JP2004091283A - 焼成発泡軽石の製造方法および製造装置 - Google Patents

焼成発泡軽石の製造方法および製造装置 Download PDF

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袖山 研一
Kazuto Hamaishi
濱石 和人
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Abstract

【課題】南九州の天然軽石を原料として、かさ比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法及びその製造装置を提供する。
【解決手段】2〜15mmの南九州産の天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成発泡して得られるゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を炉筒横に設けた軽石回収装置で回収し、サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置で焼成発泡微小軽石を回収することからなる。内燃式流動床炉の熱媒体として、原料である天然軽石を用いることを特長としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、南九州の天然軽石を原料として、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽石を焼成する技術として、特開昭48−85619号に石川県金沢市に産出する流紋岩系軽石をロータリーキルンで800〜900℃に加熱して、数倍に膨張させ、かさ比重0.06〜0.1程の発泡軽量材を製造する方法が開示されている。その流紋岩系軽石の焼成前のかさ比重は0.6〜0.85程度であり、ロータリーキルンを用いた焼成発泡により、約6倍以上の軽量化を起こしている。また、特開昭49−58090号に天然軽石を水洗攪拌機等により洗滌して付着土を篩分けした後、乾燥炉で乾燥を施し、粒度区分して加熱発泡させ、吸油軽砂の製造法が開示されている。その実施例において、金沢市郊外に産出する流紋岩系天然軽石の砂を用いて、電気炉で1120℃で焼成し、かさ比重0.1〜0.11の軽砂を製造している。
【0003】
特公昭51−22922号では、高温流動層を用いて高温発泡物質を製造する方法が提示されており、火山灰原料を穴径2mmの目皿を通して供給し、焼成発泡後、流動化ガスに随伴させて、サイクロンで製品を回収している。
本発明者らの提案した方法(特許第2562788号、特許第3028474号、特願2001−180848号)は、製造工程の簡素化と内燃式熱媒体流動床炉の自動温度制御及び複数のサイクロン集塵装置との連結により、中空ガラス球状体を得ることに成功している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
鹿児島県、宮崎県に多く分布する天然軽石として、シラスに含まれる軽石(シラスは火砕流堆積物のことを指す)、大隅降下軽石(鹿児島県の大隅半島に産出する降下軽石)、ボラ(霧島山起源の降下軽石。宮崎県ではひゅうが土、ひゅうがボラともいう)が有名であり、大隅降下軽石とボラが工業材料や園芸用として全国に出荷されている。しかしながら、この南九州の平均粒径2mm以上の天然軽石は、石川県の軽石よりも著しく焼成発泡し難く、従来技術のロータリーキルンまたは電気炉を用いて800〜1120℃で焼成しても、平均粒径2mm以上でゆるみ見掛比重0.31以下の焼成発泡軽石を製造することができない。
【0005】
特公昭51−22922号に提示されている高温流動層では、火山灰原料の通過する目皿の穴径が2mmであり、流動層風函に爆発防止用の込物をしている部分を通過させる方式であるので、平均粒径2mm以上の天然軽石の供給すると直ぐに詰まってしまうので、平均粒径2mm以上の焼成発泡軽石の製造をすることができない。目皿の穴径を2mm以上にすると、天然軽石の供給とガス流量とのバランスをとることが難しい。
特許第2562788号、特許第3028474号、特願2001−180848号では、0.5mm以下のシラスを発泡させるものであり、平均粒径2mm以上の天然軽石を発泡させることは難しい。
【0006】
本発明は、南九州の天然軽石を原料として、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法及びその製造装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
天然軽石は、産地によって起源、化学組成、鉱物組成が異なるため、焼成による発泡特性が大きく異なることは少なくない。鹿児島県に産出するシラスに含まれる軽石と宮崎県に産出するボラは、石川県産の天然軽石に比べて、焼成による発泡性が著しく悪く、電気炉で800〜1120℃で焼成しても殆ど発泡しない。この理由は明確ではないが、強熱減量すなわち軽石に含まれる水分(構造水なども含む)が少ないため、発泡源の水分のガス化による膨張力が弱いこと、焼成時の粘性が高いことなどが考えられる。
【0008】
本発明者らは、南九州産の天然軽石を用いた焼成発泡技術について鋭意研究を重ねた結果、内燃式媒体流動床炉と独自の回収方法により、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法及びその製造装置に関する発明を完成するに至った。それは、下記構成の発明である。
【0009】
本発明のゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法は、南九州産の天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成し、発泡することからなる。
【0010】
焼成発泡軽石を連続的に製造する方法は、2〜15mmの南九州産の天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成発泡して得られるゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を炉筒横に設けた軽石回収装置で回収し、サイクロン集塵装置とバグフィルターで焼成発泡微小軽石を回収することからなる。焼成発泡微小軽石とは、平均粒径2mm以下の焼成発泡軽石のことである。
また、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の、2〜15mmの焼成発泡軽石は、新規な物質であり、これらの方法で得られたものに限定されるものではない。
【0011】
上記の焼成発泡軽石と焼成発泡微小軽石とを連続的に製造する方法は、内燃式流動床炉内に熱媒体としてゆるみ見掛比重1.2〜2.2で平均粒径1.5〜2mmのセラミックスボールまたは珪砂を添加することからなる。
【0012】
ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する装置が、上記のいずれかの方法を用いている。
【0013】
本発明におけるゆるみ見掛比重は、粉体または粒体のタッピングしない状態の単位体積(1cc)当たりの質量(g)の値である。静置した内容積100ccのカップに被測定物を入れ、カップの上の余分なものをブレードですりきったときの被測定物の質量(g)を100で割った値である。
【0014】
サイクロン集塵装置は、焼成発泡微小軽石を含む気流を旋回運動させ、粒子に遠心力を与えて、気流から焼成発泡微小軽石を分離回収する装置である。
【0015】
南九州のシラスに含まれる軽石、大隅降下軽石、ボラは、110℃乾燥後のゆるみ見掛比重が、約0.50〜0.42である。これらは、電気炉において800〜1120℃で焼成しても殆ど膨張せず、水分の脱水量の分しか軽量せず、焼き締まるだけで、ゆるみ見掛比重0.31以下にならなかった。
【0016】
同じくロータリーキルンを用いて800〜900℃で焼成したが、ゆるみ見掛比重0.31以下にならなかった。そこで、従来技術よりも急速に焼成することによって焼成発泡させることを目指して、発明者らの開発した内燃式媒体流動床炉を用いて900℃以上に急激に焼成する方法で検討を行った。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】
本発明によって焼成発泡軽石を製造する装置を図1に示す。本装置は、基本的に内燃式熱媒体流動床炉本体20と焼成発泡軽石回収装置15とサイクロン集塵装置21とバグフィルター集塵装置22からなる。天然軽石が原料ホッパー1から投入され、900℃〜1100℃の温度で急速に加熱されて発泡して、焼成発泡軽石になる。これが軽石回収装置15で捕集されて焼成発泡軽石回収容器2に回収される。スリット14と邪魔板16は、2mm以下の熱媒体を流動床に戻すためのものである。平均粒径2mm以下の焼成発泡軽石は、排気ガスに随伴されてサイクロン集塵装置21とバグフィルター集塵装置で排気ガスと分離され焼成発泡微小軽石回収容器3および4に回収され、排気ガスは排気ブロワー23により排出する。流動床の温度は、温度制御用熱電対12の温度によって、燃料ガス5と圧縮空気6の量を制御して、900〜1100℃に制御する。熱媒体13として、天然軽石または平均粒径1.5〜2mmのセラミックスボールまたは珪砂を用いる。目皿11の下には、爆発防止のために防爆用磁性ボールを詰めている。
【0019】
この内燃式熱媒体流動床炉とは、セラミックスボールなどの熱媒体が900℃以上で流動化している流動床を外熱方式でなく、プロパンガスなどの燃料ガスと圧縮空気からなる生ガスを流動床に導入して、熱媒体の自燃によって熱源を供給する方式の流動床炉である。本発明者らの提案した方法は、内燃式熱媒体流動床炉への火山ガラス原料を生ガス(燃料ガスと圧縮空気)に随伴させて流動床下部の目皿を通して供給する方式であるため、2mm以上の天然軽石を生ガスに随伴させることは極めて困難であり危険である。
【0020】
目皿11には通気孔が複数開けてあるが、その直径が2mm程度であり、しかも目皿下には爆発防止用に磁性ボール10を詰めてあるため、その隙間に原料が目詰まりしやすく、燃料ガスも供給困難になるため、炉の運転上極めて危険な状態に陥るという問題があり、平均粒径2mm以上でゆるみ見掛比重0.31以下の焼成発泡軽石を製造することは、極めて困難である。
【0021】
流動床炉の排気側から天然軽石を供給し、バグフィルター22出口から排気ブロワー23による吸引を行い、焼成発泡軽石を垂直に吸い出す方法を試みた。焼成発泡軽石を吸い出す程に強力に吸引力を増大すると、流動床炉内が負圧になり燃焼が不安定になったので、流動床内の負圧を緩和するために、原料ホッパー1を開放系にして空気を導入できるようにした。これにより、流動床炉の燃焼状態を安定化させることが可能になった。
【0022】
しかし、サイクロン集塵装置21で回収された焼成発泡軽石が、配管との接触や衝突による摩滅や分裂により微粉分が増大し、2mm以上の焼成発泡軽石の回収率が低下し、微粉分の除去作業の手間がかかるという問題が生じた。
【0023】
そこで、2mm以上の焼成発泡軽石製品の回収率を向上し、衝突による摩滅や分裂による微粉分を少なくする方法として、流動床炉の直ぐ上部の側面に軽石回収装置15を設けた。このことによって、排気ブロワー23による吸引力を下げることができ、軽石回収装置15で2mm以上の焼成発泡軽石製品の回収率を向上させることが可能となった。サイクロン集塵装置21は、焼成発泡軽石から焼成発泡微小軽石を分離、回収する働きのほかに、排気ガスの冷却効果によるバグフィルターの熱劣化を防止する働きがある。
【0024】
内燃式媒体流動床炉を用いて天然ガラスからガラス中空球体を製造する従来の技術では、目皿を通して流動床下から原料粉体を供給する方式であり、セラミックスボールや珪砂などの原料と異なる熱媒体を用いていた。本発明による内燃式流動床炉の熱媒体としては、原料である天然軽石を用いることを特長としている。天然軽石は耐熱性が高いので熱媒体としても作用する。本発明の内燃式流動床炉では、天然軽石が供給されるたびに、熱媒体として作用している一部の軽石が入れ替わり、焼成発泡して軽量化したものから軽石回収装置に回収される。
【0025】
ここで、原料の天然軽石が5mm以上の場合は、軽石同士の隙間が大きくなり、流動化ガス(空気と燃料ガスが燃焼したガス)が軽石を吹き飛ばして流動化させるための空気抵抗が小さくなるため、流動化が起こり難くなる。そこで、5mm以上の天然軽石を用いる場合には、5mm以下の軽石を原料に少し混ぜて投入する。あるいは平均粒径1.5〜2mmのセラミックスボールまたは珪砂を投入することもよい。このことによって、流動化し易くなり、焼成温度が安定し、所望の焼成発泡軽石を連続的に得ることが可能となる。
【0026】
流動床を安定して流動化させるために、焼成発泡軽石回収装置には熱媒体として働く平均粒径1.5〜2mmのセラミックスボールまたは珪砂などを流動床に循環させるためのスリット14と邪魔板16を設けた。これらの工夫により、安定した流動床を維持することが可能となった。
【0027】
この軽石回収装置で回収された焼成発泡軽石は、微粉分の付着が非常に少ないという優れた特長を有している。焼成発泡軽石の微粉分の少ない理由としては、上述の回収システムの他に、内燃式熱媒体流動床炉による吹き上げ方式の利点にある。微粉分の付着している天然軽石は、流動床内に供給されると同時に熱媒体からの強力な赤外線加熱と熱伝導により急激に昇温し、軽石内部や軽石表面で水蒸気爆発を起こし、軽石と微粉が乖離すると同時にそれぞれが焼成発泡する。焼成発泡した微粉分(焼成発泡微小軽石)は、ゆるみ見掛比重が小さく粒径も小さいので排気ガスの気流に随伴されて焼成発泡軽石と分離され、サイクロン集塵装置で回収される。
【0028】
以上のように独自の内燃式流動床炉で行い、独自の回収装置を組み合わせることにより、微粉分の少ない2mm以上の焼成発泡軽石を連続で製造できる装置を完成した。
【0029】
次に、流動床炉の燃焼条件と天然軽石の焼成発泡の関係を検討した。その結果、内径132mmの内筒からなる流動床部の燃焼温度900℃以下では、温度制御性が悪化した。また、1100℃以上では流動床部分で焼成発泡軽石同士の融着が起こりやすく、それ以上では実験を行わなかった。燃料ガス(ここではプロパンガス)と燃焼空気を合わせた混合ガス量45Nm3/h〜70Nm3/hの条件で安定して焼成発泡軽石を連続的に製造することができる。
【0030】
ゆるみ見掛比重0.31以下の焼成発泡した焼成発泡軽石を製造するためには、最も重要なのが焼成温度である。900〜1100℃の焼成温度域で、ゆるみ見掛比重0.31以下の焼成発泡軽石を連続的に製造することができる。
【0031】
天然軽石は、含水した自然状態よりも110℃で乾燥したものを用いた方が軽量化し、ゆるみ見掛比重0.31以下の焼成発泡軽石を製造できる。含水率が高い場合は、水分の急激な加熱膨張により軽石内部構造を破壊しやすいが、110℃乾燥で過剰な水分が除去されたことによって軽石の内部構造を破壊することなく軽石内部で部分的な発泡が起こり、密閉型気孔が形成される。
【0032】
本発明の内燃式流動床炉で南九州産の天然軽石を焼成発泡させた場合には、未乾燥品よりも乾燥したものの方がよく発泡する。この傾向は、石川県金沢市近郊の流紋岩系軽石は、特開平48−856149号の公開特許公報1ページ右側下から4〜3行に「未乾燥の含水状態のまま、ロータリーキルンに投入した場合乾燥後より更に倍率が高い様である」としていることと傾向が異なっている。
【0033】
平均粒径2mm以下の天然軽石を流動床炉の排気側から供給した場合、原料に2mm前後の天然軽石が含まれていれば、回収率は下がるものの平均粒径2mm以上の焼成発泡軽石を少量回収することができる。これ以外の平均粒径2mm以下の焼成発泡微小軽石は、サイクロン集塵装置やバグフィルター集塵装置で回収される。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
〔実施例1〕
熱媒体に平均粒径3mmの鹿児島県肝属郡串良町細山田産の天然軽石600gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、110℃で24時間乾燥した鹿児島県肝属郡串良町細山田産降下軽石(平均粒径3mm)を排気側から15.0kg/hの供給速度で60分間投入した。その結果、軽石回収装置において、ゆるみ見掛比重0.31、平均粒径3180μmの焼成発泡軽石を10950g回収した。サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置とで焼成発泡微小軽石を3070g回収した。
【0036】
〔実施例2〕
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール700gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、湿潤状態(含水率28.8%)の鹿児島県肝属郡串良町細山田産降下軽石(平均粒径6mm)を排気側から10.6kg/hの供給速度で100分間投入した。その結果、軽石回収装置において、ゆるみ見掛比重0.31、平均粒径6700μmの焼成発泡軽石を10692g回収した。サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置とで焼成発泡微小軽石を合わせて917g回収した。
【0037】
〔実施例3〕
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール700gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、110℃で24時間乾燥した鹿児島県肝属郡串良町細山田産降下軽石(平均粒径6mm)を排気側から9.8kg/hの供給速度で80分間投入した。その結果、軽石回収装置において、ゆるみ見掛比重0.28、平均粒径6730μmの焼成発泡軽石を10708g回収した。サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置とで焼成発泡微小軽石を合わせて910g回収した。
【0038】
〔実施例4〕
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール690gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、110℃で24時間乾燥した鹿児島県垂水市新城産降下軽石(平均粒径3mm)を排気側から17.8kg/hの供給速度で19分間投入した。その結果、軽石回収装置において、ゆるみ見掛比重0.31、平均粒径3200μmの焼成発泡軽石を3988g回収した。サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置とで焼成発泡微小軽石を合わせて1612g回収した。
【0039】
〔実施例5〕
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール700gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、300℃で16時間乾燥した鹿児島県肝属郡串良町細山田産降下軽石(平均粒径6mm)を排気側から9.0kg/hの供給速度で80分間投入した。その結果、軽石回収装置において、ゆるみ見掛比重0.26、平均粒径6760μmの焼成発泡軽石を9883g回収した。サイクロン集塵装置とバグフィルター集塵装置とで焼成発泡微小軽石を合わせて800g回収した。
【0040】
〔実施例6〕
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール690gを用いて950℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、110℃で24時間乾燥した鹿児島県垂水市新城産降下軽石(平均粒径1mm)を排気側から26.7kg/hの供給速度で18分間投入した。その結果、軽石回収装置でゆるみ見掛比重0.30、平均粒径2140μmの焼成発泡軽石を1567g回収した。サイクロン集塵装置において、ゆるみ見掛比重0.40、平均粒径1090μmの焼成発泡微小軽石を5856g回収し、バグフィルター集塵装置で焼成発泡微小軽石を388g回収した。
【0041】
【発明の効果】
以上の結果から、天然軽石から平均粒径2〜15mmでゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法とその装置を開発することに成功した。
【0042】
近年の環境志向と省エネルギー志向から、住宅、建材、塗料、プラスチック、自動車関連、陶磁器などの軽量フィラーとして、環境ホルモンやシックハウス症候群などの心配のない、これら軽石などの天然素材が見直されてきている。
【0043】
本発明によれば、従来技術で困難であった、工業的に水に浮揚する焼成発泡軽石を、一つの工場ラインで連続的に製造することが可能であり、世界中に賦存する天然軽石や南九州に大量に賦存する降下軽石やシラスなどの軽石流堆積物を用いて、世界中の市場で求められているより低比重の焼成発泡軽石を低コストで提供することが可能である。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】製造装置の概念図である。
【符号の説明】
1  原料ホッパー
2  焼成発泡軽石回収容器
3  焼成発泡微小軽石回収容器
4  焼成発泡微小軽石回収容器
5  燃料ガス
6  圧縮空気
10 防爆用磁性ボール
11 目皿
12 温度制御用熱電対
13 熱媒体
14 スリット
15 焼成発泡軽石回収装置
16 邪魔板
20 内燃式熱媒体流動床炉本体
21 サイクロン集塵装置
22 バグフィルター集塵装置
23 排気ブロワー

Claims (5)

  1. 南九州産の天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成し、発泡して得られるゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を連続的に製造する方法。
  2. 南九州産の天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成し、発泡して得られるゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石を、炉筒横に設けた軽石回収装置で回収し、サイクロン集塵装置とバグフィルターで回収することからなる焼成発泡軽石と焼成発泡微小軽石とを連続的に製造する方法。
  3. 内燃式流動床炉内に熱媒体としてゆるみ見掛比重1.2〜2.2で平均粒径1.5〜2mmのセラミックスボールまたは珪砂を添加することからなる請求項1または2の焼成発泡軽石と焼成発泡微小軽石とを連続的に製造する方法。
  4. 請求項1〜請求項3に記載のいずれかの方法を用いて、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石と焼成発泡微小軽石とを連続的に製造する装置。
  5. 2〜15mmの南九州産の天然軽石から得られるゆるみ見掛比重0.18〜0.31の、2〜15mmの焼成発泡軽石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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