粒子径に応じて選択することができるので効率的に分離することができ、またフィルターの圧密化などによる口径の変化がなく、耐久性に優れているので好ましい。しかしながら、本発明では必ずしもこのような分離装置を用いる必要はなく、工程(a)の後、貯槽に貯え、沈降させるか、必要に応じて凝集させて分離回収することもできる。
【0022】
本工程では、触媒微粒子と処理水を抜き出しながら、触媒微粒子分散液の濃度が固形分として5〜50重量%の範囲となるように、触媒微粒子を分離・濃縮する。濃度が5重量%未満の場合は、後述する再生時の還元剤の利用効率が低下したり、再循環される清浄水が多くなるので経済性が低下する。また、濃度が50重量%を越える濃縮は困難であると共に、触媒微粒子の凝集により連続処理(運転)が困難となることがある。
濃縮された触媒微粒子分散液は、工程(a)に戻すか、または次の工程(c)に供給される。
処理水中のN濃度(硝酸性窒素および副生することのあるアンモニア性窒素の合計)は100ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に1ppm以下となる。
【0023】
工程(c
本工程は任意工程であり、使用済触媒を再生機(再生塔)に供給し、還元剤と接触させて再生し、この再生触媒を工程(a)に戻すものである。
還元剤としては、工程(a)で挙げたものが使用可能であり、工程(b)からの触媒微粒子分散液に直接、還元剤を溶解させるか、または還元剤を溶解した水を前記分散液に混合する。この際、必要に応じて加圧して還元剤の溶解量を調節することができる。還元剤の混合量は、還元剤モル数/触媒金属モル数が0. 1〜10、特に0. 2〜2の範囲とすることが好ましい。
【0024】
上記工程(a)〜工程(c)によって硝酸性窒素を含む水を処理することができるが、本発明方法では、前記工程(a)〜(c)を順次工程毎に行ってもよく、これを繰り返し行うこともできるが、前記工程(a)、(b)を連続的に行い、必要に応じて工程(c)を行ってもよく、前記工程(a)〜(c)を連続的に行ってもよい。
なお、下記化学反応式(2)に示されるように、硝酸性窒素を含む水の処理によって発生することのあるNH3 ガスは、必要に応じてアンモニアストリッピング等、従来公知の方法によって処理することができる。
2NO3 +9H2 →2NH3 +6H2 O・・・(2)
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る水処理用触媒は粒子径が小さく、硝酸性窒素の還元分解活性が高い。また、当該触媒は原水中で安定に高分散して容易に沈降することがない。
本発明に係る前記水処理用触媒を用いる水処理方法は、硝酸性窒素含有水の処理方法として好適である。
【0026】
【実施例1】
触媒微粒子( C1 )の調製
純水100gに、予めクエン酸3ナトリウムを得られる合金微粒子1重量部当たり0. 01重量部となるように加え、これに金属換算で濃度が10重量%となり、合金微粒子を構成する銅とパラジウムの重量比が2/1となるように硝酸銅および硝酸パラジウムを加え、さらに液中の硝酸銅および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫酸第一鉄の水溶液を添加し、窒素雰囲気下で1時間攪拌して合金微粒子(1) の分散液を得た。合金微粒子(1) の平均粒子径は8nmであった。
得られた分散液は遠心分離器により水洗して不純物を除去した後、水に分散させ、濃度10重量%の合金微粒子(1) の分散液とし、これにシリカゾル(触媒化成工業(株)製:SS−300、平均粒子径300nm、SiO2 濃度20重量%)450gを混合し、分散液のpHを8に調整し、2時間撹拌した。ついで、凍結乾燥した後、H2 −N2 混合ガス雰囲気下、250℃で2時間加熱処理して触媒微粒子(C1)を調製した。触媒微粒子(C1)の組成を表1に示す。
【0027】
硝酸性窒素含有水の処理
上記で調製した触媒微粒子(C1)の水分散液(固形分濃度10重量%)を調製し(A液)、別途、水素を溶存させた還元剤水溶液を調製した(B液)。
ロートを垂直に立て、上方から触媒微粒子(C1)の分散液(A液)と、還元剤水溶液(B液)と、硝酸性N濃度が500ppmの原水とを、前記WN /WM が20となり、前記モル比MR /MN が2となるように同時に、連続的に供給した。ロートの管状部の滞留時間は1時間となるように調整した。
ロート下部から流出した処理水は、触媒微粒子と清浄水とに分離し、清浄水中のN濃度を測定し、結果を表2に示した。
次に、分離した触媒を容器に充填し、水素加圧下で2時間放置した後、再び触媒微粒子(C1)の水分散液(固形分濃度10重量%)を調製し、前記と同様に処理したところ、前記処理水と同じN濃度の清浄水が得られた。
【0028】
【実施例2】
硝酸性窒素含有水の処理
実施例1において、WN /WM が50となるように同時に、連続的に供給した以外は実施例1と同様に硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0029】
【実施例3】
触媒微粒子( C2 )の調製
実施例1において、合金微粒子を構成する銅とパラジウムの重量比が4/1となるように硝酸銅および硝酸パラジウム水溶液を加えた以外は同様にして触媒微粒子(C2)を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(C2)の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0030】
【実施例4】
触媒微粒子( C3 )の調製
実施例1において、シリカゾル300gを用いた以外は同様にして触媒微粒子(C3)を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(C3)の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0031】
【実施例5】
触媒微粒子( C4 )の調製
純水100gに、金属換算で濃度が10重量%となり、合金微粒子を構成する銅とパラジウムの重量比が2/1となるように硝酸銅および硝酸パラジウムを加え、これに、シリカ・アルミナゾル(触媒化成工業(株)製:平均粒子径130nm、SiO2 ・Al2 3 濃度15重量%)600gを加えて1時間撹拌した。次いで、凍結乾燥した後、H2 −N2 混合ガス雰囲気下、250℃で2時間加熱処理して触媒微粒子(C4)を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(C4)の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0032】
【実施例6】
触媒微粒子( C5 )の調製
ゼオライト(触媒化成工業(株)製:T−90、平均粒子径1μm)を、常法によってアンモニウムイオン交換を繰り返し行い、アンモニウムイオン交換率95%のゼオライトを調製した(NH4(95) −Na(5) 5 )。
イオン交換ゼオライトの水分散液(SiO2 ・Al2 3 濃度10重量%)1000gに、金属換算で濃度が10重量%となり、銅とパラジウムの重量比が2/1となるように硝酸銅および硝酸パラジウムを含む水溶液100gを加え、80℃で2時間イオン交換した。次いでゼオライトを濾過洗浄し、分離して、120℃で2時間乾燥した。ついで、H2 −N2 混合ガス雰囲気下、450℃で2時間加熱処理して触媒微粒子(C5)を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(C5)の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0033】
【実施例7】
触媒微粒子( C6 )の調製
純水100gに、金属換算で濃度が10重量%となり、合金微粒子を構成する銅とパラジウムの重量比が2/1となるように硝酸銅および硝酸パラジウムを加え、これに、カーボン微粒子(御国色素(株)製:平均粒子径109nm)190gを加えて1時間撹拌した。次いで、凍結乾燥した後、H2 −N2 混合ガス雰囲気下、250℃で2時間加熱処理して触媒微粒子(C6)を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(C6)の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0034】
【比較例1】
触媒微粒子( RC1  )の調製
実施例7において、カーボン微粒子(東海カーボン(株)製:平均粒子径48μm)を用いた以外は同様にして触媒微粒子(RC1 )を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(RC1 )の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0035】
【比較例2】
触媒微粒子( RC2  )の調製
実施例7において、シリカ粒子(触媒化成工業(株)製:シリカマイクロビード、平均粒子径62μm)を用いた以外は同様にして触媒微粒子(RC2 )を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(RC2 )の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0036】
【比較例3】
触媒微粒子( RC3  )の調製
実施例7において、シリカ・アルミナ粒子(触媒化成工業(株)製:HA、平均粒子径70μm)を用いた以外は同様にして触媒微粒子(RC3 )を調製した。
硝酸性窒素含有水の処理
触媒微粒子(RC3 )の水分散液を用いた以外は実施例1と同様にして硝酸性窒素含有水の処理を行った。
【0037】
【表1】
Figure 2004097893
【0038】
【表2】
Figure 2004097893

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水処理方法を示すフロー図である。

Claims (6)

  1. 無機酸化物担体および/またはカーボン担体に、Pt、Au、Ag、Pd、Ru、Cu、Ni、W、V、Mo、Feから選ばれる1種または2種以上の金属微粒子および/または合金微粒子が担持されてなる、平均粒子径が5nm〜20μmの範囲にあることを特徴とする硝酸性窒素含有水処理用触媒。
  2. 前記無機酸化物担体がSiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、In2 3 、ZnOから選ばれる1種または2種以上の酸化物または複合酸化物である請求項1記載の水処理用触媒。
  3. 前記金属微粒子および/または合金微粒子の平均粒子径が1〜50nmの範囲にある請求項1または2記載の水処理用触媒。
  4. 下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴とする硝酸性窒素含有水処理方法。
    (a)請求項1〜3のいずれか記載の水処理用触媒と硝酸性窒素含有水とを、還元剤の存在下で接触させる工程
    (b)前記接触済の硝酸性窒素含有水から水処理用触媒を分離する工程
    (c)必要に応じて前記分離した水処理用触媒を再生し、工程(a)に戻す工程
  5. 前記工程(a)〜(c)を繰り返すことを特徴とする請求項4記載の硝酸性窒素含有水処理方法。
  6. 前記工程(a)〜(c)を連続的に行うことを特徴とする請求項4または5記載の硝酸性窒素含有水処理方法。
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