JP2010037164A - 高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法 - Google Patents

高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用する原料の種類に関係なく、8MPaで1分間の静水圧浮揚率45%以上、真球度0.80以上をもつ高強度、高真球度のガラス質中空球を与えることができるように改良された新規なガラス質微細中空球の製造方法を提供する。
【解決手段】火山ガラス原鉱を、内燃式媒体流動床炉を用いて焼成することにより、ガラス質微細中空球を製造する方法において、火山ガラス原鉱から重鉱物を除去し、分級して得られる平均粒径15〜150μmの画分を、高温乾燥処理して、低温含水量0.1〜0.4%、高温含水量1.0〜1.8%に調整したものを原料とし、最初900〜1050℃の温度において、低温含水量がほとんど無くなるまで第一段焼成を行い、次いで得られた熱処理物をさらに1050〜1150℃の範囲内で、かつ第一段焼成の温度よりも高い温度で第二段焼成を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量フィラー材料として好適な高強度、高真球度ガラス質微細中空球を製造するための新規な方法に関するものである。
軽量フィラーの中で、ガラス質微小中空球は、軽量で耐熱性である上、等方性を示すため、マトリックス材料に異方性を与えず、耐衝撃性を付与することができ、流動性やハンドリング性にも優れているため、セメント系建築材料、紙粘土、プラスチックのフィラーとして多用されている(非特許文献1参照)。
このガラス質微小中空球の代表的なものであるシラスバルーンは、ガラス質火山噴出堆積物のシラスを焼成発泡させたものであるが、原料が容易に入手でき、比較的簡単に発泡できるため、開発されて以来、その製造方法が多数提案されている。
このシラスバルーンの製造方法としては、最初、電気炉やロータリーキルンを用いて焼成する方法が行われ、例えばシラスを分級して微粒区分を分離し、これを電気炉や外熱式ロータリーキルンにより800〜1200℃で10秒〜10分間熱処理したのち、水中における比重分離(以下、浮水分離と称す)又は空気分級することによる微細中空ガラス球状体の製造方法(特許文献1参照)が知られている。
その後、高温流動層を用いて発泡物質を製造する方法が開発され(特許文献2参照)、これを利用した内燃式熱媒体流動床炉を用いたガラス質微小中空球の製造方法が主流を占めるようになり、これまでに、火山ガラス質堆積物の微粒子と、この微粒子の親水性を減少させる親水性減少剤との混合物を流動層式加熱炉を用いて900〜1200℃で熱処理する微粒中空ガラス球状体の製造方法(特許文献3参照)、平均粒径20μm以下であって、40μm以上の粒分を25%以上48%以下含む火山ガラス原料を内燃式流動床炉で発泡させて得られる中空ガラス球状体を含む気流を、直列に連結した複数のサイクロンに供給してタッピングかさ密度0.25g/cm3以下、平均粒径20μm以下の中空ガラス球状体及び平均粒径の異なる2種類以上の中空ガラス球状体を連続的に製造する方法(特許文献4参照)、内燃式流動床炉内のセラミックスボールを用い、このセラミックスボールに燃料ガスと空気との混合ガスを供給し、この燃料ガスの燃焼熱でセラミックスボールを900℃以上まで昇温し、設定温度±3℃以内で温度制御を行うと同時に微粒中空ガラス球状体の原料粉体を前記混合ガスに随伴させて供給することにより微粒中空ガラス球状体を製造する方法(特許文献5参照)、天然軽石を内燃式熱媒体流動床炉の排気側から流動床に供給し、900〜1100℃で焼成し、ゆるみ見掛比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石の連続的製造方法(特許文献6参照)などがこれまでに提案されている。
しかしながら、従来の製造方法により火山噴出堆積物を原料として得られるガラス質中空球は、いずれも剪断力に対する耐性が小さく、樹脂やセメントなどにフィラーとして配合する場合、混合操作により崩壊しやすいという欠点がある。この解決策として微細化して耐圧性を高め、高強度化するという試みもなされているが、これまで十分に満足し得る結果は得られていない上に、使用する原料の種類により品質が一定しない。
「工業材料」、日刊工業新聞社発行、第42巻、1994年、p.102−111 特公昭48−17645号公報(特許請求の範囲その他) 特公昭51−22922号公報(特許請求の範囲その他) 特公平7−24299号公報(特許請求の範囲その他) 特開2002−338280号公報(特許請求の範囲その他) 特開平11−11960号公報(特許請求の範囲その他) 特開2004−91283号公報(特許請求の範囲その他) 特開平9−183612号公報(特許請求の範囲その他) 特開2007−320805号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、このような事情のもとで、使用する原料の種類に関係なく、一様に高強度で、高真球度のガラス質中空球を与えることができるように改良された新規なガラス質微細中空球の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、多種多様のガラス質火山噴出物のいずれを原料として用いても、従来のガラス質中空球に比べ、著しく高強度のガラス質中空球を得ることができる新規な方法を開発するために鋭意研究を重ねた結果、分級され、特定の粒度範囲をもつ画分の原料を、内燃式媒体流動炉を用いて焼成するに当り、異なった焼成条件での2段階焼成を行うことにより、その目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、火山ガラス原鉱を、内燃式媒体流動床炉を用いて焼成することにより、ガラス質微細中空球を製造する方法において、火山ガラス原鉱から重鉱物を除去し、分級して得られる平均粒径15〜150μmの画分を、高温乾燥処理して、低温含水量0.1〜0.4%、高温含水量1.0〜1.8%に調整したものを原料とし、最初900〜1050℃の温度において、低温含水量がほとんど無くなるまで第一段焼成を行い、次いで得られた熱処理物(以下、第一段焼成粉体という)をさらに1050〜1150℃の範囲内で、かつ第一段焼成の温度よりも高い温度で第二段焼成を行うことを特徴とする、8MPaで1分間の静水圧浮揚率45%以上、真球度0.80以上をもつ高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法を提供するものである。
本発明方法において用いる火山ガラス原鉱としては、通常のシラスバルーンの製造に用いているシラス、例えば加久藤シラス、吉田シラスのほか、ガラス質中空球の製造原料としてシラスと同様に用いられている中野白土、美瑛白土のような風化火山灰、黒曜石、真珠岩、松脂岩、天然軽石、ボラ、コラなどの火山噴出物がある。本発明方法によれば、重鉱物が多く含まれるためシラスバルーンの原料として不適とされていた南九州のシラス台地を形成するシラスなどの火砕流堆積物を用いることができる。そのほか、火山ガラスを主成分とする風化した降下軽石からなる鹿沼土や南九州の鹿屋土等も同様に用いることができる。
一般に、火山ガラス原鉱は、低温含水量(室温から200℃までの脱水量)で0.3〜13%、高温含水量(200℃から800℃までの脱水量)で1.8〜6.0%という広い温度範囲にわたる異なった含水量を有している。ここで、低温含水量とは、熱重量分析において昇温速度10℃/分で室温から200℃までに蒸散する脱水量のことであり、高温含水量とは、同じく200℃から800℃までに蒸散する脱水量のことである。
この中で低温含水量は、発泡源としてほとんど寄与せず蒸発熱を奪うだけで発泡効率を低減させるので、ロータリーキルン、流動層乾燥器、振動乾燥器、気流乾燥器、赤外乾燥器などの各種高温乾燥器などであらかじめ高温乾燥処理を施して、これを低減させておくのが好ましい。
また、高温含水量は、発泡源として作用し、多すぎると焼成時に過発泡の原因となるので、高温乾燥処理によって1.8%以下に低減させなければならない。もし、高温含水量が1.8%より多い場合は、内燃式媒体流動床炉による焼成で、過発泡し、従来のシラスバルーンやパーライトと同様な多泡構造で低強度のガラス質微細中空球が製造されることになる。この第一段焼成で、発泡して多泡構造を形成してしまうと、二回目(第二段)の焼成でも、ガラス質微細中空球の内部構造を単泡構造に変質させることは非常に困難であるので、高温乾燥処理によって1.8%以下に低減させることが極めて重要である。
他方、逆に高温含水量が少なすぎると第一段焼成後の第二段焼成の段階で発泡し難くなるので、高温乾燥処理の熱負荷の目安としては、原料の高温含水量を1.0%以上にしておく必要がある。
しかし、高温乾燥処理によって高温含水量を1.8%以下に調整した原料は、内燃式媒体流動床炉を用いて、焼成温度950〜1050℃で焼成(第一段)しても発泡はほとんど起こらない。これは、原料と焼成後の粉体を電子顕微鏡で観察した結果、元の形状と違いが無いことから分かる。
この焼成温度950〜1050℃の焼成して得た第一段焼成粉体は、低温含水量はゼロで、高温含水量も1.0%以下に低減している。このため、第一段焼成と同じ条件で更にもう一度焼成してもほとんど発泡しない。しかしながら、媒体流動床炉での熱負荷を大きくした条件すなわち、熱媒体量を第一段焼成時よりも多くして、例えば熱媒体の静止層高を100〜300mmにして、かつ、第一段焼成より高い温度で焼成(第二段焼成)すると、驚くべきことに、真球度が高く単泡構造を有する高強度のガラス質微細中空球が効率よく製造できる。
このようにして条件を変えた2段階焼成(以下変則2段焼成という)によるガラス質微細中空球の実験を繰り返し行った結果、真球度が高く単泡構造を有する高強度のガラス質微細中空球を製造するためには、第一段焼成では発泡させずに、第二段焼成段階で発泡させることが重要であることが分った。
このように、第一段焼成では、高温乾燥処理して高温含水量を調整した原料の高温含水量に応じて、内燃式媒体流動床炉を用いて焼成温度を低く(900〜1050℃)して、発泡を極力抑えた条件で焼成する必要がある。また、第二段焼成においては、第一段焼成よりも熱負荷を大きくした条件(熱媒体の静止層高100〜300mm)で、しかも焼成温度を第一段焼成条件より50〜200℃高い温度で焼成した方が、所望のガラス質微細中空球を高収率で得ることができる。そして、原料の高温含水量が0.4%未満であると第二段焼成で発泡し難くなるので、原料の高温含水量を0.4%以上にしておくことが必要である。
したがって、本発明方法においては、火山ガラス原鉱から、先ず粒径1mm以上の重鉱物を除去して分級して得られる平均粒径15〜150μmの画分について発泡源として必要な高温含水量を適正範囲内に維持したまま、低温含水量を減少させるような条件下で、高温乾燥処理を行うのが好ましい。この高温乾燥処理は、例えば250〜790℃の温度で、1分〜7時間高温乾燥することによって行われる。
通常、この高温乾燥処理によって、低温含水量0.1〜0.4%、高温含水量1.0〜1.8%に調整される。
上記の火山ガラス原鉱について、高温乾燥処理に先立って行われる分級は、分級に際して慣用されている手段を用いて行えばよく、特に制限はない。このような分級手段としては、振動ふるいによるふるい分け、風簸による分級などがある。
本発明方法においては、上記のようにして得られた平均粒径15〜150μmを有し、低温含水量0.1〜0.4%、高温含水量1.0〜1.8%に調整された火山ガラス原料を、内燃式媒体流動床炉を用いて条件の異なる2段階で変則2段焼成することが必要である。
本発明方法によると、通常、単泡中空構造と多泡中空構造のものとの混合したものを生じるが、高温乾燥処理により、低温含水量を0.10〜0.15%、高温含水量を1.55〜1.75%に調整したものを用いると、ほとんど単泡中空構造を有するもののみからなる微細中空球を製造することができる。
したがって、第一段の焼成は、焼成温度900〜1050℃、好ましくは950〜1050℃の範囲内の温度で、第二段の焼成は、第一段焼成よりも熱負荷を大きくした条件、すなわち熱媒体の静止層高を100〜300mmにして行い、第二段の焼成温度を第一段の温度よりも25〜250℃、好ましくは50〜200℃高い温度で、すなわち1050〜1150℃、好ましくは1050〜1130℃の範囲内の温度で焼成するのがよい。内燃式媒体流動床炉は、その焼成温度が900℃未満では、完全燃焼しにくくなり異常爆発が起こって安定した高温の流動状態が形成しにくくなる。一方、1150℃より高い温度で焼成すると火山ガラス原料が溶融し易くなり熱媒体に付着して流動床が閉塞しやすくなるという問題が生じる。
上記の第一段の焼成は、火山ガラス原料中の低温含水量がほとんど失われ、高温含水量が0.4〜1.1%、好ましくは0.5〜1.0%になるまで行われ、第二段の焼成は、高温含水量が0.0〜0.4%になるまで行われる。内燃式媒体流動床炉において、それに要する処理は、いずれも1秒以下の極短時間で完了する。
このようにして、平均粒径20〜300μm、8MPaで1分間の静水圧浮揚率45〜80%、真球度0.80〜0.95の高強度、高真球度のガラス微細中空球が得られる。
この場合の燃焼空気の供給流量としては、通常40〜60Nm3/時の範囲が選ばれる。
次に、添付図面に従って、本発明方法をさらに詳細に説明する。図1は、本発明方法の実施態様を示す断面略解図であって、あらかじめ重鉱物を除去された平均粒径15〜150μmの火山ガラス原料は、原料ホッパー1に充填され、スクリューフィーダー2により、原料供給管3を通って、燃料ガス供給管4から送られる燃料ガス、例えばLPガスと空気の混合生ガスともに内燃式媒体流動床炉8の底部から導入される。この燃料ガスには、ブロアー5により空気調節器6を経てインゼクションフィーダ7で高圧空気が圧送される。火山ガラス原料は、インゼクションフィーダー7で、高圧空気に触れて粒子がばらばらに分散されて、混合ガスで搬送される。
この内燃式媒体流動床炉8は、分配板9により上下に区分され、上部には熱媒体10、下部には逆火防止用の磁性ボール11が充填されている。この熱媒体としては、直径2.0〜3.5mmの耐熱性セラミック、例えばムライト製ボールが用いられるが、本発明においては、火山ガラス原鉱から、あらかじめ除去された粒径1mm以上の重鉱物から分別されたものや粒径1.7mm以上のムライト破砕物を用いることもできる。また、分散板9としては、耐食、耐熱性の金属、例えばステンレス鋼の厚さ2〜8mmの板状体に、直径1.5〜5mmの孔を開孔比2〜5%の割合で穿孔した多孔板が用いられる。
混合生ガスは、分散板上であらかじめ高温に予熱されている熱媒体に接触させ、瞬間的且つ爆発的に着火燃焼することによって、熱媒体が未燃焼時よりも激しく流動化し、流動状態と高温を維持する熱源となる。流動床炉の温度は、熱媒体に接触させた熱電対12によりモニターし、設定温度に応じて燃料ガス調節器13により流量を調節することによって設定温度±5℃以下の温度制御を達成している。
火山ガラス原料は、混合ガスで搬送されて分散板9を通過して、900℃以上で温度制御されている流動床炉8中で、粒子がばらばらに分散して高温の熱媒体や燃焼ガスからの強烈な赤外線にさらされ、燃焼ガスと共に排出されるまでの僅か1秒以内で、燃焼ガスや熱媒体との急激な熱交換が行われ、瞬間的に火山ガラス原料が軟化すると同時に、ガラス内部に含まれている水分が水蒸気爆発のごとくガス化(水蒸気化)して、瞬時に焼成発泡してガラス質微細中空球が形成される。
得られたガラス質微細中空球は、燃焼ガスに搬送されて取出管14を経て、サイクロン15により気流と分離されて製品ホッパー16に捕集される。
高温含水量が1.8%以下に調整された火山ガラス原料を用いた場合には、流動床炉8を通過しても発泡しないが、この場合でも第一段焼成で熱処理された第一段焼成粉体が燃焼ガスに搬送されて取出管14を経て、サイクロン15により気流と分離されて製品ホッパー16に捕集される。
図中の17は断熱材、18、19は開閉バルブである。図中の20は、爆発防止用の防爆弁である。
焼成温度900〜1050℃の第一段焼成で、製品ホッパー16に捕集された第一段焼成粉体は、開閉バルブ19から一旦取り出す。それを、もう一度原料ホッパー1に供給し、今度は焼成条件を変えて、熱媒体の静止層高を100〜300mmにして、焼成温度1050〜1150℃で第二段焼成を行い、はじめて焼成発泡してサイクロン15により気流と分離されて製品ホッパー16にガラス質微細中空球が捕集される。
図1と同じ構造を有する内燃式媒体流動床炉を第一段焼成用と第二段焼成用の二基を用意して、第一段焼成用装置の開閉バルブ19から取り出した第一段焼成粉体を第二段焼成用装置の開閉バルブ18を通じて原料ホッパー1に供給することによって連続製造することもできる。
この流動床炉の温度は、上記の燃料ガス供給速度を熱電対のモニター温度に応じて調節することによって、一段焼成の900〜1050℃及び二段焼成の1050〜1150℃の範囲内に制御することができる。また、本発明方法においては、火山ガラス原料の供給量に応じて空気の供給量をあらかじめ適正な値に固定した上で、燃料ガスの供給量を熱電対のモニター温度に応じて調節することが好ましい。流動床の静止層高は、所定の焼成条件に応じて、30〜300mmの範囲内に調節して行うのが好ましい。
このようにして、粒径10〜300μmの中空球構造を有し、真球度が0.80以上、8MPaで1分間の静水圧浮揚率45%以上に相当する耐圧強度をもつ新規なガラス質微細中空球が、火山ガラス原鉱の種類や供給量に基づき、25%以上の回収率で得ることができる。
従来の粒径30〜300μmのガラス質中空球は、いずれも真球度が0.80未満であり、8MPaで1分間の静水圧浮揚率は41%以下であることからみて、本発明方法により、このような高真球度、高強度のガラス質中空球が得られたことは、全く予想外のことであった。
また、従来のガラス質単泡中空球は、殻壁の膜厚は1μm以下であるのに対し、上記のガラス質微細中空球は平均1.4〜3.8μmという厚い殻壁を有している点でも両者の間に明らかに構造上の差異が認められる。更に、本発明によれば、3.8μm以上の膜厚のガラス質微細中空球を製造することも可能である。
なお、本発明において耐圧強度を示すファクターとして用いている8MPaで1分間の静水圧浮揚率とは、VSI研究会発行「新時代を築く火山噴出物」のVSI研究会規格に記載されているシラスバルーンの耐圧強度を示すファクターであって、シラスバルーンの耐圧強度を表わす実用化されている規格として唯一のものである。以下の方法により測定されるものである。
内径20.0±0.5mm、高さ70.0±0.5mm、透明プラスチックパイプの上下に、JIS Z 8801の呼び寸法32μm網ふるいを当接して形成された試料容器に、所定量の試料を装入し、これを試料容器の1.2倍以上の有効高さを有する水を満たした耐圧容器中に沈める。
次いで、耐圧容器を密閉し、1分間以上かけて、その内部圧力を8MPaまで昇圧し、そのまま1分間以上保持したのち、耐圧容器を開放し、試料容器を取り出す。次に試料容器の内容物すべてを浮沈分離器に移し、浮揚物と沈降物が完全に分離した後、浮揚物を、るつぼ形ガラスろ過器に流し入れ、吸引ろ過する。次いで、このるつぼ形ガラスろ過器を105±2℃で8時間以上乾燥する。この操作を2回繰り返す。それぞれについて次の式に従って、静水圧浮揚率H(質量%)を求め、2回の測定値を平均して8MPaで1分間の静水圧浮揚率とする。
H=[(m1−m0)/S]×100
ただし、m1は、ガラスろ過器及び水中浮揚試料の全質量(g)、m0は空のガラスろ過器の質量(g)、Sは試料の質量である。
本発明方法によると、従来方法では得ることができなかった高強度、高真球度の微細ガラス中空球を得ることができるので、例えば微細ガラス中空球をフィラーとして用いる場合の利用範囲を著しく拡大することができる。
また、本発明よれば、第一段焼成粉体又は第二段焼成した後の熱処理物を浮水分離して得られた水沈降物は、従来技術では発泡に失敗した物として廃棄処分されていたが、その高温含有水分が0.4〜1.1%ならば、本発明における第二段焼成と同じ条件又は更に熱負荷を大きくした条件(熱媒体の静止層高を100〜300mmにして、焼成温度を前回より50〜200℃高くする)で焼成すれば、真球度が高く単泡構造を有する高強度のガラス質微細中空球を製造することができる。
次に、実施例により、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
なお、各例においては、内燃式媒体流動床炉として、内径129mm、高さ1.8mのステンレス鋼製円筒容器内に、厚さ4.0mmのステンレス鋼板に直径1.7mmの孔を開孔比2.9%で設けた分散板を配置し、底部の風箱部に防爆用の直径26〜31mmの磁性ボールを装填したものを用いた。熱媒体には、伊藤忠セラテック製の粒径1.7〜2.8mmのムライト破砕物を用いた。
実施例1〜5
表1に示したガラス原料を用い、表1に示した焼成条件により2段焼成した。得られた火山ガラス微細中空体の物性を表1に示す。
この表から分るように、本発明方法により得られたガラス質微細中空球は、いずれも8MPaで1分間の静水圧浮揚率は45%以上であり、真球度は0.80以上であった。
なお、実施例2で得られたガラス質微細中空球の表面SEM写真を図2に、断面SEM写真を図3に、また実施例3で得られたガラス質微細中空球の表面SEM写真を図4に、断面SEM写真を図5に、実施例4で得られたガラス質微細中空球の表面SEM写真を図6に、断面SEM写真を図7にそれぞれ示す。
比較例1
実施例2において、300℃で6時間の高温乾燥処理を行わなかった宮崎県えびの市加久藤産の火山ガラス原料を、熱媒体として伊藤忠セラテック製の粒径1.7〜2.8mmのムライト破砕物1.5kg(静止層高77mm)の条件のもと焼成温度1050℃で第一段焼成処理のみを行って得た生成物を水分離したガラス質微細中空球の表面SEM写真を図8に、断面SEM写真を図9に示す。ほとんどの粒子が多泡構造をしていることが分かる。その8MPaで1分間の静水圧浮揚率及び真球度を測定したところ、それぞれ35.0%及び0.78であった。
比較例2
実施例3において、300℃で6時間の高温乾燥処理を行った宮崎県えびの市加久藤産の火山ガラス原料を、熱媒体として伊藤忠セラテック製の粒径1.7〜2.8mmのムライト破砕物1.5kg(静止層高77mm)の条件のもと焼成温度950℃の第一段焼成のみを行って得た第一段焼成粉体の表面SEM写真を図10に示す。いずれの粒子も発泡の痕跡が無く、火山ガラス原料を300℃で6時間の高温乾燥処理を行って高温含水量を1.6%以下にすると、950℃の第一段焼成を行っても発泡しなくなることが分かる。
参考例
参考のために、市販されているシラスバルーンの8MPaで1分間の静水圧浮揚率、真球度及び形状を表2に示す。
このように、市販されているシラスバルーンは、形状が不均一であり、ほとんどが多泡状である上、いずれも静水圧浮揚率は41%以下で殻壁の膜厚は総じて1μm以下であって非常に薄く、真球度は0.80未満である。
本発明は、軽量フィラー材料として好適なガラス質微細中空球の製造方法として有用である。
本発明方法の実施態様を示す断面略解図。 実施例2で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡表面写真図。 実施例2で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡断面写真図。 実施例3で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡表面写真図。 実施例3で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡断面写真図。 実施例4で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡表面写真図。 実施例4で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡断面写真図。 比較例1で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡表面写真図。 比較例1で得られたガラス質微細中空球の電子顕微鏡断面写真図。 比較例2で得られた第一段焼成粉体の電子顕微鏡表面写真図。
符号の説明
1 原料ホッパー
2 スクリューフィーダー
3 原料供給管
4 燃料ガス供給管
5 ブロワー
6 空気調節器
7 インゼクションフィーダ
8 内燃式媒体流動床炉
9 分散板
10 熱媒体
11 磁性ボール
12 熱電対
13 燃料ガス調節器
14 取出管
15 サイクロン
16 製品ホッパー
17 断熱材
18、19 開閉バルブ
20 防爆弁

Claims (4)

  1. 火山ガラス原鉱を、内燃式媒体流動床炉を用いて焼成することにより、ガラス質微細中空球を製造する方法において、火山ガラス原鉱から重鉱物を除去し、分級して得られる平均粒径15〜150μmの画分を、高温乾燥処理して、低温含水量0.1〜0.4%、高温含水量1.0〜1.8%に調整したものを原料とし、最初900〜1050℃の温度において、低温含水量がほとんど無くなるまで第一段焼成を行い、次いで得られた熱処理物をさらに1050〜1150℃の範囲内で、かつ第一段焼成の温度よりも高い温度で第二段焼成を行うことを特徴とする、8MPaで1分間の静水圧浮揚率45%以上、真球度0.80以上をもつ高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法。
  2. 第一段焼成を950〜1050℃で、第二段焼成を1050〜1130℃で行う請求項1記載の高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法。
  3. 燃焼空気を40〜60Nm3/時で供給して行う請求項1又は2記載の高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法。
  4. 高温乾燥処理して、低温含水量0.10〜0.15%、高温含水量1.55〜1.75%に調整した原料を用い、単泡中空構造のものを得る請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度、高真球度ガラス質微細中空球の製造方法。
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