JP5194202B2 - 高強度ガラス質バルーンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、真珠岩、黒曜石、松脂岩のような発泡性鉱物を原料として、高強度の微細ガラス質中空球、すなわちガラス質バルーンを製造する方法に関するものである。
真珠岩、黒曜石、松脂岩のような天然ガラス質鉱物は、水分を含有し、加熱発泡性を有するので、ガラス質バルーンの製造原料として用いられている。
そして、これまで、このような天然ガラス質鉱物を用いてガラス質バルーンを製造する方法として、黒曜石の粉粒体をあらかじめ600〜900℃において2〜60分加熱したのち、1000℃に加熱したマッフル炉中に投入し、加熱発泡させる方法(特許文献1参照)、一定範囲に粒度調整した真珠岩又は松脂岩を100〜400℃で予熱し、外熱方式の炉により、第一ゾーン900〜1100℃、第二ゾーン850〜1100℃、第三ゾーン500〜1000℃で発泡させることにより、黒曜岩粒状発泡パーライトと同等若しくはそれ以上の建材用低吸水性粒状パーライトを製造する方法(特許文献2参照)、真珠岩を原料として、本焼成段階で発泡反応を進行させたのち、続く仕上げ段階で原料粒子の表面での溶融、焼結反応を進行させることにより、絶乾比重1.2以下、24時間吸水率5重量%以下、飽和吸水率10重量%以下、圧壊強度800N以上の人工骨材を製造する方法(特許文献3参照)、黒曜石、真珠岩のような流紋岩質の非造粒岩石粒を原料として用い、粒径と含水量とを特定した粒子ごとに焼成温度を変えた仮焼成及び本焼成を行うことにより、平均粒径5mm以下、真球度0.7以上、圧縮強度25N/mm2以上の硬質発泡パーライトを製造する方法(特許文献4参照)などが提案されている。
特開昭58−99128号公報(特許請求の範囲その他) 特開平7−277851号公報(特許請求の範囲その他) 特開2001−19504号公報(特許請求の範囲その他) 特開2007−320805号公報(特許請求の範囲その他)
これまで、真珠岩、黒曜石又は松脂岩のような天然発泡性鉱物を原料としてガラス質バルーンを製造する場合、高強度、高真球度の製品を得るには、原料の粒径ごとに焼成条件を厳密に制御しなければならない上に、製品の強度、真球度を高めようとすれば、それに伴って収率が低下するのを免れなかった。
本発明は、上記のように、真珠岩、黒曜石、松脂岩を原料として用いた場合、原料の粒径ごとの焼成条件の制御を行うことなく、しかも高強度、高真球度の製品を収率の低下なしに得ることができるガラス質バルーンの製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、真珠岩、黒曜石、松脂岩のような天然発泡性鉱物、特に真珠岩を原料としてガラス質バルーンを製造する方法について種々研究を重ねた結果、原料鉱物をあらかじめ特定温度において高温乾燥して、その高温含水量を、比較的低い範囲内に調節したのち、比較的高い焼成温度で焼成した場合、高強度、高真球度のガラス質バルーンが高い収率で得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、真珠岩、黒曜石及び松脂岩から選ばれた原料鉱物を粉砕し、350〜500℃において高温乾燥して、高温含水量0.8〜1.8質量%、平均粒径15〜100μmの粉末を調製したのち、これを、内燃式媒体流動床炉を用いて、流動床の静止層高を50〜300mm、ガス流量30〜80Nm/時の条件下で、かつ原料鉱物粉末の供給量5〜40kg/hr、1090〜1145℃の範囲内の温度において焼成することを特徴とする、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率50%以上に相当する耐圧強度を有する高強度ガラス質バルーンの製造方法を提供するものである。
ここで、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率(%)とは、VSI研究会発行「新時代を築く火山噴出物」のVSI研究会規格に記載されているシラスバルーンの耐圧強度を示すファクターであって、シラスバルーンの耐圧強度を表わす実用化されている規格として唯一のものである。以下の方法により測定されるものである。
内径20.0±0.5mm、高さ70.0±0.5mm、透明プラスチックパイプの上下に、JIS Z 8801の呼び寸法32μm網ふるいを当接して形成された試料容器に、所定量の試料を装入し、これを試料容器の1.2倍以上の有効高さを有する水を満たした耐圧容器中に沈める。
次いで、耐圧容器を密閉し、1分間以上かけて、その内部圧力を8MPaまで昇圧し、そのまま1分間以上保持したのち、耐圧容器を開放し、試料容器を取り出す。次に試料容器の内容物すべてを浮沈分離器に移し、浮揚物と沈降物が完全に分離した後、浮揚物を、るつぼ形ガラスろ過器に流し入れ、吸引ろ過する。次いで、このるつぼ形ガラスろ過器を105±2℃で8時間以上乾燥する。この操作を2回繰り返す。それぞれについて次の式に従って、静水圧浮揚率H(質量%)を求め、2回の測定値を平均して8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率とする。
H=[(m1−m0)/S]×100
ただし、m1は、ガラスろ過器及び水中浮揚試料の全質量(g)、m0は空のガラスろ過器の質量(g)、Sは試料の質量である。
本発明方法においては、原料として天然ガラス質鉱物として知られている真珠岩、黒曜石又は松脂岩を用いる。これらはいずれも火山岩の1種であり、真珠岩と黒曜石はほぼ同じ性状を有し、一般に緻密な灰色、赤色、褐色又は黒色のガラス光沢を有する塊状の組織からなっている。
一方、松脂岩は、ピッチストンともいわれ、暗黒色、暗緑色、暗紫色の表面に割れ目を有する松脂光沢を有する緻密な組織からなる。これらの鉱物の平均化学組成及び密度を表1に示す。
この表から分るように、真珠岩、黒曜石及び松脂岩は、いずれも類似した組成を有し、焼成すると発泡してガラス質バルーンを形成するという共通した性質を有している。
本発明方法においては、これらの原料鉱物を、例えばローラーミルを用いて粉砕して粉末とし、そのまま原料として用いる。従来の方法においては、前述したように、得ようとする製品の品質に応じて粒度調整を行い、それぞれ処理条件を変える必要があったが、本発明方法においては、そのような粒度調整を行う必要はない。
本発明方法においては、上記の原料鉱物粉末を先ず高温乾燥して、高温含水量0.8〜1.8質量%、平均粒径15〜100μmの粉末を調製する。
この高温乾燥は、電気炉、熱風乾燥炉などを用い、350〜500℃という比較的高温に加熱することによって行われる。この高温乾燥は、乾燥物の高温含水量が0.8〜1.8質量%、好ましくは1.0〜1.7質量%になるまで所定の保持時間で行う必要がある。
一般に、真珠岩及び黒曜石は0.5〜1.5質量%の低温含水量、2.5〜5.0質量%の高温含水量、松脂岩は1.0〜2.0質量%の低温含水量、5.0質量%以上の高温含水量を有している。
ここで、低温含水量とは、熱重量分析において昇温速度10℃/分で室温から200℃までに蒸散する脱水量を、高温含水量とは、同じく200℃から800℃までに蒸散する脱水量を意味する。
そして、低温含水量は、発泡源としてほとんど寄与せず、蒸発熱を奪うだけで、発泡効率を低減させるものであるのに対し、高温含水量は、発泡源としての役割を果たすものである。
したがって、本発明方法においては、特に高温含水量に着目し、高温乾燥により0.8〜1.8質量%の範囲に調整する。この高温含水量が発泡源として働くので1.8質量%よりも多い場合は、後続の焼成工程で過発泡を生じる結果、膜厚の非常に薄い多泡状バルーンとなり、強度が低下する。また高温含水量が0.8質量%よりも少ない場合は、発泡が不十分となり、高強度、高真球度のガラス質バルーンを高収率で得ることができない。
この高温含水量を低減させるための高温乾燥での保持時間は、加熱温度が高いほど短時間で済み、原料鉱物の粒径が小さいほど短時間で済むので、粉砕処理後に高温乾燥することが望ましい。
このようにして得たガラス質バルーン原料を、例えばふるい分け、空気分別などの手段で分級し、平均粒径10〜110μm、好ましくは15〜100μmの画分を捕集し、後続の焼成工程に供給する。
本発明方法においては、上記のようにして調製したガラス質バルーン原料を、1090〜1145℃、好ましくは1100〜1135℃の範囲の温度で焼成することが必要である。1090℃よりも低い温度では発泡が不十分となりやすく、水浮揚物の割合が小さくなり、所望のガラス質バルーンを高収率で得ることができない。1145℃より高い温度で焼成すると、原料鉱物粉末が炉内で融着して閉塞しやすくなるので、所望のガラス質バルーンを量産することができない。
この焼成は、例えば内燃式媒体流動床炉を用いて行うのが好ましい。
なお、高温含水量が1.8質量%よりも多い原料鉱物粉体の場合は、1090℃よりも低い温度においても既に過発泡を生じ、高強度ガラス質バルーンを得ることができない。
次に、添付図面により本発明方法における焼成工程の1例を説明する。
図1は、内燃式媒体流動床炉を用いて焼成を行う場合の略解説明図であり、高温乾燥された原料鉱物粉末は、導入口1より供給され、流動床炉2より排出管3を通って排出される排ガスと混合され、管路4、逆サイクロン5及び大容量サイクロン6を経由してスクリューフィーダ7に送られる。次いで、スクリューフィーダ7により原料供給管8に供給された原料鉱物粉末は、コンプレッサ9から送られる空気と原料供給管8に設けられた燃料ガス導入口10から導入される燃料ガスと混合され、流動床炉2の下部に圧入される。この際、大容量サイクロン6で分離された細粒画分は、排ガスと共に吸引ブロア11により吸引され、管路12を経て小容量サイクロン13により分離回収される。
上記の内燃式媒体流動床炉2は、縦長円筒体14とその内部を上部の流動層形成部と下部の風箱部に区画する分散板15と上部の区画に装填された熱媒体から構成されている。縦長円筒体14は、ステンレス鋼のような耐食性、耐熱性材料で作られ、そのサイズは、通常、内径50〜1000mm、高さ1〜10mの範囲内で選ばれるが、特に制限はない。
分散板としては、耐食、耐熱性の金属、例えばステンレス鋼の厚さ2〜8mmの板に、直径1.5〜5mmの孔を開孔比2〜5%の割合で穿孔した多孔板が用いられている。熱媒体としては、直径1.5〜3.5mmの耐熱性セラミックボール例えばムライト製ボールが用いられる。
この流動床炉の温度は、上記のコンプレッサ9から圧送される空気と燃料ガスの混合物の供給量及び燃料ガスと空気との混合割合を調節することにより900〜1150℃の範囲内に制御する。内燃式媒体流動床炉2で生成したガラス質中空球は排出管3を通って中空球分離用サイクロン16に送られ回収される。
また、本発明方法においては、流動床の静止層高を50〜300mm、ガス流量30〜80Nm3/時の条件下で、かつ原料鉱物粉末の供給量5〜40kg/hrで操作するのが好ましい。
本発明によると、上記のようにして、平均粒径20〜150μmの90質量%以上が多泡構造を有する高強度、高真球度のガラス質バルーンが得られる。
一般に多泡構造のガラス質バルーンは、強度が低いと考えられているが、本発明方法により得られるガラス質バルーンは、多泡構造であるにもかかわらず、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率50%以上に相当する高い耐圧強度を示す。
また、ガラス質バルーンの製造に際しては、高強度、高真球度の製品を得ようとすれば、収率が著しく低下するのを免れないが、本発明方法によると8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率が50%以上、真球度が0.85以上という高強度、高真球度の製品を原料鉱物粉末の質量に基づき、60%以上という高い収率で得ることができる。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
参考例1
中華人民共和国産真珠岩(低温含水量0.93質量%、高温含水量4.07質量%)をローラーミルで粉砕し、電気炉を用い、400℃で異なった処理時間で高温乾燥することにより、高温含水量0.88質量%ないし2.96質量%の4種の原料粉末サンプル(平均粒径23〜27μm)を調製した。
次に、これらのサンプルを熱媒体として粒径1.7〜2.8mmのムライト破砕物3.2kgを熱媒体として用い、熱媒体の静止層高164mm、原料供給量8.3kg/時、ガス流量50Nm3/時の条件下で焼成温度を1130℃において30分間焼成し、ガラス質バルーンを製造した。
このようにして得たガラス質バルーンの8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率(%)を測定し、原料粉末の高温含水量(%)と静水圧浮揚率(%)との関係をグラフとして図2に示す。
この図より分かるように、高温含水量0.8〜1.8%の範囲内で静水圧浮揚率50%以上の高強度ガラス質バルーンが得られる。
参考例2
参考例1における原料粉末サンプル中の高温含水量1.11質量%のものを用い、焼成温度を1050〜1150℃の範囲で変えるほかは、参考例1と同じ条件下で焼成することによりガラス質バルーンを製造した。
得られたガラス質バルーンの焼成温度(℃)と8MPaで1分間の静水加圧後における静水圧浮揚率(%)との関係をグラフとして図3に示す。
この図より分かるように、焼成温度1090〜1145℃の範囲内で静水圧浮揚率50%以上の高強度ガラス質バルーンが得られる。
図1に示すシステムに従い、ガラス質バルーンを製造した。原料鉱物として、兵庫県産の真珠岩をローラーミルにより粉砕した真珠岩微粉を、電気炉で400℃にて1時間保持したものを用いた。この高温乾燥された原料鉱物粉末の平均粒は18.1μm、その低温含水量は0.19質量%、高温含水量は1.36質量%であった。この原料鉱物粉末は、導入口1から原料供給部に送られる。この原料供給部は、後出の内燃式媒体流動床炉2から排出された排ガスが送られる排出管3と導入口1と、中空球分離用サイクロン16によりガラス質中空球と分離された排ガスと原鉱中粒画分との混合物を原料分画帯域へ供給する管路4から構成されている。
この原料供給部を通過した原鉱中粒画分と排ガス(中空球分離用サイクロン16から排出)との混合物は、逆サイクロン5で粗粒画分が除去され、原料分画帯域に送られ、気流中で乾燥されながら分級され、粒径7〜210μmの範囲の中粒画分のみが、大容量サイクロン6により平均粒径47.9μmの原料として回収される。その原料がスクリューフィーダ7及び原料供給管8を介して流動床炉の下部へ送られ、コンプレッサ9により供給される空気と燃料ガスとの混合ガスで圧送された。
内燃式媒体流動床炉2は、耐熱ステンレス鋼製の縦長円筒体14(内径129mm、高さ1.8m)とその内部を上部の流動層形成部と下部の風箱部に区画する分散板15と上部の区画に装填された熱媒体から構成されている。
分散板15としては、厚さ4mmのステンレス鋼板に、直径1.7mmの孔を開孔比2.9%の割合で穿孔した多孔板を用いた。熱媒体としては、伊藤忠セラテック製の粒径1.7〜2.8mmのムライト破砕物3.2kgを用いた。
この流動床炉の温度は、上記のコンプレッサ9から圧送される空気と燃料ガスの混合物の供給量及び燃料ガスと空気との混合割合を調節することにより1130℃±5℃で温度制御した。流動床の静止層高を164mmで、スクリューフィーダ7のシラス原料供給量5.4kg/hrで操作した。
原料鉱物粉末は、内燃式媒体流動床炉2を経て発泡しガラス質中空球となり、排気ガスに搬送されて中空球分離用サイクロン16で排気ガスと分離した。回収したガラス質中空球を浮水分離して得られた高強度ガラス質中空球の収率は77.4%であり、平均粒径73.0μm、ゆるみ見掛比重0.39、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率は60.0%であった。ゆるみ見掛比重は、ホソカワミクロン製パウダーテスタPT−E型を用いて、専用の金属製カップ(内容積100ml)に専用の振動ふるいを通して20〜30秒で試験粉体を堆積させて、比重を測定した。
このようにして得た高強度ガラス質中空球の電子顕微鏡写真(日本電子製JSM−840使用、加速電圧15kV、二次電子像)を図4に示す。その真球度は0.89であった。真球度は、電子顕微鏡倍率150倍の写真を撮影し、最大径MDと、これに直行する径BDの比(BD/MD)で表され、真球度が1に近いほど真球に近くなる。本実施例では測定数20個の平均値を真球度の数値とした。
また、このものの粒子断面の電子顕微鏡写真を図5に示す。粒子断面から、高強度ガラス質バルーンのほとんどが多泡状バルーンからなることが分かる。断面観察は、ガラス質中空球を冷間埋込エポキシ系樹脂に分散して24時間室温で硬化させ、320番の耐水研磨紙で粗研磨後、2400番の耐水研磨紙で精密研磨して、乾燥後、金蒸着したものを電子顕微鏡で観察した。
図1に示すシステムに従い、ガラス質バルーンを製造した。原料鉱物として、中華人民共和国産の真珠岩をローラーミルにより粉砕した真珠岩微粉を、電気炉で400℃にて1時間保持したものを用いた。この高温乾燥された原料鉱物粉体の平均粒径は25.3μm、その低温含水量は0.28質量%、高温含水量は1.11質量%であった。この原料粉体を導入口1から原料供給部に送られる。この原料供給部は、後出の内燃式媒体流動床炉2から排出された排ガスが送られる排出管3と導入口1と、中空球分離用サイクロン16によりガラス質中空球と分離された排ガスと原鉱中粒画分との混合物を原料分画帯域へ供給する管路4から構成されている。
この原料供給部を通過した原鉱中粒画分と排ガス(中空球分離用サイクロン16から排出)との混合物は、逆サイクロン5で粗粒画分が除去され、原料分画帯域に送られ、気流中で乾燥されながら分級され、粒径7〜210μmの範囲の中粒画分のみが、大容量サイクロン6により平均粒径45.9μmの原料として回収される。その原料がスクリューフィーダ7及び原料供給管8を介して流動床炉の下部へ、コンプレッサ9により供給される空気と燃料ガスとの混合ガスによって圧送された。他の焼成条件は、実施例1と同様にして行った。ただし、スクリューフィーダ7の原料供給量を8.3kg/hrに変えて、内燃式媒体流動床炉2の温度を1130℃±5℃で温度制御した。図1の中空球分離用サイクロン16で回収したガラス質中空球を浮水分離して得られた多泡中空球構造を有する高強度ガラス質中空球の収率は66.4%であり、平均粒径は70.2μm、ゆるみ見掛比重0.45、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率は63.5%であった。このようにして得た高強度ガラス質中空球の電子顕微鏡写真を図6に示す。このものの真球度は0.87であった。また、このものの粒子断面の電子顕微鏡写真を図7に示す。粒子断面から、高強度ガラス質バルーンのほとんどが多泡状バルーンからなることがわかる。
本発明は、軽量フィラー材料として好適な高強度のガラス質バルーンの製造方法として有用である。
内燃式媒体流動床炉を用いて焼成を行う場合の略解説明図。 参考例1で得た原料粉末の高温含水量(%)と静水圧浮揚率(%)との関係を示すグラフ。 参考例2で得たガラス質バルーンの焼成温度(℃)と静水圧浮揚率(%)との関係を示すグラフ。 実施例1で得た高強度ガラス質中空球の電子顕微鏡写真図。 実施例1で得た高強度ガラス質中空球の粒子断面の電子顕微鏡写真図。 実施例2で得た高強度ガラス質中空球の電子顕微鏡写真図。 実施例2で得た高強度ガラス質中空球の粒子断面の電子顕微鏡写真図。
符号の説明
1 導入口
2 流動床炉
3 排出管
4,12 管路
5 逆サイクロン
6 大容量サイクロン
7 スクリューフィーダ
8 原料供給管
9 コンプレッサ
10 燃料ガス導入口
11 吸引ブロア
13 小容量サイクロン
14 縦長円筒体
15 分散板
16 中空球分離用サイクロン

Claims (4)

  1. 真珠岩、黒曜石及び松脂岩から選ばれた原料鉱物を粉砕し、350〜500℃において高温乾燥して、高温含水量0.8〜1.8質量%、平均粒径15〜100μmの粉末を調製したのち、これを、内燃式媒体流動床炉を用いて、流動床の静止層高を50〜300mm、ガス流量30〜80Nm /時の条件下で、かつ原料鉱物粉末の供給量5〜40kg/hr、1090〜1145℃の範囲内の温度において焼成することを特徴とする、8MPaで1分間の静水加圧後の静水圧浮揚率50%以上に相当する耐圧強度を有する高強度ガラス質バルーンの製造方法。
  2. 原料鉱物が真珠岩である請求項1記載の高強度ガラス質バルーンの製造方法。
  3. 得られる高強度ガラス質バルーンの90質量%以上が多泡状バルーンである請求項1又は2記載の高強度ガラス質バルーンの製造方法。
  4. 得られる高強度ガラス質バルーンが真球度0.85以上、平均粒径が20〜150μmである請求項1、2又は3記載の高強度ガラス質バルーンの製造方法。
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