JP2011126762A - パーライト並びに無機質発泡材の製造方法、及び流動層焼成炉 - Google Patents

パーライト並びに無機質発泡材の製造方法、及び流動層焼成炉 Download PDF

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秀樹 和知
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Abstract

【課題】連続生産でき、生産性が高く、かつ、生産コストが低廉であり、更には発泡均一性に優れたパーライト等の無機質発泡材を提供することである。
【解決手段】パーライト製造方法であって、前記製造方法は熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法であり、前記パーライトの原料が前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明はパーライト等に関する。
例えば、パーライトは、流紋岩(真珠岩や黒曜石など)等の酸性火山岩を粉砕し、加熱発泡を行うことにより、生産されている。
前記加熱発泡には気流焼成炉やロータリー式キルンが提案されている。気流焼成炉が用いられた場合、発泡は、原料(粉砕された酸性火山岩)と高温のガスや炉内に形成された火炎とが0.1〜30秒程度に亘って接触することで行なわれる。気流焼成炉はコンパクトである。しかしながら、発泡時間が短いことから、発泡の均一性が悪い。かつ、発泡に利用されるエネルギー効率が悪い。ロータリー式キルンが用いられた場合、発泡は、原料がロータリー式キルン炉壁を摺動しながら行われる。すなわち、発泡は、炉壁の輻射熱、バーナーフレーム、及び炉内熱ガスからの伝熱により行われる。従って、ロータリー式キルンによる場合、発泡時間は数分から数十分以上と長い。よって、均一な発泡が行われる。又、原料供給時の許容粒度範囲が広い。しかしながら、ロータリー式キルンは大型で設備費が高い。そして、ランニングコストも高い。更には、ロータリー式キルンでも原料を急速に加熱させる為、発泡に必要な熱量以上の熱を加えなければならず、エネルギー効率が悪い。何れの装置が用いられても満足できない。
パーライト等の無機質無機質発泡材の製造には、気流焼成炉やロータリー式キルンの他にも、流動層焼成炉が提案(特開2001−240439号公報、特開2002−338280号公報)されている。
特開2001−240439号公報では、抗火石、シラス、流紋岩の如き火山ガラス鉱物を平均粒径10μm以下に微粉砕し、これに発泡剤を加えて1000〜100μmに造粒し、流動層キルンで焼成発泡させることを特徴とする流動層による人工軽量セラミック粒子の製造方法が提案されている。
特開2002−338280号公報では、火山ガラス原料を内燃式流動床炉で発泡せしめて得られる中空ガラス球状体を含む気流を、複数のサイクロン集塵装置をその旋回気流速度が大きくなる順に直列に連結した集塵装置に供給し、最後にバグフィルタに供給することからなる所望の中空ガラス球状体を連続的に製造する方法が提案されている。
特開2001−240439号公報 特開2002−338280号公報 特開平10−325684号公報
特許文献1には、10μm以下に微粉砕した粒子に無機質発泡材を加えて100〜1000μmの大きさに造粒し、この造粒物をバッチタイプの流動層焼成炉で焼成発泡することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示のバッチタイプの流動層焼成炉では、バッチ式のものである為、生産性が悪い。造粒工程を必要とする等の問題点も有る。更に大きな問題点は、図2からも判る通り、焼成炉の上方側から原料(造粒物)が供給されている為、発泡効率が悪いものであった。発泡の均一性も悪かった。
これに対して、特許文献2にあっては、図3から判る通り、流動層焼成炉の下方側から原料が供給されている。従って、上記特許文献1の場合の問題点は解決されるであろうと思慮される。すなわち、発泡効率や発泡の均一性に問題は起き難いであろうと予想された。
しかしながら、流動層焼成炉の下方側から原料が供給されて焼成・発泡が行なわれた場合、操業初期段階では大きな問題点に気付かなかったものの、暫くしてから、供給原料が途中で詰まり、操業を停止せざるを得ない問題点が認められた。
更に、流動層焼成炉では、熱効率を高める為、熱媒体が用いられる。熱媒体を用いた流動層焼成炉は、原料が微細な場合には問題が少なくても、原料が大きくなると、原料が流動層内に留まることが有り、焼成・発泡が上手く行かない場合も認められた。
従って、本発明が解決しようとする課題は前記問題点を解決することである。すなわち、連続生産でき、生産性が高く、かつ、生産コストが低廉であり、更には発泡均一性に優れたパーライト等の無機質発泡材を提供することである。
前記の課題は、
パーライト製造方法であって、
前記製造方法は熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法であり、
前記パーライトの原料が前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される
ことを特徴とするパーライト製造方法によって解決される。
又、上記パーライト製造方法であって、好ましくは、気流が熱媒体層の下側から上側に向って流れており、前記熱媒体層の横側から供給された原料が該熱媒体層中を通過して焼成発泡されて出来たパーライトは該熱媒体層の上方から排出されることを特徴とするパーライト製造方法によって解決される。
又、上記パーライト製造方法であって、好ましくは、熱媒体の量は、高さHで直径Dの円柱形に換算された場合、前記H/Dが1〜4であることを特徴とするパーライト製造方法によって解決される。
又、上記パーライト製造方法であって、好ましくは、パーライトの原料は、その75質量%以上が、粒径は100〜500μmであり、熱媒体は、その平均粒径が0.5〜3mm、その密度が1〜3g/cmであることを特徴とするパーライト製造方法によって解決される。
又、上記パーライト製造方法であって、好ましくは、パーライトの原料が、真珠岩、シラス、松脂岩、黒曜石、コーガ石の群の中から選ばれる一種または二種以上のものであることを特徴とするパーライト製造方法によって解決される。
又、前記の課題は、
無機質発泡材の製造方法であって、
前記製造方法は熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法であり、
前記無機質発泡材の原料が前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される
ことを特徴とする無機質発泡材製造方法によって解決される。
又、上記無機質発泡材製造方法であって、好ましくは、気流が熱媒体層の下側から上側に向って流れており、前記熱媒体層の横側から供給された原料が該熱媒体層中を通過して焼成発泡されて出来た無機質発泡材は該熱媒体層の上方から排出されることを特徴とする無機質発泡材製造方法によって解決される。
又、上記無機質発泡材製造方法であって、好ましくは、熱媒体の量は、高さHで直径Dの円柱形に換算された場合、前記H/Dが1〜4であることを特徴とする無機質発泡材製造方法によって解決される。
又、上記無機質発泡材製造方法であって、好ましくは、無機質発泡材の原料は、その75質量%以上が、粒径は100〜500μmであり、熱媒体は、その平均粒径が0.5〜3mm、その密度が1〜3g/cmであることを特徴とする無機質発泡材製造方法によって解決される。
又、前記の課題は、
熱媒体を有する流動層焼成炉において、
前記流動層焼成炉で焼成される原料の供給口が、前記流動層焼成炉内に配設されている熱媒体層の横側部に対応して構成されてなる
ことを特徴とする流動層焼成炉によって解決される。
又、上記流動層焼成炉であって、好ましくは、気流が熱媒体層の下側から上側に向って流れ、かつ、前記熱媒体層の横側部に対応して構成された原料供給口から供給された原料が該熱媒体層中を通過することで焼成された製品は該熱媒体層の上方から排出されるよう構成されてなることを特徴とする流動層焼成炉によって解決される。
又、上記流動層焼成炉であって、好ましくは、熱媒体の量は、高さHで直径Dの円柱形に換算された場合、前記H/Dが1〜4であることを特徴とする流動層焼成炉によって解決される。
又、上記流動層焼成炉であって、好ましくは、75質量%以上が粒径100〜500μmの原料を焼成発泡して無機質発泡材を製造する為のものであり、熱媒体が、その平均粒径は0.5〜3mm、その密度は1〜3g/cmであることを特徴とする流動層焼成炉によって解決される。
熱媒体を有する流動層焼成炉が用いられるので、熱効率が高い。しかも、パーライト等の無機質発泡材の発泡均一性が良い。
ところで、熱媒体を有する流動層焼成炉において、パーライト原料などが熱媒体層の下側から供給された場合、目詰まり等の問題が起き、操業停止の問題が起きた。しかしながら、本発明では、熱媒体層の横側から供給されるようにしたので、目詰まり・操業停止の問題が大幅に改善された。すなわち、パーライト等の無機質発泡材の連続生産性に優れていた。従って、生産コストも低廉である。
さて、製鉄用原料が流動層炉の一方側横から供給され、かつ、製品が流動層炉の他方側横から排出され、更に反応ガス(還元ガス)が流動層炉の下側から供給される方式の技術が、前記特許文献3に開示されている。
しかしながら、この特許文献3では、本発明の場合と異なり、熱媒体が用いられて無い。従って、熱媒体が用いられる流動層焼成炉において、熱媒体の箇所において起きていた原料の目詰まりに起因する操業停止を如何にすれば回避できるかのヒントが特許文献3からは得られない。なぜならば、特許文献3では、そもそも、本発明が解決しようとした問題が起きて無いからである。
更に言うならば、特許文献3では、原料が熱媒体層中を通過と言う考えが皆無であるから、原料が熱媒体層の上側から供給される場合、原料供給口が流動層炉の横側であっても上側であっても、特長差は殆ど無い。すなわち、原料供給口を炉の横側に構成しなければならない必然性が無い。
しかも、本発明が対象とするパーライト等の無機質発泡材を特許文献3の装置で得ようとした場合、熱媒体が用いられてないから、得られる無機質発泡材は、発泡の均一性が悪い。
更に、パーライト等の無機質発泡材原料を炉の一方側横部から供給したとしても、製品出口が特許文献3では炉の他方側横部であるから、パーライト等の発泡均一性が悪いことを我慢するにしても、軽量な無機質発泡材の取出しが出来ない。すなわち、本発明と特許文献3とでは、対象物(製品)が軽量な無機質発泡材であるか、鉄あるいはアイアンカーバイトであるかの相違によって、その技術思想が全く異なり、特許文献3の技術思想を本発明の分野に転用したとしても本発明には容易に到達できない。
本発明になる流動層焼成炉の要部の概略縦断面図 特許文献1に開示の流動層焼成炉の概略図 特許文献2に開示の流動層焼成炉の概略図
第1の発明はパーライト製造方法である。このパーライト製造方法は、熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法である。前記パーライトの原料は前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される。そして、好ましくは、気流(熱流:熱を帯びた気体:流動化ガス)が熱媒体層の下側から上側に向って流れており、前記熱媒体層の横側から供給された原料が該熱媒体層中を通過して焼成発泡されて出来たパーライトは、前記気流の作用により、該熱媒体層の上方から排出される。前記焼成炉は、一般的には、円筒形である。とは言うものの円筒形に限定されるものでも無い。そして、焼成炉内に配設されている熱媒体の量は、該熱媒体が、高さHで直径(内径)Dの円筒内に配設(充填)されているとした場合、好ましくは、前記H/Dが1〜4であった。すなわち、H/Dが大き過ぎる(熱媒体量が多すぎる:熱媒体層の厚さが厚すぎる)と、焼成パーライトが流動し難くなり、逆に、小さ過ぎると、熱媒体による効果が奏され難い。勿論、気流(熱流:流動化ガス)の供給量を多くすれば流動性を確保できるであろうが、経済性が低下する。従って、H/Dの好ましい範囲は1〜4であった。前記供給されるパーライトの原料は、好ましくは、その75質量%以上が、粒径は100〜500μmである。原料は、例えば真珠岩、シラス、松脂岩、黒曜石、コーガ石などである。前記熱媒体は、好ましくは、平均粒径が0.5〜3mm(好ましくは、前記原料より大きい)である。前記熱媒体は、好ましくは、密度が1〜3g/cmである。
第2の発明はパーライト以外の無機質発泡材(多孔質材)の製造方法である。無機質発泡材としては、例えば上記原料を微粉砕してSiC等の発泡剤を加えた人工骨材などが挙げられる。勿論、これに限られるものでも無い。この無機質発泡材製造方法は、熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法である。前記無機質発泡材の原料は前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される。そして、好ましくは、気流(熱流:熱を帯びた気体:流動化ガス)が熱媒体層の下側から上側に向って流れており、前記熱媒体層の横側から供給された原料が該熱媒体層中を通過して焼成発泡されて出来た無機質発泡材は、前記気流の作用により、該熱媒体層の上方から排出される。前記焼成炉は、一般的には、円筒形である。とは言うものの円筒形に限定されるものでも無い。そして、焼成炉内に配設されている熱媒体の量は、該熱媒体が、高さHで直径(内径)Dの円筒内に配設されているとした場合、好ましくは、前記H/Dが1〜4であった。前記供給される無機質発泡材の原料は、好ましくは、その75質量%以上が、粒径は100〜500μmである。前記熱媒体は、好ましくは、平均粒径が0.5〜3mm(好ましくは、前記原料より大きい)である。前記熱媒体は、好ましくは、密度が1〜3g/cmである。
第3の発明は流動層焼成炉である。この流動層焼成炉は熱媒体を有する。流動層焼成炉は、好ましくは、前記熱媒体を保持する板(例えば、金属或いはセラミック板:分散板 分散板とは媒体を落下させずに保持する。更に、圧力損失により良好な流動層の形成を目的として設置される)を備えている。すなわち、板の上に熱媒体は載せられている。この板の下方側から熱流(流動化ガス)が供給される。従って、前記板体は孔を有する。前記孔から前記熱媒体が落下しないよう前記孔は前記熱媒体の大きさより小さい。前記板の代わりに網であっても良い。すなわち、熱媒体を保持でき、かつ、下から上に向かって熱流が流れて行くことが出来る構造のものであれば如何は問われない。そして、前記熱流の流れによって、焼成品(焼成・発泡品)は、好ましくは、熱媒体層の上側から排出されるよう構成されている。流動層焼成炉で焼成される原料の供給口が、流動層焼成炉内に配設されている熱媒体層の横側部に対応して構成されている。前記供給口は、熱媒体層の横側部であれば良いが、好ましくは、出来るだけ下方側の位置である。なぜならば、熱媒体層中を通過する距離がそれだけ長くなり、焼成時間が長くなるからである。前記焼成炉は、一般的には、円筒形である。とは言うものの円筒形に限定されるものでも無い。そして、焼成炉内に配設されている熱媒体の量は、該熱媒体が、高さHで直径(内径)Dの円筒内に配設されているとした場合、好ましくは、前記H/Dが1〜4であった。前記熱媒体は、好ましくは、平均粒径が0.5〜3mmである。前記熱媒体は、好ましくは、密度が1〜3g/cmである。そして、本装置で処理される原料は、好ましくは、その75質量%以上が、粒径は100〜500μm(好ましくは、前記熱媒体より小さい)である。
本流動層焼成炉は、好ましくは、その炉内に、N(Nは2以上の整数:好ましくは3〜5)個の板体が積重・配置されている。板体の配置位置は、好ましくは、焼成帯(焼成域)の上部である。更に好ましくは、フリーボードより上流側(流動層側)の焼成帯である。前記N個の板体は間隔を空けて積重・配置されたものである。好ましくは、3〜15cm(より好ましくは、5〜10cm)程度の間隔を空けて積重・配置されたものである。更に好ましくは、下から(K+1(但し、Kは1以上で(N−1)以下の整数))番目に位置する第(K+1)板体は、下からK番目に位置する第K板体の真上に配置(第(K+1)板体の中心が第K板体の中心の上に存するよう配置)されている。特に好ましくは、N個の板体の中心位置が炉の垂直方向の中心線上に位置するように配置されている。前記N個の板体の中の少なくとも一つは開口を有する。前記N個の板体の中の少なくとも一つは開口を有さない。そして、板体を上記の如くに構成させておくと、炉内における流体の流れがスムーズで、乱れが少ない。その結果、高品質な焼成品が効率良く得られるようになる。本装置において、好ましくは、開口を有する板体は最下部以外に位置する。より好ましくは、最下部以外に位置する全ての板体は開口を有する。この開口は、好ましくは、上側に位置する板体ほど、大きい。すなわち、開口面積は上側ほど大きい。そして、開口を有する板体は、好ましくは、上側に位置するほど外形が大きい。開口は、更に好ましくは、0.9×[第K板体の外形の大きさ]≦[第(K+1)板体の開口の大きさ]≦1.2×[第K板体の外形の大きさ](第K板体とは、下からK(但し、Kは1〜Nの整数)番目に位置する板体)を満たす。最下部に位置する第1板体は、好ましくは、開口を有さない。最下部に位置する第1板体は、好ましくは、その大きさが、炉の断面積の1/10〜4/10(特に、2/10〜3/10)である。すなわち、最下部に位置する第1板体にも開口を設けていると、流動層部に存する熱媒体が飛び出し易い。つまり、流動層における熱媒体が流失(消失)し易い。そして、流動層内での圧力変動や温度差分布が大きなものとなる。これに対して、最下部に位置する第1板体に開口を設けていなかった場合、流動層部に存する熱媒体が効果的に遮蔽されて流失し難く、流動層内での圧力変動や温度差分布が小さい。積重・配置されたN個の板体は、次の条件が満たされているのが好ましい。すなわち、炉壁に沿った方向の光をN個の板体に照射した場合、前記N個の板体による光の投影面積が炉の断面積の9/10以上(更には、95/100以上)である。尚、この値は100/100であっても良い。しかしながら、この値が100/100と言うことは、外形が一番大きな板体は炉壁に接していることである。そうすると、板体配置の作業性が劣る。従って、実際には、100/100未満である。
以下、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
図1は本発明になる流動層焼成炉の概略断面図である。
図1中、1は円筒形(直径Dが、例えば直径300mm)状の焼成炉である。2は、焼成炉1の下方部に設けられた分散板である。この分散板2は、後述の熱媒体の大きさより小さな径(例えば、0.5〜2mm程度)の孔を有する。尚、この孔は全般的に設けられている。分散板2の上には、径が0.5〜3mm程度で、密度が1〜3g/cm程度の熱媒体3が所定の厚さ(H)となるよう載せられている。熱媒体3は、例えばアルミナやムライトと言ったセラミック粒子である。下記の表に示されるケースでは、熱媒体3は2mm径のアルミナである。
4は、前記熱媒体3が存する領域(層)の横側部に対応して焼成炉に設けられた原料供給口(投入口)である。この原料供給口4が熱媒体3の存する領域(層)の横側部に対応して構成されていることは本発明の大きな特徴の一つである。原料供給口4の径は前記分散板2の孔や熱媒体3の径より大きく、例えば直径1〜5cm程度である。供給口4は一つでも複数個でも良い。
5,6,7は遮蔽板である。板体5,6,7は、フリーボード部よりも上流側(流動層部側)の領域に配置されている。言い換えるならば、焼成帯(焼成域)の上部位置に板体5,6,7は配置されている。板体5,6,7は間隔を設けて積重配置されている。尚、一番下に位置する板体5は、その大きさ(外形の面積)が、炉の大きさ(内形の断面積)の1/10〜4/10である。板体5は、板体6,7と異なり、開口(孔)が設けられて無い。板体5の真上に配置されている板体6は、その外径が、炉の内径の7/10程度のものである。板体6には円状の開口が形成されている。この開口の内径(直径)は板体5の外径(直径)と同じ値である。尚、開口は、開口中心と板体中心とが一致しているように形成されている。板体6の真上に配置されている板体7は、その外径が、炉の内径の9/10程度のものである。板体7には円状の開口が形成されている。この開口の内径(直径)は板体6の外径(直径)と同じ値である。尚、この開口は、開口中心と板体7中心とが一致しているように形成されている。
そして、上記焼成炉が用いられてパーライトが製造された。すなわち、100〜500μm(75質量%以上のものが100〜500μm)の大きさの酸性火山岩(真珠岩)が、原料供給口4から熱媒体層3中に供給された。供給速度は0.1〜0.5m/時間であった。又、セラミック板2の下から上に向かって900〜1200℃の熱流(流動化ガス)が200〜350m/時間の割合で供給された。
その結果、パーライトが効率良く連続生産できた。特に、途中経路においてパーライトが付着・堆積と言った問題点が大幅に改善されていた。そして、炉内では局部的な高温域が発生し難く、原料や熱媒体の溶融による付着・合体と言った現象が起き難いものであった。又、遮蔽板によって、パーライトと熱媒体との分離が効果的に行われた。そして、熱媒体の消失(流失)が少なかった。又、熱損失が少なかった。又、炉内における温度差が小さかった。このようなことから、熱効率が高かった。その結果、消費エネルギーが少なかった。又、遮蔽板によって、焼成域が短くても済み、装置が小型なものとなった。更には、パーライト原料が途中で詰まって操業を停止しなければならないと言った問題点は皆無であった。そして、流動化ガスに伴ってパーライトが効率良く輸送されるものであった。得られたパーライトは、発泡の均一性に優れており、かつ、強度的にも優れており、高品質なものであった。
得られたパーライトの特性を下記の表−1に示す。
表−1
No 燃料原単位 媒体高さ 強度 強度バラツキ 嵩密度バラツキ
1 140 0 85 135 120
2 100 1 100 100 100
3 105 2 105 85 90
4 120 3 130 80 75
5 140 4 135 75 70
6 250 − 80 195 310
* No1は、媒体高さが0から判る通り、熱媒体が用いられて無い。
* No6は、気流炉が使用(流動層焼成炉不使用)の場合の例。
* No2,3,4,5は本発明であるが、No1,6は本発明外。
* 燃料原単位は、製品単位量当たりの燃料使用量の相対比較値。数字が小さい程、エネルギー効率が良い。
* 媒体高さの数値はH/Dである。数値が大きい程、媒体量が多い。
* 強度は、得られたパーライトを容器と共に水で満たされた加圧容器内へ入れ、8MPaで1分間加圧した。加圧後、加圧した試料の全量を取り出してメスシリンダーに入れ、水200mlを加えて静置した。静置後、水の濁りが無くなって来たら、浮水率測定方法に準じた方法で浮いた試料粒子の体積を計測し、8MPa加圧下での加圧浮揚率(浮水率)W2とした。加圧試料と同量の試料について、加圧せずに常圧下とした以外は同様の測定方法で測定し、非加圧下の浮揚率(浮水率)W1とした。加圧試料浮揚率W2/非加圧浮揚率W1×100の式に基づいて静水圧浮揚残存率を算出した。そして、例1のものを100として、強度(8MPa静水圧残存強度)を相対値で表示した。数値が大きい程、強度は高い。
* 一定容積Sの容重枡に試料を充填し、開口からはみ出た部分をすり切り、全体の重量G1を測定し、これから容器の重量G2を差し引いて粉末重量G3を求め、上記容積Sに対する粉末重量の比G3/S(g/cm)を嵩密度とし、繰り返し10試料測定値の標準偏差で嵩密度バラツキを表示した。No2の場合の値を100とした場合の相対値で表した。数値が小さい程、バラツキは少ない。
上記表−1では真珠岩が用いられた場合であったが、シラス、松脂岩、黒曜石、及びコーガ石が用いられても同様な結果であった。又、上記にあっては、パーライト製造の場合であったが、無機質発泡材製造の場合も同様な結果であった。例えば、原料として上記原料を微粉砕してSiC等の発泡剤を加えた人工骨材を用いた無機質発泡材製造の場合でも同様な結果であった。
1 焼成炉
2 セラミック板
3 熱媒体
4 原料投入口

Claims (10)

  1. パーライト製造方法であって、
    前記製造方法は熱媒体を有する流動層焼成炉で焼成発泡が行なわれる方法であり、
    前記パーライトの原料が前記熱媒体層の横側から前記熱媒体層中に供給される
    ことを特徴とするパーライト製造方法。
  2. 気流が熱媒体層の下側から上側に向って流れており、
    前記熱媒体層の横側から供給された原料が該熱媒体層中を通過して焼成発泡されて出来たパーライトは該熱媒体層の上方から排出される
    ことを特徴とする請求項1のパーライト製造方法。
  3. 熱媒体の量は、高さHで直径Dの円柱形に換算された場合、前記H/Dが1〜4である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のパーライト製造方法。
  4. パーライトの原料は、その75質量%以上が、粒径は100〜500μmであり、
    熱媒体は、その平均粒径が0.5〜3mm、その密度が1〜3g/cmである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかのパーライト製造方法。
  5. パーライトの原料が、真珠岩、シラス、松脂岩、黒曜石、コーガ石の群の中から選ばれる一種または二種以上のものである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかのパーライト製造方法。
  6. 無機質発泡材の製造方法であって、
    前記請求項1〜請求項5いずれかのパーライト製造方法において、パーライトの原料に代わって前記無機質発泡材の原料が用いられる
    ことを特徴とする無機質発泡材の製造方法。
  7. 熱媒体を有する流動層焼成炉において、
    前記流動層焼成炉で焼成される原料の供給口が、前記流動層焼成炉内に配設されている熱媒体層の横側部に対応して構成されてなる
    ことを特徴とする流動層焼成炉。
  8. 気流が熱媒体層の下側から上側に向って流れ、かつ、前記熱媒体層の横側部に対応して構成された原料供給口から供給された原料が該熱媒体層中を通過することで焼成された製品は該熱媒体層の上方から排出されるよう構成されてなる
    ことを特徴とする請求項7の流動層焼成炉。
  9. 熱媒体の量は、高さHで直径Dの円柱形に換算された場合、前記H/Dが1〜4である
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8の流動層焼成炉。
  10. 75質量%以上が粒径100〜500μmの原料を焼成発泡して無機質発泡材を製造する為のものであり、
    熱媒体が、その平均粒径は0.5〜3mm、その密度は1〜3g/cmである
    ことを特徴とする請求項7〜請求項9いずれかの流動層焼成炉。

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