JP2004097773A - 棒状の芯材を有する筆記具及びその芯材の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器の主要構成部品を全て組み立てた状態で容器の内部に溶融状態の原料を注入して芯材を形成することにより、製造工数を低減し、工程自動化が容易に実現できる棒状の芯材を有する筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具は、棒状の芯材50と、両端が開放された中空体の容器10と、容器10の内部に軸方向に直線移動自在に挿入され、その内部には中心孔42が貫通して形成された中空体の保持軸30と、容器10の尾端に回転自在に結合され、その回転に応じて前記保持軸30を前記容器10の内部で直線移動させ、前記中心孔42と連通するように両端が開放された中空体の繰出部材70と、をを含む。前記芯材50は、溶融状態で前記繰出部材70の尾端から前記中心孔42を通じて前記容器10の内部に注入された後に凝固されてなり、その尾端部が前記保持軸30の先端部に保持されることにより前記保持軸30の移動に連動して移動するようになる。
【選択図】図3
【解決手段】筆記具は、棒状の芯材50と、両端が開放された中空体の容器10と、容器10の内部に軸方向に直線移動自在に挿入され、その内部には中心孔42が貫通して形成された中空体の保持軸30と、容器10の尾端に回転自在に結合され、その回転に応じて前記保持軸30を前記容器10の内部で直線移動させ、前記中心孔42と連通するように両端が開放された中空体の繰出部材70と、をを含む。前記芯材50は、溶融状態で前記繰出部材70の尾端から前記中心孔42を通じて前記容器10の内部に注入された後に凝固されてなり、その尾端部が前記保持軸30の先端部に保持されることにより前記保持軸30の移動に連動して移動するようになる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、棒状の芯材を容器から繰出し及び引き込むことができる構造の筆記具に関し、より詳しくは、製造工程を単純化することができる構造を備えることで生産自動化の実現が可能であり、芯材の先端部分を滑らかで且つ完全な形体に成形可能であり、芯材の繰出し及び引き込み時における芯材屑が発生しないようにした棒状の芯材を有する筆記具及びその芯材の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、棒状の芯材を有する筆記具は、中空の柱状容器の内部に芯材を繰出し及び引き込み可能に収納し、使用時には芯材を容器の外部に繰出し、使用完了した後には、芯材を容器の内部に引き込まれる構成となっている。
【0003】
従来の筆記具は、芯材の繰出し及び引き込みのために、芯材を保持しながら容器の内部を直線移動する芯材保持手段と、容器の一端に回転自在に結合され、前記芯材保持手段と螺合する繰出手段とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−322638号公報
【0005】
一方、前記保持手段の外周面には、軸方向に多数個の溝が形成され、前記容器の内周面には、前記溝に対応する多数個の突条が軸方向に形成されている。したがって、前記溝と前記突条とが結合された状態でスライドすることにより、前記保持手段が前記容器の内部で直線移動する。
【0006】
前記保持手段が前記繰出手段に螺合しているため、繰出手段が回転すると、前記保持手段が軸方向に推進力を受ける。この時、前記保持手段の突条と前記容器の溝とが結合されているため、前記保持手段は回転することなく容器の内部で軸方向に直線移動する。したがって、保持手段に結合されている棒状の芯材を容器から繰出したり容器内に引き込んだりすることができるのである。
【0007】
一方、棒状芯材は、高温の溶融状態の原料を常温で冷却凝固させて形成する。即ち、容器内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入した後に凝固させることにより、芯材を容器の内部形状と同じ形状に形成する。
【0008】
前述した従来の筆記具を用いて芯材を形成する方法の一例は、以下の通りである。まず、繰出手段に保持手段を組み付けた状態で、これらを容器の尾端部に結合させる。次いで、容器を先端部が上方を向くように立てた後、容器の上方、即ち、容器の先端側からその内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入した後に凝固させて芯材を形成する。
【0009】
しかし、かかる従来の芯材の形成方法によると、溶融状態の原料が凝固すると、芯材の先端部が平らに形成されるようになる。このように、芯材の先端部が平らになると、筆記し難くなるため、凝固が終わった後、芯材の先端部を丸く尖るように削る工程の追加が必要となる。したがって、芯材の製造工程が複雑となり、製造工程の自動化が非常に難しくなるという問題点がある。
【0010】
一方、従来の芯材の形成方法の他の例として、容器の先端を尖らせたキャップを結合させ、容器をキャップが下方に向くように立てた後、容器の尾端側からその内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入して凝固させる方法も使用されている。
【0011】
かかる方法を使用する場合には、キャップの内面形状によって芯材の先端部分の形状が決まるため、キャップの内面形状を予め丸く形成することにより、原料が凝固した後に芯材の先端部を削る工程を回避することはできるが、以下のような問題点がある。
【0012】
即ち、かかる従来の芯材の形成方法の場合では、原料を注入した後に保持手段を容器に組み付ける必要があるため、保持手段を容器に組み付ける作業は、溶融状態の原料を容器の内部に注入してから直ぐ行われなければならない。しかし、従来の筆記具において保持手段を容器に結合する作業は、保持手段の外周面に形成された溝と容器の内部に形成された突条とを巧みに嵌め合わせなければならないため、自動化し難く、通常、手作業で行われる。したがって、速やかな作業が極めて難しくなる。
【0013】
仮に、保持手段の組み付けが遅延すると、原料の凝固が既に始まっていて、原料と保持手段との結合が不完全になるため、保持手段により芯材を確実に保持できなくなるという問題点がある。このように、保持手段による芯材の保持が正常に行われない場合には、芯材が容器の内部で移動する時、芯材の外周面と容器の内周面との間に発生する摩擦力により芯材が引き込まれる時に保持手段から抜け易くなる。
【0014】
一方、前述した構造からなる従来の筆記具によると、芯材の移動時に容器の内部との摩擦により芯材屑が発生するという問題がある。
【0015】
即ち、前述したごとく、従来の筆記具では、容器の内周面には、軸方向に突条が形成され、保持手段の外周面には、前記突条と結合される溝が形成され、また、前記芯材は、前記容器の内周面形状と一致する外周面形状を有するため、芯材の外周面にも軸方向に突条が形成されるようになる。また、前記保持手段は、繰出手段に螺合されているため、繰出手段を回転させると、保持手段は推進力と共に回転力も受けるようになる。このように、保持手段に作用する回転力は、芯材を繰出す時と引き込む時において、逆方向に作用する。一方、保持手段に形成された溝と容器に形成された突条は、一定の隙間を有する。したがって、芯材の繰出し及び引き込み時は、芯材の溝が容器の突条により一側または反対側に、前記隙間に相当するほどの過度な圧力を受ける。かかる現象により、芯材の溝が押し潰されたり削り取られたりすることにより屑が発生する。
【0016】
また、従来の筆記具では、芯材の外周面が前記容器の内周面の形状と一致して凸凹形状に形成されているため、容器の外部に芯材を繰出すと、かかる凸凹形状がそのまま露出され、見かけ上良くないという問題もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容器の主要構成部品を全て組み立てた状態で溶融状態の原料を注入すると共に注入する溶融状態の原料をキャップの内側端部から充填し始めることにより、製造工数を低減し、工程自動化が容易に実現できる棒状の芯材を有する筆記具及び芯材の形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、本発明による棒状の芯材を有する筆記具は、溶融状態の原料が凝固してなる棒状の芯材と、両端が開放された中空体の容器と、前記容器の内部に軸方向に直線移動自在に挿入され、その内部には中心孔が貫通形成された中空体の保持軸、と前記容器の尾端に回転自在に結合され、その回転に応じて前記保持軸を前記容器の内部で直線移動させ、前記中心孔と連通するように両端が開放された中空体に形成された繰出部材と、を含んでなり、前記芯材は、溶融状態で前記繰出部材の尾端から前記中心孔を通じて前記容器の内部に注入された後に凝固されてなり、その尾端部が前記保持軸の先端部に保持されることにより前記保持軸の移動に連動して移動することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記保持軸は、前記繰出部材と螺合し、前記繰出部材の回転に応じて前記容器の内部で軸方向に直線移動する。
【0020】
具体的に、前記保持軸は、外周面に螺旋溝が形成された軸部と、この軸部の先端に結合され、その外周面は前記容器の内周面と当接した状態で回転せずに直線移動だけが可能な形状を有する保持部とを含み、前記繰出部材の先端には、前記螺旋溝に螺合する螺旋突条が形成されており、前記繰出部材が回転すると、前記螺旋突条が前記螺旋溝に沿って移動することにより、前記保持軸が前記容器の内部で回転せずに軸方向に直線移動することが好ましい。
【0021】
また、前記保持部の外周面と前記容器の内周面は、いずれも多角形の断面形状を有することにより、前記保持部は、前記容器の内部に挿入された状態では軸方向の移動だけが可能になる。
【0022】
そして、前記保持部は、前記芯材の尾端部が収納される収納部と、この収納部と連通し、その内部に芯材の原料が充填される孔を備えることが好ましい。
【0023】
一方、本発明による筆記具は、尾端は開放され先端は塞がっている中空体に形成され、その内部には前記容器が収容されるキャップを更に含むことができる。なお、前記キャップの先端部の内側には、前記芯材の先端部が所定の形状を有するように、それに対応する形状の型取り部が設けられる。
【0024】
また、本発明による筆記具は、前記繰出部材の尾端を封止するプラグを更に含むことができ、この場合、前記プラグの中央部には、前記保持軸の中心孔に挿入される突出部が突設されたことが好ましい。
【0025】
一方、本発明による芯材の形成方法は、両端が開放された中空体の容器の尾端部に、両端が開放された中空体の繰出部材を回転自在に組み付けるステップと、内部に中心孔が貫通形成された中空体の保持軸を、前記容器の前方から前記容器の内部に直線移動自在に挿入するステップと、前記繰出部材の回転に応じて前記保持軸が前記容器の内部で直線移動できるように、前記繰出部材と前記保持軸とを螺合するステップと、前記容器の先端部をキャップを取り付けることで封止するステップと、芯材原料の供給のためのノズルを前記繰出部材の後方から前記保持軸の中心孔を通じて前記容器に挿入するステップと、前記ノズルを通じて溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入するステップ、及び前記容器の内部に注入された芯材原料を凝固させることにより、棒状の芯材を形成するステップとを含んでなることを特徴とする。
【0026】
ここで、前記芯材は、側面形状が前記容器の内部形状に対応する形状に形成され、先端部の形状が前記キャップの内側端部面に形成された型取り部に対応する形状に形成され、尾端部が前記保持軸の先端部に固定されるようになる。
【0027】
一方、前記芯材原料を前記容器の内部に注入するステップにおいて、前記ノズルは、前記容器の先端部に近接して挿入された状態から前記保持軸の先端部まで移動しながら溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入することが好ましい。
【0028】
また、前記芯材原料の注入が終了した後は、前記繰出部材の尾端をプラグで封止することが好ましい。
【0029】
以上のような本発明による筆記具とその芯材の形成方法によると、容器に保持軸、繰出部材及びキャップを全て組み付けた状態で、溶融状態の原料を注入することができるため、製造工数を低減し、工程自動化を容易に実現することができる。
【0030】
また、キャップの内側端部面に芯材の先端部の形状に対応する型取り部を形成し、溶融状態の原料を前記型取り部から注入し始めることにより、前述した製造工数の低減と工程自動化の実現をより容易に達成することができ、特に、芯材の先端部をキャップの型取り部の形状に対応して滑らかで且つ完全な形体に成形し得る。
【0031】
また、本発明による筆記具では、保持軸と芯材とが容器の内面形状に対応する多角形の断面形状を有し、容器の内部に前記芯材を軸方向に移動自在に結合することにより、芯材の繰出し及び引き込み時の芯材の変形と屑の発生を防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の好適な実施の形態の詳細を、添付した図面を参照して説明する。
【0033】
図1及び図2は、それぞれ本発明の好適な実施の形態による筆記具の構造を示す分離斜視図及び分離断面図である。同図において、芯材50の先端部52が指す方向を前方、その逆方向を後方と設定して説明する。
【0034】
同図に示したように、筆記具は、大きく容器10と、保持軸30と、芯材50と、繰出部材70と、キャップ90及びプラグ110とを備える。本実施の形態において、前記容器10と、保持軸30と、繰出部材70と、キャップ90及びプラグ110は、いずれもプラスチック材で構成する。
【0035】
前記容器10は、両端が開放された円筒形をなす。容器10の内部は、その先端から尾端に向けて順次に形成された第1の内径部12と、第2の内径部14及び第3の内径部16からなる。
【0036】
前記第1の内径部12は、凸凹のない滑らかな表面を有する。
【0037】
前記第2の内径部14は、多角形の断面をなし、前記第1の内径部12から始って一定の長さだけ形成される。多角形の断面を有する第2の内径部14は、芯材50の回転を阻止すると共に芯材50の軸方向の移動をガイドする役割を果たす。前記第2の内径部14は、六角ないし八角形の断面をなすことが好ましい。六角ないし八角形は、円筒に近くて見かけも良いのみならず、芯材50の軸方向移動も適切にガイドすることができる。図示した実施の形態では、八角形に示している。
【0038】
また、前記第2の内径部14の多角形の断面は、第1の内径部12の直径を外接円にして形成されている。したがって、第2の内径部14の多角形の断面において各頂点がなす円の直径は、第1の内径部12のそれと一致し、各平坦面18がなす内接円の直径は、第1の内径部12のそれより小さくなる。
【0039】
前記第3の内径部16は、前記第2の内径部14から容器10の尾端部に至るまで形成されている。そして、前記第2の内径部14と第3の内径部16との境界部分には環状突条20が形成されている。
【0040】
前記保持軸30は、軸部32及びこの軸部32から前方側に伸びて形成される保持部34からなる。前記軸部32の外周には、螺旋溝36が形成されている。
【0041】
前記保持部34は、前記軸部32より大径をなす。かかる保持部34の先端部の外周面は、前記容器10における多角形の断面をなす第2の内径部14の表面形状に対応し、多角形の断面形状をなす。したがって、保持軸30の保持部34は、容器10の第2の内径部14に多角形が結合する形で嵌め合わされ、回転することなく軸方向にだけ移動できるようになる。前記保持部34には、収納部38が形成されている。この収納部38には、芯材50が結合される。また、保持部34の外周面には、収納部38と連通する孔40が放射状に貫通して形成されている。この孔40の個数は、芯材50の保持力に応じて2〜4個が好ましい。図示の実施の形態では、2個が形成されている。なお、前記芯材50は、好ましくは、溶融状態の原料を収納部38に注入し凝固させて形成する。この場合、芯材50は、前記孔40の内部にも充填された状態で凝固される。したがって、芯材50は、前記孔40により保持されるため、芯材50が軸方向に移動する時に収納部38から抜けることがない。
【0042】
本発明において、特に、前記保持軸30の軸中心には、中心孔42が軸部32と保持部34を完全に貫通するように形成されている。前記中心孔42は、芯材50を注入成形するための後述するノズルの進入路となる。前記ノズルは、中心孔42の尾端から進入し、収納部38を経由して容器10の内側に入るようになる。
【0043】
前記芯材50は、その先端に円錐形の頭部を水平に切り取った形状の先端部52が形成されている。
【0044】
一方、芯材50は、容器10の内部に溶融状態の原料を注入して形成されるため、その形状は、必然的に容器10の内部形状により決められる。したがって、芯材50のボディは、前記容器10の第2の内径部14がなす多角形の断面に対応する多角形の断面を有するようになり、芯材50のボディの外周には、容器10の第2の内径部14の平坦面18に一致する平坦面54が形成されている。
【0045】
前記繰出部材70は、両端が開放された中空形状をなし、前記容器10の尾端に組み付けられる。繰出部材70は、その後方から前方に、回転のためのノブとして用いられる第1の円筒部72と、この第1の円筒部72から伸びる小径の第2の円筒部74と、この第2の円筒部74から伸び、前記容器10の尾端の内側に回転自在の状態で挿入される小径の第3の円筒部76及びこの第3の円筒部76から伸びる小径の第4の円筒部78とからなる。
【0046】
前記第4の円筒部78の先端の外周には、環状突条80が形成されている。この環状突条80は、繰出部材70を容器10の尾端に組み付ける時に容器10の環状突条20に係止し、繰出部材70が容器10から抜けることがない。本実施の形態において、前記第4の円筒部78には複数の軸方向のスリット82が形成されている。第4の円筒部78は、前記スリット82により複数の弾性片84をなす。この複数の弾性片84は、半径方向の内外側への弾性を呈するようになることで、弾性片84の環状突条80が容器10の環状突条20を弾性的に通過し易くなり、通過した後は、環状突条20に弾性的に係止し易くなる。
【0047】
また、前記繰出部材70の第4の円筒部78の内周面には、前記保持軸30の螺旋溝36に螺合する螺旋突条86が形成されている。前記螺旋突条86は、円周の1/4〜1回りにかけて形成される。螺旋突条86を長く形成することは、その加工が難しく、コストも多くかかるためである。
【0048】
なお、前記第2の円筒部74の外周面には、環状突条88が形成されている。この環状突条88には、後述するキャップ90の環状突条98がかみ合う。
【0049】
また、前記繰出部材70の第1の円筒部72の尾端の内周面には、拡径部73が一定の深さで形成されている。この拡径部73には、後述するプラグ110が差し込まれる。
【0050】
前記キャップ90は、前記容器10の前方から取り付けられ、芯材50を保護する役割を果たす。かかるキャップ90の先端部の内側には、芯材50の先端部52の形状に対応する型取り部92が形成されている。この型取り部92は、芯材50の先端部52を成形するためのモールドキャビティとなる。また、前記型取り部92の周りには、前記容器10の先端が嵌め込まれる環状溝94が形成されている。そして、この環状溝94と接する型取り部92の周りには、環状エッジ96が形成されている。この環状エッジ96は、前記容器10の第1の内径部12に密着される。
【0051】
図示した実施の形態において、前記キャップ90の型取り部92は、円錐形の頭部を水平に切り取った形状になっている。かかる型取り部92の形状は、芯材50の先端部52の形状を決める。前記型取り部92は、図示した形状とは異なって、半球形または半楕円形などの様々な形状に構成することもできる。
【0052】
また、前記キャップ90の尾端部の内周面には、環状突条98が形成されている。この環状突条98は、前記繰出部材70の第2の円筒部74に形成された環状突条88にかみ合う。したがって、キャップ90が取り付けられる時には、その環状突条98が繰出部材70の環状突条88に係止し結合される。
【0053】
前記プラグ110は、前記繰出部材70の尾端に押し込まれ、繰出部材70を封止する。前記プラグ110の外周部112は、前記繰出部材70の拡径部73に嵌め込まれる。前記プラグ110の中心には、前記保持軸30の中心孔42に挿入される突出部114が形成されている。このようなプラグ110は、容器10の内部に溶融状態の芯材原料を注入した直後組み付けられる。この時、プラグ110の突出部114は、保持軸30の中心孔42を封止し、外周部112は、繰出部材70の尾端を封止する。そうすると、容器10の内部に注入されている溶融状態の原料に外気が接触することが防止され、原料が凝固する時の芯材50の表面と内部との間の温度差が減少するので冷却変形を最小化することができる。
【0054】
以下では、図1ないし図4を参照して、本発明による筆記具の組み立て方法を説明する。図3及び図4は、本発明による筆記具の組み立て工程を示す断面図である。
【0055】
図1及び図2に示したように、先ず、容器10の尾端に繰出部材70を結合する。この時、図3に示したように、繰出部材70の第3の円筒部76は、容器10の尾端部に若干の間隔をおいて挿入され、繰出部材70の先端側の環状突条80は、容器10の環状突条20に係止して結合されることにより、前記繰出部材70は、容器10の尾端に回転自在な状態で結合される。一方、この時、繰出部材70の第2の円筒部74は、キャップ90と結合するため、容器10の内部には挿入されない。
【0056】
このように、容器10と繰出部材70とが結合された状態で、保持軸30の軸部32を前記容器10の前方内側に挿入させる。前記容器10の第2の内径部14は、多角形の断面をなし、保持軸30の保持部34も前記第2の内径部14に対応して多角形の断面をなしているため、第2の内径部14の断面と保持部34の断面とを一致させると、保持軸30は、容器10の内部に自然に挿入される。
【0057】
一方、保持軸30の軸部32が容器10の尾端部に至った状態で、繰出部材70を回転させながら、保持軸30の軸部32に形成された螺旋溝36と繰出部材70の第4の円筒部78に形成された螺旋突条86とをかみ合わせる。これにより、保持軸30の軸部32と繰出部材70とが螺合する。
【0058】
ここで、前記保持軸30は、その軸部32が前記繰出部材70に螺合するのに対し、図5に示したように、保持部34は、前記容器10と多角形断面をもって結合されるため、容器10の内部で回転することなく軸方向にだけ直線移動できるような状態を維持するようになる。したがって、繰出部材70を回すと、繰出部材70の螺旋突条86が保持軸30の螺旋溝36に沿って回転し、これにより、保持軸30が容器10の内部で軸方向に直線移動するようになる。
【0059】
一方、容器10の内部で芯材50の形成が完了すると、芯材50は、その尾端が前記保持軸30の先端部により保持され、その外周面は、容器10の内面と多角形断面をもって結合されるようになる。したがって、繰出部材70の回転により芯材50も保持軸30と共に容器10の内部で軸方向に移動できるようになる。
【0060】
次いで、容器10の前方からはキャップ90が取り付けられる。キャップ90は、その尾端の内側に形成された環状突条98が前記繰出部材70の第2の円筒部74に形成された環状突条88に係止することにより、繰出部材70と結合されるようになる。
【0061】
前記キャップ90を取り付ける過程において、前記容器10の先端は、キャップ90の内側端部面に形成された環状溝94に挿入される。そうすると、キャップ90の型取り部92と前記環状溝94との間に形成された環状エッジ96が前記容器10の第1の内径部12の表面に一致するようになる。したがって、容器10の内径とキャップ90の型取り部92とが滑らかに連結される。
【0062】
ここで、前記保持軸30には、中心孔42が貫通形成されており、前記容器10の内部と完全に連通している一方、繰出部材70の後方側も当然のごとく解放された状態となっている。したがって、容器10の内部は、保持軸30の中心孔42を通じて外部と連通する。したがって、筆記具の尾端側から前記保持軸30の中心孔42を通じて容器10の内部に後述する注入ノズルを進入させて溶融状態の芯材原料を注入し、凝固させる方式にて芯材50を成形することができる。前記芯材50の先端部52は、前記キャップ90の内側端部面に形成された型取り部92の形状に応じて成形されるため、滑らかで且つ完璧な形体を得ることができる。
【0063】
一方、芯材50の形成が完了した後には、繰出部材70の尾端にプラグ110を差し込む。前記プラグ110は、その外周部112が前記繰出部材70の拡径部73に押し込まれる。この時、プラグ110の中央突出部114は、前記保持軸30の中心孔42に挿入され、溶融状態の芯材原料に外気が接触することを防止する。
【0064】
図5は、本発明による筆記具の作動を説明するための断面図であって、芯材50が容器10の前方に繰出された状態を示す。同図では、キャップ90の図示を省略している。
【0065】
先ず、芯材50を繰出するために容器10を握って繰出部材70を一方向に回すと、繰出部材70の螺旋突条86が保持軸30の螺旋溝36に沿って回転する。
【0066】
この時、前記保持軸30は、その保持部34が前記容器10に多角形断面をもって結合されているため、回転することなく軸方向にだけ移動できる状態となっている。したがって、螺旋突条86が螺旋溝36に沿って回転する力は、保持軸30を軸方向に移動させようとする推力として作用する。したがって、繰出部材70を回すことにより保持軸30が軸方向に移動する。
【0067】
また、前記芯材50は、容器10の内部形状に応じて成形されたものであるため、容器10と多角形断面をもって結合している。したがって、芯材50は、前記保持軸30の回転に応じて軸方向に移動し、容器10の外部に繰出される。
【0068】
一方、筆記具の使用後、芯材50を容器10の内部に引き込む時は、繰出部材70を前述した繰出操作時の方向と逆方向に回す。それによる引き込み動作は、前述した繰出動作と機構的作用は同一であり、進行方向だけが逆である。
【0069】
但し、前記芯材50を引き込む場合においては、次のような作用に注目することができる。
【0070】
即ち、保持軸30の保持部34には、収納部38が形成されており、この収納部38には孔40が形成されている。したがって、前記収納部38と孔40には、いずれも芯材50が充填され、芯材50が保持部34に固着されるようになる。前記芯材50が軸方向に移動する時は、芯材50の表面と容器10の内面との間には、摩擦が生じ、この摩擦力は、芯材50の移動に抵抗する力として作用する。かかる抵抗力は、芯材50が引き込まれる時、芯材50を保持軸30の保持部34から離脱させようとする力として作用する。しかし、本発明の好適な実施の形態のように、芯材50が保持部34の孔40に充填された構造は非常に堅固であるため、芯材50の保持力が強化され、芯材50の離脱を十分に防止することができる。
【0071】
一方、従来では、容器と芯材とが、軸方向の突条と軸方向の溝とで結合されている不利な構造が原因となり、芯材の繰出し・引き込み時に芯材が酷く押し潰されたり屑が発生するなどの問題があった。
【0072】
しかし、本発明の実施の形態によると、前記芯材50と容器10とが多角形の断面で結合する構造となっているため、前記のように、芯材50を容器10から繰出したり引き込んだりする過程で芯材50の屑が発生しない。
【0073】
図6ないし図9は、本発明による筆記具に溶融状態の芯材原料を注入して芯材を成形する過程を示す。
【0074】
同図に示したように、芯材50を成形する際においては、筆記具の後方側が上方を向くように立て、筆記具の後方側から注入ノズル150を進入させるようになっている。
【0075】
前記芯材50は、容器10に保持軸30と、繰出部材70及びキャップ90が組み付けられた状態で成形される。即ち、プラグ110だけが組み付けられていない状態で成形される。前記容器10に保持軸30と、繰出部材70及びキャップ90が組み付けられた状態では、容器10の第1及び第2の内径部12、14と、保持軸30の保持部34及びキャップ90の型取り部92がなす内面輪郭が芯材50の成形用モールドキャビティを形成するようになる。したがって、芯材50は、前記モールドキャビティの内面輪郭の通りに成形されるようになる。
【0076】
前記保持軸30には、中心孔42が貫通形成されており、前記容器10の内部と完全に連通している。また、繰出部材70も両側が開放された円筒形になっており、その後方側が当然に開放された状態である。したがって、芯材50の成形のためのモールドキャビティは、保持軸30を介して外部と連通した状態になるため、筆記具の後方側から注入ノズル150を進入させ、モールドキャビティに芯材原料を注入することが可能となる。
【0077】
即ち、図6に示したように、筆記具の尾端側から前記保持軸30の中心孔42を通して前記キャビティの内部に注入ノズル150を進入させる。
【0078】
以後、前記注入ノズル150がキャップ90の型取り部92まで完全に進入した状態で、図7に示したように、注入ノズル150を容器10の後方に徐々に移動させながら溶融状態の芯材原料を注入ノズル150を通じてモールドキャビティの内部に注入する。
【0079】
そうすると、溶融状態の原料は、キャップ90の型取り部92から充填され始る。溶融状態の原料は、キャップ90の型取り部92から徐々に充填されるため、型取り部92部分に隈なく完全に充填される。したがって、原料中の気泡の発生が少なく、特に、型取り部92部分での冷却変形が抑えられて芯材50の先端部52を滑らかで且つ完璧な形体に成形することができるのである。
【0080】
図8は、原料の注入が完了した状態を示す。同図に示したように、溶融状態の原料を容器10の内部及び保持軸30の保持部34まで充填する。前述したように、前記保持軸30の保持部34には、収納部38が形成されており、この収納部38の両側に、孔40が貫通形成されているため、溶融状態の原料は、前記収納部38及び孔40に全て充填されるようになる。
【0081】
原料の注入が完了した後、繰出部材70の尾端にプラグ110を差し込む。プラグ110は、その外周部112が前記繰出部材70の拡径部73に押し込まれる。この時、プラグ110の中央突出部114は、前記保持軸30の中心孔42に挿入され、溶融状態の原料に外気の温度が作用することを防止する。また、容器10の先端がキャップ90の環状溝94に嵌め込まれることにより、筆記具の前方側でもモールドキャビティは封止されるようになる。したがって、モールドキャビティ内に注入された原料が均一に冷却され凝固するため、変形を最小化することができる。
【0082】
以上のような過程を通じて注入された原料の凝固が終わった後、キャップ90を取り外すと、図9に示したように、芯材50の先端部52が露出する。前記芯材50の先端部52は、前記キャップ90の内側端部面に形成された型取り部92の形状通りに成形された状態であるため、表面が滑らかで且つ完璧な形体をなすのである。
【0083】
以上で説明したように、本発明では、前記プラグ110を除く全ての部品、即ち、保持軸30、繰出部材70及びキャップ90を全て組み立てた後に原料の注入が行われる。従来では、原料を注入した後にキャップを組み付けたり、または原料を注入した後に保持手段と回転手段を組み付けたりした。原料注入後の組み付けは、構造上手作業で行わなければならない。故に、従来では、組み付け工程が複雑となり、自動化し難かった。これに対し、本発明では、前記保持軸30にキャビティ内に連通する中心孔42を形成すると共に、繰出部材70の両端を開放させた構造を有することにより、前記部材を全て組み立てた状態で注入することができる。したがって、製造工数が低減し、工程の自動化を容易に実現できるようになる。
【0084】
また、従来では、キャップの前方から注入が行われたため、芯材の先端部を所望する形状に成形し難かった。したがって、従来では、原料の凝固後、先端部を仕上げ加工する必要があるという短所があった。これに対し、本発明では、キャップ90の内側端部面に型取り部92を形成し、溶融状態の原料を型取り部92から充填する構造を有する。即ち、キャップ90の型取り部92により芯材50の先端部52の形状が成形されるため、先端部52が滑らかで且つ完璧な形体で成形されるという長所がある。
【0085】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明による棒状の芯材を有する筆記具及びその芯材の形成方法によると、容器の主要構成部品を全て組み立てた状態で溶融状態の原料を注入することができることにより、製造工数を低減し、工程自動化を容易に実現することができる。
【0086】
また、本発明では、キャップの内側端部面に芯材の先端部の形状に応じる型取り部を形成し、溶融状態の原料を前記型取り部から注入し始めることにより、前記した製造工数の低減と工程自動化の実現に更に役立ち、特に、芯材の先端部をキャップの型取り部の形状に応じて滑らかで且つ完全な形体で成形することができる。
【0087】
なお、本発明では、保持軸と芯材とが、容器の内周面形状に対応する多角形の断面形状をなすため、容器の内部で回転することなく軸方向にだけ直線移動する。従って、芯材の繰出し及び引き込み時に芯材と容器との摩擦による芯材の変形と屑の発生を防止することができる。
【0088】
また、芯材が多角形の断面をなすため、美麗さを向上することができるという付随的な効果もある。
【0089】
以上では、本発明の特定の好適な実施の形態について図示し、また説明した。しかし、本発明は、上述した実施の形体に限定されることではなく、特許請求の範囲で請求している本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0090】
特に、本発明は筆記具のみならず、リップスティックなどのように棒状材料を繰出したり引き込んだりして使用する方式の製品にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態による筆記具の分離斜視図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態による筆記具の分離断面図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態による筆記具の全体組立断面図である。
【図4】図3のI−I線に沿う断面図である。
【図5】図3からキャップを取り外した状態で芯材を一定量繰出した状態を示す断面図である。
【図6】容器に溶融状態の原料を注入する前の状態を示す図である。
【図7】容器に溶融状態の原料が一定量注入された状態を示す図である。
【図8】容器に溶融状態の原料を注入した後、プラグを差し込んだ状態を示す断面図である。
【図9】図8からキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10:容器 12:第1の内径部
14:第2の内径部 16:第3の内径部
18:平坦面 20:環状突条
30:保持軸 32:軸部
34:保持部 36:螺旋溝
38:収納部 40:孔
42:中心孔 50:芯材
52:先端部 54:平坦面
70:繰出部材 72:第1円筒部
73:拡径部 74:第2の円筒部
76:第3の円筒部 78:第4の円筒部
80:環状突条 82:スリット
84:弾性片 86:螺旋突条
88:環状突条 90:キャップ
92:型取り部 94:環状溝
96:環状エッジ 98:環状突条
110:プラグ 112:外径
114:突出部 150:注入ノズル
【発明の属する技術の分野】
本発明は、棒状の芯材を容器から繰出し及び引き込むことができる構造の筆記具に関し、より詳しくは、製造工程を単純化することができる構造を備えることで生産自動化の実現が可能であり、芯材の先端部分を滑らかで且つ完全な形体に成形可能であり、芯材の繰出し及び引き込み時における芯材屑が発生しないようにした棒状の芯材を有する筆記具及びその芯材の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、棒状の芯材を有する筆記具は、中空の柱状容器の内部に芯材を繰出し及び引き込み可能に収納し、使用時には芯材を容器の外部に繰出し、使用完了した後には、芯材を容器の内部に引き込まれる構成となっている。
【0003】
従来の筆記具は、芯材の繰出し及び引き込みのために、芯材を保持しながら容器の内部を直線移動する芯材保持手段と、容器の一端に回転自在に結合され、前記芯材保持手段と螺合する繰出手段とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−322638号公報
【0005】
一方、前記保持手段の外周面には、軸方向に多数個の溝が形成され、前記容器の内周面には、前記溝に対応する多数個の突条が軸方向に形成されている。したがって、前記溝と前記突条とが結合された状態でスライドすることにより、前記保持手段が前記容器の内部で直線移動する。
【0006】
前記保持手段が前記繰出手段に螺合しているため、繰出手段が回転すると、前記保持手段が軸方向に推進力を受ける。この時、前記保持手段の突条と前記容器の溝とが結合されているため、前記保持手段は回転することなく容器の内部で軸方向に直線移動する。したがって、保持手段に結合されている棒状の芯材を容器から繰出したり容器内に引き込んだりすることができるのである。
【0007】
一方、棒状芯材は、高温の溶融状態の原料を常温で冷却凝固させて形成する。即ち、容器内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入した後に凝固させることにより、芯材を容器の内部形状と同じ形状に形成する。
【0008】
前述した従来の筆記具を用いて芯材を形成する方法の一例は、以下の通りである。まず、繰出手段に保持手段を組み付けた状態で、これらを容器の尾端部に結合させる。次いで、容器を先端部が上方を向くように立てた後、容器の上方、即ち、容器の先端側からその内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入した後に凝固させて芯材を形成する。
【0009】
しかし、かかる従来の芯材の形成方法によると、溶融状態の原料が凝固すると、芯材の先端部が平らに形成されるようになる。このように、芯材の先端部が平らになると、筆記し難くなるため、凝固が終わった後、芯材の先端部を丸く尖るように削る工程の追加が必要となる。したがって、芯材の製造工程が複雑となり、製造工程の自動化が非常に難しくなるという問題点がある。
【0010】
一方、従来の芯材の形成方法の他の例として、容器の先端を尖らせたキャップを結合させ、容器をキャップが下方に向くように立てた後、容器の尾端側からその内部にノズルを進入させ、溶融状態の原料を注入して凝固させる方法も使用されている。
【0011】
かかる方法を使用する場合には、キャップの内面形状によって芯材の先端部分の形状が決まるため、キャップの内面形状を予め丸く形成することにより、原料が凝固した後に芯材の先端部を削る工程を回避することはできるが、以下のような問題点がある。
【0012】
即ち、かかる従来の芯材の形成方法の場合では、原料を注入した後に保持手段を容器に組み付ける必要があるため、保持手段を容器に組み付ける作業は、溶融状態の原料を容器の内部に注入してから直ぐ行われなければならない。しかし、従来の筆記具において保持手段を容器に結合する作業は、保持手段の外周面に形成された溝と容器の内部に形成された突条とを巧みに嵌め合わせなければならないため、自動化し難く、通常、手作業で行われる。したがって、速やかな作業が極めて難しくなる。
【0013】
仮に、保持手段の組み付けが遅延すると、原料の凝固が既に始まっていて、原料と保持手段との結合が不完全になるため、保持手段により芯材を確実に保持できなくなるという問題点がある。このように、保持手段による芯材の保持が正常に行われない場合には、芯材が容器の内部で移動する時、芯材の外周面と容器の内周面との間に発生する摩擦力により芯材が引き込まれる時に保持手段から抜け易くなる。
【0014】
一方、前述した構造からなる従来の筆記具によると、芯材の移動時に容器の内部との摩擦により芯材屑が発生するという問題がある。
【0015】
即ち、前述したごとく、従来の筆記具では、容器の内周面には、軸方向に突条が形成され、保持手段の外周面には、前記突条と結合される溝が形成され、また、前記芯材は、前記容器の内周面形状と一致する外周面形状を有するため、芯材の外周面にも軸方向に突条が形成されるようになる。また、前記保持手段は、繰出手段に螺合されているため、繰出手段を回転させると、保持手段は推進力と共に回転力も受けるようになる。このように、保持手段に作用する回転力は、芯材を繰出す時と引き込む時において、逆方向に作用する。一方、保持手段に形成された溝と容器に形成された突条は、一定の隙間を有する。したがって、芯材の繰出し及び引き込み時は、芯材の溝が容器の突条により一側または反対側に、前記隙間に相当するほどの過度な圧力を受ける。かかる現象により、芯材の溝が押し潰されたり削り取られたりすることにより屑が発生する。
【0016】
また、従来の筆記具では、芯材の外周面が前記容器の内周面の形状と一致して凸凹形状に形成されているため、容器の外部に芯材を繰出すと、かかる凸凹形状がそのまま露出され、見かけ上良くないという問題もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容器の主要構成部品を全て組み立てた状態で溶融状態の原料を注入すると共に注入する溶融状態の原料をキャップの内側端部から充填し始めることにより、製造工数を低減し、工程自動化が容易に実現できる棒状の芯材を有する筆記具及び芯材の形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、本発明による棒状の芯材を有する筆記具は、溶融状態の原料が凝固してなる棒状の芯材と、両端が開放された中空体の容器と、前記容器の内部に軸方向に直線移動自在に挿入され、その内部には中心孔が貫通形成された中空体の保持軸、と前記容器の尾端に回転自在に結合され、その回転に応じて前記保持軸を前記容器の内部で直線移動させ、前記中心孔と連通するように両端が開放された中空体に形成された繰出部材と、を含んでなり、前記芯材は、溶融状態で前記繰出部材の尾端から前記中心孔を通じて前記容器の内部に注入された後に凝固されてなり、その尾端部が前記保持軸の先端部に保持されることにより前記保持軸の移動に連動して移動することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記保持軸は、前記繰出部材と螺合し、前記繰出部材の回転に応じて前記容器の内部で軸方向に直線移動する。
【0020】
具体的に、前記保持軸は、外周面に螺旋溝が形成された軸部と、この軸部の先端に結合され、その外周面は前記容器の内周面と当接した状態で回転せずに直線移動だけが可能な形状を有する保持部とを含み、前記繰出部材の先端には、前記螺旋溝に螺合する螺旋突条が形成されており、前記繰出部材が回転すると、前記螺旋突条が前記螺旋溝に沿って移動することにより、前記保持軸が前記容器の内部で回転せずに軸方向に直線移動することが好ましい。
【0021】
また、前記保持部の外周面と前記容器の内周面は、いずれも多角形の断面形状を有することにより、前記保持部は、前記容器の内部に挿入された状態では軸方向の移動だけが可能になる。
【0022】
そして、前記保持部は、前記芯材の尾端部が収納される収納部と、この収納部と連通し、その内部に芯材の原料が充填される孔を備えることが好ましい。
【0023】
一方、本発明による筆記具は、尾端は開放され先端は塞がっている中空体に形成され、その内部には前記容器が収容されるキャップを更に含むことができる。なお、前記キャップの先端部の内側には、前記芯材の先端部が所定の形状を有するように、それに対応する形状の型取り部が設けられる。
【0024】
また、本発明による筆記具は、前記繰出部材の尾端を封止するプラグを更に含むことができ、この場合、前記プラグの中央部には、前記保持軸の中心孔に挿入される突出部が突設されたことが好ましい。
【0025】
一方、本発明による芯材の形成方法は、両端が開放された中空体の容器の尾端部に、両端が開放された中空体の繰出部材を回転自在に組み付けるステップと、内部に中心孔が貫通形成された中空体の保持軸を、前記容器の前方から前記容器の内部に直線移動自在に挿入するステップと、前記繰出部材の回転に応じて前記保持軸が前記容器の内部で直線移動できるように、前記繰出部材と前記保持軸とを螺合するステップと、前記容器の先端部をキャップを取り付けることで封止するステップと、芯材原料の供給のためのノズルを前記繰出部材の後方から前記保持軸の中心孔を通じて前記容器に挿入するステップと、前記ノズルを通じて溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入するステップ、及び前記容器の内部に注入された芯材原料を凝固させることにより、棒状の芯材を形成するステップとを含んでなることを特徴とする。
【0026】
ここで、前記芯材は、側面形状が前記容器の内部形状に対応する形状に形成され、先端部の形状が前記キャップの内側端部面に形成された型取り部に対応する形状に形成され、尾端部が前記保持軸の先端部に固定されるようになる。
【0027】
一方、前記芯材原料を前記容器の内部に注入するステップにおいて、前記ノズルは、前記容器の先端部に近接して挿入された状態から前記保持軸の先端部まで移動しながら溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入することが好ましい。
【0028】
また、前記芯材原料の注入が終了した後は、前記繰出部材の尾端をプラグで封止することが好ましい。
【0029】
以上のような本発明による筆記具とその芯材の形成方法によると、容器に保持軸、繰出部材及びキャップを全て組み付けた状態で、溶融状態の原料を注入することができるため、製造工数を低減し、工程自動化を容易に実現することができる。
【0030】
また、キャップの内側端部面に芯材の先端部の形状に対応する型取り部を形成し、溶融状態の原料を前記型取り部から注入し始めることにより、前述した製造工数の低減と工程自動化の実現をより容易に達成することができ、特に、芯材の先端部をキャップの型取り部の形状に対応して滑らかで且つ完全な形体に成形し得る。
【0031】
また、本発明による筆記具では、保持軸と芯材とが容器の内面形状に対応する多角形の断面形状を有し、容器の内部に前記芯材を軸方向に移動自在に結合することにより、芯材の繰出し及び引き込み時の芯材の変形と屑の発生を防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の好適な実施の形態の詳細を、添付した図面を参照して説明する。
【0033】
図1及び図2は、それぞれ本発明の好適な実施の形態による筆記具の構造を示す分離斜視図及び分離断面図である。同図において、芯材50の先端部52が指す方向を前方、その逆方向を後方と設定して説明する。
【0034】
同図に示したように、筆記具は、大きく容器10と、保持軸30と、芯材50と、繰出部材70と、キャップ90及びプラグ110とを備える。本実施の形態において、前記容器10と、保持軸30と、繰出部材70と、キャップ90及びプラグ110は、いずれもプラスチック材で構成する。
【0035】
前記容器10は、両端が開放された円筒形をなす。容器10の内部は、その先端から尾端に向けて順次に形成された第1の内径部12と、第2の内径部14及び第3の内径部16からなる。
【0036】
前記第1の内径部12は、凸凹のない滑らかな表面を有する。
【0037】
前記第2の内径部14は、多角形の断面をなし、前記第1の内径部12から始って一定の長さだけ形成される。多角形の断面を有する第2の内径部14は、芯材50の回転を阻止すると共に芯材50の軸方向の移動をガイドする役割を果たす。前記第2の内径部14は、六角ないし八角形の断面をなすことが好ましい。六角ないし八角形は、円筒に近くて見かけも良いのみならず、芯材50の軸方向移動も適切にガイドすることができる。図示した実施の形態では、八角形に示している。
【0038】
また、前記第2の内径部14の多角形の断面は、第1の内径部12の直径を外接円にして形成されている。したがって、第2の内径部14の多角形の断面において各頂点がなす円の直径は、第1の内径部12のそれと一致し、各平坦面18がなす内接円の直径は、第1の内径部12のそれより小さくなる。
【0039】
前記第3の内径部16は、前記第2の内径部14から容器10の尾端部に至るまで形成されている。そして、前記第2の内径部14と第3の内径部16との境界部分には環状突条20が形成されている。
【0040】
前記保持軸30は、軸部32及びこの軸部32から前方側に伸びて形成される保持部34からなる。前記軸部32の外周には、螺旋溝36が形成されている。
【0041】
前記保持部34は、前記軸部32より大径をなす。かかる保持部34の先端部の外周面は、前記容器10における多角形の断面をなす第2の内径部14の表面形状に対応し、多角形の断面形状をなす。したがって、保持軸30の保持部34は、容器10の第2の内径部14に多角形が結合する形で嵌め合わされ、回転することなく軸方向にだけ移動できるようになる。前記保持部34には、収納部38が形成されている。この収納部38には、芯材50が結合される。また、保持部34の外周面には、収納部38と連通する孔40が放射状に貫通して形成されている。この孔40の個数は、芯材50の保持力に応じて2〜4個が好ましい。図示の実施の形態では、2個が形成されている。なお、前記芯材50は、好ましくは、溶融状態の原料を収納部38に注入し凝固させて形成する。この場合、芯材50は、前記孔40の内部にも充填された状態で凝固される。したがって、芯材50は、前記孔40により保持されるため、芯材50が軸方向に移動する時に収納部38から抜けることがない。
【0042】
本発明において、特に、前記保持軸30の軸中心には、中心孔42が軸部32と保持部34を完全に貫通するように形成されている。前記中心孔42は、芯材50を注入成形するための後述するノズルの進入路となる。前記ノズルは、中心孔42の尾端から進入し、収納部38を経由して容器10の内側に入るようになる。
【0043】
前記芯材50は、その先端に円錐形の頭部を水平に切り取った形状の先端部52が形成されている。
【0044】
一方、芯材50は、容器10の内部に溶融状態の原料を注入して形成されるため、その形状は、必然的に容器10の内部形状により決められる。したがって、芯材50のボディは、前記容器10の第2の内径部14がなす多角形の断面に対応する多角形の断面を有するようになり、芯材50のボディの外周には、容器10の第2の内径部14の平坦面18に一致する平坦面54が形成されている。
【0045】
前記繰出部材70は、両端が開放された中空形状をなし、前記容器10の尾端に組み付けられる。繰出部材70は、その後方から前方に、回転のためのノブとして用いられる第1の円筒部72と、この第1の円筒部72から伸びる小径の第2の円筒部74と、この第2の円筒部74から伸び、前記容器10の尾端の内側に回転自在の状態で挿入される小径の第3の円筒部76及びこの第3の円筒部76から伸びる小径の第4の円筒部78とからなる。
【0046】
前記第4の円筒部78の先端の外周には、環状突条80が形成されている。この環状突条80は、繰出部材70を容器10の尾端に組み付ける時に容器10の環状突条20に係止し、繰出部材70が容器10から抜けることがない。本実施の形態において、前記第4の円筒部78には複数の軸方向のスリット82が形成されている。第4の円筒部78は、前記スリット82により複数の弾性片84をなす。この複数の弾性片84は、半径方向の内外側への弾性を呈するようになることで、弾性片84の環状突条80が容器10の環状突条20を弾性的に通過し易くなり、通過した後は、環状突条20に弾性的に係止し易くなる。
【0047】
また、前記繰出部材70の第4の円筒部78の内周面には、前記保持軸30の螺旋溝36に螺合する螺旋突条86が形成されている。前記螺旋突条86は、円周の1/4〜1回りにかけて形成される。螺旋突条86を長く形成することは、その加工が難しく、コストも多くかかるためである。
【0048】
なお、前記第2の円筒部74の外周面には、環状突条88が形成されている。この環状突条88には、後述するキャップ90の環状突条98がかみ合う。
【0049】
また、前記繰出部材70の第1の円筒部72の尾端の内周面には、拡径部73が一定の深さで形成されている。この拡径部73には、後述するプラグ110が差し込まれる。
【0050】
前記キャップ90は、前記容器10の前方から取り付けられ、芯材50を保護する役割を果たす。かかるキャップ90の先端部の内側には、芯材50の先端部52の形状に対応する型取り部92が形成されている。この型取り部92は、芯材50の先端部52を成形するためのモールドキャビティとなる。また、前記型取り部92の周りには、前記容器10の先端が嵌め込まれる環状溝94が形成されている。そして、この環状溝94と接する型取り部92の周りには、環状エッジ96が形成されている。この環状エッジ96は、前記容器10の第1の内径部12に密着される。
【0051】
図示した実施の形態において、前記キャップ90の型取り部92は、円錐形の頭部を水平に切り取った形状になっている。かかる型取り部92の形状は、芯材50の先端部52の形状を決める。前記型取り部92は、図示した形状とは異なって、半球形または半楕円形などの様々な形状に構成することもできる。
【0052】
また、前記キャップ90の尾端部の内周面には、環状突条98が形成されている。この環状突条98は、前記繰出部材70の第2の円筒部74に形成された環状突条88にかみ合う。したがって、キャップ90が取り付けられる時には、その環状突条98が繰出部材70の環状突条88に係止し結合される。
【0053】
前記プラグ110は、前記繰出部材70の尾端に押し込まれ、繰出部材70を封止する。前記プラグ110の外周部112は、前記繰出部材70の拡径部73に嵌め込まれる。前記プラグ110の中心には、前記保持軸30の中心孔42に挿入される突出部114が形成されている。このようなプラグ110は、容器10の内部に溶融状態の芯材原料を注入した直後組み付けられる。この時、プラグ110の突出部114は、保持軸30の中心孔42を封止し、外周部112は、繰出部材70の尾端を封止する。そうすると、容器10の内部に注入されている溶融状態の原料に外気が接触することが防止され、原料が凝固する時の芯材50の表面と内部との間の温度差が減少するので冷却変形を最小化することができる。
【0054】
以下では、図1ないし図4を参照して、本発明による筆記具の組み立て方法を説明する。図3及び図4は、本発明による筆記具の組み立て工程を示す断面図である。
【0055】
図1及び図2に示したように、先ず、容器10の尾端に繰出部材70を結合する。この時、図3に示したように、繰出部材70の第3の円筒部76は、容器10の尾端部に若干の間隔をおいて挿入され、繰出部材70の先端側の環状突条80は、容器10の環状突条20に係止して結合されることにより、前記繰出部材70は、容器10の尾端に回転自在な状態で結合される。一方、この時、繰出部材70の第2の円筒部74は、キャップ90と結合するため、容器10の内部には挿入されない。
【0056】
このように、容器10と繰出部材70とが結合された状態で、保持軸30の軸部32を前記容器10の前方内側に挿入させる。前記容器10の第2の内径部14は、多角形の断面をなし、保持軸30の保持部34も前記第2の内径部14に対応して多角形の断面をなしているため、第2の内径部14の断面と保持部34の断面とを一致させると、保持軸30は、容器10の内部に自然に挿入される。
【0057】
一方、保持軸30の軸部32が容器10の尾端部に至った状態で、繰出部材70を回転させながら、保持軸30の軸部32に形成された螺旋溝36と繰出部材70の第4の円筒部78に形成された螺旋突条86とをかみ合わせる。これにより、保持軸30の軸部32と繰出部材70とが螺合する。
【0058】
ここで、前記保持軸30は、その軸部32が前記繰出部材70に螺合するのに対し、図5に示したように、保持部34は、前記容器10と多角形断面をもって結合されるため、容器10の内部で回転することなく軸方向にだけ直線移動できるような状態を維持するようになる。したがって、繰出部材70を回すと、繰出部材70の螺旋突条86が保持軸30の螺旋溝36に沿って回転し、これにより、保持軸30が容器10の内部で軸方向に直線移動するようになる。
【0059】
一方、容器10の内部で芯材50の形成が完了すると、芯材50は、その尾端が前記保持軸30の先端部により保持され、その外周面は、容器10の内面と多角形断面をもって結合されるようになる。したがって、繰出部材70の回転により芯材50も保持軸30と共に容器10の内部で軸方向に移動できるようになる。
【0060】
次いで、容器10の前方からはキャップ90が取り付けられる。キャップ90は、その尾端の内側に形成された環状突条98が前記繰出部材70の第2の円筒部74に形成された環状突条88に係止することにより、繰出部材70と結合されるようになる。
【0061】
前記キャップ90を取り付ける過程において、前記容器10の先端は、キャップ90の内側端部面に形成された環状溝94に挿入される。そうすると、キャップ90の型取り部92と前記環状溝94との間に形成された環状エッジ96が前記容器10の第1の内径部12の表面に一致するようになる。したがって、容器10の内径とキャップ90の型取り部92とが滑らかに連結される。
【0062】
ここで、前記保持軸30には、中心孔42が貫通形成されており、前記容器10の内部と完全に連通している一方、繰出部材70の後方側も当然のごとく解放された状態となっている。したがって、容器10の内部は、保持軸30の中心孔42を通じて外部と連通する。したがって、筆記具の尾端側から前記保持軸30の中心孔42を通じて容器10の内部に後述する注入ノズルを進入させて溶融状態の芯材原料を注入し、凝固させる方式にて芯材50を成形することができる。前記芯材50の先端部52は、前記キャップ90の内側端部面に形成された型取り部92の形状に応じて成形されるため、滑らかで且つ完璧な形体を得ることができる。
【0063】
一方、芯材50の形成が完了した後には、繰出部材70の尾端にプラグ110を差し込む。前記プラグ110は、その外周部112が前記繰出部材70の拡径部73に押し込まれる。この時、プラグ110の中央突出部114は、前記保持軸30の中心孔42に挿入され、溶融状態の芯材原料に外気が接触することを防止する。
【0064】
図5は、本発明による筆記具の作動を説明するための断面図であって、芯材50が容器10の前方に繰出された状態を示す。同図では、キャップ90の図示を省略している。
【0065】
先ず、芯材50を繰出するために容器10を握って繰出部材70を一方向に回すと、繰出部材70の螺旋突条86が保持軸30の螺旋溝36に沿って回転する。
【0066】
この時、前記保持軸30は、その保持部34が前記容器10に多角形断面をもって結合されているため、回転することなく軸方向にだけ移動できる状態となっている。したがって、螺旋突条86が螺旋溝36に沿って回転する力は、保持軸30を軸方向に移動させようとする推力として作用する。したがって、繰出部材70を回すことにより保持軸30が軸方向に移動する。
【0067】
また、前記芯材50は、容器10の内部形状に応じて成形されたものであるため、容器10と多角形断面をもって結合している。したがって、芯材50は、前記保持軸30の回転に応じて軸方向に移動し、容器10の外部に繰出される。
【0068】
一方、筆記具の使用後、芯材50を容器10の内部に引き込む時は、繰出部材70を前述した繰出操作時の方向と逆方向に回す。それによる引き込み動作は、前述した繰出動作と機構的作用は同一であり、進行方向だけが逆である。
【0069】
但し、前記芯材50を引き込む場合においては、次のような作用に注目することができる。
【0070】
即ち、保持軸30の保持部34には、収納部38が形成されており、この収納部38には孔40が形成されている。したがって、前記収納部38と孔40には、いずれも芯材50が充填され、芯材50が保持部34に固着されるようになる。前記芯材50が軸方向に移動する時は、芯材50の表面と容器10の内面との間には、摩擦が生じ、この摩擦力は、芯材50の移動に抵抗する力として作用する。かかる抵抗力は、芯材50が引き込まれる時、芯材50を保持軸30の保持部34から離脱させようとする力として作用する。しかし、本発明の好適な実施の形態のように、芯材50が保持部34の孔40に充填された構造は非常に堅固であるため、芯材50の保持力が強化され、芯材50の離脱を十分に防止することができる。
【0071】
一方、従来では、容器と芯材とが、軸方向の突条と軸方向の溝とで結合されている不利な構造が原因となり、芯材の繰出し・引き込み時に芯材が酷く押し潰されたり屑が発生するなどの問題があった。
【0072】
しかし、本発明の実施の形態によると、前記芯材50と容器10とが多角形の断面で結合する構造となっているため、前記のように、芯材50を容器10から繰出したり引き込んだりする過程で芯材50の屑が発生しない。
【0073】
図6ないし図9は、本発明による筆記具に溶融状態の芯材原料を注入して芯材を成形する過程を示す。
【0074】
同図に示したように、芯材50を成形する際においては、筆記具の後方側が上方を向くように立て、筆記具の後方側から注入ノズル150を進入させるようになっている。
【0075】
前記芯材50は、容器10に保持軸30と、繰出部材70及びキャップ90が組み付けられた状態で成形される。即ち、プラグ110だけが組み付けられていない状態で成形される。前記容器10に保持軸30と、繰出部材70及びキャップ90が組み付けられた状態では、容器10の第1及び第2の内径部12、14と、保持軸30の保持部34及びキャップ90の型取り部92がなす内面輪郭が芯材50の成形用モールドキャビティを形成するようになる。したがって、芯材50は、前記モールドキャビティの内面輪郭の通りに成形されるようになる。
【0076】
前記保持軸30には、中心孔42が貫通形成されており、前記容器10の内部と完全に連通している。また、繰出部材70も両側が開放された円筒形になっており、その後方側が当然に開放された状態である。したがって、芯材50の成形のためのモールドキャビティは、保持軸30を介して外部と連通した状態になるため、筆記具の後方側から注入ノズル150を進入させ、モールドキャビティに芯材原料を注入することが可能となる。
【0077】
即ち、図6に示したように、筆記具の尾端側から前記保持軸30の中心孔42を通して前記キャビティの内部に注入ノズル150を進入させる。
【0078】
以後、前記注入ノズル150がキャップ90の型取り部92まで完全に進入した状態で、図7に示したように、注入ノズル150を容器10の後方に徐々に移動させながら溶融状態の芯材原料を注入ノズル150を通じてモールドキャビティの内部に注入する。
【0079】
そうすると、溶融状態の原料は、キャップ90の型取り部92から充填され始る。溶融状態の原料は、キャップ90の型取り部92から徐々に充填されるため、型取り部92部分に隈なく完全に充填される。したがって、原料中の気泡の発生が少なく、特に、型取り部92部分での冷却変形が抑えられて芯材50の先端部52を滑らかで且つ完璧な形体に成形することができるのである。
【0080】
図8は、原料の注入が完了した状態を示す。同図に示したように、溶融状態の原料を容器10の内部及び保持軸30の保持部34まで充填する。前述したように、前記保持軸30の保持部34には、収納部38が形成されており、この収納部38の両側に、孔40が貫通形成されているため、溶融状態の原料は、前記収納部38及び孔40に全て充填されるようになる。
【0081】
原料の注入が完了した後、繰出部材70の尾端にプラグ110を差し込む。プラグ110は、その外周部112が前記繰出部材70の拡径部73に押し込まれる。この時、プラグ110の中央突出部114は、前記保持軸30の中心孔42に挿入され、溶融状態の原料に外気の温度が作用することを防止する。また、容器10の先端がキャップ90の環状溝94に嵌め込まれることにより、筆記具の前方側でもモールドキャビティは封止されるようになる。したがって、モールドキャビティ内に注入された原料が均一に冷却され凝固するため、変形を最小化することができる。
【0082】
以上のような過程を通じて注入された原料の凝固が終わった後、キャップ90を取り外すと、図9に示したように、芯材50の先端部52が露出する。前記芯材50の先端部52は、前記キャップ90の内側端部面に形成された型取り部92の形状通りに成形された状態であるため、表面が滑らかで且つ完璧な形体をなすのである。
【0083】
以上で説明したように、本発明では、前記プラグ110を除く全ての部品、即ち、保持軸30、繰出部材70及びキャップ90を全て組み立てた後に原料の注入が行われる。従来では、原料を注入した後にキャップを組み付けたり、または原料を注入した後に保持手段と回転手段を組み付けたりした。原料注入後の組み付けは、構造上手作業で行わなければならない。故に、従来では、組み付け工程が複雑となり、自動化し難かった。これに対し、本発明では、前記保持軸30にキャビティ内に連通する中心孔42を形成すると共に、繰出部材70の両端を開放させた構造を有することにより、前記部材を全て組み立てた状態で注入することができる。したがって、製造工数が低減し、工程の自動化を容易に実現できるようになる。
【0084】
また、従来では、キャップの前方から注入が行われたため、芯材の先端部を所望する形状に成形し難かった。したがって、従来では、原料の凝固後、先端部を仕上げ加工する必要があるという短所があった。これに対し、本発明では、キャップ90の内側端部面に型取り部92を形成し、溶融状態の原料を型取り部92から充填する構造を有する。即ち、キャップ90の型取り部92により芯材50の先端部52の形状が成形されるため、先端部52が滑らかで且つ完璧な形体で成形されるという長所がある。
【0085】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明による棒状の芯材を有する筆記具及びその芯材の形成方法によると、容器の主要構成部品を全て組み立てた状態で溶融状態の原料を注入することができることにより、製造工数を低減し、工程自動化を容易に実現することができる。
【0086】
また、本発明では、キャップの内側端部面に芯材の先端部の形状に応じる型取り部を形成し、溶融状態の原料を前記型取り部から注入し始めることにより、前記した製造工数の低減と工程自動化の実現に更に役立ち、特に、芯材の先端部をキャップの型取り部の形状に応じて滑らかで且つ完全な形体で成形することができる。
【0087】
なお、本発明では、保持軸と芯材とが、容器の内周面形状に対応する多角形の断面形状をなすため、容器の内部で回転することなく軸方向にだけ直線移動する。従って、芯材の繰出し及び引き込み時に芯材と容器との摩擦による芯材の変形と屑の発生を防止することができる。
【0088】
また、芯材が多角形の断面をなすため、美麗さを向上することができるという付随的な効果もある。
【0089】
以上では、本発明の特定の好適な実施の形態について図示し、また説明した。しかし、本発明は、上述した実施の形体に限定されることではなく、特許請求の範囲で請求している本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0090】
特に、本発明は筆記具のみならず、リップスティックなどのように棒状材料を繰出したり引き込んだりして使用する方式の製品にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態による筆記具の分離斜視図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態による筆記具の分離断面図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態による筆記具の全体組立断面図である。
【図4】図3のI−I線に沿う断面図である。
【図5】図3からキャップを取り外した状態で芯材を一定量繰出した状態を示す断面図である。
【図6】容器に溶融状態の原料を注入する前の状態を示す図である。
【図7】容器に溶融状態の原料が一定量注入された状態を示す図である。
【図8】容器に溶融状態の原料を注入した後、プラグを差し込んだ状態を示す断面図である。
【図9】図8からキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10:容器 12:第1の内径部
14:第2の内径部 16:第3の内径部
18:平坦面 20:環状突条
30:保持軸 32:軸部
34:保持部 36:螺旋溝
38:収納部 40:孔
42:中心孔 50:芯材
52:先端部 54:平坦面
70:繰出部材 72:第1円筒部
73:拡径部 74:第2の円筒部
76:第3の円筒部 78:第4の円筒部
80:環状突条 82:スリット
84:弾性片 86:螺旋突条
88:環状突条 90:キャップ
92:型取り部 94:環状溝
96:環状エッジ 98:環状突条
110:プラグ 112:外径
114:突出部 150:注入ノズル
Claims (12)
- 溶融状態の原料が凝固してなる棒状の芯材50を備える筆記具において、
両端が開放された中空体の容器10と、
前記容器10の内部に軸方向に直線移動自在に挿入され、その内部には中心孔42が貫通形成された中空体の保持軸30と、
前記容器10の尾端に回転自在に結合され、その回転に応じて前記保持軸30を前記容器10の内部で直線移動させ、前記中心孔42と連通するように両端が開放された中空体の繰出部材70とを含み、
前記芯材50が、溶融状態で前記繰出部材70の尾端から前記中心孔42を通じて前記容器10の内部に注入された後に凝固されてなり、その尾端部が前記保持軸30の先端部に保持されることにより前記保持軸30の移動に連動して移動することを特徴とする筆記具。 - 前記保持軸30が、前記繰出部材70と螺合し、前記繰出部材70の回転に応じて前記容器10の内部で軸方向に直線移動することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
- 前記保持軸30が、外周面に螺旋溝36が形成された軸部32と、この軸部32の先端に結合され、その外周面が前記容器10の内周面と当接した状態で回転することなく直線移動だけが可能な形状を有する保持部34とを含み、
前記繰出部材70の先端には、前記螺旋溝36に螺合する螺旋突条86が形成されており、
前記繰出部材70が回転すると、前記螺旋突条86が前記螺旋溝36に沿って移動することにより、前記保持軸30が前記容器10の内部で回転することなく軸方向に直線移動することを特徴とする請求項2に記載の筆記具。 - 前記保持部34の外周面と前記容器10の内周面がいずれも多角形の断面形状を有することにより、前記保持部34が前記容器10の内部に挿入された状態では軸方向の移動だけが可能であることを特徴とする請求項3に記載の筆記具。
- 前記保持部34が、前記芯材50の尾端部が収納される収納部38と、この収納部38と連通し、その内部に芯材50の原料が充填される孔40とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の筆記具。
- 尾端が開放され先端が塞がった中空体に形成され、その内部には前記容器10が収容されるキャップ90を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
- 前記キャップ90の先端部の内側には、前記芯材50の先端部52が所定の形状を有するように型取りする型取り部92が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の筆記具。
- 前記繰出部材70の尾端を封止するプラグ110を更に含み、
前記プラグ110の中央部には、前記保持軸30の中心孔42に挿入される突出部114が突設されたことを特徴とする請求項1に記載の筆記具。 - 両端が開放された中空体の容器の尾端部に、両端が開放された中空体の繰出部材を回転自在に組み付けるステップと、
内部に中心孔が貫通形成された中空体の保持軸を、前記容器の前方から前記容器の内部に直線移動自在に挿入するステップと、
前記繰出部材の回転に応じて前記保持軸が前記容器の内部で直線移動できるように、前記繰出部材と前記保持軸とを螺合するステップと、
前記容器の先端部をキャップを取り付けることで封止するステップと、
芯材原料の供給のためのノズルを前記繰出部材の後方から前記保持軸の中心孔を通じて前記容器に挿入するステップと、
前記ノズルを通じて溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入するステップと、
前記容器の内部に注入された芯材原料を凝固させることにより、棒状の芯材を形成するステップとを含むことを特徴とする筆記具の芯材の形成方法。 - 前記芯材が、側面形状が前記容器の内部形状に対応する形状に形成され、先端部の形状が前記キャップの内側端部面に形成された型取り部に対応する形状に形成され、尾端部が前記保持軸の先端部に固定されることを特徴とする請求項9に記載の筆記具の芯材の形成方法。
- 前記ノズルが、前記容器の先端部に近接して挿入された状態から前記保持軸の先端部まで移動しながら溶融状態の前記芯材原料を前記容器の内部に注入することを特徴とする請求項9に記載の筆記具の芯材の形成方法。
- 前記芯材原料の注入が終了した後、前記繰出部材の尾端をプラグで封止することを特徴とする請求項9に記載の筆記具の芯材の形成方法。
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