JP2004095354A - ゲル電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents

ゲル電解質二次電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池特性を損なうことなく、過充電等により発火の危険性のないゲル電解質二次電池及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】正極活物質2とゲル電解質(イオン伝導性高分子)3を含む正極4に含まれる下記(I)で示されるフッ素化合物の濃度が、負極活物質6とゲル電解質(イオン伝導性高分子)7を含む負極8に含まれるフッ素化合物の濃度よりも高い構成とすることで、フッ素化合物が熱暴走反応の発生する温度よりも低い温度で不燃性ガスを生成するので上記課題を解決することができる。
Figure 2004095354

【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル電解質二次電池及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、フッ素化合物を含むゲル電解質を使用するゲル電解質二次電池及びその製造方法に関する。得られるゲル電解質二次電池は、過充電や加熱等に対して、高い安全性を有する。
【0002】
【従来の技術】
現在、市販されているリチウム一次電池やリチウム二次電池の非水電解質には、有機溶媒にリチウム塩を溶解したもの(リチウム電池用電解液)が用いられている。しかし、有機溶媒の電池外部への漏れや、揮発等が発生しやすいため、長期信頼性が劣ること、封口工程において電解液が飛散すること等の問題点が残っている。
そこで、耐漏液性、安全性、長期保存性を改善するために、非水電解質としてゲル電解質(イオン伝導性高分子)を用いることが、上記の問題点を解決するための一つの手段として注目されている。例えば、特開昭58−75779号公報、特開昭59−149601号公報等に代表されるように、非水電解質として、ゲル状物質に電解液を吸収させた固体状態のゲル電解質を用いることが提案されている。
【0003】
しかし、ゲル電解質の大部分は、電解液を主とする可燃性物質で構成されているので、過充電の際や加熱時の状態において、十分な熱安全性を満たすものではなかった。すなわち、過充電時、あるいは近くに火気が存在すると、電池内の温度が上昇して異常高温になり、破裂、発火する可能性がある。これらの問題に対し、現状の保護回路や保護素子では防げないことが多い。ゆえに、電池系そのものでこれらの問題に耐えなければならない。
【0004】
リチウム二次電池の駆動電圧は4V以上になるので、水を溶媒とするゲル電解質はその耐電圧が不足するため使用できない。そこで、4V以上の駆動電圧でも分解しない有機溶媒をゲル電解質に使用している。しかし、有機溶媒の欠点はその可燃性の高さであり、電池が高温にさらされた場合、引火、燃焼が懸念される。電解液には、炭酸ジメチル(DMC;引火点17℃)、炭酸ジエチル(DEC;引火点33℃)等の引火点が非常に低い鎖状炭酸エステル(カーボネート)が混合して使用される。ゆえに、過充電時や何らかの要因で外部短絡又は内部短絡を生じた場合に発火する可能性があった。
【0005】
これらの問題を解決する一つの手段として、電解液にフッ素化合物を混合して、電池を難燃化することが提案されている。例えば、特開平7−6786号公報は、フッ素原子置換アルキル基を有する鎖状炭酸エステルを用いて、引火点が高く、熱安定性に優れた電解液を提供している。同様に、特開平8−298134号公報でも、鎖状フッ素化エステルを用いて、電池の安全性、信頼性を向上させることを提案している。エステル化合物以外では、特開平8−37024号公報において、電解液に鎖状あるいは環状フッ素化エーテルを含有させた二次電池を提案している。特開平10−12272号公報では、電解液に電池特性を損なわない範囲(0.5 〜30重量%)でフッ素化アルカン又は鎖状フッ素化エーテルを混合することにより、電解液の引火点を50℃以上とする技術が開示されている。これらはフッ素化合物を液体の非水電解質として用いているので、電池内部では濃度が一定になっている。
【0006】
また、ゲル電解質にフッ素化合物を添加して、二次電池を難燃化することも検討されている。特開平11−172096号公報では、フッ素化カーボネート、フッ素化エーテル及びフッ素化エステルの群から選ばれる一つ以上のフッ素化合物を用いることが記載されている。この公報では、十分に高いイオン伝導度を保持することができ、更に難燃性を発現して、発熱等に対する安全性に優れたゲル電解質及び固体電気化学素子が得られるとされている。しかし、ゲル電解質中のフッ素化合物の濃度分布について明記しておらず、その製造方法も従来のものと同じである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
リチウム電池用電解液にフッ素化合物を添加すると、充放電効率、サイクル特性等の電池特性が低下する。このことはフッ素化合物が炭素材料表面で還元反応を起こしやすいので、電池の充電中、主に負極で副反応を起こすからである。更に、電解液のイオン伝導率が低くなるので、高負荷特性も得られなくなる。このように多くのフッ素化合物は正負極材料、特に負極の炭素材料との相性が悪いと考えられる。しかし、フッ素化合物を液体状態で用いる以上、電極材料に接触させないことは極めて困難なので、フッ素化合物を電解液に用いることは困難といえる。
また、ゲル状物質に電解液を吸収させたゲル電解質(イオン伝導性高分子)にフッ素化合物を含有させても、電極材料との接触は避けられないので、仮に熱安全性は向上しても、上記と同じ理由で良好な電池特性を得ることは難しい。
【0008】
以上のように、電池の難燃化を向上させるためにフッ素化合物を用いても、電池特性が低下する。また、良好な電池特性を維持する程度にフッ素化合物をゲル電解質に含ませても、電池の難燃化が困難である。よって、電池の難燃化と電池特性に対して好適なフッ素化合物を見出し、それを用いる二次電池の構造と製造方法を提供することが望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を鑑みて、過充電等によりゲル電解質(イオン伝導性高分子)を具備する二次電池の電池温度が異常高温になった時、発火を防ぐことを目的に鋭意検討した結果、少なくとも正極に含まれるゲル電解質中にフッ素化合物を含ませるか、特定のフッ素化合物を電解質層に含ませれば、難燃性が向上することを見出し本発明にいたった。更に正極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度を、負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度よりも高くすることで、良好な電池特性と難燃化を同時に満たすゲル電解質二次電池を提供することができることも見出している。
かくして本発明によれば、リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質と電解液を含むゲル電解質を備えた正極、負極、該正極と該負極との間に非水溶媒とリチウム塩を含むゲル状物質が配置された非水ゲル電解質層を備え、少なくとも正極がフッ素化合物を含むことを特徴とするゲル電解質二次電池が提供される。
また、本発明によれば、リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質を含む正極と負極、該正極と該負極との間に非水溶媒とリチウム塩を含むゲル状物質が配置された非水ゲル電解質層を備え、ゲル電解質層が、以下の構造式(I)
【0010】
【化2】
Figure 2004095354
【0011】
(Rはフッ素原子あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、フッ素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示す。)で示されるフッ素化合物を含むことを特徴とする第2のゲル電解質二次電池が提供される。
更に、本発明によれば、上記ゲル電解質二次電池の製造方法であって、正極形成用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度を、負極形成用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度より高くし、それら前駆体溶液を各々正極と負極に含浸させてから架橋してゲル電解質を得、その後正極と負極との間に非水ゲル電解質層を介在させることを特徴とするゲル電解質二次電池の製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1のゲル電解質二次電池は、少なくとも正極中のゲル電解質中にフッ素化合物が含まれている。更に、正極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度が、負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度よりも高いか、又は正極のみフッ素化合物を含むことがより好ましい。フッ素化合物が気化して不燃性ガスを生成する際の反応は、吸熱反応である。そのため、電池の異常加熱時に気化して電池内の温度を低下させることができる。
フッ素化合物としては、以下の構造式(I)で示されるエステル化合物が挙げられる。
【0013】
【化3】
Figure 2004095354
【0014】
(Rはフッ素原子あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、フッ素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示す。)上記エステル化合物は良好な電池特性をもたらし、特に難燃化の改良効果がより著しい。上記定義中、低級アルキル基は、炭素数1〜4の基を使用することが好ましい。アルキル基の炭素数が5以上になると不燃性の低下が著しく、二次電池の難燃化の改良効果が少なくなり、所望の熱安定性が発現しにくいので好ましくない。また、アルキル基にF原子を増やすことは生産コストが高くなるので、あまり好ましくない。
【0015】
上記エステル化合物としては、ジフルオロ酢酸メチル、ジフルオロ酢酸エチル、5H−オクタフルオロペンタノ酸エチル、7H−ドデカフルオロヘプタン酸エチル、9H−ヘキサデカフルオロノナノ酸エチル、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−プロピオン酸メチル等が好ましいが、これらに限定されない。
【0016】
上記以外のフッ素化合物としては、以下の構造式(II)に示されるフッ素化エーテル類、構造式(III)に示されるフッ素化エステル類、構造式(IV)に示されるフッ素化炭酸エステル(カーボネート)類が挙げられる。これらは単独でも又は2種類以上混合しても用いることができる。なお、以下に挙げるフッ素化合物の定義中、低級アルキル基は、炭素数1〜4の基を使用することが好ましい。
【0017】
−O−R  (II)
(RとRは、同一又は異なって、低級アルキル基あるいはフッ素化低級アルキル基を示す。但し、一つはフッ素化低級アルキル基である。)
フッ素化エーテル類としては、具体的にはメチルノナフルオロブチルエーテル、1−フルオロメトキシ−1−メトキシメタン、1−ジフルオロメトキシ−1−メトキシメタン、1−トリフルオロメトキシ−1−メトキシメタン、1,1−ジフルオロメトキシメタン、1−フルオロメトキシ−2−メトキシエタン、1−ジフルオロメトキシ−2−メトキシエタン、1−トリフルオロメトキシ−2−メトキシエタン、1,1−ジフルオロメトキシエタン、1−フルオロエトキシ−2−メトキシエタン、1−ジフルオロエトキシ−2−メトキシエタン、1−トリフルオロエトキシ−2−メトキシエタン、1−フルオロエトキシ−2−フルオロメトキシエタン、1−フルオロエトキシ−2−エトキシエタン、1−ジフルオロエトキシ−2−エトキシエタン、1,2−ジフルオロエトキシエタン等が好ましいが、これらに限定されない。
【0018】
−COO−R  (III)
(RとRは、同一又は異なって、低級アルキル基あるいはフッ素化低級アルキル基を示す。但し、一つはフッ素化低級アルキル基である。)
フッ素化エステル類としては、具体的には酢酸フルオロエチル、酢酸トリフルオロエチル、プロピオン酸フルオロメチル、プロピオン酸ジフルオロメチル、プロピオン酸トリフルオロメチル、プロピオン酸フルオロエチル、プロピオン酸ジフルオロエチル、プロピオン酸トリフルオロエチル、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル等が好ましいが、これらに限定されない。
【0019】
−OCOO−R  (IV)
(RとRは、同一又は異なって、低級アルキル基あるいはフッ素化低級アルキル基を示す。但し、一つはフッ素化低級アルキル基である。)
フッ素化カーボネート類としては、具体的には3−フルオロプロピレンカーボネート、4−フルオロプロピレンカーボネート、3−ジフルオロプロピレンカーボネート、3−フルオロ−4−フルオロプロピレンカーボネート、3−ジフルオロ−4−フルオロプロピレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−エチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−3−フルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−4−フルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−3−ジフルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−3−フルオロ−4−フルオロエチレンカーボネート等が好ましいが、これらに限定されない。
【0020】
フッ素化合物としては、90℃以上200℃以下で不燃性ガスを生成するフッ素化合物が好ましい。90℃未満で不燃性ガスを生成するフッ素化合物であると、電池製造時(特に架橋時)や通常使用時に不燃性ガスが生じてしまうので好ましくない。また、200℃より高い温度で不燃性ガスを生成するフッ素化合物であると、電池の熱暴走に追従できずに熱安定性の確保ができないため好ましくない。
難燃性物質であるリン化合物を前記フッ素化合物と併用してもよい。例えば、メチルエチレンフォスフェート、エチルエチレンフォスフェート、メチルネオペンチルフォスフェート等の環状リン酸エステル、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート等の非環状リン酸エステルが挙げられる。
【0021】
上記のフッ素化合物、リン化合物の電気化学的特性は、カソード限界が2.0V vs.Li/Li以下でアノード限界が4.2V vs.Li/Li以上であることが望ましい。更に、これらの条件を満たせば、上記以外のフッ素化合物、リン化合物でも使用できる。
特に好ましいフッ素化合物は、ジフルオロ酢酸メチル、ジフルオロ酢酸エチル、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、メチルノナフルオロブチルエーテルである。
【0022】
ゲル電解質には、ゲル状物質にリチウム電池用電解液を吸収させている固体状のゲル電解質、例えば、公知のリチウムポリマー電池のゲル電解質を使用できる。前記電解液としては公知のリチウムイオン電池の電解液を使用できる。ゲル電解質の代表的形態としては、化学ゲルと物理ゲルに大別される。
化学ゲルとしてはマクロモノマー(高分子量重合体;高分子であるが架橋してゲル電解質のマトリックスを形成する)の架橋体に電解液を吸収させているものである。
【0023】
例えば、2個以上のビニル基を有するエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)等のアルキレンオキシドやビニル基とエポキシ基との組み合わせであるグリシジルメタクリレート等から得られるポリマーが挙げられる。これらの樹脂の混合体は1種又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
物理ゲルとしてはポリアクリルニトリル(PAN)、ポリフッ化ビリニデン(PVdF)とヘキサフルオロピレン(HFP)の共重合体等が用いられ、電解液が可塑剤として加えられる。これらの高分子を1種又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
電解液はゲル電解質中に重量比率50〜99%の量で存在する。50重量%より少ないとリチウムイオン伝導性が阻害され、99重量%より多いと固体化が難しいので好ましくない。
【0024】
ゲル電解質は、上記架橋体とリチウム電池用電解液とフッ素化合物とからなる。本明細書においてゲル電解質中のフッ素化合物の濃度とは、フッ素化合物のみの濃度のことで、フッ素化合物中のフッ素の濃度を意味するのではない。更に、マクロモノマーと前記電解液に含まれるフッ素濃度、正極もしくは負極の結着剤に含まれるフッ素の濃度は含まれない。なお、本発明の発明者等は、例えば、CHFCOOCを20重量%添加するのと、COCHを10重量%添加するのとでは、前者の方が効果を有することを見い出している。このことは、ゲル電解質中のフッ素化合物由来のフッ素の濃度を多くするよりも、フッ素化合物の濃度を単純に多くする方がより効果を奏することを意味している。ゲル電解質中のフッ素化合物の存在の有無の判別、フッ素化合物の濃度はICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)や元素分析を用いて求めることができる。
【0025】
正極(=活物質+導電剤+結着剤)に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度は、ゲル電解質中の電解液に対して重量比率10〜50%の範囲であることが好ましく、20〜50%の範囲で含まれていることがより好ましい。フッ素化合物の含有量が10重量%未満だと難燃性の効果が発現し難くなり、逆に50重量%より多いとイオン伝導性が低下し、電池特性が低下するため好ましくない。
【0026】
負極(=活物質+結着剤)に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物を含む場合、その濃度は、ゲル電解質中の電解液に対して重量比率0〜10%の範囲であることが好ましく、1〜5%の範囲であることがより好ましい。フッ素化合物の含有量が0重量%に近くなるほど難燃性の効果を発現し難くなる。ゆえに、正極と非電解質層に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度を高くすることになる。しかし、高くし過ぎると、ゲル電解質のイオン伝導性が低下し、電池特性が低下する可能性がでてくる。特に、10重量%より多い場合、充放電効率が低下し、電池特性が低下するため好ましくない。なお、フッ素化合物を含まない場合は、負極はゲル電解質を含まない構成も採用できる。
なお、ゲル電解質とセパレータからなる非電解質層にもフッ素化合物が含まれていてもよいが、このフッ素化合物の濃度はゲル電解質中の電解液に対して重量比率0〜50%の範囲で含まれていることが好ましい。より好ましい濃度は、負極に含まれるゲル電解質のフッ素化合物の濃度以上、正極に含まれるゲル電解質のフッ素化合物の濃度以下である。
【0027】
負極活物質としては、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた炭素材料(以後、表面非晶質黒鉛と記す)を用いることが好ましい。表面非晶質黒鉛を使用するとゲル電解質、特にフッ素化合物の分解を著しく防ぐことができる。具体的には、ゲル電解質に含まれる電解液より発生するエチレンガス、炭酸ガス等の分解生成ガス発生に伴う電池の内圧上昇による破裂、外部への液漏れ、更には電池の発火を防止でき、長期信頼性及び安全性を更に高めることができる。加えて、ゲル電解質に含まれるフッ素化合物の分解を防ぐ効果がある。そのため、ゲル電解質中にフッ素化合物をより多く含有させることが可能となる。このことは電池の発火を防止、長期信頼性及び安全性を助長することにつながる。
【0028】
表面非晶質黒鉛とは、高結晶性の黒鉛材料を芯材として、公知の気相法、液相法、固相法等の手法により、該黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させて得ることができる。表面非晶質黒鉛は、BET法により測定される比表面積に関わる細孔が、非晶質炭素の付着によってある程度塞がれていることが好ましく、比表面積が1〜5m/gの範囲が好ましい。
比表面積が5m/gより大きくなると、ゲル電解質に含まれる電解液やフッ素化合物との接触面積も大きくなるので、それらの分解反応の悪影響が大きくなるため好ましくない。更に、前駆体溶液中の重合開始剤の負極表面への吸着量が増えるため、前駆体溶液の架橋を阻害したり、初回の充放電効率を低下させたりする等好ましくない。比表面積が1m/gより小さくなると、ゲル電解質との接触面積が小さくなるため、電極反応速度が遅くなり、電池の負荷特性が低くなるので好ましくない。
【0029】
芯材に用いる高結晶性の黒鉛材料としては、公知のものを使用することができる。ここで、芯材となる高結晶性の黒鉛材料としては、X線広角回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、あるいは、Lc、Laが10nm以上のものを使用することが好ましい。
002が0.340nmより大きい場合、あるいは、Lc、Laが10nmより小さい場合には、芯材としての結晶性が充分でないので、これを用いて表面非晶質黒鉛を作製した際には、リチウムの溶解析出に近い電位部分(Liの電位基準で0〜300mV)の容量が十分ではなくなるので好ましくない。
【0030】
なお、X線広角回折法による結晶子の大きさ(Lc、La)を判定する方法としては、公知の方法、例えば“炭素材料実験技術1,p.55〜63,炭素材料学会編(科学技術社)”に記載されている方法を適用することが可能である。
具体的には、試料が粉末の場合はそのままで、微小片状の場合にはメノウ乳鉢で粉末化し、試料に対して約15wt%のX線標準用高純度シリコン粉末を内部標準物質として加え混合し、試料をセルにつめ、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法によって広角X線回折曲線を測定する。曲線の補正には、いわゆるローレンツ、偏向因子、吸収因子、原子散乱因子等に関する補正は行なわず次の簡便法を用いる。
【0031】
すなわち、(002)回折に相当する曲線のベースラインを引き、(002)の面の補正回折曲線を得る。そして、補正回折曲線において、ピーク高さの半分の位置におけるいわゆる半価値βを用いてC軸方向の結晶子大きさLcをLc=(K・λ)/(β・cosθ)で求める。ここで、λは1.5418Aであり、θは回折角である。同様にLaも測定することが可能である。
また、アルゴンレーザーラマンによる1580cm−1付近のピーク強度比に対する1360cm−1付近のピーク強度比(以後R値と記す)が0.5以下(より好ましくは0.4以下)であることが好ましい。R値が0.5を超える場合には、芯材としての結晶性が充分ではなく、表面非晶質黒鉛を作製した際にリチウムの溶解析出に近い電位部分の容量が十分ではなくなるので好ましくない。
【0032】
なお、付着部分の結晶性については特に限定はされないが、基本的に芯材に比べて結晶性の低いもの、つまりd002、R値等が大きいものを採用することにより、表面非晶質黒鉛としての効果が得られる。X線回折では、その材料のバルクの性質が規定されるため、表面層が薄い場合には大きな差となって表れないこともあるが、例えば、この場合、表面の物性を測定できるラマン測定に測定されるR値を有効に用いることができる。より好ましくは低結晶性の炭素材料はd002が0.34nmより大きく、R値は0.5より大きい(より好ましくは0.4より大きい)ものであり、これらは表面に付着させる炭素材料のCVD条件や種々原料の焼成条件を同じにして擬似的に表面の炭素材料のみを作製し、その物性を測定することによって間接的に規定することができる。
【0033】
上記第1のゲル電解質二次電池中の正極及び負極にフッ素化合物を含む場合、正極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度が、負極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度より高くするように調整し、それらを各々正極と負極に含浸させてから架橋して、正極と負極との間に非電解質層を介在させることにより製造することができる。
正極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度としては、電解液に対して重量比率10〜50%の範囲であることが好ましく、20〜50%の範囲であることがより好ましい。フッ素化合物濃度が10重量%未満だとゲル電解質形成後、難燃性の効果が発現し難くなり、逆に50重量%より多いとイオン伝導性が低下し、電池特性が低下するので好ましくない。
【0034】
負極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度としては、電解液に対して重量比率0〜10%の範囲であることが好ましく、1〜5%の範囲であることがより好ましい。フッ素化合物濃度が0重量%に近くなるほど難燃性の効果を発現し難くなる。ゆえに、正極用前駆体溶液中のフッ素化合物の濃度を高くすることになるが、高くしすぎるとゲル電解質のイオン伝導性が低下し、電池特性が低下する可能性がでてくる。逆に10重量%より多いと充放電効率が低下し、電池特性が低下するので好ましくない。
【0035】
更に、本発明では、リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質を含む正極と負極、該正極と該負極との間に非水溶媒とリチウム塩を含むゲル状物質が配置された非水ゲル電解質層を備え、ゲル電解質層が、上記構造式(I)で示されるフッ素化合物を含むことを特徴とする第2のゲル電解質二次電池も提供される。
第2のゲル電解質二次電池は、非水ゲル電解質層に上記構造式(I)で示されるフッ素化合物を含むこと以外は、上記第1のゲル電解質二次電池の構成をそのまま使用することができる。
【0036】
非水ゲル電解質層中のフッ素化合物は、ゲル状物質に対して重量比率10〜50%の範囲で含まれていることが好ましい。フッ素化合物濃度が10重量%未満だとゲル電解質形成後、難燃性の効果が発現し難くなり、逆に50重量%より多いとイオン伝導性が低下し、電池特性が低下するので好ましくない。
より好ましい非水ゲル電解質層中のフッ素化合物は、ジフルオロ酢酸メチル、ジフルオロ酢酸エチル、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、メチルノナフルオロブチルエーテルである。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
本発明に係わる二次電池の一例である非水電解質としてゲル電解質(イオン伝導性高分子)を具備する二次電池を図1(A)及び(B)に示す。図1(A)及び(B)の二次電池は、集電体1上に形成した正極活物質2(導電剤、結着剤は図示省略)とゲル電解質3を含む正極4と、集電体5上に負極活物質6(結着剤は図示省略)とゲル電解質7を含む負極8の間に、ゲル電解質3を含むセパレータからなる非水電解質層9を配置した構造である。
【0038】
図1(A)は、正極4と非水電解質層9に含まれるフッ素化合物の濃度が負極8に含まれるフッ素化合物の濃度よりも高い例である。また、図1(B)に示すように、正極4のフッ素化合物の濃度が非水電解質層9と負極8よりも高くても本発明を実施できる。なお、負極8にリチウム金属を用いても本発明の効果が得られる。
【0039】
イオン伝導体がリチウムイオン以外の場合でも、本発明を実施できる。負極にリチウムイオン以外のアルカリ金属のイオン、例えば、電気化学的にナトリウムイオンを挿入/脱離し得る材料、電気化学的にナトリウムを析出/溶解し得るナトリウム金属や、アルカリ土類金属のイオン、例えば、電気化学的にマグネシウムイオンやカルシウムイオンを挿入/脱離し得る材料、電気化学的にマグネシウムやカルシウムを析出/溶解し得るマグネシウム金属やカルシウム金属を用いることもできる。
その場合、正極には電気化学的にナトリウムイオンを挿入/脱離し得るFe(SOやNaFeO等や、アルカリ土類金属のイオン、例えば、電気化学的にマグネシウムイオンを挿入/脱離し得る酸化バナジウム等を用いることもできる。
以下に、二次電池の製造工程と評価方法の一例を示す。
【0040】
a)負極の作製
負極の作製方法を以下に記載する。負極は、活物質、結着剤等を混合して形成できる。
具体的には、結着剤を乳鉢中で溶剤に溶かして、負極の炭素材料を分散させる。分散処理には混練機、ボールミル等が用いられ、炭素材料、結着剤が均一に分散する状態にペーストを調節する。このペーストを集電体の金属箔に塗布し、これを40〜100℃で仮乾燥する。その後、150℃程度で熱処理をし、所定の活物質密度にするため、プレス機を用いて圧縮成形する。圧縮成形には通常ローラープレス機が用いられ、これらプレス機を適用する場合のプレス面の材質、回転方法、温度、雰囲気等は特に限定しない。その後、電極の無塗工部にリードを溶接し、水分除去のために150℃程度で減圧乾燥したものを負極として用いる。
【0041】
負極活物質である炭素材料としては、公知のリチウムイオン電池の負極材料を使用できるが、表面非晶質黒鉛を用いることが好ましい。炭素材料の粒径分布は0.1〜150μm程度であることが好ましい。結着剤としてはPVdF、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を使用できるが、これらに限定されるものではない。混合比は活物質100重量部に対して、結着剤を1〜30重量部とすることが好ましい。高エネルギー密度の電池を作製するためには、負極の活物質密度は1.4g/cm以上が好ましい。なお、負極作製において結着性を上げるために結着剤の融点前後の温度で熱処理を行なうことが好ましい。
【0042】
b)正極の作製
正極の作製方法を以下に記載する。正極は、活物質に導電剤、結着剤等を混合して形成できる。
具体的には、結着剤を乳鉢中で溶剤に溶かし、活物質と導電剤を分散させる。分散処理には通常混練機、ボールミル等が用いられ、活物質、導電剤、結着剤が均一分散する状態にペーストを調節する。このペーストを集電体の金属箔に塗布し、これを40〜100℃で仮乾燥する。その後、150℃程度で熱処理をし、所定の活物質密度にするため、プレス機を用いて圧縮成形する。圧縮成形には通常ローラープレス機が用いられ、これらプレス機を適用する場合のプレス面の材質、回転方法、温度、雰囲気等は特に限定しない。その後、電極の無塗工部にリードを溶接し、水分除去のために150℃程度で減圧乾燥したものを正極として用いる。
【0043】
正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiFeOや、この系列のLiA1−x(ここでAはFe、Co、Ni、Mnのいずれかであり、Tは遷移金属、4B族、あるいは5B族の金属を表す。0<X≦1)、LiMn等、公知のリチウムイオン電池の正極材料を使用できる。
導電剤としてはアセチレンブラック等の炭素類や、グラファイト粉末等を使用できるが、これらに限定されるものではない。
結着剤としてはPVdF、PTFE等を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
混合比は、活物質100重量部に対して、導電剤を1〜50重量部、結着剤を1〜30重量部とすることが好ましい。高エネルギー密度の電池を作製するためには、正極の活物質密度は2.8g/cm以上であることが好ましく、更には3.0g/cm以上がより好ましい。正極作製において結着性を上げるために、結着剤の融点前後の温度で熱処理を行なうことが好ましい。
【0045】
正極、負極は基本的には正極、負極活物質を結着剤にて固定化した各々の活物質を集電体となる金属箔上に形成したものである。前記集電体の材質・形状は限定されず、正極、負極活物質、及び電解液に対して、化学的、電気化学的に安定性のある導体を使用することができる。金属箔の材料としては、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられる。電気化学的安定性、延伸性及び経済性を考慮すると、正極にはアルミニウム箔、負極には銅箔が好ましい。なお、正極、負極集電体の形態は金属箔以外にも、メッシュ、エキスパンドメタル等の形態であってもよい。
【0046】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製とゲル電解質の形成方法
ゲル電解質の代表的形態としては、化学ゲルと物理ゲルに大別される。
化学ゲルの形成方法としては、マクロモノマーと、電解液と、フッ素化合物と、重合開始剤からなるゲル電解質の前駆体溶液を調製し、それを架橋反応を含む重合反応を行ない固体化する方法が挙げられる。
正極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度は、電解液に対して好ましくは重量比率10〜50%の範囲、より好ましくは20〜50%の範囲とする。負極用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度としては、電解液に対して好ましくは重量比率0〜30%の範囲、より好ましくは1〜10%の範囲とする。
【0047】
マクロモノマーとしてはエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、グリシジルメタクリエート等が挙げられる。これらのマクロモノマーは1種又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
マクロモノマーの電解液に対する量は、少なすぎると固体化が難しく、多すぎるとリチウムイオン伝導性が阻害されるので、重量比率1〜50%が好ましい。架橋方法としては、紫外線、電子線、可視光等の光エネルギーを用いる方法、熱を用いる方法が挙げられる。架橋反応あるいは重合反応を促進させるために重合開始剤を添加してもよい。特に、紫外線あるいは加熱による架橋方法においては、重合開始剤を電解液に対して数%以下加えることが好ましい。
【0048】
紫外線用の重合開始剤としては、アゾイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)等の市販品を用いることができる。これら開始剤は1種又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。紫外線の波長は250〜360nmが適当である。
加熱用の重合開始剤としては、10時間半減期温度が40℃以上90℃以下であるものが好ましい。加熱温度は40〜80℃が適当である。
【0049】
物理ゲルの形成方法としては、PVdF、HEP、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル等のポリマーを1種又は2種類以上混合し、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤に溶解させて、キャストし乾燥等により溶剤を除去したものに、フッ素化合物を含む電解液を含浸させることにより作製する方法が挙げられる。
正極のフッ素化合物濃度は、電解液に対して好ましくは重量比率10〜50%の範囲、より好ましくは20〜50%の範囲とする。負極のフッ素化合物濃度としては、電解液に対して好ましくは重量比率0〜30%の範囲、より好ましくは1〜10%の範囲とする。
【0050】
電解液の非水溶媒としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン(BC)等の環状炭酸エステル類や、DMC、DEC、炭酸メチルエチル(MEC)等の鎖状炭酸エステル類や、γ−ブチロラクトン(γ−BL)等の環状カルボン酸エステルを好適に用いることができる。
【0051】
炭素材料を負極に用いる場合、ゲル電解質の分解を少なくするために、ECを含むことが好ましい。非水溶媒中におけるECの含有量としては体積比率0〜80%であることが好ましい。低温特性を向上させるためには、少なくともγ−BLを含有していることが望ましい。ゲル電解質の前駆体溶液の電極活物質内部、あるいはセパレータ基材内部への浸透性を向上させるためには、DMC、DEC、MEC等を非水溶媒全体に対して体積比率0〜50%添加することが好ましい。これらの1種あるいは2種以上の混合溶媒として使用される。また、ビニレンカーボネート(VC)や、エチレンサルファイト(ES)を該非水溶媒の総重量に対して、重量比率1〜10%程度添加してもよい。
【0052】
電解液のリチウム塩としては、過塩素酸リチウム、4フッ化ホウ酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、6フッ化砒素リチウム等の公知リチウム塩が挙げられ、これらの1種或いは2種以上を混合して使用できる。非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより、リチウム電池用電解液を調製する。
リチウム塩濃度は非水溶媒全体に対して0.8〜2.5mol/lであることが好ましい。0.8mol/lより塩濃度が低くなると高負荷時の放電特性を得るのに必要なイオン伝導率を得られず、2.5mol/lより塩濃度が高くなるとリチウム塩のコストが高くなるだけでなく、粘度が高くなるので電極内に染み込み難くなる。更に、リチウム塩を溶解するのに非常に長い時間を必要とするので、工業的に不適であるので好ましくない。
【0053】
なお、電解液を調製するのに使用する非水溶媒、リチウム塩は上記に掲げたものに限定されない。非水溶媒の代わりに常温型溶融塩(イオン性液体)、例えば、EMIBF(1−エチル−3―メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート)にLiBFなどのリチウム塩を共存させたもの、アミドアニオンを有するもの、環状アンモニウムカチオンを有するもの等を用いることができる。また、AlCl−EMIC(1−エチル−3―メチルイミダゾリウムクロリド)−LiCl、AlCl−EMIC−LiCl−SOCl等の常温型溶融塩(イオン性液体)も電解液の代わりに適用することができる。
【0054】
d)電池の組み立て
本発明のゲル電解質二次電池の製造方法としては、例えば以下のように行なうことができる。
まず、a)で作製した負極と、b)で作製した正極と、セパレータとに、c)で調整したゲル電解質の前駆体溶液を染み込ませて、光を照射もしくは加熱して架橋する。この時、正極用前駆体溶液のフッ素化合物の濃度を負極用前駆体の濃度よりも高くしておく。架橋後、図1(A)と(B)に示すように、ゲル電解質と一体化した正極4と負極8との間に非水電解質層9を介在させる。そして、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み、熱融着させることによりシート形の電池を作製する。また、架橋して固体化後、正極(セパレータ(負極を複数個重ねて、外装材の袋に挿入してもよい。この後、この電池を50〜70℃にて、6〜24時間放置してもよい。
【0055】
ゲル電解質を保持するためのセパレータとしては、電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の不織布あるいは織布等が挙げられる。中でもポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布が品質の安定性等の点から好ましい。
これら合成樹脂の不織布では電池が異常発熱した場合に、セパレータが熱により溶解し、正負極間を遮断する機能を付加したものもあり、安全性の観点からこれらも好適に使用することができる。
【0056】
セパレータの厚みは特に限定はないが、必要量の液を保持することが可能で、かつ正極と負極との短絡を防ぐ厚さがあればよく、通常0.01〜1mm程度のものを用いることができ、好ましくは0.02〜0.05mm程度である。これらセパレータは透気度が1〜500sec/cmであることが、低い電池内部抵抗を維持しつつ、電池内部短絡を防ぐだけの強度を有しているため好ましい。電池の形状は上記に示したラミネート型以外にも、円筒形、角形、コイン形、ボタン形、シート形等、種々の形状に適用できる。
【0057】
例えば、円筒形や角形電池では、主にシート電極を缶に挿入し、缶とシート電極を電気的に接続する。該前駆体溶液を注入し、絶縁パッキンを介して封口板を封口、あるいはハーメチックシールにより封口板と缶を絶縁して封口し、加熱して電池を作製する。このとき、安全素子を備え付けた安全弁を封口板として用いることができる。
安全素子には、例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等がある。また、安全弁の他に電池缶の内圧上昇の対策として、ガスケットに亀裂を入れる方法、封口板に亀裂を入れる方法、電池缶に切れ込みを入れる方法等を用いる。また、過充電や過放電対策を組み込んだ外部回路を用いてもよい。また、コイン形やボタン形電池の場合は、正極や負極はペレット状に形成し、これを缶中に入れ、前駆体溶液を注入し、絶縁パッキンを介して蓋をかしめて、加熱して電池を作製する。セパレータには合成樹脂系の不織布等を用いる。
【0058】
e)電池特性の評価
充放電作動試験は一定電流値で電池電圧が4.1〜4.3Vに到達するまで充電する。電池電圧が4.1〜4.3Vに到達後は時間制御で充電する。放電は電池電圧が2.7〜3.0Vになるまで一定電流値で行なう。
なお、電極特性及び電池評価は全て不活性ガス雰囲気下のグローブボックス中にて行われる。不活性ガスとしては通常アルゴン、窒素等が好適に用いられる。
【0059】
f)ゲル電解質中のフッ素化合物濃度の分析
水と有機溶媒のどちらにも溶ける溶媒、例えば、THF等を用いて、ゲル電解質から電解液とフッ素化合物を抽出する(抽出した電解液とフッ素化合物の混合液を抽出液と呼ぶ)。このときに、フッ化物イオンが水素イオンと反応してフッ化水素として揮発しないように、予め弱塩基性にしておくと定量性の信頼向上に効果的である。
【0060】
そして、ICPを用いて、上記で得られた抽出液中のフッ化物イオンを定量分析する。なお、電解液中のリチウム塩のフッ素も同時に定量されるので、差し引いておく必要がある。例えば、LiBFに関してはフッ素4molに対して、リチウム1mol、ホウ素1molのような組成になっているので、他の元素の定量分析も同時に行なうことにより、リチウム塩のフッ素濃度を差し引くことができる。以上のように、ゲル電解質中のフッ素化合物の濃度は抽出液中のフッ化物イオンを分析することにより求めることができる。
また、元素分析を用いれば、ゲル電解液中のフッ素濃度を分析できる。その場合も、リチウム塩中のフッ素濃度を差し引く必要があるので、リチウム塩を構成しそうな元素、例えば、リチウム、ホウ素、リンの濃度も同時に求め、LiBF、LiPFの化学式よりFの量を算出して、ゲル電解質中のフッ素化合物の濃度を分析する。
【0061】
【実施例】
以下、本発明について実施例及び比較例を示して、その効果を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
フッ素化合物として構造式(I)において、RとRがCF、RがCHである(CFCHCOOCHを用いて、以下の工程にて実施例1の電池を作製した。
【0062】
a)負極の作製
炭素材料には表面非晶質黒鉛(平均粒径18μm、d002=0.336nm、R値=0.5、比表面積1〜2m/g)を用いた。結着剤PVdFを乳鉢中で溶剤NMPに溶かして、表面非晶質黒鉛を分散させた。分散処理には2軸遊星方式の混合混錬機を使用し、炭素材料、結着剤が均一に分散する状態にペーストを調節した。負極の組成は炭素材料100重量部、PVdF10重量部とした。このペーストを約20μmの銅箔に塗布し、これを50〜70℃で仮乾燥した。その後、約150℃で12時間熱処理をし、活物質密度1.5g/cm程度になるまで、大気中にてローラープレス機を用いて圧縮成形した。電極サイズを3.0×6.5cm(塗工部3.0×6.0cm)とし、無塗工部にニッケル箔(50(m)のリードを溶接した。その後、水分除去のために約150℃にて12時間減圧乾燥したものを負極として用いた。
【0063】
なお、X線広角回折法による平均面間隔(d002)及び結晶子の大きさ(Lc、La)を測定する方法としては、公知の方法、例えば”炭素材料実験技術1,p.55〜63,炭素材料学会編(科学技術社)”や特開昭61−111907に記載されている方法を適用した。結晶子の大きさを求める形状因子K(=Lc・β・cosθ/λ;β:半価幅、θ:d002の角度、λ:X線の波長)は0.9を用いた。また、粒径はレーザー回折式粒度分布計(島津社製SALD1100)を用いて測定を行ない、粒度分布においてピークをもつ粒径として求めた。
【0064】
b)正極の作製
正極活物質にはコバルト酸リチウムLiCoO(平均粒径10μm)を使用した。LiCoOは公知の方法で合成を行った。X線源としてターゲットCuの封入管からの出力2kWのCuKα線を使用したX線回折測定、ヨードメトリー法によるコバルトの価数分析及びICPによる元素分析の結果から得られた試料はLiCoOであることが確認された。PVdFを乳鉢中でNMPに溶かし、上記正極活物質と導電剤アセチレンブラックを分散させた。分散処理には2軸遊星方式の混合混錬機を使用し、正極活物質、導電剤、結着剤が均一分散する状態にペーストを調節した。正極の組成はLiCoO100重量部、アセチレンブラック5重量部、PVdF5重量部とした。
このペーストを約20μmのアルミニウム箔上に塗布し、これを50〜70℃で仮乾燥した。その後、約150℃で12時間熱処理をし、活物質密度3.0g/cm程度になるまで、大気中にてローラープレス機を用いて圧縮成形した。電極サイズを3.0×6.5cm(塗工部3.0×6.0cm)とし、無塗工部にニッケル箔(50μm)のリードを溶接した。その後、水分除去のために約150℃にて12時間減圧乾燥したものを正極として用いた。
【0065】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとMEC(体積比率24:56:20)の混合溶媒に、LiBFを2.2mol/lとなるように溶解して、更に、VCを3wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液と(CFCHCOOCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000の三官能性アクリレートの重合体もしくは共重合体(TA)、分子量2,800〜3,000の単官能性アクリレートの重合体もしくは共重合体(MA)とを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極と非水電解質層の前駆体溶液を得た。
【0066】
負極に含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとMEC(体積比率24:56:20)の混合溶媒に、LiBFを1.0mol/lとなるように溶解して、更に、VCを3wt%を添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液と(CFCHCOOCHとを重量比9:1(フッ素化合物の濃度10重量%)で混合した。次に、この混合液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用前駆体溶液を得た。
【0067】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層(ゲル電解質と含んだセパレータ)に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0068】
(実施例2)
フッ素化合物として構造式(I)において、RとRがCF、RがCHである(CFCHCOOCHを用いて、以下の工程にて実施例2の電池を作製した。
【0069】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径25μm、d002=0.336nm、R値=0.25、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
【0070】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとMEC(体積比率24:56:20)の混合溶媒に、LiBF2.4mol/lを溶解して、更に、VCを5wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液と(CFCHCOOCHとを重量比4:1(フッ素化合物濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000のTAと、分子量2,800〜3,000のMAとを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極用と非水電解質層用の前駆体溶液を得た。
【0071】
負極に含浸させるフッ素化合物を含まない(フッ素化合物の濃度0重量%)ゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとMEC(体積比率24:56:20)の混合溶媒に、LiBFを1.0mol/lとなるように溶解して、更に、VCを5wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、この混合液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用の前駆体溶液を得た。
【0072】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0073】
(実施例3)
フッ素化合物として構造式(I)において、RとRがCF、RがCHである(CFCHCOOCHを用いて、以下の工程にて実施例3の電池を作製した。
【0074】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径12μm、d002=0.336nm、R値=0.35、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
実施例2と同様の操作を繰り返して、フッ素化合物を含む正極用前駆体溶液と、フッ素化合物を含まない非水電解質層用及び負極用前駆体溶液を得た。
【0075】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極に、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた負極と正極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0076】
(実施例4)
フッ素化合物として構造式において、RとRがCF、RがCHである(CFCHCOOCHを用いて、以下の工程にて実施例4の電池を作製した。
a)負極の作製
炭素材料に人造黒鉛(KS−25)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
実施例3と同様の操作を繰り返して、正極用前駆体溶液と、負極用前駆体溶液を得た。
【0077】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極に、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた負極と正極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0078】
(実施例5)
フッ素化合物として構造式(I)において、RとRがF、RがCH
であるCHFCOOCHCHを用いて、以下の工程にて実施例5の電池を作製した。
【0079】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径25μm、d002=0.336nm、R値=0.25、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
【0080】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとDMCとMEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiPFを1.5mol/lとなるように溶解してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCHFCOOCHCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000のTA、分子量2,800〜3,000のMAとを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極用と非水電解質層用前駆体溶液を得た。
【0081】
負極に含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとDMCとMEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiPFを1.0mol/lとなるように溶解して、更に、VCを3wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCHFCOOCHCHとを重量比9:1(フッ素化合物の濃度10重量%)で混合した。次に、この混合液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用前駆体溶液を得た。
【0082】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0083】
(実施例6)
フッ素化合物として構造式(II)において、RがC、RがCHであるCOCH(メチルノナフルオロブチルエーテル)を用いて、以下の工程にて実施例6の電池を作製した。
【0084】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径25μm、d002=0.336nm、R値=0.25、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
【0085】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとEMC(体積比率40:60)の混合溶媒に、LiBETIを1.5mol/lとなるように溶解して、リチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCOCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000のTAと、分子量2,800〜3,000のMAとを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極用と非水電解質層用前駆体溶液を得た。
【0086】
負極に含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとEMCとCOCH(体積比率40:60)の混合溶媒に、LiBETIを0.9mol/lになるように溶解して、更に、VCを3wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCOCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度10重量%)で混合した。次に、この混合液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用前駆体溶液を得た。
【0087】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0088】
(実施例7)
フッ素化合物として構造式(II)において、RがCFCFCH、RがCHであるCFCFCHOCHを用いて、以下の工程にて実施例7の電池を作製した。
【0089】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径25μm、d002=0.336nm、R値=0.25、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
【0090】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとDEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiBFを2.1mol/lになるように溶解して、更に、VCを6wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCFCFCHOCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000のTA、分子量2,800〜3,000のMAとを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極用と非水電解質層用前駆体溶液を得た。
【0091】
負極に含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとγ−BLとMEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiBFを1.0mol/lになるように溶解して、更に、VCを6wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCFCFCHOCHとを重量比9:1(フッ素化合物の濃度10重量%)で混合した。次に、前記電解液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用前駆体溶液を得た。
【0092】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0093】
(実施例8)
フッ素化合物として構造式(III)において、RがCHF、RがCHであるCHFCOOCHを用いて、以下の工程にて実施例8の電池を作製した。
【0094】
a)負極の作製
炭素材料に表面非晶質黒鉛(平均粒径25μm、d002=0.336nm、R値=0.25、比表面積1〜2m/g)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
【0095】
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
正極とセパレータに含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとDMCとMEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiPFを2.0mol/lになるように溶解してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCHFCOOCHCHとを重量比4:1(フッ素化合物の濃度20重量%)で混合した。次に、この混合液と分子量7,500〜9,000のTA、分子量2,800〜3,000のMAとを、重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤1,000ppmを前記混合液に添加して、正極用と非水電解質層用前駆体溶液を得た。
【0096】
負極に含浸させるフッ素化合物を含むゲル電解質の前駆体溶液を以下のように調整した。ECとDMCとMEC(体積比率25:55:20)の混合溶媒に、LiPFを1.0mol/lになるように溶解して、更に、VCを3wt%となるように添加してリチウム電池用電解液を得た。次に、前記電解液とCHFCOOCHCHとを重量比率9:1(フッ素化合物の濃度10重量%)で混合した。次に、前記電解液とTAとMAとを重量比率97:2.4:0.6で混合した。更に、重合開始剤2,000ppmを前記混合液に添加して、負極用前駆体溶液を得た。
【0097】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製した負極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製した正極用前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0098】
(比較例1)
以下の工程にて比較例1の電池を作製した。
a)負極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
b)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)ゲル電解質の前駆体溶液の調製
実施例1と同様の操作を繰り返して、フッ素化合物を含まない前駆体溶液のみを調製した。
【0099】
d)電池の組み立て
a)で作製した負極に、c)で調製したゲル電解質の前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、b)で作製した正極の表面を20μmの厚さの不織布(セパレータ)で覆い、c)で調製したゲル電解質の前駆体溶液を染み込ませて、紫外線照射によって架橋させた。次に、非水電解質層に覆われた正極と負極を重ねて、二枚のアルミニウムラミネート樹脂フィルムの間に挟み込み熱融着させることによりシート状の電池を作製した。
【0100】
▲1▼電池特性の評価
フッ素化合物を含むゲル電解質の電池特性に及ぼす影響を検討した。実施例及び比較例の電池容量は全て600mAh程度になるように正極と負極の活物質量を設定した。
これら電池を一定電流値(0.2C)で電池電圧が4.1Vになるまで充電し、4.1Vに到達後は一定電圧で総充電時間が12時間になるまで充電した。放電は電池電圧が2.75Vになるまで一定電流値(0.2C)で行なった。なお、電池評価は全て不活性ガス雰囲気下のグローブボックス中、20℃にて行なった。
【0101】
▲2▼前躯体溶液とゲル電解質中のフッ素化合物濃度の分析
ゲル電解質二次電池を解体して、図1の正極に含まれるゲル電解質3と、負極に含まれるゲル電解質7と、非水電解質層9に含まれるゲル電解質を採取した。次に、THFを用いて、各々のゲル電解質から電解液とフッ素化合物を抽出した。そして、ICPを用いて、上記で得られた抽出液中のフッ化物イオンを定量分析した。前躯体溶液に関してはそのまま定量分析した。なお、リチウム塩のフッ素濃度を差し引いた。
表1に電池の初回の放電容量とフッ素化合物の濃度を示す。
【0102】
【表1】
Figure 2004095354
【0103】
負極にフッ素化合物を含まない実施例2〜4は、フッ素化合物を10重量%程度含む実施例1、5〜8よりも放電容量が高かった。このことは負極とフッ素化合物の相性のよくないため、放電容量の低下に反映していると考えられる。
ゆえに、実施例1〜8のように、正極もしくは非水電解質層に含まれるフッ素化合物の濃度が、負極に含まれるフッ素化合物の濃度よりも高くても、比較例2と同等の電池特性を維持できることが分かった。
一方で、実施例4の電池の放電容量は、実施例2と3の電池のそれよりも低いものとなった。黒鉛系炭素材料を用いると電解液が分解するという報告があるように、実施例4ではゲル電解質の分解反応が顕著に起こり、充電が困難になっている。よって、本発明の黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた炭素材料を用いることにより、高容量のゲル電解質二次電池を提供できる。
【0104】
▲3▼過充電試験による安全性の評価
フッ素化合物を含むゲル電解質を用いた電池の安全性に及ぼす影響を検討した。実施例及び比較例の電池容量は全て600mAhになるように正極と負極の活物質量を設定した。
実施例1〜8及び比較例1の電池を各々10個作製した。試験に用いた全ての電池を断熱材ガラスウールで包んだ。これら電池を一定電流値(3C)で電池電圧が4.8Vになるまで充電し、4.8Vに到達後は一定電圧で総充電時間が4時間になるまで充電した。そして、充電を開始してから終了するまで、電池の状態を観察した。なお、電池評価は全て大気中、室温にて行なった。過充電試験結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
Figure 2004095354
【0106】
表2に示すように、実施例1〜8の電池は、過充電状態でも破裂しただけで、比較例1のように全焼した電池がなく、熱安定性が著しく向上したといえる。また、破裂した温度は実施例1〜8は130〜150℃、比較例1は200℃付近であった。このことはフッ素化合物が温度上昇と共に気化して、不燃性ガスを生成し、その反応が吸熱反応であったため、電池が破裂したものの発火を防いだものと考えられる。
【0107】
本実施例では正極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度20重量%、負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度10重量%を用いたが、正極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度10〜50重量%、負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度0〜10重量%のものを用いても同様な結果が得られた。
また、本実施例では正極及び負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物が同じものを用いたが、正極及び負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物が異なっていても同様な結果が得られた。
以上、実施例1〜8に示すように、正極もしくは非水電解質層に含まれるフッ素化合物の濃度が負極中に含まれるフッ素化合物の濃度よりも高くすることにより、電池特性を維持しつつ、過充電を行なっても二次電池の発火を防ぐことが可能となった。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、ゲル電解質二次電池の少なくとも正極がフッ素化合物を含むので、過充電により電池温度が異常高温になった時、フッ素化合物が熱暴走反応の発生する温度よりも低い温度で不燃性ガスを生成するので、発火の危険が回避された安全性の高いゲル電解質二次電池及びその製造方法を提供することができる。
更に、正極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度が、負極に含まれるゲル電解質中のフッ素化合物の濃度よりも高い構成、正極のみフッ素化合物を含む構成又は特定のフッ素化合物を含むゲル電解質層を備えていれば、電池特性を損なうこともない。
ゆえに、本発明の産業的意義は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる二次電池の一例である正極、負極、非水電解質層の断面構造を表す図である。
【符号の説明】
1 集電体
2 正極活物質
3 ゲル電解質(イオン伝導性高分子)
4 正極
5 集電体
6 負極活物質
7 ゲル電解質(イオン伝導性高分子)
8 負極
9 非水電解質層

Claims (7)

  1. リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質と電解液を含むゲル電解質を備えた正極、負極、該正極と該負極との間に非水溶媒とリチウム塩を含むゲル状物質が配置された非水ゲル電解質層を備え、少なくとも正極がフッ素化合物を含むことを特徴とするゲル電解質二次電池。
  2. 負極が、リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質と電解液を含むゲル電解質を備え、かつフッ素化合物を含まないか又は正極より低い濃度でフッ素化合物を含む請求項1に記載のゲル電解質二次電池。
  3. 正極中のフッ素化合物が、正極中の電解液に対して10〜50重量%の範囲で含まれ、負極中のフッ素化合物が、負極中の電解液に対して0〜10重量%の範囲で含まれる請求項2に記載のゲル電解質二次電池。
  4. 前記フッ素化合物が、以下の構造式(I)
    Figure 2004095354
    (Rはフッ素原子あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、フッ素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示し、Rは水素原子、低級アルキル基あるいはフッ素化置換低級アルキル基を示す。)で示される請求項1〜3のいずれか一つに記載のゲル電解質二次電池。
  5. リチウムイオンを挿入/脱離しうる活物質を含む正極と負極、該正極と該負極との間に非水溶媒とリチウム塩を含むゲル状物質が配置された非水ゲル電解質層を備え、ゲル電解質層が、上記構造式(I)で示されるフッ素化合物を含むことを特徴とするゲル電解質二次電池。
  6. 前記負極が、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた化合物を含む請求項1〜5のいずれか一つに記載のゲル電解質二次電池。
  7. 請求項2〜4のいずれか一つに記載のゲル電解質二次電池の製造方法であって、正極形成用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度を、負極形成用前駆体溶液中のフッ素化合物濃度より高くし、それら前駆体溶液を各々正極と負極に含浸させてから架橋してゲル電解質を得、その後正極と負極との間に非水ゲル電解質層を介在させることを特徴とするゲル電解質二次電池の製造方法。
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