JP2004095503A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿性と密着性に優れ、長期にわたり外部の水分を遮断できる構造の、薄型・軽量な有機EL素子を提供する。
【解決手段】透光性基板上に、少なくとも透明陽極層、有機発光媒体層、陰極層、封止層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、封止層上に、剥離防止層が積層されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とする。さらに、前記封止層および前記剥離防止層は、それぞれ、少なくとも接着性樹脂層とバリア層から構成されているものとし、封止層を構成する接着性樹脂層には乾燥剤を、剥離防止層を構成する接着性樹脂層には樹脂微粒子をそれぞれ分散させて用いると、耐湿性および接着性に優れ、長期にわたり外部の水分を遮断でき、薄型・軽量な有機EL素子を提供することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と略記する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、視野角が広い、応答速度が速い、消費電力が低いなどの利点から、ブラウン管や液晶ディスプレイに変わるフラットパネルディスプレイとして期待されている。
【0003】
有機EL素子は、少なくとも一方が透明な陽極層と陰極層との間に、有機発光媒体層を挟持した構造であり、両電極から電流を注入することにより、有機発光媒体層で光が生じるものである。
【0004】
有機EL素子は、発光媒体層や陰極層が大気暴露状態で放置されると、大気中の水分や酸素などにより劣化する。具体例の一つとして、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生し、時間の経過と共に拡大するといった現象がある。
【0005】
この問題を解決する手段が、特許文献1や特許文献2などに開示されている。これらは、透明陽極層を形成したガラス基板上に発光媒体層、陰極層を真空下で連続成膜し、金属製やガラス製の封止缶により乾燥窒素雰囲気下でEL素子を被覆封止する方法である。
【0006】
しかし、このようなEL素子を作製する為には、真空下でガラス基板を搬送できる複数の真空蒸着装置および窒素下封止装置が必要である為、生産性が低い、製造コストが高いなどの問題点があった。また、ガラス基板や金属製の封止缶を用いる為、素子を薄型・軽量化するのに限界があった。
【0007】
これに対し、近年、プラスチックフィルムやガラス上に、高分子発光媒体層をスピンコート法やグラビア印刷法、インクジェット法などの湿式法で成膜し、金属箔などのバリア性の高いフィルムで封止する方法が開示されている。
【0008】
この封止法の問題点は、陰極層に接着性樹脂層が接触すること、乾燥剤を封入する空間を設けることができないことである。このため、接着性樹脂層の含有水分や透湿度を極力下げる工夫が必要となる。この問題を解決する手段として、接着性樹脂層中に乾燥剤を混入する方法が開示されている。
【0009】
しかし、乾燥剤を混入した接着性樹脂層を用いて、金属箔などのバリアフィルムを貼り合せると、接着性樹脂層の硬化時に金属箔と接着性樹脂層の収縮差に起因した収縮応力が界面に残留し、金属箔などのバリアフィルムが剥離しやすいといった問題が生じた。
【0010】
この問題を解決するために、接着性樹脂層中にゴム微粒子などの可塑剤を分散させる方法がある。これにより残留応力が緩和され、接着性は向上するが、その反面、接着性樹脂の透湿度や吸水率が悪化するといった問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−182759号公報
【特許文献2】
特開平5−36475号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、耐湿性と密着性に優れ、長期にわたり外部の水分を遮断できる構造の、薄型・軽量な有機EL素子を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためなされたものである。
請求項1に係る第1の発明は、透光性基板上に、少なくとも透明陽極層、有機発光媒体層、陰極層、封止層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、封止層上に、剥離防止層が積層されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項2に係る第2の発明は、前記封止層および前記剥離防止層が、それぞれ、少なくとも接着性樹脂層とバリア層からなり、当該封止層が当該剥離防止層により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項3に係る第3の発明は、前記封止層を構成する前記接着性樹脂層中に、乾燥剤が分散されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項4に係る第4の発明は、前記剥離防止層を構成する前記接着性樹脂層中に、樹脂微粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子及びその製造工程の一例として、図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の有機EL素子の製造工程の一例を順を追って図示したものである。まず、透光性基板1上に透明陽極層2を設け、パターニングする(図1(a))。その後、有機発光媒体層3、次いで陰極層4を積層する(図1(b))。さらに接着性樹脂層6とバリア層7から成る封止層5(図1(c))によって有機EL素子を封止し、最後に接着性樹脂層10とバリア層11から成る剥離防止層9により有機EL素子を被覆する(図1(d))ことで、本発明の有機EL素子とする。
【0015】
透光性基板1としては、透光性と絶縁性を有する基板であれば如何なる基板も使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルムやシート、ガラスや石英などを用いることができる。これらの基板には、必要に応じて、無機薄膜などの透明バリア膜や透明バリアフィルムなどを積層しても良い。
【0016】
図1(a)は、透光性基板1上に、透明陽極層2を形成した後に、フォトリソ・エッチング法等を用いてパターニングし、陽極用引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極用引き出し電極2bとを形成したところを図示したものである。透明陽極層2の材料としては、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物などの金属酸化物や、金、白金などの金属薄膜や、これら金属酸化物や金属の微粒子をバインダー樹脂に分散させた透明導電性インキなどを使用することができる。
【0017】
透明陽極層2の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。
【0018】
透明陽極層2のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、などを用いることができる。
【0019】
また、透光性基板1と透明陽極層2との密着性を向上させるために、あらかじめ透光性基板1表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してもよく、さらには酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁膜や、クロム、チタンなどの金属膜や、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは複数層、積層してもよい。
【0020】
次に、有機発光媒体層3を形成する(図1(b))。ここで、有機発光媒体層3を形成する前に、透明陽極層2の表面洗浄や表面改質を目的として、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施すことが好ましい。
【0021】
本発明における有機発光媒体層3は、少なくとも発光層を含む、単層もしくは多層膜から成るものである。有機発光媒体層3を多層にした場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や、正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成や、さらに機能分化させて、多層化することも可能である。
【0022】
正孔輸送層の材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミンなどの低分子材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン等の高分子材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0023】
発光層の材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料、その他既存の発光材料を用いることができる。
【0024】
電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、およびオキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等が挙げられる。
【0025】
また、有機発光媒体層3の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱法、電子ビーム法などの真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、ロールコート、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。有機発光媒体層3の膜厚としては、単層または多層においても1000nm以下であり、好ましくは50〜150nmである。
【0026】
次に、陰極層4を形成する(図1(b))。陰極層4の材料としては、電子注入効率の高い物質を用いることが好ましい。具体的には、Mg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
【0027】
陰極層4の形成方法には、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ラミネート法などを用いることができる。陰極の厚さは、10nm〜1000nm程度が望ましい。
【0028】
次に、陰極層4上に封止層5を積層する(図1(c))。ここで、陰極層4を保護するために、封止層5を積層する前に、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウムなどの無機絶縁膜や、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの高分子樹脂膜や、クロム、チタンなどの金属膜を単層もしくは積層してもよい。
【0029】
封止層5は、少なくとも接着性樹脂層6とバリア層7から構成されることが望ましい。
接着性樹脂層6としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、フェノール樹脂などの熱硬化型接着性樹脂、光硬化型接着性樹脂、熱可塑型接着性樹脂などを用いることができる。特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ樹脂系接着性樹脂を用いることが好ましい。
【0030】
また、接着性樹脂層6には、樹脂中の水分や透湿度を極力低くするために、接着性樹脂層6内部に乾燥剤8を分散させることが好ましい。
乾燥剤8の材料としては、酸化バリウム、酸化カルシウムなどの化学吸着系乾燥剤や、ゼオライトなどの物理吸着系乾燥剤を、少なくとも1種以上用いることができる。特に、接着性樹脂の初期含有水分を取り除くために乾燥剤を混入し、水分を吸着した乾燥剤は取り除いた上で、さらに、外部からの透湿分を吸湿するために、新たな乾燥剤を混入して使用することがより好ましい。
【0031】
接着性樹脂層6の膜厚は、0.001mm〜1mmが好ましい。これは、接着性樹脂層6の厚みが1mmよりも厚いと、端部からの透湿量の増加により有機EL素子が劣化するといった問題が生じたり、硬化収縮量が大きくなるといった問題が生じるからである。逆に0.001mmよりも薄いと、有機EL素子がバリア層7と接触することがあり、バリア層7として金属箔を用いた場合に、有機EL素子が短絡するといった問題が生じるからである。
接着性樹脂層6の形成方法としては、材料に応じて、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。
【0032】
乾燥剤8としては、接着性樹脂層6の膜厚に応じて、粒径や分散量を調整することが好ましい。粒径としては、封止層5を貼り合わせる際に、陰極層4が傷つかないよう、接着性樹脂層6の膜厚の50%以下であることが好ましい。また、分散量としては、透湿度や接着力に影響を及ぼさないよう、接着性樹脂の1〜30wt%程度であることが好ましい。
【0033】
バリア層7は、湿度バリア、ガスバリア性に優れた材料を選択することが望ましく、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、弗化アルミニウムなどの金属弗化物、アルミニウム、ニッケル、銅などの金属や合金を蒸着したフィルム、及びこれら金属材料からなる金属箔や合金箔、ガラス板、金属板などを用いることができる。特に、薄型・軽量化ができ、かつ、湿度バリア・ガスバリア性に優れた金属箔や合金箔を用いることが好ましい。また、これら金属箔の取り扱いを容易にする為に、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムをラミネートしても使用しても良い。
【0034】
次に、封止層5の剥脱を防止し、接着性を向上するために、封止層5全体を被覆するように、剥離防止層9を積層する(図1(d))。剥離防止層9は、少なくとも接着性樹脂層10を備えていればよい。
接着性樹脂層10としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン、フェノール樹脂などからなる熱硬化型接着性樹脂、光硬化型接着性樹脂、熱可塑型接着性樹脂などを用いることができる。封止層5を構成する接着性樹脂層6と比較して、硬化時の収縮をさらに抑えた樹脂を用いることが望ましく、特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ樹脂系接着性樹脂を用いることが好ましい。
【0035】
また、接着性樹脂層10には、硬化時の残留応力を緩和して隣接した層の離脱を防止し、接着性を向上するために、樹脂微粒子12を混入することが望ましい。樹脂微粒子12の材料としては、プラスチック微粒子や、アクリルゴム、ニトリルゴムなどのゴム微粒子を、単成分もしくは多成分用いることができる。また、あらかじめ接着性樹脂層10の含有水分を乾燥剤を用いて除去した後に、水分を吸着した乾燥剤を取り除き、樹脂微粒子12を混入してもよく、さらには、樹脂微粒子12の他に、あらたに乾燥剤を混入して使用しても良い。乾燥剤の材料としては、酸化バリウム、酸化カルシウムなどの化学吸着系乾燥剤や、ゼオライトなどの物理吸着系乾燥剤を、少なくとも1種以上用いることができる。
【0036】
樹脂微粒子12の粒径としては0.001mm〜0.1mmであることが好ましく、分散量としては、1〜30wt%程度であることが好ましい。また、接着性樹脂層10の膜厚は、0.01mm〜1mmが好ましい。これは、接着性樹脂層10の厚みが0.01mmよりも薄いと、樹脂微粒子12が接着性樹脂を介さずにバリア層7やバリア層11に直接接する割合が増えるため、接着力が減少するといった問題が生じるためである。逆に1mmよりも厚いと、端部からの透湿量の増加により有機EL素子が劣化するといった問題が生じたり、硬化収縮量が大きくなるといった問題が生じるからである。
接着性樹脂層10の形成方法としては、材料に応じて、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。
【0037】
剥離防止層9は接着性樹脂層10のみからなる構造であってもその機能を果たすことができるが、有機EL素子全体の耐湿性向上のためにはバリア層11を備えることがより好ましい。
バリア層11は、湿度バリア、ガスバリア性に優れた材料を選択することが望ましく、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム上に、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物や、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、弗化アルミニウムなどの金属弗化物、アルミニウム、ニッケル、銅などの金属や合金を蒸着したフィルム、及びこれら金属材料からなる金属箔や合金箔、ガラス板、金属板などを用いることができる。特に、薄型・軽量化ができ、かつ、湿度バリア・ガスバリア性に優れた金属箔や合金箔を用いることが好ましい。また、これら金属箔の取り扱いを容易にする為に、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムをラミネートしても使用しても良い。
【0038】
【実施例】
以下、本発明に係わるEL素子及びその製造方法の実施例の一例を説明する。実施例1および比較例1〜3を、図1に従って説明する。
【0039】
(実施例1)
透光性基板1としてガラス基板上に、スパッタリング法を用いて透明陽極層2としてインジウム錫酸化物(ITO)を150nm形成した。次いでフォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法を用いて、透明陽極層2であるITO膜をパターンニングし、引き出し電極2aを兼ねた透明陽極層2と陰極引き出し電極2bとを形成した(図1(a))。
次に、ITO膜表面をUVオゾン処理した後に、有機発光媒体層3として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEHPPV)をスピンコート法により100nm形成し、その上に、陰極層4として、真空蒸着法によりCa(20nm)とAg(200nm)をこの順に積層形成した(図1(b))。
更に、陰極層4上に封止層5を積層した(図1(c))。接着性樹脂層6として、酸化バリウム粉末(乾燥剤8)を5wt%混ぜたエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を積層した後に、バリア層7としてアルミニウム箔(50μm))を積層した。
最後に、封止層5全体を被覆するように剥離防止層9を積層した(図1(d))。接着性樹脂層10として、粒径0.01mmのアクリルゴム微粒子(樹脂微粒子12)を混ぜたエポキシ樹脂系熱硬化型接着剤を積層した後に、バリア層11としてアルミニウム箔(50μm))を積層した。
得られた有機EL素子は、40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した結果、バリア層7およびバリア層11が共に剥離することなく、また、この有機EL素子を発光させたところ、ダークスポットの拡大は観察されなかった。
【0040】
(比較例1)
実施例1の有機EL素子において、剥離防止層9を形成せずに、図1(c)の状態の有機EL素子を40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した結果、バリア層7が接着性樹脂層6から剥離してしまい、有機EL素子は発光しなかった。
【0041】
(比較例2)
実施例1の有機EL素子において、接着性樹脂層6中に乾燥剤8を混入せずに40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した結果、バリア層7およびバリア層11は共に剥離することはなかったが、ダークスポットが発生・拡大し、画素面積のうち30%を、ダークスポットが占めた。
【0042】
(比較例3)
実施例1の有機EL素子において、接着性樹脂層10中にゴム微粒子12を混入せずに40℃90%RHの恒温槽で1000時間保存した結果、バリア層7およびバリア層11が共に剥離してしまい、有機EL素子は発光しなかった。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、有機EL素子上に、封止層5と剥離防止層9を設けることにより、耐湿性および接着性に優れ、長期にわたり外部の水分を遮断でき、薄型・軽量な有機EL素子を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、封止層5を被覆するように剥離防止層9を設けることにより、封止層5の接着性が向上し、長期にわたり耐湿性を保持できる。請求項3に係る発明によれば。封止層5の接着性樹脂層6に、乾燥剤8を混入することにより、耐湿性を向上することができる。
請求項4に係る発明によれば、剥離防止層9の接着性樹脂10に、樹脂微粒子12を混入することにより、接着性を向上することができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1  透光性基板
2  透明陽極層
2a 陽極用引き出し電極
2b 陰極用引き出し電極
3  有機発光媒体層
4  陰極層
5  封止層
6  接着性樹脂層
7  バリア層
8  乾燥剤
9  剥離防止層
10 接着性樹脂層
11 バリア層
12 樹脂微粒子

Claims (4)

  1. 透光性基板上に、少なくとも透明陽極層、有機発光媒体層、陰極層、封止層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、封止層上に、剥離防止層が積層されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記封止層および前記剥離防止層が、それぞれ、少なくとも接着性樹脂層とバリア層からなり、当該封止層が当該剥離防止層により被覆されていることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記封止層を構成する前記接着性樹脂層中に、乾燥剤が分散されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記剥離防止層を構成する前記接着性樹脂層中に、樹脂微粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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