JP2004093709A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートローラ表面のゴム層の温度上昇時間を短くするとともに、媒体通過部と媒体非通過部との温度を均一にして、前記媒体通過部のゴム層の温度を安定的に検出することができ、温度制御を正確に行うことができるようにする。
【解決手段】弾性層11aを備え、媒体に当接する加熱用の定着手段と、該加熱用の定着手段に接触させられ、前記媒体を挟持する加圧用の定着手段と、前記加熱用の定着手段の表面に当接し、該加熱用の定着手段の表面を加熱する加熱手段とを有する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー電子写真方式の画像形成装置の定着装置においては、カラートナーの十分な溶融性及びトナー散りを防止するために、一般的に、芯(しん)金の表面に紙等の媒体のトナー付着面に接触して定着を行うゴム層を有するヒートローラを回転自在に配設している。そして、該ヒートローラは、中空で内部にハロゲンランプを備え、該ハロゲンランプの発熱によって内部からヒートローラの芯金を通してゴム層を加熱し、該ゴム層の熱によって前記媒体上のトナーを溶融するようになっている。
【0003】
ここで、前記芯金は、表面のゴム層に均一に熱を伝導させるために、一般的に、熱伝導率の高いアルミニウム合金等から成る。また、安定的な定着性を得ることができるように、前記芯金の熱容量を大きくして前記ゴム層の温度を抑制する必要があるので、前記芯金は肉厚が2〔mm〕程度の円筒体として構成される。
【0004】
そして、前記定着装置においては、前記ハロゲンランプへ通電することによって芯金を通してヒートローラ表面のゴム層を、媒体上のトナーを溶解することができるように、所定の温度になるまで加熱する。このようにして、前記ヒートローラ表面のゴム層が前記所定の温度になると、前記定着装置を備える画像形成装置においては、印刷が開始される。
【0005】
すると、表面にトナー像が形成された前記媒体は 前記ヒートローラに対向するように配設されたバックアップローラによって、前記表面が前記ヒートローラのゴム層に押し付けられながら搬送される。これにより、前記トナー像を構成するトナーが前記ゴム層の熱によって溶融して、媒体に定着する。そして、トナー像が定着して画像が形成された前記媒体は、画像形成装置の外に排出される。
【0006】
この時、ヒートローラ表面のゴム層の温度は、前記ヒートローラ表面に当接する温度検出手段によって検出され、前記温度に基づいて、ヒートローラ内部の熱源であるハロゲンランプの通電・非通電の制御が行われる。これにより、前記ヒートローラ表面のゴム層の温度をトナーの定着に適した温度に制御して、定着を連続的に行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の定着装置においては、ヒートローラの芯金の熱容量が大きく、また、表面に熱伝導性が低いゴム層を有しているので、ヒートローラのゴム層表面が所定の温度に到達するまでに3〜8分程度の時間が必要になり、印字起動後に実際の印刷開始までに多くの時間がかかってしまう。
【0008】
そして、印刷開始時間までの待ち時間を発生させないように、ヒートローラを通電によって加熱し続け、常に定着可能な温度に維持するようにすることができるが、通電によってエネルギーを消費し、省エネに反してしまう。
【0009】
通常、ヒートローラ表面のゴム層は熱伝導率が低いので、媒体が通過する部分、すなわち、媒体通過部(通過領域内)と該媒体通過部の外側の媒体が通過しない部分、すなわち、媒体非通過部との間に温度差が生じてしまう。この場合、前記媒体通過部は、媒体によって熱が奪われるので、温度が低下するが、前記媒体非通過部は、熱が奪われないので、温度が低下しない。しかも、ゴム層の熱伝導率が低く、高温の媒体非通過部から低温の媒体通過部へ熱が流れない。そのため、媒体通過部においては、ゴム層の内側の芯金から供給される熱量と媒体によって奪われる熱量とが平衡した状態で、低温になっている。一方、媒体非通過部においては、ゴム層の内側の芯金から供給される熱量と周囲の空気によって奪われる熱量とが平衡した状態で、高温になっている。このように、前記媒体通過部と媒体非通過部との間で温度差が生じているので、媒体非通過部に配設されている前記温度検出手段は、媒体に接触する部分、すなわち、媒体通過部のヒートローラ表面のゴム層の温度を直接に検出することができない。
【0010】
もっとも、前記温度検出手段を媒体通過部に配設すれば、媒体に接触する部分のヒートローラ表面のゴム層の温度を直接に検出することはできるが、この場合、媒体からの紙粉・含有成分や媒体上のトナーの一部がゴム層上に移動し、温度検出手段とゴム層との間に前記紙粉・含有成分やトナーが蓄積して熱伝導を妨げたり、温度検出手段とゴム層との間に隙(すき)間が空いたりしてしまう。そのため、前記温度検出手段は媒体通過部のヒートローラ表面のゴム層の温度を安定的に検出することができなくなってしまう。
【0011】
また、表面のゴム層の温度を検知して温度を制御するようになっているが、表面のゴム層の熱伝導率が低く、ゴム層の下の芯金から表面まで熱が到達するまで時間がかかってしまう。そのため、必要以上に芯金を加熱し、表面の温度が所定温度以上にオーバーシュートすることがあり、表面の温度を正確に制御することができない。
【0012】
本発明は、前記従来の定着装置の問題点を解決して、ヒートローラ表面のゴム層の温度上昇時間を短くするとともに、媒体通過部と媒体非通過部との温度を均一にして、前記媒体通過部のゴム層の温度を安定的に検出することができ、温度制御を正確に行うことができる定着装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の定着装置においては、弾性層を備え、媒体に当接する加熱用の定着手段と、該加熱用の定着手段に接触させられ、前記媒体を挟持する加圧用の定着手段と、前記加熱用の定着手段の表面に当接し、該加熱用の定着手段の表面を加熱する加熱手段とを有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施の形態における定着装置の概略図、図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図、図3は本発明の第1の実施の形態における定着装置の正面図である。
【0016】
図において、10は定着装置、11は紙等の媒体14表面の未定着トナー像を加熱定着するための定着手段として使用される加熱用の定着ローラとしてのヒートローラである。該ヒートローラ11は、金属製の芯金11b表面に、前記媒体14上の未定着トナー像に当接して定着を行うゴム等から成る弾性層11aを有する。そして、前記ヒートローラ11は、中空円筒形状を有し、内部に加熱源として機能する固定通電熱源としてのハロゲンランプ12を備え、該ハロゲンランプ12の発熱によって内部から芯金11bを通して弾性層11aを加熱し、該弾性層11aの熱によって前記媒体14上のトナーを溶融するようになっている。
【0017】
ここで、前記芯金11bは、該芯金11b表面の弾性層11aに均一に熱を伝導させるために、一般的に、熱伝導率の高いアルミニウム合金等から成る。また、安定的な定着性を得ることができるように、前記芯金11bの熱容量を大きくして前記弾性層11aの温度変動を抑制する必要があるので、前記芯金11bは肉厚が2〔mm〕程度の円筒体として構成される。
【0018】
また、13は加圧手段として使用される加圧用の定着ローラとしてのバックアップローラであり、バネ部材等の付勢手段を備える図示されない押圧手段によって前記ヒートローラ11に付勢圧接される、すなわち、押し付けられる。そして、前記媒体14は、前記ヒートローラ11とバックアップローラ13とによって挟持加圧される。なお、該バックアップローラ13も、一般的に、表面にゴム等から成る弾性層を有する。
【0019】
ここで、前記ヒートローラ11を回転させるための駆動力が伝達される歯車等の駆動伝達手段15が、図3に示されるように、ヒートローラ11の一端に一体的に形成されている。また、該ヒートローラ11表面に付着したトナー及び紙粉・含有成分を清掃するため、ローラ等から成る清掃部材としてのクリーニング部材16が、バネ部材等から成る付勢手段17によって、前記ヒートローラ11に当接するように配設される。
【0020】
また、前記ヒートローラ11には、該ヒートローラ11表面の弾性層11aの温度を検出する温度検出手段22が配設されている。ここで、該温度検出手段22は、図3に示されるように、媒体14と接触する媒体通過部の外側に位置し、媒体14が通過しない部分、すなわち、媒体非通過部の表面に接触しており、該媒体非通過部のヒートローラ11表面の弾性層11aの温度を検出する。そして、図示されない制御部は、前記温度検出手段22の検出した温度に基づいて前記ハロゲンランプ12の通電・非通電を制御することによって、前記ヒートローラ11表面の弾性層11aを所定の定着温度に保つように制御する。なお、該定着温度は、媒体14上のトナーを溶解することができるような前記弾性層11aと同じ温度である。
【0021】
さらに、前記ヒートローラ11表面には、加熱手段としての加熱ローラ19が当接されている。該加熱ローラ19は、図3に示されるように、内部に加熱源として機能する固定通電熱源としてのハロゲンランプ41が配設され、前記ヒートローラ11とほぼ等しい長さ寸法を有し、該ヒートローラ11と平行に、かつ、ヒートローラ11の媒体14の入口側に配設される。そして、前記加熱ローラ19は、熱伝導率が高いアルミニウム合金等から成る金属製のローラであり、バネ部材等の付勢手段18によって、ヒートローラ11表面の弾性層11aに押し付けられている。
【0022】
ここで、前記加熱ローラ19の内部のほぼ中心部には該加熱ローラ19を内部から加熱するハロゲンランプ41及び加熱ローラ19の温度を検出する温度検出手段42が配設されている。そして、前記ヒートローラ11のほぼ中心部に配設され、該ヒートローラ11表面を内側から加熱するハロゲンランプ12と共に、前記ハロゲンランプ41は前記ヒートローラ11の表面を外側から所定の温度になるまで加熱するようになっている。すなわち、前記ヒートローラ11表面がトナーが溶融する所定の温度になるまで、前記温度検出手段22及び温度検出手段42によって検出された温度に基づいてハロゲンランプ12及びハロゲンランプ41に通電し、温度検出手段22及び温度検出手段42の検出した温度に基づいて前記ハロゲンランプ12及びハロゲンランプ41の通電・非通電を制御し、ヒートローラ11表面を所定の温度に保つようにする。これにより、前記ヒートローラ11の弾性層11a表面を速やかに、かつ、均一に加熱することができる。
【0023】
また、前記加熱ローラ19表面に付着したトナー及び紙粉・含有成分を清掃するため、ローラ等から成る清掃部材としてのクリーニング部材21が、バネ部材等から成る付勢手段20によって、前記加熱ローラ19に当接するように配設される。そして、前記加熱ローラ19は、定着部の媒体搬送路の上流側の該媒体搬送路の近傍上方に配設される。
【0024】
なお、図2に示されるように、本実施の形態における画像形成装置は、カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であり、媒体14の搬送経路に沿って、四つの画像形成手段27が配設される。そして、該画像形成手段27は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナー画像を形成し前記媒体14上に転写するようになっている。また、前記画像形成装置において、24は媒体14を繰り出す給紙ローラであり、前記媒体14を1枚ずつ分離する分離機構25が前記給紙ローラ24に当接して配設される。そして、給紙ローラ24及び分離機構25によって1枚ずつ分離して繰り出された媒体14を画像形成手段27に送り込む送りローラ26が配設される。
【0025】
ここで、前記媒体14が、各ローラやベルトによって搬送経路を搬送されると、四つの画像形成手段27にそれぞれ対向して配設されたローラ等から成る転写手段28によって、前記各色のトナー画像が前記媒体14上に転写されるようになっている。そして、トナー画像が転写された媒体14は、定着装置10に搬入され、バックアップローラ13によって、表面がヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられながら搬送される。これにより、前記トナー像を構成するトナーが前記弾性層11aの熱によって溶融して、媒体14上に定着する。そして、トナー像が定着して画像が形成された前記媒体14は、画像形成装置の排出部に排出される。
【0026】
次に、前記構成の定着装置10の動作について説明する。
【0027】
まず、画像形成装置に印刷起動信号が入力されると、ハロゲンランプ12及びハロゲンランプ41が通電加熱され、ヒートローラ11が図示されない駆動源によって回転駆動される。また、加熱ローラ19も前記ヒートローラ11の回転に伴って連れ回り回転する。そして、前記加熱ローラ19は、金属製なので、ハロゲンランプ41によって加熱されると、内壁と外壁、すなわち、表面との間に温度差が発生することなく、速やかに温度上昇する。これにより、ヒートローラ11の弾性層11a表面に加熱ローラ19の当接部から熱が供給される。一方、前記ハロゲンランプ12によって、前記ヒートローラ11の芯金11bの内壁が加熱され、該芯金11bから弾性層11aに熱が供給される。
【0028】
そして、ヒートローラ11表面がトナーを溶融定着することができる温度になると、図示されない駆動源によって給紙ローラ24を給紙方向に回転させ、媒体14が分離機構25によって1枚ずつ分離して繰り出され、送りローラ26に到達する。そして、該送りローラ26に媒体14が当接すると、前記給紙ローラ24は停止し、送りローラ26が図示されない駆動源によって駆動され、媒体14が搬送経路に沿って四つの画像形成手段27に順次供給される。
【0029】
続いて、それぞれの画像形成手段27によって形成された各色のトナー像は、それぞれの転写手段28によって媒体14上に転写される。そして、各色のトナー像が表面に転写された媒体14は定着装置10に搬入される。該定着装置10において、前記駆動源からの駆動力が駆動伝達手段15に伝達され、ヒートローラ11が回転させられると、該ヒートローラ11に押圧されているバックアップローラ13に前記ヒートローラ11の回転が伝達され、前記バックアップローラ13も回転させられる。
【0030】
次に、定着装置10に搬入された前記媒体14は、前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13の間、すなわち、定着部に送り込まれ、回転する前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13によって両面から挟持されて搬送される。ここで、前記媒体14は、トナー画像が転写された表面が前記バックアップローラ13によってヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられた状態で搬送される。そのため、前記媒体14上の、前記トナー像を構成するトナーが、ヒートローラ11の回転に伴い、前記弾性層11aの熱によって連続的に溶融する。溶融したトナーは、前記媒体14上に付着して定着する。これにより、定着画像が形成される。なお、前記トナーが定着された媒体14は、画像形成装置の排出部に排出される。
【0031】
そして、媒体14が定着部を通過すると、前記ヒートローラ11から媒体14に熱が移り、媒体14上のトナーが溶融し、溶融した該トナーが付着してトナー像が定着される。このとき、ヒートローラ11の媒体通過部における弾性層11aの表面部分から媒体14に移行する熱量が奪われ、前記媒体通過部における弾性層11aの表面部分の温度が低下する。ここで、前記ヒートローラ11の芯金11bは、ハロゲンランプ12から熱を受け、該熱を弾性層11aに伝導するが、ゴム等から成る弾性層11aの熱伝導率が低いので、前記芯金11bから伝導された熱は弾性層11aの表面部分にまで速やかに伝導しない。そのため、前記媒体通過部における弾性層11aの表面部分の温度は低下したままとなる。一方、前記ヒートローラ11の媒体非通過部における弾性層11aは、熱の移動や空冷によって温度が低下するが、媒体14に移行する熱量が直接奪われることがないので、前記弾性層11aの温度が低下しない。
【0032】
したがって、媒体14が通過した直後の位置(図1におけるc)での弾性層11aの表面部分の温度分布は、図3における、線Cで示されるようになる。すなわち、媒体通過部における弾性層11aの表面部分の温度は低く、媒体非通過部における弾性層11aの表面部分の温度は高くなっている。
【0033】
しかし、本実施の形態においては、前記ヒートローラ11表面に加熱ローラ19が当接されている。そして、該加熱ローラ19は、熱伝導性が高い金属製であり、内壁側及びヒートローラ11の媒体非通過部に当接した、あまり熱量が奪われていない部分から、媒体通過部に相当する部分に熱が容易に供給されるので、短時間で一様の温度になる。しかも、前記加熱ローラ19が一回転する間にハロゲンランプ41の熱が内部から供給され、ヒートローラ11を加熱するのに必要な所定の温度になる。そのため、前記ヒートローラ11表面に当接する直前の位置(図1におけるa)での加熱ローラ19の表面部分の温度分布は、図3における、線Aで示されるようになる。すなわち、加熱ローラ19の表面部分の温度は、全ての範囲において、前記ヒートローラ11全体における弾性層11aの表面部分の温度より高く、かつ、一定である。
【0034】
このような、温度分布の状態にある弾性層11aと加熱ローラ19とが当接する場合、図3に示されるように、媒体通過部においては、弾性層11aの表面部分の温度が上昇する。一方、媒体非通過部においては、ヒートローラ11が回転している間に熱が周囲の空気や媒体通過部に移動するので、弾性層11aの表面部分の温度が低くなる。したがって、加熱ローラ19に当接した後の位置(図1におけるb)での弾性層11aの表面部分の温度分布は、図3における、点線Bで示されるようになる。すなわち、前記ヒートローラ11全体における弾性層11aの表面部分の平均温度に近似した温度となり、かつ、一定に近い状態になる。そして、図1に示されるように、温度検出手段22は前記加熱ローラ19に当接した後の位置(図1におけるbに近い位置)での弾性層11aの表面部分の温度を検出する。そのため、前記温度検出手段22が検出する温度は、媒体非通過部における弾性層11aの表面部分の温度であるが、実質的に媒体通過部における弾性層11aの表面部分の温度に等しいと言える。
【0035】
このように、前記ヒートローラ11表面の弾性層11aの表面部分は、媒体14に接触熱抵抗分だけ降下した熱を加熱ローラ19から供給されて温度が上昇し、再度、バックアップローラ13とヒートローラ11とによって形成された定着部に移動して連続定着が行われる。この場合、加熱ローラ19からヒートローラ11への熱の供給量は、熱力学の原理に従って、温度差が大きいヒートローラ11の媒体通過部へは多く、温度差が少ない媒体非通過部へは少ない。そのため、ヒートローラ11表面がほぼ均一に加熱されることになる。
【0036】
一方、加熱ローラ19におけるヒートローラ11の媒体通過部に当接した部分は、多くの熱が奪われるので、その熱量分だけ温度が下がることになる。しかし、加熱ローラ19は熱伝導性が高い金属製であり、内壁側及びヒートローラ11の媒体非通過部に当接した、あまり熱量が奪われていない部分から、媒体通過部に相当する部分に熱が容易に供給されるので、短時間で一様の温度になり、かつ、加熱ローラ19が一回転する間にハロゲンランプ41の熱が内部から供給され、ヒートローラ11を加熱するのに必要な所定の温度になる。
【0037】
このように、本実施の形態においては、熱伝導率が高い加熱ローラ19をヒートローラ11表面に当接させて配設し、媒体非通過部における弾性層11aの表面部分の熱を媒体通過部における弾性層11aの表面部分に伝導することによって、ヒートローラ11全体における弾性層11aの表面部分の温度を均一にすることができるとともに、ヒートローラ表面を定着に必要な温度に短時間で加熱することができる。
【0038】
また、ヒートローラ11の弾性層11aの表面部分を内部からだけ加熱する場合には、弾性層11aが所定の温度になるまでに時間がかかるので、ヒートローラ11の温度を一回転する間に所定の温度にするためにローラ径を大きくする必要がある。しかし、本実施の形態における加熱ローラ19は、熱伝導率が高い金属で形成されているので、内部の熱が短時間で加熱ローラ19表面に供給され、加熱ローラ19の内壁と表面との温度差が短時間でなくなる。そのため、前記ヒートローラ11のローラ径を大きくする必要がなく、印刷速度(が高くなっても)に対して小型にすることができる。
【0039】
さらに、加熱ローラ19を定着部の媒体搬送路の上流側の該媒体搬送路の近傍上方に配設することによって、媒体14を予熱することができるので、定着性を向上させることができ、熱効率を高くすることができる。
【0040】
そして、ヒートローラ11の表面温度と加熱ローラ19の表面温度との温度差や温度変化を検知し、ヒートローラ11の立ち上がりや温度変動を抑えるように、加熱ローラ19の熱源を効率的に制御することもできる。
【0041】
また、加熱ローラ19表面に当接させてクリーニング部材21を配設しているので、加熱ローラ19に当接する温度検出手段42をヒートローラ11の媒体通過部に対応する位置に配設することができる。そのため、ヒートローラ11の媒体通過部に対応する位置における加熱ローラ19の温度検出を容易に行うことができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0043】
図4は本発明の第2の実施の形態における定着装置の正面図、図5は本発明の第2の実施の形態における定着装置の概略図である。
【0044】
この場合、加熱ローラ19の一端には、図4に示されるように、該加熱ローラ19を回転させるための駆動力が伝達される歯車等の駆動伝達手段30が一体的に形成されている。また、前記加熱ローラ19は、バネ部材等の付勢手段18によってヒートローラ11に押し付けられている。そして、図示されない駆動源からの駆動力が駆動伝達手段30に伝達され、加熱ローラ19が回転させられる。すると、該加熱ローラ19が押圧されているヒートローラ11に前記加熱ローラ19の回転が伝達され、前記ヒートローラ11も回転させられるようになっている。
【0045】
また、バックアップローラ13はバネ部材等の図示されない付勢手段によってヒートローラ11に押し付けられていて、該ヒートローラ11の回転に伴ってバックアップローラ13も回転させられる。
【0046】
ここで、前記ヒートローラ11は、内部にハロゲンランプ12を備える中空円筒形状の金属製の芯金11bを有し、該芯金11b表面には弾性層11aが形成されている。なお、バックアップローラ13も金属製の芯金の上に弾性体である表面層を有している弾性ローラから成る。
【0047】
また、加熱ローラ19は、内部にハロゲンランプ41を備え、線膨張係数が小さく、熱伝導率が高い金属から成る。
【0048】
次に、前記構成の定着装置10の動作について説明する。
【0049】
まず、画像形成装置に印刷起動信号が入力されると、ヒートローラ11の内部に配設されたハロゲンランプ12が通電される。そして、図示されない駆動源によって加熱ローラ19が回転させられると、該加熱ローラ19に押圧されているヒートローラ11が加熱ローラ19の回転に伴って回転する。すると、前記ヒートローラ11に押圧されているバックアップローラ13に前記ヒートローラ11の回転が伝達され、前記バックアップローラ13も回転させられる。
【0050】
一方、ヒートローラ11表面の弾性層11aの表面部分が所定の温度になると、画像形成装置の給紙ローラ24が図示されない駆動源によって回転駆動され、媒体14を給紙カセットから繰り出し、媒体14の先端が図示されない検知手段によって検知されてから所定量の媒体14の先端が送りローラ26に当接するまで媒体14を搬送する。
【0051】
次に、送りローラ26が図示されない駆動源によって駆動され、媒体14が搬送経路に沿って四つの画像形成手段27に順次供給される。続いて、それぞれの画像形成手段27によって形成された各色のトナー像は、それぞれの転写手段28によって媒体14上に転写される。そして、各色のトナー像が表面に転写された媒体14は定着装置10に搬入される。
【0052】
次に、定着装置10に搬入された前記媒体14は、前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13の間、すなわち、定着部に送り込まれ、回転する前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13によって両面から挟持されて搬送される。ここで、前記媒体14は、トナー画像が転写された表面が前記バックアップローラ13によってヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられた状態で搬送される。そのため、前記媒体14上の、前記トナー像を構成するトナーが、ヒートローラ11の回転に伴い、前記弾性層11aの熱によって連続的に溶融する。溶融したトナーは、前記媒体14上に付着して定着する。これにより、定着画像が形成される。なお、前記トナーが定着された媒体14は、画像形成装置の排出部に排出される。
【0053】
そして、媒体14が定着部を通過すると、前記ヒートローラ11から媒体14に熱が移り、媒体14上のトナーが溶融し、媒体14に溶融したトナーが付着してトナー像が定着される。このとき、ヒートローラ11の媒体通過部における弾性層11aの表面部分から媒体14に移行する熱量が奪われ、前記弾性層11aの表面部分の温度が低下する。前記ヒートローラ11は一周する間にハロゲンランプ12から熱量が供給され、供給された熱量分の温度が上昇し、媒体非通過部は、媒体通過部への熱の移動や空冷によって温度が低下する。
【0054】
そして、前記媒体通過部における弾性層11aの表面部分は、ハロゲンランプ41によって加熱された加熱ローラ19との当接位置に到達すると、加熱ローラ19から熱が供給される。そのため、前記媒体通過部における弾性層11aの表面部分は、接触熱抵抗分だけ降下した熱を加熱ローラ19から供給されて温度が上昇し、再度、バックアップローラ13とヒートローラ11とによって形成された定着部に移動する。これにより、連続定着が行われる。
【0055】
この時、加熱ローラ19からヒートローラ11へ移動する熱量は、熱力学の原理に従って、温度差が大きいヒートローラ11の媒体通過部へは多く、温度差が少ない媒体非通過部へは少なくなる。そのため、ヒートローラ11表面をほぼ均一に加熱することができる。
【0056】
一方、加熱ローラ19はヒートローラ11の媒体通過部に当接した部分は多くの熱が奪われ、その熱量分だけ温度が下がるが、加熱ローラ19は熱伝導性が高い金属製であり、内壁側及びヒートローラ11の媒体非通過部に当接した、あまり熱量が奪われていない部分から、媒体通過部に相当する部分に熱が容易に供給されるので、短時間で一様の温度になり、かつ、加熱ローラ19が一周する間にハロゲンランプ41の熱が内部から供給され、ヒートローラ11を加熱するのに必要な所定の温度になる。
【0057】
ここで、前記加熱ローラ19は、熱伝導率が高い金属から成り、しかも、線膨張係数が10−6オーダーの小さな値である。そのため、前記加熱ローラ19は、前記ヒートローラ11からの熱を受けても、半径(又は直径)の寸法がほとんど変化せず、外周の長さ寸法もほとんど変化しない。したがって、図示されない駆動源によって前記加熱ローラ19が一定の回転速度で回転させられると、該加熱ローラ19の周速は、表面部分の温度に係わらず一定となる。
【0058】
ところで、ヒートローラ11表面の弾性層11aは、ゴム等から成り、線膨張係数が10−3オーダーの大きな値である。そのため、温度が変化すると、弾性層11aの寸法が変化し、弾性層11aの表面部分の半径(又は直径)の寸法及び外周の長さ寸法が変化してしまう。したがって、ヒートローラ11を一定の回転速度で回転させても、該ヒートローラ11の外周、すなわち、弾性層11aの表面部分の周速が変化してしまう。
【0059】
これに対し、本実施の形態において、前記ヒートローラ11は、その外周、すなわち、弾性層11aの表面部分が加熱ローラ19の外周に押し付けられ、該加熱ローラ19の回転が伝達されて回転させられている。そのため、前記弾性層11aの表面部分の周速は、前記加熱ローラ19の周速に等しく、弾性層11aの表面部分の温度に係わらず一定となる。したがって、ヒートローラ11及びバックアップローラ13によって搬送される媒体14の搬送速度は、弾性層11aの表面部分の温度に係わらず一定となる。その結果、媒体14を精度良く搬送することができる。
【0060】
このように、本実施の形態においては、線膨張係数の小さい金属から成る加熱ローラ19に一体的に駆動伝達手段30を設け、前記加熱ローラ19にヒートローラ11を当接させ、加熱ローラ19の周速に伴ってヒートローラ11が回転されるようになっているので、ヒートローラ11の周速を温度に対して依存性が低く、精度良く回転させることができ、媒体14の搬送精度を温度に対して安定的に行うことができる。
【0061】
また、加工精度の点からみても、弾性体である弾性層11aを加工するよりも、剛体である金属から成る加熱ローラ19を加工する方が加工精度を高めることができるので、加熱ローラ19の周速の加工誤差による変動を小さくすることができる。したがって、媒体14の搬送速度のばらつきを小さくすることができ、媒体14を安定的に搬送することができる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0063】
図6は本発明の第3の実施の形態における定着装置の斜視図、図7は本発明の第3の実施の形態における定着装置の制御部の動作を示すブロック図である。
【0064】
本実施の形態において、内部にハロゲンランプ41が配設された加熱ローラ19の一端の表面には、図6に示されるように、周速検出用の目盛としての所定ピッチの複数本の線31が印刷されている。なお、ヒートローラ11を回転させるための駆動力が伝達される歯車等の駆動伝達手段15が、ヒートローラ11の一端に一体的に形成されている。そして、前記加熱ローラ19は、図示されない押圧手段によってヒートローラ11表面の弾性層11aに押し付けられ、前記ヒートローラ11の回転が伝達されて回転するようになっている。また、32は前記線31の数をカウントして加熱ローラ19の周速を検出するための周速検出手段である。
【0065】
次に、前記構成の定着装置10の動作について説明する。
【0066】
この場合、駆動源としてのヒートローラ駆動源35からの駆動力が伝達されてヒートローラ11が回転させられると、該ヒートローラ11の回転が伝達されて、加熱ローラ19が回転する。すると、該加熱ローラ19の外周に印刷された線31が周速検出手段32によってカウントされ、検出信号としてのパルス信号33が制御部34に送信される。ここで、前記パルス信号33における一つ一つのパルスは、1本1本の線31に対応する。
【0067】
続いて、前記制御部34の図示されない演算部において、一定の時間内における前記パルス信号33中のパルス数をカウントし、加熱ローラ19の周速を演算する。そして、前記制御部34は、演算された周速の値、すなわち、検出値と、あらかじめ設定された所定の値、すなわち、既定値とを比較し、前記検出値が既定値に一致するように制御部34に信号を送り、該制御部34においてヒートローラ駆動源35の入力パルス又は電流値を制御する出力をヒートローラ駆動源35のドライバに出力し、ヒートローラ駆動源35の回転速度を制御し、ヒートローラ駆動源35の駆動力を制御する。
【0068】
また、ヒートローラ11表面から加熱ローラ19表面に移行したトナー及び紙粉・含有成分は、加熱ローラ19に当接して配設されたクリーニング部材21によって除去される。そして、加熱ローラ19は、再度、ハロゲンランプ41によって加熱され、ヒートローラ11との当接部においてヒートローラ11に熱を供給する。
【0069】
このように、本実施の形態においては、ヒートローラ駆動源35からの駆動力が伝達されてヒートローラ11が回転させられると、該ヒートローラ11の回転が伝達されて、加熱ローラ19が回転する。そして、該加熱ローラ19の周速を検出して、該周速があらかじめ設定された所定の値となるように、ヒートローラ駆動源35を制御する。ここで、加熱ローラ19の周速はヒートローラ11の周速と等しい。
【0070】
したがって、該ヒートローラ11の外周の周速を制御することができ、媒体14の搬送精度を高くすることができる。
【0071】
なお、前記第3の実施の形態においては、加熱ローラ19上に印刷された所定ピッチの複数本の線31をカウントして、加熱ローラ19の周速を検出するようになっているが、加熱ローラ19の端部に回転速度検出用のエンコーダを配設し、その回転速度を検出することもできる。また、ヒートローラ11に代えて、表面に弾性層を有する定着ベルトを使用するベルト式の定着装置にも適用することができる。
【0072】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0073】
図8は本発明の第4の実施の形態における定着装置の概略図である。
【0074】
図において、ヒートローラ11は、芯金11b表面に、前記媒体14のトナー付着面に接触して定着を行うゴム等から成る弾性層11aを有する。そして、前記ヒートローラ11は、中空円筒形状を有し、内部に加熱手段としてのハロゲンランプ12を備え、該ハロゲンランプ12の発熱によって内部から芯金11bを通して弾性層11aを加熱し、該弾性層11aの熱によって前記媒体14上のトナーを溶融するようになっている。
【0075】
さらに、前記ヒートローラ11表面には、内部にハロゲンランプ41を備えた加熱ローラ19が、図示されない押圧手段によって当接されている。そして、前記加熱ローラ19は、輻(ふく)射熱を吸収しやすいように、表面が黒色に着色され、また、加熱ローラ19を円周方向に囲い、長手方向にわたってヒートローラ11側が開口した熱反射板としての熱輻射ケース50に外周が覆われている。ここで、該輻射ケース50は、ヒートローラ11の軸方向と同一方向の軸を中心として開閉自在に形成されている。また、熱輻射ケース50の裏側には、放熱を防止するために断熱部材51が配設されている。
【0076】
次に、前記構成の定着装置の動作について説明する。
【0077】
まず、画像形成装置に印刷起動信号が入力されると、ヒートローラ11の回転に伴ってヒートローラ11の外周の周速に連動して加熱ローラ19が回転すると、該加熱ローラ19の内部に配設されたハロゲンランプ41が通電によって発熱し、加熱ローラ19を内部から加熱する。そして、加熱ローラ19表面の温度が上昇し、ヒートローラ11の回転に伴って連動して加熱ローラ19が回転し、該加熱ローラ19とヒートローラ11との当接部においてヒートローラ11に熱伝達が起こり、ヒートローラ11の弾性層11aが加熱される。
【0078】
この場合、前記加熱ローラ19は、ヒートローラ11の回転に伴って回転しながらヒートローラ11との当接部で熱をヒートローラ11に伝達して降温するが、ハロゲンランプ41からの熱が加熱ローラ19の内壁から外壁に向かって流れる。
【0079】
一方、加熱ローラ19表面から放射される輻射熱は、加熱ローラ19の円周方向に配設された熱輻射ケース50によって反射され、かつ、加熱ローラ19表面で暖められた空気は熱輻射ケース50によって加熱ローラ19と熱輻射ケース50との間に保持されるが、加熱ローラ19表面が黒色に着色されているので、加熱ローラ19に効果的に吸熱される。
【0080】
また、熱輻射ケース50の裏側には断熱部材51が配設されているので、熱輻射ケース50に伝わった熱は大気中に放熱することなく、加熱ローラ19が効率的に蓄熱され、再度ヒートローラ11との当接部に到着し、連続的にヒートローラ11表面を加熱することができる。
【0081】
続いて、ヒートローラ11表面の弾性層11aの表面部分の温度が上昇して定着に必要な所定温度になると、画像形成装置の給紙ローラ24が図示されない駆動源によって回転駆動される。そして、媒体14を給紙カセットから繰り出し、媒体14の先端が図示されない検知手段によって検知されてから所定量の媒体14の先端が送りローラ26に当接するまで媒体14を搬送する。
【0082】
次に、送りローラ26が図示されない駆動源によって駆動され、媒体14が搬送経路に沿って四つの画像形成手段27に順次供給される。続いて、それぞれの画像形成手段27によって形成された各色のトナー像は、それぞれの転写手段28によって媒体14上に転写される。そして、各色のトナー像が表面に転写された媒体14は定着装置10に搬入される。
【0083】
次に、定着装置10に搬入された前記媒体14は、前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13の間に送り込まれ、回転する前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13によって両面から挟持されて搬送される。ここで、前記媒体14は、トナー画像が転写された表面が前記バックアップローラ13によってヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられた状態で搬送される。そのため、前記媒体14上の、前記トナー像を構成するトナーが、ヒートローラ11の回転に伴い、前記弾性層11aの熱によって連続的に溶融する。溶融したトナーは、前記媒体14上に付着して定着する。これにより、定着画像が形成される。なお、前記トナーが定着された媒体14は、画像形成装置の排出部に排出される。
【0084】
また、画像形成装置は、複数の給紙カセットを有しており、熱容量の大きな厚い媒体と熱容量の小さい薄い媒体とが同時にセットされており、一般的にユーザの指定によって自在に媒体の選択をすることができるようになっている。
【0085】
そして、媒体は熱容量が異なるため、媒体毎に適正な定着温度は当然異なり、薄い媒体は熱容量が小さく低い定着温度で定着可能であるが、厚い媒体は熱容量が大きく定着温度を高くする必要がある。
【0086】
また、薄い媒体を定着した後に別の給紙カセットにセットされた厚い媒体を定着する場合は、ハロゲンランプ12及び41を加熱してヒートローラ11の温度を高めて定着を行うことになる。一方、厚い媒体を印字定着した後に、別の給紙カセットにセットされた薄い媒体を定着する場合には、ヒートローラ11が薄い媒体に適した温度になるまで、印刷を開始することができなくなることになる。
【0087】
そして、ヒートローラ11が薄い媒体に適した所定の温度になると、給紙ローラ24−Aが図示されない駆動源によって回転駆動され、媒体14−Aをカセットから繰り出し、媒体14−Aの先端が図示されない検知手段によって検知されてから所定量の媒体14−Aの先端が送りローラ26に当接するまで媒体14−Aを搬送する。
【0088】
また、別の給紙カセットから繰り出された場合と同様に、媒体14−A上に画像が形成され媒体14−Aは定着装置10に搬入され、媒体14−A上にトナーが付着して定着し、媒体14−Aは画像形成装置の排出部に排出される。
【0089】
そして、ヒートローラ11を冷却する時、図示されない駆動手段によってヒートローラ11の軸に平行に設けられた軸を中心として開閉カバーを開放することで、加熱ローラ19とヒートロ−ラ11の冷却を促進することができ、印刷開始までの時間を短くすることができる。
【0090】
このように、本実施の形態においては、ヒートローラ11を表面から加熱し、内部にハロゲンランプ41が配設され、前記ヒートローラ11に当接する加熱ローラ19の円周方向に熱輻射ケース50が配設され、さらに、該熱輻射ケース50の裏側に断熱部材51が配設されている。そのため、ヒートローラ11に当接して加熱する加熱ローラ19を効率的に加熱蓄熱させることができる。
【0091】
また、加熱ローラ19表面を黒色に着色することによって輻射熱の吸収蓄熱をよりよくすることができる。
【0092】
さらに、媒体の種類によって熱容量が異なるため、媒体毎に適正な定着温度は当然異なり、定着温度の低い媒体を定着する場合には、迅速にヒートローラ11を冷却する必要があるが、定着終了時に、図8に示されるように、熱輻射ケース50を軸を軸を中心として開放することで、加熱ローラ19とヒートローラ11の冷却を促進することができる。
【0093】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0094】
図9は本発明の第5の実施の形態における定着装置の概略図である。
【0095】
この場合、媒体14上のトナーを媒体14上に溶融定着するヒートローラ11表面の弾性層11aの下に、該弾性層11aよりも熱伝導性が低い断熱部材から成る断熱層11cが形成される。そして、前記ヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられて当接するように、内部にハロゲンランプ41を有する加熱ローラ19が配設される。なお、本実施の形態においては、ヒートローラ11の内部にハロゲンランプ12が配設されていない。
【0096】
次に、前記構成の定着装置10の動作について説明する。
【0097】
まず、画像形成装置に印刷起動信号が入力されると、ヒートローラ11の回転に伴ってヒートローラ11の外周の周速に連動して加熱ローラ19が回転すると、該加熱ローラ19の内部に配設されたハロゲンランプ41が通電によって発熱し、加熱ローラ19を内部から加熱する。そして、加熱ローラ19表面の温度が上昇し、ヒートローラ11の回転に伴って連動して加熱ローラ19が回転し、該加熱ローラ19とヒートローラ11との当接部においてヒートローラ11に熱伝達が起こり、ヒートローラ11の弾性層11aが加熱される。
【0098】
この場合、前記加熱ローラ19からヒートローラ11表面の弾性層11aに移行した熱によって表面の弾性層11aが加熱されるが、該弾性層11aの下側で断熱層11cによって熱の移動が妨げられるので、弾性層11aに熱が効率的に蓄熱される。
【0099】
続いて、ヒートローラ11表面の弾性層11aの表面部分の温度が上昇して定着に必要な所定温度になると、画像形成装置の給紙ローラ24が図示されない駆動源によって回転駆動される。そして、媒体14を給紙カセットから繰り出し、媒体14の先端が図示されない検知手段によって検知されてから所定量の媒体14の先端が送りローラ26に当接するまで媒体14を搬送する。
【0100】
次に、送りローラ26が図示されない駆動源によって駆動され、媒体14が搬送経路に沿って四つの画像形成手段27に順次供給される。続いて、それぞれの画像形成手段27によって形成された各色のトナー像は、それぞれの転写手段28によって媒体14上に転写される。そして、各色のトナー像が表面に転写された媒体14は定着装置10に搬入される。
【0101】
次に、定着装置10に搬入された前記媒体14は、前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13の間に送り込まれ、回転する前記ヒートローラ11及びバックアップローラ13によって両面から挟持されて搬送される。ここで、前記媒体14は、トナー画像が転写された表面が前記バックアップローラ13によってヒートローラ11の弾性層11aに押し付けられた状態で搬送される。そのため、前記媒体14上の、前記トナー像を構成するトナーが、ヒートローラ11の回転に伴い、前記弾性層11aの熱によって連続的に溶融する。溶融したトナーは、前記媒体14上に付着して定着する。これにより、定着画像が形成される。なお、前記トナーが定着された媒体14は、画像形成装置の排出部に排出される。また、定着部において媒体14に熱を移行したヒートローラ11は、再度加熱ローラ19から熱の移行を受けるので、連続的に定着が行われる。
【0102】
このように、本実施の形態においては、ヒートローラ11表面の弾性層11aの下に該弾性層11aよりも熱伝導性が低い断熱層11cが形成されるので、弾性層11aを効率的に加熱蓄熱することができ、熱効率を向上させることができる。
【0103】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、本実施の形態における画像形成装置の構造については、前記第1の実施の形態における画像形成装置の構造と同様であるので、図2を援用して説明する。
【0104】
図10は本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラの概略図、図11は本発明の第6の実施の形態における加熱ローラの概略図、図12は本発明の第6の実施の形態におけるトグル通電の通電パターンを示す図、図13は本発明の第6の実施の形態における他の間欠通電の通電パターンを示す図である。
【0105】
本実施の形態においては、図10に示されるように、ヒートローラ11の内部に配設されたハロゲンランプ12を通電駆動する通電駆動部60、該通電駆動部60を制御する制御部61が配設され、前記ヒートローラ11の表面温度を検知する温度検出手段22が配設される。また、図11に示されるように、加熱ローラ19の内部に配設されたハロゲンランプ41を通電駆動する通電駆動部65、該通電駆動部65を制御する制御部66が配設され、前記加熱ローラ19の表面温度を検知する温度検出手段42が配設される。
【0106】
この場合、連続印字中に、制御部61は、ハロゲンランプ12によるヒートローラ11を加熱する加熱量がヒートローラ11を定着温度以下の所定の温度に保つことができる加熱量になるように制御し、一方、制御部66は温度検出手段22の検出した温度に基づいてヒートローラ11を定着温度とするようにハロゲンランプ41による加熱ローラ19の加熱量を制御するようになっている。しかも、ヒートローラ11のハロゲンランプ12及び加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電パターンを、通電時間が互いにオーバーラップしないような間欠通電として、いずれか一方だけに通電されるように通電駆動する。これにより、消費電力を抑えるようになっている。
【0107】
この場合、間欠通電として、図12に示されるように、トグル通電が行われる。図12において、線Aはヒートローラ11のハロゲンランプ12の通電状態を示し、線Bは加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電状態を示している。ここで、線Aと線Bは、ともに、パルス幅が等しく、かつ、オンとオフの状態が逆転していることが分かる。このようなトグル通電を行うことによって、ヒートローラ11のハロゲンランプ12及び加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電パターンを、通電時間が互いにオーバーラップしないような間欠通電として、いずれか一方だけに通電されるように通電駆動することができる。
【0108】
なお、ヒートローラ11のハロゲンランプ12及び加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電パターンを、通電時間が互いにオーバーラップしないようにするのであれば、トグル通電以外の間欠通電を行うこともできる。例えば、図13に示されるような間欠通電が行われてもよい。図13において、線Aはヒートローラ11のハロゲンランプ12の通電状態を示し、線Bは加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電状態を示している。ここで、線Aと線Bは、ともに、オンとなるパルスの時間が重ならないことが分かる。
【0109】
次に、定着装置10の動作について説明する。
【0110】
図14は本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラの動作を示すタイムチャート、図15は本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラ及び加熱ローラの動作を示すタイムチャートである。
【0111】
まず、印刷起動信号によって、ヒートローラ11の内部に配設されたハロゲンランプ12を通電し、図示されない駆動源によってヒートローラ11が回転させられると、加熱ローラ19もヒートローラ11の回転に伴って回転する。そして、前記加熱ローラ19はハロゲンランプ41によって加熱されるが、加熱ローラ19は金属から成るので、加熱ローラ19の内壁及び外壁、すなわち、加熱ローラ19表面は温度差が生じることなく温度が上昇し、ヒートローラ11の弾性層11a表面に加熱ローラ19の当接部で熱を供給する。
【0112】
ここで、図14に示されるように、温度の立ち上がり時は、ヒートローラ11の内部に配設されたハロゲンランプ12、及び加熱ローラ19の内部に配設されたハロゲンランプ41は、連続通電されヒートローラ11及び加熱ローラ19を加熱する。なお、図14において、線Dは加熱ローラ19の表面温度を、線Eはヒートローラ11の表面温度を、線Fはヒートローラ11のハロゲンランプ12だけを制御した時の加熱ローラ19の表面温度を示している。
【0113】
そして、ヒートローラ11が所定の温度になると、ハロゲンランプ12、41の通電が停止させられる。なお、熱伝導性が低い弾性層11aを有するヒートローラ11は、ハロゲンランプ12の通電を停止しても、その表面温度は上昇し、通電制御が困難であるが、所定の温度でヒートローラ11のハロゲンランプ12を停止させ、その時間当たりの温度勾(こう)配を監視しながら、内壁と温度差が少ない加熱ローラ19の温度を加熱制御することによって、ヒートローラ11の弾性層11aの温度タイムラグによって発生する温度のオーバーシュートを少なくすることができる。
【0114】
また、温度の立ち上がり時において、ヒートローラ11及び加熱ローラ19の回転を定着時の回転速度より遅く回すことで、加熱ローラ19からヒートローラ11への熱の移動を効率的に行うことができる。
【0115】
続いて、印刷及び定着が開始されると、ヒートローラ11のハロゲンランプ12及び加熱ローラ19のハロゲンランプ41のどちらか一方の発熱源だけが通電されるトグル通電が行われる。なお、トグル通電に代えて、図13に示されるような間欠通電が行われてもよいが、ここでは、図12に示されるようなトグル通電が行われる場合について説明する。そして、制御部61、66は、温度検出手段22、42が検出した温度に基づいて、ヒートローラ11の温度制御を行う。
【0116】
また、印刷及び定着が終了して、次の印刷及び定着が開始されるまでの待機時においては、ヒートローラ11、加熱ローラ19及びバックアップローラ13を回転させずに停止させるようになっている。この場合、ヒートローラ11及びバックアップローラ13は、弾性層を表面に有しているので、常に同じ箇所が加圧されていると、前記弾性層が変形してしまう。したがって、所定時間ごとに微小量だけ移動させる、すなわち、わずかな角度だけ回転させることが望ましい。
【0117】
そして、再び印刷及び定着が開始されると、トグル通電が再び行われ、ヒートローラ11の表面温度が、図15に示されるように上昇する。
【0118】
このように、本実施の形態においては、ヒートローラ11に当接する金属製の熱伝導性が高い加熱ローラ19を配設し、ヒートローラ11表面の熱伝導性が低い弾性層11aに外部から熱を供給するようになっている。そして、画像形成装置がクイックモードに設定されている場合、待機時に内部に配設されたハロゲンランプ12によって、熱伝導性が低い弾性層11aを有するヒートローラ11を所定の温度に保つようにしているので、短時間でヒートローラ11表面をトナーを溶融することができる温度にすることができる。また、ヒートローラ11の内部に配設されたハロゲンランプ12と加熱ローラ19の内部に配設されたハロゲンランプ41とを同時に通電しないように制御して定着を行うことができるので、エネルギー消費を少なくすることができ、供給電力を少なくすることができる。さらに、待機時における待機電力を抑えることができる。
【0119】
さらに、待機時においてヒートローラ11、加熱ローラ19及びバックアップローラ13を間欠的に微小量移動させる、すなわち、わずかな角度だけ回転させてそれぞれのローラ間の接触部分を変えるようにしているので、弾性層を有するローラの待機時における変形を防止することができる。
【0120】
なお、熱伝導性が低い弾性層11aを有するヒートローラ11は、ハロゲンランプ12の通電を停止しても、その表面温度は上昇し、通電制御が困難であるが、所定の温度でヒートローラ11のハロゲンランプ12を停止させ、その時間当たりの温度勾配を監視しながら、内壁と温度差が少ない加熱ローラ19の温度を加熱制御することによって、ヒートローラ11の弾性層11aの温度タイムラグによって発生する温度のオーバーシュートを少なくすることができる。
【0121】
また、連続印字中において、ハロゲンランプ12によるヒートローラ11を加熱する加熱量を、ヒートローラ11を定着温度以下の所定の温度に保つことができる加熱量とし、温度検出手段22の検出した温度に基づいて定着温度まで加熱ローラ19を加熱制御するように、ヒートローラ11のハロゲンランプ12の間欠通電、及び加熱ローラ19のハロゲンランプ41の間欠通電のいずれか一方だけの通電とすることによって、消費電力を抑えることもできる。
【0122】
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、第1〜第6の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0123】
図16は本発明の第7の実施の形態における定着装置の概略図である。
【0124】
図において、11はヒートローラ、12は該ヒートローラ11のハロゲンランプ、13はバックアップローラ、19は加熱ローラ、22は前記ヒートローラ11の表面温度を検知する温度検出手段、41は前記加熱ローラ19のハロゲンランプである。
【0125】
そして、加熱ローラ19の温度を検知する温度検出手段43、44が、加熱ローラ19とヒートローラ11との当接部を挟んで配設される。
【0126】
次に、前記構成の定着装置10の動作について説明する。
【0127】
図17は本発明の第7の実施の形態における定着装置の動作を示すタイムチャートである。
【0128】
まず、印字起動がかかると、ヒートローラ11及び加熱ローラ19は内部に配設されたハロゲンランプ12、41によってそれぞれ加熱され、ヒートローラ11の表面が定着に必要な温度になるまで加熱制御される。この場合、加熱ローラ19のヒートローラ11との当接部を挟んで温度検出手段43、44が配設されている。そのため、ヒートローラ11へ熱を供給する前の加熱ローラ19表面の温度、及び、ヒートローラ11へ熱を供給した後の加熱ローラ19表面の温度に基づいて、加熱ローラ19からヒートローラ11への熱の移動状態(当接前後の温度差)を把握することができる。そして、前記熱の移動状態としての当接前後の温度差が所定の値以下で、かつ、ヒートローラ11の温度が所定の温度になった時、印刷を開始するように制御される。
【0129】
また、加熱ローラ19とヒートローラ11との当接部の下流側の温度検出手段43の検出した温度とヒートローラ11の温度検出手段22の検出した温度との温度差が所定の値以下で、かつ、ヒートローラ11の温度が所定の温度になった時、印刷を開始するように制御してもよい。
【0130】
そして、連続印刷の定着が始まると、媒体14の定着によってヒートローラ11の温度が下がり、加熱ローラ19からの熱の移動が大きくなり、加熱ローラ19の温度が低下する。このとき、ヒートローラ11を介して媒体14に移行する熱量が大きいと、加熱ローラ19の温度低下が大きくなるので、加熱ローラ19のハロゲンランプ41は、発熱量が増えるように通電時間デューティ(通電印加時間)を大きくするように通電制御される。この場合、加熱ローラ19の温度が所定の上限温度と下限温度との間になるように温度制御が行われることになる。なお、前記温度差に応じてハロゲンランプ41の通電時間デューティを決め、ヒートローラ11及び加熱ローラ19の温度制御を行うこともできる。
【0131】
なお、図17において、線Gは温度検出手段22によって検出されたヒートローラ11の温度を、線Hは温度検出手段43によって検出された加熱ローラ19の温度を、線Iは温度検出手段44によって検出された加熱ローラ19の温度を、線Jはヒートローラ11の設定温度を、線Kは加熱ローラ19の上限制御温度を、線Lは加熱ローラ19表面上の特定の点の温度推移を示す。
【0132】
このように、本実施の形態においては、ヒートローラ11と加熱ローラ19との当接部の下流側に温度検出手段43を配設し、ヒートローラ11への熱の移動状態とヒートローラ11の加熱状態とを検知するようになっているので、より一層安定したヒートローラ11の温度制御を効率的に行うことができる。
【0133】
すなわち、ヒートローラ11の表面温度だけでなく、ヒートローラ11表面に熱を供給する加熱ローラ19の表面温度とヒートローラ11の表面温度との温度差を、加熱ローラ19とヒートローラ11との当接部の上流側及び下流側に配設された温度検出手段43、44によって検出し、検出した温度差が所定値以下になると定着を開始するようにしている。そのため、ヒートローラ11及び加熱ローラ19の蓄熱状態を検知することができ、定着温度が安定した定着制御を行うことができる。また、温度差に応じて通電時間デューティを決めて温度制御することによって、オーバーシュートが発生しにくく、より安定した温度制御を行うことができる。
【0134】
なお、前記第1〜第4の実施の形態においては、ヒートローラ11に当接して内部にハロゲンランプ41を有する加熱ローラ19について説明したが、ヒートローラ11に当接する加熱ローラ19に代えて、ヒートローラ11表面から所定の間隔で保持されるヒートローラ11を加熱する固定通電熱源を用いてもよい。また、ヒートローラ11に当接回転する加熱ローラ19自体が発熱する通電熱源を用いることもできる。
【0135】
そして、前記第5の実施の形態においては、弾性層11aより熱伝導性が低い断熱層11cを用いて説明したが、ヒートローラ11の芯金11b自体を断熱部材とし、弾性層11aを支持してもよい。
【0136】
また、前記第1〜第5の実施の形態においては、媒体14表面に接するヒートローラ11について説明したが、媒体14をヒートローラ11との間に挟持するヒートローラ11に圧接する表面に弾性層を有するバックアップローラに適用することもできる。
【0137】
さらに、前記第1〜第5の実施の形態においては、ヒートローラ11について説明したが、表面に弾性層を有する定着ベルトにも適用することができる。
【0138】
また、最終紙の定着が終了する以前に、加熱ローラ19のハロゲンランプ41の通電を停止することによって、逆にヒートローラ11表面から熱を奪うようにすることもでき、ヒートローラ11の蓄熱によるオーバーシュートを防止することができ、より安定したヒートローラ11の制御を行うことができる。
【0139】
また、このとき、熱の移動を効率的に行えるように定着時の回転速度より遅く回すことで、ヒートローラ11から加熱ローラ19への熱の移動を効率的に行うことができる。
【0140】
更に、前記第6及び第7の実施の形態においては、通電時間デューティ(通電印加時間)を変化させる場合について説明したが、印加電圧を変化させることによってヒートローラ11及び加熱ローラ19を加熱制御してもよい。
【0141】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0142】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、定着装置においては、弾性層を備え、媒体に当接する加熱用の定着手段と、該加熱用の定着手段に接触させられ、前記媒体を挟持する加圧用の定着手段と、前記加熱用の定着手段の表面に当接し、該加熱用の定着手段の表面を加熱する加熱手段とを有する。
【0143】
この場合、定着手段表面の温度上昇時間を短くするとともに、媒体通過部と媒体非通過部との温度を均一にして、前記媒体通過部の温度を安定的に検出することができ、温度制御を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における定着装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における定着装置の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における定着装置の正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における定着装置の概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における定着装置の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における定着装置の制御部の動作を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における定着装置の概略図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態における定着装置の概略図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラの概略図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態における加熱ローラの概略図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態におけるトグル通電の通電パターンを示す図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態における他の間欠通電の通電パターンを示す図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラの動作を示すタイムチャートである。
【図15】本発明の第6の実施の形態におけるヒートローラ及び加熱ローラの動作を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第7の実施の形態における定着装置の概略図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態における定着装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10  定着装置
11  ヒートローラ
11a  弾性層
12、41  ハロゲンランプ
13  バックアップローラ
14  媒体
15、30  駆動伝達手段
16、21  クリーニング部材
19  加熱ローラ
22、42、43、44  温度検出手段
32  周速検出手段
35  ヒートローラ駆動源
50  熱輻射ケース
51  断熱部材

Claims (19)

  1. (a)弾性層を備え、媒体に当接する加熱用の定着手段と、
    (b)該加熱用の定着手段に接触させられ、前記媒体を挟持する加圧用の定着手段と、
    (c)前記加熱用の定着手段の表面に当接し、該加熱用の定着手段の表面を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱手段は、前記加熱用の定着手段の弾性層に当接して回転する請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱手段は、前記加熱用の定着手段の弾性層に当接して回転し、内部に固定通電熱源を有する中空の金属製の加熱ローラである請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加熱ローラは、前記加熱用の定着手段の弾性層に当接し、駆動源から駆動伝達手段によって回転駆動される請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記加熱手段は、前記定着手段に当接し、駆動源から駆動伝達手段によって回転駆動される加熱ローラである請求項1に記載の定着装置。
  6. 前記加熱ローラに当接する温度検出手段を有する請求項3〜5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記加熱手段を、前記加熱用の定着手段と加圧用の定着手段との接触部より回転方向に関して上流側、かつ、媒体搬送方向に関して上流側における媒体搬送路の近傍に配設する請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記加熱ローラの表面に当接する清掃部材を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記定着手段側に開口を備え、前記加熱手段を囲う熱反射板を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記熱反射板は、下層に断熱部材を備える請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記定着手段は、断熱部材から成る層を備える請求項1〜10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記加熱手段は、表面が黒色である請求項1〜11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記加熱ローラは、周速検出手段によって周速を検出するための被検出手段が設けられている請求項3〜12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. (a)内部に加熱源を備え、媒体に当接するヒートローラと、
    (b)該ヒートローラに接触させられ、前記媒体を挟持する加圧ローラと、
    (c)内部に加熱源を備え、前記ヒートローラの表面に当接する加熱ローラとを有し、
    (d)待機モードにおいて、前記ヒートローラの加熱源だけをオンにして前記ヒートローラを所定の温度に保つことを特徴とする定着装置。
  15. 前記加熱源に間欠通電することによって、前記ヒートローラの表面温度を所定の温度で待機させる請求項14に記載の定着装置。
  16. 定着動作時において、前記ヒートローラの加熱源によって定着温度以下の所定の温度にまで前記ヒートローラを加熱するとともに、前記加熱ローラの加熱源によって定着温度にまで前記ヒートローラを昇温させる請求項14又は15に記載の定着装置。
  17. 立ち上がり時及び印刷時において、ヒートローラの加熱源及び加熱ローラの加熱源のいずれか一方を通電する請求項14〜16のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 前記ヒートローラと加熱ローラとの当接部を挟んで配設され、前記加熱ローラに当接する二つの温度検出手段と、前記ヒートローラに当接する温度検出手段とを有し、前記加熱ローラに当接する二つの温度検出手段の出力を比較して、印刷開始を決定する請求項14〜17のいずれか1項に記載の定着装置。
  19. 前記ヒートローラと加熱ローラとの当接部を挟んで配設され、前記加熱ローラに当接する二つの温度検出手段と、前記ヒートローラに当接する温度検出手段とを有し、前記加熱ローラに当接する下流側の温度検出手段の出力とヒートローラに当接する温度検出手段の出力とを比較して、印刷開始を決定する請求項14〜17のいずれか1項に記載の定着装置。
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