JP2004096485A - 電話制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】割込み接続される他の回線からの着信報知および呼出方法を、電話機が通話状態であるか通話保留状態であるかに応じて変更可能にする。
【解決手段】電話制御システム1を構成する親電話機3には、状態設定手段21,状態判別手段22,着信検出手段23および報知手段24と、これら各手段の動作を制御する親機制御手段11とが含まれる。親機制御手段11は、着信検出手段23が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、状態判別手段22によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、少なくとも音情報によって着信を報知するように報知手段24を制御し、状態判別手段22によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、少なくとも可視情報によって着信を報知するように報知手段24を制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】電話制御システム1を構成する親電話機3には、状態設定手段21,状態判別手段22,着信検出手段23および報知手段24と、これら各手段の動作を制御する親機制御手段11とが含まれる。親機制御手段11は、着信検出手段23が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、状態判別手段22によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、少なくとも音情報によって着信を報知するように報知手段24を制御し、状態判別手段22によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、少なくとも可視情報によって着信を報知するように報知手段24を制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信網の発達した現在では、対人間の意思疎通は、書簡よりも電話機を用いた通話によって行われることが多い。したがって、電話機に接続されて通話中の回線に重畳して着信されるという事態が往々にして発生し、その場合、重畳して電話をかけた利用者の受話器に対して通話中の信号が発信されるので、その利用者がある程度時間をおいて電話をかけなおすのが常態であった。このような不便を解消する一つの手法として、割込み接続サービスが案出されている。しかしながら、割込み接続サービスの実際面の運用に関しては改善されるべきいくつかの問題がある。
【0003】
たとえば、割込み接続サービスは、通話中の電話回線に、通話している相手先以外の相手先から着信があった場合、着信音を通話中の電話回線へ送出して、利用者に割込み着信のあることを通知するものである。しかしながら、単一の回線においてこの割込み接続サービスを用いると、利用者は、一旦通話中の回線を切断した後、利用者側から割込み接続した相手先に電話をかけなければならないという問題がある。
【0004】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開平4−172743号公報に開示される。特開平4−172743号公報では、複数の回線を利用し、電話機に接続されて通話中の回線を切断することなく他の回線に接続することができ、複数の回線に対して割り込み接続を可能にする話中割り込み接続方式が提案されている。
【0005】
このような複数の回線を利用する割込み接続サービスには、利用者のフッキング操作により相手先の切替選択や外線転送機能を用いて通話の切換えをすることができるように構成されるいわゆるボタン電話機が好適に用いられる。しかしながら、ボタン電話機は、割込み接続に応答して自動で切換えを実行するように構成されていないので、利用者自身が割込み接続の相手先に回線を切換えるための正確な動作を記憶しておき、実行しなければならないという問題がある。
【0006】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開2001−292463号公報に開示される。特開2001−292463号公報では、利用者が運用の負担をあまり感じることなく割込み着信サービスをスムースに利用できるボタン電話装置が提案されている。このボタン電話装置は、以下のように動作する。子(電話)機Aが保留した電話回線への割込み着信が検出された場合、子機Aともう一つの子(電話)機Bへ呼出しが行われる。子機Bが呼出しに応答した場合、子機Bと割込み着信側との通話が形成される。この通話が終了された場合、電話回線にフッキング信号が送出されるとともに、電話回線が保留され子機Aに対して保留警報が出力されて割込み通話の終了が通知される。
【0007】
また1台の親(電話)機に対して複数の子機を使用できるように構成される親子電話機で割込み接続サービスを行うとき、子機(または親機)が外線と通話している場合には、プライバシーの保護などのため、その通話中の子機(または親機)に対して、親機または他の子機から割込み通話やページングといわれる呼出音を鳴らすことができないという問題がある。
【0008】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開平5−344054号公報に開示される。特開平5−344054号公報では、呼出し信号であるページング信号を、音声信号の帯域外の周波数を用いて音声信号とともに送信することができ、また外線との通話中にたとえば親機からページング信号が送信されてきた場合、外線を保留し親機と子機との通話のための接続を切換えて割込み通話をすることのできるコードレス電話が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
割込み接続サービスの実際面の運用に関する問題を改善するべく提案されている前述の従来技術にも、以下のさらなる問題がある。特開平4−172743号公報に開示される話中割込み接続方式および特開2001−292463号公報に開示されるボタン電話機では、電話機に接続されて通話中の回線を切断することなく他の回線に対して接続、すなわち複数の回線に対して割込み接続することができるけれども、回線を占有し通話保留中の電話機に、他の回線から新たに着信があるとき、通話保留中の電話機から離れている利用者は、新たな着信を知ることができないという問題がある。
【0010】
特開平5−344054号公報に開示される親子電話機では、たとえば子機がオフ・フック(通話)状態であるとき、ページングを行うと、子機に備えられるスピーカやベルから呼出音が発生されるので、通話中の相手先に呼出音が聞こえてしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、割込み接続される他の回線からの着信報知および呼出方法を、電話機が通話状態であるか通話保留状態であるかに応じて変更することができ、また親子電話機に対しても複数回線への割込み接続とページングとを適用することのできる電話制御システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数回線に接続され、複数回線のうちから回線を選択して通話することのできる複数の電話機によって構成される電話制御システムにおいて、
前記電話機は、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段と、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段と、
前記複数回線からの着信信号を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段と、
前記状態設定手段,状態判別手段,着信検出手段および報知手段の動作を制御する制御手段とを含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、少なくとも音情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、少なくとも可視情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする電話制御システムである。
【0013】
本発明に従えば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、少なくとも音情報で新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、少なくとも可視情報で新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が電話機近傍に居る場合には、静寂さを保つことのできる可視情報によって新たな着信を知ることができる。
【0014】
また本発明は、前記電話機は、
音情報を入出力することのできる音情報入出力部と、
音情報を生成し出力することのできる送受話器とをさらに含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、前記音情報入出力部から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、前記送受話器から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、音情報入出力部から音情報を出力して新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、送受話器から音情報を出力して新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が通話している場合には、送受話器から出力される音情報によって新たな着信を知ることができるので、通話中の相手先に音情報であるたとえば着信音を聞かせないようにすることができる。
【0016】
また本発明は、前記複数の電話機は、親電話機と子電話機とからなり、
親電話機は、子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって親電話機から子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
子電話機に備わる制御手段は、
子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定されるように状態設定手段を制御し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、複数の電話機は親子電話機であり、親電話機が、子電話機呼出手段によって子電話機を呼出す信号を発信している状態で、子電話機に備わる制御手段は、子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知する。このように、親電話機から呼出されている状態で、子電話機が通話状態であるときには、たとえば呼出音を出力している時間、通話状態から通話保留状態に設定を変更することによって、通話中の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。
【0018】
また本発明は、前記子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって1つの子電話機から他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
他の子電話機に備わる制御手段は、
他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知するように報知手段を制御し、
他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、その子電話機呼出手段によって他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、他の子電話機に備わる制御手段は、他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知し、他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知する。このように、1つの子電話機から呼出されている他の子電話機が通話状態であるときには、可視情報で呼出しを報知するので、通話の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。また通話保留状態であるときには、可視情報と呼出音とによって呼出しを報知するので、利用者が他の子電話機から離れている場合であっても、呼出しを知ることができる。
【0020】
また本発明は、前記子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、
呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、
通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止するように報知手段を制御し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定するように状態設定手段を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定する。このように、呼出しによって通話状態から一時通話保留状態に設定変更された子電話機は、呼出し解除によって再び通話状態に復帰することができる。
【0022】
また本発明は、前記音情報は、通話保留状態を示す保留音と、着信を報知する着信音と、子電話機を呼出す呼出音とを含み、
前記保留音,前記着信音および前記呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から成ることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、音情報である保留音,着信音および呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成される。このことによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することが可能になる。
【0024】
また本発明は、前記親電話機は、前記複数回線に接続され、前記子電話機は、前記親電話機と無線で通信するコードレス電話機であることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記複数回線は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、親電話機は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含む複数回線に接続され、子電話機は、親電話機と無線で通信するコードレス電話機である。このことによって、アナログ通信とデジタル通信との両方に対応可能であり、また親子電話機のいずれに対しても割込み接続可能な使い勝手の良い電話制御システムが実現される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である電話制御システム1の構成を示す模式図である。電話制御システム1は、3本の回線2a,2b,2cに接続される親電話機3(以後、親機と略称する)と、親機3と予め割当てられた周波数の無線チャネルによって通信するn個の子電話機4a,4b,…,4n(以後、子機と略称する)とを含む。このように本実施の形態では、親機3に対する子機4a,4b,…,4nは、コードレス電話機を構成する。
【0028】
親機3は、ルータ装置または中継機で構成される宅内交換機5に接続され、さらに宅内交換機5に接続される網6を介して通話相手先の電話機7a,7b,7cに接続される。親機3が接続される3本の回線は、たとえばPublic SwitchedTelephone Network(略称PSTN)などのアナログ回線である公衆回線2aと、Integrated Services Digital Network(略称ISDN),Home Phone−line
Networking Alliance(略称HPNA)規格の伝送路または電力線伝送路などのデジタル通信回線2b,2cである。
【0029】
n個の子機4a,4b,…,4nは、n個の充電装置8a,8b,…,8nにそれぞれ配置される。なお、前述の回線,子機,相手先電話機および充電装置を総称する場合には、アルファベットの添字を省略して表すことがある。充電装置8にはコード9が接続され、コード9を介して図示しない交流電源から交流電力が供給される。子機4は、充電装置8に配置された状態で、充電装置8によって充電される。
【0030】
図2は図1に示す電話制御システム1の構成を簡略化して示すブロック図である。親機3は、親機制御手段11と、プログラムメモリ12と、バッファメモリ13と、有線通信部14と、無線通信部15と、操作部16と、表示部17と、音情報入出力部18と、送受話器19(以後、ハンドセットと呼ぶ)と、前述の各部を接続するバス20とを含んで構成される。
【0031】
親機制御手段11は、たとえば中央処理回路(CPU)を搭載するマイクロコンピュータなどで構成され、プログラムメモリ12にストアされている制御プログラムを実行することにより、バス20を介して親機3を構成する各部の動作制御を行う。なお、親機制御手段11は、CPUに限定されることなく小型演算処理回路(MPU)などで構成されてもよい。
【0032】
また親機制御手段11には、以下の各手段が備えられる。親機3を通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段21。親機3が、通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段22。複数回線2からの着信信号を検出する着信検出手段23。着信検出手段23からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段24。子機4を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段25(以後、子機呼出手段と呼ぶ)。親機制御手段11は、前述の各手段21〜25の動作を制御する。
【0033】
プログラムメモリ12は、たとえばRead Only Memory(ROM),ElectricalErasable & Programable ROM(EEPROM)などの記憶媒体で構成され、前述のように親機制御手段11を動作させる制御プログラムをストアしている。バッファメモリ13は、たとえばRandom Access Memory(RAM),EEPROMなどの記憶媒体で構成され、親機制御手段11が親機3全体の動作を制御する際の入出力データを一時ストアする。
【0034】
有線通信部14は、たとえば複数回線2の相手先を切換える回線制御回路,アナログ通信回線を通じてデータ通信を行うための信号変換装置であるモデムなどで構成される。有線通信部14は、アナログ回線2aおよびデジタル回線2b,2cに接続され、宅内交換機5の交換制御動作に従って網6を介して相手先電話機7との通話およびデータ通信を可能にしている。
【0035】
無線通信部15は、子機4との通話の確立から通話の完了までの処理を受持つコードレス用制御回路,電波送受信のためのチューナなどのRFユニット,子機4との間で電波を送受信するアンテナおよび信号の圧縮/復元を行うコンパンダ部などを含んで構成される。この無線通信部15に用いられる無線通信方式には、省電力コードレス電話方式,微小電力方式またはPersonal Handyphone System(PHS)共用タイプなどの公知の周波数・変調方式が用いられる。
【0036】
操作部16は、電話番号などを入力するダイヤルキー26と、ハンドセット19の操作によって通話開始信号(応答信号とも呼ぶ)および通話終了信号(回線切断信号とも呼ぶ)を発信するフックスイッチ27と、ページング機能の設定および解除を指示するページキー28と、親機3に備わる各種の機能を設定し解除する設定・解除キー29とを含んで構成される。
【0037】
表示部17は、たとえば小型サイズの液晶ディスプレイ(略称LCD),プラズマディスプレイ(略称PD),エレクトロ・ルミネセント・ディスプレイ(略称ELD)または発光ダイオード(略称LED)などで形成され、回線の状態(未使用,使用中,着信中,通話中,保留など),相手先,電話番号,受信データなどを表示するとともに、ページング機能による呼出状態やアラーム状態を点滅表示することができる。
【0038】
音情報入出力部18は、たとえば小型マイクロフォン,アナログ/デジタル変換回路,ベル,小型スピーカおよびデジタル/アナログ変換回路などを含んで構成され、ハンドセット19によることなく入力される音情報を音声信号に変換して入力するとともに、通話保留状態であることを示す保留音と、着信のあることを報知する着信音と、子機4を呼出す呼出音とを含む音情報を生成して出力する。
【0039】
ハンドセット19は、相手先と通話するための音声入出力部である。本実施の形態では、前述の状態判別手段22によって親機3が通話状態であると判別された状態で、通話中回線以外の他の回線からの新たな着信が着信検出手段23によって検出されたとき、親機制御手段11は、報知手段24の動作を制御することによって、バス20を介しハンドセット19の受話器側から着信音を生成して報知させる。
【0040】
本実施の形態では、音情報入出力部18によって生成出力される保留音,着信音および呼出音、またハンドセット19によって生成出力される着信音の音質,音レベルおよび音信号は、表1に示すように設定される。表1に示すように、保留音,着信音および呼出音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成されることによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することができる。
【0041】
【表1】
【0042】
n個の子機4は同一に構成されるので、子機4aを代表例としてその構成を説明する。なお子機4aを構成する各手段および各部であって、前述の親機3を構成する各手段および各部と同一の名称で表される各手段および各部は、親機3と子機4aとで同一の機能を有するので説明を省略する。
【0043】
子機4aは、子機制御手段31と、プログラムメモリ32と、バッファメモリ33と、無線通信部35と、操作部36と、表示部37と、音情報入出力部38と、充電部39と、前述の各部を接続するバス40とを含んで構成される。子機制御手段31は、子機4aに備わるので子機の名称が付加されているけれども、親機制御手段11とその構成および機能は同一である。
【0044】
また子機制御手段31には、子機4aを通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段41と、子機4aが、通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段42と、複数回線2からの着信信号を検出する着信検出手段43と、着信検出手段43からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段44と、他の子機4b,…,4nを呼出しまたは呼出しを解除することのできる子機呼出手段45とが備えられる。
【0045】
コードレス電話機である子機4aには、親機3と異なり、有線通信部が無い。また子機4a自体がハンドセットを兼ねるので、操作部36は、ダイヤルキー46,ページキー48および設定・解除キー49を備えるけれども、フックスイッチを含まない。子機4aに備わる充電部39は、充電可能な小型リチウム電池またはニッケルカドミウム電池と、充電制御回路とを含んで構成され、子機4aを充電装置8に設置した状態で、充電装置8によって子機4a駆動用の電力が充電部39の電池に充電される。
【0046】
子機4のそれぞれに対応して設けられるn個の充電装置8は同一に構成されるので、充電装置8aを代表例としてその構成を説明する。充電装置8aは、電源部51と、制御部52と、操作部53と、表示部54とを含んで構成され、コード9を介して図示しない交流電源に接続される。
【0047】
電源部51は、コード9を介して交流電源から供給される交流電力を、直流電圧に変換して子機4aの充電部に供給する。操作部53は、たとえばページング機能の設定/解除を指示するページキー,電源スイッチ,充電のオン/オフキーなどで構成される。表示部54は、たとえば未充電,充電中および充電完了などの充電状態を表示するLEDで構成される。制御部52は、電源部51,操作部53および表示部54と回路55で接続されて、各部51,53,54の動作を制御する。
【0048】
図3は、電話制御システム1における電話局の交換機による交換動作手順を説明する図である。図3では、発信側電話機7と、電話制御システム1に備わるたとえば親機3との間で、網6を介し図示しない電話局の交換機の制御によって行われる交換動作について例示する。図3中丸で囲む数字は、動作の順位を示し、この順位に従って以下に交換動作を説明する。
【0049】
動作▲1▼では、発信側電話機7のハンドセットを電話機本体から取上げてフック部から離脱させるオフ・フック操作によって、網6に対して発信側電話機7から発呼信号が送信される。動作▲2▼では、交換機が発信音信号を発信側電話機7に送信し、ダイヤル受信待ちになる。動作▲3▼では、発信側電話機7のダイヤル操作によって、受信側電話機である親機3の電話番号が網6に送信される。動作▲4▼では、交換機がパス接続処理を実行し、親機3には呼出信号が送信され、発信側電話機7には呼出音が送信される。動作▲5▼では、親機3で着信を認知し、親機3のハンドセット19をオフ・フック操作することによって、網6に応答信号(通信開始信号)が送信されるので、交換機が応答信号を発信側電話機7に送信し、課金を開始する。これらの動作によって、発信側電話機7と親機3との間に通話が確立する。
【0050】
通話が完了すると、動作▲6▼では、発信側電話機7から、ハンドセットを電話機本体に載置してフック部に装着させるオン・フック操作によって、網6に対して回線切断信号(通話終了信号)が送信される。交換機は、回線切断信号に応じてパス切断処理を実行し、親機3に対して回線切断信号を送信する。動作▲7▼では、交換機が話中音信号を親機3に対して送信し、課金を停止する。動作▲8▼では、親機3のハンドセット19をオン・フック操作することによって、通話が切断されると、終話信号が網6に送信されて初期状態になる。
【0051】
なお前述の回線切断動作は、発信側電話機7から実行する場合についての説明であり、親機3が発信側電話機7よりも先にオン・フック操作をして回線切断する場合は、次のようになる。動作▲6▼´では、親機3のオン・フック操作によって、網6に対して回線切断信号が送信される。交換機は、回線切断信号に応じてパス切断処理を実行し、発信側電話機7に対して回線切断信号を送信する。動作▲7▼´では、交換機が話中音信号を発信側電話機7に対して送信し、課金を停止する。動作▲8▼では、発信側電話機7がオン・フック操作することによって、通話が切断されると、終話信号が網6に送信されて初期状態になる。
【0052】
図4は、電話制御システム1における着信処理の手順を示す図である。図4では、親機3(または子機4であってもよい)に、回線2aから着信があり回線2aで通話が確立した状態で回線2bから新たな着信があった場合、または回線2aから着信があり通話状態を確立後保留にした状態で回線2cから新たな着信があった場合の処理について例示する。図4中では、矩形枠内に親機3の表示部17に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作,着信音出力の状態およびLEDによる着信報知の状態を示す。親機3の表示部17には、回線2a,2b,2cに接続される「相手先」と、親機3の動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」または「着信(状態)」のいずれであるかが表示される。
【0053】
親機3が、未通話で待機状態にあるとき、表示部17には、回線2a:「待機」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。この待機状態で、回線2aの相手先Aからの着信を着信検出手段23によって検出すると、親機制御手段11は、表示部17に、回線2a:「着信」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」の表示をする。さらに親機制御手段11は、報知手段24の動作を制御し、表示部17に備わる着信表示用LEDを点滅させるとともに、音情報入出力部18に備わるベルによって着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0054】
報知手段24による着信報知に応じ、親機3のハンドセット19をオフ・フック操作すると、網6に応答信号が送信されて回線2aの相手先Aとの通話が確立される。回線2aの相手先Aとの通話が確立されると、親機制御手段11は、表示部17に、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」の表示をする。
【0055】
回線2aの相手先Aとの間で通話状態にある状態で、着信検出手段23によって回線2bの相手先Bからの新たな着信が検出されたとき、状態判別手段22が、回線2aと回線2cとの状態判別を行い、回線2aが通話状態にあり回線2cが待機状態にあるとの判別結果を出力する。親機制御手段11は、状態判別手段22の出力に応答し、表示部17に、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「着信」「相手先B」,回線2c:「待機」の表示をするとともに、報知手段24の動作を制御し、少なくとも可視情報である表示部17の着信表示用LEDを点滅させるとともに、ハンドセット19から着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0056】
次に前述とは別途の設定について説明する。親機3が、回線2aの相手先Aとの間で通話が一旦確立した後、設定・解除キー29に含まれる保留キーを操作して通話保留状態にすると、表示部17には、回線2a:「保留」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示され、回線2aの相手先Aに対しては、音情報入出力部18で保留音が生成出力される。このように回線2aにおける相手先Aとの通話保留状態で、着信検出手段23によって回線2cの相手先Cからの新たな着信が検出されたとき、状態判別手段22が、回線2aと回線2bとの状態判別を行い、回線2aが通話保留状態にあり回線2bが待機状態にあるとの判別結果を出力する。親機制御手段11は、状態判別手段22の出力に応答し、表示部17に、回線2a:「保留」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「着信」「相手先C」の表示をするとともに、報知手段24の動作を制御し、表示部17の着信表示用LEDを点滅させるとともに、音情報入出力部18に備わるベルによって着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0057】
図5は、入力信号に対する親子機3,4の動作を状態毎に整理した図である。図5は、親機3が、いずれの回線2a,2b,2cに対しても待機状態にあるとき、回線2aに対して通話状態にあるとき、および回線2aに対して通話保留状態にあるときの各状態毎に、前述したような親機3および子機4における報知手段24,44による出力動作を整理したものである。
【0058】
また図6は、子機呼出信号に応答して子機4が呼出音を出力している状態において、ページ解除キー信号(呼出解除信号)または新たな着信信号が入力される場合の親子機3,4の動作を状態ごとに整理した図である。
【0059】
まず親機3が待機状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38に備わるベルによって生成出力されていた呼出音は停止されて、親機3は再待機状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4では、音情報入出力部38による呼出音(ベル音)が停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、音情報入出力部18のベルによる着信音が出力されて再待機状態に設定される。
【0060】
次に、親機3が一時通話保留状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音は停止され、親機3は再通話状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4では、音情報入出力部38による呼出音(ベル音)は停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、ハンドセット19による着信音が出力されて再通話状態に設定される。
【0061】
さらに親機3が通話保留状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音は停止されて、親機3は再通話保留状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4の音情報入出力部38の呼出音(ベル音)は停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、音情報入出力部18のベルによる着信音が出力されて再通話保留状態に設定される。
【0062】
図7は、親機3から子機4への呼出動作と呼出解除動作との手順を示す図である。図7は、たとえば子機4aが回線2aの相手先Aと通話状態で、親機3から子機4aを呼出す必要の生じた場合の呼出手順と、その呼出しを解除する手順を示す。図7中では、矩形枠内に子機4aの表示部37に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作およびベルによる呼出音出力の状態を示す。子機4の表示部37には、回線2a,2b,2cに接続される「相手先」と、子機4aの動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」,「着信(状態)」のいずれであるか、または子機呼出しのある旨が表示される。
【0063】
子機4aが、回線2aの相手先Aと通話状態にあるとき、表示部37には、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。この子機4aが通話状態で、親機3でページキー28を操作してページキー信号を子機呼出手段25に入力すると、親機3の子機呼出手段25から子機4aに対して呼出信号が送出され、親機3の音情報入出力手段18では保留音が生成されて保留音信号が回線2aの相手先Aに対して送信される。
【0064】
呼出信号を受信した子機4aの状態判別手段42は、回線2aが通話状態であることを判別し、状態判別手段42の判別結果に応じて子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して、予め定められる時間、本実施の形態ではページ状態が継続されている時間(呼出音の出力が継続されている時間)回線2aを通話保留状態に設定する。この通話保留状態において、子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38から呼出音を生成出力させ、表示部37に「呼出」の旨を表示させる。
【0065】
親機3から子機4aを呼出している状態、すなわちページ状態で、子機4aの利用者が呼出しを認識し、ページキー48をページ解除操作したとき、子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して通話保留状態から通話状態へと復帰設定させるとともに、報知手段44を制御して音情報入出力部38による呼出音の出力を停止させる。また子機呼出手段45から親機3に対して呼出解除信号を送出させる。呼出解除信号を受信した親機3は、回線2aの相手先に保留音解除信号を送信する。子機4aと回線2aの相手先Aとが通話状態に復帰すると、子機4aの表示部37には、再び回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。
【0066】
一方親機3から子機4aを呼出しているページ状態で、子機4a側で呼出し解除するのではなく、親機3側でページキー28をページ解除操作したとき、親機3は、回線2aの相手先に保留音解除信号を送出し、親機3の子機呼出手段25から子機4aに対して呼出解除信号を送出する。親機3からの呼出解除信号を受信した子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して通話保留状態から通話状態へと復帰設定させる。
【0067】
図8は、子機4aから他の子機4bへの呼出動作の手順を示す図である。図8は、たとえば子機4bが親機3を介して回線2aの相手先Aと通話状態または通話保留状態で、子機4aから子機4bを呼出す必要の生じた場合の呼出手順を示す。図8中では、矩形枠内に子機4bの表示部37に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作およびベルによる呼出音出力の状態を示す。子機4bの表示部37には、子機4bの動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」,「着信(状態)」のいずれであるか、または呼出しのある旨が表示される。
【0068】
まず子機4bが、親機3を介して回線2aの相手先Aと通話状態であるとき、子機4bの表示部37には、回線2a:「通話」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。子機4bが通話状態で、子機4aでページキー48を操作してページキー信号を子機呼出手段45に入力すると、子機4aの子機呼出手段45から子機4bに対して呼出信号が送出され、子機4bの子機制御手段31は表示部37に「呼出」のある旨を表示させる。
【0069】
次に子機4bが、親機3を介して回線2aの相手先Aと通話保留状態であるとき、子機4bの表示部37には、回線2a:「保留」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。子機4bが通話保留状態で、子機4aでページキー48を操作してページキー信号を子機呼出手段45に入力すると、子機4aの子機呼出手段45から子機4bに対して呼出信号が送出され、子機4bの子機制御手段31は表示部37に「呼出」のある旨を表示させるとともに、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルによる呼出音を生成出力させる。
【0070】
図9は、電話制御システム1の一連の動作を説明するフローチャートである。図9を参照して電話制御システム1の着信処理および呼出処理などの一連の動作について説明する。
【0071】
ステップS0では、電話制御システム1を構成する親機3,子機4および充電装置8などの電源が投入されて作動可能な状態にある。ステップS1では、回線2a,2b,2cのいずれからも着信が無い状態であり、親機3の状態判別手段22は待機状態を判別し、状態設定手段21は待機状態に設定し、表示部17には、各回線2a,2b,2cともに「待機」が表示される。ステップS2では、入力信号として、回線2a,2b,2cのいずれかからの最初の着信信号を検出したか否かが判断される。この判断は、着信検出手段23の出力の有無に基づいて親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、着信信号が検出されればステップS3に進み、判断結果が否定で、着信信号が検出されなければステップS4に進む。
【0072】
ステップS3では、待機状態において最初の着信信号を検出したので、親機制御手段11は、報知手段24を制御してその着信を表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、また音情報入出力部18のベルにより着信音を生成して報知し、ステップS10に進む。ステップS4では、入力信号が、ページキー28操作によるページキー信号であるか否かが判断される。この判断は、ページキー信号の入力される子機呼出手段25からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、ページキー信号であればステップS5に進み、判断結果が否定で、ページキー信号でなければステップS1に戻る。
【0073】
ステップS5では、待機状態でページキー信号が入力されたので、子機呼出手段25から呼出信号が子機4に対して送出され、呼出信号に応答して子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知し、ステップ6に進む。ステップS6では、親機3または子機4の ページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、ページ解除キー信号の入力される子機呼出手段25(または45)からの出力に基づき親機制御手段11(または子機制御手段31)によって行われる。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS7に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS8に進む。
【0074】
ステップS7では、子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、ステップS1に戻る。ステップS8では、 子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS9に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS5に戻る。
【0075】
ステップS9では、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、他の回線からの新たな着信を、親機3の表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS10に進む。 ステップS10では、親機3のハンドセット19のオフ・フック操作によりオフ・フック信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られるフックスイッチ27からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、オフ・フック信号が入力されればステップS11に進み、判断結果が否定で、オフ・フック信号が入力されなければ入力待ち状態になる。
【0076】
ステップS11では、親機3は、状態設定手段21によって、新たな着信を受けた他の回線と通話状態に設定され、通話が可能になる。ステップS12では、親機3の設定・解除キー29に含まれる保留キー操作により通話保留信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られる設定・解除キー29からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、通話保留信号が入力されればステップS13に進み、判断結果が否定で、通話保留信号が入力されなければステップS16に進む。ステップS13では、通話中の回線を占有し、状態設定手段21によって通話保留状態に設定し、ステップS14に進む。ステップS14では、通話保留状態において、他の回線から新たな着信信号を検出したか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS15に進み、判断結果が否定で、新たな着信信号が検出されなければステップS16に進む。
【0077】
ステップS15では、通話保留状態において他の回線からの新たな着信信号を検出したので、親機制御手段11は、その着信を表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS30に進む。ステップS16では、通話保留状態において、ページキー28操作によりページキー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、ページキー信号が入力されればステップS17に進み、判断結果が否定で、ページキー信号が入力されなければステップS14に戻る。
【0078】
ステップS17では、通話保留状態においてページキー信号が入力されたので、子機呼出手段25は呼出信号を子機4に対して送出し、呼出信号に応答して子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知し、ステップS18に進む。ステップS18では、親機3または子機4の ページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS19に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS20に進む。
【0079】
ステップS19では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、ステップS14に戻る。ステップS20では、子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS21に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS17に戻る。ステップS21では、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、他の回線からの新たな着信を、親機3の表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS30に進む。
【0080】
ステップS22では、通話状態において他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS23に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS24に進む。ステップS23では、通話状態において新たな着信信号を検出したので、親機制御手段11は、報知手段24を制御して表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、さらにハンドセット19により着信音を生成出力して報知し、ステップS31に進む。ステップS24では、通話状態においてページキー28操作によりページキー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、ページキー信号が入力されればステップS25に進み、判断結果が否定で、ページキー信号が入力されなければステップS31に進む。
【0081】
ステップS25では、通話状態においてページキー信号が入力されたので、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して一時通話保留状態に設定し、子機呼出手段25によって呼出信号を子機4に対して送出する。子機制御手段31は、子機呼出手段25からの呼出信号に応答し、音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知する。ステップS26では、親機3または子機4のページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS27に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS28に進む。ステップS27では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して通話状態に設定し、ステップS31に進む。
【0082】
ステップS28では、子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS29に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS25に戻る。ステップS29では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、親機制御手段11は、その表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、さらにハンドセット19により着信音を生成出力して報知し、ステップS31に進む。
【0083】
ステップS30では、親機3の設定・解除キー29操作によって保留解除信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られる設定・解除キー29からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、保留解除信号が入力されればステップS31に進み、判断結果が否定で、保留解除信号が入力されなければ保留解除信号の入力待ち状態になる。
【0084】
ステップS31では、通信が完了し、親機3のハンドセット19のオン・フック操作によりオン・フック信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られるフックスイッチ27からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、オン・フック信号が入力されればステップS32に進み、判断結果が否定で、オン・フック信号が入力されなければ入力待ち状態になる。ステップS32では、オン・フック信号に応答し、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して待機状態に設定し、ステップS33に至る。ステップS33で一連の動作が終了する。
【0085】
以上に述べたように、本実施の形態では、複数の電話機は、コードレス電話機である親子機であるけれども、これに限定されることなく、有線で相互に接続されたものであってもよい。また複数の回線は、アナログ回線のPSTNとデジタル回線のISDNおよびHPNAとであるけれども、これに限定されることなく、他のアナログ回線やデジタル回線であってもよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、少なくとも音情報で新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、少なくとも可視情報で新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が電話機近傍に居る場合には、静寂さを保つことのできる可視情報によって新たな着信を知ることができる。
【0087】
また本発明によれば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、音情報入出力部から音情報を出力して新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、送受話器から音情報を出力して新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が通話している場合には、送受話器から出力される音情報によって新たな着信を知ることができるので、通話中の相手先に音情報であるたとえば着信音を聞かせないようにすることができる。
【0088】
また本発明によれば、複数の電話機は親子電話機であり、親電話機が、子電話機呼出手段によって子電話機を呼出す信号を発信している状態で、子電話機に備わる制御手段は、子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知する。このように、親電話機から呼出されている状態で、子電話機が通話状態であるときには、たとえば呼出音を出力している時間、通話状態から通話保留状態に設定を変更することによって、通話中の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。
【0089】
また本発明によれば、子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、その子電話機呼出手段によって他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、他の子電話機に備わる制御手段は、他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知し、他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知する。このように、1つの子電話機から呼出されている他の子電話機が通話状態であるときには、可視情報で呼出しを報知するので、通話の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。また通話保留状態であるときには、可視情報と呼出音とによって呼出しを報知するので、利用者が他の子電話機から離れている場合であっても、呼出しを知ることができる。
【0090】
また本発明によれば、子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定する。このように、呼出しによって通話状態から一時通話保留状態に設定変更された子電話機は、呼出し解除によって再び通話状態に復帰することができる。
【0091】
また本発明によれば、音情報である保留音,着信音および呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成される。このことによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することが可能になる。
【0092】
また本発明によれば、親電話機は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含む複数回線に接続され、子電話機は、親電話機と無線で通信するコードレス電話機である。このことによって、アナログ通信とデジタル通信との両方に対応可能であり、また親子電話機のいずれに対しても割込み接続可能な使い勝手の良い電話制御システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電話制御システム1の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す電話制御システム1の構成を簡略化して示すブロック図である。
【図3】電話制御システム1における電話局の交換機による交換動作手順を説明する図である。
【図4】電話制御システム1における着信処理の手順を示す図である。
【図5】入力信号に対する親機3の動作を状態毎に整理した図である。
【図6】子機呼出信号に応答して子機4が呼出音を出力している状態における呼出解除信号または新たな着信信号に対する親子機3,4の動作を状態ごとに整理した図である。
【図7】親機3から子機4への呼出動作と呼出解除動作との手順を示す図である。
【図8】子機4aから他の子機4bへの呼出動作の手順を示す図である。
【図9】電話制御システム1の一連の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電話制御システム
2 回線
3 親機
4 子機
5 宅内交換機
6 網
8 充電装置
11 親機制御手段
17,37 表示部
18,38 音情報入出力部
19 ハンドセット
21,41 状態設定手段
22,42 状態判別手段
23,43 着信検出手段
24,44 報知手段
25,45 子機呼出手段
31 子機制御手段
39 充電部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報通信網の発達した現在では、対人間の意思疎通は、書簡よりも電話機を用いた通話によって行われることが多い。したがって、電話機に接続されて通話中の回線に重畳して着信されるという事態が往々にして発生し、その場合、重畳して電話をかけた利用者の受話器に対して通話中の信号が発信されるので、その利用者がある程度時間をおいて電話をかけなおすのが常態であった。このような不便を解消する一つの手法として、割込み接続サービスが案出されている。しかしながら、割込み接続サービスの実際面の運用に関しては改善されるべきいくつかの問題がある。
【0003】
たとえば、割込み接続サービスは、通話中の電話回線に、通話している相手先以外の相手先から着信があった場合、着信音を通話中の電話回線へ送出して、利用者に割込み着信のあることを通知するものである。しかしながら、単一の回線においてこの割込み接続サービスを用いると、利用者は、一旦通話中の回線を切断した後、利用者側から割込み接続した相手先に電話をかけなければならないという問題がある。
【0004】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開平4−172743号公報に開示される。特開平4−172743号公報では、複数の回線を利用し、電話機に接続されて通話中の回線を切断することなく他の回線に接続することができ、複数の回線に対して割り込み接続を可能にする話中割り込み接続方式が提案されている。
【0005】
このような複数の回線を利用する割込み接続サービスには、利用者のフッキング操作により相手先の切替選択や外線転送機能を用いて通話の切換えをすることができるように構成されるいわゆるボタン電話機が好適に用いられる。しかしながら、ボタン電話機は、割込み接続に応答して自動で切換えを実行するように構成されていないので、利用者自身が割込み接続の相手先に回線を切換えるための正確な動作を記憶しておき、実行しなければならないという問題がある。
【0006】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開2001−292463号公報に開示される。特開2001−292463号公報では、利用者が運用の負担をあまり感じることなく割込み着信サービスをスムースに利用できるボタン電話装置が提案されている。このボタン電話装置は、以下のように動作する。子(電話)機Aが保留した電話回線への割込み着信が検出された場合、子機Aともう一つの子(電話)機Bへ呼出しが行われる。子機Bが呼出しに応答した場合、子機Bと割込み着信側との通話が形成される。この通話が終了された場合、電話回線にフッキング信号が送出されるとともに、電話回線が保留され子機Aに対して保留警報が出力されて割込み通話の終了が通知される。
【0007】
また1台の親(電話)機に対して複数の子機を使用できるように構成される親子電話機で割込み接続サービスを行うとき、子機(または親機)が外線と通話している場合には、プライバシーの保護などのため、その通話中の子機(または親機)に対して、親機または他の子機から割込み通話やページングといわれる呼出音を鳴らすことができないという問題がある。
【0008】
この問題を改善する従来技術が、たとえば特開平5−344054号公報に開示される。特開平5−344054号公報では、呼出し信号であるページング信号を、音声信号の帯域外の周波数を用いて音声信号とともに送信することができ、また外線との通話中にたとえば親機からページング信号が送信されてきた場合、外線を保留し親機と子機との通話のための接続を切換えて割込み通話をすることのできるコードレス電話が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
割込み接続サービスの実際面の運用に関する問題を改善するべく提案されている前述の従来技術にも、以下のさらなる問題がある。特開平4−172743号公報に開示される話中割込み接続方式および特開2001−292463号公報に開示されるボタン電話機では、電話機に接続されて通話中の回線を切断することなく他の回線に対して接続、すなわち複数の回線に対して割込み接続することができるけれども、回線を占有し通話保留中の電話機に、他の回線から新たに着信があるとき、通話保留中の電話機から離れている利用者は、新たな着信を知ることができないという問題がある。
【0010】
特開平5−344054号公報に開示される親子電話機では、たとえば子機がオフ・フック(通話)状態であるとき、ページングを行うと、子機に備えられるスピーカやベルから呼出音が発生されるので、通話中の相手先に呼出音が聞こえてしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、割込み接続される他の回線からの着信報知および呼出方法を、電話機が通話状態であるか通話保留状態であるかに応じて変更することができ、また親子電話機に対しても複数回線への割込み接続とページングとを適用することのできる電話制御システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数回線に接続され、複数回線のうちから回線を選択して通話することのできる複数の電話機によって構成される電話制御システムにおいて、
前記電話機は、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段と、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段と、
前記複数回線からの着信信号を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段と、
前記状態設定手段,状態判別手段,着信検出手段および報知手段の動作を制御する制御手段とを含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、少なくとも音情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、少なくとも可視情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする電話制御システムである。
【0013】
本発明に従えば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、少なくとも音情報で新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、少なくとも可視情報で新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が電話機近傍に居る場合には、静寂さを保つことのできる可視情報によって新たな着信を知ることができる。
【0014】
また本発明は、前記電話機は、
音情報を入出力することのできる音情報入出力部と、
音情報を生成し出力することのできる送受話器とをさらに含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、前記音情報入出力部から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、前記送受話器から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、音情報入出力部から音情報を出力して新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、送受話器から音情報を出力して新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が通話している場合には、送受話器から出力される音情報によって新たな着信を知ることができるので、通話中の相手先に音情報であるたとえば着信音を聞かせないようにすることができる。
【0016】
また本発明は、前記複数の電話機は、親電話機と子電話機とからなり、
親電話機は、子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって親電話機から子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
子電話機に備わる制御手段は、
子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定されるように状態設定手段を制御し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、複数の電話機は親子電話機であり、親電話機が、子電話機呼出手段によって子電話機を呼出す信号を発信している状態で、子電話機に備わる制御手段は、子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知する。このように、親電話機から呼出されている状態で、子電話機が通話状態であるときには、たとえば呼出音を出力している時間、通話状態から通話保留状態に設定を変更することによって、通話中の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。
【0018】
また本発明は、前記子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって1つの子電話機から他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
他の子電話機に備わる制御手段は、
他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知するように報知手段を制御し、
他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、その子電話機呼出手段によって他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、他の子電話機に備わる制御手段は、他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知し、他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知する。このように、1つの子電話機から呼出されている他の子電話機が通話状態であるときには、可視情報で呼出しを報知するので、通話の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。また通話保留状態であるときには、可視情報と呼出音とによって呼出しを報知するので、利用者が他の子電話機から離れている場合であっても、呼出しを知ることができる。
【0020】
また本発明は、前記子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、
呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、
通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止するように報知手段を制御し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定するように状態設定手段を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定する。このように、呼出しによって通話状態から一時通話保留状態に設定変更された子電話機は、呼出し解除によって再び通話状態に復帰することができる。
【0022】
また本発明は、前記音情報は、通話保留状態を示す保留音と、着信を報知する着信音と、子電話機を呼出す呼出音とを含み、
前記保留音,前記着信音および前記呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から成ることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、音情報である保留音,着信音および呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成される。このことによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することが可能になる。
【0024】
また本発明は、前記親電話機は、前記複数回線に接続され、前記子電話機は、前記親電話機と無線で通信するコードレス電話機であることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記複数回線は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、親電話機は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含む複数回線に接続され、子電話機は、親電話機と無線で通信するコードレス電話機である。このことによって、アナログ通信とデジタル通信との両方に対応可能であり、また親子電話機のいずれに対しても割込み接続可能な使い勝手の良い電話制御システムが実現される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である電話制御システム1の構成を示す模式図である。電話制御システム1は、3本の回線2a,2b,2cに接続される親電話機3(以後、親機と略称する)と、親機3と予め割当てられた周波数の無線チャネルによって通信するn個の子電話機4a,4b,…,4n(以後、子機と略称する)とを含む。このように本実施の形態では、親機3に対する子機4a,4b,…,4nは、コードレス電話機を構成する。
【0028】
親機3は、ルータ装置または中継機で構成される宅内交換機5に接続され、さらに宅内交換機5に接続される網6を介して通話相手先の電話機7a,7b,7cに接続される。親機3が接続される3本の回線は、たとえばPublic SwitchedTelephone Network(略称PSTN)などのアナログ回線である公衆回線2aと、Integrated Services Digital Network(略称ISDN),Home Phone−line
Networking Alliance(略称HPNA)規格の伝送路または電力線伝送路などのデジタル通信回線2b,2cである。
【0029】
n個の子機4a,4b,…,4nは、n個の充電装置8a,8b,…,8nにそれぞれ配置される。なお、前述の回線,子機,相手先電話機および充電装置を総称する場合には、アルファベットの添字を省略して表すことがある。充電装置8にはコード9が接続され、コード9を介して図示しない交流電源から交流電力が供給される。子機4は、充電装置8に配置された状態で、充電装置8によって充電される。
【0030】
図2は図1に示す電話制御システム1の構成を簡略化して示すブロック図である。親機3は、親機制御手段11と、プログラムメモリ12と、バッファメモリ13と、有線通信部14と、無線通信部15と、操作部16と、表示部17と、音情報入出力部18と、送受話器19(以後、ハンドセットと呼ぶ)と、前述の各部を接続するバス20とを含んで構成される。
【0031】
親機制御手段11は、たとえば中央処理回路(CPU)を搭載するマイクロコンピュータなどで構成され、プログラムメモリ12にストアされている制御プログラムを実行することにより、バス20を介して親機3を構成する各部の動作制御を行う。なお、親機制御手段11は、CPUに限定されることなく小型演算処理回路(MPU)などで構成されてもよい。
【0032】
また親機制御手段11には、以下の各手段が備えられる。親機3を通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段21。親機3が、通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段22。複数回線2からの着信信号を検出する着信検出手段23。着信検出手段23からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段24。子機4を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段25(以後、子機呼出手段と呼ぶ)。親機制御手段11は、前述の各手段21〜25の動作を制御する。
【0033】
プログラムメモリ12は、たとえばRead Only Memory(ROM),ElectricalErasable & Programable ROM(EEPROM)などの記憶媒体で構成され、前述のように親機制御手段11を動作させる制御プログラムをストアしている。バッファメモリ13は、たとえばRandom Access Memory(RAM),EEPROMなどの記憶媒体で構成され、親機制御手段11が親機3全体の動作を制御する際の入出力データを一時ストアする。
【0034】
有線通信部14は、たとえば複数回線2の相手先を切換える回線制御回路,アナログ通信回線を通じてデータ通信を行うための信号変換装置であるモデムなどで構成される。有線通信部14は、アナログ回線2aおよびデジタル回線2b,2cに接続され、宅内交換機5の交換制御動作に従って網6を介して相手先電話機7との通話およびデータ通信を可能にしている。
【0035】
無線通信部15は、子機4との通話の確立から通話の完了までの処理を受持つコードレス用制御回路,電波送受信のためのチューナなどのRFユニット,子機4との間で電波を送受信するアンテナおよび信号の圧縮/復元を行うコンパンダ部などを含んで構成される。この無線通信部15に用いられる無線通信方式には、省電力コードレス電話方式,微小電力方式またはPersonal Handyphone System(PHS)共用タイプなどの公知の周波数・変調方式が用いられる。
【0036】
操作部16は、電話番号などを入力するダイヤルキー26と、ハンドセット19の操作によって通話開始信号(応答信号とも呼ぶ)および通話終了信号(回線切断信号とも呼ぶ)を発信するフックスイッチ27と、ページング機能の設定および解除を指示するページキー28と、親機3に備わる各種の機能を設定し解除する設定・解除キー29とを含んで構成される。
【0037】
表示部17は、たとえば小型サイズの液晶ディスプレイ(略称LCD),プラズマディスプレイ(略称PD),エレクトロ・ルミネセント・ディスプレイ(略称ELD)または発光ダイオード(略称LED)などで形成され、回線の状態(未使用,使用中,着信中,通話中,保留など),相手先,電話番号,受信データなどを表示するとともに、ページング機能による呼出状態やアラーム状態を点滅表示することができる。
【0038】
音情報入出力部18は、たとえば小型マイクロフォン,アナログ/デジタル変換回路,ベル,小型スピーカおよびデジタル/アナログ変換回路などを含んで構成され、ハンドセット19によることなく入力される音情報を音声信号に変換して入力するとともに、通話保留状態であることを示す保留音と、着信のあることを報知する着信音と、子機4を呼出す呼出音とを含む音情報を生成して出力する。
【0039】
ハンドセット19は、相手先と通話するための音声入出力部である。本実施の形態では、前述の状態判別手段22によって親機3が通話状態であると判別された状態で、通話中回線以外の他の回線からの新たな着信が着信検出手段23によって検出されたとき、親機制御手段11は、報知手段24の動作を制御することによって、バス20を介しハンドセット19の受話器側から着信音を生成して報知させる。
【0040】
本実施の形態では、音情報入出力部18によって生成出力される保留音,着信音および呼出音、またハンドセット19によって生成出力される着信音の音質,音レベルおよび音信号は、表1に示すように設定される。表1に示すように、保留音,着信音および呼出音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成されることによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することができる。
【0041】
【表1】
【0042】
n個の子機4は同一に構成されるので、子機4aを代表例としてその構成を説明する。なお子機4aを構成する各手段および各部であって、前述の親機3を構成する各手段および各部と同一の名称で表される各手段および各部は、親機3と子機4aとで同一の機能を有するので説明を省略する。
【0043】
子機4aは、子機制御手段31と、プログラムメモリ32と、バッファメモリ33と、無線通信部35と、操作部36と、表示部37と、音情報入出力部38と、充電部39と、前述の各部を接続するバス40とを含んで構成される。子機制御手段31は、子機4aに備わるので子機の名称が付加されているけれども、親機制御手段11とその構成および機能は同一である。
【0044】
また子機制御手段31には、子機4aを通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段41と、子機4aが、通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段42と、複数回線2からの着信信号を検出する着信検出手段43と、着信検出手段43からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段44と、他の子機4b,…,4nを呼出しまたは呼出しを解除することのできる子機呼出手段45とが備えられる。
【0045】
コードレス電話機である子機4aには、親機3と異なり、有線通信部が無い。また子機4a自体がハンドセットを兼ねるので、操作部36は、ダイヤルキー46,ページキー48および設定・解除キー49を備えるけれども、フックスイッチを含まない。子機4aに備わる充電部39は、充電可能な小型リチウム電池またはニッケルカドミウム電池と、充電制御回路とを含んで構成され、子機4aを充電装置8に設置した状態で、充電装置8によって子機4a駆動用の電力が充電部39の電池に充電される。
【0046】
子機4のそれぞれに対応して設けられるn個の充電装置8は同一に構成されるので、充電装置8aを代表例としてその構成を説明する。充電装置8aは、電源部51と、制御部52と、操作部53と、表示部54とを含んで構成され、コード9を介して図示しない交流電源に接続される。
【0047】
電源部51は、コード9を介して交流電源から供給される交流電力を、直流電圧に変換して子機4aの充電部に供給する。操作部53は、たとえばページング機能の設定/解除を指示するページキー,電源スイッチ,充電のオン/オフキーなどで構成される。表示部54は、たとえば未充電,充電中および充電完了などの充電状態を表示するLEDで構成される。制御部52は、電源部51,操作部53および表示部54と回路55で接続されて、各部51,53,54の動作を制御する。
【0048】
図3は、電話制御システム1における電話局の交換機による交換動作手順を説明する図である。図3では、発信側電話機7と、電話制御システム1に備わるたとえば親機3との間で、網6を介し図示しない電話局の交換機の制御によって行われる交換動作について例示する。図3中丸で囲む数字は、動作の順位を示し、この順位に従って以下に交換動作を説明する。
【0049】
動作▲1▼では、発信側電話機7のハンドセットを電話機本体から取上げてフック部から離脱させるオフ・フック操作によって、網6に対して発信側電話機7から発呼信号が送信される。動作▲2▼では、交換機が発信音信号を発信側電話機7に送信し、ダイヤル受信待ちになる。動作▲3▼では、発信側電話機7のダイヤル操作によって、受信側電話機である親機3の電話番号が網6に送信される。動作▲4▼では、交換機がパス接続処理を実行し、親機3には呼出信号が送信され、発信側電話機7には呼出音が送信される。動作▲5▼では、親機3で着信を認知し、親機3のハンドセット19をオフ・フック操作することによって、網6に応答信号(通信開始信号)が送信されるので、交換機が応答信号を発信側電話機7に送信し、課金を開始する。これらの動作によって、発信側電話機7と親機3との間に通話が確立する。
【0050】
通話が完了すると、動作▲6▼では、発信側電話機7から、ハンドセットを電話機本体に載置してフック部に装着させるオン・フック操作によって、網6に対して回線切断信号(通話終了信号)が送信される。交換機は、回線切断信号に応じてパス切断処理を実行し、親機3に対して回線切断信号を送信する。動作▲7▼では、交換機が話中音信号を親機3に対して送信し、課金を停止する。動作▲8▼では、親機3のハンドセット19をオン・フック操作することによって、通話が切断されると、終話信号が網6に送信されて初期状態になる。
【0051】
なお前述の回線切断動作は、発信側電話機7から実行する場合についての説明であり、親機3が発信側電話機7よりも先にオン・フック操作をして回線切断する場合は、次のようになる。動作▲6▼´では、親機3のオン・フック操作によって、網6に対して回線切断信号が送信される。交換機は、回線切断信号に応じてパス切断処理を実行し、発信側電話機7に対して回線切断信号を送信する。動作▲7▼´では、交換機が話中音信号を発信側電話機7に対して送信し、課金を停止する。動作▲8▼では、発信側電話機7がオン・フック操作することによって、通話が切断されると、終話信号が網6に送信されて初期状態になる。
【0052】
図4は、電話制御システム1における着信処理の手順を示す図である。図4では、親機3(または子機4であってもよい)に、回線2aから着信があり回線2aで通話が確立した状態で回線2bから新たな着信があった場合、または回線2aから着信があり通話状態を確立後保留にした状態で回線2cから新たな着信があった場合の処理について例示する。図4中では、矩形枠内に親機3の表示部17に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作,着信音出力の状態およびLEDによる着信報知の状態を示す。親機3の表示部17には、回線2a,2b,2cに接続される「相手先」と、親機3の動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」または「着信(状態)」のいずれであるかが表示される。
【0053】
親機3が、未通話で待機状態にあるとき、表示部17には、回線2a:「待機」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。この待機状態で、回線2aの相手先Aからの着信を着信検出手段23によって検出すると、親機制御手段11は、表示部17に、回線2a:「着信」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」の表示をする。さらに親機制御手段11は、報知手段24の動作を制御し、表示部17に備わる着信表示用LEDを点滅させるとともに、音情報入出力部18に備わるベルによって着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0054】
報知手段24による着信報知に応じ、親機3のハンドセット19をオフ・フック操作すると、網6に応答信号が送信されて回線2aの相手先Aとの通話が確立される。回線2aの相手先Aとの通話が確立されると、親機制御手段11は、表示部17に、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」の表示をする。
【0055】
回線2aの相手先Aとの間で通話状態にある状態で、着信検出手段23によって回線2bの相手先Bからの新たな着信が検出されたとき、状態判別手段22が、回線2aと回線2cとの状態判別を行い、回線2aが通話状態にあり回線2cが待機状態にあるとの判別結果を出力する。親機制御手段11は、状態判別手段22の出力に応答し、表示部17に、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「着信」「相手先B」,回線2c:「待機」の表示をするとともに、報知手段24の動作を制御し、少なくとも可視情報である表示部17の着信表示用LEDを点滅させるとともに、ハンドセット19から着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0056】
次に前述とは別途の設定について説明する。親機3が、回線2aの相手先Aとの間で通話が一旦確立した後、設定・解除キー29に含まれる保留キーを操作して通話保留状態にすると、表示部17には、回線2a:「保留」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示され、回線2aの相手先Aに対しては、音情報入出力部18で保留音が生成出力される。このように回線2aにおける相手先Aとの通話保留状態で、着信検出手段23によって回線2cの相手先Cからの新たな着信が検出されたとき、状態判別手段22が、回線2aと回線2bとの状態判別を行い、回線2aが通話保留状態にあり回線2bが待機状態にあるとの判別結果を出力する。親機制御手段11は、状態判別手段22の出力に応答し、表示部17に、回線2a:「保留」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「着信」「相手先C」の表示をするとともに、報知手段24の動作を制御し、表示部17の着信表示用LEDを点滅させるとともに、音情報入出力部18に備わるベルによって着信音を生成出力させる。このとき、親機制御手段11は、ページキー信号を子機呼出手段25に与えて、子機呼出手段25から子機呼出信号を出力させ、子機4の音情報入出力部38から呼出音(ベル音)を出力させる。
【0057】
図5は、入力信号に対する親子機3,4の動作を状態毎に整理した図である。図5は、親機3が、いずれの回線2a,2b,2cに対しても待機状態にあるとき、回線2aに対して通話状態にあるとき、および回線2aに対して通話保留状態にあるときの各状態毎に、前述したような親機3および子機4における報知手段24,44による出力動作を整理したものである。
【0058】
また図6は、子機呼出信号に応答して子機4が呼出音を出力している状態において、ページ解除キー信号(呼出解除信号)または新たな着信信号が入力される場合の親子機3,4の動作を状態ごとに整理した図である。
【0059】
まず親機3が待機状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38に備わるベルによって生成出力されていた呼出音は停止されて、親機3は再待機状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4では、音情報入出力部38による呼出音(ベル音)が停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、音情報入出力部18のベルによる着信音が出力されて再待機状態に設定される。
【0060】
次に、親機3が一時通話保留状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音は停止され、親機3は再通話状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4では、音情報入出力部38による呼出音(ベル音)は停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、ハンドセット19による着信音が出力されて再通話状態に設定される。
【0061】
さらに親機3が通話保留状態にあり、親機3の子機呼出手段25から子機呼出信号を送出して子機4を呼出し、呼出音が出力されているときについて説明する。入力信号がページキー操作によるページ解除キー信号であるとき、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音は停止されて、親機3は再通話保留状態になる。入力信号が新たな着信信号であるとき、子機4の音情報入出力部38の呼出音(ベル音)は停止され、親機3では、その表示部17に着信表示されるとともにLEDが点滅表示され、音情報入出力部18のベルによる着信音が出力されて再通話保留状態に設定される。
【0062】
図7は、親機3から子機4への呼出動作と呼出解除動作との手順を示す図である。図7は、たとえば子機4aが回線2aの相手先Aと通話状態で、親機3から子機4aを呼出す必要の生じた場合の呼出手順と、その呼出しを解除する手順を示す。図7中では、矩形枠内に子機4aの表示部37に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作およびベルによる呼出音出力の状態を示す。子機4の表示部37には、回線2a,2b,2cに接続される「相手先」と、子機4aの動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」,「着信(状態)」のいずれであるか、または子機呼出しのある旨が表示される。
【0063】
子機4aが、回線2aの相手先Aと通話状態にあるとき、表示部37には、回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。この子機4aが通話状態で、親機3でページキー28を操作してページキー信号を子機呼出手段25に入力すると、親機3の子機呼出手段25から子機4aに対して呼出信号が送出され、親機3の音情報入出力手段18では保留音が生成されて保留音信号が回線2aの相手先Aに対して送信される。
【0064】
呼出信号を受信した子機4aの状態判別手段42は、回線2aが通話状態であることを判別し、状態判別手段42の判別結果に応じて子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して、予め定められる時間、本実施の形態ではページ状態が継続されている時間(呼出音の出力が継続されている時間)回線2aを通話保留状態に設定する。この通話保留状態において、子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38から呼出音を生成出力させ、表示部37に「呼出」の旨を表示させる。
【0065】
親機3から子機4aを呼出している状態、すなわちページ状態で、子機4aの利用者が呼出しを認識し、ページキー48をページ解除操作したとき、子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して通話保留状態から通話状態へと復帰設定させるとともに、報知手段44を制御して音情報入出力部38による呼出音の出力を停止させる。また子機呼出手段45から親機3に対して呼出解除信号を送出させる。呼出解除信号を受信した親機3は、回線2aの相手先に保留音解除信号を送信する。子機4aと回線2aの相手先Aとが通話状態に復帰すると、子機4aの表示部37には、再び回線2a:「通話」「相手先A」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。
【0066】
一方親機3から子機4aを呼出しているページ状態で、子機4a側で呼出し解除するのではなく、親機3側でページキー28をページ解除操作したとき、親機3は、回線2aの相手先に保留音解除信号を送出し、親機3の子機呼出手段25から子機4aに対して呼出解除信号を送出する。親機3からの呼出解除信号を受信した子機制御手段31は、状態設定手段41を制御して通話保留状態から通話状態へと復帰設定させる。
【0067】
図8は、子機4aから他の子機4bへの呼出動作の手順を示す図である。図8は、たとえば子機4bが親機3を介して回線2aの相手先Aと通話状態または通話保留状態で、子機4aから子機4bを呼出す必要の生じた場合の呼出手順を示す。図8中では、矩形枠内に子機4bの表示部37に表示される内容を示し、縦二重線から成る矩形枠に入力操作およびベルによる呼出音出力の状態を示す。子機4bの表示部37には、子機4bの動作状態すなわち「待機(状態)」,「通話(状態)」,「(通話)保留(状態)」,「着信(状態)」のいずれであるか、または呼出しのある旨が表示される。
【0068】
まず子機4bが、親機3を介して回線2aの相手先Aと通話状態であるとき、子機4bの表示部37には、回線2a:「通話」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。子機4bが通話状態で、子機4aでページキー48を操作してページキー信号を子機呼出手段45に入力すると、子機4aの子機呼出手段45から子機4bに対して呼出信号が送出され、子機4bの子機制御手段31は表示部37に「呼出」のある旨を表示させる。
【0069】
次に子機4bが、親機3を介して回線2aの相手先Aと通話保留状態であるとき、子機4bの表示部37には、回線2a:「保留」,回線2b:「待機」,回線2c:「待機」が表示される。子機4bが通話保留状態で、子機4aでページキー48を操作してページキー信号を子機呼出手段45に入力すると、子機4aの子機呼出手段45から子機4bに対して呼出信号が送出され、子機4bの子機制御手段31は表示部37に「呼出」のある旨を表示させるとともに、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルによる呼出音を生成出力させる。
【0070】
図9は、電話制御システム1の一連の動作を説明するフローチャートである。図9を参照して電話制御システム1の着信処理および呼出処理などの一連の動作について説明する。
【0071】
ステップS0では、電話制御システム1を構成する親機3,子機4および充電装置8などの電源が投入されて作動可能な状態にある。ステップS1では、回線2a,2b,2cのいずれからも着信が無い状態であり、親機3の状態判別手段22は待機状態を判別し、状態設定手段21は待機状態に設定し、表示部17には、各回線2a,2b,2cともに「待機」が表示される。ステップS2では、入力信号として、回線2a,2b,2cのいずれかからの最初の着信信号を検出したか否かが判断される。この判断は、着信検出手段23の出力の有無に基づいて親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、着信信号が検出されればステップS3に進み、判断結果が否定で、着信信号が検出されなければステップS4に進む。
【0072】
ステップS3では、待機状態において最初の着信信号を検出したので、親機制御手段11は、報知手段24を制御してその着信を表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、また音情報入出力部18のベルにより着信音を生成して報知し、ステップS10に進む。ステップS4では、入力信号が、ページキー28操作によるページキー信号であるか否かが判断される。この判断は、ページキー信号の入力される子機呼出手段25からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、ページキー信号であればステップS5に進み、判断結果が否定で、ページキー信号でなければステップS1に戻る。
【0073】
ステップS5では、待機状態でページキー信号が入力されたので、子機呼出手段25から呼出信号が子機4に対して送出され、呼出信号に応答して子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知し、ステップ6に進む。ステップS6では、親機3または子機4の ページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、ページ解除キー信号の入力される子機呼出手段25(または45)からの出力に基づき親機制御手段11(または子機制御手段31)によって行われる。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS7に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS8に進む。
【0074】
ステップS7では、子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、ステップS1に戻る。ステップS8では、 子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS9に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS5に戻る。
【0075】
ステップS9では、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、他の回線からの新たな着信を、親機3の表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS10に進む。 ステップS10では、親機3のハンドセット19のオフ・フック操作によりオフ・フック信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られるフックスイッチ27からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、オフ・フック信号が入力されればステップS11に進み、判断結果が否定で、オフ・フック信号が入力されなければ入力待ち状態になる。
【0076】
ステップS11では、親機3は、状態設定手段21によって、新たな着信を受けた他の回線と通話状態に設定され、通話が可能になる。ステップS12では、親機3の設定・解除キー29に含まれる保留キー操作により通話保留信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られる設定・解除キー29からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、通話保留信号が入力されればステップS13に進み、判断結果が否定で、通話保留信号が入力されなければステップS16に進む。ステップS13では、通話中の回線を占有し、状態設定手段21によって通話保留状態に設定し、ステップS14に進む。ステップS14では、通話保留状態において、他の回線から新たな着信信号を検出したか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS15に進み、判断結果が否定で、新たな着信信号が検出されなければステップS16に進む。
【0077】
ステップS15では、通話保留状態において他の回線からの新たな着信信号を検出したので、親機制御手段11は、その着信を表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS30に進む。ステップS16では、通話保留状態において、ページキー28操作によりページキー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、ページキー信号が入力されればステップS17に進み、判断結果が否定で、ページキー信号が入力されなければステップS14に戻る。
【0078】
ステップS17では、通話保留状態においてページキー信号が入力されたので、子機呼出手段25は呼出信号を子機4に対して送出し、呼出信号に応答して子機制御手段31は、報知手段44を制御して音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知し、ステップS18に進む。ステップS18では、親機3または子機4の ページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS19に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS20に進む。
【0079】
ステップS19では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、ステップS14に戻る。ステップS20では、子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS21に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS17に戻る。ステップS21では、子機4の音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、他の回線からの新たな着信を、親機3の表示部17の画面に表示するとともにLEDにより点滅表示し、音情報入出力部18のベルにより着信音を生成出力して報知し、ステップS30に進む。
【0080】
ステップS22では、通話状態において他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS23に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS24に進む。ステップS23では、通話状態において新たな着信信号を検出したので、親機制御手段11は、報知手段24を制御して表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、さらにハンドセット19により着信音を生成出力して報知し、ステップS31に進む。ステップS24では、通話状態においてページキー28操作によりページキー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、ページキー信号が入力されればステップS25に進み、判断結果が否定で、ページキー信号が入力されなければステップS31に進む。
【0081】
ステップS25では、通話状態においてページキー信号が入力されたので、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して一時通話保留状態に設定し、子機呼出手段25によって呼出信号を子機4に対して送出する。子機制御手段31は、子機呼出手段25からの呼出信号に応答し、音情報入出力部38のベルにより呼出音を生成出力して報知する。ステップS26では、親機3または子機4のページキー28(または48)の操作によりページ解除キー信号が入力されたか否かが判断される。判断結果が肯定であり、ページ解除キー信号が入力されればステップS27に進み、判断結果が否定であり、ページ解除キー信号が入力されなければステップS28に進む。ステップS27では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して通話状態に設定し、ステップS31に進む。
【0082】
ステップS28では、子機4を呼出中に他の回線からの新たな着信信号が検出されたか否かが判断される。判断結果が肯定で、新たな着信信号が検出されればステップS29に進み、判断結果が否定で新たな着信信号が検出されなければステップS25に戻る。ステップS29では、子機制御手段31は、音情報入出力部38のベルによる呼出音を停止し、親機制御手段11は、その表示部17の画面に「着信」表示するとともにLEDにより点滅表示し、さらにハンドセット19により着信音を生成出力して報知し、ステップS31に進む。
【0083】
ステップS30では、親機3の設定・解除キー29操作によって保留解除信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られる設定・解除キー29からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、保留解除信号が入力されればステップS31に進み、判断結果が否定で、保留解除信号が入力されなければ保留解除信号の入力待ち状態になる。
【0084】
ステップS31では、通信が完了し、親機3のハンドセット19のオン・フック操作によりオン・フック信号が入力されたか否かが判断される。この判断は、バス20を介して送られるフックスイッチ27からの出力に基づき親機制御手段11によって行われる。判断結果が肯定で、オン・フック信号が入力されればステップS32に進み、判断結果が否定で、オン・フック信号が入力されなければ入力待ち状態になる。ステップS32では、オン・フック信号に応答し、親機制御手段11は、状態設定手段21を制御して待機状態に設定し、ステップS33に至る。ステップS33で一連の動作が終了する。
【0085】
以上に述べたように、本実施の形態では、複数の電話機は、コードレス電話機である親子機であるけれども、これに限定されることなく、有線で相互に接続されたものであってもよい。また複数の回線は、アナログ回線のPSTNとデジタル回線のISDNおよびHPNAとであるけれども、これに限定されることなく、他のアナログ回線やデジタル回線であってもよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、少なくとも音情報で新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、少なくとも可視情報で新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が電話機近傍に居る場合には、静寂さを保つことのできる可視情報によって新たな着信を知ることができる。
【0087】
また本発明によれば、電話機に備わる着信検出手段が他の回線からの新たな着信を検出した状態で、同じく電話機に備わる制御手段は、1つの回線が通話保留状態であるときには、音情報入出力部から音情報を出力して新たな着信を報知し、1つの回線が通話状態であるときには、送受話器から音情報を出力して新たな着信を報知するように報知手段を制御する。このことによって、1つの回線が通話保留状態に設定され、利用者が電話機から離れている場合であっても、利用者は音情報によって新たな着信を知ることができる。また1つの回線が通話状態に設定され、利用者が通話している場合には、送受話器から出力される音情報によって新たな着信を知ることができるので、通話中の相手先に音情報であるたとえば着信音を聞かせないようにすることができる。
【0088】
また本発明によれば、複数の電話機は親子電話機であり、親電話機が、子電話機呼出手段によって子電話機を呼出す信号を発信している状態で、子電話機に備わる制御手段は、子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知する。このように、親電話機から呼出されている状態で、子電話機が通話状態であるときには、たとえば呼出音を出力している時間、通話状態から通話保留状態に設定を変更することによって、通話中の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。
【0089】
また本発明によれば、子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、その子電話機呼出手段によって他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、他の子電話機に備わる制御手段は、他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知し、他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知する。このように、1つの子電話機から呼出されている他の子電話機が通話状態であるときには、可視情報で呼出しを報知するので、通話の相手先に呼出音を聞かせないようにすることができる。また通話保留状態であるときには、可視情報と呼出音とによって呼出しを報知するので、利用者が他の子電話機から離れている場合であっても、呼出しを知ることができる。
【0090】
また本発明によれば、子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定する。このように、呼出しによって通話状態から一時通話保留状態に設定変更された子電話機は、呼出し解除によって再び通話状態に復帰することができる。
【0091】
また本発明によれば、音情報である保留音,着信音および呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から構成される。このことによって、利用者は、保留音,着信音および呼出音を誤ることなく容易に識別することが可能になる。
【0092】
また本発明によれば、親電話機は、アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含む複数回線に接続され、子電話機は、親電話機と無線で通信するコードレス電話機である。このことによって、アナログ通信とデジタル通信との両方に対応可能であり、また親子電話機のいずれに対しても割込み接続可能な使い勝手の良い電話制御システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電話制御システム1の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す電話制御システム1の構成を簡略化して示すブロック図である。
【図3】電話制御システム1における電話局の交換機による交換動作手順を説明する図である。
【図4】電話制御システム1における着信処理の手順を示す図である。
【図5】入力信号に対する親機3の動作を状態毎に整理した図である。
【図6】子機呼出信号に応答して子機4が呼出音を出力している状態における呼出解除信号または新たな着信信号に対する親子機3,4の動作を状態ごとに整理した図である。
【図7】親機3から子機4への呼出動作と呼出解除動作との手順を示す図である。
【図8】子機4aから他の子機4bへの呼出動作の手順を示す図である。
【図9】電話制御システム1の一連の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電話制御システム
2 回線
3 親機
4 子機
5 宅内交換機
6 網
8 充電装置
11 親機制御手段
17,37 表示部
18,38 音情報入出力部
19 ハンドセット
21,41 状態設定手段
22,42 状態判別手段
23,43 着信検出手段
24,44 報知手段
25,45 子機呼出手段
31 子機制御手段
39 充電部
Claims (8)
- 複数回線に接続され、複数回線のうちから回線を選択して通話することのできる複数の電話機によって構成される電話制御システムにおいて、
前記電話機は、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうち、いずれかの状態に設定し、また設定されたいずれかの状態を解除することのできる状態設定手段と、
通話状態,通話保留状態および待機状態のうちいずれの状態にあるかを判別する状態判別手段と、
前記複数回線からの着信信号を検出する着信検出手段と、
前記着信検出手段からの検出出力に応答し、音情報および/または可視情報によって着信を報知する報知手段と、
前記状態設定手段,状態判別手段,着信検出手段および報知手段の動作を制御する制御手段とを含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、少なくとも音情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、少なくとも可視情報によって着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする電話制御システム。 - 前記電話機は、
音情報を入出力することのできる音情報入出力部と、
音情報を生成し出力することのできる送受話器とをさらに含み、
前記着信検出手段が他の回線からの新たな着信信号を検出した状態で、
前記制御手段は、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話保留状態であると判別されたとき、前記音情報入出力部から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御し、
前記状態判別手段によって1つの回線が通話状態であると判別されたとき、前記送受話器から音情報を出力して着信を報知するように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項1記載の電話制御システム。 - 前記複数の電話機は、親電話機と子電話機とからなり、
親電話機は、子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって親電話機から子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
子電話機に備わる制御手段は、
子電話機が通話状態であるとき、予め定められる時間通話保留状態に設定されるように状態設定手段を制御し、音情報入出力部で呼出音を生成し出力して呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする請求項2記載の電話制御システム。 - 前記子電話機は、他の子電話機を呼出しまたは呼出しを解除することのできる子電話機呼出手段を備え、
前記子電話機呼出手段によって1つの子電話機から他の子電話機を呼出す信号が発信されている状態で、
他の子電話機に備わる制御手段は、
他の子電話機が通話状態であるとき、可視情報によって呼出しを報知するように報知手段を制御し、
他の子電話機が通話保留状態であるとき、可視情報および呼出音によって呼出しを報知するように報知手段を制御することを特徴とする請求項3記載の電話制御システム。 - 前記子電話機呼出手段によって子電話機の呼出しを解除する信号が発信されている状態で、
呼出し解除の対象である子電話機に備わる制御手段は、
通話保留状態であるとき、呼出音の出力を停止するように報知手段を制御し、通話保留状態の設定を解除して通話状態に設定するように状態設定手段を制御することを特徴とする請求項3または4記載の電話制御システム。 - 前記音情報は、
通話保留状態を示す保留音と、着信を報知する着信音と、子電話機を呼出す呼出音とを含み、
前記保留音,前記着信音および前記呼出音の各音が、それぞれ異なる音質,音レベルおよび音信号から成ることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電話制御システム。 - 前記親電話機は、前記複数回線に接続され、
前記子電話機は、前記親電話機と無線で通信するコードレス電話機であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の電話制御システム。 - 前記複数回線は、
アナログ通信回線とデジタル通信回線とを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電話制御システム。
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