JP2004092722A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウトガスの発生が少なく、低トルクの、特にHDDに適した転がり軸受を提供する。
【解決手段】内・外輪の間に保持器を介して複数個の転動体を保持して構成され、鉱油、合成炭化水素油及びエステル油の中から選択される少なくとも1種を基油とし、ジウレア化合物を増ちょう剤とし、更に有機脂肪酸、有機脂肪酸の誘導体、有機脂肪酸の塩及びアミン誘導体の中から選択される少なくとも1種を防錆剤として含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転がり軸受に関し、特にハードディスクドライブ(HDD)の構成部品の一部であるアクチュエータ(特にスイングアーム)及びスピンドルに組込まれる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ関連産業は、他の産業分野に比較すると歴史の浅い業種であるにも関わらず技術革新のスピードが速い。特に、HDDは一つの機種の存在期間が短い上、新技術を導入した新機種(高信頼性、小電力化、高応答性、高精度化、コンパクト化等)が次々と開発されている。
【0003】
従来、HDDのスイングアームの磁気ヘッド部と磁気ディスクとの間隙(フライングハイト)がある程度広く設定されていたため、磁気ディスク上に小量の異物が付着しても、致命的な障害は発生しにくかった。それゆえ、HDD用転がり軸受に使用される潤滑剤では、従来では、潤滑性能の向上(長期的音響性能)が最優先課題とされており、低アウトガス性能はそれ程重要視されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近のHDDはより高記録密度化、高精度化が進み、フライングハイトが100nm以下へと極端に狭まってきている。この様な微少隙間において、磁気ディスク上への異物の付着は致命的な障害になりかねない。そこで、HDD内で使用される部材には、よりケミカルコンタミネーションの少ない部材が望まれている。HDD用転がり軸受では、通常、潤滑剤としてグリースが使用されているが、グリースから蒸発した潤滑油が磁気ディスク表面に付着して磁気ヘッドとの隙間に溜まり、ヘッドクラッシュを起こす原因の一つとなっており、グリースの低アウトガス化は重要課題となりつつある。
【0005】
また、HDD用転がり軸受では、回転数もより高速化されてきており、グリースには低トルク化も同時に要求されている。
【0006】
そこで、本発明は、アウトガスの発生が少なく、低トルクの、特にHDDに適した転がり軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明の、内・外輪の間に保持器を介して複数個の転動体を保持して構成され、鉱油、合成炭化水素油及びエステル油の中から選択される少なくとも1種を基油とし、ジウレア化合物を増ちょう剤とし、更に有機脂肪酸、有機脂肪酸の誘導体、有機脂肪酸の塩及びアミン誘導体の中から選択される少なくとも1種を防錆剤として含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受により達成される。
【0008】
グリースに各種の添加剤を添加する場合、添加剤を適当な潤滑油で希釈、もしくは潤滑油に溶解させて基油に添加することが多い。例えば、多くのグリースに必須添加剤として添加される防錆剤では、有機スルフォン酸金属塩を潤滑油で希釈しているものが主流となっており、通常、製品のハンドリング性を向上させる理由から潤滑油として低粘度潤滑油が使用されている。この低粘度潤滑油として、ISOVG10グレードの鉱油や、2量体の分子構造を多く含むポリαオレフィン油が主に使用されている。
【0009】
しかし、このような低粘度潤滑油には、アルキル鎖長がC15〜C20程度の低級炭化水素系成分が多く含まれており、これらがHDD用軸受の使用環境温度下で容易に蒸発してアウトガスとなる。そこで、本発明においては、希釈用もしくは溶解用潤滑油を必要としない防錆剤を用いることにより、グリースからのアウトガスの発生を抑える。
【0010】
また、好ましくは、基油の40℃における動粘度が30〜150mm/sとすることにより、基油からのアウトガスの発生もより低減する。それとともに、低トルク化も図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の転がり軸受に関して詳細に説明する。
【0012】
本発明において、転がり軸受自体の構造は特に制限されるものではなく、例えば図1に示す玉軸受を例示することができる。この玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と、内周面に外輪軌道3を有する外輪4との間に、複数個の転動体である玉5を保持器7により転動自在に保持して概略構成されている。そして、内輪2、外輪4及び玉5で形成される軸受空間に後述されるグリース(図示せず)が充填され、シール6により封止される。尚、グリースの封入量は、従来と同様で構わない。
【0013】
グリースの基油は、鉱油、合成炭化水素油、エステル油から選ばれる。これらは単独でも、複数種を組み合わせて使用してもよい。また、各油は何れも公知のものを使用できるが、以下にそれぞれの好ましい例を示す。
【0014】
鉱油として、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等を挙げることができる。また、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。
【0015】
合成炭化水素油として、例えば、ポリα−オレフィン油(PAO)等を挙げることができる。
【0016】
エステル油として、例えば、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるトリエステル油、多価アルコールと一塩基酸との反応から得られるヒンダードエステル油、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等を挙げることができる。
【0017】
また、基油は、40℃における動粘度が30mm/s以上150mm/s以下であることが好ましい。従って、上記に挙げた鉱油、合成炭化水素油、エステル油を単独使用する場合には、動粘度がこの範囲を満足するものを選択することが好ましく、また混合して使用する場合には、動粘度がこの範囲を満足するように混合比等を調整することが好ましい。基油の40℃における動粘度が、30mm/s未満では基油自体からアウトガスが発生しやすくなり、一方、150mm/sを超えると低トルク化を実現し難くなる。
【0018】
また、基油として、C12〜C20のアルキル鎖が誘導された(ジ)アルキル(ポリ)フェニルエーテル油等のエーテル油、アルキル鎖が誘導されたアルキルナフタレンも使用することができる。これらは、蒸気圧が10−3Torr以下と低く、40℃における動粘度が30mm/s未満であっても使用可能である。
【0019】
増ちょう剤は、耐熱性に優れることからウレア化合物を用いる。特に、ジウレアやトリウレア、テトラウレア等のポリウレア化合物が好ましい。また、増ちょう剤の配合量は、上記基油とグリース性状を維持できる範囲であれば制限されるものではなく、5〜35重量%が適当である。
【0020】
上記グリースには、有機脂肪酸、有機脂肪酸の誘導体、有機脂肪酸の塩、アミン誘導体から得らばれる防錆剤が、必須成分として添加される。これらは何れも希釈用あるいは溶解用の潤滑油を必要としないことから、低級炭化水素ガスを発生せず、低アウトガス化を図ることができる。
【0021】
有機脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸等のカルボン酸、アルケニルコハク酸やアルキルコハク酸等のジカルボン酸を挙げることができる。有機脂肪酸誘導体としては、例えば、ジカルボン酸の部分エステルや多価アルコールのカルボン酸部分エステル等を挙げることができる。アミン誘導体としては、例えば、アルコキシフェニルアミン、二塩基性カルボン酸の部分アミド等を挙げることができる。これらは、単独でも、複数種を混合して添加してもよく、その添加量はグリース全量の0.5〜5重量%が好ましい。添加量が0.5重量%未満では十分な防錆作用が付与されず、5重量%を超える場合にはトルク上昇を引き起こしたり、相対的に基油等の量が減り、潤滑性能にも悪影響を及ぼすようになる。、
【0022】
また、グリースには、上記防錆剤の他に、必要に応じて、従来よりグリースに添加されている各種の添加剤を添加してもよい。添加量としては、グリース全量の0.5〜10重量%が適当である。中でも、酸化防止剤を添加することにより、防錆剤の効果をより高めることができる、酸化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン等の含窒素化合物系酸化防止剤や、ヒンダードフェノール等のフェノール系酸化防止剤を好適に使用できる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を明確にするが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0024】
(実施例1〜3、比較例1)
表1に示すように、防錆剤、基油等を配合して、各供試グリースを調製した。尚、各供試グリースには、増ちょう剤としてジウレア化合物、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を規定量添加した。そして、下記に示す試験に供した。
【0025】
【表1】
Figure 2004092722
【0026】
(1)蒸発減量試験
30mm×95mm平方の鋼板に供試グリースを膜厚1mmに塗布し、100℃で24時間放置した後計量し、塗布直後の値との比較から蒸発減量を求めた。結果を図1に示すが、基油動粘度が30mm/s(40℃)以上の範囲で蒸発減量が少なくなっていることがわかる。
【0027】
(2)潤滑油移着試験
密閉容器の中央に磁気ディスク、その近傍に供試グリース1gを入れたシャーレをそれぞれ置き、密閉容器を70℃に保ち、70℃に達した時点から24時間放置した。その後、磁気ディスクを取り出し、磁気ディスク表面を実体顕微鏡(100倍)で観察を行い、潤滑油付着の有無を確認した。尚、試験は、供試グリース当たり5回行った。結果を表1に併記するが、本発明に従う実施例1〜3の供試グリースでは潤滑油の付着が皆無であるのに対し、比較例1の供試グリースでは潤滑油の付着が5回中3回認められた。
【0028】
(3)低速回転トルク試験
鉱油とPAOとの混合油からなり、40℃における動粘度の異なる基油に、増ちょう剤としてウレア化合物、防錆剤としてソルビタントリエート、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤を加えて供試グリースを調製した。そして、試験軸受として図1に示す構造の深溝玉軸受を用い、これに供試グリースを(  )g充填し、室温にて2min−1で回転させ、低速回転トルクを測定した。結果を図2に示すが、基油動粘度が30〜150mm/s(40℃)の範囲で、基準値(1.5×9.8×10−5N・m)を下回っている。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アウトガスの発生が少なく、低トルクの、特にHDDに適した転がり軸受が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一例(玉軸受)を示す断面図である。
【図2】実施例で得られた基油動粘度と蒸発減量との関係を示すグラフである。
【図3】実施例で得られた基油動粘度と回転トルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内輪軌道
2 内輪
3 外輪軌道
4 外輪
5 玉
6 シール
7 保持器

Claims (2)

  1. 内・外輪の間に保持器を介して複数個の転動体を保持して構成され、鉱油、合成炭化水素油及びエステル油の中から選択される少なくとも1種を基油とし、ジウレア化合物を増ちょう剤とし、更に有機脂肪酸、有機脂肪酸の誘導体、有機脂肪酸の塩及びアミン誘導体の中から選択される少なくとも1種を防錆剤として含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
  2. 基油の40℃における動粘度が30〜150mm/sであることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
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