JP2014100659A - 白金鉄合金の合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】白金の秩序化した面心立方構造を有する白金鉄合金の合成方法を提供する。
【解決手段】ヘキサクロロ白金(IV)酸と、塩化鉄(II)もしくは硫酸鉄(II)を水と混合し、ここに還元剤を加え、水熱化学反応を行い、得られた合成物を洗浄、乾燥させ、還元雰囲気において500〜600℃において熱処理することにより、白金鉄合金を合成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化触媒及び電極触媒として有用な白金鉄合金の合成方法に関する。
白金は排気ガスの浄化触媒や燃料電池の触媒に利用されているが、白金は高価であり、比較的安価な他の金属、例えばNi、Co、Feとの合金として用いることが提案されている。また、白金触媒は一酸化炭素によって被毒されやすいため、白金触媒に代えて、触媒被毒耐性に優れた白金ルテニウム(Ru)合金触媒を使用することが提案されているが、ルテニウムは希少金属であり、白金よりも高価であるため、白金ルテニウム合金に代えて白金鉄(Fe)合金を使用することが提案されている。
このような白金鉄合金は、従来、溶液中で金属の塩あるいは錯体を共存する還元剤により還元する液相法によって合成していた(特許文献1)。
特開昭60−007941号公報
従来用いていた液相法は、開放系であるため1気圧以上、水あるいは用いる溶液の沸点以上において処理を行うことはできない。すなわち、単に沸点近傍の温度において原料と溶液を混合しているにすぎず、結晶性向上には改善の余地があった。
上記課題を解決するために本発明によれば、ヘキサクロロ白金(IV)酸と、塩化鉄(II)もしくは硫酸鉄(II)を水と混合し、ここに還元剤を加え、水熱化学反応を行い、得られた合成物を洗浄、乾燥させ、還元雰囲気において500〜600℃において熱処理することにより、白金鉄合金を合成している。
実施例1の合成フローチャートである。 実施例1の水熱合成品及び熱処理品のXRD図形である。 実施例1の水熱合成品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例1の水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例1の熱処理品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例1の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例1の熱処理品のXRD図形である。 実施例1の熱処理品のXRD図形である。 実施例1の熱処理品のTEM像である。 実施例1の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例2の水熱合成品及び熱処理品のXRD図形である。 実施例2の水熱合成品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例2の水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例2の熱処理品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例2の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例2の熱処理品のXRD図形である。 実施例2の熱処理品のXRD図形である。 実施例2の熱処理品のTEM像である。 実施例2の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例3の水熱合成品及び熱処理品のXRD図形である。 実施例3の水熱合成品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例3の水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例3の熱処理品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例3の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例3の熱処理品のXRD図形である。 実施例3の熱処理品のXRD図形である。 実施例3の熱処理品のTEM像である。 実施例3の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例4の水熱合成品及び熱処理品のXRD図形である。 実施例4の水熱合成品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例4の水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。 実施例4の熱処理品のTEM像及び電子線回折像である。 実施例4の熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルである。
本発明の白金鉄合金の合成方法においては、まず、原料を水と混合し、還元剤を加え、水熱処理を行う。原料の白金源としてはヘキサクロロ白金(IV)酸を、鉄源としては塩化鉄(II)もしくは硫酸鉄(II)を用いる。ヘキサクロロ白金(IV)酸として具体的には、6水和物(H2PtCl6・6H2O)を用いる。塩化鉄(II)としては具体的には、4水和物(FeCl2・4H2O)を用いる。硫酸鉄としては具体的には、7水和物(FeSO4・7H2O)を用いる。
原料の白金源と鉄源のモル比に応じて合成される白金鉄合金の組成がきまるため、目的とする白金鉄合金の組成に応じて原料のモル比を調整するが、目的とする組成よりも鉄源の割合を多くすることが好ましい。例えば、実施例に示すように、鉄源/白金源=50/50とすると、Fe40.8Pt59.2の平均組成が得られ、鉄源/白金源=25/75とすると、Fe23.9Pt76.1の平均組成が得られ、鉄源/白金源=75/25とすると、Fe44.1Pt55.9の平均組成が得られる。これは、鉄イオンは白金イオンよりも還元されにくく、白金イオンはほぼすべてが還元されるのに対し、最終的な鉄イオンの還元量は仕込み量よりも少なくなるからである。
白金源であるヘキサクロロ白金(IV)酸は、水に添加する際に、濃度の変化により沈殿物が生成する可能性があるため、ヘキサクロロ白金(IV)酸はエタノール溶液として加えることが好ましい。また、還元剤としては、ヒドラジンを用いることが好ましい。
鉄源である塩化鉄(II)もしくは硫酸鉄(II)はアルカリ溶液において溶解度が高まり、かつ還元剤であるヒドラジンによる還元作用の効果を高めるため、原料と水との混合をアルカリ性条件において行うことが好ましい。具体的にはpHを14以上とすることが好ましい。このアルカリ性とするには、NaOH、KOH、アンモニア水を添加することにより行われ、NaOHを添加することが好ましい。
水熱化学反応は、原料を含む混合液を水熱合成装置、例えばオートクレーブに入れ、これを加圧し、かつ加熱した溶液中で水熱化学反応させて、目的の結晶である合成物を得る。水熱化学反応は、空気中で行ってもよいが、反応開始前にオートクレーブ内を空気の代わりに一部もしくはすべてを窒素、ヘリウム等の不活性ガスで置換して行うことが好ましい。この水熱化学反応の反応温度は通常110〜400℃、好ましくは150〜220℃、反応時間は通常1〜100時間、好ましくは3〜15時間であり、圧力は0.7〜3MPaである。この水熱化学反応は、水の亜臨界状態、具体的には水の臨界点である温度374℃以下、圧力22MPa以下の条件において行うことが好ましい。
この水熱化学反応は、分散剤及び酸化防止剤を加えた後行うことが好ましい。分散剤としては、オレイン酸ナトリウムを、酸化防止剤としてはオレイルアミンを用いることが好ましい。
こうして水熱化学反応を行った後、得られた合成物をろ過し、洗浄、乾燥する。
次いで、得られた合成物を500〜600℃において熱処理を行う。水熱化学反応において得られた合成物は不純物を含んでおり、熱処理を行うことによって粒成長させ、不純物を除去し、結晶性を向上させる。この熱処理は、不活性ガス、例えばAr、又はAr+H2混合ガス中において行うことが好ましい。熱処理の温度は、500℃未満では粒成長が十分ではなく、600℃を超えると、焼結が生じ、粒子同士の凝結が起こることがある。この熱処理時間は15〜60分とすることが好ましい。
こうして得られる生成物は、白金の面心立方格子に鉄が固溶した合金であり、TEM/EDXによる局所的な組成分析から、Fe18Pt82〜Fe54Pt46の広範囲の組成の合金が得られる。
実施例1
28mg(0.141mmol)の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)を20mLの水に溶解させ、48g(1.2mol)のNaOHを水50mLに加えた(ステップ1)。このNaOH水溶液50mLに塩化鉄水溶液20mLを加え、室温にてスターラで4時間撹拌した(ステップ2)。73mg(0.141mmol)のヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を5mLのエタノールに溶解させ、このエタノール溶液を前記ステップ2の水溶液に加え、スターラにて5分間均一に撹拌した(ステップ3)。
42.9mgのオレイン酸ナトリウムを10mLの水に溶解させ、ステップ3の溶液に添加した(ステップ4)。37.7mgのオレイルアミンを5mLのエタノールに溶解させ、ステップ4の溶液に添加した(ステップ5)。この溶液に20mLの水を加え、5分間超音波処理を行い、透明な溶液を得た(ステップ6)。この溶液に2.5mLのヒドラジンを加えた(ステップ7)。この溶液を30分間超音波処理した後、オートクレーブに移し、180℃において10時間水熱化学反応を行った。なお、ここでオートクレーブへの原料溶液の充填率は60%であった(ステップ8)。得られた水熱合成物を水とエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥し、95%Ar+5%H2のガス気流中で500℃及び600℃において30分間熱処理を行った(ステップ9)。以上の合成フローチャートを図1に示す。
出発原料組成がFe/Pt=50/50における水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図2に示す。水熱合成品の回折線はややブロードであり、構成相は無秩序な白金の面心立方相であった。一方、600℃×30minの熱処理品では面心立方晶の各回折線が明確となっており、回折面の指数付けが可能となった。すなわち、熱処理品では構造が秩序化した白金の面心立方晶へ変化することが判明した。
上記ステップ8で得られた水熱合成品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図3に示す。TEM像から、水熱合成品は約5nmレベルの1次結晶からなる数10nmレベルの凝集体を形成していることがわかった。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折線及び回折スポットが共存していた。
水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図4に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表1に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe34.8Pt65.2であった。
上記ステップ9で得られた600℃×30minの熱処理品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図5に示す。熱処理行わない水熱合成品に対し、600℃熱処理品では粒成長が生じ、輪郭のある20nm以上の一次粒子となり、これらの凝集体が生成した。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折スポットが顕著となった。
600℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図6に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表2に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe40.8Pt59.2であった。
上記ステップ9で得られた500℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図7に示す。なお、比較として水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図8に示す。500℃熱処理品においても、600℃熱処理品と同様の回折図形が得られた。
500℃×30minの熱処理品のTEM像を図9に示す。500℃の熱処理品においても600℃の熱処理品と同様に1次粒子の粒成長及び凝集が生じていた。
500℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図10に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表3に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe44Pt56であった。
実施例2
Fe/Pt比を変えて、実施例1と同様にして白金鉄合金を合成した。すなわち、28mg(0.141mmol)の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)を20mLの水に溶解させ、48g(1.2mol)のNaOHを水50mLに加えた(ステップ1)。このNaOH水溶液50mLに塩化鉄水溶液20mLを加え、室温にてスターラで4時間撹拌した(ステップ2)。219mg(0.423mmol)のヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を5mLのエタノールに溶解させ、このエタノール溶液を前記ステップ2の水溶液に加え、スターラにて5分間均一に撹拌した(ステップ3)。42.9mgのオレイン酸ナトリウムを10mLの水に溶解させ、ステップ3の溶液に添加した(ステップ4)。113.1mgのオレイルアミンを5mLのエタノールに溶解させ、ステップ4の溶液に添加した(ステップ5)。この溶液に20mLの水を加え、5分間超音波処理を行い、透明な溶液を得た(ステップ6)。この溶液に5mLのヒドラジンを加えた(ステップ7)。この溶液を30分間超音波処理した後、オートクレーブに移し、180℃において10時間水熱化学反応を行った。なお、ここでオートクレーブへの原料溶液の充填率は60%であった(ステップ8)。得られた水熱合成物を水とエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥し、95%Ar+5%H2のガス気流中で500℃及び600℃において30分間熱処理を行った(ステップ9)。
出発原料組成がFe/Pt=25/75における水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図11に示す。水熱合成品では、白金格子の(111)面、(200)面及び(220)面の回折線が観察されたがややブロードであった。従って、構成相は無秩序な白金の面心立方相であった。一方、600℃×30minの熱処理品では面心立方晶の各回折線がよりシャープとなっており、他の回折面のピークが出現した。すなわち、熱処理品では構造が秩序化した白金の面心立方晶へ変化することが判明した。
上記ステップ8で得られた水熱合成品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図12に示す。TEM像から、水熱合成品は約10nmレベルの1次結晶が数10nmレベルの2次粒子を形成し、これがさらに大きな凝集体を形成していることがわかった。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折線及び回折スポットが共存していた。
水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図13に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表4に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe23Pt76.8であった。
上記ステップ9で得られた600℃×30minの熱処理品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図14に示す。熱処理行わない水熱合成品に対し、600℃熱処理品では粒成長が生じ、輪郭のある30〜60nm以上の一次粒子が粒界を形成して焼結していることがわかった。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折スポットが顕著となった。
600℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図15に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表5に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe23.9Pt76.1であった。
上記ステップ9で得られた500℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図16に示す。なお、比較として水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図17に示す。500℃熱処理品では回折像の強度が600℃熱処理品よりもやや低いが、同様の回折図形が得られた。
500℃×30minの熱処理品のTEM像を図18に示す。500℃×30minの熱処理品は格子構造を有する数10nmの1次粒子であり、600℃の熱処理品と同様に1次粒子の粒成長及び粒子間の焼結が生じていた。
500℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図19に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表6に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe423.1Pt76.9であった。
実施例3
Fe/Pt比を変えて、実施例1と同様にして白金鉄合金を合成した。すなわち、28mg(0.141mmol)の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)を20mLの水に溶解させ、48g(1.2mol)のNaOHを水50mLに加えた(ステップ1)。このNaOH水溶液50mLに塩化鉄水溶液20mLを加え、室温にてスターラで4時間撹拌した(ステップ2)。24.3mg(0.047mmol)のヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を5mLのエタノールに溶解させ、このエタノール溶液を前記ステップ2の水溶液に加え、スターラにて5分間均一に撹拌した(ステップ3)。42.9mgのオレイン酸ナトリウムを10mLの水に溶解させ、ステップ3の溶液に添加した(ステップ4)。37.7mgのオレイルアミンを5mLのエタノールに溶解させ、ステップ4の溶液に添加した(ステップ5)。この溶液に20mLの水を加え、5分間超音波処理を行い、透明な溶液を得た(ステップ6)。この溶液に2.5mLのヒドラジンを加えた(ステップ7)。この溶液を30分間超音波処理した後、オートクレーブに移し、180℃において10時間水熱化学反応を行った。なお、ここでオートクレーブへの原料溶液の充填率は60%であった(ステップ8)。得られた水熱合成物を水とエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥し、95%Ar+5%H2のガス気流中で500℃及び600℃において30分間熱処理を行った(ステップ9)。
出発原料組成がFe/Pt=75/25における水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図20に示す。XRDチャートから、水熱合成品の構造は白金の無秩序な面心立方相であることがわかった。また、トレースの鉄酸化物の存在が示唆された。一方、600℃×30minの熱処理品では面心立方晶の各回折線がよりシャープとなっており、他の回折面のピークが出現した。すなわち、熱処理品では構造が秩序化した白金の面心立方晶へ変化することが判明した。
上記ステップ8で得られた水熱合成品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図21に示す。TEM像から、水熱合成品は5〜10nmの1次結晶から構成され、これらが凝集体を形成していることがわかった。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折線及び回折スポットが共存していた。
水熱合成品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図22に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表7に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe39.5Pt60.5であった。
上記ステップ9で得られた600℃×30minの熱処理品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図23に示す。熱処理行わない水熱合成品に対し、600℃熱処理品では25nmレベルの自形を有した1次粒子が生成し、100nm以上の凝集体を形成していた。また、600℃の熱処理によって1次粒子が粒界を形成して焼結していることがわかった。また、電子線回折像からは、白金単結晶に起因する面心立方晶の回折スポットが顕著となった。
600℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図24に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表8に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe44.1Pt55.9であった。
上記ステップ9で得られた500℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図25に示す。なお、比較として水熱合成品及び600℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図26に示す。500℃熱処理品では回折像の強度が600℃熱処理品よりもやや低いが、同様の回折図形が得られた。
500℃×30minの熱処理品のTEM像を図27に示す。500℃×30minの熱処理品は格子構造を有する数10nmの1次粒子であり、600℃の熱処理品と同様に1次粒子の粒成長及び粒子間の焼結が生じていた。
500℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図28に、異なる領域のFe及びPtの組成分析値を表9に示す。なお、約40nm領域から得られたデータの平均組成はFe45.6Pt54.4であった。
実施例4
Fe源として、塩化鉄(II)四水和物に代えて硫酸鉄(II)七水和物を用いて、実施例1と同様にして白金鉄合金を合成した。すなわち、39.2mg(0.141mmol)の硫酸鉄(II)七水和物(FeSO4・7H2O)を20mLの水に溶解させ、48g(1.2mol)のNaOHを水50mLに加えた(ステップ1)。このNaOH水溶液50mLに硫酸鉄水溶液20mLを加え、室温にてスターラで4時間撹拌した(ステップ2)。24.3mg(0.047mmol)のヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を5mLのエタノールに溶解させ、このエタノール溶液を前記ステップ2の水溶液に加え、スターラにて5分間均一に撹拌した(ステップ3)。42.9mgのオレイン酸ナトリウムを10mLの水に溶解させ、ステップ3の溶液に添加した(ステップ4)。37.7mgのオレイルアミンを5mLのエタノールに溶解させ、ステップ4の溶液に添加した(ステップ5)。この溶液に20mLの水を加え、5分間超音波処理を行い、透明な溶液を得た(ステップ6)。この溶液に2.5mLのヒドラジンを加えた(ステップ7)。この溶液を30分間超音波処理した後、オートクレーブに移し、180℃において10時間水熱化学反応を行った。なお、ここでオートクレーブへの原料溶液の充填率は60%であった(ステップ8)。得られた水熱合成物を水とエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥し、95%Ar+5%H2のガス気流中で500℃及び600℃において30分間熱処理を行った(ステップ9)。
出発原料組成がFe/Pt=75/25における水熱合成品及び500℃×30minの熱処理品のXRDチャートを図29に示す。XRDチャートから、水熱合成品の構造は白金の無秩序な面心立方相であることがわかった。一方、500℃×30minの熱処理品では面心立方晶の各回折線がよりシャープとなっており、他の回折面のピークが出現した。すなわち、熱処理品では構造が秩序化した白金の面心立方晶へ変化することが判明した。
上記ステップ8で得られた水熱合成品のTEM像及び約Φ1μmの領域から得られた電子線回折像を図28に示す。10nmレベルの1次粒子が凝集体を形成していた。
水熱合成品のTEM像及びTEM/EDX解析結果を図30に、水熱合成品の異なる視野のFe及びPtの組成分析値を表10に示す。なお、数10nm領域から得られたデータの平均組成はFe48.2Pt51.8であった。
上記ステップ9で得られた500℃×30minの熱処理品のTEM像及び電子線回折像を図32に示す。熱処理行わない水熱合成品に対し、500℃熱処理品では0.2nmの格子面を有する5〜10nmの1次粒子が凝集体を形成し、また配向の異なる2つの粒子の重なりによって生じるモアレによる格子模様も観察された。電子線回折像からは、白金の面心立方相であることがわかる。また出発材料がFeCl2において過剰のFe組成において酸化鉄化合物が生成したが、出発原料をFeSO4に代えることによって鉄酸化物の生成は認められなかった。
500℃熱処理品のTEM像及びTEM/EDXスペクトルを図33に、異なる視野におけるFe及びPtの組成分析値を表11に示す。なお、局所的なTEM/EDXにて得られた平均組成はFe50.6Pt49.4であった。

Claims (6)

  1. ヘキサクロロ白金(IV)酸と、塩化鉄(II)もしくは硫酸鉄(II)を水と混合し、ここに還元剤を加え、水熱化学反応を行い、得られた合成物を洗浄、乾燥させ、還元雰囲気において500〜600℃において熱処理することを含む、白金鉄合金の合成方法。
  2. ヘキサクロロ白金(IV)酸をエタノール溶液として加える、請求項1記載の方法。
  3. 分散剤及び酸化防止剤を加えた後、水熱化学反応を行う、請求項1記載の方法。
  4. アルカリ性条件下において水熱化学反応を行う、請求項1記載の方法。
  5. NaOHの添加によりアルカリ性条件とする、請求項4記載の方法。
  6. 前記水熱化学反応を、水の亜臨界状態において行う、請求項1記載の方法。
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